JPH09131056A - 力率改善コンバータ回路 - Google Patents

力率改善コンバータ回路

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JPH09131056A
JPH09131056A JP30524395A JP30524395A JPH09131056A JP H09131056 A JPH09131056 A JP H09131056A JP 30524395 A JP30524395 A JP 30524395A JP 30524395 A JP30524395 A JP 30524395A JP H09131056 A JPH09131056 A JP H09131056A
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JP
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circuit
power factor
switching
winding
current
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JP30524395A
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 力率改善コンバータ回路を備えた電源回路の
電力変換効率の向上、回路サイズの小型/軽量化、低コ
スト化を図る。 【解決手段】 簡略な回路構成による自励式電流共振形
コンバータを備え、そのスイッチング電圧を、直列共振
回路(N1 、C1 )を介して整流経路に帰還することに
よって力率改善を図るように構成した力率改善コンバー
タ部11を、スイッチング電源部1の前段に設けるよう
にする。この際、交流入力電圧に応じた制御電流をドラ
イブトランスPRTの制御巻線NC に供給して、スイッ
チング周波数を可変制御することで、交流入力電圧に対
する力率特性を一定とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はスイッチング電源回
路の力率を改善するために設けられる力率改善コンバー
タに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、高周波の比較的大きい電流及び電
圧に耐えることができるスイッチング素子の開発によっ
て、商用電源を整流して所望の直流電圧を得る電源装置
としては、大部分がスイッチング方式の電源装置になっ
ている。スイッチング電源はスイッチング周波数を高く
することによりトランスその他のデバイスを小型にする
と共に、大電力のDC−DCコンバータとして各種の電
子機器の電源として使用される。 【0003】ところで、一般に商用電源を整流すると平
滑回路に流れる電流は歪み波形になるため、電源の利用
効率を示す力率が損なわれるという問題が生じる。ま
た、歪み電流波形となることによって発生する高調波を
抑圧するための対策が必要とされている。 【0004】そこで、スイッチング電源回路において力
率を改善する力率改善手段として、整流回路系において
PWM制御方式の昇圧型コンバータを設けて力率を1に
近付ける、いわゆるアクティブフィルタを設ける方法が
知られている。 【0005】図8は、上記アクティブフィルタを備えて
力率改善を図るように構成されたスイッチング電源回路
の一例を示す回路図とされる。この図に示す電源回路に
おいては、商用交流電源ACに対してコモンモードのノ
イズを除去するノイズフィルタとして、コモンモードチ
ョークコイルCMCとアクロスコンデンサCL が設けら
れている。商用交流電源ACはブリッジ整流回路D1
より全波整流される。この場合には、ブリッジ整流回路
1 の整流出力ラインと、平滑回路である平滑コンデン
サCi間に対してアクティブフィルタ20が設けられ
て、後述するようにして力率改善を図る。 【0006】スイッチング電源部1は、平滑コンデンサ
Ciの両端に得られる整流平滑電圧Eiを入力してスイ
ッチング動作を行い、二次側より直流出力電圧E1 、E
2 を出力するDC−DCコンバータとされ、例えばこの
場合には、PWM方式により定電圧化制御を行うスイッ
チングコンバータが備えられているものとされる。な
お、この場合のアクティブフィルタ20は昇圧型とされ
るが、このアクティブフィルタ20により生成される直
流電圧(整流平滑電圧Ei)は、AC100V系〜AC
200V系の交流入力電圧レベルの変化に対して例えば
約380Vで一定となるように制御される。 【0007】次に、アクティブフィルタ20の構成につ
いて説明する。この図に示すアクティブフィルタ20に
おいては、ブリッジ整流回路D1 の正極出力ラインに対
してフィルタチョークコイルLN −チョークコイルCH
の巻線Li−フェライトビーズFB2 −高速リカバリ型
ダイオードD2 が直列に接続されている。そして、フィ
ルタチョークコイルLN の両端には2本のフィルタコン
デンサCN がそれぞれ一次側アースに対して接続される
ようにして設けられ、これらフィルタチョークコイルL
N 及びフィルタコンデンサCN 、CN により、いわゆる
π型のノーマルモードのローパスフィルタを形成する。
そして、これらコモンモード及びノーマルモードのノイ
ズフィルタによって、商用交流電源ACに流れ込むスイ
ッチングノイズなどの高調波ノイズを阻止するようにさ
れている。 【0008】ここで、チョークコイルCHの巻線Li
は、後述するスイッチング素子Q20のスイッチング期間
に電流を負荷側(スイッチングコンバータ部側)に流し
込むために、整流平滑電圧よりも高いレベルの電圧源あ
るいは電流源となるためのエネルギー蓄積手段として機
能するインダクタンスとして挿入されている。また、高
速リカバリ型ダイオードD2 は、後述するようにしてス
イッチング素子Q20のスイッチング動作によって、整流
出力ラインに高周波電流が流れることに対応して設けら
れるものとされる。 【0009】上記チョークコイルCHの巻線Li及び高
速リカバリ型ダイオードD2 を介して整流出力ラインを
流れる整流電流は、平滑コンデンサCiに対して充電さ
れて、この平滑コンデンサCiの両端に後段のスイッチ
ング電源部1の動作電源となる整流平滑電圧Eiを生成
する。 【0010】また、アクティブフィルタを形成する部品
であるスイッチング素子Q20は、この場合には、例え
ば、MOS−FETトランジスタが用いられ、ドレイン
に対してチョークコイルCHの巻線Liとフェライトビ
ーズFB2 を介した高速リカバリ型ダイオードD12のア
