JPH082367B2 - 注射剤用止栓 - Google Patents

注射剤用止栓

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JPH082367B2
JPH082367B2 JP5126601A JP12660193A JPH082367B2 JP H082367 B2 JPH082367 B2 JP H082367B2 JP 5126601 A JP5126601 A JP 5126601A JP 12660193 A JP12660193 A JP 12660193A JP H082367 B2 JPH082367 B2 JP H082367B2
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stopper
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needle
injection
rubber
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勝 塩谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬液通出用針の抜き取
り箇所から前記薬液が滲み出したり、これ落ちるのを抑
制するための内部空間を有する注射剤用止栓に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の止栓は、リンゲル液等の輸液や
凍結乾燥製剤などの注射剤用容器の口部に前記注射剤を
密封するために使用される。前記止栓は、薬液通出用針
を刺入して薬液を通出する際にその止栓材料の屑等によ
り前記針の穴が詰まったり、前記針を抜き取った際に前
記容器内の薬液が針の抜き取り箇所から漏れないことが
必要である。
【0003】従来の注射剤用止栓は、主にブチル系ゴ
ム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の加
硫ゴムにより形成されている。しかしながら、前記加硫
ゴムからなる止栓は加硫ゴム中に残留した重合溶媒、添
加物等が経時的に容器内の薬液に溶出する問題や、止栓
の製造時に医療衛生の点から原料の厳選、加硫工程の制
御および製品の洗浄等、非常に煩雑な操作を必要とする
問題があった。また、前記止栓の成形材料の流れ性が劣
ることから必要な止栓構造の自由な設計が大きく制約さ
れる問題があった。さらに、針刺入の抵抗が大きいため
に作業性に難があったり、ゴムの一部が欠損する、いわ
ゆるコアリング現象が起こり、薬液中に欠損ゴム片が異
物として混入する問題や針抜き取り箇所から薬液が漏れ
るという問題があった。
【0004】上述した加硫ゴム製止栓の問題点を解消す
るためにスチレン系熱可塑性エラストマーから止栓を形
成することが例えば特開昭61−247460号公報に
開示されている。
【0005】しかしながら、前記熱可塑性エラストマー
製止栓でも、多種の薬液を混合使用する場合には前記止
栓部が数回の針刺入がなされため、針抜き取り箇所から
薬液が滲み出したり、こぼれ落ちたりすることが多々あ
る。
【0006】また、輸液バッグでは薬液を混注した後、
数時間保存する場合があり、横置きのために内圧から薬
液が滲み出て止栓部が汚染される。このため、止栓部の
弾性部を肉厚(最低4mm以上)にしたり、面積を広げ
たり、或いは弾性部を特殊なリングで締め付けたりする
というコストのかかる手段が必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、薬液通出用
針の抜き取り箇所から薬液が滲み出したり、こぼれ落ち
たりするのを抑制して止栓部の汚染を防止した注射剤用
止栓を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、薬
液通出用針が通入される少なくとも2層の熱可塑性エラ
ストマー層と前記熱可塑性エラストマー層の間に形成さ
れた内部空間とを有する薬液通出用針の刺入部を備えた
ことを特徴とする注射剤用止栓である。
【0009】前記熱可塑性エラストマーとしては、成形
性、製品の取扱い性の観点から硬度(JIS−K630
1)が30〜80のものが好ましく、中でもスチレン系
またはオレフィン系の熱可塑性エラストマーが衛生面か
ら好ましい。
【0010】前記スチレン系またはオレフィン系の熱可
塑性エラストマーとしては、例えばスチレンとブタジエ
ンまたはイソプレンとの共重合体もしくはその水素添加
物にオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン、ポリス
チレン等)或いはさらにポリブテンやパラフィン系ゴム
用軟化剤等を任意成分として配合したエラストマー、エ
