JP3573573B2 - アクリル系共重合体水性被覆組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた基材密着性、耐水性、耐腐食性、耐アルカリ性等の性能を有し、泡立ちが少なく、低臭気で、機械的安定性に優れたアクリル系共重合体水性被覆組成物、特に金属用被覆組成物に関し、詳しくは、カルボキシル基含有単量体及びグリシジル基含有単量体を必須成分として含む(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする単量体(以下、アクリル系単量体ということがある)を反応性乳化剤の存在下で乳化重合してなるアクリル系共重合体であって、そのガラス転移温度(以下、Tgと略称することがある)が10℃以上であり、且つ水性媒体中に分散する該アクリル系共重合体微粒子の平均粒子径が100nm以下であるアクリル系共重合体を含有することを特徴とするアクリル系共重合体水性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば水性被覆組成物用として用いられる共重合体の乳化重合方法としては、(メタ)アクリル酸エステルやスチレン等の各種の油溶性単量体を通常の乳化剤の存在下に乳化重合する方法が採用されており、このような乳化剤としては主にアニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤が使用されることが多いが、これらの乳化剤は得られる乳化重合物から形成される皮膜中に残留し、皮膜の性質に悪影響を及ぼす。即ち、皮膜の耐水性、基材への密着性等を低下させることがよく知られており、この乳化重合物を水性被覆用組成物、特に金属用の水性被覆用組成物として利用した場合は、さらに耐腐食性、耐アルカリ性等の物性が低下するといった欠点を生じる。
【0003】
このような通常の乳化剤を用いずに、硫酸根を有するラジカル生成重合開始剤だけで乳化重合して乳化重合物を得る方法も提案されているが、この場合も、重合系及び生成する乳化重合物の安定性を硫酸根のみによって保持するには多量の重合開始剤を必要とするため、これが耐水性に悪影響を及ぼすことになり、また乳化重合物の機械的安定性も必ずしも十分とはいえない。一方、水溶性有機溶剤と水との混合液中で不飽和カルボン酸を含むアクリル系単量体等を重合開始剤を用いて重合し、カルボキシル基を中和するなどして安定な乳化重合物を得る方法が提案されているが、この方法では、一般に大量の有機溶媒が必要であるため環境衛生や臭気の問題が避けられず、金属等への密着性、耐腐食性も十分なものとはいい難い。
【0004】
また従来の乳化重合物の製造において、乳化剤を用いないでポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸塩、澱粉、ポリアクリルアミド、ポリエステル等の合成又は天然の水溶性高分子物質を保護コロイドとして用いて乳化重合することも提案されているが、このような保護コロイドは安定性を付与する能力に劣るため適用する重合性単量体に制限があり、またこのような保護コロイドは乳化剤に比べて一般にその使用量が多くなるために、乳化剤の場合と同様に乳化重合物から得られる皮膜には耐水性等の性能上の問題があり、特に金属に塗布した場合、得られる塗膜の耐腐食性、密着性等の物性は不十分なものとなりがちである。
【0005】
さらに最近では、アクリル系単量体等を、これら単量体と共重合可能な反応性乳化剤の存在下で乳化重合して乳化重合物を得る方法が数多く提案されているが、一般に反応性乳化剤は重合性単量体との共重合性が劣るため未反応の反応性乳化剤が皮膜中に残留して、期待される耐水性、耐腐食性等の向上が顕著には認められないことが多い。特に得られる乳化重合物の平均粒子径が、例えば0.1μm(100nm)を超えているような場合には、該乳化重合物の造膜性が低下して耐腐食性等の性能が十分に発揮されず、また乳化重合物中の重合体のTgが10℃未満である時には、耐腐食性や耐ブロッキング性が不十分となるなどの不都合が生じることも判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来のアクリル系乳化重合物の欠点を克服して、泡立ちが少なく、低臭気で、機械的安定性に優れているアクリル系共重合体水性分散液を提供し、このアクリル系共重合体水性分散液を用いることにより、基材密着性、耐水性、耐腐食性に優れた水性被覆組成物を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カルボキシル基含有単量体及びグリシジル基含有単量体を必須成分として含むアクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合してなるアクリル系共重合体であって、そのTgが10℃以上であり、且つ水性媒体中に分散する該アクリル系共重合体微粒子の平均粒子径が100nm以下であるアクリル系共重合体を含有するアクリル系共重合体水性被覆組成物が、前記の問題点の解決に有効であることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記単量体(a)〜(e)、
【0009】
(a) 下記一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステル単量体 50〜98.5重量%、
【0010】
【化4】
(式中、R1及びR2は請求項1で定義したとおりである)
【0011】
(b) 分子内にカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体 0.5〜10重量%、
【0012】
(c) 分子内にグリシジル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体 1〜20重量%、
【0013】
(d) 分子内に1個のラジカル重合性不飽和基のほかに少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記(b)及び(C)以外の単量体 0〜10重量%、及び、
【0014】
(e) 上記(a)〜(d)と共重合可能な該(a)〜(d)以外の単量体 0〜30重量%、
