JP2010167202A - 医療用ポート - Google Patents

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忠 沖山
Sai Tachizaki
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Abstract

【課題】弁の裂けが抑制された医療用ポートを提供する。
【解決手段】中央部に挿入孔1fが形成されたディスク状の弁1と、弁の周縁を、下面側から担持する台座7と、弁の中央部における上面を露出させる嵌合孔を有し、かつ、少なくとも弁の周縁を上面側から覆うカバー2と、を含み、挿入体が挿入孔へ挿入されたときに、挿入体と嵌合孔との嵌合により挿入体をカバーに係止させうるように、嵌合孔が形成された、医療用ポートであって、弁の下面において、挿入孔の長手方向と同方向の直線上の、挿入孔の長手方向の両端近傍に、各々、前記挿入孔の裂けを抑制する凸部が形成されており、弁1の下面において、各凸部と挿入孔1fとの最短距離が、0mmを越え且つ0.5mm以下であり、各凸部の最大高さが0.2mm〜0.5mmである医療用ポート。
【選択図】図3

Description

本発明は、薬液等の液体の注入および/または採取を可能とする医療用ポートに関する。
患者に輸液等の供給を行う場合、種類の異なる薬液を、輸液等の供給を行うための医療用具(輸液セット等)に混注し、または、医療用具を構成する送液路を流れる液をサンプル採取することがある。このよう場合、従来は、送液路にゴム製の混注ポート(栓体)を設け、当該ゴム製の栓体に注射針等を穿刺して液体を混注および/または採取していた。
しかし、このような方法では、栓体の所定の穿刺部位以外に針が穿刺されると、その箇所から液漏れを起こす問題があった。また、作業ミス等により注射針を汚染したりする問題があった。そこで、最近では、ルアー等(以下、「挿入体」という。)を挿入かつ保持できる医療用ポートが提案されている。例えば、特許文献1には、シリンジ先端部を構成するルアーを、挿入孔内へ押し込むと、液を注入および/または採取でき、挿入孔からルアーを抜くと挿入孔がその弾性により閉じるというような弁を有する医療用ポートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11-197254号公報
しかし、上記挿入体を、例えば、その軸を中心として回転させながら挿入孔にねじ込む等し、弁に過剰に負荷がかかるようなやり方で挿入体を挿入孔に挿入すると、弁が裂けることがあった。
そこで、本発明では、弁の裂けが抑制された医療用ポートを提供する。
本発明の医療用ポートは、
中央部に挿入孔が形成されたディスク状の弁と、
前記弁の周縁を、下面側から担持する台座と、
前記弁の前記中央部における上面を露出させる嵌合孔を有し、かつ、少なくとも前記弁の周縁を上面側から覆うカバーと、を含み、
挿入体が前記挿入孔へ挿入されたときに、前記挿入体と前記嵌合孔との嵌合により前記挿入体を前記カバーに係止させうるように、前記嵌合孔が形成された、医療用ポートであって、
前記弁の下面において、前記挿入孔の長手方向と同方向の直線上の、前記挿入孔の長手方向の両端近傍に、各々、前記挿入孔の裂けを抑制する凸部が形成されており、
前記弁の下面において、各凸部と前記挿入孔との最短距離が、0mmを越え且つ0.5mm以下であり、
各凸部の最大高さが0.2mm〜0.5mmである。
本発明の医療用ポートでは、弁の下面の所定の位置に所定の高さの凸部が形成されているので、弁の裂けが抑制されている。
