JP3570938B2 - 針刺し止栓の製造方法 - Google Patents
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【発明が属する技術分野】
本は発明は、外部から針を内部に刺し込む液体容器に用いられる針刺し止栓の製造方法に関する。特に、医療用薬液を封入した薬液用瓶若しくは袋に注射用、又は点滴用針を刺すことができる熱可塑性合成樹脂弾性体で作られた針刺部分を備えた針刺し止栓の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
注射用薬液を封入したカプセル、点滴用薬液を封入した薬液用瓶、又は薬液用袋は、これらから蓋・止栓を取り外すことなく、内部の薬液を外部に取り出す、又は注入できることが好ましい。そこで蓋・止栓は、これらに注射針、点滴用針を他の薬液と混合するために一時的に抜いても袋、瓶等の内部の液がこぼれず、逆に内部に病院内の空気等の異物が侵入しないように構成されている。このような止栓は、これを量産しそのコストを下げることにより、より多くの人のために使用されることが望まれている。
【0003】
この場合、現在その材料として加硫ゴムが使用されているがこの止栓は、加硫ゴム中の添加物、重合溶媒等が容器内の薬液に溶出する、また欠損ゴムが薬液に混入する等の心配から、熱可塑性合成樹脂弾性体(以下、弾性体をエラストマともいう。)を用いるものが提案されている(特開昭61−247460号公報、特開昭61−37242号公報、特開平61−131746号公報)。
【0004】
また、この熱可塑性合成樹脂エラストマを積層して2層の止栓とする提案もされている(特公平8−2367号公報)。しかしながら、本発明者等が実験した限りにおいては、提案されたものはいずれも加硫ゴムの欠点を補うものではあるが、針を刺して抜いた後の薬液の漏れに対しては、充分な効果を有するものではなく、実用的なレベルに達したものではない。
【0005】
本発明者等は、針刺し止栓の針刺部分に弾性力がゴムに比して低い熱可塑性合成樹脂弾性体を用いても、針を刺して抜いた後も容器内の液体が漏れがない針刺し止栓とその製造方法を提案した(特願平10−313654号)。
【0006】
この方法で射出成形された針刺部分は、止栓本体に外周が囲まれて加圧成形されるので圧縮応力が負荷され内部応力を有した状態である。止栓本体は、針刺部分の体積が膨張する方向に働いているので引張応力が負荷された状態である。針刺部分に圧縮応力が負荷されているので、針を刺して薬液を点滴等の薬液を容器より人体内に排出してもその弾性力で針の外周を締め付けるので容器内の液体が漏れないともいえる。
【0007】
注射用薬液を封入したカプセル、点滴用薬液を封入した薬液用瓶、又は薬液用袋は、通常は射出成形後100度C以上の合成樹脂としては高温度で加熱して滅菌処理される。このとき、針刺部分、止栓本体の材質によって異なるが、滅菌処理の温度によっては前述した内部応力が解消され圧縮永久歪として残る。即ち、弾性力が低下し元に戻らないのである。この結果、僅かだが液漏れが発生することがある。そこで更に研究を進めて本発明者は、滅菌などの加熱処理しても容器内の液体が漏れない針刺し止栓とその製造方法を発明するに至ったものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した諸課題を鑑みて下記のような目的を達成する。
本発明の目的は、射出成形した刺し止栓を加熱処理しても容器内の液体が漏れない針刺し止栓の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段で達成される。
本発明1の針刺し止栓の製造方法は、針を差し込む部分であり熱可塑性合成樹脂弾性体で作られた針刺部分と、前記針刺部分の材料より剛性が高く、前記針を針刺時の応力が外部に伝播することを防止し、前記針刺部分を区画するための外周部分を有した止栓本体とを有する針刺し止栓において、
前記針刺部分が針を刺す方向からの加圧により凸状に偏位して変形するように、略中心部に凹部が形成された針刺し止栓の製造方法であって、
