JP3453465B2 - スイッチングレギュレータ - Google Patents

スイッチングレギュレータ

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JP3453465B2 JP28523195A JP28523195A JP3453465B2 JP 3453465 B2 JP3453465 B2 JP 3453465B2 JP 28523195 A JP28523195 A JP 28523195A JP 28523195 A JP28523195 A JP 28523195A JP 3453465 B2 JP3453465 B2 JP 3453465B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力する交流電
流の導通角を広くして力率を改善したスイッチングレギ
ュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の直流電源としてスイッ
チングレギュレータのような直流電源装置が多用される
ようになってきた。一般に、このような直流電源装置
は、交流電源から入力する交流電力を、ダイオードブリ
ッジなどの全波整流回路によって整流したのち、平滑回
路によって平滑する。
【0003】初段に平滑コンデンサを用いた平滑回路す
なわちコンデンサ入力型平滑回路は、出力電圧に含まれ
るリップル電圧を小さくするために、平滑コンデンサの
容量を大きくする必要があるが、容量をあまり大きくす
ると、平滑コンデンサに流入する電流のピーク値が大き
くなって力率が低下するとともに、充放電電流と内部損
失とによって発熱し、その寿命を短くする。
【0004】さらに、無効電力が大きいために入力電流
も大きくなり、スイッチング周波数及びその高調波によ
るノイズが大きくなるから、直流電源装置ばかりでなく
交流電源を共用する他の機器にも悪影響を及ぼすという
問題がある。そのため、大容量のノイズフィルタ回路を
付加するなどの対策が必要になる。このような力率の低
下に起因する種々の問題に対処するために、チョーク入
力型平滑回路を用いて力率を改善することが知られてい
る。
【0005】図5は、一般的なチョーク入力型平滑回路
を用いたスイッチングレギュレータの構成の一例を示す
回路図である。図5において、交流電源11からの交流
電力がダイオードブリッジ12の入力端子12a,12
b間に入力され、その正負の出力端子12c,12d間
から全波整流された脈流波形の直流電力が出力される。
【0006】ダイオードブリッジ12の正の出力端子1
2cにはチョークコイルCH5の一端が、その他端には
平滑コンデンサC5の正の端子が、該平滑コンデンサC
5の負の端子はダイオードブリッジ12の負の出力端子
12dにそれぞれ接続されている。これらのチョークコ
イルCH5と平滑コンデンサC5とによってチョーク入
力型の平滑回路13が構成されている。
【0007】スイッチングレギュレータはダイオードブ
リッジ12と、チョーク入力型の平滑回路13と、DC
−DCコンバータ14とによって構成され、DC−DC
コンバータ14の出力端子14c,14dに接続される
図示しない負荷に2次直流電力が供給される。
【0008】図5に示したスイッチングレギュレータに
おいて、ダイオードブリッジ12からコンデンサC5へ
の充電電流は、チョークコイルCH5のインダクタンス
の値に応じてピーク値が抑えられると共に、充電電流が
流れる時間すなわち導通角が広くなる。したがって、コ
ンデンサC5に流れる充電電流がチョークコイルCH5
によっても平滑され、力率が改善される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなチョーク入力型平滑回路を用いたスイッチングレギ
ュレータでは、商用電源又はその2倍の周波数で使用さ
れるから、チョークコイルCH5は数mH以上の大きな
インダクタンスを必要とし、形状が大きくなって重量が
重くなり、小型の民生用電子機器にはあまり使用されて
いないのが現状である。
【0010】さらに、大きなインダクタンスのためにコ
イルの巻数が多くなり、巻線の抵抗によるライン間の電
圧降下が大きい。また、電流の位相の遅れが、逆に力率
を低下させる原因となっていた。このように、チョーク
入力型平滑回路は、力率を改善する反面、大型化,高価
格化する欠点を有している。
【0011】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、スイッチングレギュレータを、大型化,高価格
化することなく、入力電流の導通角を広げてピーク電流
を抑え、力率を改善することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、交流電源から入力する交流電力を1次直
