JP4533477B2 - スイッチングレギュレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電源から直流電力を得るための直流電源装置に関し、さらに詳しく言えば、入力する交流電流の導通角を広くして力率を改善したスイッチングレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の直流電源としてスイッチングレギュレータのような直流電源装置が多用されるようになってきた。一般に、このような直流電源装置は、交流電源から入力する交流電力を、ダイオードブリッジなどの全波整流回路によって整流したのち、平滑回路によって平滑する。
【0003】
初段に平滑コンデンサを用いた平滑回路、すなわちコンデンサ入力型平滑回路は、出力電圧に含まれるリップル電圧を小さくするために、平滑コンデンサの容量を大きくする必要があるが、容量をあまり大きくすると、平滑コンデンサに流入する電流のピーク値が大きくなって力率が低下するとともに、充放電電流と内部損失とによって発熱し、その寿命を短くする。さらに、無効電力が大きいために入力電流も大きくなり、スイッチング周波数及びその高調波によるノイズが大きくなるから、直流電源装置ばかりでなく交流電源を共用する他の機器にも悪影響を及ぼすという問題がある。そのため、大容量のノイズフィルタ回路を付加するなどの対策が必要になる。
【0004】
このような力率の低下に起因する種々の問題に対処するために、チョーク入力型平滑回路を用いて力率を改善することが知られている。
図5は、一般的なチョーク入力型平滑回路を用い、オン−オフ方式のDC−DCコンバータを備えたスイッチングレギュレータの構成例を示す回路図である。この図に示すスイッチングレギュレータは、ダイオードブリッジ22と、チョーク入力型の平滑回路23と、オン−オフ方式のDC−DCコンバータ24とによって構成され、DC−DCコンバータ24の出力端子24c,24dに接続される図示しない負荷に2次直流電力が供給される。
【0005】
図5において、交流電源21からの交流電力がダイオードブリッジ22の入力端子22a,22b間に入力され、その正負の出力端子22c,22d間から全波整流された脈流波形の直流電力が出力される。
【0006】
ダイオードブリッジ22の正の出力端子22cにはチョークコイルCH2の一端が、その他端には平滑コンデンサC21の正の端子が、該平滑コンデンサC21の負の端子はダイオードブリッジ22の負の出力端子22dにそれぞれ接続されている。これらのチョークコイルCH2と平滑コンデンサC21とによってチョーク入力型の平滑回路23が構成されている。
【0007】
ダイオードブリッジ22からコンデンサC21への充電電流は、チョークコイルCH2のインダクタンスの値に応じてピーク値が抑えられると共に、充電電流が流れる時間すなわち導通角が広くなる。したがって、コンデンサC21に流れる充電電流がチョークコイルCH2によっても平滑され、力率が改善される。
【0008】
通常、このようなチョーク入力型の平滑回路を用いたスイッチングレギュレータでは、商用電源又はその2倍の周波数で使用されるから(図5の例は、2倍の周波数で使用される)、チョークコイルCH2は数mH以上の大きなインダクタンスを必要とし、形状が大きくなって重量が重くなり、小型の民生用電子機器にはあまり使用されていないのが現状である。
【0009】
さらに、大きなインダクタンスのためにコイルの巻数が多くなり、巻線の抵抗によるライン間の電圧降下が大きい。また、電流の位相の遅れが、逆に力率を低下させる原因となっていた。このように、チョーク入力型の平滑回路は、力率を改善する反面、大型化,高価格化する欠点を有している。
【0010】
このような不具合を解決すべく、本願出願人は、特開平9−140129号公報に記載のスイッチングレギュレータを先に提案している。
図6は、上記公報に記載のスイッチングレギュレータを示す回路図である。
【0011】
図6に示したスイッチングレギュレータは、全波整流回路であるダイオードブリッジ22と、平滑部33と、オン−オフ方式のDC−DCコンバータ34とにより構成されている。
【0012】
平滑部33は、DC−DCコンバータ34のトランス6の1次巻線Npとスイッチング素子であるトランジスタ(又はFET)Qとが接続点Zで接続された直列回路に、第1のダイオードであるダイオードD1と該ダイオードD1を介して放電する平滑コンデンサC31とが接続点Yで接続された直列回路が、接続点X,X′で並列に接続され、接続点Zと接続点Yとの間に電流がZからYに流れて平滑コンデンサC31を充電する第2のダイオードD2が接続され、接続点X,X′がそれぞれダイオードブリッジ22の正負の出力端子22c,22dと結ばれて構成されている。