〔但し、(a)〜(e)の合計を100重量%とする〕、
【0015】
を分子内にラジカル重合性不飽和基を有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られるアクリル系共重合体であって、そのガラス転移温度が10℃以上であり、且つ水性媒体中に分散する該アクリル系共重合体微粒子の平均粒径が100nm以下であるアクリル系共重合体を含有してなることを特徴とする金属下塗り用アクリル系共重合体水性被覆組成物。
【0016】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で用いられる上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、i−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート等のアクリル酸の炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝アルキルエステル;例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸の炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝アルキルエステル;を挙げることができる。
【0017】
上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)の使用量は、単量体(a)〜(e)の合計 100重量%中、50〜98.5重量%、好ましくは60〜96.5重量%、特に好ましくは65〜92重量%であるのがよい。単量体(a)の使用量が該下限量未満と少な過ぎては、得られる被覆組成物を鋼板等の金属基材の下塗り用として用いるとき、塗り重ねられる上塗り塗料との密着性が低下することがあるので好ましくない。一方、該上限量を超えて多過ぎては、得られる被覆組成物を鋼板等の金属基材の塗装用に用いたとき、基材密着性が悪くなり耐腐食性が低下する傾向が生ずるので好ましくない。
【0018】
前記分子内にカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体単量体(b)としては、分子内に1つ又は2つ以上のカルボン酸を含むものであり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸等が好適に使用でき、さらに下記一般式(4)及び(5)で示される単量体も使用できる。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
(式中、R1は請求項1で定義したとおりであり、A1は炭素数2〜6のアルキレン基、A2は炭素数2〜4のアルキレン基、X2はエチレン基、ビニレン基、1,2−フェニレン基又は1,2−シクロヘキシレン基を表わし、pは1〜10の自然数である)
【0022】
上記一般式(4)単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ダイマー(好ましくはnの平均値約1.4のもの)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(好ましくはnの平均値約2のもの)等が例示できる。また上記一般式(5)単量体としては、例えば、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フマル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジカルボキシシクロヘキサンモノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が例示できる。
【0023】
このような単量体(b)の使用量は、単量体(a)〜(e)の合計100重量%中、0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である。該単量体(b)使用量が該下限値未満と少な過ぎては、得られる被覆組成物塗膜の鋼板等の基材への密着性が低下する傾向があるので好ましくない。一方、該上限値を超えて多過ぎては該塗膜の耐アルカリ、耐腐食性等の性能が低下しがちになり好ましくない。
【0024】
前記の分子内にグリシジル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(c)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクレート、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。
【0025】
上記単量体(c)の使用量は、単量体(a)〜(e)の合計100重量%中、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%である。該使用量が該下限値未満と少な過ぎては、得られるアクリル系共重合体水性被覆組成物の塗膜の、鋼板等の基材に対する密着性付与効果が不十分となりがちであり好ましくない。一方、該上限値を超えて多過ぎては、該被覆組成物の造膜性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0026】
前記の分子内に1個のラジカル重合性不飽和基のほかに少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記(b)及び(c)以外の単量体(d)としては、下記(d−1)〜(d−6)の単量体類が使用できる。
【0027】
(d−1) 分子内にアセトアセチル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体、
(d−2) 分子内にアルコキシシラン基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体、
(d−3) 分子内にリン含有基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体、