本発明の医療用ポートの一例を説明する平面図 図1に示した本発明の医療用ポートのII−II'断面図 図1に示した本発明の医療用ポートのIII−III'断面図 図1に示した本発明の医療用ポートの構成するカバーの断面図 図1に示した本発明の医療用ポートを構成する弁の斜視図 図5に示した弁の平面図 図6に示した弁のVII−VII'断面図 図5に示した弁の底面図 本発明の医療用ポートの一例に、挿入体を挿入し、挿入体をカバーの嵌合孔に嵌合させた様子を示した説明図 本発明の医療用ポートのさらに別の例を構成する弁の底面図 Aは、ルアー挿入前の弁の下面における挿入孔の長さLOdbを示した模式図、Bは、ルアー200回挿入後の弁の下面における挿入孔の長さLOdaを示した模式図 挿入抵抗測定試験の様子を説明する説明図 Aは、従来の医療用ポートの一例の平面図、BはAのXXB−XXB'断面図、Cは、AのXXC−XXC'断面図、 図13のCに示した従来の医療用ポートの部分拡大図 図14に示した医療用ポートの挿入孔に挿入体が挿入された時の状態を示した断面図
挿入体を、例えば、挿入孔にねじ込む等して、弁に過剰な負荷がかかるようなやり方で挿入孔に挿入した場合に、挿入孔から液漏れが生じることあった。本発明者らは、当該液漏れの原因について検討し、当該原因の一つが挿入孔の長手方向両端近傍において弁が裂けることにあることを発見した。
次に、従来の医療用ポートの一例を挙げて、液漏れと弁の裂けとの関係について詳細に説明する。ただし、後述の環状溝を有しない、例えば、厚みがほぼ均一な弁であっても、弁に裂けが生じる可能性があることから、本発明を構成する弁は、後述の環状溝を有する形態に制限されない。
図13のAは、従来の医療用ポートの一例の平面図、Bは、AのXXB−XXB'断面図、Cは、AのXXC−XXC'断面図であり、図14は、図13のCに示した従来の医療用ポートの部分拡大図(図13のAを挿入孔300の長手方向と平行な方向に切断した場合に見える切断面)であり、図15は、図14に示した医療用ポートの挿入孔に挿入体が挿入された時の状態を示した断面図である。
従来の医療用ポートにおいて、図13のA〜Bに示すように、弁100は、その表面に環状の環状溝110を有する。この医療用ポートでは、環状突起50を有する台座70と鉤部90を有するカバー200により弁100が拘持され、かつ、環状溝110とカバー200の鉤部90とが係合しているので、弁100が、環状突起50よりも内側の伸長部分と、環状突起50よりも外側の圧縮部分とに分割されている。すなわち、挿入体が弁100の挿入孔300に挿入されると、伸長部分は、挿入体の挿入により伸長する。一方、圧縮部分は、カバー200と台座70とにより圧縮されているので挿入体が挿入孔に挿入されても伸長しない。
図15に示されるように、挿入体500が挿入孔内に挿入された状態では、図14および図15から分かるように、弁100の伸長部分のうちのb部分と挿入体500の先端部外周面とが接している。そのため、弁の上面における当該b部分と挿入体500の先端部外周面とが密着した箇所において、周方向のいずれかの箇所で、当該b部分と挿入体500の先端部外周面との密着性が低くなると、挿入孔300から液が漏れ出る可能性が高まる。
挿入体500を、例えば、挿入孔300にねじ込む等し、弁100に過剰に負荷がかかるようなやり方で挿入孔300に挿入した場合、特に、弁のc部分(挿入孔300の長手方向両端を構成する弁100の内面)に裂けが生じる場合がある。弁100のc部分に裂けが生じると、弁100の伸長部分の弾性力(復元力)が低下し、この復元力の低下により、当該b部分と挿入体500の先端部外周面との密着性が低下し、ひいては、上記液漏れが生じる可能性がある。特に、図13〜図15を用いて説明した従来の医療用ポートにおいては、b部分が、弁100のうちの厚みが比較的薄い部分の一部であるので、弁の裂けが及ぼす上記密着性への悪影響の程度は大きいと考えられる。
なお、b部分と挿入体の先端部外周面の接触面積の大小は、X線CT等により確認できる。上記c部分における裂けの発生の有無は、挿入体500が挿入孔300に挿入された状態の時の、弁の厚みW3の変動等により確認できる。厚みW3の変動もX線CT等により確認できる。部分cに裂けが発生している場合の厚みW3は、裂けが発生してない場合の厚みW3よりも薄くなる。
