JP2002331032A - 逆流防止具とその製造方法およびそれを用いた医療用具 - Google Patents

逆流防止具とその製造方法およびそれを用いた医療用具

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JP2002331032A JP2001141953A JP2001141953A JP2002331032A JP 2002331032 A JP2002331032 A JP 2002331032A JP 2001141953 A JP2001141953 A JP 2001141953A JP 2001141953 A JP2001141953 A JP 2001141953A JP 2002331032 A JP2002331032 A JP 2002331032A
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Yasushi Kawashiro
靖 川城
Kunio Kobayashi
訓雄 小林
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Otsuka Techno Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体の逆流および気泡の混入を確実に防止す
ることのできる逆流防止具およびその製造方法、ならび
に液体の逆流、気泡の混入を確実に防止することのでき
る注射器や輸液容器等の医療用具を提供する。 【解決手段】 本発明の逆流防止具10aは、本体12、弁
体13および掛止部14を有する第1の筒状部材11に、軸方
向xに貫通した流路19を有する第2の筒状部材16におけ
る一方の開口端17を内挿し、両者を固着したものであ
る。第1の筒状部材11における本体12および掛止部14
と、弁体13とは、射出成形により一体的に成形されたも
のである。また、開口端17は弁体13に当接して、第1お
よび第2の筒状部材11,16 内での液体の流通を遮断し、
かつ、第2の筒状部材16側から液圧を受けると容易に圧
縮変形して、圧縮変形を受ける方向と交差する液体の流
路を開口端17との間に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注射器の先端部分
や輸液回路の混注口等に配置されて、注射器や薬液容器
の内溶液を排出する際の気泡や外気の混入、および当該
内容液の逆流を防止するための逆流防止具と、かかる逆
流防止具を備えた注射器、薬液容器等に関する。
【0002】
【従来の技術】医療現場においては、注射器内の薬液を
患者に直接投与する操作や、可撓性容器、輸液バッグ等
に充填された薬液を、輸液回路を介して患者に投与する
操作が広く行われている。かかる操作を行う際には、薬
液とともに気泡までも注入してしまうことがないように
十分に留意しなければならない。これは、静脈内に気泡
が混入すると、空気閉栓症という重大な問題を引き起こ
し兼ねないからである。従って、薬液の投与、注入の際
には、空気の排出操作を慎重に行う必要がある。
【0003】しかしながら、例えば注射器のピストンに
圧をかけたり、薬液容器自体を押圧するなどして薬液内
の気泡を外部に排出させる処理を行っても、従来の注射
器や薬液容器の構造自体が抱える問題に起因して、空気
の排出が不完全になったり、外気の混入が生じたりし易
いという問題があった。また、従来の注射器や薬液容器
を使用して、薬液中に気泡が残存したり、外気が混入し
たりするのを防止しようとすると、前述の空気を排出す
る処理を極めて厳密に行う必要が生じる。このため、医
療に従事する人達に過大な負担を強いる結果を招いてい
た。
【0004】特に近年、医療事故を未然に防止するとい
う観点から、医療に従事する人達の負担を軽減すること
が強く求められている。従って、簡易な方法で、しかも
薬液中に気泡や外気が混入する問題を確実に防止するこ
とのできる注射器・薬液容器を提供することが極めて重
大な課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】薬液中に気泡や外気が
混入するのを防止する方法としては、例えば、注射器や
薬液容器における薬液の排出部に逆止弁を配置すること
が考えられる。従来、流体の逆流を防止するための逆止
弁であって、注射器や薬液容器に適用可能なものとして
は、種々の構造のものが提案されている。具体的には、
筒体80中に1枚の弁体81を設けて、上流側からの薬
液Dによる液圧Pで弁体81を押し上げて、流路を開放
させる逆止弁(図12参照)、弁体82を2枚にした逆
止弁(図13参照)、筒体83中に円錐形の弁座84、
玉弁(ボールバルブ)85および規制用突起86とを設
けて、液圧Pによって玉弁85を押し上げて流路を開放
させる逆止弁(実開昭58−120748号公報,図1
4参照)、および弁バネ87によって弁座88に押え付
けられたきのこ弁(ポペット弁)89を液圧Pによって
押し上げて、流路を開放させる逆止弁(図15参照)が
知られている。
【0006】しかしながら、上記従来の逆止弁のうち、
図12,図13および図14に示すものでは、液圧Pに
よって開放された弁81,82,85が再び流路を閉鎖
すべく元の位置まで戻る際に、多少なりとも薬液Dが逆
流してしまう問題がある。特に、図12および図13に