【0013】
DC−DCコンバータ34はオン−オフ方式であるから、トランス6の1次巻線Npと2次巻線Nsとは、黒ドットで図示したように、コアに対して互いに逆方向に巻かれている。したがって、トランジスタQがオンの時に1次巻線Npに1次直流電力の電流が流れるが、整流ダイオードD5に阻止されて2次巻線Nsに電流が流れないから、1次巻線Npに流れる電流はトランス6を励起する(磁気エネルギとして蓄積される)。
【0014】
トランジスタQがオフになると、1次巻線Np,2次巻線Nsの極性がそれぞれ反転するから、トランス6に蓄積された磁気エネルギは電流に再変換され、その一部は2次整流平滑回路の整流ダイオードD5を通って平滑コンデンサC2を充電する。平滑コンデンサC2を充電して平滑化された2次直流電力は、正負の出力端子34c,34dに接続された図示しない負荷に出力される。
【0015】
交流電源21からの交流電力はダイオードブリッジ22の入力端子22a,22b間に入力され、その正負の出力端子22c,22d間からは全波整流された脈流(正弦波の絶対値の)波形の1次直流電力が出力される。交流電源オンの直後はスイッチング制御回路5が作動しないから、トランジスタQはオフのままであり、1次直流電力はトランス6の1次巻線Np,第2のダイオードD2を介して平滑コンデンサC31を充電し、平滑コンデンサC31の端子間電圧が或る程度上ってから、スイッチングが開始される。
【0016】
スイッチング開始後は、−ラインを基準の0V、ダイオードブリッジ22の出力電圧の瞬時値をVi、平滑コンデンサC31の端子間電圧をVcとして、DC−DCコンバータ34のトランジスタQがオンの時にトランス6の1次巻線Npに流れる電流は、ViがVcより高ければ交流電源21からダイオードブリッジ22を介して入力し、ViがVcより低ければ平滑コンデンサC31からダイオードD1を介して供給されて、それぞれトランス6を励起する。
【0017】
この時に、ダイオードブリッジ22の瞬時値Viが平滑コンデンサC31の端子間電圧Vcより高くても、ダイオードD1が作用してダイオードブリッジ22から平滑コンデンサC31を直接に充電することはなく、ViがVcより低くても平滑コンデンサC31の放電電流がダイオードブリッジ22に逆流する恐れもない。また、トランジスタQがオンであるから接続点Zの電圧は0Vになっているが、ダイオードD2が作用して平滑コンデンサC31の両端子間のショートは防止される。
【0018】
トランジスタQがオフになると、1次巻線Np,2次巻線Nsにそれぞれ逆起電力が発生して、各巻線の黒ドットが付されていない側の端子が正になり、トランス6に蓄積された磁気エネルギが再変換された電流の一部は、2次巻線Nsから2次整流平滑回路に流れ、整流ダイオード5を介して平滑コンデンサC2を充電する。
【0019】
再変換された電流の他の一部は、ダイオードブリッジ22の瞬時値Viが平滑コンデンサC31の端子間電圧Vcより高い時はいうまでもなく、ViがVcより低い場合でも、Viと1次巻線Npの逆起電力との和がVcを超えていれば、ダイオードD2を介して平滑コンデンサC31を充電する。いずれの場合も、平滑コンデンサC31を充電する再変換された電流と同じ電流値の電流が、ダイオードブリッジ22を介して交流電源21から入力する。
【0020】
すなわち、交流電源21から入力する交流電力の電圧の最大値が、平滑コンデンサC31の端子間電圧Vcより低い期間中であっても、1次巻線Npに発生した逆起電力が加わった電圧がVcを超えていれば、交流電源21から交流電流が入力するから、その導通角は広くなり、ピーク電流が抑えられて交流電源21への悪影響がなくなると共に、力率が大幅に改善される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す構成のスイッチングレギュレータにおいても、1次巻線Npの逆起電力(磁気エネルギー)を充分に大きくするためにはトランス6の大型化が避けられないという問題がある。
【0022】
また、平滑コンデンサC31に充電する電流が急峻であるために、平滑コンデンサC31における発熱の問題、あるいは許容リップル電流値の大きい、すなわち大容量のコンデンサが必要になるという問題もある。
【0023】
