JP3562993B2 - 磁気検出装置 - Google Patents

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    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁界の変化を検出する磁気検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磁気抵抗素子(以下、MR(Magnetoresistance)素子という)は、強磁性体(例えば、Ni−Fe、Ni−Co等)薄膜の磁化方向と電流方向のなす角度によって抵抗値が変化する素子である。
このようなMR素子は、電流方向と磁化方向が直角に交わるときに抵抗値が最小になり、電流方向と磁化方向のなす角が0度、すなわち同一あるいは全く逆の方向になるときにその抵抗値が最大になる。このような抵抗値の変化をMR変化率と呼び、一般にNi−Feで2〜3%、Ni−Coで5〜6%である。
【0003】
図9及び図10は従来の磁気検出装置の構成を示す側面図及び斜視図である。
図9に示すように、従来の磁気検出装置は、回転軸41と、少なくとも1つ以上の凹凸を外周側に有し、回転軸41の回転に同期して回転する円板状の磁性回転体42と、この磁性回転体42の外周側と所定の間隙をもって配置されたMR素子43と、このMR素子43の背部に固着され、このMR素子43に磁界を与える磁石44と、MR素子43の出力を処理する集積回路45とからなり、MR素子43は、磁気抵抗パターン46と、薄膜面(感磁面)47とを備える。
このような磁気検出装置において、磁性回転体42が回転することでMR素子43の感磁面である薄膜面47を貫く磁界が変化し、磁気抵抗パターン46の抵抗値が変化する。
しかし、このような磁気検出装置で用いられている磁気検出素子のMR素子43は出力レベルが小さいため、精度の高い検出ができず、これを解決するために、出力レベルの大きな巨大磁気抵抗素子(以下、GMR(Giant Magnetoresistance)素子という。)を用いた磁気検出素子が、近時提案されている。
【0004】
図11は、従来のGMR素子の特性を示す図である。
図11の特性を示すGMR素子は、日本応用磁気学会誌Vol.15,No.51991,第813〜821頁の「人工格子の磁気抵抗効果」と題する論文に記載されている数オングストロームから数十オングストロームの厚さの磁性層と非磁性層とを交互に積層させたいわゆる人工格子膜としての積層体(Fe/Cr、パーマロイ/Cu/Co/Cu、Co/Cu、FeCo/Cu)である。この積層体は、上述のMR素子と比較して格段に大きなMR効果(MR変化率)を有するとともに、外部磁界の向きが電流に対してどのような角度であっても同じ抵抗値の変化が得られる素子である。
磁界の変化を検出するためにGMR素子で実質的に感磁面を形成し、その感磁面の各端に電極を形成してブリッジ回路を形成し、このブリッジ回路の対向する2つの電極間に定電圧、定電流の電源を接続し、GMR素子の抵抗値変化を電圧変化に変換して、このGMR素子に作用している磁界変化を検出することが考えられる。
【0005】
図12および図13は、従来のGMR素子を用いた磁気検出装置の構成を示す側面図および斜視図である。
図12および図13において、この磁気検出装置は、回転軸41と、少なくとも1つ以上の凹凸を外周に有し、回転軸41の回転に同期して回転する磁界変化付与手段としての円板状の磁性回転体42と、この磁性回転体42の外周と所定の間隙をもって配置されたGMR素子48と、このGMR素子48に磁界を与える磁界発生手段としての磁石44と、GMR素子48の出力を処理する集積回路45とからなり、GMR素子48は、感磁パターンとしての磁気抵抗パターン49と、薄膜面50とを有する。
このような磁気検出装置では、磁性回転体42が回転することで、GMR素子48の薄膜面(感磁面)50を貫く磁界が変化し、磁気抵抗パターン49の抵抗値が変化する。
【0006】
図14は従来のGMR素子を用いた磁気検出装置を示すブロック図であり、図15は従来のGMR素子を用いた磁気検出装置の詳細を示すブロック図である。
