JP3561638B2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品ラックから払い出された商品を、商品取出口に搬出するための自動販売機の商品搬出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の商品搬出装置として、特開平9−259342号公報に記載のものが知られている。この商品搬出装置は、商品が前後方向に並べて収納された商品ラック(商品棚)から、商品を払い出す商品払い出し装置と、払い出された商品を受け取り商品取出口まで搬送する商品搬送装置(商品搬出用エレベータおよび払い出しコンベヤ)と、を備えている。商品払い出し装置は、コンベヤ(従動コンベヤ)を有し、この従動コンベヤのベルトが回転することにより、従動コンベヤ上に載せて収納されている商品が、後方に払い出される。一方、商品搬送装置は、払い出された商品を受け取って収容するバケット(移動体本体)を有し、このバケットには従動コンベヤを駆動するための駆動ローラが、従動コンベヤ側に突出した状態で設けられている。
【0003】
このような商品搬出装置では、販売時の商品の払い出しおよび受け渡しは、次のようにして行われる。すなわち、まず、バケットが上下方向に移動し、選択された商品を収納する商品ラックに水平に対向する位置で停止する。次いで、バケットが商品ラック側に水平に移動し、駆動ローラを従動コンベヤに当接させる。そして、駆動ローラを回転させることにより、従動コンベヤを駆動する。すなわち、駆動ローラを従動コンベヤのベルトに接触させた状態で回転させ、商品がバケット側に送り出される方向に、従動コンベヤのベルトを回転させる。これにより、商品ラック内の商品が払い出され、バケットに受け渡される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の商品搬出装置では、従動コンベヤを駆動するために、駆動ローラを従動コンベヤに押し当て摩擦伝動によって従動コンベヤを駆動している。このように、摩擦伝動によって従動コンベヤを駆動するためには、駆動ローラが従動コンベアのベルトに適切に接触するように、上記バケットを上下方向および奥行き方向に高精度で移動および停止させなければならない。このため、商品搬出装置の動作制御を高精度で行わなければならず、コスト高になってしまう。また、バケットの移動および停止を高精度で行ったとしても、駆動ローラおよび従動コンベヤのベルトが、長期間の使用によって磨耗し、滑りが生じてしまう。このため、従動コンベヤによる商品の送り出しのストロークを一定に保持することができず、商品をバケットに受け渡すことができないなど、商品の搬出不良を生ずるおそれがある。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、商品ラックからの商品の払い出しおよび受け渡しを確実に行うことができるとともに、低コストで製造可能な自動販売機の商品搬出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動販売機の商品搬出装置は、水平に延びる商品ラックに収納された商品を、販売時に商品払い出し手段によって商品ラックの一端の払い出し口から外方に払い出し、払い出された商品を商品搬送手段によって受け取り商品取出口に搬送するための自動販売機の商品搬出装置であって、商品払い出し手段は、回転することにより商品を払い出すための払い出しギアを有し、支点を中心に回動自在のアームと、このアームに回転自在に支持されるとともに、アームの回動により、払い出しギアから離隔する離隔位置と、払い出しギアに係合する係合位置との間で回動可能な遊動ギアと、この遊動ギアを回転駆動する駆動源と、を備え、商品搬送手段は、払い出し口の外方で、かつ、これに対向した位置で、払い出された商品を受け取るように構成されており、商品の払い出しの際に、商品を下側から支持するとともに、遊動ギアを介して駆動源で払い出しギアが回転駆動されている間、駆動源により、商品を商品搬送手段側に移動させる方向に回転駆動されるドラムを、更に備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、駆動源によって回転駆動される遊動ギアを、払い出しギアに係合させて商品払い出し手段を駆動するので、駆動源の動力を商品払い出し手段に直接的に、かつ、確実に伝達することができる。これにより、商品ラックからの商品の払い出しおよび受け渡しを確実に行うことができる。また、回動自在のアームで遊動ギアを支持し、遊動ギアを回動させて払い出しギアに係合させるので、遊動ギアを直線的に移動させて払い出しギアに係合させる場合に比べて、遊動ギアの移動および停止には高い精度が要求されない。このため、商品搬出装置の動作制御、特に商品の払い出しおよび受け渡しの動作制御に、高い精度が不要であるので、商品搬出装置を低コストで製造することができる。さらに、商品の払い出しの際に、ドラムによって商品を下側から支持するとともに、このドラムを、遊動ギアを介して駆動源で払い出しギアが回転駆動されている間、すなわち、商品払い出し手段で商品を商品搬送手段側に送り出している間、商品を商品搬送手段側に移動させる方向に回転させるので、ドラムおよび商品払い出し手段の協働により、商品の払い出しおよび受け渡しをより確実かつ効率的に行うことができる。また、ドラムは、遊動ギアを回転駆動する駆動源によって回転駆動されるため、ドラムおよび遊動ギアを別個の駆動源によって駆動する場合に比べて、製造コストの低減を図ることができる。