本発明は、従来の直流電源装置における上述の問題を解決し、大型化・高価格化することなく、素子の信頼性を向上させ、入力電流の導通角を広げてピーク電流を抑え、力率を改善することのできるスイッチングレギュレータを提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明により、交流電源から入力する交流電力を1次直流電力に変換する全波整流回路と、前記1次直流電力をスイッチング素子と高周波用のトランスの1次巻線の直列回路に入力してスイッチングすることにより2次直流電力に変換して出力するオン−オフ方式のDC−DCコンバータを有し、前記DC−DCコンバータの出力電圧を検出して、該検出電圧が予め設定した電圧になるように前記スイッチング素子のオン/オフを制御するスイッチング制御手段を設けたスイッチングレギュレータにおいて、前記DC−DCコンバータのスイッチング素子とトランスの1次巻線の直列回路に並列に、平滑コンデンサと該平滑コンデンサを放電させる向きに接続した第1のダイオードの直列回路を接続し、前記平滑コンデンサと前記第1のダイオードの接続点と、前記スイッチング素子と前記トランスの1次巻線の接続点との間に、前記平滑コンデンサを充電する向きに第2のダイオードと平滑インダクタとを接続するとともに、前記平滑インダクタを転流する第3のダイオードを、前記スイッチング素子とトランスの1次巻線の接続点と前記平滑インダクタの間から前記平滑コンデンサの負端子間に、当該ダイオードのアノードを前記平滑コンデンサの負端子側に接続し、前記平滑コンデンサと前記第1のダイオードからなる直列回路の前記第1のダイオードのカソード側に第2の平滑インダクタを設けたことを提案する。
【0025】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記第3のダイオードのカソードを、前記第2のダイオードと平滑インダクタ間に接続したことを提案する。
【0026】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記第3のダイオードのカソードを、前記スイッチング素子とトランスの1次巻線の接続点と、第2のダイオード間に接続したことを提案する。
【0027】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記第3のダイオードが前記スイッチング素子のボディダイオードであることを提案する。
【0028】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記平滑インダクタと前記第2の平滑インダクタが同じコアに巻かれたことを提案する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るスイッチングレギュレータの一例を示す回路図である。
【0030】
図1に示したスイッチングレギュレータは、全波整流回路であるダイオードブリッジ2と、オン−オフ方式のDC−DCコンバータ4と、その両者の間に設けられて力率を改善する作用を有する平滑部3とにより構成されている。
【0031】
平滑部3は、DC−DCコンバータ4のトランス6の1次巻線Npとスイッチング素子であるトランジスタ(又はFET)Qとが接続点Zで接続された直列回路に、第1のダイオードであるダイオードD1と該ダイオードD1を介して放電する平滑コンデンサC1とが接続点Yで接続された直列回路が、接続点X,X′で並列に接続されている。また、接続点Zと接続点Yとの間に、電流がZからYに流れて平滑コンデンサC1を充電する第2のダイオードD2と平滑インダクタであるチョークコイルCHとが直列に接続されている。さらに、ダイオードD2とチョークコイルCHの接続点から、チョークコイルCHを転流する第3のダイオード(転流ダイオード)D3が平滑コンデンサC1の負端子間に接続されている。転流ダイオードD3の接続の向きは、カソードをダイオードD2とチョークコイルCHの接続点に、アノードを平滑コンデンサC1の負端子に接続する向きである。そして、接続点X,X′がそれぞれダイオードブリッジ2の正負の出力端子2c,2dと結ばれて構成されている。
【0032】
DC−DCコンバータ4は、その1次巻線NpとトランジスタQとの直列回路に接続点,X,X′から1次直流電力が入力する高周波用のトランス6と、トランス6の2次巻線Nsに誘起される2次交流電力を整流平滑して2次直流電力に変換し、図示しない負荷に出力する2次整流平滑回路を構成する整流ダイオードD5,平滑コンデンサC2と、駆動パルスをトランジスタQに出力してそのオン・オフを制御するスイッチング制御回路(SWC)5とにより構成されている。
【0033】