流電力に変換する全波整流回路と、1次直流電力をトラ
ンスの1次巻線とスイッチング素子との直列回路に入力
してスイッチングすることにより2次直流電力に変換し
て出力するDC−DCコンバータとからなるスイッチン
グレギュレータにおいて、DC−DCコンバータのトラ
ンスの1次巻線とスイッチング素子との直列回路に並列
に平滑コンデンサを接続し、それぞれ次のようにしたも
のである。
【0013】
【0014】すなわち、全波整流回路の一方の出力端に
第1のチョークコイルの一端を接続し、平滑コンデンサ
とトランスの1次巻線との接続点と第1のチョークコイ
ルの他端との間に、平滑コンデンサを充電する向きに第
1のダイオードを第2のチョークコイルと直列に接続
し、トランスの1次巻線とスイッチング素子との接続点
と第1のチョークコイルの他端との間に、スイッチング
素子がオンの時に該スイッチング素子に電流を流す向き
に第2のダイオードを接続したものである。
【0015】上記のスイッチングレギュレータにおい
て、第1及び第2のチョークコイルを互いに磁気結合さ
せるとよい。
【0016】さらに、全波整流回路の両出力端間、平滑
コンデンサの両端子間のうち少くとも1個所にスイッチ
ングによる高周波ノイズをバイパスさせるための小容量
のコンデンサを設けてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら具体的に説明する。図1は、この発明
基礎となるスイッチングレギュレータの構成の一例を
示す回路図である。図1に示したスイッチングレギュレ
ータは、全波整流回路であるダイオードブリッジ2と、
DC−DCコンバータ4と、その両者の間に設けた力率
を改善する作用を有する平滑部3とにより構成されてい
る。
【0018】平滑部3は、DC−DCコンバータ4のト
ランス5の1次巻線Npとスイッチング素子であるトラ
ンジスタ(又はFET)Qとが接続点Zで接続された直
列回路に、接続点Y,Y′で並列に接続した平滑コンデ
ンサC1と、ダイオードブリッジ2の正の出力端子2c
に一端が接続された高周波用のチョークコイルCHと、
チョークコイルCHの他端Xと接続点Yとの間に接続さ
れ、電流がXからYに流れて平滑コンデンサC1を充電
する第1のダイオードD1と、他端Xと接続点Zとの間
に電流がXからZに流れる向きに接続された第2のダイ
オードD2とからなっている。
【0019】DC−DCコンバータ4は、図示しないス
イッチング制御回路が出力する高周波の駆動パルスに応
じてオン・オフするトランジスタQと、正負の入力端子
4a,4bの間にトランジスタQとの直列回路を形成し
て接続された1次巻線Npを備えた高周波用のトランス
5と、スイッチングによってトランス5の2次巻線Ns
に誘起された2次交流電力を整流平滑して、正負の出力
端子4c,4dから図示しない負荷に出力する2次整流
平滑回路6とからなっている。
【0020】図示しないスイッチング制御回路は、出力
端子4c,4d間の出力電圧を検出して、出力電圧が予
め設定した電圧になるように駆動パルスのデューティ比
を制御する。スイッチング制御回路及び2次整流平滑回
路6は従来のものと変らないから、その回路図及び詳し
い説明は省略する。
【0021】図1において、交流電源1からの交流電力
はダイオードブリッジ2の入力端子2a,2b間に入力
され、その正負の出力端子2c,2d間からは全波整流
された脈流(正弦波の絶対値の)波形の1次直流電力が
出力される。交流電源オンの直後はスイッチング制御回
路が作動しないから、トランジスタQはオフのままであ
り、1次直流電力はチョークコイルCH,第1のダイオ
ードD1を介して平滑コンデンサC1を充電し、平滑コ
ンデンサC1の端子間電圧が或る程度上ってから、スイ
ッチングが開始される。
【0022】スイッチング開始後は、−ラインを基準の
0V、ダイオードブリッジ2の出力電圧の瞬時値をV
i、平滑コンデンサC1の端子間電圧をVcとして、D
C−DCコンバータ4のトランジスタQがオンの時は接
続点Z、従ってダイオードD2を介して接続点Xがそれ
ぞれ0Vになるから、瞬時値Viが僅かでも正であれ
ば、ダイオードブリッジ2の出力電流はチョークコイル
CH,ダイオードD2を流れて、チョークコイルCHを
励磁(磁気エネルギとして蓄積)する。
【0023】同時に、平滑コンデンサC1の放電電流が
トランス5の1次巻線Npに流れて2次巻線Nsに交流
電力を誘起し、2次直流電力に変換されて出力端子4
c,4dから負荷に供給される。この時に、接続点Yの
電圧はVcであるから、接続点X(チョークコイルCH
の他端)の0Vより高くなるが、ダイオードD1が作用
して、平滑コンデンサC1の放電電流がYからXに逆流
することはない。
【0024】トランジスタQがオフになると、接続点X
の電圧はチョークコイルCHに発生した逆起電力の電圧