【0008】
この場合、払い出しギア、アームおよび遊動ギアは、遊動ギアが係合位置に位置するときに、支点および遊動ギアの回転中心を結ぶ直線と、払い出しギアおよび遊動ギアの回転中心同士を結ぶ直線とが鈍角を為すように配置されていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、払い出しギア、アームおよび遊動ギアを、上記のように配置することにより、遊動ギアが係合位置側に回動した場合に、両ギアの歯が直ぐにはかみ合わない状態で、歯先同士が係合するときであっても、遊動ギアが回転することにより、遊動ギアを払い出しギア側に引き寄せるような力が作用する。このため、遊動ギアは、払い出しギアに引き寄せられて係合位置まで回動し、ハンチングを生じることなく、払い出しギアに確実にかみ合う。
【0012】
これらの場合、ドラムは、商品の払い出し方向に対しほぼ直交する方向に水平に延び、払い出し方向に沿う断面が多角形であることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ドラムが上記の方向に延びるように構成されているため、商品をドラムの延び方向に亘って下側から支持することができる。このため、商品は、払い出し方向に対し傾くことなく、すなわち商品の正面を払い出し方向に向けたまま払い出される。また、ドラムの上記断面が多角形であるため、ドラムが回転駆動されることにより、商品の底面がドラム周面の各頂角部分によって、1回転当たり多数の頻度で、払い出し方向に効率よく掻き出される。
【0014】
この場合、多角形は、三角形であることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ドラムの上記断面を三角形にすることにより、ドラムの中心から、頂点までの距離と、隣り合う頂点間の中点までの距離との差が、多角形の中で最も大きくなるため、商品に対するドラムの滑りが小さくなることで、ドラムによる商品の掻き出しを効率良く行うことができる。また、頂点間の面が多角形の中で最も大きくなるため、その面で商品の下端部を確実に受けることができるとともに、ドラムの上下方向の配置位置の誤差を吸収することができる。
【0016】
これらの場合、ドラムは、その外周面が非滑性を有する材料で構成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、ドラム外周面と商品の底面との間に生じる摩擦力によって、商品に対するドラムの滑りを小さくすることができ、ドラムによる商品の掻き出しを、より一層効率良く行うことができる。
【0018】
また、これらの場合、ドラムの回転速度は、商品を商品搬送手段側に移動させる速度が商品払い出し手段による商品の送り出し速度よりも速くなるように設定されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、例えば、払い出し方向に複数の商品が並べて商品ラックに収納され、商品全体を払い出し方向に送り出して商品を払い出す場合、払い出し方向の最前に位置する商品(最前商品)は、ドラムによってその最前商品の直後に位置する商品(次販商品)から次第に離隔するようにして払い出される。したがって、最前商品のみを商品搬送手段に受け渡すことができるとともに、次販商品を商品ラックに留まらせることができ、いわゆる2本出しを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら、詳細に説明する。図1および図2は、本発明の実施形態による商品搬出装置を組み込んだ自動販売機を示している。この自動販売機1は、横長ボックス状の販売機本体2内に多品目の商品Sをそれぞれ前後方向に並べて収納するとともに、商品Sを前面の透明なスライディングドア2aを通して見えるようにした、いわゆるショーケース型のものである。自動販売機1は、上記販売機本体2、および販売機本体2内に収納された商品Sを、販売時に搬出する商品搬出装置3などを備えている。なお、以下の説明においては、収納されている商品のうち最前に位置する商品を「最前商品」、この商品の直後に位置する商品を「次販商品」と呼び、適宜、それぞれS1およびS2の符号を付する。
【0021】
販売機本体2は、複数の外壁パネル2bをボックス状に組み立てたものであり、その開放した前面に、2枚の上記スライディングドア2aが取り付けられている。スライディングドア2aは、常時は閉状態でロックされており、商品Sの補充時などに開かれ、商品Sが前方から補充されるようになっている。また、販売機本体2の上部には、商品Sを冷却する冷却装置4が設けられ、前面のスライディングドア2aの右方には、商品取出口5と、購入時にプリペイドカードなどを挿入するためのカード挿入口6と、各商品ごとに割り振られた商品番号を入力するための選択ボタンや入力された商品番号およびカード残高などを表示する表示部(いずれも図示せず)などを取り付けたコントロールパネル7とが設けられている。また、図示しないが、コントロールパネル7の裏側には、商品搬出装置3を含め販売機本体2内の各種の制御を行う、マイクロコンピュータからなる制御回路が設けられている。
