JP3571146B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力する交流電流の導通角を広くして力率を改善したスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の直流電源として、スイッチング電源装置が多用されるようになってきた。
一般に、このような直流電源装置は、交流電源から入力する交流電力を、ダイオードブリッジなどの全波整流回路によって整流したのち、平滑回路によって平滑する。
【0003】
図8に示すように、初段にコンデンサC21を用いた平滑回路すなわちコンデンサ入力型平滑回路は、その電圧波形を図9の(A)に示すように、出力電圧に含まれるリップル電圧を小さくするために、コンデンサの容量を大きくする必要があるが、容量をあまり大きくすると、図9の(B)に示す電流波形から明らかなように、コンデンサに流入する電流のピーク値が大きくなって力率が低下するとともに、充放電電流と内部損失とによって内部温度が上昇し、コンデンサの寿命を短くする。
【0004】
さらに、無効電力が大きいために、出力電力に比べて入力電流が大きくなり、スイッチング周波数及びその高調波によるノイズが大きくなるから、直流電源装置ばかりでなく交流電源を共用する他の機器にも悪影響を及ぼすという問題がある。そのため、大容量のノイズフィルタ回路を付加するなどの対策が必要になってくる。
このような力率の低下に起因する種々の問題に対処するために、チョーク入力型平滑回路を用いて力率を改善することが知られている。
【0005】
図10は、一般的なチョーク入力型平滑回路を用い、オン−オフ方式のDC−DCコンバータを備えたスイッチング電源装置の構成の一例を示す回路図であり、図8と同一部分には同一符号を付している。
図10において、交流電源21からの交流電力はダイオードブリッジ22の入力端子間に入力され、その正負の出力端子間から全波整流された脈流波形の直流電力が出力される。
【0006】
ダイオードブリッジ22の正の出力端子にはチョークコイルCHの一端が、その他端にはコンデンサC21の正の端子が、該コンデンサC21の負の端子はダイオードブリッジ22の負の出力端子にそれぞれ接続されている。これらのチョークコイルCHとコンデンサC21とによってチョーク入力型の平滑回路23が構成されている。
【0007】
スイッチング電源装置はダイオードブリッジ22と、チョーク入力型の平滑回路23と、オン−オフ方式のDC−DCコンバータ24とによって構成され、DC−DCコンバータ24の出力端子24p,24nに接続される図示しない負荷に2次直流電力が供給される。
【0008】
図10に示したスイッチング電源装置において、ダイオードブリッジ22からコンデンサC21への充電電流は、チョークコイルCHのインダクタンスの値に応じてピーク値が抑えられると共に、充電電流が流れる時間すなわち導通角が広くなる。したがって、コンデンサC21に流れる充電電流がチョークコイルCHによっても平滑され、力率が改善される。
【0009】
あるいは、このようなチョークコイルを用いない例として、特開平6−209574号公報の図9に第8の実施例として示された提案のように、スイッチング素子であるFET21とトランス54,ダイオード56とからなるサブコンバータを設け、FET21を高周波でオン・オフして平滑コンデンサ5を充電し、該コンデンサ5に充電された直流電力と整流回路2が出力する直流電力とをそれぞれダイオード57,55を介して合成して、いずれか電圧が高い方からスイッチングレギュレータ10に電力を供給するものがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のチョーク入力型の平滑回路を用いたスイッチング電源装置においては、チョークコイルCHは商用電源又はその2倍の周波数で使用されるから、数mH乃至数十mH程度の大きなインダクタンスを必要とし、形状が大きくなって重量が重くなるから、小型の民生用電子機器にはあまり使用されていないのが実状である。
【0011】
さらに、大きなインダクタンスのためにコイルの巻数が多くなり、巻線の抵抗によるライン間の電圧降下が大きい。また、電流の位相の遅れが、逆に力率を低下させる原因ともなっていた。
このように、チョーク入力型の平滑回路は、力率を改善する反面、大型化,高価格化する欠点を有している。
【0012】