(d−4) 分子内に水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体、
(d−5) 分子内にアミド基又は置換アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体、及び、
(d−6) 分子内にアミノ基又は置換アミノ基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体。
【0028】
上記単量体(d−1)としては、下記一般式(6)、
【0029】
【化7】
【0030】
(式中、R1は請求項1に記載した定義の通りであり;R4は請求項5に記載した定義の通りであり;X3は単結合、メチレン基、COOZ1、CONHZ2であって、Z1、Z2は炭素数1〜6のアルキレン基であり;Y1は水素又はCNである)
【0031】
で示される単量体を使用することができ、このような上記一般式(6)の単量体としては、例えば、アセト酢酸ビニル、アセト酢酸(メタ)アリル等のアセト酢酸のアルケニルエステル類;例えば、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、4−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸と(置換)アセト酢酸とのジエステル;例えば、2−アセトアセトキシエチルクロトネート、2−アセトアセトキシプロピルクロトネート、3−アセトアセトキシプロピルクロトネート等のアルキレングリコールのクロトン酸とアセト酢酸とのジエステル;例えば、N−アセトアセトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキロール(メタ)アクリルアミドのアセト酢酸エステル等を挙げることができる。
【0032】
また前記単量体(d−1)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、カプロラクトン等のラクトンとの付加体からなるラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをアセト酢酸によりエステル化するか、又は、該ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをジケテンによりアセトアセチル化することにより得られるラクトン変性ヒドロキシアルキルグリコールの(メタ)アクリル酸アセト酢酸ジエステルも使用可能である。
【0033】
これら単量体(d−1)の中でも2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレートの使用が特に好適である。
【0034】
前記単量体(d−2)の分子内にアルコキシシラン基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、加水分解型のものが好適であり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2ーメトキシーエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、3ーメタクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、3ーメタクリロオキシプロピルトリス(メトオキシーエトオキシ)シラン等があげられる。これらの中でも3ーメタクリロオキシプロピルトリメトキシシランが特に好適に使用できる。
【0035】
前記単量体(d−3)の分子内にリン含有基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば、リン酸モノヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、リン酸ジヒドロキシメチルジ(メタ)アクリレート、リン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、リン酸ジヒドロキシエチルジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ3−ヒドロキシプロピルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】
前記単量体(d−4)の分子内に水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アリルエーテル、3−ヒドロキシルプロピル(メタ)アリルエーテル、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アリルエーテル、アリルアルコール等が挙げられる。
【0037】
前記単量体(d−5)の分子内にアミド基又は置換アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、Nーメチルアクリルアミド、N,Nージメチルアクリルアミド、Nーメチロールアクリルアミド、Nーメトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等、前記単量体(d−6)の分子内にアミノ基又は置換アミノ基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
これら単量体(d−1)〜(d−6)はそれぞれ単独で用いることができ、又は2種以上併用することができ、その共重合量は、単量体(a)〜(e)の合計100重量%に対して、一般に0〜10重量%の範囲で使用できるが、得られる水性被覆組成物塗膜の鋼板等の基材への密着性付与効果と、耐アルカリ性等の他の塗膜性能への悪影響とのバランスを勘案するとき、0.5〜5重量%の範囲内で用いるのが好ましい。これら単量体(d−1)〜(d−6)のうち、得られる水性被覆組成物塗膜の耐腐食性と、耐アルカリ性等の他の塗膜性能とのバランスのよさの観点から単量体(d−1)〜(d−3)の使用が特に好ましい。
【0039】
