JP3532034B2 - 水性被覆用組成物 - Google Patents

水性被覆用組成物

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JP3532034B2 JP15737996A JP15737996A JP3532034B2 JP 3532034 B2 JP3532034 B2 JP 3532034B2 JP 15737996 A JP15737996 A JP 15737996A JP 15737996 A JP15737996 A JP 15737996A JP 3532034 B2 JP3532034 B2 JP 3532034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卓越した基材密着性、
及び優れた耐水性、耐腐食性、耐アルカリ性等の性能を
有し、泡立ちが少なく、低臭気で、機械的安定性に優れ
た水性被覆用組成物、特に金属用水性被覆用組成物、得
られる被覆金属板に優れた成形加工性を付与することが
できる金属用被覆用組成物に関し、詳しくは、カルボキ
シル基含有単量体及びグリシジル基含有単量体を必須成
分として含む(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分
とする単量体(以下、アクリル系単量体ということがあ
る)を反応性乳化剤の存在下で乳化重合してなるアクリ
ル系共重合体微粒子と、ウレタン系樹脂微粒子とをそれ
ぞれ特定量含有する水性被覆用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば水性被覆用組成物の製
造に用いられる共重合体の乳化重合方法としては、(メ
タ)アクリル酸エステルやスチレン等の各種の油溶性単
量体を通常の乳化剤の存在下に乳化重合する方法が採用
されており、このような乳化剤としては主にアニオン性
乳化剤やノニオン性乳化剤が使用されることが多いが、
これらの乳化剤は得られる乳化重合物から形成される皮
膜中に残留し、皮膜の性質に悪影響を及ぼす。即ち、皮
膜の耐水性、基材への密着性等を低下させることがよく
知られており、この乳化重合物を水性被覆用組成物、特
に金属用水性被覆用組成物として利用した場合は、さら
に耐腐食性、耐アルカリ性等の物性が低下するといった
欠点を生じる。
【0003】このような通常の乳化剤を用いずに、硫酸
根を有するラジカル生成重合開始剤だけで乳化重合して
乳化重合物を得る方法も提案されているが、この場合
も、重合系及び生成する乳化重合物の安定性を硫酸根の
みによって保持するには多量の重合開始剤を必要とする
ため、これが耐水性に悪影響を及ぼすことになり、また
乳化重合物の機械的安定性も必ずしも十分とはいえな
い。一方、水溶性有機溶剤と水との混合液中で不飽和カ
ルボン酸を含むアクリル系単量体等を重合し、カルボキ
シル基を中和するなどして安定な乳化重合物を得る方法
が提案されているが、この方法では、一般に大量の有機
溶媒が必要であるため環境衛生や臭気の問題が避けられ
ず、金属等への密着性、耐腐食性も十分なものとはいい
難い。
【0004】また従来の乳化重合物の製造において、乳
化剤を用いないでポリビニルアルコール、セルロース誘
導体、ポリアクリル酸塩、澱粉、ポリアクリルアミド、
ポリエステル等の合成又は天然の水溶性高分子物質を保
護コロイドとして用いて乳化重合することも提案されて
いるが、このような保護コロイドは安定性を付与する能
力に劣るため適用する重合性単量体に制限があり、また
このような保護コロイドは乳化剤に比べて一般にその使
用量が多くなるために、乳化剤の場合と同様に乳化重合
物から得られる皮膜には耐水性等の性能上の問題があ
り、特に金属に塗布した場合、得られる塗膜の耐腐食
性、密着性等の物性は不十分なものとなりがちである。
【0005】さらに最近では、アクリル系単量体等を、
これら単量体と共重合可能な反応性乳化剤の存在下で乳
化重合して乳化重合物を得る方法が数多く提案されてい
るが、一般に反応性乳化剤は重合性単量体との共重合性
が劣るため未反応の反応性乳化剤が皮膜中に残留して、
期待されるほどの耐水性、耐腐食性等の向上が認められ
ないことが多い。
【0006】また近年、乳化重合物による水性被覆用組
成物を用いて下塗り塗膜を形成した被覆金属板に、直接
プレス加工などの成形加工を施すことがしばしば行われ
るが、その際、金属下地への強い密着性が要求される。
この密着性が弱いと成形加工時に塗膜が下地の金属の変
形に追従できず、従ってその部分に錆が発生し易いなど
の問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来のアクリル系乳化重合物の欠点を克服して、泡立ち
が少なく、低臭気で、優れた機械的安定性を有し、且つ
例えば金属などの基材に対して卓越した密着性を有する
と共に、耐水性、耐腐食性にも優れた水性被覆用組成物
を提供することにある。
【0008】本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、カルボキシル基含有単量体及びグ
リシジル基含有単量体を必須成分として含むアクリル系
単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合してなるアク
リル系共重合体微粒子と、ウレタン系樹脂微粒子とをそ
れぞれ特定量含有する水性被覆用組成物が、前記の問題
点をことごとく解決するものであることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(A)並び
に(B)、
【0010】(A) 下記単量体(a)〜(e)を分子内にラジカ
ル重合性不飽和基を有する反応性乳化剤の存在下で乳化
重合して得られるアクリル系共重合体微粒子 30〜90重
量%、
【0011】(a) 下記一般式(1)で示される(メタ)アク
リル酸エステル単量体 50〜98.5重量%、
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1及びR2は請求項1で定義した
とおりである)
【0014】(b) 分子内にカルボキシル基を有するα,
β-エチレン性不飽和単量体 0.5〜10重量%、
【0015】(c) 分子内にグリシジル基を有するα,β-
エチレン性不飽和単量体 1〜20重量%、
【0016】(d) 分子内に1個のラジカル重合性不飽和
基のほかに少なくとも1個の官能基を有する単量体であ
って、上記(b)及び(C)以外の単量体 0〜10重量%、及
び、
【0017】(e) 上記(a)〜(d)と共重合可能な該(a)〜
(d)以外の単量体 0〜30重量%、〔但し、(a)〜(e)の
合計を100重量%とする〕並びに、
【0018】(B) ウレタン系樹脂微粒子 70〜10重量%
〔但し、(A)及び(B)の合計を100重量%とする〕
【0019】を含有してなる金属下塗り用水性被覆用組
成物を提供するものである。
【0020】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明で用いられる上記(メタ)アクリル酸エステル単量体
(a)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレ
ート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレー
ト、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリレ
ート、i-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート、
n-ドデシルアクリレート等のアクリル酸の炭素数1〜12
の直鎖もしくは分枝アルキルエステル;例えば、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタ
クリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-ドデ
シルメタクリレート等のメタクリル酸の炭素数1〜12の
直鎖もしくは分枝アルキルエステル;を挙げることがで
きる。
【0021】上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)
の使用量は、単量体(a)〜(e)の合計100重量%中、30〜9
9.8重量%、好ましくは50〜96重量%、特に好ましくは6
5〜92重量%であるのがよい。単量体(a)の使用量が該下
限量未満と少な過ぎては、得られる被覆用組成物を鋼板
等の金属基材の下塗り用として用いるとき、塗り重ねら
れる上塗り塗料との密着性が低下することがあるので好
ましくない。一方、該上限量を超えて多過ぎては、得ら
れる被覆用組成物を鋼板等の金属基材の塗装用に用いた
とき、基材密着性が悪くなり耐腐食性が低下する傾向が
生ずるので好ましくない。
【0022】前記分子内にカルボキシル基を有するα,
β-エチレン性不飽和単量体単量体(b)としては、分子内
に1つ又は2つ以上のカルボン酸を含むものであり、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、桂皮酸等が好適に使用でき、さらに下記一般式
(4)及び(5)で示される単量体も使用できる。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】(式中、R1は請求項1で定義したとおり
であり、A1は炭素数2〜6のアルキレン基、A2は炭素
数2〜4のアルキレン基、X2はエチレン基、ビニレン
基、1,2-フェニレン基又は1,2-シクロヘキシレン基を表
わし、pは1〜10の自然数である)
【0026】上記一般式(4)単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸ダイマー(好ましくはnの平均値約1.
