JP3668293B2 - 注入容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、注入容器、特に薬液の配合に用いられる注入容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
患者に輸液を投与するのに先立って、輸液バッグ内に充填された輸液に、例えばビタミン剤、ヘパリン、抗生物質のような薬剤を必要に応じて配合することが行われている。
【0003】
このような薬剤の配合は、まず、注射器の穿刺針を輸液バッグの弾性栓に刺通し、プランジャーを引いて輸液バッグ内の輸液を注射器内に採取し、次いで、この採取した輸液を配合する薬剤(粉末状)が入れられた容器に移し、この容器内で薬剤を溶解、混合した後、再びこの薬剤混合液を前記注射器で吸引、採取し、注射器の穿刺針を輸液バッグの弾性栓に刺通し、プランジャーを押して薬剤混合液を輸液バッグ内に注入することにより行われている。
【0004】
また、薬液が封入されたバイアル瓶に注射器の穿刺針を穿刺し、プランジャーを引いてバイアル瓶内の薬液を注射器内に採取し、次いで、注射器の穿刺針を輸液バッグの弾性栓に刺通し、プランジャーを押して薬液を輸液バッグ内に注入することにより行われている。
【0005】
しかしながら、このような薬液の配合は、操作手順が複雑であり、配合に要する時間が長くかかるという欠点がある。特に、救急患者に対しては、迅速な対応が不可欠であるが、このような患者に投与する薬液を配合する場合には不利である。
さらに、上記薬液の配合操作、特に薬剤の溶解、混合は、そのほとんどが大気と接触した状態で行われるため、細菌汚染や異物混入のおそれがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薬液の注入や配合等を、汚染を生じることなく簡単な操作で短時間に行うことができる注入容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 有底筒状の容器本体と、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガスケットと、前記ガスケットに設置され、ガスケットの摺動方向に移動し得る両頭針とを有し、
前記ガスケットは、前記両頭針の一方の針管で刺通可能な刺通部を有し、
前記両頭針の前記ガスケットに対する位置を、前記一方の針管が前記刺通部に刺通されていない状態の第1の位置と、刺通された状態の第2の位置とを取り得るように位置決めするとともに、前記第2の位置にある前記両頭針が前記第1の位置へ移動するのを抑制する機能を有する位置決め手段を有し、
前記両頭針を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動して前記刺通部を刺通するとともに、前記ガスケットを前記容器本体の底部側へ摺動させて、前記容器本体内の流体を前記両頭針を介して排出することを特徴とする注入容器。
【0009】
(2) 前記両頭針の前記一方の針管の前記刺通部に対する位置を規制する位置規制手段を有する上記(1)に記載の注入容器。
【0010】
(3) 前記両頭針の他方の針管に、該針管の少なくとも針先を被包しかつ該針管にて刺通可能な被包部材が装着されている上記(1)または(2)に記載の注入容器。
【0011】
(4) 前記容器本体の開口を開封可能に封止する封止部材を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の注入容器。
【0012】
(5) 前記容器本体の底部および前記ガスケットの底部は、互いに嵌合し得る凹凸形状をなしている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の注入容器。
【0013】
(6) 前記両頭針は、合成樹脂で構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の注入容器。
【0014】
(7) 前記容器本体の内部に薬液が収納されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の注入容器。
【0015】
(8) さらに注入容器と連結可能なホルダーを有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の注入容器。
【0016】
(9) 前記ホルダーは、外筒と、注射針とを有し、前記注入容器と前記ホルダーとを連結した状態で、前記両頭針を介して排出された前記容器本体内の流体が前記注射針の内腔に供給されるよう構成されている上記(8)に記載の注入容器。
【0017】
(10) 有底筒状の容器本体と、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガスケットと、前記ガスケットに設置され、ガスケットの摺動方向に移動し得る両頭針とを有し、
前記ガスケットは、前記両頭針の一方の針管で刺通可能な刺通部と、前記一方の針管の前記刺通部に対する位置を規制する位置規制手段とを有し、
