JP2004212115A - ストライプ電極の断線検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストライプ電極の断線をその配列ピッチや形状によらず常に簡単な操作で作業性良く容易且つ正確に検出できるとともに、機構が簡単で安価な、ストライプ電極の断線検出装置を提供する。
【解決手段】電圧印加用の第1のコンタクトプローブ4と電圧検出用の第3のコンタクトプローブ5とを、これらがガラス基板Sに接触した際に非導通状態とするのに必要な最小距離Lを保って近接配置し、これら第1及び第3のコンタクトプローブ4、5を矢印Aの方向に検査テーブル1と共に搬送される被検査対象物の電極基板ESにおけるストライプ電極Eの一端に導通接触可能に支持し、第2のコンタクトプローブ6をそのストライプ電極Eの他端に導通接触可能に支持する。
【選択図】 図2
【解決手段】電圧印加用の第1のコンタクトプローブ4と電圧検出用の第3のコンタクトプローブ5とを、これらがガラス基板Sに接触した際に非導通状態とするのに必要な最小距離Lを保って近接配置し、これら第1及び第3のコンタクトプローブ4、5を矢印Aの方向に検査テーブル1と共に搬送される被検査対象物の電極基板ESにおけるストライプ電極Eの一端に導通接触可能に支持し、第2のコンタクトプローブ6をそのストライプ電極Eの他端に導通接触可能に支持する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ストライプ電極の断線の有無を検出する断線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、ドットマトリックス型の表示装置では、絶縁基板上に多数のストライプ電極が所定の微細ピッチで平行に配設されている。例えば、所謂単純マトリクス型の液晶表示素子は、多数の透明ストライプ電極が所定の微細ピッチで平行に配設された一対のガラス基板を、それぞれのストライプ電極が直交するように対向させ、これらガラス基板間に液晶を封入して構成されている。
【0003】
上述の微細ピッチで平行に配設された多数のストライプ電極における断線の有無を検査する方法としては、従来、種々の方法が実施されているが、簡易な装置で容易に断線の有無を検出できる方法として、次のような方法が用いられている。
【0004】
それは、二本のコンタクトプローブをストライプ電極の両端に導通接触させて電圧を印加し、これらコンタクトプローブをストライプ電極の配列方向(ストライプ電極の延在方向と直交する方向)に走査しながら、個々のストライプ電極毎に導通、非導通の有無を調べて、全てのストライプ電極の断線の有無を検査するというものである。(例えば特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平5−333357号公報(2頁から3頁、図9)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述の二本のストライプ電極を電極配列方向に走査させる方法は、簡単な装置で簡便にストライプ電極の断線を検出できる反面、ストライプ電極間の絶縁基板部分に二本のコンタクトプローブが位置したときも、ストライプ電極が断線したときと同様にコンタクトプローブ間に電流が流れないため、ストライプ電極の断線を検知したときとストライプ電極間の絶縁基板上にコンタクトプローブが位置したときとの判別が難しいという問題があった。
【0007】
上記の判別を正確に行うためには、絶縁基板上のコンタクトプローブが接触している位置を特定できる機構が必要となり、検査装置が大掛かりで高価なものとなる。また、被検査対象基板の機種変更によりストライプ電極ピッチが変わると、それに応じて位置特定機構の初期設定条件を変更する必要があり、検査作業が煩雑化する。
【0008】
本発明は、ストライプ電極の断線をその配列ピッチや形状によらず常に簡単な操作で作業性良く容易且つ正確に検出できるとともに、機構が簡単で安価な、ストライプ電極の断線検出装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のストライプ電極の断線検出装置は、絶縁基板上に所定の方向に配列して形成された複数本のストライプ電極の断線検知装置であって、1本のストライプ電極の一方の端部に導通接触可能に支持された第1のコンタクトプローブと、前記第1のコンタクトプローブを導通接触させたストライプ電極の他方の端部に導通接触可能に支持された第2のコンタクトプローブと、前記第1のコンタクトプローブを導通接触させたストライプ電極のその導通接触位置から所定距離の近傍位置に導通接触可能に支持された第3のコンタクトプローブと、前記第1のコンタクトプローブと前記第2のコンタクトプローブを介してこれらコンタクトプローブが導通接触するストライプ電極に所定の電圧を印加する電圧印加回路と、前記第3のコンタクトプローブに接続され、該第3のコンタクトプローブからの検出出力に基づき前記ストライプ電極の断線の有無を検出する断線検出回路と、前記絶縁基板と前記第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブとを前記ストライプ電極が配列された電極配列方向へ相対移動させる相対搬送手段とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明のストライプ電極の断線検出装置によれば、電圧印加用の第1のコンタクトプローブに近接させて断線検出用の第3のコンタクトプローブを設けたから、この第1と第3のコンタクトプローブ間が、ストライプ電極上では導通状態となり、ストライプ電極間の絶縁基板上では非導通状態となる。したがって、各コンタクトプローブがストライプ電極に導通接触しているとき、ストライプ電極における第3のコンタクトプローブと第2のコンタクトプローブの各接触位置間が断線していると、第1のコンタクトプローブから第3のコンタクトプローブに電流が流れてその検出電位がハイレベルとなり、その間が導通しているとその間の抵抗は極めて小さいから第1のコンタクトプローブから第2のコンタクトプローブに殆どの電流が流れて第3のコンタクトプローブの検出電位が接地された第2のコンタクトプローブと略同じ零電位のローレベルとなる。また、各コンタクトプローブがストライプ電極間の絶縁基板上に接触しているときは、第1のコンタクトプローブと第2、第3のコンタクトプローブ間が非導通状態となるため、第3のコンタクトプローブの検出電位は零電位のローレベルとなる。