前記の単量体(e)、すなわち前記(a)〜(d)と共重合可能な該(a)〜(d)以外の単量体としては、例えば、スチレン、αーメチルスチレン、tーブチルスチレン、pークロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノビニル単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」等を挙げることができる。これら単量体(e)は、通常、得られる水性被覆組成物塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性等の向上を目的に使用するものであり、その共重合量は、単量体(a)〜(e)の合計100重量%に対して、一般に0〜30重量%の範囲であるのがよい。
【0040】
本発明におけるアクリル系共重合体のTgは、10℃以上、好ましくは15℃以上であることが必要である。Tgが該下限値未満と低過ぎては、耐腐食性や耐ブロッキング性が不十分となるなどの不都合が生じることがあるので好ましくない。また、Tgが高過ぎる場合には室温乾燥では均一な皮膜を形成しないことがあるが、例えばカルビトールアセテート等の造膜助剤の添加により、もしくは高温乾燥により、又はこれらの手段の併用等によって金属素材表面に均一な皮膜を形成することが可能となるので、耐腐食性能を始めとする諸性能も発現させることが可能である。しかし造膜性のよさの観点から、該Tgは60℃以下であるのが好ましい。
【0041】
なお本発明においてTgとは、共重合体を構成する反応性乳化剤を除いたそれぞれの単量体成分の単独重合体のTgを用いて次式によって求めることができる。
【0042】
【数1】
【0043】
但し、Tgは共重合体のガラス転移温度であり、Tg1、Tg2、・・・・・・Tgkは各単量体成分の単独重合体のTg;w1、w2、・・・・・・wkは各単量体成分の重量分率を表わし;w1+w2+・・・・・・+wk=1である。
【0044】
本発明に用いるアクリル系共重合体水性分散液は、以上述べた単量体(a)〜(c)、或いはこれらとともに必要に応じてさらに単量体(d)及び/又は(e)を加えたものを、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られるものである。
【0045】
本発明で用いられる前記反応性乳化剤としては、アニオン系及びノニオン系の何れの乳化剤でも特に限定されず、例えば、(メタ)アリル基、(メタ)アクリル基、スチリル基などのラジカル重合性不飽和基を有する乳化剤が単独で又は2種以上組合わせて使用できる。
【0046】
このようなアニオン系反応性乳化剤としては、例えば、下記一般式(2)、(3)、(7)及び(8)で示される反応性乳化剤を挙げることができる。
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
〔式中、R1は請求項1に記載した定義の通りであり、R3、R4、EO、X1、M及びmは請求項5に記載した定義の通りであり、R5は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基、nは1〜50の自然数、qは0又は1である〕
【0052】
上記一般式(2)で示されるアニオン性反応性乳化剤の具体例としては、例えば、「アデカリアソープ SE−10N」、「アデカリアソープ SE−20N」、「アデカリアソープ SE−30N」〔以上、旭電化工業(株)製〕を;上記一般式(3)で示されるアニオン性反応性乳化剤の具体例としては、例えば、「アクアロン HS−05」、「アクアロン HS−10」、「アクアロン HS−20」、「アクアロン HS−30」〔以上、第一工業製薬(株)製〕を;上記一般式(7)のアニオン系反応性乳化剤の具体例としては、例えば「ラテムル S−120」、「ラテムル S−120A」、「ラテムル S−180」、「ラテムル S−180A」〔以上、花王(株)製〕、「エレミノール JS−2」〔三洋化成工業(株)製〕等を;上記一般式(8)のアニオン系反応性乳化剤の具体例としては、例えば「アントックス MS−60」〔日本乳化剤(株)製〕等を;それぞれ挙げることができる。
【0053】
またその他のアニオン系反応性乳化剤としては、例えば「ラテムル ASK」〔花王(株)製〕等のアルキルアルケニルコハク酸エステル塩系反応性乳化剤;例えば「エレミノール RS−30」〔三洋化成工業(株)製〕等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート硫酸エステル塩系反応性乳化剤;例えば「RA−1120」、「RA−2614」〔以上、日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル脂肪族不飽和ジカルボン酸エステル塩系反応性乳化剤;例えば「アントックス MS−2N」〔日本乳化剤(株)製〕等の(メタ)アクリル酸スルホアルキルエステル塩系反応性乳化剤;フタル酸ジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート硫酸エステル塩系反応性乳化剤;例えば「H−3330PL」〔第一工業製薬(株)製〕等のモノもしくはジ(グリセロール−1−アルキルフェニル−3−アリル−2−ポリオキシアルキレンエーテル)リン酸エステル塩系反応性乳化剤;などを挙げることができる。
【0054】
本発明で用いることのできるノニオン系反応性乳化剤としては、例えば、下記一般式(9)及び(10)で示される反応性乳化剤を挙げることができる。
【0055】
【化12】
【0056】
【化13】
【0057】
〔式中、R1は請求項1に記載した定義の通りであり、R3、R4、EO、X1及びmは請求項5に記載した定義の通りである〕
【0058】
上記一般式(9)で示されるノニオン系反応性乳化剤の具体例としては、例えば「アデカリアソープ NE−10」、「アデカリアソープ NE−20」、「アデカリアソープ NE−30」〔以上、旭電化工業(株)製〕等を;上記一般式(10)で示されるノニオン系反応性乳化剤の具体例としては、例えば「アクアロン RN−10」、「アクアロン RN−20」、「アクアロン RN−30」、「アクアロン RN−50」〔以上、第一工業製薬(株)製〕等を;それぞれ挙げることができる。
【0059】