示す機構のものではかかる問題が顕著である。図14に
示す機構によれば、弁85の構造は極めて簡易なものと
なるものの、依然として流路の閉鎖が不完全になり易
く、図12および図13に示す機構のものと同様に、逆
流を生じるおそれが大きい。
【0007】一方、図15に示す機構によれば、液圧P
によって押し上げられたきのこ弁89は、弁バネ87の
作用によって素早く元の位置に戻ろうとするため、図1
2および図13に示す逆止弁に比べて逆流防止の効果が
良好である。しかしながら、弁89の機構が極めて複雑
であるために安定した品質の製品が得られにくく、不良
品の発生率が高い。また、弁89を極めて小さなものと
するのは困難であり、逆止弁を構成する部品数が多いこ
とも相俟って、コストが高くなる問題もあった。
【0008】そこで本発明の目的は、液体の逆流および
気泡の混入を確実に防止することのできる逆流防止具
と、その製造方法を提供することである。本発明の他の
目的は、液体の逆流および気泡の混入が生じるのを確実
に防止することのできる、注射器や輸液容器等の医療用
具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、内部に弾性体からなる弁体を掛止させてなる筒状部
材(第1の筒状部材)と、軸方向に貫通した流路を有す
る筒状部材(第2の筒状部材)と、の2つの筒状部材に
よって逆流防止具を構成するとともに、前記第2の筒状
部材における一方の開口端を前記第1の筒状部材に内挿
して、当該開口端を前記弁体の弁座として作用させたと
きは、液体の逆流および気泡の混入を確実に防止するこ
とができるという新たな事実を見出し、本発明の逆流防
止具を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明に係る逆流防止具は、略
筒状の本体、弾性体からなる弁体および当該弁体の掛止
部を有する第1の筒状部材と、軸方向に貫通した流路を
有する第2の筒状部材と、を備えており、前記第2の筒
状部材は、その一方の開口端を前記第1の筒状部材に内
挿した状態で固着されかつ当該開口端が前記弁体に当接
するものであり、前記掛止部は、前記第1の筒状部材の
内部にあって前記略筒状の本体と一体成形されたもので
あり、前記弁体は、前記掛止部と一体成形されて前記第
1の筒状部材の内部に配置され、前記第2の筒状部材に
おける一方の開口端との当接によって前記第1および第
2の筒状部材内での液体の流通を遮断し、かつ、前記第
2の筒状部材側から液圧を受けると容易に圧縮変形し
て、圧縮変形を受ける方向と交差する液体の流路を前記
開口端との間に形成するものである、ことを特徴とす
る。
【0011】上記本発明の逆流防止具において、弁体
は、第1の筒状部材内に配置されかつ掛止部にて固定さ
れており、第2の筒状部材における一方の開口端と当接
している。ここで、前記開口端には流路が設けられてい
るが、この流路は、当該開口端に弁体が当接しているこ
とによって塞がれている。従って、第1の筒状部材と第
2の筒状部材との間で液体の流通は、前記弁体および前
記開口端によって遮られている。なお、本発明の逆流防
止具において、第2の筒状部材における一方の開口端
は、弁座として作用するものである。
【0012】また、本発明の逆流防止具において、弁体
は、第2の筒状部材側からの液圧によって容易に圧縮変
形を生じるものである。従って、第2の筒状部材側から
弁体に液圧がかかると、当該弁体と前記開口端との間に
流路が形成されて、第2の筒状部材側から第1の筒状部
材側へ液体が流通する。しかも、かかる流路は、前記弁
体が圧縮変形を受ける方向と交差する方向であることか
ら、液圧がかからなくなったときに弁体が元の形状に戻
ろうとする動作の方向に対しても、同様に交差すること
となる。従って、液圧がかからなくなって、液体が第1
の筒状部材側から第2の筒状部材側へと逆流しかけた場
合であっても、弁体の復元動作によって液体の逆流を促
進することがない。それゆえ、本発明の逆流防止具によ
れば、液体の逆流を高度に抑制することができる。
【0013】ところで、本出願人らによる共同研究グル
ープは、先に、液体の逆流および気泡の混入を防止する
ための逆止弁を提案している(特願平11−37429
8号)。当該出願に係る逆止弁は、筒体内に設けられた
弁座に弾性体からなる弁体を当接したものであって、液
圧によって弁体が圧縮変形を受けると、弁体と弁座との
間に薬剤を流通させ得る空隙部が形成されることを特徴
とするものである。ここで、前記空隙部は、本発明の逆
流防止具における流路と同様に、弁体が圧縮変形した際
に、前記空隙部に薬剤を流入させる方向と、を交差させ
るように配置されており、薬剤の逆流を高度に抑制する
ものである。
【0014】しかしながら、上記出願に係る逆止弁を製
造する方法としては、(a) 逆止弁のうち弁座を含む部分
をあらかじめ成形しておき、当該弁座上に弁体を配置し
た後、弁体の係止部を含む他の部分を熱溶着等によって
固着させる方法や、(b) あらかじめ形成された筒体の内
部に弁体を挿入して、当該筒体の内壁に設置された係止
部に前記弁体を当接させた後、弁体の他方を係止する突
起(弁座)を含む他の部分を熱溶着等によって固着させ
る方法((b) について、図11参照)が開示されている
のみである。
【0015】ここで、上記出願に係る逆止弁は、注射器