4のもの)、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メ
タ)アクリレート(好ましくはnの平均値約2のもの)
等が例示できる。また上記一般式(5)単量体としては、
例えば、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、フマル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、1,2-ジカルボキシシクロヘキサンモノヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等が例示できる。
【0027】このような単量体(b)の使用量は、単量体
(a)〜(e)の合計100重量%中、0.1〜10重量%、好ましく
は1〜7重量%である。該単量体(b)使用量が該下限値
未満と少な過ぎては、得られる被覆用組成物塗膜の鋼板
等の基材への密着性が低下する傾向があるので好ましく
ない。一方、該上限値を超えて多過ぎては該塗膜の耐ア
ルカリ、耐腐食性等の性能が低下しがちとなり好ましく
ない。
【0028】前記の分子内にグリシジル基を有するα,
β-エチレン性不飽和単量体(c)としては、例えば、グリ
シジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシ
ルメチル(メタ)アクレート、グリシジルビニルエーテ
ル、3,4-エポキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリ
シジル(メタ)アリルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキ
シル(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。
【0029】上記単量体(c)の使用量は、単量体(a)〜
(e)の合計100重量%中、0.1〜20重量%、好ましくは1
〜15重量%、さらに好ましくは2〜12重量%である。該
使用量が該下限値未満と少な過ぎては、得られる被覆用
組成物塗膜の鋼板等の基材に対する密着性付与効果が不
十分となりがちであり好ましくない。一方、該上限値を
超えて多過ぎては、得られる水性被覆用組成物の造膜性
が低下する傾向にあり好ましくない。
【0030】前記の分子内に1個のラジカル重合性不飽
和基のほかに少なくとも1個の官能基を有する単量体で
あって、上記(b)及び(c)以外の単量体(d)としては、下
記(d-1)〜(d-6)の単量体類が使用できる。
【0031】(d-1) 分子内にアセトアセチル基を有する
α,β-エチレン性不飽和単量体、(d-2) 分子内にアルコ
キシシラン基を有するα,β-エチレン性不飽和単量体、
(d-3) 分子内にリン含有基を有するα,β-エチレン性不
飽和単量体、(d-4) 分子内に水酸基を有するα,β-エチ
レン性不飽和単量体、(d-5) 分子内にアミド基又は置換
アミド基を有するα,β-エチレン性不飽和単量体、及
び、(d-6) 分子内にアミノ基又は置換アミノ基を有する
α,β-エチレン性不飽和単量体。
【0032】上記単量体(d-1)としては、下記一般式
(6)、
【0033】
【化7】
【0034】(式中、R1は請求項1に記載した定義の
通りであり;R4は請求項5に記載した定義の通りであ
り;X3は単結合、メチレン基、COOZ1、CONHZ
2であって、Z1、Z2は炭素数1〜6のアルキレン基で
あり;Y1は水素又はCNである)
【0035】で示される単量体を使用することができ、
このような上記一般式(6)の単量体としては、例えば、
アセト酢酸ビニル、アセト酢酸(メタ)アリル等のアセト
酢酸のアルケニルエステル類;例えば、2-アセトアセト
キシエチル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3-アセトアセトキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシブチル(メ
タ)アクリレート、2-アセトアセトキシブチル(メタ)ア
クリレート、3-アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレ
ート、4-シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレ
ート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸と
(置換)アセト酢酸とのジエステル;例えば、2-アセトア
セトキシエチルクロトネート、2-アセトアセトキシプロ
ピルクロトネート、3-アセトアセトキシプロピルクロト
ネート等のアルキレングリコールのクロトン酸とアセト
酢酸とのジエステル;例えば、N-アセトアセトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N-アセトアセトキシエチル
(メタ)アクリルアミド等のN-アルキロール(メタ)アクリ
ルアミドのアセト酢酸エステル等を挙げることができ
る。
【0036】また前記単量体(d-1)としては、2-ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、カプロラク
トン等のラクトンとの付加体からなるラクトン変性ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートをアセト酢酸により
エステル化するか、又は、該ラクトン変性ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートをジケテンによりアセトアセ
チル化することにより得られるラクトン変性ヒドロキシ
アルキルグリコールの(メタ)アクリル酸アセト酢酸ジエ
ステルも使用可能である。
【0037】これら単量体(d-1)の中でも2-アセトアセ
トキシエチル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシ
プロピル(メタ)アクリレート、3-アセトアセトキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、4-アセトアセトキシブチル
(メタ)アクリレートの使用が特に好適である。
【0038】前記単量体(d-2)の分子内にアルコキシシ
ラン基を有するα,β-エチレン性不飽和単量体として
は、加水分解型のものが好適であり、例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス(2ーメトキシーエトキシ)シラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、3ーメタクリロオキシプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリクロロシラン、3ーメタクリロオキ
シプロピルトリス(メトオキシーエトオキシ)シラン等が
あげられる。これらの中でも3ーメタクリロオキシプロピ
ルトリメトキシシランが特に好適に使用できる。
【0039】前記単量体(d-3)の分子内にリン含有基を
有するα,β-エチレン性不飽和単量体としては、例え
ば、リン酸モノヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、
リン酸ジヒドロキシメチルジ(メタ)アクリレート、リン
酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、リン酸ジ
ヒドロキシエチルジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ3-ヒ
ドロキシプロピルジ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0040】前記単量体(d-4)の分子内に水酸基を有す
るα,β-エチレン性不飽和単量体としては、例えば、2-
ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ
ルプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシルプロピ
ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルブチル(メタ)ア
クリレート、3-ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレー
ト、4-ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、2-ヒド
ロキシルエチル(メタ)アリルエーテル、2-ヒドロキシル
プロピル(メタ)アリルエーテル、3-ヒドロキシルプロピ
ル(メタ)アリルエーテル、4-ヒドロキシルブチル(メタ)
アリルエーテル、アリルアルコール等が挙げられる。
【0041】前記単量体(d-5)の分子内にアミド基又は
置換アミド基を有するα,β-エチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、(メタ)アクリルアミド、Nーメチルアク
リルアミド、N,Nージメチルアクリルアミド、Nーメチロー