そこで本発明者らは、挿入孔の長手方向両端近傍における弁の裂けを抑制するべく、弁の下面の所定の位置に所定の高さの凸部を形成した。
(実施形態1)
次に、本発明の医療用ポートの一例について、図1〜図10を用いて説明する。
図1〜図3に示すように、本発明の医療用ポートの一例は、ディスク状の弁1と、弁の周縁を、下面側から担持する台座7と、カバー2と含む。
図1に示すように、カバー2の平面形状は、例えば略円形である。カバー2は、弁1の中央部1aにおける上面を露出させることが可能な嵌合孔2a(図1参照)を有している。図4に示すように、カバー2は、例えば、その側部に少なくとも2つの切欠き部2bを有し、当該切欠き部2bと台座7の突起部7a(図3参照)とが係合され、弁1は、台座7とカバー2とにより拘持される。一般的な注射器先端のルアーや、輸液・輸血セットを構成するオスコネクタのルアーを挿入体とするのであれば、嵌合孔2aの直径D1(図1参照)を3.9〜4.4mm、嵌合孔2aの厚みL2(図3参照)を0.3〜1.0mmの範囲の値とすると好ましく、直径D1を3.9〜4.2mm、厚みL2を0.5〜0.7mmの範囲とするとさらに好ましい。かかる構成により、簡易な構造により、確実に挿入体を嵌合孔2aに係止できる。
カバー2は、嵌合孔2aに挿入体をしっかりと嵌合させても割れないように充分な強度を有するものが好ましい。カバー2の材料としては、耐薬品性・耐熱性等を考慮すると、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好ましい。
カバー2は、図2および図3に示されるように、弁1の環状溝1c(図5〜図7等参照)と係合可能な環状鉤部2cを有していると好ましい。また、台座7は、台座7が有する開口部7cの縁部に沿って形成され、環状鉤部2cよりも径方向外側に位置する環状突起7bを有していると好ましい。この医療用ポートでは、環状突起7bを有する台座7と環状鉤部2cを有するカバー2により弁1が強固に拘持され、かつ、弁の環状溝とカバー2の環状鉤部2cとが係合しているので、弁1が、環状突起7bよりも内側の伸長部分と、環状突起7bよりも外側の圧縮部分とに分割されている。すなわち、挿入体が弁1の挿入孔1f(図1および図3参照)に挿入されると、伸長部分は、挿入体の挿入により伸長する。一方、圧縮部分は、カバー2と台座7とにより圧縮されているので挿入体が挿入孔に挿入されても伸長しない。そのため、弁1と台座7との間の液洩れ防止と、伸長後の弁1の良好な復元の両立とが可能となる。
図7および図8に示されるように、弁1の下面には、挿入孔1fを囲うように、リング状凸部1eが形成されている。弁1の下面における、リング状凸部1eと挿入孔1fとの最短距離X(図8参照)、すなわち、リング状凸部1eの挿入孔1fの長手方向両端近傍部分と、その近くの挿入孔1fの端との最短距離Xは、各々0mmを越え且つ0.5mm以下であり、好ましくは、0mmを越え且つ0.15mm以下である。最短距離Xが0.5mmを越えると、リング状凸部1eを設けることによる弁の裂け抑制効果が得られない。最短距離Xは、0mmを越え且つ0.5mm以下であればよいが、挿入孔1fがカッター等を用いて形成される場合に、リング状凸部1eの一部がカッターにより切断される可能性を低減し、その結果として生産性を向上させる観点から、最短距離Xは0.10mm以上であると好ましい。
リング状凸部1eの、挿入孔1fの長手方向と同方向の直線上における最大高さH(図7参照)は、0.2mm〜0.5mmである。最大高さHが0.2mmよりも小さいと、リング状凸部1eを設けることによる弁の裂け抑制効果が十分に得られず、最大高さHが0.5mmよりも大きいと、挿入体の挿入孔1fへの挿入抵抗が大きくなりすぎる。最大高さHは、高い弁の裂け抑制効果を確保しながら、挿入体の挿入孔1fへの挿入抵抗の増大を抑制する点から、0.15mm〜0.30mmであると好ましい。