またその他のノニオン系反応性乳化剤としては、例えば「RMA−564」、「RMA−568」〔以上、日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(メタ)アクリレート系反応性乳化剤;例えば「RMA−1114」〔日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(メタ)アクリレート系反応性乳化剤;などを挙げることができる。
【0060】
これら反応性乳化剤のうちは、本発明のアクリル系共重合体水性分散液として好適な粒子径の小さいものが得やすいなどの理由から、アニオン系の反応性乳化剤を必須成分として用いるのが望ましく、本発明に用いられる前記単量体(a)〜(e)との共重合性に優れ、多量に使用しても未反応で残存することが少なく、得られる水性被覆組成物塗膜の耐腐食性等の性能を阻害することが少ないなどの理由から前記一般式(2)で示されるグリセロール−1−アリル−3−アルキルフェニル−2−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩系アニオン系反応性乳化剤、又は、前記一般式(3)で示されるポリオキシエチレンアルキルアルケニルフェニルエーテル硫酸エステル塩系アニオン系反応性乳化剤を用いるのが特に好ましい。
【0061】
これら反応性乳化剤の使用量は、本発明におけるアクリル系共重合体を構成する前記の必須単量体(a)〜(c)及び必要に応じて用いる単量体(d)〜(e)の合計100重量部当り、一般に0.1〜30重量部、好ましくは2〜25重量部、特に好ましくは3〜20重量部の範囲で用いるのがよい。
【0062】
本発明に用いるアクリル系共重合体水性分散液の乳化重合に際しては、得られる共重合体水性分散液の性能に悪影響を及ぼさない範囲において、以上述べた反応性乳化剤とともに必要に応じて、通常のアニオン系及び/又はノニオン系乳化剤を併用することができる。
【0063】
上記通常のノニオン系乳化剤類として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;
【0064】
例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を例示することができる。
【0065】
また前記通常のアニオン系乳化剤類としては、例えば、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例えば、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;
【0066】
例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;等を例示することができる。
【0067】
これら通常の乳化剤を前記反応性乳化剤と併用する場合には、これら通常の乳化剤を適宜組合わせて使用するのがよく、その使用量としては一般に前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部当り0〜1重量部程度の量を例示できる。
【0068】
本発明に用いるアクリル系共重合体水性分散液の乳化重合に際しては、得られる共重合体水性分散液の性能に悪影響を及ぼさない範囲において、以上述べた反応性乳化剤及び必要に応じて用いる前記通常のアニオン系及び/又はノニオン系乳化剤とともに水溶性保護コロイドを併用することもできる。
【0069】
上記の水溶性保護コロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;及びグアガムなどの天然多糖類;などが挙げられ、これらは、単独でも複数種併用の態様でも利用できる。水溶性保護コロイドの使用量としては、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部当り0〜0.5重量部程度である。
【0070】
更に乳化重合に際しては、通常、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類;t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;などの重合開始剤が使用される。これら重合開始剤も一種もしくは複数種併用のいずれの態様でも利用できる。これらの重合開始剤は、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部に対して、0.1〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0071】
また乳化重合に際して、所望により、重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物;を例示できる。これら還元剤は、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部に対して、0.1〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0072】
更にまた、乳化重合に際しては連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、2−メルカプトエタノール、トリクロロブロモメタン等を挙げることができる。これら連鎖移動剤は、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部に対して0〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0073】
本発明に用いるアクリル系共重合体の乳化共重合において好適に採用される共重合温度は、約40〜100℃、特には約60〜90℃である。
【0074】
かくして得られた、アクリル系共重合体水性分散液の水性媒体中に分散されているアクリル系共重合体微粒子の平均粒子径は、100nm以下、特には80nm以下であることが必要である。該共重合体微粒子の平均粒子径が該上限値を超えて大き過ぎては、得られる水性分散液の造膜性が低下して耐腐食性等の性能が十分に発揮されないなどの不都合が生じることがあるので好ましくない。
【0075】