ルアクリルアミド、Nーメトキシメチルアクリルアミド、
N-ブトキシメチルアクリルアミド、N-ジメチルアミノプ
ロピルメタクリルアミド等、前記単量体(d-6)の分子内
にアミノ基又は置換アミノ基を有するα,β-エチレン性
不飽和単量体としては、例えば、N,N-ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0042】これら単量体(d-1)〜(d-6)はそれぞれ単独
で用いることができ、又は2種以上併用することがで
き、その共重合量は、単量体(d-1)〜(d-6)の合計量とし
て、単量体(a)〜(e)の合計100重量%に対し、一般に0
〜10重量%の範囲で使用できるが、得られる水性被覆用
組成物塗膜の鋼板等の基材への密着性付与効果と、耐ア
ルカリ性等の他の塗膜性能への悪影響とのバランスを勘
案するとき、0.5〜5重量%の範囲内で用いるのが好ま
しい。これら単量体(d-1)〜(d-6)のうち、得られる水性
被覆用組成物塗膜の耐腐食性と、耐アルカリ性等の他の
塗膜性能とのバランスのよさの観点から単量体(d-1)〜
(d-3)の使用が特に好ましい。
【0043】前記の単量体(e)、すなわち前記(a)〜(d)
と共重合可能な該(a)〜(d)以外の単量体としては、例え
ば、スチレン、αーメチルスチレン、tーブチルスチレ
ン、pークロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族モノビニル単量体;例えば、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単
量体;例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、「バーサチック酸ビニル」等を挙げることがで
きる。これら単量体(e)は、通常、得られる水性被覆用
組成物塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性等の向上
を目的に使用するものであり、その共重合量は、単量体
(a)〜(e)の合計100重量%に対して、一般に0〜30重量
%の範囲であるのがよい。
【0044】本発明におけるアクリル系共重合体のTg
は、一般に10℃以上、好ましくは20℃以上であるのがよ
い。Tgが該下限値以上であれば、耐腐食性や耐ブロッ
キング性が不十分となるなどの不都合が生じることがな
いので好ましい。また、Tgが高過ぎる場合には室温乾
燥では均一な皮膜を形成しないことがあるが、例えばカ
ルビトールアセテート等の造膜助剤の添加により、もし
くは高温乾燥により、又はこれらの手段の併用等によっ
て金属素材表面に均一な皮膜を形成することが可能とな
るので、耐腐食性能を始めとする諸性能も発現させるこ
とが可能である。しかし造膜性のよさの観点から、該T
gは60℃以下であるのが特に好ましい。
【0045】なお本発明においてTgとは、共重合体を
構成する反応性乳化剤を除いたそれぞれの単量体成分の
単独重合体のTgを用いて次式によって求めることがで
きる。
【0046】
【数1】
【0047】但し、Tgは共重合体のTgであり、Tg1
Tg2、・・・・・・Tgkは各単量体成分の単独重合体のTg;
1、w2、・・・・・・wkは各単量体成分の重量分率を表わ
し;w1+w2+・・・・・・+wk=1である。
【0048】本発明に用いるアクリル系共重合体水性分
散液は、以上述べた単量体(a)〜(c)、或いはこれらとと
もに必要に応じてさらに単量体(d)及び/又は(e)を加え
たものを、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する反
応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られるものであ
る。
【0049】本発明で用いられる前記反応性乳化剤とし
ては、アニオン性及びノニオン性の何れの乳化剤でも特
に限定されず、例えば、(メタ)アリル基、(メタ)アクリ
ル基、スチリル基などのラジカル重合性不飽和基を有す
る乳化剤が単独で又は2種以上組合わせて使用できる。
【0050】このようなアニオン性反応性乳化剤として
は、例えば、下記一般式(2)、(3)、(7)及び(8)で示され
る反応性乳化剤を挙げることができる。
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】
【化11】
【0055】〔式中、R1は請求項1に記載した定義の
通りであり、R3、R4、EO、X1、M及びmは請求項
5に記載した定義の通りであり、R5は炭素数6〜18の
アルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル
基、nは1〜50の自然数、qは0又は1である〕
【0056】上記一般式(2)で示されるアニオン性反応
性乳化剤の具体例としては、例えば、「アデカリアソー
プ SE-10N」、「アデカリアソープ SE-20N」、「アデカ
リアソープ SE-30N」〔以上、旭電化工業(株)製〕を;
上記一般式(3)で示されるアニオン性反応性乳化剤の具
体例としては、例えば、「アクアロン HS-05」、「アク
アロン HS-10」、「アクアロン HS-20」、「アクアロン
HS-30」〔以上、第一工業製薬(株)製〕を;上記一般式
(7)のアニオン性反応性乳化剤の具体例としては、例え
ば「ラテムル S-120」、「ラテムル S-120A」、「ラテ
ムル S-180」、「ラテムル S-180A」〔以上、花王(株)
製〕、「エレミノール JS-2」〔三洋化成工業(株)製〕
等を;上記一般式(8)のアニオン性反応性乳化剤の具体
例としては、例えば「アントックス MS-60」〔日本乳化
剤(株)製〕等を;それぞれ挙げることができる。
【0057】またその他のアニオン性反応性乳化剤とし
ては、例えば「ラテムル ASK」〔花王(株)製〕等のアル
キルアルケニルコハク酸エステル塩系反応性乳化剤;例
えば「エレミノール RS-30」〔三洋化成工業(株)製〕等
のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート硫酸エステ
ル塩系反応性乳化剤;例えば「RA-1120」、「RA-2614」
〔以上、日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレン
アルキルエーテル脂肪族不飽和ジカルボン酸エステル塩
系反応性乳化剤;例えば「アントックス MS-2N」〔日本
乳化剤(株)製〕等の(メタ)アクリル酸スルホアルキルエ
ステル塩系反応性乳化剤;フタル酸ジヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート硫酸エステル塩系反応性乳化剤;
例えば「H-3330PL」〔第一工業製薬(株)製〕等のモノも
しくはジ(グリセロール-1-アルキルフェニル-3-アリル-
2-ポリオキシアルキレンエーテル)リン酸エステル塩系
反応性乳化剤;などを挙げることができる。
【0058】本発明で用いることのできるノニオン性反
応性乳化剤としては、例えば、下記一般式(9)及び(10)
で示される反応性乳化剤を挙げることができる。
【0059】
【化12】
【0060】
【化13】
【0061】〔式中、R1は請求項1に記載した定義の
通りであり、R3、R4、EO、X1及びmは請求項5に
記載した定義の通りである〕
【0062】上記一般式(9)で示されるノニオン性反応
性乳化剤の具体例としては、例えば「アデカリアソープ
NE-10」、「アデカリアソープ NE-20」、「アデカリア
ソープ NE-30」〔以上、旭電化工業(株)製〕等を;上記
一般式(10)で示されるノニオン性反応性乳化剤の具体例
としては、例えば「アクアロン RN-10」、「アクアロン
RN-20」、「アクアロン RN-30」、「アクアロン RN-5
0」〔以上、第一工業製薬(株)製〕等を;それぞれ挙げ
ることができる。
【0063】またその他のノニオン性反応性乳化剤とし
ては、例えば「RMA-564」、「RMA-568」〔以上、日本乳
化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルフェニ
ルエーテル(メタ)アクリレート系反応性乳化剤;例えば
「RMA-1114」〔日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアル
キレンアルキルフェニルエーテル(メタ)アクリレート系
反応性乳化剤;などを挙げることができる。
【0064】これら反応性乳化剤のうちは、本発明に用
いるアクリル系共重合体水性分散液として好適な粒子径
の小さいものが得やすいなどの理由から、アニオン性の
反応性乳化剤を必須成分として用いるのが望ましく、本
発明に用いられる前記単量体(a)〜(e)との共重合性に優
れ、多量に使用しても未反応で残存することが少なく、
得られる水性被覆用組成物塗膜の耐腐食性等の性能を阻
害することが少ないなどの理由から前記一般式(2)で示
されるグリセロール-1-アリル-3-アルキルフェニル-2-
ポリオキシエチレン硫酸エステル塩系アニオン性反応性
乳化剤、又は、前記一般式(3)で示されるポリオキシエ
チレンアルキルアルケニルフェニルエーテル硫酸エステ
ル塩系アニオン性反応性乳化剤を用いるのが特に好まし