【0022】
また、販売機本体2内には、左右2つのボックス状の商品収納室11、11が設けられている。各商品収納室11内には、商品収納室11の左右の側壁パネル11a、11a間に水平に支持されるとともに、商品Sを下側から支持して収納するための商品収納プレート12が、上下方向に並んで配置されている。図3に示すように、商品収納プレート12は、後述する複数の商品払い出し装置21によって左右方向に仕切られており、隣接する商品払い出し装置21、21によって、商品収納通路としての商品ラック13が構成されている。各商品ラック13には、同一品目の多数の商品Sが前後方向に並んで収納される。なお、商品収納プレート12は、左右の商品収納室11、11にそれぞれ10個および9個ずつ配置されており、商品Sの補充時などに前側に引き出せるようになっている。
【0023】
商品搬出装置3は、商品ラック13内の商品S全体を前方に送り出し、最前商品S1を払い出す商品払い出し装置21(商品払い出し手段)と、払い出された商品Sを受け取り、これを商品取出口5に搬送する商品搬送装置22(商品搬送手段)とを備えている。
【0024】
商品払い出し装置21は、図4および図5に示すように、前後方向に延び、商品ラック13を仕切る仕切本体23と、仕切本体23の前端部および後端部にそれぞれ支持された前ギア24(払い出しギア)および後ギア25と、これらのギア24、25に巻き掛けられたタイミングベルト26と、このタイミングベルト26に連結され、前後方向に移動自在のプッシャ27とを備えている。
【0025】
仕切本体23の右側面には、プッシャ27を前後方向に案内するための案内溝23a、およびタイミングベルト26を収容配置するための収容溝23bが形成されている。前ギア24は、タイミングベルト26が巻き掛けられた小ギア部24aと、この小ギア部24aよりも直径が大きく、後述する遊動ギア41にかみ合う大ギア部24bとにより2段に構成されている。一方、後ギア25は、前ギア24の小ギア部24aと径およびピッチが同一のものである。プッシャ27は、平板からなるプッシャ本体28と、上記案内溝23aに係合する前後1対のローラ29a、29aを有し、プッシャ本体28を支持するとともに、タイミングベルト26の下側部分に連結されたプッシャ支持体29とにより構成されている。なお、仕切本体23の後端部には、後ギア25を後方に付勢する1対のばね30、30が設けられており、タイミングベルト26に一定の張力を付加している。
【0026】
このように構成された商品払い出し装置21では、遊動ギア41によって前ギア24が図5の時計方向に回転駆動されると、タイミングベルト26が回転し、これに伴いプッシャ27が前方に移動する。そして、商品ラック13内の商品S全体を前方に押して送り出し、最前商品S1を商品ラック13の前端の払い出し口13a(図3参照)から前方に払い出す。なお、商品払い出し装置21は、商品Sの横幅寸法に合わせて、商品収納プレート12上の仕切位置を自在に変更できるようになっている。
【0027】
商品搬送装置22は、図2に示すように、商品収納室11の前方に、左右方向に移動自在に設けられたYモジュール部31と、このYモジュール部31を左右方向に駆動する、上下1対のX方向駆動機構32、32と、Yモジュール部31の右側面から右方向に突出し、上下方向に移動自在に設けられたバケット33とを備えている。Yモジュール部31は、上下方向に延びるボックス状の可動体34を有しており、この可動体34がその上下端部でX方向駆動機構32、32に支持されて左右方向に駆動される。可動体33には、図示しないY方向駆動機構が内蔵されており、このY方向駆動機構によって、バケット33が可動体34に対し上下方向に駆動される。
【0028】
バケット33は、図6および図7に示すように、商品ラック13から払い出された商品Sを受け取り、商品取出口5に搬出するまで一時的に収容・保持するバケット本体40と、このバケット本体40の後端部に設けられ、上記前ギア24から離隔しバケット本体40内に収容される離隔位置K(図8参照)、および後方に突出し商品払い出し装置21の前ギア24にかみ合う係合位置L(図9参照)の間で回動する遊動ギア41と、遊動ギア41を回動駆動するとともに、後述するバケットドア53を開閉駆動する第1駆動機構42と、左右方向に水平に延びるとともに側断面が三角形状に形成され、払い出しの際に回転しながら商品Sを前方に移動させる三角ドラム43(ドラム)と、この三角ドラム43および遊動ギア41を回転駆動する第2駆動機構44と、商品ラック13からの商品Sの払い出しを検知する商品検知センサ45とを備えている。
【0029】