前記両頭針を前記ガスケットに対し移動して前記刺通部を刺通するとともに、前記ガスケットを前記容器本体の底部側へ摺動させて、前記容器本体内の流体を前記両頭針を介して排出することを特徴とする注入容器。
【0018】
(11) 有底筒状の容器本体と、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガスケットと、前記ガスケットに設置され、ガスケットの摺動方向に移動し得る両頭針とを有し、
前記ガスケットは、前記両頭針の一方の針管で刺通可能な刺通部を有し、
前記容器本体の底部および前記ガスケットの底部は、互いに嵌合し得る凹凸形状をなしており、
前記両頭針を前記ガスケットに対し移動して前記刺通部を刺通するとともに、前記ガスケットを前記容器本体の底部側へ摺動させて、前記容器本体内の流体を前記両頭針を介して排出することを特徴とする注入容器。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の注入容器を添付図面の好適な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の注入容器の第1実施例を示す縦断面図、図2および図3は、それぞれ、図1に示す注入容器の使用状態を示す縦断面図である。なお、説明の都合上、これらの図の上側を「上部」または「先端」、下側を「下部」または「基端」と言う。
【0021】
図1に示すように、本発明の注入容器1Aは、主に、ガスケット10と、両頭針20と、容器本体30と、蓋体40と、被包部材50により構成される。
容器本体30は、先端に開口部31を有する有底の円筒体からなり、所定の剛性を有する剛性材料で構成されている。
【0022】
容器本体30の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易であることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。そして、容器本体30の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明または半透明であるのが好ましい。
【0023】
また、容器本体30は、前記材料以外に、例えばステンレス鋼、チタン、アルミニウム等の金属材料またはガラス、アルミナ等のセラミックス材料で構成されていてもよい。
【0024】
容器本体30の底部(下部)の中心部には、容器本体内側へ突出する凸部32が形成されている。また、容器本体30の底部付近の内周面には、テーパ部33が形成されている。容器本体30内において、ガスケット10が容器本体30の最も基端側(底部側)へ移動したとき、ガスケット10の凹部14およびテーパ部16がぞれぞれ容器本体30の凸部32およびテーパ部33と嵌合または接近する。これにより、ガスケット10を容器本体30の基端側へ移動して容器本体30内から薬液60を排出する際に、容器本体30の姿勢にかかわらず、薬液60の残存量(死容量)を減少することができる。
なお、図示されていないが、容器本体30の外周面に、薬液60の量を示す目盛りが付されていてもよい。
【0025】
容器本体30内には、容器本体30の内周面に沿って液密に摺動し得るガスケット10が挿入されている。このガスケット10は、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料で構成される略円柱状の部材である。
【0026】
なお、ガスケット10は、その全体が前記弾性材料で構成されているものに限らず、少なくとも突部17、リブ12および膜15が前記弾性材料で構成されているものであればよい。
【0027】
ガスケット10の外周面には、全周に渡って複数のリング状の突部17が形成されている。この突部17は、ガスケット10が摺動する際に、容器本体10の内周面に密着し、気密性、液密性を良好に維持するとともに、適度な摺動性を保つ機能を有している。
【0028】
ガスケット10の長さ(摺動方向の長さ)は、容器本体30内面の軸方向の長さからガスケット10より突出している両頭針20の長さを引いた長さより小さい長さとされる。
【0029】
そして、ガスケット10の容器本体30に対する気密性・液密性を良好に保持するために、ガスケット10の最大外径、すなわち、リング状の突部17の外径は、容器本体30の内径より小さいものとするのが好ましい。
【0030】
また、ガスケット10の内部には、先端側から、円盤状の孔11と、該孔11と所定距離離間する円盤状の孔12とが形成され、さらに、ガスケット10の基端部(底部)には、ガスケット基端面に開放する凹部14が形成されている。
【0031】
この場合、孔11および12の中心付近は連通しており、両孔11、12の間には、中心へ向けて突出するリング状のリブ13が形成されている。また、孔12と凹部14との間には、後述する第2の針管22により刺通可能な膜(刺通部)15が形成されている。
【0032】