【0011】
このように、本発明のストライプ電極の断線検出装置によれば、ストライプ電極に断線が発生したときだけ第3のコンタクトプローブの検出電位がハイレベルとなるから、コンタクトプローブが接触している位置を特定するプローブ位置検出機構を設けなくても、ストライプ電極の断線を電極間の絶縁基板を検出したときとは正確且つ容易に判別することができる。また、プローブ位置検出機構が不要で、電位検出用の第3のコンタクトプローブを第1の電圧印加用コンタクトプローブに近接配置するだけでよいから、断線検出装置が大型複雑化することも無い。その結果、ストライプ電極の断線をその配列ピッチや形状によらず常に簡単な操作で作業性良く容易且つ正確に検出できるとともに、機構が簡単で安価な、ストライプ電極の断線検出装置を提供することが可能となる。
【0012】
本発明のストライプ電極の断線検出装置においては、請求項2に記載のように、前記断線検出回路を、前記第3のコンタクトプローブにオペアンプと接地接続した抵抗とを並列に接続し、前記オペアンプの出力端子にローパスフィルタとA/D変換用コンパレータとを順次直列に接続して構成することが好ましく、これにより、断線を検知した際のハイレベル信号を、絶縁基板を検知した際のローレベル信号に対してより明瞭且つ正確に区別して検査作業者に報知することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載のように、前記相対搬送手段は、前記第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブを共通の支持台により固定支持し、前記絶縁基板を前記電極配列方向に沿って搬送する構成とすることが好ましく、これにより、前記相対搬送手段の構造がより簡素化される。
【0014】
更に、請求項4に記載のように、前記第2のコンタクトプローブを、複数本のストライプ電極に同時に導通接触可能な集合接触子とすることが好ましく、これにより、ストライプ電極が直線をなすと共にそれら直線電極を平行に配設した電極基板に限らず、曲線をなす複数のストライプ電極を所定方向に並べた電極基板の断線検査にも本発明の断線検出装置を用いることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を、図1と図2に基づき説明する。図1は本例のドットマトリックス型液晶表示素子に設けられるストライプ電極の断線検出装置全体を示す斜視図で、図2はその検出方法の概念を示す説明図である。
【0016】
図1において、検査テーブル1が、図示しない駆動機構により矢印Aの方向に所定速度で移動可能に設けられている。この検査テーブル1上には、被検査対象物としての液晶表示素子用電極基板ESが、図示しない例えば真空吸引装置等の保持手段により適正な向きに保持されて載置されている。本例の被検査対象物としての電極基板ESは、ドットマトリックス型液晶表示素子を構成する一対の電極基板のうちの一方であり、絶縁体のガラス基板S上に、直線に延在する多数のストライプ電極Eが、等ピッチで互いに平行に電極が延在するx方向とは直角のy方向に配列させて設置されている。そして、この電極基板ESは、検査テーブル1上の所定位置に、その電極配列方向yが検査テーブル1の移動方向Aと平行になる向きに保持され、載置されている。
【0017】
上記検査テーブル1の移動経路を跨いで、コンタクトプローブの保持台2が固定設置されている。この保持台2の側板2aには、その長手方向に沿って、スライド溝dが穿設されている。このスライド溝dには、コンタクトプローブを支持するための支持板が摺動可能に挿持される。本例では、2枚の支持板3a、3bがスライド溝dに挿持され、検査対象のストライプ電極Eの両端部に対応する適正位置に、図示しない固定具で固定されている。この場合、スライド溝dの縁部の複数箇所に、電極基板ESの機種毎の支持板適正位置を示す位置マークm1が印され、各支持板3a、3bには合せマークm2がそれぞれ印されており、検査対象の電極基板の機種に応じて各支持板3a、3bの合せマークm2を対応する位置マークm1に合せることにより、各支持板3a、3bがそれぞれの適正位置に位置する構成となっている。ここで、各支持板3a、3bの適正位置とは、各支持板3a、3bに支持されているコンタクトプローブ(次に述べる)が被検査対象の電極Eの対応する各端部の適切な位置に確実に導通接触できる位置をいう。
【0018】
一対の支持板3a、3bのうちの一方の支持板3aには、電圧印加用の第1のコンタクトプローブ4と電位検出用の第3のコンタクトプローブ5が支持されている。これら第1、第3の各コンタクトプローブ4、5は、互いに極めて近い距離に近接させて設置されている。ここで、図2の概念説明図に示すように、第1、第3の各コンタクトプローブ4、5先端が電極基板ESに接触する位置のストライプ電極Eの長手方向(x方向)に沿った離間距離Lは、その間で断線が生じる可能性が充分に低い距離であって、且つ絶縁体としてのガラス基板S上においては絶縁性が充分に確保される距離でなければならない。従って、この離間距離Lはガラス基板S上で充分な絶縁性を確保できる最小距離に設定されている。
【0019】