等の医療用具への適用を対象とするものであって、逆止
弁の大きさは、その直径が2〜10mm程度と、極めて
小さなものであることが求められている。従って、あら
かじめ成形された弁座または弁体の係止部に弁体を配置
して当接させ、またはあらかじめ成形された筒体内に挿
入するといった操作を行う場合には、弁体の位置合わせ
に極めて高い精度が要求される。しかも、この位置合わ
せの精度は極めて高い状態で維持することが要求され、
これを怠ると、不良品を生じる割合が高くなるという問
題がある。
【0016】また、上記出願に係る逆止弁に用いられる
弁体は、液圧によって容易に変形させる必要があるた
め、例えばJIS A硬度〔JIS K 6301−
5.2「スプリング式硬さ試験」に記載の方法にて測定
したスプリング硬さHs(A形)〕が0〜20程度であ
るような、極めて柔らかいゴムまたは熱可塑性エラスト
マーであることが求められる。しかしながら、粘度を前
記範囲に設定し得るゴムまたは熱可塑性エラストマー
は、その表面の粘着性が極めて強いものであって、弁体
同士を接触させると溶着によって塊状になり易いという
特徴を有している。従って、逆止弁の製造に際しては、
弁体を1箇所に保管して連続的に供給することができ
ず、1個ずつ保管、供給せざるを得ないために、大量生
産には不向きであって、生産コストの上昇を招いてい
る。
【0017】さらに、上記ゴムまたは熱可塑性エラスト
マーには、その表面に異物が付着し易いという問題もあ
り、それゆえ、逆止弁の製造に際して弁体の汚染を防止
するために特別の処置を施す必要が生じるなど、余分の
手間やコストが必要になるという問題もある。これに対
し、上記本発明の逆流防止具においては、前記第1の筒
状部材における弁体とその掛止部とが一体成形されたも
のであることから、成形の精度が高く、不良品の発生率
を著しく低減させることができる。しかも、弁体のみを
別途成形する工程を含まないことから、弁体同士のブロ
ッキングを生じることがなく、弁体の汚染の危険性も極
めて少ない。従って、弁体の位置合わせ精度、弁体同士
のブロッキング、異物の付着といった前述の諸問題に対
して特別な配慮を必要とすることがなく、逆流防止具の
大量生産も容易に実現することができる。
【0018】本発明の逆流防止具は、第1および/また
は第2の筒状部材が、さらに当該筒状部材の外部に連通
する排気孔と、当該排気孔を塞いで空気の流通を許容し
かつ液体の流通を遮断する第1のフィルタと、液体の流
通を許容しかつ空気の流通を遮断する第2のフィルタ
と、を備えるものであって、前記第2の筒状部材側から
第1の筒状部材側への方向を上流側から下流側としたと
きに、前記第2のフィルタが、前記第1のフィルタに対
して下流側に配置されてなるものでもよい。
【0019】このような排気孔、第1のフィルタ(通気
フィルタ)および第2のフィルタ(通液フィルタ)を配
置することによって、例えば本発明の逆流防止具を注射
器、薬液容器、輸液回路の混注口等に配置した場合に、
薬液の排出、注入操作に伴って気泡が混入してしまうと
いう自体をより一層確実に防止することができる。本発
明に係る逆流防止具の製造方法は、第1の筒状部材の本
体と、弁体と、当該弁体の掛止部とを射出成形によって
一体成形し、かつ、これとは別に、軸方向に貫通した流
路を有する第2の筒状部材を成形した後、前記本体、弁
体および掛止部を有する第1の筒状部材に、前記第2の
筒状部材における一方の開口端を内挿して前記弁体と前
記一方の開口端とを当接させ、さらに前記第1の筒状部
材と前記第2の筒状部材とを互いに溶着することを特徴
とする。
【0020】上記の製造方法によれば、液体の逆流を高
度に防止し得る前記本発明に係る逆流防止具を、簡易な
方法にて、かつ、高い精度でもって製造することができ
る。本発明に係る逆流防止具は、これに限定されるもの
ではないが、種々の医療用具に適用することができる。
本発明の逆流防止具を医療用具に適用することにより、
薬液を患者に直接投与したり、輸液回路等を介して間接
的に投与したりする際に患者の静脈内に気泡を混入して
しまうといった重大な問題が生じるおそれを著しく低減
させることができる。
【0021】かかる医療用具は、上記本発明に係る逆流
防止具を備えるものであって、前記逆流防止具の第1の
筒状部材が液体の吐出口を有しており、かつ、前記逆流
防止具の第2の筒状部材における開口端のうち、第1の
筒状部材に内挿される側とは逆側の開口端が、略筒状の
接続部と接続可能な開口、またはルアーロック型刺通具
を挿入および係止可能な開口を有するものであることを
特徴とする。上記「略筒状の接続部」としては、例えば
注射器のシリンジ、薬液容器の吐出口、輸液回路のチュ
ーブ、輸液容器の混注口等が挙げられる。
【0022】また、上記「ルアーロック型刺通具」と
は、輸液チューブ等の先端に接続して用いられる部材で
あって、中空で筒状の部分(内筒部)と、当該内筒部の
外周面に設けられためねじを有する筒状の部材(外筒
部)とからなるものをいう。従って、「ルアーロック型
刺通具を挿入および係止可能な開口」を有する開口端に
は、前記外筒部と螺合可能な凸条の係止部を備えること
が求められる。上記医療用具の第1の筒状部材における
吐出口としては、(i) 先端の鋭利な注射針や、(ii)その
先端が鋭利ではなく、かつ輸液回路の混注口に接続可能
な筒状体が挙げられる。