前記針刺部分を射出成形した後、射出成形金型のキャビティに前記針刺部分を載置して、前記凹部に空間である隙間を形成し、前記射出成形金型と前記針刺部分とで区画され前記隙間を除いた前記キャビティに、熱可塑性合成樹脂の溶融樹脂を射出して、前記止栓本体の成形時に前記凹部を前記隙間方向に撓まして成形して前記止栓本体を成形することを特徴としている。
【0014】
前記溶融樹脂の射出圧力は、50MPa以上であることが良い。望ましくは、前記溶融樹脂の射出圧力は、70MPa以上であると良い。前記止栓本体が熱可塑性合成樹脂で構成され、前記止栓本体と前記針刺部分とは前記射出成形金型内で前記熱可塑性合成樹脂の溶融熱で熱融着させると良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]
図1は、本発明による針刺し止栓を点滴用薬液容器に適用したときの実施の形態1を示している。点滴用薬液容器1は、フィルム状のポリエチレン等の透明の多層の合成樹脂で作られた容器2に薬液が入れられている。容器2の上部には開口3が形成されている。この開口3に管状の接続管4の一端が挿入されている。開口3と接続管4とは超音波溶接等の手段で溶着接続されている。接続管4の上端には、針刺し止栓5が挿入され接続されている。接続管4と針刺し止栓5との接続も超音波溶接等の公知の手段で熱融着、接着、又溶着されている。
【0016】
針刺し止栓5は、止栓本体10と、針刺部分11と、外部気密用フィルム12と、内部気密用フィルム13とからなる。外部気密用フィルム12は、針刺部分11と外気が直接接触しないようにするための一種の隔壁である。内部気密用フィルム13は、針刺し止栓5と容器2内の薬液が直接接触しないように、かつ容器の気密を保持するために配置された隔壁のための部材である。内部気密用フィルム13と接続管4との接合には、超音波による熱溶着、接着剤を用いる接着などの公知技術を用いる。
【0017】
針刺し止栓5の針刺部分11と止栓本体10とは、異種の合成樹脂材料が用いられ、針刺部分11は止栓本体10の内部に後記する射出成形方法で成形されている。針刺部分11は、止栓本体10の中心部分に位置している。針刺部分11の端面で外側には、針刺凹部6が形成されこの針刺凹部6は針を刺す部分である。針刺部分11の裏面で針刺凹部6に対向する位置には、円錐凹部7が形成されている。
【0018】
針刺凹部6と円錐凹部7とは、対向しているのでこの部分は肉厚が薄くなっている。従って、針刺凹部6の部分に点滴針等の針を刺すと、針刺し抵抗が少なく円滑に針を刺すことができる。この針刺し止栓5は、後記するインサート異材質射出成形により一体化成形をする。
【0019】
止栓本体10は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ABS樹脂(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)等のエンジニアリング・プラスチックである熱可塑性合成樹脂で作られている。針刺部分11の材料としては、各種熱可塑性合成樹脂弾性体を用いることができる。熱可塑性合成樹脂弾性体としては、エンジニアリング・プラスチックよりも硬度が低いJIS(DURO)のA硬度20〜65度のナイロンエラストマ、ポリウレタン系エラストマ、オレフィン系エラストマ、ポリエステルエラストマ、スチレン系エラストマ等から随意に1種以上から選択し、単独、複合、又は混合して使用する。
【0020】
針刺部分11は、これに針を刺しても刺したその部分の亀裂、裂け目、又は切断による開口から漏れることはない。針を針刺部分11に刺し込むことにより、針の楔作用により、裂け目、又は開口が作られる。この裂け目、又は開口が形成された後、針を刺した状態、又は抜いた状態でこの裂け目、又は開口から容器2内の薬液が漏洩する。
【0021】
この理由は、針の圧入により針刺部分11に永久歪みが、正確には圧縮永久歪みが開口の周囲に形成され弾性的な復元ができないためか、復元しても開口を塞ぐに足りる充分な弾性力を確保できないためであると推定される。針刺部分11に充分な弾性復元力があれば、裂け目、又は開口を塞ぐ弾性圧により塞ぐことができるので、容器2内部の薬液が漏れることはない。
【0022】
この漏れがないように、針刺部分11に物理的特性を付与できれば、良い。このような物理的性質は、次に示す製造工程により付与することができる。