また、ストライプ電極Eの幅方向(y方向)においては、両コンタクトプローブ4、5の各先端接触位置が一致していること、つまりx方向へ一直線上に並ぶことが好ましい。但し、このy方向における両コンタクトプローブ4、5の各先端接触位置が図示するようにずれた場合のズレ幅Gの許容範囲を、ストライプ電極Eの幅Wとする。これにより、1本のストライプ電極Eに対して両コンタクトプローブ4、5が同時に導通接触する最低限のタイミングを常に確保することができる。
【0020】
なお、第1、第3の両コンタクトプローブ4、5を、本例では電極基板ESの移動方向Aに対して上流側へ若干傾斜させた姿勢で支持板3aにより支持している。これにより、先端が鋭利なコンタクトプローブ4、5を、A方向に移動する電極基板ESのストライプ電極Eの厚さ分の凹凸が形成されている表面に、円滑に接触させることができる。
【0021】
他方の支持板3bには、電圧印加の際の低電位側端子となる第2のコンタクトプローブ6が支持されている。本例の第2のコンタクトプローブ6は、平面の導通接触面を備えた平板状の共通接触子であり、第1、第3のコンタクトプローブ4、5が接触するストライプ電極Eiとこれを挟む前後複数本のストライプ電極Ei-2、Ei-1、Ei+1、Ei+2に同時に導通接触することができる。
【0022】
このように、低電位側の第2のコンタクトプローブ6を共通接触子とすれば、第2のコンタクトプローブ先端のx方向における導電接触位置が第1及び第3のコンタクトプローブの導電接触位置のx方向支持位置から多少ずれてもストライプ電極Eの断線検出に支障を及ぼさないから、各コンタクトプローブの支持位置設定作業が容易となる。また、本例のような直線の平行ストライプ電極群だけでなく、複数の曲線状ストライプ電極を非平行に配列したストライプ電極群の断線検出も可能となる。
【0023】
保持台2の天板2b上には、断線検出器7が設置されている。この断線検出器7には、第1、第2及び第3の各コンタクトプローブ4、5、6に接続された各配線がそれぞれ所定のターミナルt1、t2、t3を介して接続されている。また、この断線検出器7には、断線を検出した際に警報マークが表示されるディスプレイ7aが設けられている。
【0024】
ここで、断線検出器7内に組み込まれている断線検出回路について、図2の説明図に基づき説明する。
【0025】
図示しない+15Vの電圧を供給する電源ユニットの出力端子Vtが500KΩの抵抗R1を介し電圧印加用の第1のコンタクトプローブ4が接続されているターミナルt1に接続されている。また、電位検出用の第3のコンタクトプローブ5に接続されているターミナルt2には、接地された1MΩの抵抗R2とオペアンプOPが並列に接続されている。本例のオペアンプOPは、出力端子と反転入力端子とが共通接続されたボルテージフォロアタイプであり、その非反転入力端子に第3のコンタクトプローブ5が接続されている。オペアンプOPの出力端子にはローパスフィルタLPと、A/D変換用のコンパレータCM、及び断線を検知したときに警報マークを表示するための警報回路ALが、順次直列に接続されている。警報回路ALには、入力される「0」か「1」の2値のデジタル信号に応じて「断線有り」と「断線無し」を判断する論理回路が設けられている。そして、第2のコンタクトプローブ6に接続されたターミナルt3は接地されている。
【0026】
次に、本例の断線検出装置による検査手順と断線検出作用を説明する。
まず、検査テーブル1上の所定位置に被検査対象物の電極基板ESを載置する。この際、ストライプ電極Eが配列されているy方向を検査テーブル1の移動方向Aに揃える。
【0027】
次いで、各コンタクトプローブ4、5、6の位置決めを行う。本例の場合、各支持板3a、3bをスライド溝dに沿って移動させ、各支持板3a、3b側の合せマークm2を被検査対象の電極基板ESが属する機種の適正位置を示すスライド溝d側の位置マークm1に合せ、この両マークm1、m2が整合した位置で各支持板3a、3bを固定する。
【0028】
以上の検査前の初期設定作業を終えたら、断線検出器7のディスプレイ7aをオンし、次いで、検査テーブル1の駆動機構(不図示)をオンして検査テーブル1を矢印A方向に所定速度で移動させる。
【0029】
この移動過程において、第1、第2、第3のコンタクトプローブ4、5、6がストライプ電極Eに導通接触している場合、そのストライプ電極Eに断線箇所が無ければ、第1のコンタクトプローブ4からその導通接触するストライプ電極Eを通じて略第2のコンタクトプローブ6のみに電流が流れる。これは、ストライプ電極Eにおける第3のコンタクトプローブ5と第2のコンタクトプローブ6の各接触箇所間の抵抗値よりも、第3のコンタクトプローブ5に接続された抵抗R2の抵抗値或いはオペアンプOPの入力インピーダンス値の方がそれぞれ遥かに大きいからである。従って、第3のコンタクトプローブ5により検出される電位は、第2のコンタクトプローブ6の接地電位と略同じ電位、つまり略「0」電位である。この「0」電位の信号電圧は、オペアンプOPで増幅されてローパスフィルタLPに出力され、ローパスフィルタLPをそのまま通過して次順のA/D変換用コンパレータCMで2値のデジタル信号に変換され、信号「0」が次順の警報回路ALに出力される。警報回路ALでは、信号「0」が入力されるとその論理回路により「断線無し」と判断され、ディスプレイ7aには特に何も表示されない。
【0030】