なお、リング状凸部1eの、挿入孔1fの長手方向と同方向の直線上以外の箇所における最大高さについて特に制限はないが、弁の成形が容易であり、かつ、挿入孔の形成時に挿入孔の長手方向の方向制限を無くすことができる等の理由から、リング状凸部1eの高さは、その周方向に沿って等しいと好ましい。すなわち、リング状凸部1eを径方向に切断した時に見える切断面の形状は、いずれの径方向に切断した場合も等しいと好ましい。
リング状凸部1eは、上記最短距離Xが0mmを越え0.5mm以下であり、かつ、最大高さHが0.2mm〜0.5mmであるかぎり、その断面形状について特に制限はないが、弁の裂けをより効果的に抑制する観点から、挿入孔1fの端に近い部分の高さが高いと好ましい。同様の観点から、挿入孔1fの端に近い部分のみならず、遠い部分も高いと好ましい。また、摩擦等によるリング状凸部1eの一部のちぎれなどを抑制する観点から、リング状凸部1eは鋭角な部分を有しないような形状であると好ましい。よって、リング状凸部1eは、その高さが、挿入孔1fに近い側および挿入孔1fから遠い側から各々除々に高くなるようなR面を含み、かつ、頂部が平坦であると好ましい。
リング状凸部1eの幅W(図7参照)について特に制限はないが、挿入孔1fへの挿入体の挿入が行い易いという理由から、0.4mm〜1.3mmであると好ましい。リング状凸部1eが台座7に接するほどに、リング状凸部1eの幅Wが大きいと、挿入体の挿入抵抗が大きくなるので好ましくない。よって、図3に示されるように、挿入体が挿入孔1fに挿入されていない状態において、リング状凸部1eと開口壁面7dとは離れていると好ましい。リング状凸部1eと開口壁面7dとの距離Yは、具体的には、0.1mm以上であると好ましく、0.2mm以上であるとより好ましく、0.4mm以上であるとさらに好ましい。
図5および図7に示すように、弁1の上面には環状溝1cが形成されている。そのため、弁1において、挿入孔1fが形成された中央部1aの周囲の厚みは中央部1aのそれよりも薄い。また、弁1のうちの環状溝1cよりも外側の部分(周縁部)1bの厚みは、弁1のうちの環状溝1cが形成されている部分の厚みよりも厚い。この場合、挿入体が挿入孔1fに挿入されると、弁1の伸長部分のうちの厚みが相対的に薄い箇所が良く伸びるので、伸長部分の厚みが一定な弁よりも、挿入体の挿入性が向上し、かつ、挿入体が嵌合孔に嵌合された状態の保持が良好に行われる。
弁1は、弁1の中央部1aの周囲の厚みを中央部1aよりも薄くすることにより形成された段差面11(図7参照)を有する。段差面11は、弁1の上面の一部を構成する面であり、弁1の中央部1aにおける上面と、中央部1aの周囲のうちの最も厚みが薄い箇所における弁の上面とを連結する連結面のことである。段差面は、弁1の中央部1aにおける上面に対して90度の角度をなす垂直面である場合もあるし、傾斜面である場合もある。傾斜面は、直線的に傾斜している場合もあるし、曲線的に傾斜している場合もある。
図7に示されるように、弁1の中央部1aにおける厚みを周縁部1bにおける厚みよりも厚くしてもよい。この場合、図3に示されるように、カバー2表面と弁1の中央部1aにおける上面との間に生じていた段差を無くせるか或いは小さくできる。よって、薬液や血液等が弁1の中央部1aにおける上面に付着しても、それらを容易にふき取ることができ、好ましい。
弁1の平面外形は、例えば、円形、または楕円形である。挿入孔1fとしては、直線状のスリット等が挙げられる。挿入体がISO594−2に規定されたルアーであれば、弁の上面における挿入孔(スリット)の長手方向の長さL0U(図6参照)は、弁1の挿入性や液密性の点から、2.8mm〜3.9mmが好ましい。また、弁1の外径D2(図6参照)とスリットの長さL0Uについての比率は、1.1≦D2/L0U≦4であるのが好ましい。弁1の周縁部における厚みL1(図7参照)は、弁1への挿入体の挿入性、弁1の逆止効果、および経済性等を向上させる観点から1mm〜2mmが好ましい。弁の下面における挿入孔(スリット)の長手方向の長さL0d(図8参照)は、弁1への挿入体の挿入性や液密性の点から、2.6mm〜3.0mmが好ましい。なお、本願において、弁についての寸法は、弁1がカバー2と台座7とにより拘指されていない状態での値である。