【0023】前記吐出口が上記(i) の注射針である場
合、本発明の医療用具は、薬液の逆流が高度に防止され
た注射器として好適に用いられる。また、前記吐出口が
上記(ii)の筒状体である場合、本発明の医療用具は、薬
液の逆流が高度に防止された薬液注入具として、輸液回
路の混注口に接続する用途等に好適に用いられる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る逆流防止具、
その製造方法およびそれを用いた医療用具について、図
面を参照しつつ、詳細に説明する。 (図1〜図3に示す実施形態)本発明に係る逆流防止具
と、それを用いた医療用具との一実施形態を図1および
図2に示す。
【0025】図1および図2に示す実施形態において、
逆流防止具10は、略筒状の本体12、弾性体からなる
弁体13および弁体13の掛止部14を有する第1の筒
状部材11と、軸方向xに貫通した流路19を有する第
2の筒状部材16とを備えている。ここで、図1に示す
ように、第2の筒状部材16は、その一方の開口端17
を第1の筒状部材11に内挿した状態で固着されてい
る。また、前記開口端17は、弁体13に当接して弁座
としての作用を示している。前記開口端17と弁体13
とが当接することにより、第1の筒状部材11における
液体の流路15と第2の筒状部材16における液体の流
路19との間が閉鎖されて、第1の筒状部材11と第2
の筒状部材16との流通が遮断される。
【0026】一方、図2に示すように、第2の筒状部材
16側から流圧P(図2中に白抜き矢印で示す。)をか
けたときには、弁体13が圧縮変形を受けることによっ
て前記開口端17と弁体13との間に液体の流路(図2
中に矢印で示す。)が形成されて、第2の筒状部材16
から第1の筒状部材11へと液体が流通する。図3は図
1に示す逆流防止具10のうち、第1の筒状部材11の
みを示す図であって、(a) は第1の筒状部材11を第2
の筒状部材16との接続部側から見た図(天面図)、
(b) は(a) のA−A断面図、(c) は底面図である。
【0027】図3に示すように、弁体13は、掛止部1
4によって筒状の本体12内に掛止されていることか
ら、第2の筒状部材(図示せず)側から流圧がかかって
も、第1の筒状部材11から流れ去ることがない。ま
た、弁体13と係止部14との間には、第1の筒状部材
11を貫通する液体の流路が設けられており、前述のよ
うに、弁体13を液圧P(図2参照)によって圧縮変形
させたときには、図3(a) に矢印で示す方向に液体が流
通する。
【0028】図1および図2に示す実施形態では、第1
の筒状部材11に、先端が鋭利ではない筒状体からなる
吐出口21が接続されている。図1および図2に示す逆
流防止具10は、このような吐出口21を第1の筒状部
材11に接続していることから、例えば輸液回路の混注
口、先端が鋭利ではない針を穿刺可能なキャップ等に、
直接に接続することができる。一方、第2の筒状部材1
6は、その内部に、中空針20が設けられている。この
中空針22は、第1の筒状部材11に内挿される方の開
口端17側から伸びて、他方の開口端18側に尖端を備
えたものである。図1および図2に示す逆流防止具10
は、このような中空針20を内部に備えていることか
ら、例えば可撓性プラスチックからなる容器に薬液を充
填してなる薬液容器等を前記他方の開口端18側から挿
入することにより、当該薬液容器に充填された薬液等
を、直接に逆流防止具10内に排出させることができ
る。
【0029】(図4に示す実施形態)本発明に係る逆流
防止具と、それを用いた医療用具との他の実施形態を図
4に示す。図4に示す実施形態において、逆流防止具3
0は、図1に示す実施形態と同じ第1の筒状部材11
と、軸方向xに貫通した流路19を有する第2の筒状部
材16とを備えている。
【0030】この実施形態においても、第2の筒状部材
31は、その一方の開口端32を第1の筒状部材11に
内挿した状態で固着されており、当該開口端32は、弁
体13に当接して弁座としての作用を示している。通
常、第1の筒状部材11と第2の筒状部材31との間の
流通は、弁体13と前記開口端32との当接によって遮
断されている。一方、弁体13に第2の筒状部材31側
から流圧をかけたときには、図1に示す実施形態と同様
の機構によって、弁体13と前記開口端32との間に流
路が形成され、第2の筒状部材31における流路34と
第1の筒状部材11における流路15とが連通する。
【0031】図4に示す実施形態においては、第2の筒
状部材31は、第1の筒状部材11に内挿される方の開
口端32とは逆側の、開口端(他方の開口端)33が、
輸液チューブ22等に接続可能な筒状体を区画してい
る。図4に示すように、第2の筒状部材31における他
方の開口端33に、直接に輸液チューブ22を接続する
ことにより、輸液チューブ22から薬液等の液体を排出
する際に、当該液体内に残存する空気を確実に除去する
ことができる。
【0032】(図5に示す実施形態)本発明に係る逆流
防止具を用いた医療用具(注射器)についての他の実施
形態を図5に示す。図5に示す実施形態において、逆流
防止具10の構造およびその作用効果は、図1に示す実
施形態のものと同じである。この実施形態においては、
第1の筒状部材11に、尖端が鋭利な注射針23が接続
されている。図5に示す逆流防止具10は、このような