とダイオードブリッジ2の瞬時値Viとが加わった値に
なるから、その値が平滑コンデンサC1の端子間電圧V
cより高ければ、励磁エネルギが再変換された電流はダ
イオードD1,平滑コンデンサC1,ダイオードブリッ
ジ2を通って流れ、平滑コンデンサC1を充電する。
【0025】すなわち、平滑コンデンサC1と、トラン
ス5の1次巻線NpとトランジスタQとの直列回路と
は、従来のスイッチングレギュレータの1次側回路と同
様な構成であるが、トランジスタQは同時に、チョーク
コイルCH,ダイオードD2とと共に構成する昇圧型チ
ョッパ回路のスイッチング素子をも兼ねているから、ダ
イオードブリッジ2の出力電圧の瞬時値Viが昇圧さ
れ、ダイオードD1を介して平滑コンデンサC1を充電
することになる。
【0026】したがって、交流電源1から入力する交流
電力の電圧の絶対値が、平滑コンデンサC1の端子間電
圧Vcより低い期間中であっても、昇圧された電圧がV
cを超えていれば、交流電源1から交流電流が入力する
から、その導通角は昇圧比に応じて広くなり、ピーク電
流が抑えられて交流電源1への悪影響がなくなると共
に、力率が大幅に改善される。
【0027】しかも、図5に示した従来のチョーク入力
型平滑回路を用いたスイッチングレギュレータのチョー
クコイルCH5が、商用周波数(50〜60Hz)に対
応する低周波用の数mH以上のインダクタンスを有する
大型で重いものであるのに比べて、図1に示したスイッ
チングレギュレータのチョークコイルCHは、スイッチ
ング周波数(例えば500KHz級)に対応する高周波
用の数μH以下のインダクタンスがあればよい。
【0028】そのため、安価で小型軽量のチョークコイ
ルCHを用いながら、従来のチョーク入力型平滑回路を
使用したスイッチングレギュレータと同様か、又はそれ
以上に力率が改善される。さらに、小型で巻数も少くて
済むから、巻線の抵抗によるライン間の電圧降下は問題
にならないし、入力交流電流の位相遅れによる力率低下
も生じない。
【0029】図2は、この発明の第1の実施の形態であ
るスイッチングレギュレータの構成の一例を示す回路図
であり、図1に示したスイッチングレギュレータと同一
部分には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0030】図2に示したスイッチングレギュレータの
平滑部3aが図1に示したスイッチングレギュレータの
平滑部3と異なる所は、チョークコイルCHを第1のチ
ョークコイルCH1(同じものでよい)とし、接続点X
及び接続点Yの間に、第1のダイオードD1に代えて、
そのダイオードD1と第2のチョークコイルであるチョ
ークコイルCH2との直列回路を設けたことである。
【0031】このように、平滑コンデンサC1の充電回
路に高周波用のチョークコイルCH2を加えたことによ
り、充電回路に流れる平滑コンデンサC1の充電電流が
スイッチングによるオン・オフ波形に比べて平滑化され
るから、高周波ノイズが減少すると共に、導通角がより
広がってピーク電流が減り、力率がさらに良くなるとい
う効果が得られる。
【0032】図3は、この発明の第2の実施の形態であ
るスイッチングレギュレータの構成の一例を示す回路図
であり、図1及び図2に示したスイッチングレギュレー
タと同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略す
る。
【0033】図3に示したスイッチングレギュレータの
平滑部3bが図2に示したスイッチングレギュレータの
平滑部3aと異なる所は、第1及び第2のチョークコイ
ルCH1,CH2をそれぞれ第1及び第2のコイルL
1,L2に置き換え、該コイルL1,L2を互いに磁気
結合させたこと、すなわち第1及び第2のコイルL1,
L2を同一のコアに巻いた1個の高周波用のチョークト
ランスCTRを設けたことである。
【0034】このチョークトランスCTRは、DC−D
Cコンバータ4のトランジスタQがオンの時に、第1の
コイルL1に流れる電流によって励磁され、トランジス
タQがオフになると、励磁エネルギが再変換された電流
が第2のコイルL2から第1のダイオードD1を介して
平滑コンデンサC1に流れて、該平滑コンデンサC1を
充電する。したがって、その作用及び効果は、図2に示
したスイッチングレギュレータの平滑部3aと同様であ
る。
【0035】図4は、この発明の他の実施の形態である
スイッチングレギュレータの構成の一例を示す回路図で
あり、図1に示したスイッチングレギュレータに高周波
ノイズをバイパスさせるための小容量のコンデンサを設
けたものであるから、同一部分には同一符号を付して説
明を省略する。
【0036】高周波バイパス用のコンデンサCpを、図
4に破線で示したように、ダイオードブリッジ2の正負