図14および図15に示す磁気検出装置は、磁性回転体42と所定の間隙をもって配置され、磁石44より磁界が与えられるGMR素子48を用いたホイートストンブリッジ回路51と、このホイートストンブリッジ回路51の出力を増幅する差動増幅回路52と、この差動増幅回路52の出力を基準値と比較して“0”または“1”の信号を出力する比較回路53と、この比較回路53の出力を受けてスイッチングする出力回路54とを備える。
【0007】
図16は従来のGMR素子を用いた磁気検出装置の回路構成の一例を示す図である。
図16において、ホイートストンブリッジ回路51は、例えば各辺にそれぞれGMR素子48a,48b,48cおよび48dを有し、GMR素子48aとGMR素子48cは電源端子VCCに接続され、GMR素子48bとGMR素子48dは接地され、GMR素子48aとGMR素子48bの各他端は接続点55に接続され、GMR素子48cとGMR素子48dの各他端は接続点56に接続される。
【0008】
ホイートストンブリッジ回路51の接続点55が抵抗器57を介して差動増幅回路58のアンプ59の反転入力端子に接続され、接続点56が抵抗器60を介してアンプ59の非反転入力端子に接続されるとともに、更に抵抗器61を介して、電源端子VCCから供給される電圧にもとづいて基準電圧を構成する分圧回路62に接続される。
また、アンプ59の出力端子は抵抗器63を介して自己の反転入力端子に接続されるとともに、比較回路64のアンプ65の反転入力端子に接続され、アンプ65の非反転入力端子は、電源端子VCCから供給される電圧にもとづいて基準電圧を構成する分圧回路66に接続されるとともに、抵抗器67を介してアンプ65の出力端子に接続される。
そして、比較回路64の出力端は、出力回路68のトランジスタ69のベースに接続され、トランジスタ69のコレクタは、出力回路68の出力端子70に接続されるとともに、抵抗器71を介して電源端子VCCに接続され、そのエミッタは接地される。
【0009】
図17は、従来の磁気検出素子の構成を示す図であり、図18は、従来の磁気検出素子の動作を示す特性図である。
図17に示すように、ホイートストンブリッジは、GMR素子48(48aないし48dから構成される)を備える。
磁性回転体42が回転すると、図18に示すように、GMR素子48(48aないし48d)に供給される磁界が変化し、差動増幅回路58の出力端には図18に示すように、磁性回転体42の凹凸に対応した出力が得られる。
この差動増幅回路58の出力は、比較回路64に供給されて、その比較レベルである基準値と比較されて“0”または“1”の信号に変換され、この信号は更に出力回路68で波形整形され、この結果、その出力端子70には図18に示すようにその立ち上がり、立ち下がりの急峻な“0”または“1”の出力が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の磁気検出素子に用いられるGMR素子の特性は印加磁界に対してヒステリシスを有しており、磁気検出装置で設定されている磁界範囲が小さい場合には感度が低下し、検出が困難となるおそれがある。また、各磁界におけるGMR素子の抵抗値は、一般の金属膜と同様、温度によって変化するので、GMR素子の磁気特性は温度依存性を有する。磁気検出装置で設定されている磁界範囲で室温では充分な検出感度を有していても使用温度が上昇すると検出が困難になる場合が生じるおそれもある。
このため、磁気検出素子と対向する回転体の凹凸の間隙が一部狭くなっている場合のように磁界範囲がその部分だけ極端に小さくなるような場合には充分な出力信号が得られないという問題点があった。
また、自動車搭載用途などの使用環境温度が厳しい場合(例えば−40℃以上15℃以下)には、高温側で出力が得られない場合が生ずるという問題点があった。なお、自動車搭載では、この素子はエンジン制御やブレーキ制御用にエンジンの回転数や車輪の回転数を計測する等の用途が考えられる。
【0011】