い。
【0065】これら反応性乳化剤の使用量は、本発明に
おけるアクリル系共重合体を構成する前記の必須単量体
(a)〜(c)及び必要に応じて用いる単量体(d)〜(e)の合計
100重量部当り、一般に0.1〜30重量部、好ましくは2〜
25重量部、特に好ましくは3〜20重量部の範囲で用いる
のがよい。
【0066】本発明に用いるアクリル系共重合体水性分
散液の乳化重合に際しては、得られる共重合体水性分散
液及び水性被覆用組成物の性能に悪影響を及ぼさない範
囲において、以上述べた反応性乳化剤とともに必要に応
じて、通常のアニオン性及び/又はノニオン性乳化剤を
併用することができる。
【0067】上記通常のノニオン性乳化剤類として、例
えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレン
アルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等
のソルビタン高級脂肪酸エステル類;
【0068】例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂
肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウ
レート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリ
オキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイ
ン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド
等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオ
キシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリ
マー;等を例示することができる。
【0069】また前記通常のアニオン性乳化剤類として
は、例えば、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩
類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル
硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例え
ば、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩類;
【0070】例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチル
スルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク
酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及
びその誘導体類;等を例示することができる。
【0071】これら通常の乳化剤を前記反応性乳化剤と
併用する場合には、これら通常の乳化剤を適宜組合わせ
て使用するのがよく、その使用量としては一般に前記単
量体(a)〜(e)の合計100重量部当り0〜1重量部程度の
量を例示できる。
【0072】本発明に用いるアクリル系共重合体水性分
散液の乳化重合に際しては、得られる共重合体水性分散
液及び水性被覆用組成物の性能に悪影響を及ぼさない範
囲において、以上述べた反応性乳化剤及び必要に応じて
用いる前記通常のアニオン性及び/又はノニオン性乳化
剤とともに水溶性保護コロイドを併用することもでき
る。
【0073】上記の水溶性保護コロイドとしては、例え
ば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース塩等のセルロース誘導体;及びグアガムな
どの天然多糖類;などが挙げられ、これらは、単独でも
複数種併用の態様でも利用できる。水溶性保護コロイド
の使用量としては、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量
部当り0〜0.5重量部程度である。
【0074】更に乳化重合に際しては、通常、例えば、
過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ムなどの過硫酸塩類;t-ブチルヒドロパーオキシド、ク
メンヒドロパーオキシド、p-メンタンヒドロパーオキシ
ドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;などの重合開始
剤が使用される。これら重合開始剤も一種もしくは複数
種併用のいずれの態様でも利用できる。これらの重合開
始剤は、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部に対し
て、0.1〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0075】また乳化重合に際して、所望により、重合
開始剤とともに還元剤を併用することができる。このよ
うな還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石
酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシ
ラート金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜
硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物;を例示できる。
これら還元剤は、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部
に対して、0.1〜1重量部程度の量を用いるのが好まし
い。
【0076】更にまた、乳化重合に際しては連鎖移動剤
を使用することができる。このような連鎖移動剤として
は、例えば、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメル
カプタン、n-ブチルメルカプタン、2-エチルヘキシルチ
オグリコレート、2-メルカプトエタノール、トリクロロ
ブロモメタン等を挙げることができる。これら連鎖移動
剤は、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量部に対して0
〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0077】本発明に用いるアクリル系共重合体の乳化
共重合において好適に採用される共重合温度は、約40〜
100℃、特には約60〜90℃である。
【0078】かくして得られたアクリル系共重合体水性
分散液の水性媒体中に分散する共重合体微粒子の平均粒
子径は、一般に100nm以下、特には10〜80nmであること
が好ましい。該共重合体微粒子の平均粒子径が該上限値
以下であれば、得られる水性分散液の造膜性が低下して
耐腐食性等の性能が十分に発揮されないなどの不都合が
生じることがないので好ましい。また平均粒子径が該下
限値以上であれば、得られる水性被覆用組成物の造膜性
が低下して耐腐食性等の性能が十分に発揮されないなど
の不都合が生じることがないので好ましい。
【0079】なお本明細書において、共重合体分散粒子
の平均粒子径は、日本化学会編「新実験化学講座4 基
礎技術3 光(II)」第725〜741頁(昭和51年7月20日
丸善株式会社発行)に記載された動的光散乱法(以下、
DLS法ということがある)により測定された値であり、
具体的には以下に述べる方法で測定決定した値である。
【0080】平均粒子径:共重合体水性分散液を蒸留水
で5万〜15万倍に希釈し、十分に撹拌混合した後、21mm
φガラスセル中にパスツールピペットを用いて約10ml採
取し、これを動的光散乱光度計「DLS-700」〔大塚電子
(株)製〕の所定の位置にセットして、以下の測定条件下
で測定し、測定結果をコンピュータ処理して平均粒子径
を求める。
【0081】〔測定条件〕 測定温度 25±1℃ クロックレート(Clock Rate) 10μsecコレレ -ションチャンネル(Corelation Channel) 512 積算測定回数 200個 光散乱角 90°
【0082】前記のようにして得ることのできる本発明
に用いられるアクリル系共重合体水性分散液は、必要に
応じてアンモニア水等によってpH調節してもよい。この
ような分散液は、通常、固形分濃度30〜50重量%、粘度
10〜3000cps(BH型回転粘度計、25℃、20rpm;粘度測定
条件以下同様)、pH2〜9程度であるのがよい。
【0083】本発明に用いるアクリル系共重合体水性分
散液は、泡立ちが少なく、低臭気で機械的安定性が良好
であり、形成される皮膜はそれ自身、金属等への基材密
着性、耐水性、耐腐食性、耐アルカリ性等の優れた性能
を有しているので、本発明の水性被覆用組成物の主要成
分として用いるとき卓越した性能を発揮する。
【0084】本発明の水性被覆用組成物は、上記のアク
リル系共重合体の微粒子とともに、ウレタン系樹脂微粒
子を含有させてなるものである。該水性被覆用組成物に
ウレタン系樹脂を含有させることにより、該組成物を金