DC−DCコンバータ4はオン−オフ方式であるから、トランス6の1次巻線Npと2次巻線Nsとは、黒ドットで図示したように、コアに対して互いに逆方向に巻かれている。したがって、トランジスタQがオンの時に1次巻線Npに1次直流電力の電流が流れるが、整流ダイオードD5に阻止されて2次巻線Nsに電流が流れないから、1次巻線Npに流れる電流はトランス6を励起する(磁気エネルギとして蓄積される)。
【0034】
トランジスタQがオフになると、1次巻線Np,2次巻線Nsの極性がそれぞれ反転するから、トランス6に蓄積された磁気エネルギは電流に再変換され、その一部は2次整流平滑回路の整流ダイオードD5を通って平滑コンデンサC2を充電する。平滑コンデンサC2を充電して平滑化された2次直流電力は、正負の出力端子4c,4dに接続された図示しない負荷に出力される。
【0035】
スイッチング制御回路5は、出力端子4c,4d間の出力電圧を検出し、その検出電圧が予め設定した電圧より低ければ駆動パルスのデューティ比を上げ、高ければデューティ比を下げるようにしてトランジスタQのオン・オフを制御するから、DC−DCコンバータ4の出力電圧は予め設定した電圧に保持される。
【0036】
図1において、交流電源1からの交流電力はダイオードブリッジ2の入力端子2a,2b間に入力され、その正負の出力端子2c,2d間からは全波整流された脈流(正弦波の絶対値の)波形の1次直流電力が出力される。交流電源オンの直後はスイッチング制御回路5が作動しないから、トランジスタQはオフのままであり、1次直流電力はトランス6の1次巻線Np,第2のダイオードD2及びチョークコイルCHを介して平滑コンデンサC1を充電し、平滑コンデンサC1の端子間電圧が或る程度上ってから、スイッチングが開始される。
【0037】
スイッチング開始後は、−ラインを基準の0V、ダイオードブリッジ2の出力電圧の瞬時値をVi、平滑コンデンサC1の端子間電圧をVcとして、DC−DCコンバータ4のトランジスタQがオンの時にトランス6の1次巻線Npに流れる電流は、ViがVcより高ければ交流電源1からダイオードブリッジ2を介して入力し、ViがVcより低ければ平滑コンデンサC1からダイオードD1を介して供給されて、それぞれトランス6を励起する。
【0038】
この時に、ダイオードブリッジ2の瞬時値Viが平滑コンデンサC1の端子間電圧Vcより高くても、ダイオードD1が作用してダイオードブリッジ2から平滑コンデンサC1を直接に充電することはなく、ViがVcより低くても平滑コンデンサC1の放電電流がダイオードブリッジ2に逆流する恐れもない。また、トランジスタQがオンであるから接続点Zの電圧は0Vになっているが、ダイオードD2が作用して平滑コンデンサC1の両端子間のショートは防止される。
【0039】
トランジスタQがオフになると、1次巻線Np,2次巻線Nsにそれぞれ逆起電力が発生して、各巻線の黒ドットが付されていない側の端子が正になり、トランス6に蓄積された磁気エネルギが再変換された電流の一部は、2次巻線Nsから2次整流平滑回路に流れ、整流ダイオード5を介して平滑コンデンサC2を充電する。
【0040】
再変換された電流の他の一部は、ダイオードブリッジ2の瞬時値Viが平滑コンデンサC1の端子間電圧Vcより高い時はいうまでもなく、ViがVcより低い場合でも、Viと1次巻線Npの逆起電力との和がVcを超えていれば、ダイオードD2及びチョークコイルCHを介して平滑コンデンサC1を充電する。いずれの場合も、平滑コンデンサC1を充電する再変換された電流と同じ電流値の電流が、ダイオードブリッジ2を介して交流電源1から入力する。
【0041】
ところで、図6に示す従来例の場合、トランス6の1次巻線Npのインダクタンス値と、トランジスタQがターン・オフした時に平滑コンデンサC31に流れ込む充電電流が急峻なこととから、平滑コンデンサC31がすぐに充電されてしまい、そのため入力電流の導通時間が短くなり、(入力から見た)力率の低下があると同時に、急峻な電流が平滑コンデンサC31の寿命を低下させていた。
【0042】
このような問題に対し、1次巻線Npのフライバックエネルギーの大きい、つまりある程度の負荷をとっても降下しない、充分なインダクタンスとすることにより、急峻な電流を制限することで改善はできる。しかし、この場合、トランスの大型化、あるいはフライバックエネルギー増大による伝導ノイズ・不要ふく射ノイズといった好ましくない成分により使用機器に悪影響を及ぼし誤作動を招くなどの不具合がある。また、当然、機器の大型化・高価格化を招く結果となる。
【0043】