【0023】
[射出成形による製造方法]
図2は、実施の形態1の針刺し止栓5の成形方法に用いる射出成形用金型の部分断面図である。射出成形用金型は、固定側型要素20と可動側型要素21とから形成されている。固定側型要素20にゲート22とこれと連通するランナ23が設けられている。固定側型要素20と可動側型要素21とを閉じた状態で第1キャビティ25が区画形成される。
【0024】
第1キャビティ25には、予め成形された針刺部分11が挿入載置されている。針刺部分11の針刺凹部6には、円筒状のスライドコア24が挿入されている。スライドコア24は、ネジ等でその移動量が調整でき、針刺凹部6内への突出量が調整できる。
【0025】
従って、固定側型要素20、可動側型要素21、針刺部分11との間で第2キャビティ26が区画される。第2キャビティ26は、止栓本体10を形成するための空間である。止栓本体10を成形するには、最初に予め成形された針刺部分11を第1キャビティ25に載置する。第1キャビティ25に載置された針刺部分11の針刺凹部6とスライドコア24の間には、空間である隙間Sが形成されている。隙間Sは、針刺部分11がインサートされる第1キャビティ25である空間と針刺部分11が占める体積の差を意味する。
【0026】
第2キャビティ26に、前述したエンジニアリング・プラスチックスである熱可塑性合成樹脂の溶融樹脂が注入・射出される。この溶融樹脂の射出圧力は、溶融体、半溶融体、又は固形化体の温度降下による自然収縮の容積減少分よりも多い量の容積縮小が行われるような圧力である。具体的には、エンジニアリング・プラスチックスの最適な射出条件とされる通常の射出圧力より大きい圧力で射出する。
【0027】
望ましくは、約1.5倍以上の射出圧力で射出するのが良い。具体的には、ポリプロピレン(PP)で、射出圧力50ないし70MPa以上が良い。望ましくは70MPa以上が良い。このために、針刺部分11は、止栓本体10の内周面、固定側型要素20、可動側型要素21、及びスライドコア24で囲まれた空間である第1キャビティ25内に圧縮されて閉じこめられた状態になる。
【0028】
止栓本体10と針刺部分11とは、射出成形金型内で熱融着されている。止栓本体10を構成する溶融した熱可塑性エンジニアリング・プラスチックスが第2キャビティ26に流入すると、熱可塑性合成樹脂弾性体である針刺部分11の外周の表面を、その溶融熱で溶かし両者を熱融着させる。針刺部分11を針で刺したとき、この部分が切断されて開口しても圧縮された内部応力による弾性復元力でこれを塞ぎ、針の外周にその弾性力で加圧するので、内部の液体が漏れることはない。また、止栓本体10と針刺部分11との境界の熱融着部は、液漏れがない。
【0029】
止栓本体10を構成する溶融樹脂による射出圧力により、外周を締め付けられるように加圧された針刺部分11は、その圧力により体積が圧縮圧力を受け。この圧縮圧力で針刺部分11は変形し、針刺部分11の針刺凹部6とスライドコア24との間の隙間Sを埋める。このために、針刺部分11は、射出成形後に射出成形用金型から取り出されると、僅かであるが弾性変形した量だけ変形したものとなる。図3で示した鎖線のような変形を伴う。
【0030】
この針刺凹部6は、局部的に容易に変形し易い部分となり、特に、この部分は厚さが薄いので針を刺す方向であるA方向に変形しやすいものとなる。針刺凹部6の部分は、一種のダイヤフラムのような状態となる。即ち、A方向から圧力が負荷されると、その方向に凸状に偏位される。結局、針刺凹部6の部分は、加圧されて圧縮された状態でしかも変形し易い部分となる。
【0031】
図4は、本発明の方法で成形された針刺し止栓5に点滴針30を刺したときの状態を示す断面図である。針刺凹部6に点滴針30が刺されると、その圧力で挿入方向に凸状に偏位された状態で点滴針30が突き刺される。このために、針刺凹部6の表面29は、点滴針30の外周を囲むように変形し、点滴針30の外表面と面接触する。
【0032】
従って、針刺凹部6と点滴針30とが接する面積を増大させて、漏れの確率を低下させる。言い換えると、一種の点滴針30をピストンに例えると、針刺凹部6がパッキンのような役割を果たしプランジャーポンプと似たシール構造となる。このために、仮に滅菌処理のために高温で加熱された針刺し止栓5でも液漏れすることはない。