属下塗り用として用いるとき、金属下地への密着性が顕
著に改善され、得られる被覆金属板の成形加工時の被膜
の下地追従性が向上するので、特に成形加工部分の耐腐
食性が向上し、また上塗り塗膜との密着性も改善され
る。
【0085】本発明に用いることのできるウレタン系樹
脂としては、従来より公知のウレタン系樹脂エマルジョ
ンが好適に使用される。
【0086】このようなウレタン系樹脂は、通常の手法
に従い、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物
とを反応して得られる、末端にイソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマーに、鎖延長剤を反応させること
により調製することができる。
【0087】上記のポリイソシアネート化合物として
は、例えば、1,3-または1,4-フェニレンジイソシアネー
ト、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネート、1,5-ナ
フチレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート、3,3'-ジメチルジフェニルメタン-4,4'
-ジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート
等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
【0088】例えば、1,4-テトラメチレンジイソシアネ
ート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-ト
リメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8-
オクタメチレンジイソシアネート、1,10-デカメチレン
ジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合
物;例えば、1,3,または1,4-シクロヘキシレンジイソシ
アネート、1-メチルシクロヘキサン-1,3-または1,4-ジ
イソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-イソシ
アノメチルシクロヘキサン等の脂環族ポリイソシアネー
ト化合物;などを例示できる。
【0089】前記のポリイソシアネート化合物と反応せ
しめられるポリオール化合物としては、ポリエステルポ
リオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステル
エーテルポリオール類及びポリカーボネートポリオール
類などがある。
【0090】ポリエステルポリオール類としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-
ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、
ソルビタン、ソルビトール等の多価アルコールと、例え
ば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、
フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グ
ルタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピ
ロメリット酸、トリメリット酸、ドデカンジカルボン酸
等の多価カルボン酸との縮合物及びラクトン重合物など
を例示することができる。
【0091】前記ポリエーテルポリオール類としては、
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレン
プロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール
を挙げることができ、ポリエステルエーテルポリオール
類としては、上記ポリエステルポリオールにエチレンオ
キシド等のアルキレンオキシドを付加させたもの、ポリ
エーテルポリオールと上記ポリカルボン酸とを縮合させ
た末端に水酸基を有するものなどを挙げることができ
る。
【0092】また前記ポリカーボネートポリオール類と
しては、ポリ-1,6-ヘキサンカーボネートジオール等の
直鎖脂肪族カーボネート骨格の量末端に水酸基を有する
ものが挙げられる。これらポリオール化合物のうち好適
なものとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリ
-1,6-ヘキサンカーボネートジオール等が挙げられる。
【0093】前記鎖延長剤としては、イソシアネート基
と反応性のある活性水素原子を含有する官能基を少なく
とも2個有する化合物を使用することができ、その代表
的な例としては、例えば、水、多価アルコール類、第1
級もしくは第2級の多価アミン類、ヒドラジン及びその
誘導体などが使用できる。
【0094】上記多価アルコール類としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-もし
くは1,3-プロピレングリコール、1,2-、1,3-もしくは1,
4-ブチレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン
グリコール、1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル
-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
【0095】例えば、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタ
ンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、メチレンビ
ス(4-ヘキサノール)等の脂環族ジオール;例えば、1,4-
フェニレンビス(2-ヒドロキシエチルエーテル)、1,2-プ
ロピレングリコールビス(2-ヒドロキシフェニルエーテ
ル)等の芳香族ジオール;などを挙げることができる。
【0096】多価アミン類としては、例えば、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン
などを例示でき、
【0097】ヒドラジンの誘導体としては、例えば、ジ
メチルヒドラジン、1,6-ヘキサメチレンビスヒドラジン
などの置換ヒドラジン;例えば、ジカルボン酸、ジスル
ホン酸、ラクトンまたは多価アルコールとヒドラジンと
の反応生成物;などを挙げることができる。
【0098】前記鎖延長剤としては、これらの他に、特
にウレタンプレポリマーやウレタン系樹脂のエマルジョ
ン化に際して、これらにイオン性を付与するために用い
られるものが挙げられ、その具体例としては、例えば、
2,2-ジメチロール酢酸、2,2-ジメチロールプロピオン
酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロール吉草酸等
のジヒドロキシカルボン酸;例えば、2,5-ジアミノ安息
香酸、α,ε-カプロン酸(リジン)、2-アミノ-5-グアニ
ジノ吉草酸(アルギニン)等のジアミノカルボン酸;例
えば、メチルジエタノールアミンなどのアルキルジアル
カノールアミン;等を挙げることができる。
【0099】前記の末端にイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーの製造は、一般に、前記ポリイソシ
アネート化合物とポリオール化合物とを、イソシアネー
ト基が水酸基より多くなるようにして、窒素雰囲気下、
有機溶媒中で攪拌しながら約25〜110℃の温度で、必要
に応じて反応触媒の存在下に反応させるのがよい。
【0100】ここで使用しうる有機溶媒としては、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;例え
ば、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
例えば、酢酸エチル等のエステル類;例えば、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;例えば、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;
等を挙げることができる。
【0101】また有用な反応触媒としては、例えば、ト
リエチルアミン等の第3級アミン;例えば、塩化第1錫
等の無機塩類;例えば、ジ-n-ブチル錫ジラウレート等
の有機金属化合物;などが挙げられる。
【0102】このようにした調製されたウレタンプレポ
リマーを、それ自体公知の方法に従って鎖延長剤と反応
させることによりウレタン系樹脂を得ることができる。
【0103】また前記のウレタン系樹脂エマルジョン
は、前述したウレタンプレポリマーと鎖延長剤を以下に
述べるごとき方法によって反応させることにより製造す
ることができる。
【0104】カチオン性エマルジョンの製造法として
は、(1) 末端にイソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマーを、鎖延長剤として3級アミノ基を有するジオ