従って、この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、広い使用環境温度範囲を有し、かつ、検出感度の高い磁気検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の磁気検出装置は、外周に沿って凹凸を有し、回転軸を中心に回転する磁性回転体と、上記磁性回転体の外周に対向するように配設される磁石と、上記磁石の上記磁性回転体の外周に対向する位置に付設される磁気検出素子とを備えてなり、上記磁気検出素子は、上記磁性回転体の回転に伴う上記磁性回転体と上記磁石との間の磁界の変化を検出し、当該検出結果に基づき上記磁性回転体の回転量を検出するとともに、飽和磁界に0.8をかけ合せた磁界以下の範囲の中で動作させるようにした巨大磁気抵抗素子を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図にもとづいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る磁気検出素子およびその装置を構成するGMR素子の磁気特性を示す図である。
図1に示すように、この発明の実施の形態1に係るGMR素子の磁気特性を示す磁気曲線は、磁界0の近傍に抵抗値の最大値(以下Rmaxという)を有し、磁界の増大とともに抵抗値は減少していき、充分大きな磁界(例えば2KOe以上)である飽和状態をとる。この飽和状態での抵抗値をRminと定義する。磁界を飽和磁界から戻して行くと磁界を増大させた場合とは異なる経路で磁界0まで抵抗値が上昇していく、いわゆるヒステリシスを有する。
一般に飽和磁界とは、飽和状態に達する最小磁界を意味するが、規程が曖昧であるので、本発明においては、飽和磁界を「Rminに1%抵抗値を上乗せした値(Rmin×1.01)と磁界を増大させた場合の磁気抵抗曲線との交点の磁界」と定義する。
図2及び図3に示すように、磁気検出素子を備える磁気検出装置は、外周に沿って少なくとも1つ以上の凹凸を有し、回転軸29の回転に同期して回転する円板状の磁性回転体30と、この磁性回転体30と所定の間隙をもって磁性回転体30の外周に対向するように配置された磁気検出素子28と、磁気検出素子28に備えられたGMR素子7に磁界を与える磁石31と、GMR素子7の出力を処理する集積回路45とを備える。磁石31の漏洩磁束の大きさと磁石31とGMR素子7との距離と磁性回転体30とGMR素子7の間隔によってGMR素子7で検知する磁界幅は様々に変化させることができる。それらを調整し、GMR素子7の抵抗値が最大値となる磁界以上でGMR素子7の飽和磁界に0.8をかけ合わせた磁界以下の範囲の中にGMR素子7で検知する磁界幅が収まるようにする。
【0014】
図2では、磁性回転体30の外周に対して対面するシリコン基板等の基板1の前面に積層処理技術で設けられたGMR素子7及び集積回路45より成る磁気検出素子28が配置される。この磁気検出素子28の背面に磁石31が図外の取付け手段で配置されている。本発明の実施の形態1では、磁気検出素子28の基板1の前面に備えられたGMR素子7の感磁面における検出方向の磁界変化が、GMR素子7の抵抗値が最大値となる磁界以上で動作させる。さらに、好ましくは、GMR素子7の飽和磁界に0.8をかけ合わせた磁界以下の範囲の中で動作させるものであるので、これを満足するような配置であれば、どのような配置でもよい。例えば、図3では、磁性回転体30の凹凸面に対して磁気検出素子28に備えられたGMR素子7の面がほぼ垂直になるように配置され、GMR素子7の直上(もしくは直下であってもよい)に磁石31が配置されている。この場合も、図外の集積回路がGMR素子7の近傍に取り付けられている。
【0015】
GMR素子7が検知する磁界幅がRmaxの磁界より小さい磁界まで広がるとその磁界幅における磁気抵抗曲線のヒステリシスが大きくなり、回転体30の凹凸のエッジを検出する場合の精度が低下したり、磁気検出素子28と対向する回転体30の凹凸の間隔が一部狭くなっている場合のように磁界範囲がその部分だけ極端に小さくなるような場合には充分な出力信号が得られないという弊害をもたらす。
また、一般的にGMR膜の飽和磁界は、温度の上昇とともに小さくなってくるので、場合によっては、室温における飽和磁界に0.8をかけた磁界が、温度上昇とともに飽和磁界を超える場合も生じる。室温における飽和磁界近傍での抵抗変化率(%/Oe)は、もともと比較的小さな値しかなく、温度上昇とともに抵抗変化率(%/Oe)は、さらに小さくなってゆく。抵抗変化率(%/Oe)の大小が出力に係わってくるので、出力低下が大きくなる。このように、GMR素子7の飽和磁界に0.8をかけ合わせた磁界より大きな磁界までGMR素子7が検知する磁界幅が広がると高温動作時の出力低下が顕著となるという弊害をもたらす。