第1、第2、第3のコンタクトプローブ4、5、6がストライプ電極Eに導通接触し、且つ、そのストライプ電極Eに断線箇所が有る場合、その殆どの場合において断線箇所は第3コンタクトプローブ5と第2コンタクトプローブ6の各接触箇所間であり、従って、その場合の電流は第3のコンタクトプローブ5からこれに接続された電位検出回路側に流れる。この電位検出回路においては、抵抗R2の抵抗値よりもオペアンプOPの入力インピーダンス値の方が格段に大きいから、殆どの電流が抵抗R2とその接地回路に流れる。従って、15Vの電源に500KΩの抵抗R1と1MΩの抵抗R2を直列接続した閉回路が形成されたと見なせるから、点Qの検出電位は約「10V」となる。この「10V」の検出電位は0.01mA程度の微弱電流による極めて微弱な信号電圧であるが、ボルテージフォロア型オペアンプOPを介することにより増幅される。この増幅された検出信号は、次順に接続されたローパスフィルタLPにより所定の電位以上がカットされた一定レベルの「ハイ」信号に整形された後、次順のA/D変換用コンパレータCMで2値のデジタル信号に変換され、信号「1」が次順の警報回路ALに出力される。警報回路ALは、信号「1」が入力されるとこれに応じてディスプレイ7aに「断線有り」の警報マークが表示される。
【0031】
第1、第3のコンタクトプローブ4、5の少なくとも何れか一方が、ストライプ電極E上に無く、ストライプ電極E間のガラス基板Sに接触しているときは、第3のコンタクトプローブ5から電位検出回路に電流が流れることはないから、オペアンプOPの出力電位は常に接地電位の「0V」であり、従って、警報回路ALには信号「0」が入力されて警報マークは表示されない。
【0032】
以上のように、本発明の断線検出装置によれば、第1、第3のコンタクトプローブ4、5が導通接触するストライプ電極Eに断線箇所が存在するときにのみ、「10V」のハイレベル信号電圧が検出されて「断線有り」の警報を発するようにしたから、コンタクトプローブがストライプ電極間の絶縁基板に接触した状態とストライプ電極に接触している状態とを区別するためにコンタクトプローブの接触位置を特定する必要がなくなり、電極基板の断線検査作業が極めて簡単且つ容易な作業となる。また、コンタクトプローブの接触位置を特定する機構を設けなくてもよいから、断線検出装置が大型化しその構造が複雑化する不都合が回避される。
【0033】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては検査テーブル1と共に被検査対象の電極基板ESを移動させているが、検査テーブルを固定式とし、被検査対象側の電極基板を移動させずにコンタクトプローブを移動させるようにしてもよい。
【0034】
また、低電位側の第2のコンタクトプローブを集合接触子とせず、第1或いは第3のコンタクトプローブと同様の針状接触子としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明のストライプ電極の断線検出装置によれば、電圧印加用の第1のコンタクトプローブに近接させて断線検出用の第3のコンタクトプローブを設けたから、ストライプ電極に断線が発生したときだけ第3のコンタクトプローブの検出電位がハイレベルとなり、コンタクトプローブが接触している位置を特定するプローブ位置検出機構を設けなくても、ストライプ電極の断線を電極間の絶縁基板を検出したときと正確且つ容易に判別することができる。また、プローブ位置検出機構が不要で、電位検出用の第3のコンタクトプローブを第1の電圧印加用コンタクトプローブに近接配置するだけでよいから、断線検出装置が大型複雑化することも無い。その結果、ストライプ電極の断線をその配列ピッチや形状によらず常に簡単な操作で作業性良く容易且つ正確に検出できるとともに、機構が簡単で安価な、ストライプ電極の断線検出装置を提供することが可能となる。
【0036】
本発明のストライプ電極の断線検出装置においては、請求項2に記載のように、断線検出回路を、第3のコンタクトプローブにオペアンプと接地接続した抵抗とを並列に接続すると共に、前記オペアンプの出力端子にローパスフィルタとA/D変換用コンパレータとを順次直列に接続して構成することにより、断線を検知した際のハイレベル信号を絶縁基板を検知した際のローレベル信号とより明瞭且つ正確に区別して検査作業者に報知することが可能となる。
【0037】
また、請求項3に記載のように、コンタクトプローブと被検査対象物の電極基板を相対的に移動させる相対搬送手段を、第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブを共通の支持台により固定支持し、前記絶縁基板を前記電極配列方向に沿って搬送する構成とすることにより、相対搬送手段の構造がより簡素化される。
【0038】
更に、請求項4に記載のように、第2のコンタクトプローブを、複数本のストライプ電極に同時に導通接触可能な集合接触子とすることにより、ストライプ電極が直線をなすと共にそれら直線電極を平行に配設した上記実施形態のような電極基板に限らず、曲線をなす複数のストライプ電極を所定方向に並べた電極基板の断線検査にも本発明の断線検出装置を用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としてのストライプ電極の断線検出装置全体を示す斜視図である。
【図2】上記断線検出装置の断線検出回路と断線検出作用の概念を示す説明図である。
【符号の説明】
1…検査テーブル
2…保持台
3a、3b…支持板
4…第1のコンタクトプローブ
5…第3のコンタクトプローブ
6…第2のコンタクトプローブ
7…断線検出器
ES…電極基板
S…絶縁基板
E…ストライプ電極
【発明の属する技術分野】
この発明は、ストライプ電極の断線の有無を検出する断線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、ドットマトリックス型の表示装置では、絶縁基板上に多数のストライプ電極が所定の微細ピッチで平行に配設されている。例えば、所謂単純マトリクス型の液晶表示素子は、多数の透明ストライプ電極が所定の微細ピッチで平行に配設された一対のガラス基板を、それぞれのストライプ電極が直交するように対向させ、これらガラス基板間に液晶を封入して構成されている。
【0003】
上述の微細ピッチで平行に配設された多数のストライプ電極における断線の有無を検査する方法としては、従来、種々の方法が実施されているが、簡易な装置で容易に断線の有無を検出できる方法として、次のような方法が用いられている。