なお本明細書において、共重合体分散粒子の平均粒子径は、日本化学会編「新実験化学講座4 基礎技術3 光(II)」第725〜741頁(昭和51年7月20日丸善株式会社発行)に記載された動的光散乱法(以下、DLS法ということがある)により測定された値であり、具体的には以下に述べる方法で測定決定した値である。
【0076】
平均粒子径:
共重合体水性分散液を蒸留水で5万〜15万倍に希釈し、十分に撹拌混合した後、21mmφガラスセル中にパスツールピペットを用いて約10ml採取し、これを動的光散乱光度計「DLS−700」〔大塚電子(株)製〕の所定の位置にセットして、以下の測定条件下で測定し、測定結果をコンピュータ処理して平均粒子径を求める。
【0077】
【0078】
前記のようにして得ることのできる、本発明に用いるアクリル系共重合体水性分散液は、必要に応じてアンモニア水等によってpH調節してもよい。このような分散液は、通常、固形分濃度30〜50重量%、粘度10〜3000cps(BH型回転粘度計、25℃、20rpm;粘度測定条件以下同様)、pH2〜9程度であるのがよい。
【0079】
本発明に用いるアクリル系共重合体水性分散液は、泡立ちが少なく、低臭気で機械的安定性が良好であり、形成される皮膜はそれ自身、金属等への基材密着性、耐水性、耐腐食性、耐アルカリ性等の優れた性能を有しているので、該水性分散液をそのまま水性被覆組成物として用いることができる。
【0080】
本発明の水性被覆組成物は、さらに耐腐食性を向上させる目的で、必要に応じて、クロム酸アンモニウム、無水クロム酸などを添加することができ、さらに必要に応じて、本発明の優れた効果を損なわない範囲で、コロイダルシリカ等の水溶性無機物を混合して用いてもよいし、酸化チタン、炭酸カルシウム等の着色顔料や体質顔料、リン酸カルシウム等の防錆顔料等を添加して水性被覆組成物として用いることができる。また該水性被覆組成物には、増粘剤、分散剤、成膜助剤、消泡剤、有機溶剤等を添加することもできる。
【0081】
本発明の水性被覆組成物は、特に、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の金属板;例えば、鉛−錫合金メッキ鋼板(タンシート鋼板)、錫メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板などの各種メッキ鋼板;などの金属基材に対する被覆組成物として有効に利用できるが、さらにガラス、木材、プラスチック、紙成形品またはシート、フイルム等の被覆組成物としても有効に利用ができる。
【0082】
【実施例】
次に、実施例、比較例、参考例及び比較参考例により、本発明に用いられるアクリル系共重合体水性分散液及びそれを用いた水性被覆組成物についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお実施例及び比較例における塗膜性能の評価は、以下の試験板の作製方法及び各塗膜性能の試験方法に従って行った。
【0083】
試験板の作製方法
市販の亜鉛メッキ鋼板(「ジンコート」、塗布型クロメート処理タイプ、寸法0.8mm×70mm×150mm)に、水性被覆組成物を乾燥時1.0g/m2になるようにワイヤーバーを用いて塗布し、熱風乾燥器〔タバイ(株)製高温恒温器〕で220℃×10秒間(板温最高到達温度60℃)乾燥して試験板を作製した。
【0084】
塗膜性能の評価項目と評価方法
(1) 造膜性
試験板の塗膜表面の状態を、マイクロスコープで観察して評価した。
【0085】
判定基準
◎:完全に均一に造膜
○:クラックが僅かに観られる
△:クラックが多く観られる
×:無数のクラックが観られる(白化)
【0086】
(2) 上塗り塗装性(常態)
試験板を常温で一昼夜養生した後、メラミン/アルキッド焼付塗料〔「アミラック#1000」、関西ペイント(株)製〕をドクターブレードを用いて乾燥膜厚が20μmになるよう塗布し、熱風乾燥器で130℃×20分間の焼付けを行った。次いで1時間常温下で放置後、1mm幅で碁盤目にカットし、更に「エレキセン皮膜強度試験機」〔安田精機製作所(株)製〕を用いて碁盤目カット部分を裏面から5mm押し出し、押し出された部分をセロファンテープを用いて剥離試験を行い、上塗り塗膜の残存面積を10点満点で評価した。
【0087】
(3) 上塗り塗装性(耐煮沸性)
試験板を常温で一昼夜養生した後、前(2)項で用いたのと同じメラミン/アルキッド焼付塗料をドクターブレードを用いて乾燥膜厚が20μmになるよう塗布し、熱風乾燥器で130℃×20分間の焼付を行った。1時間常温下で放置後、1時間煮沸し、次いで1時間常温下で放置した後、前(2)項と同様にして評価した。
【0088】
(4) 耐アルカリ性
試験板を常温で一昼夜養生した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を0.5ml滴下し10分間放置した。その後滴下した水酸化ナトリウム水溶液を除去した後、塗膜表面の状態を観察し評価した。
【0089】
判定基準
◎:異常なし
○:塗膜が少し膨潤
△:塗膜がかなり膨潤(鋼板表面が少し黒色化)
×:塗膜が溶解し(鋼板表面が黒色化)
【0090】
(5) 耐腐食性
試験板を常温で一昼夜養生した後、裏面及び側面をポリエステルテープでマスキングし、JIS K 5400に準じた塩水噴霧試験(35℃、5重量%塩化ナトリウム水溶液使用)を行い、240時間後と480時間後の試験板の錆の発生状態を評価した。
【0091】
判定基準
◎:異常なし
○:僅かに点錆が発生
△:かなり点錆が発生
×:全面に多くの点錆が発生
【0092】
(6) 耐ブロッキング性
試験板を前記に従って2枚作製し、乾燥後速やかに2枚の試験板を水性被覆組成物の塗布面同士重ね合わせて、50kg/cm2の加圧下、50℃で24時間放置した。次いで重ね合わせた試験板を常温下で1時間放置した後剥離して、塗膜の表面状態及び剥離感を評価した。
【0093】
判定基準
◎:剥離感なし、痕跡なし
○:僅かに剥離感あり、痕跡なし
△:かなりの剥離感あり、部分的に痕跡あり
×:密着して剥離が困難
【0094】
参考例1