ノードの接続点に対して、フェライトビーズFB1 を介
して接続され、ソースは突入電流制限抵抗RD1を介して
一次側アースに接地されている。このスイッチング素子
20は、後述するアクティブフィルタ制御回路20内の
ドライブ回路からゲートに対してスイッチング駆動信号
が供給されることによって、スイッチング動作が行われ
る。 【0011】また、このアクティブフィルタ20におい
ては上記スイッチング素子Q20に対応して、フェライト
ビーズFB1 、及びコンデンサCS1と抵抗R5Aからなる
スナバ回路が設けられると共に、また、高速リカバリ型
ダイオードD2 に対しては、フェライトビーズFB2
及びコンデンサCS2と抵抗R5Bからなるスナバ回路が設
けられている。スイッチング素子Q20及び高速リカバリ
型ダイオードD2 は、それぞれ次に説明するように、ア
クティブフィルタ制御回路20AのPWM制御に基づい
てスイッチング動作を行うが、この時のターンオン/タ
ーンオフ電流の立ち上がり/立ち下がり時間が速いため
に比較的高レベルの輻射ノイズが発生する。そこで、上
記スナバ回路によってスイッチング電流波形の立ち上が
り/立ち下がり期間に傾斜をつけることで、輻射ノイズ
を抑圧するようにしている。 【0012】アクティブフィルタ制御回路20Aは、こ
の場合には力率を1に近付けるように力率改善を行うア
クティブフィルタの動作を制御するもので、例えば1石
の集積回路(IC)とされている。この場合、アクティ
ブフィルタ制御回路20Aは電源投入時にスイッチング
素子Q20を駆動させる起動回路、所要のスイッチング周
波数を発生させる発振回路、上記発振周波数の信号を増
幅してスイッチング素子Q20を駆動するためのゲート信
号を生成するドライブ回路、上記ドライブ回路より出力
されるスイッチング駆動信号についてPWM制御を行う
PWM制御回路、及び、次に説明するフィードフォワー
ド回路及びフィードバック回路の入力に基づいて乗算を
行って、上記PWM制御回路の制御入力信号を生成する
乗算器等によって構成される。この場合、ブリッジ整流
回路D1 の正極出力端子と一次側アース間には分圧抵抗
1 、R2 が直列に挿入されており、この分圧抵抗R
1 、R2 の分圧値がアクティブフィルタ制御回路20A
に入力され、これによって、交流入力電圧に対応するフ
ィードフォワード回路が形成されている。また、フィー
ドバック回路は平滑コンデンサCiの両端電圧(整流平
滑電圧)を分圧抵抗R3 、R4 により分圧した電圧値を
アクティブフィルタ制御回路20Aに入力するようにし
て形成される。つまり、この図に示すアクティブフィル
タ制御回路20Aに対しては、フィードフォワード回路
より交流入力電圧のレベルに対応する電圧値が入力さ
れ、フィードバック回路からは、整流平滑電圧レベルに
対応する電圧値が入力されることになる。 【0013】この場合、チョークコイルCHに巻装され
た巻線N5 と整流ダイオードD6 による半波整流回路の
出力がアクティブフィルタ制御回路20Aの動作電源と
して供給されている。 【0014】上記のように構成されるアクティブフィル
タによる力率改善動作の概略としては、次のようにな
る。例えば、アクティブフィルタ制御回路20Aではフ
ィードフォワード回路より入力された電圧値に基づいて
交流入力電圧レベルを検出し、内部の乗算器に入力す
る。また、一方でフィードバック回路から入力された電
圧値に基づいて整流平滑電圧の変動差分を検出する。ア
クティブフィルタ制御回路20Aでは、この整流平滑電
圧の変動差分に基づいて整流平滑電圧Eiの平均値を約
360V〜380Vの範囲で一定となるように制御する
と共に、この整流平滑電圧の変動差分を内部の乗算器に
入力する。そして、乗算器において、上記交流入力電圧
レベルと整流平滑電圧の変動差分を乗算するが、この乗
算結果によって例えば交流入力電圧VACと同一波形の電
流指令値が生成される。そして、PWM制御回路では上
記電流指令値と実際の交流入力電流レベルを比較して、
この差に応じたPWM信号を生成してドライブ回路に供
給する。スイッチング素子Q20は、このPWM信号に基
づくドライブ信号によってスイッチング駆動される。こ
の結果、交流入力電流は交流入力電圧と同一波形となる
ように制御されて、力率がほぼ1に近付くようにして力
率改善が図られることになる。この場合には、交流入力
電圧変動あるいは負荷変動に対して、0.95〜0.9
9程度の力率が得られるようにされる。また、この場合
には、乗算器によって生成される電流指令値は、整流平
滑電圧の変動差分に応じて振幅が変化するように制御さ
れるため、整流平滑電圧の変動も抑制されることにな
る。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図8に
示した電源回路においては、力率改善コンバータとして
アクティブフィルタ回路20が用いられているが、その
構成部品が高価であると共に構成部品の点数も比較的に
多くなって、回路の小型化及び低コスト化には不利であ
るという問題を有している。また、図8に示す電源回路
の場合、アクティブフィルタ回路20及び後段のスイッ
チング電源部1は、共にPWM制御に基づくスイッチン
グ動作を行うことから、矩形波形の動作となって高レベ
ルのEMI(電磁妨害波)を輻射する。このため、例え
ばアクティブフィルタ回路20の入力段に設けるノーマ
ルモードのローパスフィルタ(LN 及びCN 、CN )及
びコモンモードのノイズフィルタ(CMC、CL )を強
化する必要があり、それだけこれらノイズフィルタを形
成する素子の大型化及びコストアップを招く。また、前
述のようにEMI対策として、アクティブフィルタ回路
20におけるスイッチング素子Q20及び高速リカバリ型
ダイオードD2 に対してスナバ回路を設けた場合には、
それだけ電力損失も増加することが分かっており、例え
ば図8におけるアクティブフィルタ回路20ではAC−
DC電力変換効率は90%程度に低減する。従って、例
えばスイッチング電源部1のDC−DC変換効率が85
%とすれば、電源回路全体としての総合電力変換効率は 90%×85%=76.5% までに低減することになる。 【0016】更に、図8に示したアクティブフィルタ回
路20は、その直流出力電圧(整流平滑電圧Ei)が3
80V程度で一定となるように制御されるため、交流入
力電圧がAC100V系の条件に対応する場合には、既
存のAC100V系対応のスイッチング電源部をそのま
ま用いることは不可能とされ、スイッチング素子の耐圧
向上をはじめ、各部の設計変更をしなければならず、こ