【0033】
液漏れは、点滴針30の挿入時、又は抜くときにも発生することがある。点滴針30の針刺凹部6への挿入は、楔作用による裂け目を発生させているものと推定される。点滴針30の挿入時の液漏れは、針刺し部分が厚いときに容易に点滴針30による裂け目ができず、大きな力で押して破砕限界値越えたときにその部分が裂けるので、この裂け目が必要以上に大きくなりその瞬間に漏れるものと推定される。
【0034】
針刺凹部6が薄いときは、裂けるときの引っ張り限界値が比較的低いので弱い押圧力で破砕できる、裂け目も点滴針30の挿入に必要な最小限の大きさで裂けるので液漏れがないものと推定される。点滴針30を抜くときも、挿入時の裂け目の大きさによって同様の現象を起こすものと推定される。
【0035】
針刺部分11に形成された針刺凹部6は、他の部分より薄く形成されしかも撓みやすく形成されているので、点滴針30等の挿入が容易でしかも撓みやすいので弾性復元力に優れているので、漏れがない。
【0036】
[実施の形態2ないし4]
図5は、実施の形態2の針刺し止栓5の成形方法に用いる射出成形用金型の部分断面図である。射出成形用金型は、固定側型要素20と可動側型要素21とから形成されている。固定側型要素20にゲート22とこれと連通するランナ23が設けられている。固定側型要素20と可動側型要素21とを閉じた状態で第1キャビティ35が区画形成される。この射出成形用金型は、前述した実施の形態1の成形に使用したものと構造的には変わりはない。
【0037】
第1キャビティ35には、予め成形された針刺部分41が挿入載置されている。針刺部分41は、前述した実施の形態1の形状とは形が異なり、厚みがある円筒状のものである。針刺部分41は、第1キャビティ35の上下に隙間S、即ち空間を配して配置されている。この隙間Sの確保のために第1キャビティ35に図に示すように突出する突起を配置する方法が良いが、必ずしもこの突起を配置しなくても後述する機能には問題はない。この状態で第2キャビティ26に、前述したエンジニアリング・プラスチックスである熱可塑性合成樹脂の溶融樹脂が注入・射出される。
【0038】
止栓本体10を構成する溶融樹脂による射出圧力により、外周を締め付けられるように加圧された針刺部分41は、その圧力により体積が圧縮圧力を受け、この圧縮圧力で針刺部分41は変形し、針刺部分41と第1キャビティ35の間の隙間Sを埋める。このために、針刺部分41は、前述した実施の形態1のものと同様に射出成形後に射出成形用金型から取り出されると、僅かであるが弾性変形した量だけ変形したものとなる。
【0039】
図6は、実施の形態3の針刺し止栓5の成形方法に用いる射出成形用金型の部分断面図である。この射出成形用金型は、前述した実施の形態2の成形に使用したものと基本的な構造は変わりはない。第1キャビティ36には、予め成形された針刺部分42が挿入載置されている。
【0040】
針刺部分42は、前述した実施の形態1の形状と類似したものであり、厚みがある円筒状のものである。この中心部分は、厚み方向の表裏には針刺凹部43が形成されている。この針刺凹部43の一方には、第1キャビティ36に突出した突出部37が挿入されているが、針刺凹部43の表裏に隙間S、即ち空間を形成するように配置されている。止栓本体10の射出成形方法は前述したものと実質的に同一なのでその説明は省略する。
【0041】
図7は、実施の形態4の針刺し止栓5の成形方法に用いる射出成形用金型の部分断面図である。実施の形態4の針刺し止栓5は、実施の形態3の形状と類似している構造のものである。この射出成形用金型は、前述した実施の形態3の成形に使用したものと基本的な構造は変わりはない。第1キャビティ38には、予め成形された針刺部分44が挿入載置されている。
【0042】
針刺部分44は、前述した実施の形態6の形状と類似したものであり、厚みがある円筒状のものである。この中心部分は、厚み方向の表裏には針刺凹部45が形成されている。この針刺凹部45の一方には、第1キャビティ38に突出した突出部39が挿入されているが、針刺凹部45の表裏に隙間S’、即ち空間を形成するように配置されている。更に、針刺部分44の表裏面にも隙間Sが形成されている。止栓本体10の射出成形方法は前述したものと実質的に同一なのでその説明は省略する。