【0004】
それは、二本のコンタクトプローブをストライプ電極の両端に導通接触させて電圧を印加し、これらコンタクトプローブをストライプ電極の配列方向(ストライプ電極の延在方向と直交する方向)に走査しながら、個々のストライプ電極毎に導通、非導通の有無を調べて、全てのストライプ電極の断線の有無を検査するというものである。(例えば特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平5−333357号公報(2頁から3頁、図9)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述の二本のストライプ電極を電極配列方向に走査させる方法は、簡単な装置で簡便にストライプ電極の断線を検出できる反面、ストライプ電極間の絶縁基板部分に二本のコンタクトプローブが位置したときも、ストライプ電極が断線したときと同様にコンタクトプローブ間に電流が流れないため、ストライプ電極の断線を検知したときとストライプ電極間の絶縁基板上にコンタクトプローブが位置したときとの判別が難しいという問題があった。
【0007】
上記の判別を正確に行うためには、絶縁基板上のコンタクトプローブが接触している位置を特定できる機構が必要となり、検査装置が大掛かりで高価なものとなる。また、被検査対象基板の機種変更によりストライプ電極ピッチが変わると、それに応じて位置特定機構の初期設定条件を変更する必要があり、検査作業が煩雑化する。
【0008】
本発明は、ストライプ電極の断線をその配列ピッチや形状によらず常に簡単な操作で作業性良く容易且つ正確に検出できるとともに、機構が簡単で安価な、ストライプ電極の断線検出装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のストライプ電極の断線検出装置は、絶縁基板上に所定の方向に配列して形成された複数本のストライプ電極の断線検知装置であって、1本のストライプ電極の一方の端部に導通接触可能に支持された第1のコンタクトプローブと、前記第1のコンタクトプローブを導通接触させたストライプ電極の他方の端部に導通接触可能に支持された第2のコンタクトプローブと、前記第1のコンタクトプローブを導通接触させたストライプ電極のその導通接触位置から所定距離の近傍位置に導通接触可能に支持された第3のコンタクトプローブと、前記第1のコンタクトプローブと前記第2のコンタクトプローブを介してこれらコンタクトプローブが導通接触するストライプ電極に所定の電圧を印加する電圧印加回路と、前記第3のコンタクトプローブに接続され、該第3のコンタクトプローブからの検出出力に基づき前記ストライプ電極の断線の有無を検出する断線検出回路と、前記絶縁基板と前記第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブとを前記ストライプ電極が配列された電極配列方向へ相対移動させる相対搬送手段とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明のストライプ電極の断線検出装置によれば、電圧印加用の第1のコンタクトプローブに近接させて断線検出用の第3のコンタクトプローブを設けたから、この第1と第3のコンタクトプローブ間が、ストライプ電極上では導通状態となり、ストライプ電極間の絶縁基板上では非導通状態となる。したがって、各コンタクトプローブがストライプ電極に導通接触しているとき、ストライプ電極における第3のコンタクトプローブと第2のコンタクトプローブの各接触位置間が断線していると、第1のコンタクトプローブから第3のコンタクトプローブに電流が流れてその検出電位がハイレベルとなり、その間が導通しているとその間の抵抗は極めて小さいから第1のコンタクトプローブから第2のコンタクトプローブに殆どの電流が流れて第3のコンタクトプローブの検出電位が接地された第2のコンタクトプローブと略同じ零電位のローレベルとなる。また、各コンタクトプローブがストライプ電極間の絶縁基板上に接触しているときは、第1のコンタクトプローブと第2、第3のコンタクトプローブ間が非導通状態となるため、第3のコンタクトプローブの検出電位は零電位のローレベルとなる。
【0011】
このように、本発明のストライプ電極の断線検出装置によれば、ストライプ電極に断線が発生したときだけ第3のコンタクトプローブの検出電位がハイレベルとなるから、コンタクトプローブが接触している位置を特定するプローブ位置検出機構を設けなくても、ストライプ電極の断線を電極間の絶縁基板を検出したときとは正確且つ容易に判別することができる。また、プローブ位置検出機構が不要で、電位検出用の第3のコンタクトプローブを第1の電圧印加用コンタクトプローブに近接配置するだけでよいから、断線検出装置が大型複雑化することも無い。その結果、ストライプ電極の断線をその配列ピッチや形状によらず常に簡単な操作で作業性良く容易且つ正確に検出できるとともに、機構が簡単で安価な、ストライプ電極の断線検出装置を提供することが可能となる。
【0012】
本発明のストライプ電極の断線検出装置においては、請求項2に記載のように、前記断線検出回路を、前記第3のコンタクトプローブにオペアンプと接地接続した抵抗とを並列に接続し、前記オペアンプの出力端子にローパスフィルタとA/D変換用コンパレータとを順次直列に接続して構成することが好ましく、これにより、断線を検知した際のハイレベル信号を、絶縁基板を検知した際のローレベル信号に対してより明瞭且つ正確に区別して検査作業者に報知することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載のように、前記相対搬送手段は、前記第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブを共通の支持台により固定支持し、前記絶縁基板を前記電極配列方向に沿って搬送する構成とすることが好ましく、これにより、前記相対搬送手段の構造がより簡素化される。