また、孔11の上部には、中心へ向けて突出するリング状のリブ18が形成されている。このリブ18は、両頭針20がガスケット10から脱落するのを防止する機能を有する。リブ18の内径は、後述する両頭針20の拡径部23の外径とほぼ等しいかまたはそれより若干小さい。また、前記リブ13の内径は、リブ18の内径とほぼ等しいかまたはそれより若干大きい。
【0033】
なお、本実施例においては、リブ13および18は、ガスケット10の内側全周に設けられているが、これに限らず、周方向に沿って部分的に(例えば間欠的に)設けられていてもよい。
【0034】
また、ガスケット10の基端側外周(底部外周)には、基端へ向かってその外径が漸減するテーパ部16が設けられている。これにより、容器本体30の開口部からガスケット10を挿入して組み立てる際の組み立て性が向上する。
【0035】
このようなガスケット10には、両頭針20が設置されている。両頭針20は、先端側の第1の針管21と基端側の第2の針管22と、それらの中間に位置する拡径部23とを有し、第1の針管21の針先に形成された側孔24と第2の針管22の針先に形成された孔25とが内腔26により連通された構造となっている。
【0036】
第1の針管21および第2の針管22には、それぞれ、鋭利な刃先が形成されている。第1の針管21の長さ(拡径部23の先端面からの突出長さ)は、第1の針管21を後述する輸液バッグ100の混注ポート110に刺通したときに、少なくとも側孔24が輸液バッグ100内に侵入する程度とされる。
【0037】
なお、拡径部23は、第1の針管21の外径より大きな外径を有しているので、拡径部23の先端は、第1の針管21が輸液バッグ100の混注ポート110に刺通されたとき、第1の針管21が必要以上に深く刺通されて混注ポート110が大きく切開されるのを阻止するためのストッパーとしての機能を有している。
【0038】
また、拡径部23の外径は、リブ18の内径とほぼ等しいかまたはそれより若干大きいので、両頭針20の移動の直進性を向上することができる。
また、両頭針20の拡径部23の基端には、拡径部23より外径が大きい円盤状の鍔部27が形成されている。
【0039】
この鍔部27と、前記孔11、12と、前記リブ13、18とで、両頭針20のガスケット10に対する位置を、第2の針管22が膜15に刺通されていない状態の第1の位置と、膜15に刺通された状態の第2の位置とを取り得るように位置決めする位置決め手段が構成される。すなわち、鍔部27は、孔11および12に選択的に嵌合し、孔11への嵌合時には、両頭針20は、第2の針管22が膜15を刺通していない状態(第1の位置)であり、孔12への嵌合時には、両頭針20は、第2の針管22が膜15を刺通した状態(第2の位置)となる。
【0040】
なお、鍔部27の孔11から孔12への移動の際には、リブ13が弾性変形し、このリブ13を超えて移動する。この場合、鍔部27の外周部には、鍔部27の上部外周縁をエッジとしてその外径が基端方向へ向けて漸減するような湾曲凸面28が形成されており、この湾曲凸面28が鍔部27の孔11から孔12への移動を助けるが、これと逆方向、すなわち鍔部27の孔12から孔11への移動は抑制するように構成されている。これにより、膜15に一旦刺通された第2の針管22が膜15から抜けることが防止される。さらに、鍔部27が孔11に嵌合している状態で、鍔部27がリブ18を越えてガスケット10の先端面側へ移動し、両頭針20がガスケットから離脱することも防止される。
【0041】
このような両頭針20は、合成樹脂材料によりその各部を一体的に形成したものであるのが好ましい。両頭針20を構成する合成樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、環状ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイドが挙げられるが、その中でも、成形が容易であること、鋭利な針先の強度を確保し易いことから、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイドが好ましい。なお、強度を確保するためにこれらの樹脂中に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の強化繊維を添加してもよい。
【0042】
また、両頭針20は、例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム等の各種金属材料や、ガラス、アルミナ等の各種セラミックス材料で構成されたものであってもよい。
【0043】
膜15の図中上面には、第2の針管22の膜15に対する穿刺位置を規制する位置規制手段として、リング状の突部19が好ましくは膜15と一体的に形成されている。この突部19により、第2の針管22の針先が突部19の内側に位置するよう規制され、穿刺位置が一定となる。
【0044】