ールを用いてポリマー化したのち4級化剤もしくは酸に
よりカチオン化するか、または、鎖延長剤として4級ア
ミノ基を有するジオールを反応させてカチオン化する方
法、
【0105】(2) 末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーを、鎖延長剤としてポリアルキレンポ
リアミンを用いてポリマー化した後、エピハロヒドリン
と酸を反応させてカチオン化する方法、などを挙げるこ
とができ、
【0106】また、アニオン性エマルジョンの製造法と
しては、例えば、(3) 末端にイソシアネート基を有する
ウレタンプレポリマーを、鎖延長剤としてジヒドロキシ
カルボン酸またはジアミノカルボン酸を用いてポリマー
化した後、アルカリ性化合物により中和してアニオン化
する方法、
【0107】(4) 疎水性ポリオールと芳香族ポリイソシ
アネートから得た末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーを、スルホン化し第3級アミンで中和
してアニオン化する方法、等を挙げることができ、
【0108】更に、ノニオン性エマルジョンの製造法と
しては、(5) 末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーを、乳化剤を用いて必要に応じてジアミン
等を含む水溶液中に分散し、水またはジアミンで鎖延長
する方法、
【0109】(6) 末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーに、長鎖アルコールのアルキレンオキ
シド縮合物(ノニオン界面活性剤の一種)と水酸基等の
親水基を有するアミンとを反応させる方法、
【0110】(7) 末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーに前記鎖延長剤を反応させてウレタン
系樹脂とし、乳化剤を用いて機械的に水中に分散させる
方法、等を挙げることができる。
【0111】本発明に使用しうるウレタン系樹脂エマル
ジョンとしては、これらの他に、ウレタンプレポリマー
中に、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレートなどの
水酸基含有ビニル系単量体を導入し、該ウレタンプレポ
リマーと前記(メタ)アクリル系単量体とを乳化共重合し
たもの;
【0112】前記末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーのイソシアネート基の1部を各種のブ
ロック剤でブロックするか、該ウレタンプレポリマーま
たはウレタン系樹脂にイソシアネート基の1部をブロッ
ク化したウレタンプレポリマーを反応させるかして、分
子中にブロック化イソシアネートを含有する該ウレタン
プレポリマーまたはウレタン系樹脂とし、これを前記同
様の方法で乳化したもの;なども例示できる。
【0113】以上述べた本発明に用いることのできるウ
レタン系樹脂エマルジョンとしては、例えば、「アデカ
ボンタイター HUX-240」、「アデカボンタイター HUX-2
32」、「アデカボンタイター HUX-320」、「アデカボン
タイター HUX-260」〔以上、旭電化工業(株)製〕、「ス
ーパーフレックス 100」、「スーパーフレックス 10
7」、「スーパーフレックス 110」、「スーパーフレッ
クス 126」、「スーパーフレックス 150」、「スーパー
フレックス 160」、「スーパーフレックス 190」、「ス
ーパーフレックス 200」、「スーパーフレックス 41
0」、「スーパーフレックス 460」〔以上、第一工業製
薬(株)製〕、「ユーコート UWS-145」、「ユーコート U
X-4300」、「ユーコート UX-4230」、「パーマリン UA-
150」、「パーマリン UA-200」、「パーマリン UA-30
0」、「パーマリン UA-310」〔以上、三洋化成工業(株)
製〕、「タケラック XW-77-X25」、「タケラック XW-75
-X09」、「タケラック XW-74-X13」〔以上、武田薬品工
業(株)製〕、「Resamine D-6190」、「Resamine D-620
0」〔以上、大日精化工業(株)製〕等の商品名で市販さ
れているものを挙げることができる。
【0114】これらのうち、本発明に使用するウレタン
系樹脂エマルジョンとしては、前記のアクリル系共重合
体との混和安定性のよさ、これら樹脂成分と必要に応じ
て用いられる無機質充填剤との配合の容易性及び得られ
る水性被覆用組成物の貯蔵安定性等の観点から、ノニオ
ン性又はアニオン性のウレタン系樹脂エマルジョンを用
いるのが好ましい。
【0115】また本発明の水性被覆用組成物に含有され
るウレタン系樹脂微粒子の粒子径は、一般に100nm以
下、好ましくは10〜80nm程度のものがよい。該粒子径の
測定法は、前記のアクリル系共重合体水性分散液におけ
ると同様の方法を採用することができる。
【0116】本発明の水性被覆用組成物におけるウレタ
ン系樹脂微粒子の含有量は、前記アクリル系共重合体微
粒子(A)及びウレタン系樹脂微粒子(B)の合計100重量%
に対して、通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%
の範囲(すなわち、アクリル系共重合体微粒子の含有量
は、該(A)及び(B)の合計100重量%に対して90〜30重量
%、好ましくは80〜40重量%の範囲)であることが必要
である。ウレタン系樹脂微粒子の含有量が該下限値未満
と少な過ぎては、該組成物を金属下塗り用、特に家庭電
化製品の表面処理鋼板用として用いるとき、得られる鋼
板の成形加工性、すなわち下地密着性及び下地追随性に
が不十分となりがちであり、成形加工部分の耐腐食性及
び上塗り塗剤密着性にも問題が生ずることがあるので好
ましくない。また該上限値を超えて多過ぎては、該組成
物の耐アルカリ性の低下や耐ブロッキング性の低下等の
不都合が生ずることがあるので好ましくない。
【0117】本発明の水性被覆用組成物にウレタン系樹
脂を含有させる方法としては、特に限定されるものでは
なく、例えば、前記のアクリル系共重合体水性分散液と
前記ウレタン系樹脂エマルジョンとを配合し攪拌混合す
るエマルジョンブレンド法、前記のアクリル系共重合体
水性分散液の製造に際して前記単量体(a)〜(e)の何れか
又はそれらの混合物に予めウレタン系樹脂を溶解させて
から乳化共重合反応を行う方法、ウレタン系樹脂エマル
ジョンの存在下に前記単量体(a)〜(e)を添加して乳化共
重合反応を行うシード重合法等を挙げることができる
が、最も容易に且つ好ましい配合物を得ることのできる
エマルジョンブレンド法が特に好適に用いられる。
【0118】また本発明の水性被覆用組成物は、さらに
耐腐食性や下地及び上塗り被膜密着性を向上させる目的
で、必要に応じて、エポキシ系硬化剤、イソシアネート
系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤等の硬化剤を併用する
ことが可能である。さらに本発明の優れた効果を損なわ
ない範囲で、コロイダルシリカ等の水溶性無機物を配合
して用いてもよいし、フッ素系界面活性剤等の表面張力
低下剤やワックス成分等の滑剤を配合して用いてもよ
い。また酸化チタン、炭酸カルシウム等の着色顔料や体
質顔料、リン酸カルシウム等の防錆顔料等を添加して水
性被覆用組成物として用いることができる。さらにまた
該水性被覆用組成物には、増粘剤、分散剤、成膜助剤、
消泡剤、有機溶媒、防腐剤等を添加することもできる。
【0119】本発明の水性被覆用組成物は、特に、冷延
鋼板、熱延鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の
金属板;例えば、鉛−錫合金メッキ鋼板(タンシート鋼
板)、錫メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、鉛メッ
キ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板などの
各種メッキ鋼板;などの金属基材に対する被覆用組成物
として有効に利用できるが、さらにガラス、木材、プラ
スチック、紙成形品またはシート、フイルム等の被覆用
組成物としても有効に利用ができる。
【0120】
【実施例】次に、実施例、比較例、参考例及び比較参考
例により、本発明の水性被覆用組成物についてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお実施例及び比較例における塗膜性能の評価
は、以下の試験板の作製方法及び各塗膜性能の試験方法
に従って行った。
【0121】試験板の作製方法 市販の亜鉛メッキ鋼板(「ジンコート」、塗布型クロメ
ート処理タイプ、寸法0.8mm×70mm×150mm)に、水性被
覆用組成物を乾燥時1.0g/m2になるようにワイヤーバー
を用いて塗布し、熱風乾燥器〔タバイ(株)製高温恒温
器〕で220℃×10秒間(板温最高到達温度60℃)乾燥し
て試験板を作製した。
【0122】塗膜性能の評価項目と評価方法 (1) 造膜性 試験板の塗膜表面の状態を、マイクロスコープで観察し
て評価した。