温度計、攪拌棒、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反応容器に、アニオン系反応性乳化剤「アデカリアソープ SEー10N」〔グリセロール−1−アリル−3−ノニルフェニル−2−ポリオキシエチレン(n=約10)硫酸エステルアンモニウム塩系;有効成分約100重量%;旭電化工業(株)製〕(「SE−10N」)1重量部及び水151.3重量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら温度を70℃に昇温した。一方、水28重量部に「SE−10N」を4重量部溶解し、これに単量体(a)であるメチルメタクリレート(MMA)63.4重量部及び2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)27.6重量部、単量体(b)であるアクリル酸(AA)2重量部、単量体(c)であるグリシジルメタクリレート(GMA)5重量部、並びに、単量体(d−2)である3−メタクリロオキシプロピルトリメトキシシラン〔「KBMー503」;信越化学工業(株)製〕(「KBM」)1重量部、単量体(d−3)であるリン酸モノ及びジ(ヒドロキシメチルアクリレート)〔「ホスマーM」;ユニケミカル(株)製〕1重量部からなる混合単量体を添加、攪拌し乳化させたプレエマルジョンを作成した。
【0095】
次に反応容器内温を70℃に保ちながら、上記プレエマルジョン、6重量%過硫酸アンモニウム水溶液6.8重量部及び5.1重量%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液6.8重量部を4時間にわたって均一に逐次添加した。逐次添加終了後、70℃で1.5時間熟成を行ってから室温まで冷却し、アンモニア水にて中和してアクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0096】
乳化重合に使用した単量体の組成、反応性乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アクリル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2に示す。
【0097】
参考例2及び比較比較例1〜2
参考例1において、単量体(b)としてAAを2重量部用いる代わりに、前記一般式(4)の単量体であるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(n=約2)(CCMA)5重量部又はメタクリル酸(MAA)15重量部用い、或いは単量体(b)を用いず、さらにこれに伴なってEHA及びMMAの使用量を若干加減する以外は参考例1と同様にして、アクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0098】
乳化重合に使用した単量体の組成、反応性乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アクリル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2に示す。
【0099】
参考例3及び比較参考例3〜4
参考例1において、単量体(c)であるGMAを5重量部用いる代わりに、GMAを10重量部又は25重量部用い、或いは単量体(c)を用いず、さらにこれに伴なってEHA及びMMAの使用量を若干加減する以外は参考例1と同様にして、アクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0100】
乳化重合に使用した単量体の組成、反応性乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アクリル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2に示す。
【0101】
参考例4〜6及び比較参考例5
参考例1において、表1に示すように、単量体(b)の種類及び使用量を変え、必要に応じて、単量体(d−2)である「KBM」及び単量体(d−3)である「ホスマーM」の使用量を変え、単量体(d−1)として2−アセトアセトキシエチルメタアクリレート(AAEM)を用い、また単量体(a)としてEHAとMMAとの使用割合を変え、又はEHAの代わりにブチルアクリレート(BA)を用い、必要に応じて単量体(e)としてスチレン(St)を併用し、さらに必要に応じてアニオン系反応性乳化剤「SE−10N」を用いる代わりに、アニオン系反応性乳化剤「アクアロン HSー10」〔ポリオキシエチレン(n=約10)ノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩系;有効成分約100重量%;旭電化工業(株)製〕(「HS−10」)を用い、表1のようにその使用量及び初期添加用と逐次添加用との使用割合を変え、さらにまた必要に応じて逐次添加用にノニオン系反応性乳化剤「アデカリアソープ NEー10」〔グリセロール−1−アリル−3−ノニルフェニル−2−ポリオキシエチレン(n=約10)エーテル系;有効成分約100重量%;旭電化工業(株)製〕(「NEー10」)を併用し、それに伴なって使用する水の量を変える以外は参考例1と同様にして、Tgの異なるアクリル系共重合体の水性分散液を得た。
【0102】
乳化重合に使用した単量体の組成、反応性乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アクリル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2に示す。
【0103】
参考例7〜8及び比較参考例6
参考例1において、アニオン系反応性乳化剤「SE−10N」の使用量を変える以外は参考例1と同様にして粒子径の異なるアクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0104】
乳化重合に使用した単量体の組成、反応性乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アクリル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2に示す。