の点においてもコスト的に不利となる。 【0017】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た問題点を考慮して、アクティブフィルタ回路による方
式よりも低コストで小型化を図ることが可能とされ、ま
た、電力変換効率等の電気的特性が向上された力率改善
コンバータを提供することを目的とする。このため、整
流回路の出力に対して設けられるフィルタチョークコイ
ル及びフィルタコンデンサからなるノーマルモードのロ
ーパスフィルタと、整流回路の整流電流経路に直列に挿
入される高速リカバリ型整流素子と、平滑回路から出力
される整流平滑電圧を動作電源としてスイッチング動作
を行い、そのスイッチング出力を直列共振コンデンサ及
び直列共振巻線のインダクタンスにより形成される直列
共振回路に供給するようにされる電流共振形スイッチン
グコンバータと、上記直列共振回路から整流電流経路に
対して帰還されたスイッチング出力に基づいて力率改善
を図るようにされた力率改善回路と、交流入力電圧に対
して力率をほぼ一定に制御する力率制御回路を備えて力
率改善コンバータ回路を構成することとした。 【0018】そして上記構成によれば、例えば、自励式
電流共振形コンバータによるスイッチング出力を整流経
路に帰還して力率改善を図るようにされるため、回路構
成は簡略となり、またスイッチングノイズも低レベルと
なる。また、本発明の構成による電流共振形コンバータ
では、交流入力電圧レベルに対応した直流出力電圧(整
流平滑電圧)が得られるようにされる。また、電流共振
形コンバータのスイッチング出力を帰還することにより
力率改善を行う方式では、交流入力電圧レベルの上昇に
伴って力率が低下するが、本発明による力率制御回路を
備えることによって、交流入力電圧レベルに関わらず力
率を一定とすることが可能となる。 【0019】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態と
しての力率改善コンバータを備えて構成されるスイッチ
ング電源回路の構成を示す回路図とされ、図8と同一部
分は同一符号を付して説明を省略する。この図に示す力
率改善コンバータ部10においては、先ず、ブリッジ整
流回路D1 の正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極
端子間のライン(整流出力ライン)に対して、フィルタ
チョークコイルLN −高速リカバリ型ダイオードD2
磁気結合トランスMCTの二次巻線Niが直列に挿入さ
れている。なお、この場合には高速リカバリ型ダイオー
ドD2 はアノードがブリッジ整流回路D1 側となる方向
により挿入されている。この場合、上記フィルタチョー
クコイルLN と高速リカバリ型ダイオードD2の接続点
と平滑コンデンサCiの正極端子間にはフィルタコンデ
ンサCN が挿入されて、フィルタチョークコイルLN
共にノーマルモードのローパスフィルタを形成してい
る。また、磁気結合トランスMCTの二次巻線Niに対
しては並列に共振用コンデンサC2 が接続されている。
なお、共振用コンデンサC2 の作用については後述す
る。 【0020】この力率改善コンバータ部10においては
整流平滑電圧Eiを動作電源とする自励式の電流共振形
コンバータが備えられている。この電流共振形コンバー
タに、図のようにハーフブリッジ結合された2つのスイ
ッチング素子Q1 、Q2 が備えられ、平滑コンデンサC
iの正極側の接続点と一次側アース間に対してそれぞれ
のコレクタ、エミッタを介して接続されている。このス
イッチング素子Q1 、Q2 の各コレクタ−ベース間に
は、それぞれ起動抵抗RS1、RS2が挿入され、抵抗
B1、RB2によりスイッチング素子Q1 、Q2のベース
電流(ドライブ電流)を調整する。また、スイッチング
素子Q1 、Q2の各ベース−エミッタ間にはそれぞれダ
ンパーダイオードDB1、DB2が挿入される。そして、共
振用コンデンサCB1、CB2は次に説明するドライブトラ
ンスPRTの駆動巻線NB1、NB2と共に、自励発振用の
直列共振回路を形成している。また、スイッチング素子
1 、Q2 の各コレクタ−エミッタ間にはそれぞれコン
デンサCC1、CC2が並列に接続されて、矩形波となるス
イッチング素子Q1 、Q2 のスイッチング電圧の立ち上
がり/立ち下がり帰還に傾きを与え、スイッチングノイ
ズを抑制するようにしている。なお、コンデンサCC1
C2には、例えば安価なセラミックコンデンサなどを用
いることができる。 【0021】ドライブトランスPRT(Power Regulati
ng Transformer) は、スイッチング素子Q1 、Q2 を駆
動すると共にスイッチング周波数を可変制御する。この
ドライブトランスPRTは、駆動巻線NB1、NB2と、駆
動巻線NB1を巻き上げるようにして設けられる共振電流
検出巻線ND に対して、その巻回方向が直交するように
して巻装された制御巻線NC が設けられる直交型の可飽
和リアクトルとされている。駆動巻線NB1は、その一端
が抵抗RB1−共振用コンデンサCB1を介してスイッチン
グ素子Q1 のベースと接続され、他端はスイッチング素
子Q1 のエミッタに接続される。また、駆動巻線NB2
一端はアースに接地されると共に、他端は抵抗RB2−共
振用コンデンサCB2を介してスイッチング素子Q2 のベ
ースと接続されており、駆動巻線NB1とは逆の極性の電
圧が出力されるようになされている。 【0022】本実施の形態において磁気結合トランスM
CTは、一次巻線N1 と、二次巻線Ni(そのインダク
タンスをLiで示す)とを、例えばフェライト材などの
コアによって磁気的に密結合して巻装して構成される。
なお、二次巻線Niは後述するようにして整流経路にス
イッチング電圧を重畳するためのインダクタとされる。
また、この場合には三次巻線N2 は上記一次巻線N1
巻き上げるようにして設けられている。 【0023】上記磁気結合トランスMCTの一次巻線N
1 の一端は、直列共振コンデンサC1 −共振電流検出巻
線ND を介してスイッチング素子Q1 のエミッタとスイ
ッチング素子Q2 のコレクタの接点(スイッチング出力
点)と接続され、その他端は一次側アースに接地され
て、一次巻線N1 に対してスイッチング出力が供給され
るようになっている。上記接続形態によると、磁気結合
トランスMCTの一次巻線N1 と直列共振コンデンサC
1 は直列に接続されることになるが、一次巻線N1 のイ
ンダクタンス成分と直列共振コンデンサC1 のキャパシ
タンスとによって、このスイッチングコンバータを電流
共振形とするための直列共振回路を形成するようにされ
ている。 【0024】また、トランジスタQ10は、制御巻線NC