【0043】
[その他の実施の形態]
前述した発明実施の形態では、射出成形により針刺部分11が凸状に偏位するものであったが、予め凸状に偏位したものを用いても良い。実質的には、同様の効果を得ることができる。
【0044】
【実施例】
前記実施の形態で針刺部分11には、スチレン系エラストマ(三菱化学株式会社、ラバロン(登録商標)MJ4300C、を使用し、止栓本体10はポリプロピレン(PP)を使用した。成形条件とキャビティ内の状態は以下の様である。
【0045】
【表1】
【0046】
この表1の成形条件で実施例1ないし3に示す針刺部分11を射出成形した。図8は、実施例1ないし3、この比較例の針刺し止栓の液漏れテストの結果である。実施例1ないし3の針刺し止栓は、概略前述した実施の形態2ないし4に対応する形状を備えたものであり、比較例は射出成形時に、針刺部分をインサートするキャビティに隙間を配置しないときのものである。
【0047】
図8に示す液漏れテストは、直径4mmの点滴用のプラスチックス針を刺して、常温下で30分放置後、その針を抜いた後の漏れを目視により判定したものである。特に、実施例2及び3は、中心部に針刺凹部を形成したものであり、この部分の厚みの変化により効果的に液漏れを防ぐことができた。
【0048】
【発明の効果】
本発明による針刺し止栓の製造方法は、針を刺す針刺部分が針を刺したとき撓むので、高温で滅菌処理されても、針を刺したとき、又は抜いた後でも容器内から液漏れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の針刺し止栓を点滴用薬液容器に適用したときの断面図である。
【図2】図2は、針刺し止栓を射出成形で成形する工程を示す断面図である。
【図3】図3は、針刺し止栓の断面図である。
【図4】図4は、針刺し止栓に点滴針を刺した状態を示す断面図である。
【図5】図5は、実施の形態2の針刺し止栓の成形方法に用いる射出成形用金型の部分断面図である。
【図6】図6は、実施の形態3の針刺し止栓の成形方法に用いる射出成形用金型の部分断面図である。
【図7】図7は、実施の形態4の針刺し止栓の成形方法に用いる射出成形用金型の部分断面図である。
【図8】図8は、実施例1ないし3、及びこれらの比較例の針刺し止栓の液漏れテストの結果である。
【符号の説明】
1…点滴用薬液容器
2…容器
4…接続管
5…針刺し止栓
6,43,45…針刺凹部
11,41,42,44…針刺部分
20…固定側型要素
21…可動側型要素
24…スライドコア
25…第1キャビティー
26,35,36,38…第2キャビティー
Claims (4)
- 針を差し込む部分であり熱可塑性合成樹脂弾性体で作られた針刺部分と、
前記針刺部分の材料より剛性が高く、前記針を針刺時の応力が外部に伝播することを防止し、前記針刺部分を区画するための外周部分を有した止栓本体と
を有する針刺し止栓において、
前記針刺部分が針を刺す方向からの加圧により凸状に偏位して変形するように、略中心部に凹部が形成された
針刺し止栓の製造方法であって、
前記針刺部分を射出成形した後、
射出成形金型のキャビティに前記針刺部分を載置して、前記凹部に空間である隙間を形成し、
前記射出成形金型と前記針刺部分とで区画され前記隙間を除いた前記キャビティに、熱可塑性合成樹脂の溶融樹脂を射出して、
前記止栓本体の成形時に前記凹部を前記隙間方向に撓まして成形して前記止栓本体を成形する
ことを特徴とする針刺し止栓の製造方法。 - 請求項1に記載の針刺し止栓の製造方法であって、
前記溶融樹脂の射出圧力は、50MPa以上である
ことを特徴とする針刺し止栓の製造方法。 - 請求項1に記載の針刺し止栓の製造方法であって、
前記溶融樹脂の射出圧力は、70MPa以上である
ことを特徴とする針刺し止栓の製造方法。 - 請求項1に記載の針刺し止栓の製造方法であって、
前記止栓本体が熱可塑性合成樹脂で構成され、前記止栓本体と前記針刺部分とは前記射出成形金型内で前記熱可塑性合成樹脂弾性体の溶融熱で熱融着させる
ことを特徴とする針刺し止栓の製造方法。
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