GMR素子7の抵抗値が最大値となる磁界以上でGMR素子7の飽和磁界に0.8をかけ合わせた磁界以下の範囲でGMR素子7を動作させることにより上記のような弊害が解消でき、使用温度範囲の拡大と高感度化を進めることができる。
このように、実施の形態1では、磁気検出素子28に備えられたGMR素子7の感磁面における検出方向の磁界変化が、GMR素子7の抵抗値が最大値となる磁界以上でGMR素子7の飽和磁界に0.8をかけ合わせた磁界以下の範囲の中で動作させるものであるので、広い使用環境温度範囲を有し、かつ、検出感度の高い磁気検出素子を提供することができる。なお、この0.8をかけ合わせた磁界以下の下限については、次のとおりである。
「0.8をかけ合わせた磁界」をHssと仮に名づけると、高温動作時の出力低下という観点でみると
−Hss≦H≦+Hss
というのが有効範囲といえると思われる。
【0016】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係るGMR素子の単位磁界当りの抵抗変化率と積層回数の関係を示す図である。
図4には、上記GMR素子7がFe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の層とCuの層との繰り返しによりなる積層膜よりなり、かつ上記Cu層として、このCu層1層の厚さに対する磁気抵抗変化が第2のピーク近傍となるCu厚を用いた場合の単位磁界あたりの抵抗変化率とFe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]とCuをひとくくりとした積層回数との関係が示されてある。ここで、「ひとくくり」の語の定義については後述する。
図4に示す単位磁界当りの抵抗変化率(以下では、磁界感度と称す)は、磁性層としてFe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]を用いた場合には、積層回数15回から30回付近で大きな値を採り、磁気検出素子として150℃付近の高温においても充分な検出感度を有するためには、積層回数10回から40回の範囲で使用するのが良い。積層回数10回未満や40回を超えた場合には、どのサンプルでも充分な磁界感度は得られない。
このように、実施の形態2では、GMR素子7がFe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の層とCuの層との繰り返しによりなる積層膜よりなり、かつCu層1層の厚さに対する磁気抵抗変化が第2のピーク近傍となるCu厚を用いた場合の単位磁界あたりの抵抗変化率とFe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の層とCuの層とをひとくくりとした積層回数を10回以上40回以下としたので、磁気検出素子28の感度向上を図ることができる。
【0017】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係るGMR素子の単位磁界当たりの抵抗変化率とFeCo層の厚さとの関係を示す図である。
図5には、図4にて最も良好な特性を示したGMR素子がFe(x)Co(1−x)[x=0.1]の層とCuの層との繰り返しによりなる積層膜よりなり、かつ上記Cu層として、Cu層1層の厚さに対する磁気抵抗変化が第2のピーク近傍となるCu厚を用いた場合の単位磁界当りの抵抗変化率とFe0.1Co0.9の1層当りの膜厚との関係が示されている。
図5に示す単位磁界当りの抵抗変化率は、FeCo層の厚さが10Åの付近から急激に立ち上がり、12Åから20Å付近で充分大きな値を示し、30Åより大きくなると充分な磁界感度が得られなくなる。
従って、FeCo層1層当りの膜厚が10Å以上30Å以下の範囲でGMR素子7を形成するのが良い。
このように、実施の形態3では、GMR素子7がFe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の層とCuの層の繰り返しによりなる積層膜よりなり、かつ上記Cu層として、Cu層1層の厚さに対する磁気抵抗変化が第2のピーク近傍となるCu厚を用いた場合のFe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の膜厚を10Å以上30Å以下としたので、磁気検出素子28の感度向上を図ることができる。
【0018】
実施の形態4.