そこで、本実施形態では、まず、ダイオードD2に直列にチョークコイルCHを設けることにより、ダイオードD2を流れる急峻な電流をチョークコイルCHで制限し、チョークコイルCHを磁化して平滑コンデンサC1を充電する(コンデンサC1の充電時間を長くして充電する)ようにしている。それと共に、ダイオードD2とチョークコイルCHの接続点から平滑コンデンサC1の負端子間に転流ダイオードD3を設けることにより、スイッチング素子Qがターン・オンしても、転流ダイオードD3を通してチョークコイルCHから平滑コンデンサC1を充電するように電流が流れ続けるようにしている。
【0044】
このように、本発明によるスイッチングレギュレータによれば、チョークコイルCH及び転流ダイオードD3を設けたことにより、入力電流の導通角を広げてピーク電流を抑え、力率を改善することができる。また、平滑コンデンサC1に大容量なものを必要とせず、コンデンサの寿命を低下させることもない。さらに、トランス6も大型化しないことから、フライバックエネルギー増大による伝導ノイズ・不要ふく射ノイズの発生を防ぎ、接続機器・周辺機器の誤作動を招くこともない。
【0045】
図2は、本実施形態の作用を説明するための、最大電力時における電流スペクトラムを示すグラフであり、測定条件及び1/1フレームの測定値は次の表1のとおりである。また、表2は、図2のグラフにおける高調波電流データである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
この図2及び表1,2から判るように、本実施形態のスイッチングレギュレータによれば、力率:0.782を得ることができ、この値は従来品と比べて数%(3〜4%)程度の改善となっている。
【0049】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態を示すもので、この図に示す回路では、接続点ZとダイオードD2の間から平滑コンデンサC1の負端子間に転流ダイオードD3を設けている。すなわち、ダイオードD3のカソードを接続点ZとダイオードD2の間に接続し、ダイオードD3のアノードは、図1の例と同様、スイッチング素子Qと平滑コンデンサC1の負端子間に接続されている。転流ダイオードD3を図3に示すように接続した場合の作用・効果は図1の場合と同様である。
【0050】
なお、この実施形態においては、スイッチング素子QがMOS・FETであれば、転流ダイオードD3としてボディー・ダイオードを利用することができる。ボディー・ダイオードはMOS・FETのもつ特性であり、これにより、ボディー・ダイオード(図では転流ダイオードD3)を通してチョークコイルCHから平滑コンデンサC1を充電するように電流が流れ続けるようにしている。
【0051】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図4の回路図に示すように、この実施形態では接続点Xと第1のダイオードD1間に第2のチョークコイルCH1を設けている。これ以外の構成は図3に示した前記実施形態と同様である。
【0052】
図4に示す回路において、X−X′間電圧がY−X′間より低くなった時に第1のダイオードD1を通して電流が流れるが、その際、第2のチョークコイルCH1を設けたことによりトランス6の1次巻線Npに流れる電流を制限し、トランスが飽和しにくいコンバータ(DC−DCコンバータ4)を構成することができる。
【0053】
第2のチョークコイルCH1を設けた目的はトランス6の安定動作であり、本実施形態のスイッチングレギュレータでは、入力100V,出力24V,4Aにおいて、トランス6のNp:140μH,チョークコイルCH:220μH,平滑コンデンサC1:220μFとすると、力率79%を得ることができ、従来より2〜4%の改善となった。
【0054】
なお、第2のチョークコイルCH1は、第1のチョークコイルCHのコアに巻装したインダクタとする(CH1とCHを同一のコアに巻く)こともできる。この場合、両チョークコイルのコアを共有にして、コスト削減を図ることができる。
【0055】
また、第2のチョークコイルCH1を配置する位置は、X−Y間であればどこでも良く、例えば、ダイオードD1のアノード側(図4において、D1の下側)に第2のチョークコイルCH1を配置することもできる。
【0056】
また、図1及び図3に示した各実施形態においても、第2のチョークコイルCH1を、ダイオードD1のアノード側又はカソード側に設けることもできる。その場合も、両チョークコイルのコアを共有にすることが可能である。
【0057】