なお、鍔部27の第2の針管22との接合部付近には、鍔部27が孔12と嵌合し、第2の針管22が膜15を刺通した際に、前記突部19が収納されるリング状の溝部29が形成されている。これにより、両頭針20の移動を妨げず、かつ移動の直進性を向上することができる。
【0045】
両頭針20の第1の針管21は、ガスケット10の先端面より先端側へ突出しており、その周囲には、第1の針管21の少なくとも針先を被包する被包部材50が設置されている。この被包部材50は、未使用時に第1の針管21の汚染を防止し、無菌状態を保つ機能と、第2の針管22が膜15を穿刺した後に側孔24からの液漏れを防止する機能とを有する。
【0046】
このような被包部材50としては、例えば前記ガスケット10と同様の材料による膜で構成され、第1の針管21の針先により容易に刺通可能なものが好適に使用される。また、被包部材50の後端は、拡径部23の先端に形成されたリング状の溝231に嵌入されて固定されている。
なお、本実施例における被包部材50は、その先端が半球状をなしているが、先端形状は、これに限定されず、例えば平面状のものであってもよい。
【0047】
本実施例においては、容器本体30内のガスケット10との間で仕切られる空間に、薬液60が封入されている。この薬液60の具体例としては、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリンのような抗血栓剤、インシュリン、抗生物質、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質等が挙げられる。
なお、本発明では、容器本体30内に、前記薬液60に代り、固体(例えば、粉末状、粒状)の薬剤が入れられ、これを溶解して用いるような構成であってもよい。この場合、容器本体30内のガスケット10との間で仕切られる空間は、減圧状態とされているのが好ましい。
【0048】
また、容器本体30の先端には、開口部31を開封可能に封止する封止部材として、蓋体40が設けられている。これにより、使用直前まで無菌状態を保つことができる。本実施例における蓋体40は、容器本体30の開口部31に対し、着脱自在に装着(嵌合)され、使用時に取り外される。なお、図示されていないが、蓋体40は、容器本体30の先端部に対し螺合により装着される構造のものでもよい。
【0049】
また、使い捨ての注入容器1Aにおいては、蓋体40に代わり、容器本体30の先端面に接着されて開口部31を封止し、剥離することにより開口部31を開封するフィルムを設けてもよい。さらには、容器本体30と蓋体を薄肉部を介して同一部材により一体成形し、前記薄肉部を破断して開封するような構成のものであってもよい。これらの構成によっても前記と同様の効果が得られる。
【0050】
蓋体40の構成材料としては、前記弾性材料の他、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体のような各種樹脂、または前記弾性材料とこれらの樹脂との混合物が挙げられる。
【0051】
次に、図1〜図3に基づき、注入容器1Aの使用方法について説明する。
図1に示す未使用の状態の注入容器1Aを用意し、この容器本体30より蓋体40を取り外す。次に、図2に示すように、薬液60を配合しようとする輸液120が入れられた輸液バッグの100の混注ポート(弾性材料よりなる膜で構成されている)110に、ガスケット10に設けられた両頭針20の第1の針管21側を押し当て、注入容器1Aを先端方向へ押圧する。これにより、図2に示すように、第1の針管21が混注ポート110を刺通し、その針先が輸液バッグ100内に侵入する。また、このとき、被包部材50は、その先端が第1の針管21に刺通されるとともに、拡径部23の先端面と混注ポート110とに押圧されて基端側へ寄せられ、蛇腹状に折り畳まれる。
【0052】
両頭針20の混注ポート110に対する押圧力をさらに増大させると、両頭針20は、ガスケット10に対し、第1の位置から第2の位置へ移動する。すなわち、孔11に嵌合していた鍔部27がリブ13を越えて基端側へ移動し、孔12に嵌合する。また、この移動に伴って、第2の針管22がリング状突部19に囲まれた内側部分の膜15を刺通し、容器本体30の内部と輸液バッグ100の内部とが、両頭針20の内腔26を介して連通する。
【0053】
次に、図2中の矢印で示すように、容器本体30の基端部を先端方向へ押圧する。これにより、ガスケット10が容器本体30に対し基端方向へ摺動し、容器本体30とガスケット10とで囲まれる空間の体積が減少するので、容器本体30内の薬液60が凹部14、孔25、内腔26、側孔24を順次経て、輸液バッグ100内に注入され、輸液120に配合される。
【0054】
図3に示すように、ガスケット10が容器本体30の最も基端側(底部側)に移動すると、容器本体30内からの薬液60の排出が完了する。このとき、ガスケット10の凹部14と容器本体30の凸部32とが嵌合し、またガスケット10のテーパ部16と容器本体30のテーパ部33とが接近するので、薬液60の残存量が少なくなる。
【0055】