図6ないし図7は、この発明の実施の形態4に係るGMR素子の膜構成を示す断面図である。
まず、図6に示すように、GMR素子膜5の形成過程において、例えば、Si基板などの基板1上に形成されたSi熱酸化膜等の下地層2の表面に、FeCoの層9aを形成してから、その上にCuの層10、Fe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の層9、Cuの層10、FeCoの層9を順次積層していく。FeCoの層9とCuの層10のペア層90を10から40回積層し、最上層が図6に示す如くFeCoの層9となるように形成する。FeCoの層9に比べて導電率の高い材料であるCuの層10を最上層とした場合には、GMR効果に寄与しない電子が表面付近を流れる確率が増え、結果として磁気抵抗変化率(MR比)の低下を招くため、最上層は図6に示す如くFeCoの層9である事が良い。
そして、図7に示すように、最上層のFeCoの層9のさらに上に続けて保護膜8としてSiNx膜を形成することによって、後の写真製版工程などでGMR素子膜5の酸化を防止でき、GMR素子7の特性を安定化させることができる。上記保護膜8としてのSiNx膜は最上層のFeCoの層9の形成後真空を破らずに続けて形成する。すなわち、Fe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の層9とCuの層10の繰返しにより積層してなるGMR素子膜5(積層膜)を設け、このGMR素子膜5の最上層の上に保護膜8を形成して巨大磁気抵抗素子を製造するのであるが、上記最上層を真空中のスパッタリングや低温プラズマCVDや真空蒸着等の薄膜処理技術により形成した後、上記保護膜8も、真空を破ることなく、薄膜処理により形成する。このことにより、GMR素子膜5の自然酸化をも抑制することができ、安定化に対してさらに効果的に作用する。
上記保護膜8としては、SiNx膜の代わりに酸化Si膜や酸化Ta膜などの誘電体膜の他、Ti、V、Ta、Nb、Zrなどの金属膜やそれらを組み合せた金属膜やそれらの酸化膜や窒化膜を用いることができる。いずれもGMR素子膜5の特性を損なわないようにスパッタリングや低温プラズマCVDや真空蒸着によって形成することができる。
このように、この発明の実施の形態4においては、図7に示す如くGMR素子膜5の最上層をFeCo層9としたので、GMR素子7の磁気特性を向上させることができ、GMR素子膜5形成後に保護膜8を形成したことによりGMR素子7の信頼性を向上させることができる。
ここで、前述の、「ひとくくり」の語の定義について説明する。図6や図7で示した積層構造をした膜において、図中、9がFeCoの層、10がCuの層であるが、基板1から順次、基板1/下地層2/最下部のFeCoの層9a/[Cuの層10/FeCoの層9]/[Cuの層10/FeCoの層9]/[Cuの層10/FeCoの層9]・・・/[Cuの層10/FeCoの層9]というように[Cuの層10/FeCoの層9]のペア層90の繰り返しで積層構造が出来上がっている。「ひとくくり」と言っているのは、この[Cuの層10/FeCoの層9]のペア層90のことである。最初のFeCo以外の、一組の積層構造のものと考えてよい。
この積層構造を簡略化して記述すると、最下部のFeCoの層9a/[Cuの層10/FeCoの層9]×n(ひとくくりの数がn個)となり、このときのnを積層回数として表記している。
この場合の最下部のFeCoの層9aは、必ず必要と言うものではないが、あった方が安定して製造ができるので、入れている。[Cuの層10/FeCoの層9]×nだけを表す呼び名としてCuの層10とFeCoの層9とのペア層90を「ひとくくり」と言っている。
【0019】
実施の形態5.