【0014】
更に、請求項4に記載のように、前記第2のコンタクトプローブを、複数本のストライプ電極に同時に導通接触可能な集合接触子とすることが好ましく、これにより、ストライプ電極が直線をなすと共にそれら直線電極を平行に配設した電極基板に限らず、曲線をなす複数のストライプ電極を所定方向に並べた電極基板の断線検査にも本発明の断線検出装置を用いることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を、図1と図2に基づき説明する。図1は本例のドットマトリックス型液晶表示素子に設けられるストライプ電極の断線検出装置全体を示す斜視図で、図2はその検出方法の概念を示す説明図である。
【0016】
図1において、検査テーブル1が、図示しない駆動機構により矢印Aの方向に所定速度で移動可能に設けられている。この検査テーブル1上には、被検査対象物としての液晶表示素子用電極基板ESが、図示しない例えば真空吸引装置等の保持手段により適正な向きに保持されて載置されている。本例の被検査対象物としての電極基板ESは、ドットマトリックス型液晶表示素子を構成する一対の電極基板のうちの一方であり、絶縁体のガラス基板S上に、直線に延在する多数のストライプ電極Eが、等ピッチで互いに平行に電極が延在するx方向とは直角のy方向に配列させて設置されている。そして、この電極基板ESは、検査テーブル1上の所定位置に、その電極配列方向yが検査テーブル1の移動方向Aと平行になる向きに保持され、載置されている。
【0017】
上記検査テーブル1の移動経路を跨いで、コンタクトプローブの保持台2が固定設置されている。この保持台2の側板2aには、その長手方向に沿って、スライド溝dが穿設されている。このスライド溝dには、コンタクトプローブを支持するための支持板が摺動可能に挿持される。本例では、2枚の支持板3a、3bがスライド溝dに挿持され、検査対象のストライプ電極Eの両端部に対応する適正位置に、図示しない固定具で固定されている。この場合、スライド溝dの縁部の複数箇所に、電極基板ESの機種毎の支持板適正位置を示す位置マークm1が印され、各支持板3a、3bには合せマークm2がそれぞれ印されており、検査対象の電極基板の機種に応じて各支持板3a、3bの合せマークm2を対応する位置マークm1に合せることにより、各支持板3a、3bがそれぞれの適正位置に位置する構成となっている。ここで、各支持板3a、3bの適正位置とは、各支持板3a、3bに支持されているコンタクトプローブ(次に述べる)が被検査対象の電極Eの対応する各端部の適切な位置に確実に導通接触できる位置をいう。
【0018】
一対の支持板3a、3bのうちの一方の支持板3aには、電圧印加用の第1のコンタクトプローブ4と電位検出用の第3のコンタクトプローブ5が支持されている。これら第1、第3の各コンタクトプローブ4、5は、互いに極めて近い距離に近接させて設置されている。ここで、図2の概念説明図に示すように、第1、第3の各コンタクトプローブ4、5先端が電極基板ESに接触する位置のストライプ電極Eの長手方向(x方向)に沿った離間距離Lは、その間で断線が生じる可能性が充分に低い距離であって、且つ絶縁体としてのガラス基板S上においては絶縁性が充分に確保される距離でなければならない。従って、この離間距離Lはガラス基板S上で充分な絶縁性を確保できる最小距離に設定されている。
【0019】
また、ストライプ電極Eの幅方向(y方向)においては、両コンタクトプローブ4、5の各先端接触位置が一致していること、つまりx方向へ一直線上に並ぶことが好ましい。但し、このy方向における両コンタクトプローブ4、5の各先端接触位置が図示するようにずれた場合のズレ幅Gの許容範囲を、ストライプ電極Eの幅Wとする。これにより、1本のストライプ電極Eに対して両コンタクトプローブ4、5が同時に導通接触する最低限のタイミングを常に確保することができる。
【0020】
なお、第1、第3の両コンタクトプローブ4、5を、本例では電極基板ESの移動方向Aに対して上流側へ若干傾斜させた姿勢で支持板3aにより支持している。これにより、先端が鋭利なコンタクトプローブ4、5を、A方向に移動する電極基板ESのストライプ電極Eの厚さ分の凹凸が形成されている表面に、円滑に接触させることができる。
【0021】
他方の支持板3bには、電圧印加の際の低電位側端子となる第2のコンタクトプローブ6が支持されている。本例の第2のコンタクトプローブ6は、平面の導通接触面を備えた平板状の共通接触子であり、第1、第3のコンタクトプローブ4、5が接触するストライプ電極Eiとこれを挟む前後複数本のストライプ電極Ei-2、Ei-1、Ei+1、Ei+2に同時に導通接触することができる。
【0022】
このように、低電位側の第2のコンタクトプローブ6を共通接触子とすれば、第2のコンタクトプローブ先端のx方向における導電接触位置が第1及び第3のコンタクトプローブの導電接触位置のx方向支持位置から多少ずれてもストライプ電極Eの断線検出に支障を及ぼさないから、各コンタクトプローブの支持位置設定作業が容易となる。また、本例のような直線の平行ストライプ電極群だけでなく、複数の曲線状ストライプ電極を非平行に配列したストライプ電極群の断線検出も可能となる。
【0023】
保持台2の天板2b上には、断線検出器7が設置されている。この断線検出器7には、第1、第2及び第3の各コンタクトプローブ4、5、6に接続された各配線がそれぞれ所定のターミナルt1、t2、t3を介して接続されている。また、この断線検出器7には、断線を検出した際に警報マークが表示されるディスプレイ7aが設けられている。
【0024】
ここで、断線検出器7内に組み込まれている断線検出回路について、図2の説明図に基づき説明する。