また、特開平6−209574号公報の図9に示された提案は、低周波用のチョークコイルを用いずに高周波用のトランス54で構成しているから、小型軽量で低コストでありながら、同公報の図10(F)に示された波形図から明らかなように、交流電源1から入力する電流はチョーク入力型平滑回路と同様に、コンデンサ入力型平滑回路に比べて導通角が広くなって力率が向上するという長所を有している。
【0013】
しかしながら、上記提案において、FET21は段落番号0061の第1〜2行で「高周波でオン・オフしている」と記されているのみでスイッチングレギュレータ10のスイッチングとの関係が明らかでないから、互いにスイッチング周波数やオンデューティ比が異なっていたり負荷が変動した場合、あるいはスイッチングレギュレータ10の構成によっては、コンデンサ5の充放電のバランスが崩れてその両端電圧が異常に上昇又は下降するという問題がある。
【0014】
また、同じく段落番号0061の第3〜6行,第6〜7行,第7〜9行にそれぞれ記された「トランス54の1次巻線と2次巻線が同極・異極に無関係に、FET21のオン・オフにより、2次巻線に電圧が誘起され」ることは確かであるが、「ダイオード56を介してコンデンサ51に充電電流が流れ」る状態は同極・異極によって大きく異なり、さらに「コンデンサ5は図10(B)に示すように、ある一定電圧で充電される」ことはなく、必ずリップル分を伴うと共に、入力交流電圧や負荷の変動によって変化するものである。
【0015】
特に、図10(C)及び(F)に示されたように、整流回路2の整流電圧がコンデンサ5の充電電圧(両端電圧)より高い交流電圧ハイの間だけAC入力の電流が流れる波形は、トランス54が同極すなわちフォーワードトランスであって、2次/1次の巻線比が1以下の場合に限られ、この場合には電流の導通角が交流電圧ハイの期間より広くなることがないから、力率の改善にも限界が生じるという問題があった。
【0016】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、スイッチング電源装置を、大型化,高価格化することなく、簡単な構成で入力電流の導通角を広げてピーク電流を抑え、力率を改善し、且つサブコンバータのコンデンサの端子間電圧の異常上昇を防止することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、交流電源から入力する交流電力を全波整流回路によって変換した1次直流電力をメインコンバータのスイッチングにより2次直流電力に変換して出力するスイッチング電源装置において、
全波整流回路が出力する1次直流電力の一部をフライバックトランスからなるサブトランスの1次巻線とサブスイッチング素子との直列回路に入力し、サブスイッチング素子のスイッチングによってサブトランスの2次巻線に誘起される交流電力を整流してコンデンサに蓄積するサブコンバータを設け、該サブコンバータのコンデンサに蓄積された直流電力と全波整流回路が出力する1次直流電力とをそれぞれ逆流防止用のダイオードを介して合成した直流電力を、メインコンバータのメイントランスの1次巻線とメインスイッチング素子との直列回路に入力させると共に、メインコンバータのメインスイッチング素子とサブコンバータのサブスイッチング素子とを、同一のパルス幅,周波数で同時又は交互にスイッチングさせるスイッチング制御手段と、上記サブコンバータのコンデンサの端子間電圧を検出して、該端子間電圧が予め設定した電圧より高い間はサブスイッチング素子のスイッチングを停止させるスイッチング停止手段とを設けたものである。
【0018】
上記のスイッチング電源装置において、さらに、上記スイッチング停止手段によりサブスイッチング素子のスイッチングとその停止とが繰り返えされるブロッキング発振が発生した時に、そのブロッキング周波数をシフトさせる手段を設けるとなおよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の基礎となるスイッチング電源装置およびこの発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、この発明の基礎となるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【0020】
図1に示したスイッチング電源装置は、全波整流回路であるダイオードブリッジ2と、サブコンバータ3及びメインコンバータ4と、ダイオードブリッジ2が出力する1次直流電力とサブコンバータ3が出力する直流電力とを合成してメインコンバータ4に供給するための逆流防止用のダイオードD2,D3と、サブコンバータ3のサブスイッチング素子及びメインコンバータ4のメインスイッチング素子にそれぞれスイッチングパルスを出力するスイッチング制御回路(SWC)5とにより構成されている。