なお、実際の製品では、X−X′間の回路ループ内には保護回路用検出素子(抵抗、インダクタ、トランスなど)が配置されるが、図の煩雑を避けるため、上記説明した各実施形態の図には省略されている。この保護回路用検出素子は、DC−DCコンバータ4のスイッチング素子Qを保護するためのものである。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスイッチングレギュレータによれば、入力電流の導通角を広げてピーク電流を抑え、力率を改善することができる。また、平滑コンデンサに大容量なものを必要とせず、コンデンサの寿命を低下させることもない。さらに、DC−DCコンバータのトランスも大型化せず、フライバックエネルギー増大による伝導ノイズ・不要ふく射ノイズの発生を防ぎ、接続機器・周辺機器の誤作動を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチングレギュレータの一例を示す回路図である。
【図2】そのスイッチングレギュレータにおける最大電力時の電流スペクトラムを示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す回路図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す回路図である。
【図5】従来のスイッチングレギュレータの一例を示す回路図である。
【図6】従来のスイッチングレギュレータの別例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 ダイオードブリッジ(全波整流回路)
3,3a,3b 平滑部
4 DC−DCコンバータ
5 スイッチング制御回路
6 トランス
C1 平滑コンデンサ
CH チョークコイル(平滑インダクタ)
CH1 第2のチョークコイル(平滑インダクタ)
D1 第1のダイオード
D2 第2のダイオード
D3 第3のダイオード(転流ダイオード)
Np 1次巻線
Ns 2次巻線
Q スイッチング素子
Claims (5)
- 交流電源から入力する交流電力を1次直流電力に変換する全波整流回路と、前記1次直流電力をスイッチング素子と高周波用のトランスの1次巻線の直列回路に入力してスイッチングすることにより2次直流電力に変換して出力するオン−オフ方式のDC−DCコンバータを有し、前記DC−DCコンバータの出力電圧を検出して、該検出電圧が予め設定した電圧になるように前記スイッチング素子のオン/オフを制御するスイッチング制御手段を設けたスイッチングレギュレータにおいて、
前記DC−DCコンバータのスイッチング素子とトランスの1次巻線の直列回路に並列に、平滑コンデンサと該平滑コンデンサを放電させる向きに接続した第1のダイオードの直列回路を接続し、
前記平滑コンデンサと前記第1のダイオードの接続点と、前記スイッチング素子と前記トランスの1次巻線の接続点との間に、前記平滑コンデンサを充電する向きに第2のダイオードと平滑インダクタとを接続するとともに、
前記平滑インダクタを転流する第3のダイオードを、前記スイッチング素子とトランスの1次巻線の接続点と前記平滑インダクタの間から前記平滑コンデンサの負端子間に、当該ダイオードのアノードを前記平滑コンデンサの負端子側に接続し、
前記直列回路の前記第1のダイオードのカソード側に第2の平滑インダクタを設けたことを特徴とするスイッチングレギュレータ。 - 前記第3のダイオードのカソードを、前記第2のダイオードと平滑インダクタ間に接続したことを特徴とする、請求項1に記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記第3のダイオードのカソードを、前記スイッチング素子とトランスの1次巻線の接続点と、第2のダイオード間に接続したことを特徴とする、請求項1に記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記第3のダイオードが前記スイッチング素子のボディダイオードであることを特徴とする、請求項3に記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記平滑インダクタと前記第2の平滑インダクタが同じコアに巻かれたことを特徴とする、請求項1に記載のスイッチングレギュレータ。
Priority Applications (1)
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JP21740499A JP4533477B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | スイッチングレギュレータ |
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