注射針23を第1の筒状部材11に接続していることか
ら、例えば人体に直接薬液を投与したり、薬液容器のキ
ャップから薬液を混入したりすることができ、しかもか
かる場合に、薬液中に空気が混入してしまうおそれを十
分に防止することができる。
【0033】(図6に示す実施形態)本発明に係る逆流
防止具のうち、第1の筒状部材についての他の実施形態
を図6に示す。図6に示す実施形態において、第1の筒
状部材11aの弁体13aは、掛止部14に食い込んで
いる。従って、かかる第1の筒状部材11aにおける弁
体13aは、例えば図1に示す実施形態のもの(第1の
筒状部材11における弁体13)に比べて、第1の筒状
部材11a内での弁体13aと掛止部14との係合をよ
り一層強固なものとすることができ、弁体13aの脱落
を十分に防止することができる。
【0034】このように、弁体13aを掛止部14に食
い込ませた状態に成形することは、弁体13aと、第1
の筒状部材11における筒状の本体12および掛止部1
4とを一体成形により形成することによって初めて達成
されるものである。例えば図11に示すように、あらか
じめ形成された筒体(第1の筒状部材)71の内部に、
別途形成しておいた弁体73を配置し、係止部74およ
び横ずれ防止リブ75にてその配置位置を固定した後
(同図(a) )、当該筒体71内に、別途形成しておいた
筒体(第2の筒状部材)16を挿入し、当該筒体16の
一方の開口端17を弁体73に当接させることによっ
て、逆止弁(逆流防止具)70を得るという、従来の製
造方法では、弁体に掛止部を食い込ませた構造を得るこ
とができない。
【0035】(図7および図8に示す実施形態)本発明
に係る逆流防止具と、それを用いた医療用具とについて
のさらに他の実施形態を図7に示す。また、図7に示す
逆流防止具40における第1の筒状部材41についての
平面図、断面図および底面図をそれぞれ図8(a) 〜(c)
に示す。図7に示す実施形態において、第1の筒状部材
41における略筒状の本体42、弁体13a、掛止部1
4および流路15については、図6に示す実施形態のも
のと同様の構造および作用効果を有する。
【0036】第2の筒状部材36は、その一方の開口端
37が第1の筒状部材41に内挿されて、弁体13aに
当接するものであるという点で、図1,図4および図5
に示す第2の筒状部材16,31と同様である。第2の
筒状部材36における他方の開口端38は、注射器のシ
リンジ24等を直接に接続する開口を備えたものであ
る。図7に示す実施形態においては、第1の筒状部材4
1における筒状本体42が、当該筒状本体42よりも直
径の大きな空気排出部43を備えている。
【0037】この空気排出部43には、図8(a) 〜(c)
に示すように排気孔44が設けられており、この排気孔
44は通気フィルタ(第1のフィルタ)45によって塞
がれている。一方、空気排出部43の吐出口21に隣接
する部分には通液フィルタ(第2のフィルタ)46が設
けられており、当該吐出口21を塞いでいる。このよう
に、通気フィルタ45によって塞がれた排気孔44を有
することにより、誤って弁体13aと前記開口端37と
の間に形成される流路を気泡が通過した場合であって
も、第2の筒状部材36側からの液圧によって、当該気
泡を排気孔44から排出することができる。同様に、第
1の筒状部材41と吐出口21との間にもともと存在す
る気体についても、排気孔44から外部へと排出させる
ことができる。
【0038】また、図7および図8に示す逆流防止具4
0には、第1の筒状部材41と吐出口21との間に、さ
らに通液フィルタ46が設けられていることから、第1
の筒状部材41から吐出口21へ気体を通過させること
がない。それゆえ、逆流防止具40から、吐出口21を
介して、輸液回路の混注口や、先端が鋭利ではない針を
穿刺可能なキャップに液体を注入する場合であっても、
当該液体とともに気泡を混入させてしまうおそれがな
い。
【0039】図7および図8に示す実施形態において、
空気排出部43は、図8に示す形状に限定されるもので
はなく、液体の流通を許容しかつ空気の排出を防止する
という所期の目的を達成し得る形状であれば、さまざま
な形状を採用することができる。空気排出部42の排気
孔44を塞ぐ通気フィルタ45には、優れたガス透過性
および疎水性を有する樹脂フィルムが用いられる。この
通気フィルタ45は、逆流防止具40内に残存する気泡
を排気孔44から排出させ、かつ、かかる排気孔44か
ら逆流防止具内の液体が漏出するのを防止するものであ
る。それゆえ、前述のように優れたガス透過性が求めら
れる一方で、疎水性が高く、透水性や透湿性に乏しいこ
とも求められる。
【0040】上記の要求を満足する通気フィルタの素材
としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデ
ンジフロライド等の樹脂フィルムが挙げられる。かかる
樹脂フィルムは疎水性を有しており、透水性および透湿
性が極めて低く、それゆえ、逆流防止具内の液体を誤っ
て外部に漏出させるおそれが極めて低い。また、樹脂フ
ィルム中に微細な孔を無数に有していることから、逆流
防止具内の液体で負荷(液圧)をかけることにより、当
該液体中に溶存する気泡を排出させることができる。
【0041】前記樹脂フィルム中の孔は、直径が0.2
〜20μmの微細孔であるのが適当であり、直径が0.