【0021】
サブコンバータ3は、フライバックトランスからなるサブトランスTsの1次巻線とサブスイッチング素子であるトランジスタQsとの直列回路と、サブトランスTsの2次巻線の両端にそれぞれ接続された整流用のダイオードD1と平滑用のコンデンサC1との直列回路からなっている。
【0022】
同様に、メインコンバータ4は、フライバックトランスからなるメイントランスTm1の1次巻線とメインスイッチング素子であるトランジスタQmとの直列回路と、メイントランスTm1の2次巻線の両端にそれぞれ接続された整流用のダイオードD4と平滑用のコンデンサC2との直列回路からなり、コンデンサC2の両端子にはそれぞれ正負の出力端子4p,4nが接続されている。
なお、この実施形態においては、メイン及びサブのスイッチング素子としてトランジスタを用いているが、一般にはFETを用いる場合が多い。
【0023】
ダイオードブリッジ2は、交流電源1から入力する交流電力を全波整流して大きなリップル電圧を伴った1次直流電力に変換し、ダイオードD2を介してメインコンバータ4のメイントランスTm1の1次巻線とトランジスタQmとの直列回路に供給すると共に、その一部をサブコンバータ3のサブトランスTsの1次巻線とトランジスタQsとの直列回路に供給する。
【0024】
サブコンバータ3及びメインコンバータ4は、いずれもフライバックトランスを備えたオン−オフ方式のDC−DCコンバータであり、フライバックトランスはその1次巻線に流れる電流によって励起される。すなわち、電気エネルギを磁気エネルギに変換して蓄積する。1次巻線に流れる電流がオフになると、励起によって蓄積された磁気エネルギを電気エネルギに再変換し、2次巻線から電流として出力する。
【0025】
したがって、サブコンバータ3のトランジスタQsがスイッチング制御回路5から入力するスイッチングパルスに応じてスイッチングすることにより、サブトランスTsの1次巻線に流れる1次直流電力の電流がオン・オフされると、トランジスタQsがオンの時に流れる電流はサブトランスTsを励起して、磁気エネルギとして蓄積され、トランジスタQsがオフになって電流が流れなくなると、2次巻線から出力される再変換された電流が、ダイオードD1を介してコンデンサC1を充電する。
【0026】
コンデンサC1に充電された直流電力はダイオードD3を介して、ダイオードブリッジ2から出力される1次直流電力はダイオードD2を介して、互いに並列に接続されて合成される。したがって、メインコンバータ4のメイントランスTm1の1次巻線とトランジスタQmとの直列回路に流れる電流は、ダイオードブリッジ2の出力電圧の瞬時値がコンデンサC1の端子間電圧より高い間はダイオードブリッジ2から、低い間はコンデンサC1すなわちサブコンバータ3から、それぞれ供給される。
【0027】
メインコンバータ4もサブコンバータ3と同様に、トランジスタQmがスイッチング制御回路5から入力するスイッチングパルスに応じてスイッチングすることにより、メイントランスTm1の1次巻線に流れる直流電力の電流がオン・オフされると、トランジスタQmがオンの時に流れる電流はメイントランスTm1を励起し、トランジスタQmがオフになって電流が流れなくなると、2次巻線から出力される再変換された電流が、ダイオードD4を介してコンデンサC2を充電する。
【0028】
コンデンサC2に充電されて平滑された2次直流電力は、メインコンバータ4の正負の出力端子4p,4nを介して、それに接続された図示しない負荷に出力される。
スイッチング制御回路5は、出力端子4p,4n間の電圧すなわち出力電圧を検出し、予め設定された設定電圧と比較して、出力電圧が高ければスイッチングパルスのオンデューティ比を下げ、出力電圧が低ければスイッチングパルスのオンデューティ比を上げてトランジスタQs,Qmに出力することにより、出力電圧が設定電圧になるように定電圧制御する。
【0029】
図2は、図1に示したスイッチング電源装置の各部に流れる電流の変化の一例を示す波形図であり、図2の(A)及び(B)は、サブコンバータ3及びメインコンバータ4にそれぞれダイオードブリッジ2から供給される1次直流電力の電流、図2の(C)はダイオードブリッジ2に入力する交流電力の電流の波形をそれぞれ示している。なお、図2の(A)乃至(C)は、それぞれ横軸に時間、縦軸に電流をとり、電流波形を実線、平均電流波形を破線で示しているが、比較のため、電圧波形を2点鎖線で加えている。
【0030】