スリットの長さL0U(図6参照)は、挿入体が嵌合孔2aに嵌合された際に、挿入体5のうちの医療用ポートに埋接された部分の最大外径D3(図9参照)の0.7以上で、かつ1.1倍以下であると好ましい。
弁1を構成する材質としてはゴム状の弾性材料であれば良いが、より限定するなら硬度JIS−Aにおいて、20〜55のものが好ましく、30〜40のものがより好ましい。具体的な材質として、シリコンゴム、天然ゴム、ブチルゴムやニトリルゴム等の合成ゴム、あるいは熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
本発明の医療用ポートのさらに別の例では、図10に示されるように、弁1の下面において、挿入孔1fの長手方向と同方向の直線上の、挿入孔1fの長手方向の両端近傍に、各々、凸部11eが形成されていてもよい。弁1の裂けが起こり易いと考えられる挿入孔1fの長手方向と同方向の直線上の所定の位置(各凸部11eと挿入孔との最短距離が、0mmを越え且つ0.5mmよりも短くなくなるような位置)に、最大高さが0.2mm〜0.5mmの凸部11eを形成すれば、弁の裂けを抑制できる。挿入孔の長手方向の両端近傍の各々に形成された凸部11eが、挿入孔を囲うように形成されたリング状凸部1eの一部を構成しており、弁を下面側から平面視した場合に見えるリング状凸部の内周が円形であれば、挿入孔の長手方向の方向制限をなくすことができ、好ましい。この場合、カッター等を用いて弁に切れ込みを入れることにより挿入孔を形成する際に、挿入孔の長手方向の方向制限を無くすことができる。
以上、図1〜図10を用いて、本発明の医療用ポートの一例として、輸液セット等を構成する送液路の途中に設けられる混注ポートを例に挙げて説明したが、本発明の医療用ポートが使用される用途は、これに限定されず、本発明の医療用ポートは、例えば、薬液を収納した、あるいは収納するための容器の口部、輸液セットの側注管等、薬液を注入・採取するためのポートを有するあらゆる医療用具に適用できる。
実施例1〜4、比較例1〜3の医療用ポートを作製し、これらに対して、下記のとおり、気密試験、弁の裂け長さの評価、および挿入性試験を行った。
[実施例1]
図1〜図10を用いて説明した医療用ポートの一例を作製した。弁1の直径D2(図6参照)は10mm、弁の上面における挿入孔(スリット)1fの長手方向の長さL0uは3.1mm、弁1の下面における挿入孔1fの長手方向の長さL0dは2.9mm、嵌合孔2aの直径D1(図1参照)は4.2mm、弁1を上面側から平面視した場合に見える中央部1aの外径(図6参照)は4.1mm、リング状凸部1eと挿入孔1fの両端との距離X(図8参照)は、各々0.15mm、リング状凸部1eの最大高さH(図7参照)は0.4mm、リング状凸部1eの幅W(図7参照)は0.8mm、リング状凸部1eと台座7の開口壁面7dとの距離Y(図3参照)は、0.85mm、環状溝1cにおいて最も薄い箇所における厚みは0.9mm、弁1のうちの環状溝1cよりも外側の部分1bの厚みL1(図8参照)は1.5mm、弁の中央部における厚みは1.9mmである。
なお、挿入孔1fの長手方向は、医療用ポートの長手方向と同方向とした。なお、上記弁の各寸法は、カバーと台座とにより拘指されていない状態の時の寸法である。弁の材料は、イソプレンゴムであり、その硬度は35(JIS−A)である。
[実施例2〜4、比較例2〜3]
リング状凸部1eの最大高さH(図7参照)、リング状凸部の幅W(図7参照)、リング状凸部と台座7の開口壁面との距離Yを、表1に示される値に代えたこと以外は実施例1と同様にして、医療用ポートを作製した。
[比較例1]
リング状凸部が形成されていないこと以外は、実施例1と同様の構造の医療用ポートを用意した。