【0123】判定基準 ◎:完全に均一に造膜 ○:クラックが僅かに観られる △:クラックが多く観られる ×:無数のクラックが観られる(白化)
【0124】(2) 上塗り塗装性(常態) 試験板を常温で一昼夜養生した後、メラミン/アルキッ
ド焼付塗料〔「アミラック#1000」、関西ペイント(株)
製〕をドクターブレードを用いて乾燥膜厚が20μmにな
るよう塗布し、熱風乾燥器で130℃×20分間の焼付けを
行った。次いで1時間常温下で放置後、1mm幅で碁盤目
にカットし、更に「エレキセン皮膜強度試験機」〔安田
精機製作所(株)製〕を用いて碁盤目カット部分を裏面か
ら5mm又は8mm押し出し、押し出された部分にセロファ
ンテープを用いて剥離試験を行い、上塗り塗膜の残存面
積を10点満点で評価した。
【0125】(3) 上塗り塗装性(耐煮沸性) 試験板を常温で一昼夜養生した後、前(2)項で用いたの
と同じメラミン/アルキッド焼付塗料をドクターブレー
ドを用いて乾燥膜厚が20μmになるよう塗布し、熱風乾
燥器で130℃×20分間の焼付を行った。1時間常温下で
放置後、1時間煮沸し、次いで1時間常温下で放置した
後、前(2)項と同様にして評価した。
【0126】(4) 耐アルカリ性 試験板を常温で一昼夜養生した後、5重量%水酸化ナト
リウム水溶液を0.5ml滴下し10分間放置した。その後滴
下した水酸化ナトリウム水溶液を除去した後、塗膜表面
の状態を観察し評価した。
【0127】判定基準 ◎:異常なし ○:塗膜が少し膨潤 △:塗膜がかなり膨潤(鋼板表面が少し黒色化) ×:塗膜が溶解し(鋼板表面が黒色化)
【0128】(5) 耐腐食性 (5-1) 平面部 試験板を常温で一昼夜養生した後、裏面及び側面をポリ
エステルテープでマスキングし、JIS K 5400に準じた塩
水噴霧試験(35℃、5重量%塩化ナトリウム水溶液使
用)を行い、240時間後と480時間後の試験板の錆の発生
状態を評価した。
【0129】判定基準 ◎:異常なし ○:僅かに点錆が発生 △:かなり点錆が発生 ×:全面に多くの点錆が発生
【0130】(5-2) 加工部 試験板を常温で一昼夜養生した後、「エレキセン皮膜強
度試験機」を用いて裏面から5mm又は8mm押し出し、次
いで裏面及び側面をポリエステルテープでマスキングし
て、前(5-1)項と同様に塩水噴霧試験を行い、72時間後
と168時間後の試験板加工部の錆の発生状態を評価し
た。
【0131】判定基準 ◎:異常なし ○:僅かに点錆が発生 △:かなり点錆が発生 ×:全面に多くの点錆が発生
【0132】(6) 耐ブロッキング性 試験板を前記に従って2枚作製し、乾燥後速やかに2枚
の試験板を水性被覆用組成物の塗布面同士重ね合わせ
て、50kg/cm2加圧下、50℃で24時間放置した。次いで
重ね合わせた試験板を常温下で1時間放置した後剥離し
て、塗膜の表面状態及び剥離感を評価した。
【0133】判定基準 ◎:剥離感なし、痕跡なし ○:僅かに剥離感あり、痕跡なし △:かなりの剥離感あり、部分的に痕跡あり ×:密着して剥離が困難
【0134】参考例1 温度計、攪拌棒、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反
応容器に、アニオン系反応性乳化剤「アデカリアソープ
SEー10N」〔グリセロール-1-アリル-3-ノニルフェニル-
2-ポリオキシエチレン(n=約10)硫酸エステルアンモ
ニウム塩系;有効成分約100重量%;旭電化工業(株)
製〕(「SE-10N」)1重量部及び水151.3重量部を仕込
み、反応容器内を窒素置換しながら温度を70℃に昇温し
た。一方、水28重量部に「SE-10N」を4重量部溶解し、
これに単量体(a)であるメチルメタクリレート(MMA)6
3.4重量部及び2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)2
7.6重量部、単量体(b)であるアクリル酸(AA)2重量
部、単量体(c)であるグリシジルメタクリレート(GMA)
5重量部、並びに、単量体(d-2)である3-メタクリロオ
キシプロピルトリメトキシシラン〔「KBMー503」;信越
化学工業(株)製〕(「KBM」)1重量部、単量体(d-3)で
あるリン酸モノ及びジ(ヒドロキシメチルアクリレート)
〔「ホスマーM」;ユニケミカル(株)製〕1重量部から
なる混合単量体を添加、攪拌し乳化させたプレエマルジ
ョンを作成した。
【0135】次に反応容器内温を70℃に保ちながら、上
記プレエマルジョン、6重量%過硫酸アンモニウム水溶
液6.8重量部及び5.1重量%メタ重亜硫酸ナトリウム水溶
液6.8重量部を4時間にわたって均一に逐次添加した。
逐次添加終了後、70℃で1.5時間熟成を行ってから室温
まで冷却し、アンモニア水にて中和してアクリル系共重
合体水性分散液を得た。
【0136】乳化重合に使用した単量体の組成、反応性
乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1
に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アク
リル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2
に示す。
【0137】参考例2及び比較比較例1〜2 参考例1において、単量体(b)としてAAを2重量部用い
る代わりに、前記一般式(4)の単量体であるω-カルボキ
シ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート(n=
約2)(CCMA)5重量部又はメタクリル酸(MAA)15重
量部用い、或いは単量体(b)を用いず、さらにこれに伴
なってEHA及びMMAの使用量を若干加減する以外は参考例
1と同様にして、アクリル系共重合体水性分散液を得
た。
【0138】乳化重合に使用した単量体の組成、反応性
乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1
に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アク
リル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2
に示す。
【0139】参考例3及び比較参考例3〜4 参考例1において、単量体(c)であるGMAを5重量部用い
る代わりに、GMAを10重量部又は25重量部用い、或いは
単量体(c)を用いず、さらにこれに伴なってEHA及びMMA
の使用量を若干加減する以外は参考例1と同様にして、
アクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0140】乳化重合に使用した単量体の組成、反応性
乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1
に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アク
リル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2
に示す。
【0141】参考例4〜6 参考例1において、表1に示すように単量体(b)の種類
及び使用量を変え、必要に応じて、単量体(d-2)である
「KBM」及び単量体(d-3)である「ホスマーM」の使用量
を変え、単量体(d-1)として2-アセトアセトキシエチル
メタアクリレート(AAEM)を用い、また単量体(a)とし
てEHAとMMAとの使用割合を変え、又はEHAの代わりにブ
チルアクリレート(BA)を用い、必要に応じて単量体
(e)としてスチレン(St)を併用し、さらに必要に応じ
てアニオン系反応性乳化剤「SE-10N」を用いる代わり
に、アニオン系反応性乳化剤「アクアロン HSー10」〔ポ
リオキシエチレン(n=約10)ノニルプロペニルフェニ
ルエーテル硫酸エステルナトリウム塩系;有効成分約10
0重量%;旭電化工業(株)製〕(「HS-10」)を用い、表
1のようにその使用量及び初期添加用と逐次添加用との
使用割合を変え、さらにまた必要に応じて逐次添加用に
ノニオン系反応性乳化剤「アデカリアソープ NEー10」
〔グリセロール-1-アリル-3-ノニルフェニル-2-ポリオ
キシエチレン(n=約10)エーテル系;有効成分約100
重量%;旭電化工業(株)製〕(「NEー10」)を併用し、
それに伴なって使用する水の量を変える以外は参考例1
と同様にして、Tgの異なるアクリル系共重合体の水性
分散液を得た。
【0142】乳化重合に使用した単量体の組成、反応性
乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1
に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アク
リル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2
に示す。
【0143】参考例7〜8 参考例1において、アニオン系反応性乳化剤「SE-10N」
の使用量を変える以外は参考例1と同様にして粒子径の
異なるアクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0144】乳化重合に使用した単量体の組成、反応性
乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1
に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アク
リル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2
に示す。
【0145】比較参考例5〜6 参考例1において、表1に示すように単量体組成を変
え、アニオン系反応性乳化剤「SE-10N」を用いる代わり
に、通常のアニオン系乳化剤「ネオゲンR」〔ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩系;有効成分約60重量
%;第一工業製薬(株)製〕、又は、通常のアニオン系乳
化剤「ハイテノール Nー08」〔ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩系;有
効成分約100重量%;第一工業製薬(株)製〕(「Nー0
8」)を用い、その使用量及び初期添加用と逐次添加用
との使用割合を変え、それに伴なって使用する水の量を
変え、単量体組成を変える以外は参考例1と同様にし
て、アクリル系共重合体水性分散液を得た。
【0146】乳化重合に使用した単量体の組成、反応性
乳化剤の種類、使用量及び初期/逐次の添加割合を表1
に、得られたアクリル系共重合体のTg、並びに、アク
リル系共重合体水性分散液の固形分、粘度及びpHを表2
に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】実施例1 参考例1で得られたアクリル系共重合体水性分散液171
重量部(固形分約60重量部)に、ポリエステルエーテル
系ウレタンエマルジョン「アデカボンタイターHUX-32
0」〔旭電化工業(株)製;固形分約33重量%、粒子径約4
0nm〕(「HUX-320」)121重量部(固形分約40重量部)
を添加し、均一に攪拌混合して水性被覆用組成物を作成
して、前記の方法に従って試験板を作製し、各種塗膜性
能の評価を行った。得られた組成物の配合組成、並び
に、固形分、粘度及びpHを表3に、塗膜性能評価の結果
を表4に示す。
【0150】実施例2〜3及び比較例1〜2 実施例1において、参考例1で得られたアクリル系共重
合体水性分散液と「アデカボンタイター HUX-320」との
配合比を変え、又は該ウレタンエマルジョンを用いずに
水性被覆用組成物を作成し、以下実施例1と同様にして
試験板を作製し、各種塗膜性能の評価を行った。得られ
た組成物の配合組成、並びに、固形分、粘度及びpHを表
3に、塗膜性能評価の結果を表4に示す。
【0151】実施例4〜10及び比較例3〜8 実施例1において、参考例1で得られたアクリル系共重
合体水性分散液を用いる代わりに、参考例2〜7及び比
較参考例1〜6の何れかで得られたアクリル系共重合体
水性分散液を用いる以外は実施例1と同様にして水性被
覆用組成物を作成し、以下実施例1と同様にして試験板
を作製して、各種塗膜性能の評価を行った。得られた組
成物の配合組成、並びに、固形分、粘度及びpHを表3
に、塗膜性能評価の結果を表4に示す。
【0152】実施例11〜12 実施例1において、ポリエステルエーテル系ウレタンエ
マルジョン「アデカボンタイター HUX-320」91重量部
(固形分約30重量部)を用いる代わりに、ポリエーテル
系ウレタンエマルジョン「アデカボンタイター A-6-4」
〔旭電化工業(株)製;固形分約33重量%、粒子径約40n
m〕(「A-6-4」)91重量部(固形分約40重量部)又はポ
リカーボネート系ウレタンエマルジョン「パーマリン U
A-300」〔三洋化成工業(株)製;固形分約39重量%、粒
子径約80nm〕(「UA-300」)77重量部(固形分約30重量
部)用いる以外は実施例1と同様にして水性被覆用組成
物を作成し、以下実施例1と同様にして試験板を作製し
て、各種塗膜性能の評価を行った。得られた組成物の配
合組成、並びに、固形分、粘度及びpHを表3に、塗膜性
能評価の結果を表4に示す。
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】
【0155】
【発明の効果】本発明の水性被覆用組成物は、カルボキ
シル基含有単量体及びグリシジル基含有単量体を必須成
分として含むアクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下
で乳化重合してなるアクリル系共重合体微粒子と、ウレ
タン系樹脂微粒子とをそれぞれ特定量含有してなるもの
である。
【0156】本発明により得られる水性被覆用組成物、
特に金属用被覆用組成物は、泡立ちが少なく、低臭気
で、機械的安定性に優れており、優れた耐水性、耐アル
カリ性等の性能を有するとともに、特に金属などの基材
への密着性が顕著に改善され、得られる被覆金属板の成
形加工時の被膜の下地追従性が向上するので、特に成形
加工部分の耐腐食性が向上し、また上塗り塗膜との密着
性も改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−116528(JP,A) 特開 平7−102218(JP,A) 特開 平5−70731(JP,A) 特開 平6−157985(JP,A) 特開 昭61−171776(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 10/00 C09D 101/00 - 201/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)並びに(B)、(A)下記単量
    体(a)〜(e)を分子内にラジカル重合性不飽和基を
    有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られるア
    クリル系共重合体微粒子 30〜90重量%、(a)下記一
    般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステル単量
    体 50〜98.5重量%、 [化1] (式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜12
    の直鎖もしくは分枝アルキル基を表わす) (b)分子内にカルボキシル基を有するα,β−エチレ
    ン性不飽和単量体 0.5〜10重量%、 (c)分子内にグリシジル基を有するα,β−エチレン
    性不飽和単量体 1〜20重量%、 (d)分子内に1個のラジカル重合性不飽和基のほかに
    少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記
    (b)及び(c)以外の単量体 0〜10重量%、及び (e)上記(a)〜(d)と共重合可能な該(a)〜
    (d)以外の単量体 0〜30重量%、〔但し、(a)〜
    (e)の合計を100重量%とする〕並びに、 (B)ウレタン系樹脂微粒子 70〜10重量%〔但し、
    (A)及び(B)の合計を100重量%とする〕を含有し
    てなる金属下塗り用水性被覆用組成物。
  2. 【請求項2】単量体(d)が下記の(d−1)〜(d−3)、(d−
    1)分子内にアセトアセチル基を有するα、β−エチレン
    性不飽和単量体、(d−2)分子内にアルコキシシラン基を
    有するα、β−エチレン性不飽和単量体、及び、(d−3)
    分子内にリン含有基を有するα、β−エチレン性不飽和
    単量体の群から選ばれる1種以上の単量体を含む請求項
    1記載の水性被覆用組成物。
  3. 【請求項3】反応性乳化剤の使用量が単量体(a)〜(e)の
    合計100重量部に対して0.1〜30重量部である請求項1
    又は2に記載の水性被覆用組成物。
  4. 【請求項4】反応性乳化剤がアニオン性反応性乳化剤を
    含有する請求項1又は3に記載の水性被覆用組成物。
  5. 【請求項5】アニオン性反応性乳化剤が書き一般式
    (2)又は(3)で示される反応性乳化剤である請求項
    4に記載の水性被覆用組成物。 【化2】 【化3】 〔式中、Rは請求項1に記載した定義の通りであり、
    は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリ
    ール基又はアラルキル基、Rは水素又はメチル基、E
    Oは−CHCHO−、Xは単結合又はメチレン
    基、Mはアルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモ
    ニウムを表し、mは1〜50の自然数である〕
  6. 【請求項6】アクリル系共重合体のガラス転移温度が10
    ℃以上である請求項1〜5の何れか1項に記載の水性被
    覆用組成物。
  7. 【請求項7】アクリル系共重合体微粒子の平均粒子径が
    100nm以下である請求項1に記載の水性被覆用組成
    物。
  8. 【請求項8】ウレタン系樹脂微粒子の平均粒子径が100
    nm以下である請求項1に記載の水性被覆用組成物。
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