サブコンバータ3に入力する1次直流電力の電流は、その一例を図2の(A)に示したように、スイッチングパルスの各周期毎に、スイッチングパルスの幅に応じた幅と、1次直流電力の電圧の瞬時値に比例した波高値とを有する三角波に近い波形のパルスを形成して流れる。
すなわち、サブトランスTsがフライバックトランスであるため、その巻線比と入力する1次直流電力の電圧の瞬時値との積が、コンデンサC1の端子間電圧より低い場合でも、サブトランスTsに電流が流れてコンデンサC1を充電するから、導通角は略180°まで広くなるという効果がある。
【0031】
ダイオードブリッジ2からメインコンバータ4に入力する1次直流電力の電流は、その一例を図2の(B)に示したように、1次直流電力の電圧の瞬時値がコンデンサC1の端子間電圧より高い間だけ、スイッチングパルスの各周期毎に、スイッチングパルスの幅に応じた幅と、1次直流電力の電圧の瞬時値に比例した波高値とを有する三角波に近い波形のパルスを形成して流れる。
【0032】
なお、図2の(A)及び(B)にそれぞれ破線で示した平均電流波形は、実線で示した電流波形の波高値の包絡線に比例した形状を有しているが、その比率はスイッチング制御回路5が出力するスイッチングパルスのパルス幅すなわちオンデューティ比に応じて変化するから、負荷すなわち2次直流電力の出力電流が大きければ高くなり、小さければ低くなるものである。
【0033】
図2の(C)に示したダイオードブリッジ2に入力する交流電流の波形は、その絶対値が図2の(A)及び(B)にそれぞれ示した平均電流の瞬時値の和である。図2の(A)に示したサブコンバータ3の入力平均電流は、図から明らかなように力率は殆んど100%であるから、図2の(C)に示した交流電流も導通角は略180°になって力率も極めて高くなり、その電流波型は図9の(B)に示したコンデンサ入力型とは比較にならないほど、また従来のチョーク入力型に比べても遙かに改善されて、約90〜99%の力率が得られる。
【0034】
図1に示したスイッチング電源装置において、スイッチング制御回路5が出力電圧の変化に応じたパルス幅のスイッチングパルスを、トランジスタQs及びQmに同一のパルス幅,周波数で同時又は交互に出力して、それぞれスイッチングさせることにより、パルスを同時に出力する場合は市販の制御用ICを、交互に出力する場合は市販のプッシュプル用の制御用ICを、それぞれスイッチング制御回路5として使用可能であるから、コストアップを抑えることが出来る。
【0035】
また、トランジスタQs及びQmを、互いに独立した周波数のスイッチングパルスでスイッチングさせると、そのスイッチングによるノイズの高調波が複雑に干渉して、極めて広帯域のノイズが発生するが、スイッチング制御回路5が同時又は交互すなわち位相関係が定まっている同一周波数のスイッチングパルスを出力するため、高調波の干渉による広帯域のノイズの発生を防止することが可能になる。
【0036】
さらに、メインコンバータ4に入力する電流は、コンデンサC1の端子間電圧が上昇すればサブコンバータ3からの供給量が増大し、降下すればダイオードブリッジ2からの供給量が増大するから、負荷が変動した場合でも、コンデンサC1の端子間電圧が異常に上昇したり降下することはないが、スイッチング制御回路5が出力電流の変動による出力電圧の変化に応じたパルス幅のスイッチングパルスをトランジスタQs及びQmに出力する、すなわち同一パルス幅でトランジスタQs及びQmをスイッチングさせることにより、コンデンサC1の端子間電圧の変動幅をさらに小さく抑えられる等の効果が得られる。
【0037】
図3は、この発明の第1の実施形態であるスイッチング電源装置の構成の一例を示す回路図であり、図1に示したスイッチング電源装置、コンデンサC1の端子間電圧が予め設定した電圧より高い間はトランジスタQsのスイッチングを停止させるスイッチング停止手段を設けたものであって、図1に示したスイッチング電源装置と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図3に示したスイッチング電源装置が、図1に示したスイッチング電源装置と異なる所は、メインコンバータ6において、メイントランスTm2としてフォーワードトランスを用いたことと、それに伴ってメイントランスTm2の1次巻線にスナバ回路に相当する回路を設け、2次巻線に接続する2次整流平滑回路の構成を変えたことであるが、最も特徴的な変更は、スイッチング停止手段であるスイッチング停止回路10を設けたことである。
【0039】