(弁の裂けの評価)
(1)実施例1〜4、比較例1〜3の医療用ポートをそれぞれ3つ用意し、弁の下面における挿入孔の長さLOdbを、顕微鏡を用いて測定し、各々その平均を求めた(図11のA参照)。
(2)次いで、実施例1〜4、比較例1〜3の医療用ポートを、70℃の雰囲気下に10日間放置した。
(3)次いで、ISO594−2に規定されたルアーを挿入孔内に200回挿入した後、弁の下面における挿入孔の長手方向の長さLOda(図11のB参照)を、顕微鏡を用いて測定し、その平均値を求め、下記式より、挿入孔の裂け長を得、表1に示した。上記ルアーの挿入孔内への挿入の際には、その都度、ルアーを医療用ポートの嵌合孔に嵌合させた。
挿入孔の裂け長(mm)=(長さLOdaの平均値)―(長さLOdbの平均値)
(挿入力測定試験)
まず、図12に示すように、ISO594−2に規定されたルアー12を有する雄コネクタ(ポリカーボネート製)14を、医療用ポート10の弁の上面に、ルアー12の先端端面が接するように配置する。次いで、プッシュプルスケール13で雄コネクタ14に荷重を1秒間与えた後、プッシュプルスケール13による雄コネクタ14の押圧を解除する。プッシュプルスケール13による雄コネクタ14の押圧を解除しても、雄コネクタ14が挿入孔に挿入された状態が3秒以上維持可能な荷重を、挿入抵抗として測定した。挿入抵抗の測定は、実施例1〜4の医療用ポートおよび比較例1〜3の医療用ポートに対して、各々3回行い、各医療用ポートの挿入孔に対する挿入体の挿入抵抗の平均値をもとめ、表1に示した。なお、挿入抵抗が小さければ小さいほど、挿入体を挿入しやすく、かつ、挿入状態が保持され易いことを意味する。
Figure 2010167202
以上の結果から、実施例1〜4の医療用ポートでは、比較例1〜3の医療用ポートよりも、挿入抵抗の著しい増大を伴うことなく、弁の裂けを抑制できることが分かる。
本発明の医療用ポートは、弁の裂けが抑制されているので、液漏れの発生の抑制が期待できる。また、本発明の医療用ポートは、輸液セットを構成する医療用ポートのみならず、輸血セット、薬液を収納した、あるいは収納するための容器の口部、輸液セットの側注管等を構成する医療用ポートとして有用である。
1 弁
1a 中央部
1b 周縁部
1c 環状溝
1d 環状凸部
1e リング状凸部
1f 挿入孔
11e 凸部
7 台座
2 カバー
2a 嵌合孔
2c 環状鉤部
5 挿入体

Claims (4)

  1. 中央部に挿入孔が形成されたディスク状の弁と、
    前記弁の周縁を、下面側から担持する台座と、
    前記弁の前記中央部における上面を露出させる嵌合孔を有し、かつ、少なくとも前記弁の周縁を上面側から覆うカバーと、を含み、
    挿入体が前記挿入孔へ挿入されたときに、前記挿入体と前記嵌合孔との嵌合により前記挿入体を前記カバーに係止させうるように、前記嵌合孔が形成された、医療用ポートであって、
    前記弁の下面において、前記挿入孔の長手方向と同方向の直線上の、前記挿入孔の長手方向の両端近傍に、各々、前記挿入孔の裂けを抑制する凸部が形成されており、
    前記弁の下面において、各凸部と前記挿入孔との最短距離が、0mmを越え且つ0.5mm以下であり、
    各凸部の最大高さが0.2mm〜0.5mmである医療用ポート。
  2. 前記挿入孔の長手方向の両端近傍の各々に形成された前記凸部が、前記挿入孔を囲うように形成されたリング状凸部の一部を構成している請求項1に記載の医療用ポート。
  3. 前記弁を下面側から平面視した場合に見える前記リング状凸部の内周は、円形である請求項1又は2に記載の医療用ポート。
  4. 前記リング状凸部を径方向に切断した時に見える切断面の形状は、いずれの径方向に切断した場合も等しい請求項2または3に記載の医療用ポート。
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