【0025】
図示しない+15Vの電圧を供給する電源ユニットの出力端子Vtが500KΩの抵抗R1を介し電圧印加用の第1のコンタクトプローブ4が接続されているターミナルt1に接続されている。また、電位検出用の第3のコンタクトプローブ5に接続されているターミナルt2には、接地された1MΩの抵抗R2とオペアンプOPが並列に接続されている。本例のオペアンプOPは、出力端子と反転入力端子とが共通接続されたボルテージフォロアタイプであり、その非反転入力端子に第3のコンタクトプローブ5が接続されている。オペアンプOPの出力端子にはローパスフィルタLPと、A/D変換用のコンパレータCM、及び断線を検知したときに警報マークを表示するための警報回路ALが、順次直列に接続されている。警報回路ALには、入力される「0」か「1」の2値のデジタル信号に応じて「断線有り」と「断線無し」を判断する論理回路が設けられている。そして、第2のコンタクトプローブ6に接続されたターミナルt3は接地されている。
【0026】
次に、本例の断線検出装置による検査手順と断線検出作用を説明する。
まず、検査テーブル1上の所定位置に被検査対象物の電極基板ESを載置する。この際、ストライプ電極Eが配列されているy方向を検査テーブル1の移動方向Aに揃える。
【0027】
次いで、各コンタクトプローブ4、5、6の位置決めを行う。本例の場合、各支持板3a、3bをスライド溝dに沿って移動させ、各支持板3a、3b側の合せマークm2を被検査対象の電極基板ESが属する機種の適正位置を示すスライド溝d側の位置マークm1に合せ、この両マークm1、m2が整合した位置で各支持板3a、3bを固定する。
【0028】
以上の検査前の初期設定作業を終えたら、断線検出器7のディスプレイ7aをオンし、次いで、検査テーブル1の駆動機構(不図示)をオンして検査テーブル1を矢印A方向に所定速度で移動させる。
【0029】
この移動過程において、第1、第2、第3のコンタクトプローブ4、5、6がストライプ電極Eに導通接触している場合、そのストライプ電極Eに断線箇所が無ければ、第1のコンタクトプローブ4からその導通接触するストライプ電極Eを通じて略第2のコンタクトプローブ6のみに電流が流れる。これは、ストライプ電極Eにおける第3のコンタクトプローブ5と第2のコンタクトプローブ6の各接触箇所間の抵抗値よりも、第3のコンタクトプローブ5に接続された抵抗R2の抵抗値或いはオペアンプOPの入力インピーダンス値の方がそれぞれ遥かに大きいからである。従って、第3のコンタクトプローブ5により検出される電位は、第2のコンタクトプローブ6の接地電位と略同じ電位、つまり略「0」電位である。この「0」電位の信号電圧は、オペアンプOPで増幅されてローパスフィルタLPに出力され、ローパスフィルタLPをそのまま通過して次順のA/D変換用コンパレータCMで2値のデジタル信号に変換され、信号「0」が次順の警報回路ALに出力される。警報回路ALでは、信号「0」が入力されるとその論理回路により「断線無し」と判断され、ディスプレイ7aには特に何も表示されない。
【0030】
第1、第2、第3のコンタクトプローブ4、5、6がストライプ電極Eに導通接触し、且つ、そのストライプ電極Eに断線箇所が有る場合、その殆どの場合において断線箇所は第3コンタクトプローブ5と第2コンタクトプローブ6の各接触箇所間であり、従って、その場合の電流は第3のコンタクトプローブ5からこれに接続された電位検出回路側に流れる。この電位検出回路においては、抵抗R2の抵抗値よりもオペアンプOPの入力インピーダンス値の方が格段に大きいから、殆どの電流が抵抗R2とその接地回路に流れる。従って、15Vの電源に500KΩの抵抗R1と1MΩの抵抗R2を直列接続した閉回路が形成されたと見なせるから、点Qの検出電位は約「10V」となる。この「10V」の検出電位は0.01mA程度の微弱電流による極めて微弱な信号電圧であるが、ボルテージフォロア型オペアンプOPを介することにより増幅される。この増幅された検出信号は、次順に接続されたローパスフィルタLPにより所定の電位以上がカットされた一定レベルの「ハイ」信号に整形された後、次順のA/D変換用コンパレータCMで2値のデジタル信号に変換され、信号「1」が次順の警報回路ALに出力される。警報回路ALは、信号「1」が入力されるとこれに応じてディスプレイ7aに「断線有り」の警報マークが表示される。
【0031】
第1、第3のコンタクトプローブ4、5の少なくとも何れか一方が、ストライプ電極E上に無く、ストライプ電極E間のガラス基板Sに接触しているときは、第3のコンタクトプローブ5から電位検出回路に電流が流れることはないから、オペアンプOPの出力電位は常に接地電位の「0V」であり、従って、警報回路ALには信号「0」が入力されて警報マークは表示されない。
【0032】
以上のように、本発明の断線検出装置によれば、第1、第3のコンタクトプローブ4、5が導通接触するストライプ電極Eに断線箇所が存在するときにのみ、「10V」のハイレベル信号電圧が検出されて「断線有り」の警報を発するようにしたから、コンタクトプローブがストライプ電極間の絶縁基板に接触した状態とストライプ電極に接触している状態とを区別するためにコンタクトプローブの接触位置を特定する必要がなくなり、電極基板の断線検査作業が極めて簡単且つ容易な作業となる。また、コンタクトプローブの接触位置を特定する機構を設けなくてもよいから、断線検出装置が大型化しその構造が複雑化する不都合が回避される。
【0033】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては検査テーブル1と共に被検査対象の電極基板ESを移動させているが、検査テーブルを固定式とし、被検査対象側の電極基板を移動させずにコンタクトプローブを移動させるようにしてもよい。
【0034】