以上のようにして、輸液バッグ100への薬液60の注入が完了したら、第1の針管21を混注ポート110から抜き取る。このとき、蛇腹状に折り畳まれていた被包部材50は、その弾性力により瞬時に元の形状に復元し、第1の針管21を再び被包するので、側孔24から液が漏れて周囲に飛散することが防止される。
【0056】
そして、このような被覆部材50の再シール性の作用により、容器本体30内に残った薬液60も無菌状態が保たれる。また、混注ポート110の再シール性の作用により、輸液バッグ100内も無菌状態が保たれる。
【0057】
なお、容器本体30内の薬液60の全量を一度に注入する場合に限らず、同一または異なるの輸液バッグ100等に対し、容器本体30内の薬液60を複数回に分けて注入(分注)することもできる。この場合には、ガスケット10を容器本体30の長手方向の所望の位置に停止させ、上述した操作を繰り返し実行する。
【0058】
図4は、本発明の注入容器の第2実施例を示す縦断面図である。同図に示す注入容器1Bは、ガスケット10Bの構造が異なる以外は前記注入容器1Aと同様である。
【0059】
すなわち、注入容器1Bにおけるガスケット10Bは、その先端部に、輸液バッグ100の下端部(混注ポート110付近)130が嵌合し得るカップ状の凹部70が形成されている。そして、第1の針管21は、凹部70のほぼ中心部に収納されている。
【0060】
第1の針管21を混注ポート110に刺通する際には、輸液バッグ100の下端部130が凹部70に嵌合する。これにより、両頭針20のガスケット10に対する基端側への移動およびガスケット30の容器本体30内での摺動を安定して行うことができる。
【0061】
なお、図示されていないが、下端部130の外周面と凹部70の内周面とにそれぞれ雄螺子および雌螺子が形成され、下端部130と凹部70とが螺合するような構成とすることもできる。
【0062】
図5は、本発明の注入容器の第3実施例を示す縦断面図である。同図に示す注入容器1Cは、注射器として用いられるものであり、ガスケット10Cの構造が異なる以外は前記注入容器1Aと同様である。
【0063】
すなわち、注入容器1Cにおけるガスケット10Cは、その先端部に、ホルダー140の注射針160の基端部が嵌入(螺入)し得るほぼ円柱状の凹部80が形成されている。この凹部80の内面には、雌螺子81が形成されている。また、第1の針管21は、凹部80のほぼ中心に収納されている。
【0064】
一方、ホルダー140は、注入容器1Cに連結されるものであり、有底筒状の外筒150と、外筒150とほぼ同心的にかつ外筒150の底部に固着(または一体形成)された注射針160とで構成されている。
【0065】
注射針160の先端側は、外筒150の先端(底部)より先端方向に突出し、その先端には、鋭利な針先162が形成されている。また、注射針160の基端部外周には、前記雌螺子81と螺合する雄螺子170が形成されている。
【0066】
また、注射針160の基端面には、注射針160の内腔161を封止する膜180が気密的に貼着(または嵌合)されている。この膜180は、前述した弾性材料で構成されている。
【0067】
蓋体40が取り外されている注入容器1Cをホルダー140に対し所定方向に回転して、注射針160の基端部をガスケット10Cの凹部80に螺合すると、第1の針管21が被包部材50および膜180を刺通し、その針先が注射針160の内腔161に侵入する。この状態で、前述したように、注入容器1Cを先端方向へ押圧、移動すると、両頭針20がガスケット10Cに対し第1の位置から第2の位置へ移動して第2の針管22が膜15を刺通するとともに、ガスケット10Cが容器本体30に対し基端方向へ摺動し、容器本体30内の薬液60が凹部14、孔25、内腔26、側孔24、内腔161を順次経て、注射針160の針先162から噴出する。
以上、本発明の注入容器を図示の各実施例について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0068】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の注入容器によれば、例えばバッグ内への薬液の配合等の液体の注入を、簡単な操作で短時間に行うことができる。
【0069】
そして、操作中において、容器内部等の各所が外気と接触する機会が極めて少ないため、細菌汚染や異物の混入を防止することができる。特に、被包部材を設けた場合や、封止部材を設けた場合には、その効果がより顕著に発揮される。
【0070】
また、注入する薬剤等の量を予め設定しておくことにより、配合ミスを防止することができる。
また、位置決め手段を設けた場合や、位置規制手段を設けた場合には、両頭針の移動による刺通部の刺通をより確実かつ安定的に行うことができる。
また、容器本体の底部とガスケットの底部とが互いに嵌合し得る凹凸形状をなしている場合には、容器本体内の薬液等を無駄なく排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注入容器の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す注入容器の使用状態を示す縦断面図である。