図8(a),(b)は、この発明の実施の形態5に係るGMR素子7のパターン化を行った際の膜構成を示す断面図である。
GMR素子7は、ペア層90をn回積層して成るGMR素子膜5をパターン化することで形成されるが、このGMR素子膜5のパターン化に際しては、GMR素子膜5上に形成された保護膜8上に写真製版技術によりレジストに素子パターンを転写し、イオンビームエッチング(IBE)を用いてエッチングを行い、最後にレジスト除去をするという方法がとられている。
図8(a)は基板1に対するイオンビームの入射角を0度にてエッチングを実施した後にレジストパターンを除去したGMR素子7の断面図であるが、レジストパターンの側壁に再付着した膜11が縦方向の突起として残り、この突起がGMR素子膜5の側壁保護を主たる目的とした最終保護膜形成の障害となる。
これに対し、図8(b)は基板1に対してイオンビームに入射角度を持たせた場合のエッチングを実施した後にレジストパターンを除去したGMR素子7の断面図である。図8(a)で見られた再付着膜11の残りがなくなり、かつ側面にテーパーがつき、最終保護膜形成におけるカバーレッジを向上させる。このときのテーパー角12は20°以上80°以下で充分効果があるが、パターン幅の精度やパターン幅の縮小やパターン間の間隔の縮小などの点で40°以上がさらに好ましく、また、再付着膜11の残りが確率的にほとんど0になることを考慮した量産性を考えると65°以下がさらに好ましい。
このように、実施の形態5では、GMR素子7のパターンに20°以上80°以下、好ましくは、40°以上65°以下のテーパー角12を設けたので、GMR素子7の信頼性を向上させることができる。
なお、GMR素子7は基板1の上に積層処理技術で形成するとして説明したが、GMR素子7自体を別の基板上に製造しておいたものを、基板1の上に接着してもよい。
【0020】
【発明の効果】
この発明の磁気検出装置によれば、外周に沿って凹凸を有し、回転軸を中心に回転する磁性回転体と、上記磁性回転体の外周に対向するように配設される磁石と、上記磁石の上記磁性回転体の外周に対向する位置に付設される磁気検出素子とを備えてなり、上記磁気検出素子は、上記磁性回転体の回転に伴う上記磁性回転体と上記磁石との間の磁界の変化を検出し、当該検出結果に基づき上記磁性回転体の回転量を検出するとともに、飽和磁界に0.8をかけ合せた磁界以下の範囲の中で動作させるようにしたので、これにより広い温度範囲、例えば40℃〜150℃といった範囲で磁性回転体の回転に伴う磁性回転体と磁石の間の磁界の変化を高感度で検出することが可能で、検出結果に基づき磁性回転体の回転量を検出するので、感度が高く、使用温度範囲の広い磁気検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る磁気検出素子に用いる巨大磁気抵抗素子の磁気特性を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る磁気検出装置の構成を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る磁気検出装置の構成を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る磁気検出素子に用いる巨大磁気抵抗素子の単位磁界あたりの抵抗変化率と積層回数の関係を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3に係る磁気検出素子に用いる巨大磁気抵抗素子の単位磁界あたりの抵抗変化率とFeCoの層の厚さの関係を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態4に係る磁気検出素子に用いる巨大磁気抵抗素子の膜構成を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態4に係る磁気検出素子に用いる巨大磁気抵抗素子の膜構成を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態5に係る磁気検出素子に用いる巨大磁気抵抗素子の側面部の断面図である。
【図9】従来の磁気検出装置の構成を示す側面図である。
【図10】従来の磁気検出装置の構成を示す斜視図である。
【図11】従来のGMR素子の特性を示す図である。
【図12】従来のGMR素子を用いた磁気検出装置の構成を示す側面図である。
【図13】従来のGMR素子を用いた磁気検出装置の構成を示す斜視図である。
【図14】従来のGMR素子を用いた磁気検出装置を示すブロック図である。
【図15】従来のGMR素子を用いた磁気検出装置の詳細を示すブロック図である。
【図16】従来のGMR素子を用いた磁気検出装置の回路構成の一例を示す図である。
【図17】従来の磁気検出素子の構成を示す図である。
【図18】従来の磁気検出素子の動作を示す特性図である。
【符号の説明】
1 基板、2 下地層、5 GMR素子膜、7 GMR素子(巨大磁気抵抗素子)、
8 窒化Si膜(保護膜)、9 Fe(x)Co(1−x)[0≦x≦0.3]の層、
10 Cuの層、11 再付着膜、12 テーパー角、28 磁気検出素子、
30 磁性回転体、31 磁石。

Claims (1)

  1. 外周に沿って凹凸を有し、回転軸を中心に回転する磁性回転体と、上記磁性回転体の外周に対向するように配設される磁石と、上記磁石の上記磁性回転体の外周に対向する位置に付設される磁気検出素子とを備えてなり、上記磁気検出素子は、上記磁性回転体の回転に伴う上記磁性回転体と上記磁石との間の磁界の変化を検出し、当該検出結果に基づき上記磁性回転体の回転量を検出するとともに、飽和磁界に0.8をかけ合せた磁界以下の範囲の中で動作させるようにした巨大磁気抵抗素子を備えたことを特徴とする磁気検出装置。
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