の出力端子2c,2d間、又は平滑コンデンサC1の両
端子間(すなわちDC−DCコンバータ4の正負の入力
端子4a,4b間)のうち、少くともその1個所に設け
ることにより、スイッチングによる高周波ノイズを大幅
に抑制することが出来る。
【0037】図2及び図3に示した第1及び第2の実施
の形態であるスイッチングレギュレータにおいても、図
4に示したものと同様に高周波バイパス用のコンデンサ
Cpを設けることにより、同様な効果が得られる。この
ように高周波ノイズを抑制することにより、EMI(E
lectoro−Magnetic Interfer
ence)すなわち電磁波障害を防止することが出来
る。
【0038】以上、図1乃至図4に示して説明したスイ
ッチングレギュレータは、すべて+のライン側にチョー
クコイルCH,第1のチョークコイルCH1,チョーク
トランスCTRの第1のコイルL1を接続した例であっ
たが、これらのチョークコイル類を−のライン側に設け
ても、有極性の各素子の極性を反転すれば、この発明を
適用出来ることはいうまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によるス
イッチングレギュレータは、大型化,高価格化すること
なく、入力電流の導通角を広げてピーク電流を抑え、力
率を改善することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基礎となるスイッチングレギュレー
タの構成の一例を示す回路図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態であるスイッチン
グレギュレータの構成の一例を示す回路図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態であるスイッチン
グレギュレータの構成の一例を示す回路図である。
【図4】この発明の他の実施の形態であるスイッチング
レギュレータの構成の一例を示す回路図である。
【図5】従来のチョーク入力型平滑回路を用いたスイッ
チングレギュレータの一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1:交流電源 2:ダイオードブリッジ(全波整流回路) 3,3a,3b,3c:平滑部 4:DC−DCコンバータ C1:平滑コンデンサ Cp:小容量のコンデンサ CH:チョークコイル CH1:第1のチョークコイル CH2:第2のチョークコイル CTR:チョークトランス D1:第1のダイオード D2:第2のダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/28 H02M 7/217

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源から入力する交流電力を1次直
    流電力に変換する全波整流回路と、前記1次直流電力を
    トランスの1次巻線とスイッチング素子との直列回路に
    入力してスイッチングすることにより2次直流電力に変
    換して出力するDC−DCコンバータとからなるスイッ
    チングレギュレータにおいて、 前記DC−DCコンバータのトランスの1次巻線とスイ
    ッチング素子との直列回路に並列に平滑コンデンサを接
    続し、 前記全波整流回路の一方の出力端に第1のチョークコイ
    ルの一端を接続し、 前記平滑コンデンサと前記トランスの1次巻線との接続
    点と前記第1のチョークコイルの他端との間に、前記平
    滑コンデンサを充電する向きに第1のダイオードを第2
    のチョークコイルと直列に接続し、 前記トランスの1次巻線とスイッチング素子との接続点
    と前記第1のチョークコイルの他端との間に、前記スイ
    ッチング素子がオンの時に該スイッチング素子に電流を
    流す向きに第2のダイオードを接続したことを特徴とす
    るスイッチングレギュレータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスイッチングレギュレー
    タにおいて、 前記第1及び第2のチョークコイルが互いに磁気結合さ
    れたものであることを特徴とするスイッチングレギュレ
    ータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のスイッチングレギ
    ュレータにおいて、 前記全波整流回路の両出力端間、前記平滑コンデンサの
    両端子間のうち少くとも1個所にスイッチングによる高
    周波ノイズをバイパスさせるための小容量のコンデンサ
    を設けたことを特徴とするスイッチングレギュレータ。
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