に対して制御電流IC を供給するために設けられる。こ
の場合、トランジスタQ10のベースは、整流平滑電圧E
iのラインと一次側アース間に対して直列に挿入された
分圧抵抗R11、R12の分圧点と接続されて、整流平滑電
圧Eiレベルに応じた直流電流が供給される。また、磁
気結合トランスMCTの三次巻線N2 は、スイッチング
コンバータのスイッチング動作により交番電圧が発生す
るが、上記三次巻線N3 に対しては接続された整流ダイ
オードD3 、平滑コンデンサC3 からなる半波整流回路
及び抵抗R14及びちぇなーダイオードZDからなる定電
圧回路によって所定レベルの直流電圧が生成される。こ
の直流電圧は、トランジスタQ10の動作電源として制御
巻線NC を介してトランジスタQ10のコレクタに供給さ
れる。トランジスタQ10のエミッタは抵抗R13を介して
一次側アースに接地される。 【0025】本実施の形態の力率改善コンバータ部10
は上記のようにして構成されるが、その電流共振形コン
バータのスイッチング動作としては次のようになる。先
ず商用交流電源が投入されると、例えば起動抵抗RS1
S2を介してスイッチング素子Q1 、Q2 のベースにベ
ース電流が供給されることになるが、例えばスイッチン
グ素子Q1 が先にオンとなったとすれば、スイッチング
素子Q2 はオフとなるように制御される。そしてスイッ
チング素子Q1 の出力として、共振電流検出巻線ND
直列共振コンデンサC1 →一次巻線N1 →一次側アース
に共振電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍で
スイッチング素子Q2 がオン、スイッチング素子Q1
オフとなるように制御される。そして、スイッチング素
子Q2 を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以
降、スイッチング素子Q1、Q2 が交互にオンとなる自
励式のスイッチング動作が開始される。このように、平
滑コンデンサCiの端子電圧を動作電源としてスイッチ
ング素子Q1 、Q2 が交互に開閉を繰り返すことによっ
て、磁気結合トランスMCTの一次側巻線N1 に共振電
流IO の波形に近いドライブ電流を供給する。なお、ド
ライブトランスPRTによるスイッチング周波数の可変
制御については後述する。 【0026】そして、本実施の形態の力率改善コンバー
タ部10における力率改善動作としては次のようにな
る。上述のように、電流共振形コンバータのスイッチン
グ動作が行われると、そのスイッチング出力は磁気結合
トランスMCTの一次巻線N1 に供給される。そして、
磁気結合トランスMCTにおいては一次巻線N1 に供給
されたスイッチング出力により発生するスイッチング周
期の交番電圧を、その磁気結合を介して二次巻線Niに
伝送する。この二次巻線Niはブリッジ整流回路D1
正極出力ラインに挿入されていることから、二次巻線N
iに励起されたスイッチング電圧により、整流経路を介
する整流出力電圧に対してスイッチング電圧が重畳され
ることになる。そして、このスイッチング電圧の重畳分
によって、整流経路に挿入されている高速リカバリ型ダ
イオードD2 では整流電流をスイッチング周期で断続す
る動作が得られることになる。この動作により、力率改
善コンバータ部10においては整流出力電圧にスイッチ
ング出力が重畳された状態で平滑コンデンサCiに充電
を行うようにされ、このスイッチング電圧の重畳分によ
って平滑コンデンサCiの両端電圧をスイッチング周期
で引き下げるようにされる。このため、整流出力電圧レ
ベルが平滑コンデンサの両端電圧(整流平滑電圧Ei)
よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへ充電
電流が流れるようにされる。この結果、交流入力電流の
平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにさ
れ、交流入力電流の導通角が拡大されることになって力
率改善が図られることになる。 【0027】また、磁気結合トランスMCTの二次巻線
Niに対して並列に接続される共振用コンデンサC2
は、上記二次巻線NiのインダクタンスLiと共に並列
共振回路を形成する。この並列共振回路は負荷変動に対
応してその共振インピーダンスが変化するようにされて
おり、この電源回路の負荷が軽くなった時に、整流経路
に帰還されるスイッチング電圧を抑圧するようにしてい
る。この結果、軽負荷時の平滑コンデンサCiの端子電
圧の上昇を抑制することになる。 【0028】ところで、本実施の形態のように電流共振
形コンバータのスイッチング出力を整流経路に帰還する
ように構成された力率改善コンバータにおいては、仮に
スイッチング周波数が固定されていると、入力される交
流入力電圧VACが上昇するのに従って、力率特性が低下
する。ここで、図4は交流入力電圧に対する力率特性を
示すものとされ、この図に示す2本の破線は、本実施の
形態の構成の力率改善コンバータ部として、仮にスイッ
チング周波数を制御せずに固定した場合の力率特性を示
している。この図から分かるように、スイッチング周波
数が制御されない場合には、負荷電力PO =150W時
及びPO =50W時の何れの条件下でも、交流入力電圧
の上昇に伴って力率が低下する特性となり、例えば、交
流入力電圧VAC=100V時において負荷電力PO =1
50W時には力率PF=0.95となり、負荷電力PO
=50W時には力率PF=0.75となるように設定す
ると、交流入力電圧VAC=230V時においては負荷電
力PO =150W時の力率はPF=0.8、負荷電力P
O =50W時の力率はPF=0.6まで低下し、AC2
00V系の交流入力電圧の範囲ではでは0.8程度以上
の充分な力率を得ることができなくなる。 【0029】そこで、本実施の形態では次に述べるよう
にして、力率改善コンバータ部の電流共振形コンバータ
のスイッチング周波数を可変することによって、入力さ
れる交流入力電圧レベルに対して力率がほぼ一定となる
ように制御可能に構成されている。 【0030】例えば、図1に示す電源回路の商用交流電
源に入力される交流入力電圧VACが上昇したように変化
したとすると、これに対応して整流平滑電圧Eiも上昇
することから、整流平滑電圧Eiから分圧抵抗R11を介
してトランジスタQ10のベースに供給されるベース電流
が増加する。これによりトランジスタQ10は、コレクタ
電流レベルを大きくするように動作することから、コレ
クタに接続された制御巻線NC には、上記コレクタ電流
が制御電流IC として流れることになる。つまり、交流
入力電圧レベルが上昇する場合には、これに応じて制御