スナバ回路に相当する回路は、メイントランスTm2の1次巻線に直列に接続した補助巻線と、その補助巻線に直列に接続し他端を1次側のグランドラインに接続したダイオードD6とにより構成され、トランジスタQmがオンからオフに反転した時に1次巻線に発生する逆起電力を吸収するものである。
【0040】
メイントランスTm2の2次巻線に接続された2次整流平滑回路は、整流用のダイオードD4及び転流用のダイオードD5と、高周波用のチョークコイルL1と、平滑用のコンデンサC2とにより構成され、トランジスタQmがオンの時にメイントランスTm2の2次巻線に誘起される2次交流電力は、ダイオードD4を通ってチョークコイルL1を励起すると共に、コンデンサC2を充電する。
【0041】
トランジスタQmがオフになると、チョークコイルL1に蓄積された磁気エネルギが電気エネルギに再変換され、電流はチョークコイルL1からコンデンサC2,ダイオードD5を流れて、コンデンサC2を更に充電する。コンデンサC2に充電されて平滑された2次直流電力は、コンデンサC2の両端子にそれぞれ接続された正負の出力端子6p,6nを介して、図示しない負荷に出力される。
【0042】
しかしながら、メインコンバータ4(図1)のようにフライバックトランスを用いたものは、トランジスタQs,Qmを同一周波数,同一パルス幅のスイッチングパルスで、同時又は交互にスイッチングさせることにより、コンデンサC1の充電電流と放電電流とがバランスするが、図3に示したメインコンバータ6のようにフォーワードトランスを用いると、負荷変動に対するトランジスタQmのパルス幅の変化が少なくて済むため、逆にサブコンバータ3においては、軽負荷時にコンデンサC1の端子間電圧が異常に上昇するという問題が発生する。
【0043】
そのために設けたスイッチング停止回路10は、例えばコンパレータ11,アンド回路12と、予め設定した参照電圧Vrefを出力する参照電源13とにより構成されている。
コンパレータ11の+入力端子には参照電源13が出力する参照電圧Vrefが、−入力端子にはサブコンバータ3のコンデンサC1の端子間電圧がそれぞれ入力する。アンド回路12はコンパレータ11の出力信号と、スイッチング制御回路5がトランジスタQsに出力するスイッチングパルスとをそれぞれ入力し、両者のアンドをとってトランジスタQsに出力する。
【0044】
すなわち、コンパレータ11はコンデンサC1の端子間電圧と参照電圧Vrefとを比較して、参照電圧Vrefより端子間電圧が低い間はハイ、端子間電圧の方が高くなればローの信号をアンド回路12に出力し、アンド回路12はコンパレータ11の出力信号がハイならばスイッチングパルスを通過させ、ローの間は遮断するゲート回路として作用する。
【0045】
したがって、サブコンバータ3は、そのコンデンサC1の端子間電圧が予め設定した参照電圧Vrefより低い間は、トランジスタQsがスイッチングしてコンデンサC1を充電し、その端子間電圧が参照電圧Vrefを超えると、スイッチング停止回路10がスイッチングパルスを遮断するため、トランジスタQsのスイッチングが停止し、コンデンサC1は放電のみとなって端子間電圧が降下するから、端子間電圧の異常な上昇を防止することが出来る。
【0046】
しかしながら、スイッチング制御回路5が出力するスイッチングパルスの周波数自体は数百KHzの高周波であるから、可聴周波域を遥かに超えているが、コンデンサC1の端子間電圧が参照電圧Vrefから僅か上下する度にアンド回路12によるゲートがオン・オフを繰返して、その周波数が可聴周波域内に入るとノイズ音として聞こえるようになり、特に人間の聴覚感度が高くなる1KHz近傍ではオペレータに不快感を与える恐れが出てくる。
【0047】
図4はこの発明の第2の実施形態として、このようなノイズによる不快感を与えないためのスイッチング電源装置の構成の一例を示す回路図であり、図3に示したスイッチング電源装置と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図4に示したスイッチング停止回路10aが、スイッチング停止回路10(図3)と異なる所は、通常のコンパレータ11に代えてヒステリシス特性を有するコンパレータ14を用いたことである。
【0048】
図5は、図4に示したスイッチング電源装置の各部の電圧,電流の変化の一例を示す波形図であり、図5の(A)はコンデンサC1の端子間電圧、同図の(B)はコンパレータ14の出力電圧、同図の(C)はサブコンバータ3に入力する1次直流電力の電流の各波形をそれぞれ示している。
【0049】