チレン−プロピレン系共重合体ゴムにオレフィン系樹脂
またはゴム用軟化剤を配合して場合により部分架橋した
エラストマー等が用いられる。具体的には、前記スチレ
ン系熱可塑性エラストマーとしては三菱油化社製商品名
の「ラバロン」、前記オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーとしては三菱油化社製商品名の「サーモラン」等を挙
げることができる。
【0011】本発明に係わる注射剤用止栓は、通常の成
形法により製造されるが、止栓全体が前記熱可塑性エラ
ストマーで構成されてもよいし、薬液通出用針の刺入部
のみを前記熱可塑性エラストマーで構成されてもよい。
【0012】本発明に係わる注射剤用止栓の一形態を図
1を参照して具体的に説明する。図1において、止栓1
は容器本体2と一体に融着または接着されている。前記
止栓1は、薬液通出用針が通入される2層の熱可塑性エ
ラストマー層3、4と前記熱可塑性エラストマー層3、
4の間に形成された内部空間5とを有する薬液通出用針
の刺入部を備えている。このような構成の止栓1におい
て、図2に示すように薬液通出用針6は前記熱可塑性エ
ラストマー層3、内部空間5および熱可塑性エラストマ
ー層4に通入することにより刺入される。このような構
造にすることによって、前記針6の抜き取りの際、前記
針6の先端に残留した薬液7は前記内部空間5の下方に
位置する前記熱可塑性エラストマー層4で止め、また前
記熱可塑性エラストマー層4から滲み出た薬液は前記内
部空間5の上方に位置する前記熱可塑性エラストマー層
3によって完全に遮断されるという著しい効果が奏され
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ス
チレン系熱可塑性エラストマーとして三菱油化社製商品
名の「ラバロンMJ4300C」(硬度JIS A4
5)を用いて射出成形により前述した図1に示す構造の
止栓(二層止栓)を製造した。
【0014】また、比較のために前記スチレン系熱可塑
性エラストマーを射出成形して薬液通出用針の刺入部が
単層でその刺入部が種々の厚さを有する構造の止栓を製
造した。
【0015】前記各止栓を1800ml用輸液バッグに
融着し、薬液を充填した後、次の実験1〜4を順次行な
って評価した。評価結果を下記表1に示す。 実験1:16Gの金属針を止栓に刺したまま放置し、3
0分間後に前記針を抜き取って5分間液漏れの状態を観
察した。
【0016】実験2:前記実験1を終了した試験体につ
いて、実験1と同様な実験を再度行な った。 実験3:前記実験2を終了した試験体について、18G
の金属針を5回刺し、5 分間液漏れを観察し
た。
【0017】 実験4:前記実験3を終了した試験体について、2個重ねて24時間放置し、 液漏れを観察した。 評価 二重丸:液漏れが全く認められなかった(5点)。 ○:液漏れが殆ど認められなかった(4点)。
【0018】△:刺し口に溜まる程度の僅かな液漏れが
認められた(3点)。 □:止栓頭部に溜まる程度の僅かな液漏れが認められた
(2点)。 ×:滴下する液漏れが認められた(1点)。
【0019】
【表1】
【0020】また、スチレン系熱可塑性エラストマーの
代わりにオレフィン系熱可塑性エラストマーとして三菱
油化社製商品名の「サーモラン3550」(硬度JIS
A55)を用いて射出成形により製造された前述した
図1に示す構造の止栓(二層止栓)は、同様な実験にお
いて評価が全て二重丸であった。
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係わる注
射剤用止栓によれば薬液通出用針の抜き取り箇所から薬
液が滲み出したり、こぼれ落ちたりするのを抑制して止
栓部の汚染を防止でき、ひいては二次汚染や院内感染を
防止できる等顕著な効果を奏する。また、本発明に係わ
る注射剤用止栓によれば容器内の薬液量の減量もなく正
確な薬液混合を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる注射剤用止栓を示す断面図。
【図2】注射剤用止栓に薬液通出用針を刺入した状態を
示す断面図。
【符号の説明】 1…止栓、2…容器本体、3、4…熱可塑性エラストマ
ー層、5…内部空間、6…針、7…薬液。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液通出用針が通入される少なくとも2
    層の熱可塑性エラストマー層と前記熱可塑性エラストマ
    ー層の間に形成された内部空間とを有する薬液通出用針
    の刺入部を備えたことを特徴とする注射剤用止栓。
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