巻線NC に流れる制御電流IC のレベルは大きくなるよ
うに制御される。ドライブトランスPRTでは、上記の
ように制御電流IC のレベルが大きくなることにより、
駆動巻線NB1、NB2のインダクタンスを小さくする。こ
れにより、駆動巻線NB1と共振コンデンサCB1、及び駆
動巻線NB2と共振コンデンサCB2により形成される2組
の自励発振回路の共振周波数を低下させ、スイッチング
素子Q1 、Q2 のスイッチング周波数を高くするように
制御することになる。この場合、直列共振回路の共振周
波数に対してスイッチング周波数が変化することになる
が、これによって直列共振回路に供給されるスイッチン
グ出力の帰還量が変化して、この場合には力率改善を高
めるように制御されることになる。 【0031】例えば、図2及び図3はそれぞれ交流入力
電圧VAC=100V時とVAC=230V時における、本
実施の形態の力率改善コンバータ部10の動作を示す波
形図とされ、例えば交流入力電圧VAC=100V時にお
いては、図2(a)に示すようにスイッチング周波数に
対応して10μs(fs=100KHz)の周期による
正弦波状の直列共振電流IO が直列共振回路に流れるよ
うにされる。また、このときの整流出力ラインにおける
高速リカバリ型ダイオードD2 と磁気結合トランスMC
Tの二次巻線Niの接続点と一次側アース間の電位V1
は、図2(b)に示すようにブリッジ整流回路D1 の整
流出力電圧に対してスイッチング電圧が重畳された波形
が得られ、その平均値が整流平滑電圧Eiに相当する。
そして、交流入力電流IACは図2(c)に示す期間に流
れる波形が得られ、実際には図4にて説明する程度の力
率に対応してその導通角が拡大されている。なお、図2
(b)及び図2(c)は商用電源周期による波形として
示されている。 【0032】また、交流入力電圧VAC=230V時にお
いては、直列共振電流IO は、AC100V時よりもス
イッチング周波数が高くなることに対応して、図3
(a)に示すように、AC100V時のほぼ2倍の5μ
s(fs=200KHz)の周期により流れる波形が得
られるものとされる。このときの電位V1 は図2(b)
に示され、AC100V時の特性である図2(a)の波
形に対して、ほぼ2倍のレベルとなる波形が得られてい
る。そして、交流入力電流IACは、図3(c)に示すよ
うに改善された力率に対応する導通角が得られていると
共に、AC230Vの交流入力電圧に対応して、AC1
00V時の交流入力電流IAC(図2(c)参照)の1/
2程度のピークレベルとなっている。 【0033】そして、上述のようにスイッチング周波数
の制御を行う本実施の形態の力率改善コンバータ部10
の交流入力電圧に対する力率変化の特性例としては、図
4の実線のようになる。例えば、この図から分かるよう
にスイッチング周波数(fs)を制御した場合には、交
流入力電圧の上昇に対する力率の低下変動は、破線に示
すスイッチング周波数制御を行わない場合と比較して著
しく抑制されており、例えば、負荷電力PO =150W
時にはAC100V〜AC230Vの範囲で力率PF=
0.95前後が維持される特性が得られ、負荷電力PO
=50W時には力率PF=0.83前後が維持される特
性が得られる。 【0034】ここで、本実施の形態である図1の電源回
路と従来例である図8の電源回路とを比較した場合、図
8におけるアクティブフィルタ回路20のAC−DC電
力変換効率が90%程度とされていたのに対して、図1
のような自励式の電流共振形コンバータによる力率改善
コンバータ部10では、スイッチング素子や高速リカバ
リ型ダイオードD2 における電力損失が大幅に低減され
てAC−DC電力変換効率は、図8の場合よりも向上さ
れることになる。これによって、後段のスイッチング電
源部1を含めたスイッチング電源回路の総合的な電力変
換効率も向上されることになる。 【0035】また、図1の力率改善コンバータ部10で
は電流共振形コンバータが用いられていることから、ス
イッチング電流波形は図2(a)及び図3(a)に示し
たように正弦波状となる。従って、スイッチング動作に
より発生するノイズレベルも低いため、例えば、図1に
示したように各1組のフィルタチョークコイルLN 及び
フィルタコンデンサCN により形成するノーマルモード
のノイズフィルタで対応することが可能となり、図8に
示したようなπ型のノイズフィルタを構成する必要はな
くなる。また、コモンモードのノイズフィルタも特に強
化する必要がなくなることから、コモンモードチョーク
コイルCMC及びアクロスコンデンサCL についても、
より小型で安価なものを選定することが可能となる。ま
た、力率改善コンバータ部10の回路構成は、図8に示
したアクティブフィルタ回路20よりも簡略な構成によ
り形成されることから構成部品点数も削減されることに
なる。 【0036】そして、本実施の形態の力率改善コンバー
タ部10として、前述のように交流入力電圧としてAC
100Vが入力されている場合には、この交流入力電圧
レベルにほぼ同等とされる約149Vの整流平滑電圧E
iが計測される。これにより、後段のPWM方式による
スイッチング電源部1には既存のAC100V系対応の
スイッチングコンバータを再設計することなくそのまま
利用することが可能となり、それだけコスト的にも有利
となる。 【0037】図5は、本発明の他の実施の形態を示す回
路図とされ、図1及び図8と同一部分については同一符
号を付して説明を省略する。この図に示す力率改善コン
バータ回路11においては、一次巻線N1 はチョークコ
イルCHに巻装されてその自己インダクタンスL1 を得
るようにされる。なお、この場合にはチョークコイルC
Hに対して三次巻線N2 が巻装されて、一次巻線N1
供給されるスイッチング出力に基づいて交番電圧が励起
されるように構成されている。そして、三次巻線N2
対して接続された半波整流回路(D3、C3 )及び定電
圧回路(ZD、R14)により得られる直流電圧が制御電
流ICを得るためのトランジスタQ10の供給電源となる
ことは、図1の場合と同様である。 【0038】上記一次巻線N1 の一端は直列共振コンデ
ンサC1 −共振電流検出巻線ND −を介してスイッチン
グ素子Q1 、Q2 のスイッチング出力点と接続されてい
る。また、その他端は、整流経路におけるフィルタチョ
ークコイルLN と高速リカバリ型ダイオードD2 の接続
点に対して直接接続されている。 【0039】この場合、共振用コンデンサC1 は高速リ
カバリ型ダイオードD2 に対して並列に接続され、フィ
ルタチョークコイルLN 及びフィルタコンデンサCN