また、低電位側の第2のコンタクトプローブを集合接触子とせず、第1或いは第3のコンタクトプローブと同様の針状接触子としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明のストライプ電極の断線検出装置によれば、電圧印加用の第1のコンタクトプローブに近接させて断線検出用の第3のコンタクトプローブを設けたから、ストライプ電極に断線が発生したときだけ第3のコンタクトプローブの検出電位がハイレベルとなり、コンタクトプローブが接触している位置を特定するプローブ位置検出機構を設けなくても、ストライプ電極の断線を電極間の絶縁基板を検出したときと正確且つ容易に判別することができる。また、プローブ位置検出機構が不要で、電位検出用の第3のコンタクトプローブを第1の電圧印加用コンタクトプローブに近接配置するだけでよいから、断線検出装置が大型複雑化することも無い。その結果、ストライプ電極の断線をその配列ピッチや形状によらず常に簡単な操作で作業性良く容易且つ正確に検出できるとともに、機構が簡単で安価な、ストライプ電極の断線検出装置を提供することが可能となる。
【0036】
本発明のストライプ電極の断線検出装置においては、請求項2に記載のように、断線検出回路を、第3のコンタクトプローブにオペアンプと接地接続した抵抗とを並列に接続すると共に、前記オペアンプの出力端子にローパスフィルタとA/D変換用コンパレータとを順次直列に接続して構成することにより、断線を検知した際のハイレベル信号を絶縁基板を検知した際のローレベル信号とより明瞭且つ正確に区別して検査作業者に報知することが可能となる。
【0037】
また、請求項3に記載のように、コンタクトプローブと被検査対象物の電極基板を相対的に移動させる相対搬送手段を、第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブを共通の支持台により固定支持し、前記絶縁基板を前記電極配列方向に沿って搬送する構成とすることにより、相対搬送手段の構造がより簡素化される。
【0038】
更に、請求項4に記載のように、第2のコンタクトプローブを、複数本のストライプ電極に同時に導通接触可能な集合接触子とすることにより、ストライプ電極が直線をなすと共にそれら直線電極を平行に配設した上記実施形態のような電極基板に限らず、曲線をなす複数のストライプ電極を所定方向に並べた電極基板の断線検査にも本発明の断線検出装置を用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としてのストライプ電極の断線検出装置全体を示す斜視図である。
【図2】上記断線検出装置の断線検出回路と断線検出作用の概念を示す説明図である。
【符号の説明】
1…検査テーブル
2…保持台
3a、3b…支持板
4…第1のコンタクトプローブ
5…第3のコンタクトプローブ
6…第2のコンタクトプローブ
7…断線検出器
ES…電極基板
S…絶縁基板
E…ストライプ電極
Claims (4)
- 絶縁基板上に所定の方向に配列させて形成した複数本のストライプ電極の断線検知装置であって、
1本のストライプ電極の一方の端部に導通接触可能に支持された第1のコンタクトプローブと、
前記第1のコンタクトプローブを導通接触させたストライプ電極の他方の端部に導通接触可能に支持された第2のコンタクトプローブと、
前記第1のコンタクトプローブを導通接触させたストライプ電極における導通接触位置から所定距離の近傍位置に導通接触可能に支持された第3のコンタクトプローブと、
前記第1のコンタクトプローブと前記第2のコンタクトプローブを介してこれらコンタクトプローブが導通接触するストライプ電極に所定の電圧を印加する電圧印加回路と、
前記第3のコンタクトプローブに接続され、該第3のコンタクトプローブの導通接触位置における検出電圧に基づき前記ストライプ電極の断線の有無を検出する断線検出回路と、
前記絶縁基板と前記第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブとを前記ストライプ電極が配列された電極配列方向に沿って相対移動させる相対搬送手段とを有することを特徴とするストライプ電極の断線検出装置。 - 前記断線検出回路は、前記第3のコンタクトプローブにオペアンプと接地接続した抵抗とを並列に接続し、前記オペアンプの出力端子にローパスフィルタとA/D変換用コンパレータとを順次直列に接続して、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のストライプ電極の断線検出装置。
- 前記相対搬送手段は、前記第1、第2、及び第3の各コンタクトプローブを共通の支持台により固定支持し、前記絶縁基板を前記電極配列方向に沿って搬送することを特徴とする請求項1に記載のストライプ電極の断線検出装置。
- 前記第2のコンタクトプローブは、複数本のストライプ電極に同時に導通接触可能な集合接触子であることを特徴とする請求項1に記載のストライプ電極の断線検出装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008014918A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-24 | Oht Inc | 回路パターン検査装置及び回路パターン検査方法 |
JP2012013588A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Hioki Ee Corp | 四端子型インピーダンス測定装置 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002379747A patent/JP2004212115A/ja active Pending
Cited By (2)
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