ヒステリシス特性を有するコンパレータ14には、参照電圧Vrefを挟んでそれより高いVr1と、Vrefより低いVr2の2つの閾値がある。コンデンサC1の端子間電圧が高い方の閾値Vr1を超えると、コンパレータ14の出力信号はローになり、端子間電圧が低い方の閾値Vr2より降下すれば、出力信号はハイに反転し、端子間電圧が閾値Vr1とVr2との間にある時は、それ以前の出力信号のレベルを保持している。
【0050】
すなわち、図5の(A)に示したように、コンデンサC1の端子間電圧が上昇して閾値Vr1を超えると、同図の(B)に示したように、コンパレータ14の出力信号がローになるから、スイッチングパルスが遮断されてトランジスタQsのスイッチングが停止する。したがって、図5の(C)に示したように、サブコンバータ3の入力電流がゼロになるから、コンデンサC1は放電一方になって端子間電圧が降下する。
【0051】
コンデンサC1の端子間電圧が閾値Vr2より降下すると、コンパレータ14の出力信号がハイに反転するから、アンド回路12のゲートが開いてスイッチングパルスが通過し、トランジスタQsは再びスイッチングを再開する。したがって、サブコンバータ3に電流が入力して、コンデンサC1の端子間電圧は上昇に転ずる。
【0052】
この場合に、アンド回路12によるゲートのオン・オフの周波数は、2個の閾値Vr1とVr2の差を大きくするほど、低い方にシフトする。したがって、スイッチング停止回路10によるゲートのオン・オフの周波数が1kHz近傍にあって、そのサウンドレベルが不快感を与えるような時には、コンパレータ11をコンパレータ14に代えて、2個の閾値の差を設定することにより、サウンドレベルを変えないでも不快感を与えない周波数まで下げることが出来る。
【0053】
図6はこの発明の第3の実施形態として、ゲートのオン・オフの周波数をさらに下げたスイッチング電源装置の構成の一例を示す回路図であり、図3又は図4に示したスイッチング電源装置と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
また、図7は、図6に示したスイッチング電源装置の各部の電圧の変化の一例を示す波形図である。
【0054】
図6に示したスイッチング電源装置のスイッチング停止回路10bは、図3に示したスイッチング電源装置のスイッチング停止回路10に、交流電源1から入力する交流電力の電圧の零クロス検出回路16を設け、該検出回路16の出力信号をクロックとするD−FF(フリップフロップ回路)17を、コンパレータ11とアンド回路12との間に介挿したものである。
【0055】
零クロス検出回路16は、図7の(A)に示した入力交流電圧を検出して、電圧がゼロになって極性が反転する毎に、同図の(B)に示したように、零クロス信号をD−FF17のCLK(クロック)端子に出力する。一方、D−FF17のD端子には、コンパレータ11の出力信号すなわち常時ハイであって、コンデンサC1の端子間電圧が参照電圧Vrefを超えている間だけローになる信号が入力している。
【0056】
D−FF17は、CLK端子に入力する零クロス信号の立上りで、図7の(C)に示したコンパレータ11の出力信号のレベルをラッチし、同図の(D)に示したような信号をQ端子からアンド回路12に出力して、スイッチング制御回路5からトランジスタQsに出力されているスイッチングパルスのゲートを開閉させる。
【0057】
したがって、スイッチング停止回路10bは、入力交流電圧の零クロス時点でコンデンサC1の端子間電圧が参照電圧Vrefを超えていれば、次の零クロス信号が入力するまでの間、スイッチングパルスのゲートを閉じてトランジスタQsのスイッチングを停止させる。
【0058】
軽負荷時にコンデンサC1の放電量より充電量(いずれも電流の時間積分値)が上回っているために、コンデンサC1の端子間電圧が上昇傾向にあったとしても、充電量が放電量の2倍未満であれば、ゲートを閉じてから次の零クロス信号が入力するまでの間に、コンデンサC1の端子間電圧は参照電圧Vrefより低くなるから、次の零クロス信号が入力した時には再びゲートが開いて、トランジスタQsのスイッチングが再開される。
【0059】
したがって、ブロッキング発振が発生しても、その周波数は交流電源の周波数と同期した50Hz又は60Hzになり、サウンドノイズとしては感じられなくなる。もし、充電量が放電量の2倍を超えていれば、零クロス信号の周期(交流電源の半周期)をTとして、アンド回路12のゲート開が1Tあった後に、ゲート閉が2T又は3Tと続くことになるから、充電量/放電量の比が大きくなるほど、ブロッキング発振の周波数は交流電源周波数の2/3,1/2,2/5・・・と低くなってゆくから、サウンドノイズとしてはより感じ難い方向にシフトすることになる。