【図3】図1に示す注入容器の使用状態を示す縦断面図である。
【図4】本発明の注入容器の第2実施例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の注入容器の第3実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 注入容器
10、10B、10C ガスケット
11、12 孔
13 リブ
14 凹部
15 膜
16 テーパ部
17 突部
18 リブ
19 突部
20 両頭針
21 第1の針管
22 第2の針管
23 拡径部
231 溝
24 側孔
25 孔
26 内腔
27 鍔部
28 湾曲凸面
29 溝部
30 容器本体
31 開口部
32 凸部
33 テーパ部
40 蓋体
50 被包部材
60 薬液
70、80 凹部
81 雌螺子
100 輸液バッグ
110 混注ポート
120 輸液
130 輸液
140 下端部
150 外筒
160 注射針
161 内腔
162 針先
170 雄螺子
180 膜

Claims (11)

  1. 有底筒状の容器本体と、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガスケットと、前記ガスケットに設置され、ガスケットの摺動方向に移動し得る両頭針とを有し、
    前記ガスケットは、前記両頭針の一方の針管で刺通可能な刺通部を有し、
    前記両頭針の前記ガスケットに対する位置を、前記一方の針管が前記刺通部に刺通されていない状態の第1の位置と、刺通された状態の第2の位置とを取り得るように位置決めするとともに、前記第2の位置にある前記両頭針が前記第1の位置へ移動するのを抑制する機能を有する位置決め手段を有し、
    前記両頭針を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動して前記刺通部を刺通するとともに、前記ガスケットを前記容器本体の底部側へ摺動させて、前記容器本体内の流体を前記両頭針を介して排出することを特徴とする注入容器。
  2. 前記両頭針の前記一方の針管の前記刺通部に対する位置を規制する位置規制手段を有する請求項1に記載の注入容器。
  3. 前記両頭針の他方の針管に、該針管の少なくとも針先を被包しかつ該針管にて刺通可能な被包部材が装着されている請求項1または2に記載の注入容器。
  4. 前記容器本体の開口を開封可能に封止する封止部材を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の注入容器。
  5. 前記容器本体の底部および前記ガスケットの底部は、互いに嵌合し得る凹凸形状をなしている請求項1ないし4のいずれかに記載の注入容器。
  6. 前記両頭針は、合成樹脂で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の注入容器。
  7. 前記容器本体の内部に薬液が収納されている請求項1ないし6のいずれかに記載の注入容器。
  8. さらに注入容器と連結可能なホルダーを有する請求項1ないし7のいずれかに記載の注入容器。
  9. 前記ホルダーは、外筒と、注射針とを有し、前記注入容器と前記ホルダーとを連結した状態で、前記両頭針を介して排出された前記容器本体内の流体が前記注射針の内腔に供給されるよう構成されている請求項8に記載の注入容器。
  10. 有底筒状の容器本体と、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガスケットと、前記ガスケットに設置され、ガスケットの摺動方向に移動し得る両頭針とを有し、
    前記ガスケットは、前記両頭針の一方の針管で刺通可能な刺通部と、前記一方の針管の前記刺通部に対する位置を規制する位置規制手段とを有し、
    前記両頭針を前記ガスケットに対し移動して前記刺通部を刺通するとともに、前記ガスケットを前記容器本体の底部側へ摺動させて、前記容器本体内の流体を前記両頭針を介して排出することを特徴とする注入容器。
  11. 有底筒状の容器本体と、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガスケットと、前記ガスケットに設置され、ガスケットの摺動方向に移動し得る両頭針とを有し、
    前記ガスケットは、前記両頭針の一方の針管で刺通可能な刺通部を有し、
    前記容器本体の底部および前記ガスケットの底部は、互いに嵌合し得る凹凸形状をなしており、
    前記両頭針を前記ガスケットに対し移動して前記刺通部を刺通するとともに、前記ガスケットを前記容器本体の底部側へ摺動させて、前記容器本体内の流体を前記両頭針を介して排出することを特徴とする注入容器。
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