共に並列共振回路を形成するが、その作用は図1の場合
と同様とされ、交流入力電圧の変化に応じて上記並列共
振回路の共振周波数を可変して、低交流入力電圧時や軽
負荷時に整流平滑電圧が上昇するのを抑制し、電源回路
としてのレギュレ−ション範囲の拡大が行われるように
している。 【0040】このようにして構成される力率改善コンバ
ータ部11では、一次巻線N1 のインダクタンスL1
供給されたスイッチング出力を、直列共振コンデンサC
1 の静電容量結合を介してフィルタチョークコイルLN
と高速リカバリ型ダイオードD2 の接続点に対して印加
するようにして帰還する。これによって、フィルタチョ
ークコイルLN と高速リカバリ型ダイオードD2 が挿入
された整流経路に対してスイッチング電圧が重畳される
ことになり、このスイッチング電圧の重畳分により高速
リカバリ型ダイオードD2 は、整流電流をスイッチング
周期で断続するように動作することになる。そして、以
降は図1で説明したと同様の作用によって交流入力電流
の導通角が拡大されて力率改善が図られることになる。
また、本実施の形態においても図1の場合と同様に、直
交型のドライブトランスPRTTによってスイッチング
素子Q1 、Q2 のスイッチング周波数を制御すること
で、例えばAC100V系〜AC200V系の交流入力
電圧の変化に対する力率改善をほぼ一定となるように制
御することが可能とされる。更に、図8に示すアクティ
ブフィルタと比較した場合には、図1の実施の形態同様
に、電力変換効率の向上及び低ノイズ化や回路構成の簡
略化による小型/軽量化が図られることになる。 【0041】図6は本発明の更に他の実施の形態を示す
回路図とされ、図1、図5及び図8と同一部分は同一符
号を付して説明を省略する。この図に示す力率改善コン
バータ部12においては、スイッチング素子Q1 、Q2
をスイッチング駆動するドライブトランスCVT(Conv
erter Transformer)が備えられる。このドライブトラン
スCVTには、一次巻線N1 に対して、駆動巻線NB1
B2が巻装され、三次巻線N2 が独立して巻装されてお
り、駆動巻線NB1、NB2のインダクタンスを可変する制
御巻線は設けられていない。従って、本実施の形態にお
いてはスイッチング周波数は固定とされる。一次巻線N
1 に得られたスイッチング出力点は、図6の場合と同様
に、直列共振コンデンサC1 の静電容量結合を介して、
フィルタチョークコイルLN と高速リカバリ型ダイオー
ドD2 の接続点に印加される。従って力率改善動作は図
5の力率改善コンバータ部11と同様となる。 【0042】この図に示す直交型の制御トランスPRT
は、被制御巻線NR と制御巻線NCの巻回方向が互いに
直交するように巻装して構成されている。この制御トラ
ンスPRTの被制御巻線NR は、共振用コンデンサC2
と直列接続回路を形成したうえで、高速リカバリ型ダイ
オードD2 に対して並列に接続される。制御巻線NC
は、その一端が一次側アースと接続され、他端はトラン
ジスタQ10のコレクタと接続されることで、コレクタ電
流が制御電流として供給される。この場合、トランジス
タQ10はPNPタイプとされ、トランジスタQ10の動作
電源となる直流はエミッタ抵抗R13を介してエミッタに
対して接続される。 【0043】このような構成による力率改善コンバータ
部12においては、スイッチング素子Q1 、Q2 のスイ
ッチング周波数は固定とされるが、この場合には、制御
トランスPRTによって交流入力電圧のレベルに応じ
て、被制御巻線NR のインダクタンスLR が可変され
る。この場合、共振用コンデンサC2 はフィルタコンデ
ンサCN のキャパシタンスとチョークコイルLN のイン
ダクタンスに加え、被制御巻線NR のインダクタンスL
R と共に並列共振回路を形成するようにされる。このた
め、交流入力電圧の変化に応じて、上記並列共振回路の
共振周波数が直列共振回路(N1 、C1 )の共振周波数
に対して変化するように制御されて、整流経路に帰還す
るスイッチング出力に対するインピーダンスが変化する
ようにされる。 これにより、直列共振回路から整流経
路に供給されるスイッチング出力の帰還量が可変制御さ
れ、結果的に先の各実施の形態と同様に交流入力電圧に
対して力率がほぼ一定となるように制御されることにな
る。 【0044】また、本実施の形態においても図8に示す
アクティブフィルタによる力率改善コンバータ回路と比
較して、上記各実施の形態と同様に電力変換効率の向上
及び低ノイズ化や回路構成の簡略化による小型/軽量化
が図られる。 【0045】図7は、本発明の更に他の実施の形態を示
す回路図とされ、図1、図5及び図6と同一部分は同一
符号を付して説明を省略する。この図に示す力率改善コ
ンバータ部13においては、自励式の電流共振形コンバ
ータとして、4石のスイッチング素子によるフルブリッ
ジ結合タイプとされて、例えば、先の各実施の形態によ
る電源回路よりも重負荷に対応することが可能とされて
いる。そこで、先ずこの力率改善コンバータ部13にお
ける電流共振形コンバータの構成について説明する。 【0046】この図に示す電流共振形コンバータにおい
て、4石のスイッチング素子Q1 、Q2 、Q3 、Q4
は、フルブリッジ結合式のスイッチングコンバータを形
成する。図のようにスイッチング素子Q1 及びQ2 は、
平滑コンデンサCiの正極とアース間に対して、それぞ
れのコレクタ−エミッタを介して直列に接続されてい
る。また、スイッチング素子Q3 及びQ4 側もまた、上
記と同様にして接続される。 【0047】そして、スイッチング素子Q1 、Q2 の各
コレクタ−ベース間にそれぞれ挿入される抵抗RS1、R
S2は起動抵抗を、またスイッチング素子Q1 、Q2 の各
ベース−エミッタ間に挿入されるクランプダイオードD
B1、DB2はそれぞれスイッチングオフ時の逆方向電流の
経路を形成するために設けられる。また、ダンピング抵
抗RB1、RB2はそれぞれ、スイッチング素子Q1 、Q2
のベース電流(ドライブ電流)を調整する。そして、共
振コンデンサCB1、CB2は、後述するドライブトランス
PRTの駆動巻線NB1、NB2と共に、自励発振用の直列
共振回路を形成しており、これらの素子によりスイッチ
ング素子Q1 、Q2 の駆動回路系が形成される。 【0048】また、スイッチング素子Q3 、Q4 に対し
ても、それぞれ起動抵抗RS3、RS4、クランプダイオー
ドDB3、DB3、ダンピング抵抗RB3、RB4、共振コンデ
ンサCB3、CB4、及び駆動巻線NB3、NB4が、上述と同
様の接続形態により設けられて、スイッチング素子Q