【0105】
参考例9〜12及び比較参考例7〜8
参考例1において、表1に示すように、単量体組成を変え、アニオン系反応性乳化剤「SE−10N」を用いる代わりに、アニオン系反応性乳化剤「HS−10」、アニオン系反応性乳化剤「エレミノール JSー2」〔スルホコハク酸アルキル(炭素数12〜13)アリルエステルナトリウム塩系;有効成分約38重量%;三洋化成工業(株)製〕(「JS−2」)、アニオン系反応性乳化剤「アントックス MS−60」〔メチレンビスポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(メタ)アクリレート硫酸エステル塩系;有効成分約80重量%;日本乳化剤(株)製〕(「MS−60」)、アニオン系反応性乳化剤「ラテムル Sー180A」〔スルホコハク酸アルキル(炭素数約18)グリセロールエステルアリルエーテルアンモニウム塩系;有効成分約50重量%;花王(株)製〕(「S−180A」)を用い、必要に応じてさらに逐次添加用にノニオン性反応性乳化剤「アクアロン RNー10」〔ポリオキシエチレン(n=約10)ノニルプロペニルフェニルエーテル系;有効成分約100重量%;第一工業製薬(株)製〕(「RNー10」)10重量部を併用し、またアニオン系反応性乳化剤「SE−10N」を用いる代わりに、通常のアニオン系乳化剤「ネオゲンR」〔ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩系;有効成分約60重量%;第一工業製薬(株)製〕、又は、通常のアニオン系乳化剤「ハイテノール Nー08」〔ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩系;有効成分約100重量%;第一工業製薬(株)製〕(「Nー08」)を用い、その使用量及び初期添加用と逐次添加用との使用割合を変え、それに伴なって使用する水の量を変え、単量体組成を変える以外は参考例1と同様にして、アクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0106】
乳化重合に使用した単量体の組成、反応性乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アクリル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2に示す。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
実施例1〜10及び比較例1〜9
参考例1〜4、7〜12及び比較参考例1〜9で得られたアクリル系共重合体水性分散液をそのまま水性被覆組成物として用いて、前記の方法に従って試験板を作製し、各種塗膜性能の評価を行った。評価の結果を表3に示す。
【0110】
実施例11
参考例5で得られたアクリル系共重合体水性分散液286重量部(固形分約100重量部)にクロム酸アンモニウム 0.88重量部(6価クロムとして0.3重量部)を添加してpH6.5の水性被覆組成物を作成し、これを用いて前記の方法に従い試験板を作製し、各種塗膜性能の評価を行った。評価の結果を表3に示す。
【0111】
実施例12
参考例6で得られたアクリル系共重合体水性分散液286重量部(固形分約100重量部)にフッ素系界面活性剤「エフトップ EF−122B」〔三菱金属(株)製〕0.1重量部を添加して水性被覆組成物を作成し、これを用いて前記の方法に従い試験板を作製し、各種塗膜性能の評価を行った。評価の結果を表3に示す。
【0112】
【表3】
【0113】
【発明の効果】
本発明のアクリル系共重合体水性被覆組成物は、カルボキシル基含有単量体及びグリシジル基含有単量体を必須成分として含むアクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合してなるアクリル系共重合体であって、そのTgが10℃以上であり、且つ該水性媒体中に分散する該アクリル系共重合体微粒子の平均粒子径が100nm以下であるアクリル系共重合体を含有してなることを特徴とするものである。
【0114】
本発明により得られる、従来のアクリル系乳化重合物の有していた諸欠点を克服した、泡立ちが少なく、低臭気で、機械的安定性に優れたアクリル系共重合体水性分散液を用いたアクリル系共重合体水性被覆組成物、特に金属用被覆組成物は、優れた基材密着性、耐水性、耐腐食性、耐アルカリ性等の卓越した性能を発揮する。
Claims (4)
- 下記単量体(a) 〜(e) 、(a) 下記一般式(1) で示される( メタ) アクリル酸エステル単量体 60 〜 96.5重量%、
(b) 分子内にカルボキシル基を有するα, β- エチレン性不飽和単量体 0.5〜10重量%、
(c) 分子内にグリシジル基を有するα, β- エチレン性不飽和単量体1〜20重量%、
(d) (d-2) 分子内にアルコキシシラン基を有するα , β - エチレン性不飽和単量体、及び (d-3) 分子内にリン含有基を有するα , β - エチレン性不飽和単量体を含む単量体であって、上記(b) 及び(C) 以外の単量体0.5 〜 5 重量%、及び、
(e) 上記(a) 〜(d) と共重合可能な該(a) 〜(d) 以外の単量体0 〜30重量%、〔但し、(a) 〜(e) の合計を100 重量%とする〕を分子内にラジカル重合性不飽和基を有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られるアクリル系共重合体であって、そのガラス転移温度が10℃以上であり、且つ水性媒体中に分散する該アクリル系共重合体微粒子の平均粒子径が100nm 以下であるアクリル系共重合体を含有してなることを特徴とする金属下塗り用アクリル系共重合体水性被覆組成物。 - 反応性乳化剤の使用量が単量体(a) 〜(e) の合計100 重量部に対して0.1 〜30重量部である請求項1に記載の金属下塗り用アクリル系共重合体水性被覆組成物。
- 反応性乳化剤がアニオン系反応性乳化剤を含有する請求項1又は2に記載の金属下塗り用アクリル系共重合体水性被覆組成物。
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