5〜15μmであるのがより好ましい。微細孔の直径が
前記範囲を下回ると空気の排出が困難になり、逆に直径
が前記範囲を超えると逆流防止具内の液体が漏出するお
それが生じる。通気フィルタ(前記樹脂フィルム)の厚
みは特に限定されるものではなく、使用する素材にもよ
るが、通常、10〜2000μmの範囲で設定される。
樹脂フィルムの厚みが前記範囲を超えると空気の排出性
が低下するおそれがある。逆に、樹脂フィルムの厚みが
前記範囲を下回ると、強度が低下して製造に支障を来た
したり、液体の排出操作時に破損が生じたりするおそれ
がある。なお、この場合には、樹脂フィルムに適当な不
織布等をラミネートしてその強度を向上させることによ
り、前述のおそれを除去することができる。
【0042】空気排出部42の吐出口21に隣接する部
分を塞ぐ通液フィルタ46には、優れた透水性およびガ
ス遮蔽性を有する樹脂フィルムが用いられる。この通液
フィルタ46は、逆流防止具40内に残存する気泡が当
該逆流防止具40内の液体とともに排出されるのを防止
するために設けられているものである。それゆえ、前述
のように優れた透水性が求められる一方で、ガス遮蔽性
に優れること(ガス透過性に乏しいこと)も求められ
る。
【0043】上記の要求を満足する通液フィルタの素材
としては、例えば酢酸セルロース等のセルロース系フィ
ルタ、ポリスルホン、親水処理したポリテトラフルオロ
エチレン(例えば、ゴアテックス社の商品名「ゴアテッ
クス」等)、親水処理したポリビニリデンジフロライド
(例えば、ミリポア社の商品名「デュラポア」)等が挙
げられる。かかる樹脂フィルムは分子中に親水基を数多
く有するものであって、しかも微細な孔を無数に有して
いることから、逆流防止具内の液体で負荷(液圧)をか
けることにより、当該液体を容易に通過させることがで
きる。
【0044】前記樹脂フィルム中の孔は、直径が0.2
〜20μmの微細孔であるのが適当であり、直径が0.
5〜15μmであるのがより好ましい。微細孔の直径が
前記範囲を下回ると液体の排出が困難になり、逆に直径
が前記範囲を超えると空気も同時に通過させてしまうお
それが生じる。通液フィルタ(前記樹脂フィルム)の厚
みは特に限定されるものではなく、使用する素材にもよ
るが、通常、10〜2000μmの範囲で設定される。
樹脂フィルムの厚みが前記範囲を超えると液体の排出性
が低下するおそれがある。逆に、樹脂フィルムの厚みが
前記範囲を下回ると、強度が低下して製造に支障を来た
したり、液体の排出操作時に破損が生じたりするおそれ
がある。なお、この場合には、通気フィルムの場合と同
様に、樹脂フィルムに適当な不織布等をラミネートする
ことで、使用に供することができる。
【0045】上記通気および通液の両フィルタを本発明
の逆流防止具に採用する場合においては、特に限定され
るものではないが、逆流防止具内の液体等の排出操作を
良好なものとする上で、通気フィルタの方の透気度を相
対的に高くし、通液フィルタの方のバブリングポイント
を相対的に高くするのが好ましい。 (逆流防止具の製造方法)本発明に係る逆流防止具およ
びそれを用いた医療用具についての製造方法の一例を図
9に示す。
【0046】本発明に係る逆流防止具は、まず、略筒状
の本体12および掛止部14と、弾性体からなる弁体1
3aとを、射出成形によって一体に成形することによっ
て、第1の筒状部材11aを作製する(図9(a) 参
照)。第1の筒状部材11aにおける略筒状の本体12
の射出成形と、弁体13aの射出成形とは、本体12と
弁体13aとが同一の金型内にて一体的に成形されるの
であれば、いずれを先に行ってもよい。
【0047】また、略筒状の本体12と弁体13aとの
いずれか一方を先に形成した後、別の金型に移して他方
を射出成形する、いわゆるインサート成形によって一体
的に成形する方法を採用することもできる。次いで、軸
方向xに貫通した流路19を有する第2の筒状部材16
を、射出成系等の従来公知の方法により成形する(図9
(b) 参照)。さらに、こうして成形された第1の筒状部
材11aに、第2の筒状部材16の一方の開口端17を
内挿し、当該開口端17を弁体13aに当接させた状態
で、第1の筒状部材11aと第2の筒状部材16とを熱
溶着、超音波溶着、嵌合、組立て等の方法にて固着する
(図9(c) 参照)。
【0048】これにより、本発明の逆流防止具10aを
得ることができる。本発明に係る逆流防止具の第1の筒
状部材に接続される吐出口21(図1,図4および図7
参照),注射針23(図5参照)等の部材は、第1の筒
状部材とは別に成形しておいた上で、熱溶着、超音波溶
着、嵌合、組立て等の方法にて第1の筒状部材に固着す
ればよい。第2の筒状部材に接続される液体容器、輸液
チューブ22(図4参照)、注射器のシリンジ24(図
7参照)等の部材は、嵌合(嵌入)、係入等によって第
1の筒状部材に固定させればよい。
【0049】(弁体)本発明の逆流防止具に用いられる
弁体は、例えば注射器のピストンを押圧したり、薬剤容
器の容器本体を押圧したりすることによって生じる薬液
の圧力(液圧)によって容易に圧縮変形が生じる程度に
柔らかく、かつ、液圧を負荷しない状態ではその形状が
維持される弾性体であることが求められるほかは、特に
限定されるものではない。
【0050】かかる弁体を構成する弾性体としては、例
えばシリコーンゴム;各種熱可塑性エラストマー;とい
った従来公知の弾性部材の中から、硬度が十分に低く、
前述の特性を満足するものが用いられる。具体的には、
上記熱可塑性エラストマーを用いるのが好ましい。かか
る熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−エ
チレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEB
S)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SIS)、マレイン酸変性等の変性SEB
S、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレ
ンブロック共重合体(SEB)、スチレン−エチレン/
プロピレンブロック共重合体(SEP)などのスチレン
系熱可塑性エラストマー:エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体等のオレフィン系エラストマー;ポリウレタ
ン系エラストマー;これらの混合物;等が挙げられる。
【0051】弁体の大きさは特に限定されるものではな
いが、逆流防止具の用途に応じて、第1および第2の筒
状部材のサイズとともに適宜設定すればよい。弁体の流
圧による変形性を示す指標としては、例えば弁体を構成
する弾性体の形さ、引張応力、圧縮弾性率等が挙げられ
る。弁体に用いられる弾性体の硬さは、JIS A硬度
(JIS K 6301−5.2「スプリング式硬さ試
験」に記載の方法にて測定したスプリング形さHs(A
形))が0〜20であるのが好ましく、0〜10である
のがより好ましい。弾性体の硬度が前記範囲を超える
と、弁体が硬くなりすぎて、液圧による変形性が不十分
になるおそれがある。一方、流圧を負荷しない場合にそ
の形状を維持できる状態とするには、硬さの下限は上記
の値とするのが限度である。
【0052】弁体に用いられる弾性体の引っ張り応力
は、100%伸び時における引張応力M100(MP
a)〔JIS K 6251〕が0.05〜2.0MP
aであるのが好ましく、0.05〜0.5MPaである
のがより好ましい。弾性体の引張応力が上記範囲を超え
ると、液圧で変形しなくなるおそれがある。逆に、弾性
体の引張応力が上記範囲を下回ると、液圧を取り除いた
後に、弾性体が十分に復元しなくなるおそれがある。
【0053】なお、弁体を構成する弾性体は、弁体に対
する液圧の負荷、除圧を繰返し行っても破損することが
ないように、その圧縮永久歪み率CS(%)が〔JIS
K6301、測定条件:70℃×22時間〕が50以
下であるのが好ましい。さらに、弁体を構成する弾性体
としては、前述の性質を満たすものであれば、発泡体
(但し、孔が不連続で、液漏れを生じさせることがない
もの)や、添加物によって前述の性質を満たすように調
整した素材からなるものであってもよい。かかる素材の
具体例としては、市販のシリコーン−ウレタン系ゲルで
ある商品名「ケミテックゲル」(ケミテック社製)に汎
用の添加剤を適宜添加したものや、オレフィン系エラス
トマーである商品名「コスモゲル」(コスモ計器社
製)、スチレン系エラストマーである商品名「セプト
ン」(クラレプラスチック社製)およびこれらの混合物
が挙げられる。
【0054】(第1および第2の筒状部材)本発明の逆
流防止具に用いられる第1の筒状部材および第2の筒状
部材は、例えば従来の注射器、薬液容器、輸液チューブ
等に用いられる、種々のプラスチックから成形される。
かかるプラスチックとしては、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ4−メチルペンテン〔例えば、三井
化学(株)の商品名「TPX」〕等のポリオレフィン;
エチレン−テトラシクロドデセン共重合体〔三井化学
(株)の商品名「アペル」〕等のポリ環状オレフィン;
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(A
BS);ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリアリレート等の
ポリエステル;ポリフェニレンサルファイド(PPS)
等のベンゼン系重合体;等が挙げられる。
【0055】(図10に示す実施形態)本発明に係る逆
流防止具と、それを用いた医療用具とのさらに他の実施
形態を図10に示す。図10に示す実施形態において、
逆流防止具50は、その第1の筒状部材11側に接続し
たポート56を用いることによって輸液バッグ17等の
輸液容器に接続されており、当該輸液容器の口部として
用いられている。
【0056】逆流防止具50における第2の筒状部材5
1は、その一方の開口端52を第1の筒状部材11に内
挿した状態で固定されており、当該開口端52が弁体1
3に当接することで、弁座としての作用を示している。
一方、第2の筒状部材51における他方の開口端53
は、テーパ面と、係止部55とを備えており、ルアーロ
ック部54を構成している。従って、この逆流防止具5
0の他方の開口端53には、同図に示すルアーロック型
刺通具76を挿入し、固定することができる。この結
果、輸液バッグ57と、当該輸液バッグ57内の薬液等
を出し入れする医療用具との固定を簡易にかつ確実に達
成することができる。
【0057】なお、図10中、符号77は内筒部、符号
78は外筒部、符号79は係止部55と螺合するめねじ
を、それぞれ示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る逆流防止具とそれを用いた医療用
具の一実施形態を示す断面図であって、第2の筒状部材
16における一方の開口端17側から弁体13に対して
液圧をかけていない状態を示す断面図である。
【図2】図1に示す逆流防止具10の弁体13に、開口
端17側から液圧Pをかけた状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す逆流防止具10のうち、第1の筒状
部材11を示す図であって、(a) は天面図、(b) は(a)
のA−A断面図、(c) は底面図である。
【図4】本発明に係る逆流防止具とそれを用いた医療用