3 、Q4 の各駆動回路系を形成している。 【0049】また、この場合にはスイッチング素子Q
1 、Q2 、Q3 、Q4 の各コレクタ−エミッタ間に対し
て、それぞれコンデンサCC1、CC2、CC3、CC4が接続
されて、スイッチング電圧により発生するノイズを吸収
するようにされている。 【0050】ドライブトランスPRTは、フルブリッジ
結合方式に対応して駆動巻線NB1〜NB4及び、駆動巻線
B1を巻き上げて形成される共振電流検出巻線ND が巻
装され、これら各巻線とその巻回方向が直交するように
して制御巻線NC が巻装される。 【0051】この場合、スイッチング素子Q1 〜Q4
スイッチング出力は、磁気結合トランスMCTの一次巻
線N1 及び直列共振コンデンサC1 からなる直列共振回
路に供給される。この図に示す直列共振回路としては、
磁気結合トランスMCTの一次巻線N1の一端が共振電
流検出巻線ND を介して、スイッチング素子Q1 、Q2
のエミッタ−コレクタの接続点(スイッチング出力点)
と接続され、他端は直列共振コンデンサC1 を介してス
イッチング素子Q3 、Q4 のエミッタ−コレクタの接続
点(スイッチング出力点)と接続され、磁気結合トラン
スMCTの一次巻線N1 にスイッチング出力が供給され
る。 【0052】上記構成の電流共振形のスイッチング動作
としては、例えばスイッチング素子[Q1 、Q4 ]の組
とスイッチング素子[Q2 、Q3 ]の組が交互にオン/
オフ動作を行うようにされる。例えば、先ず商用交流電
源が投入されると、起動抵抗RS1〜RS4を介してスイッ
チング素子Q1 〜Q4 のベースにベース電流が供給され
ることになるが、仮にスイッチング素子[Q1 、Q4
が先にオンとなったとすれば、スイッチング素子[Q
2 、Q3 ]はオフとなるように制御される。そして、ス
イッチング素子[Q1 、Q4 ]の出力として、スイッチ
ング素子Q1 のコレクタ−エミッタ→共振電流検出巻線
D →磁気結合トランスMCTの一次巻線N1 →直列共
振コンデンサC1 →スイッチング素子Q4 のコレクタ−
エミッタ→一次側アースの経路で電流が流れるが、この
際、一次側直列共振回路を流れる共振電流が0となる近
傍でスイッチング素子[Q2 、Q3 ]がオン、スイッチ
ング素子[Q1 、Q4 ]がオフとなるように制御され
る。そして、スイッチング素子Q2 を介して先とは逆方
向に直列共振回路に対して共振電流が流れる。以降、ス
イッチング素子[Q1 、Q4 ]及び[Q2 、Q3 ]が交
互にオンとなる自励式のスイッチング動作が開始され
る。 【0053】力率改善コンバータ部13に設けられる磁
気結合トランスMCTは、電流共振形コンバータの直列
共振回路を形成する一次巻線N1 と二次巻線Niを磁気
的に密結合して構成される。なお、二次巻線Niは図1
で説明したのと同様の接続形態によって整流出力ライン
に挿入されている。 【0054】そして、上記のようにして構成される力率
改善コンバータ部13においては、上述のようにして電
流共振形コンバータのスイッチング動作が行われること
で、磁気結合トランスMCTの一次巻線N1 にスイッチ
ング出力が供給され、磁気結合トランスMCTにおいて
はその磁気結合を介して、スイッチング電圧が二次巻線
Niに励起されることになる。これにより、本実施の形
態においても以降は図1にて説明したと同様の作用によ
って力率改善が図られることにる。 【0055】この図に示す制御回路2は、整流平滑電圧
Eiのレベルに応じて可変される直流電流を制御巻線N
C に供給する増幅器として構成され、例えば先の各実施
の形態に示した、トランジスタQ10を備えて形成される
増幅回路に準ずる構成により形成されればよい。従っ
て、本実施の形態においても例えば図1に示したドライ
ブトランスPRTと同様にして、交流入力電圧レベルに
応じてスイッチング周波数が可変制御され、交流入力電
圧の変化に対して力率を一定に保つように構成される。 【0056】本実施の形態の場合には4本のスイッチン
グ素子を備えて力率改善コンバータ部13が構成される
ことになるが、例えば図8に示すアクティブフィルタ回
路20が同程度の負荷電力等の条件に対応するように構
成されたものと比較した場合には、本実施の形態のほう
が電力変換効率、及びスイッチングノイズの低減に伴う
部品の削減及び小型化が図られることになる。 【0057】なお、上記各実施の形態に示すスイッチン
グ電源部1としては、PWM方式によるフライバックコ
ンバータあるいはフォワードコンバータ等のほか、RC
C(リンギングチョークコンバータ)をはじめとする他
の方式による各種タイプのスイッチングコンバータが用
いられても構わないことはいうまでもないが、スイッチ
ング動作の電流波形もしくは電圧波形が矩形波となるス
イッチングコンバータが接続される場合に適用して好適
とされる。また、先に本出願人により上記各実施の形態
に示す回路構成以外で、電流共振形コンバータのスイッ
チング出力を整流電流経路に帰還することにより力率改
善を図るスイッチング電源回路が各種提案されている
が、これらの発明の構成を本発明の力率改善コンバータ
回路の構成として適用することも可能とされる。 【0058】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、自励式に
よる電流共振形コンバータのスイッチング出力を整流経
路に帰還して力率改善を図るようにされた力率改善コン
バータ回路とすることで、例えばアクティブフィルタに
よって力率改善を図る場合よりも電力変換効率が向上さ
れるという効果を有している。この際、本発明では電流
共振形コンバータのスイッチング周波数を制御すること
によって、交流入力電圧の変化に対して力率が一定に保
つようにされ、例えばAC100V系〜AC200V系
の範囲で適正な力率を得ることが可能となる。また、電
流共振形コンバータはアクティブフィルタよりも簡略な
回路構成により形成可能であると共に、電流共振形の動
作ではスイッチングノイズが大幅に低減されてノイズフ
ィルタを強化する必要もなくなることから、大幅に力率
改善コンバータ回路基板及び電源回路サイズの小型/軽
量化を促進することが可能となり、それだけコストも抑
えられることになる。また、力率改善コンバータ回路と
して電流共振形コンバータが用いられることで、交流入
力電圧レベルにほぼ対応した直流出力電圧(整流平滑電
圧)を生成するため、特にAC100V系に対応する場
合には、後段のスイッチング電源の再設計を行う必要が
なくなり、これによっても低コスト化や製品管理の点で
有利となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態としての力率改善コンバ