【0060】
以上、図3,図4及び図6にそれぞれ示したメイントランスTm2にフォーワードトランスを用いたスイッチング電源装置も、図1に示したメイントランスTm1にフライバックトランスを用いたスイッチング電源装置と同様に、力率としては約90〜99%の高い力率が得られる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によるスイッチング電源装置は、大型重量化,高価格化することなく、簡単な構成で入力電流の導通角を広げてピーク電流を抑え、力率を改善することが出来る。
また、サブコンバータのコンデンサの端子間電圧の異常上昇を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基礎となるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示したスイッチング電源装置の各部に流れる電流の変化の一例を示す波形図である。
【図3】この発明の第1の実施形態であるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【図4】この発明の第2の実施形態であるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【図5】図4に示したスイッチング電源装置の各部の電圧,電流の変化の一例を示す波形図である。
【図6】この発明の第3の実施形態であるスイッチング電源装置の構成のさらに他の一例を示す回路図である。
【図7】図6に示したスイッチング電源装置の各部の電圧の変化の一例を示す波形図である。
【図8】コンデンサ入力型平滑回路を用いたスイッチング電源装置の従来例の構成を示す回路図である。
【図9】図8に示したスイッチング電源装置の各部の電圧,電流の変化の一例を示す波形図である。
【図10】チョーク入力型平滑回路を用いたスイッチング電源装置の従来例の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1:交流電源
2:ダイオードブリッジ(全波整流回路)
3:サブコンバータ 4,6:メインコンバータ
5:スイッチング制御回路(スイッチング制御手段)
10,10a,10b:スイッチング停止回路(スイッチング停止手段)
14:コンパレータ(ブロッキング周波数をシフトさせる手段)
C1:(サブコンバータの)コンデンサ
D2,D3:(逆流防止用の)ダイオード
Qm:トランジスタ(メインスイッチング素子)
Qs:トランジスタ(サブスイッチング素子)
Tm1,Tm2:メイントランス
Ts:サブトランス

Claims (2)

  1. 交流電源から入力する交流電力を全波整流回路によって変換した1次直流電力を、メインコンバータのスイッチングにより2次直流電力に変換して出力するスイッチング電源装置において、
    前記全波整流回路が出力する1次直流電力の一部をフライバックトランスからなるサブトランスの1次巻線とサブスイッチング素子との直列回路に入力し、前記サブスイッチング素子のスイッチングによって前記サブトランスの2次巻線に誘起される交流電力を整流してコンデンサに蓄積するサブコンバータを設け、
    該サブコンバータのコンデンサに蓄積された直流電力と前記全波整流回路が出力する1次直流電力とをそれぞれ逆流防止用のダイオードを介して合成した直流電力を、前記メインコンバータのメイントランスの1次巻線とメインスイッチング素子との直列回路に入力させると共に、
    前記メインコンバータのメインスイッチング素子と前記サブコンバータのサブスイッチング素子とを、同一のパルス幅,周波数で同時又は交互にスイッチングさせるスイッチング制御手段と、
    前記サブコンバータのコンデンサの端子間電圧を検出して、該端子間電圧が予め設定した電圧より高い間は前記サブスイッチング素子のスイッチングを停止させるスイッチング停止手段とを設けたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 請求項記載のスイッチング電源装置において、
    前記スイッチング停止手段により前記サブスイッチング素子のスイッチングとその停止とが繰り返えされるブロッキング発振が発生した時に、そのブロッキング周波数をシフトさせる手段を設けたことを特徴とするスイッチング電源装置。
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