具との他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る逆流防止具を用いた医療用具につ
いての他の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る逆流防止具のうち、第1の筒状部
材についての他の実施形態を示す図であって、(a) は天
面図、(b) は(a) のB−B断面図、(c) は底面図であ
る。
【図7】本発明に係る逆流防止具のさらに他の実施形態
を示す断面図である。
【図8】図7に示す逆流防止具40のうち、第1の筒状
部材41を示す図であって、(a) は天面図、(b) は(a)
のC−C断面図、(c) は底面図である。
【図9】逆流防止具の製造方法の一例を示す模式的断面
図である。
【図10】本発明に係る逆流防止具を用いた医療用具に
ついてのさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図11】従来の逆止弁についての製造方法の一例を示
す模式的断面図である。
【図12】従来の逆止弁の一例を示す縦断面図である。
【図13】従来の逆止弁の一例を示す縦断面図である。
【図14】従来の逆止弁の一例を示す縦断面図である。
【図15】従来の逆止弁の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 逆流防止具, 10a 逆流防止具, 11 第
1の筒状部材, 11a 第1の筒状部材, 12 本
体, 13 弁体, 13a 弁体, 14掛止部,
16 第2の筒状部材, 17 開口端, 18 開口
端, 30逆流防止具, 31 第2の筒状部材, 3
2 開口端, 33 開口端, 40 逆流防止具,
41 第1の筒状部材, 42 本体, 44 排気
孔,45 第1のフィルタ(通気フィルタ), 36
第2のフィルタ(通液フィルタ), 37 開口端,
38 開口端, P 液圧, x 軸方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16K 15/14 (72)発明者 小林 訓雄 徳島県那賀郡相生町西納字大張42 Fターム(参考) 3E064 HR04 HS07 3E084 AA06 AA12 AB05 BA02 CA01 CB02 DA01 FA09 FD13 KA01 KB01 LD02 LD16 3H058 AA01 AA13 BB01 BB21 BB28 BB32 CA02 CA19 CB02 CB04 CC05 EE01 EE20 4C066 AA07 BB01 CC01 DD02 FF03 LL09 QQ94

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略筒状の本体、弾性体からなる弁体および
    当該弁体の掛止部を有する第1の筒状部材と、軸方向に
    貫通した流路を有する第2の筒状部材と、を備えてお
    り、 前記第2の筒状部材は、その一方の開口端を前記第1の
    筒状部材に内挿した状態で固着されかつ当該開口端が前
    記弁体に当接するものであり、 前記掛止部は、前記第1の筒状部材の内部にあって前記
    略筒状の本体と一体成形されたものであり、 前記弁体は、前記掛止部と一体成形されて前記第1の筒
    状部材の内部に配置され、前記第2の筒状部材における
    一方の開口端との当接によって前記第1および第2の筒
    状部材内での液体の流通を遮断し、かつ、前記第2の筒
    状部材側から液圧を受けると容易に圧縮変形して、圧縮
    変形を受ける方向と交差する液体の流路を前記開口端と
    の間に形成するものである逆流防止具。
  2. 【請求項2】前記第1および/または第2の筒状部材
    が、さらに当該筒状部材の外部に連通する排気孔と、当
    該排気孔を塞いで空気の流通を許容しかつ液体の流通を
    遮断する第1のフィルタと、液体の流通を許容しかつ空
    気の流通を遮断する第2のフィルタと、を備えるもので
    あって、 前記第2の筒状部材側から第1の筒状部材側への方向を
    上流側から下流側としたときに、前記第2のフィルタ
    が、前記第1のフィルタに対して下流側に配置されてな
    る請求項1記載の逆流防止具。
  3. 【請求項3】第1の筒状部材の本体と、弁体と、当該弁
    体の掛止部とを射出成形によって一体成形し、かつ、こ
    れとは別に、軸方向に貫通した流路を有する第2の筒状
    部材を成形した後、 前記本体、弁体および掛止部を有する第1の筒状部材
    に、前記第2の筒状部材における一方の開口端を内挿し
    て前記弁体と前記一方の開口端とを当接させ、 さらに前記第1の筒状部材と前記第2の筒状部材とを互
    いに溶着することを特徴とする逆流防止具の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の逆流防止具を備え
    る医療用具であって、 前記逆流防止具の第1の筒状部材が液体の吐出口を有し
    ており、かつ、 前記逆流防止具の第2の筒状部材における開口端のう
    ち、第1の筒状部材に内挿される側とは逆側の開口端
    が、略筒状の接続部と接続可能な開口、またはルアーロ
    ック型刺通具を挿入および係止可能な開口を有するもの
    である医療用具。
  5. 【請求項5】前記第1の筒状部材における吐出口が、先
    端の鋭利な注射針である請求項4記載の医療用具。
  6. 【請求項6】前記第1の筒状部材における吐出口が、そ
    の先端が鋭利ではなく、かつ輸液回路の混注口に接続可
    能な筒状体である請求項4記載の医療用具。
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