ータ回路を備えたスイッチング電源回路の構成を示す回
路図である。 【図2】本実施の形態の力率改善コンバータ回路の要部
の動作(AC100V時)を示す波形図である。 【図3】本実施の形態の力率改善コンバータ回路の要部
の動作(AC200V時)を示す波形図である。 【図4】本実施の形態の力率改善コンバータ回路の交流
入力電圧に対する力率特性を示す波形図である。 【図5】他の実施の形態としての力率改善コンバータ回
路を備えたスイッチング電源回路の構成を示す回路図で
ある。 【図6】更に他の実施の形態としての力率改善コンバー
タ回路を備えたスイッチング電源回路の構成を示す回路
図である。 【図7】更に他の実施の形態としての力率改善コンバー
タ回路を備えたスイッチング電源回路の構成を示す回路
図である。 【図8】従来例としての力率改善コンバータ回路を備え
たスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。 【符号の説明】 1 スイッチング電源部 2 制御回路 10,11,12,13 力率改善コンバータ回路 D1 ブリッジ整流回路 D2 高速リカバリ型ダイオード Ci 平滑コンデンサ CVT ドライブトランス PRT 直交型のドライブトランス、制御トランス Q1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 スイッチング素子 C1 直列共振コンデンサ N1 一次巻線 MCT 磁気結合トランス Ni 二次巻線 CH チョークコイル LN フィルタチョークコイル CN フィルタコンデンサ C2 共振用コンデンサ NC 制御巻線 NR 被制御巻線

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 平滑回路から出力される整流平滑電圧を
    動作電源としてスイッチング動作を行い、そのスイッチ
    ング出力を直列共振コンデンサ及び直列共振巻線のイン
    ダクタンスにより形成される直列共振回路に供給するよ
    うにされる電流共振形スイッチングコンバータと、 上記直列共振回路から整流電流経路に対して帰還された
    スイッチング出力に基づいて力率改善を図るようにされ
    た力率改善手段と、 交流入力電圧レベルに対して、力率がほぼ一定となるよ
    うに制御を行う力率制御手段を備えて構成されているこ
    とを特徴とする力率改善コンバータ回路。 【請求項2】 上記電流共振形スイッチングコンバータ
    は、スイッチング素子を自励発振によりスイッチング駆
    動する自励発振回路を備えた、自励式とされていること
    を特徴とする請求項1に記載の力率改善コンバータ回
    路。 【請求項3】 上記力率改善手段は、 整流回路の出力に対して設けられるフィルタチョークコ
    イル及びフィルタコンデンサからなるノーマルモードの
    ローパスフィルタと、 整流回路の整流電流経路に直列に挿入される高速リカバ
    リ型整流素子と、 少なくとも上記直列共振巻線と、整流電流経路に直列に
    挿入される重畳巻線とを磁気的に密結合して形成される
    磁気結合トランスと、 を備えて構成されていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の力率改善コンバータ回路。 【請求項5】 上記重畳巻線に対して並列に共振用コン
    デンサが接続されていることを特徴とする請求項3又は
    請求項4に記載の力率改善コンバータ回路。 【請求項6】 上記力率改善手段は、 整流回路の出力に対して設けられるフィルタチョークコ
    イル及びフィルタコンデンサからなるノーマルモードの
    ローパスフィルタと、 整流回路の整流電流経路に直列に挿入される高速リカバ
    リ型整流素子とを備え、 整流電流経路に対して上記直列共振回路を接続して構成
    されていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記
    載の力率改善コンバータ回路。 【請求項7】 上記高速リカバリ型整流素子に対して並
    列に共振用コンデンサが接続されていることを特徴とす
    る請求項6に記載の力率改善コンバータ回路。 【請求項8】 上記力率制御手段は、交流入力電圧レベ
    ルの変化に応じて上記電流共振形コンバータのスイッチ
    ング周波数を可変するスイッチング周波数可変回路とし
    て構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    7の何れかに記載の力率改善コンバータ回路。 【請求項9】 上記スイッチング周波数可変回路は、自
    励式電流共振形コンバータの自励発振回路を形成する駆
    動巻線に対して、その巻回方向が直交するように制御巻
    線が巻装されて形成される直交型トランスを備え、 上記制御巻線に対して交流入力電圧レベルに応じてその
    レベルが可変される制御電流を供給するように構成され
    ていることを特徴とする請求項8に記載の力率改善コン
    バータ回路 【請求項10】 上記力率制御手段は、上記共振用コン
    デンサと直列に接続される巻線を被制御巻線として、該
    被制御巻線に対してその巻回方向が直交するように制御
    巻線が巻回された直交型トランスを備え、 交流入力電圧レベルの変化に応じて、上記制御巻線に供
    給すべき制御電流のレベルを可変することにより、上記
    共振用コンデンサにより形成される並列共振回路の共振
    周波数を可変するように構成されていることを特徴とす
    る請求項7に記載の力率改善コンバータ回路。 【請求項11】 上記電流共振形スイッチングコンバー
    タは、2石のスイッチング素子をハーフブリッジ結合し
    て形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    10の何れかに記載の力率改善コンバータ回路。 【請求項12】 上記電流共振形スイッチングコンバー
    タは、4石のスイッチング素子をフルリッジ結合して形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10
    の何れかに記載の力率改善コンバータ回路。
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Cited By (3)

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