バケット本体40は、左右の側壁(左側壁51、右側壁52)および前面のバケットドア53などによりボックス状に形成されており、上面後半部から背面上半部に亘って開放した構造になっている。この開放した部分(商品収容開口)54を介して、商品ラック13から払い出された商品Sが、バケット本体40の商品収容スペースである収容部55に収容される。
【0030】
バケットドア53は、バケット本体40の前面を構成する前面部40aと、この前面部40aの下端から連なり、バケット本体40の底面を構成し下方に半円状に湾曲した湾曲部40bとにより、側断面「J」字状に形成されている。湾曲部40bの左右両端には、それぞれ扇形の側面プレート53a、53aが設けられている。これらの側面プレート53a、53aは、頂角部分でそれぞれ上記左側壁51および右側壁52に回動自在に支持されており、同軸で左側の側面プレート53aに開閉用ギア53bが固定されている。バケットドア53は、常時は閉状態となっており、商品取出口5で商品Sを購入者に渡す際に、開閉用ギア53bが回転駆動され、これにより、バケットドア53が側面プレート53a、53aの頂角部分を中心に回動し、前面部40aを斜め前上がりの状態としてバケット本体40の前面を開放する(図10参照)。
【0031】
また、バケット本体40内には、バケットドア53の湾曲部40bよりも上方に位置し、商品Sの払い出しの際に収容部55の底面を構成するともに、上記側面プレート53aおよび開閉用ギア53bと同軸で回動自在に支持されたシュートトレイ56が設けられている。このシュートトレイ56は、商品Sの払い出しの際に、緩やかな前下がりに傾斜する収容位置E(図9参照)と、商品Sの収容後に起きあがり、収容位置Eよりも急な前下がりに傾斜する搬送位置F(図8および図10参照)との間で回動する。このシュートトレイ56の底面には、引っ張りばね59が取り付けられており、これにより、常時はシュートトレイ56が搬送位置Fに位置するように付勢されている。また、シュートトレイ56の底面側であって、シュートトレイ56の回動中心よりも後側には、左右方向に突出し、後述するトレイ駆動用リンク66に係合する係合ピン56aが設けられている。この係合ピン56aが、トレイ駆動用リンク66によって下方に押し下げられることにより、シュートトレイ56が収容位置Eに回動し、押し下げが解除されることにより、シュートトレイ56が搬送位置Fに自動復帰する。
【0032】
このように構成されたシュートトレイ56により、例えば、通常の缶飲料やデザートなどの背丈のあまり高くない商品が収容部55に収容される際には、その商品Sは、シュートトレイ56の上面に沿って自重で前方に滑り、収納時の姿勢をほぼ保持したまま収容されるようになっている(図12、図20および図24参照)。また、ペットボトルなどの背丈の高い商品の場合には、商品の収容後、シュートトレイ56が起き上がり、搬送位置F側に回動することにより、商品が収納時の姿勢をほぼ保持するように起こされる(図16および図17参照)。
【0033】
遊動ギア41は、図8に示すように、台形形状のギア支持プレート57(アーム)の上端部に支持されており、このギア支持プレート57がその上下方向の中間部より若干下側の位置(回動支点57a)を中心に回動することにより、遊動ギア41が上記離隔位置Kと係合位置Lの間を回動する。ギア支持プレート57には、図示しないばねが設けられており、遊動ギア41がこのばねによって常時係合位置L側に付勢されるようになっている。また、ギア支持プレート57の下端部には、左右方向に突出し、後述する遊動ギア回動用リンク65に係合する係合ピン57bが設けられている。この係合ピン57bは、常時は遊動ギア回動用リンク65によって下方に押圧されており、この場合に遊動ギア41が離隔位置Kに位置する。一方、遊動ギア回動用リンク65による押圧が解除されると、上記ばねによってギア支持プレート57が回動し、これに伴い遊動ギア41が係合位置L側に回動する。さらに、ギア支持プレート57には、回動支点57aで支持されるとともに、後述する三角ドラム43の左ギア72aと、遊動ギア41にかみ合う中間ギア58が設けられている。したがって、三角ドラム43が回転すると、それに伴い、遊動ギア41も回転する。
【0034】
このように、遊動ギア41を係合位置L側に回動させて前ギア24にかみ合わせることにより、選択された商品Sが収納された商品ラック13の前方にバケット33を停止させる場合において、上下方向および奥行き方向に多少の誤差があっても、それを吸収することができ、遊動ギア41を前ギア24に確実にかみ合わせることができる。
【0035】
また、図9に示すように、遊動ギア41が係合位置Lに位置するときには、遊動ギア41、ギア支持プレート57および前ギア24は、次のような位置関係になっている。すなわち、遊動ギア41の回転中心およびギア支持プレート57の回動支点57aを結ぶ直線Lと、遊動ギア41および前ギア24の回転中心同士を結ぶ直線Mとが鈍角を為すように、配置されている。このように配置することにより、遊動ギア41が係合位置L側に回動した場合に、遊動ギア41および前ギア24の歯が直ぐにはかみ合わない状態で、歯先同士が係合するときであっても、遊動ギア41が回転し始めると、遊動ギア41を前ギア24側に引き寄せるような力が作用する。このため、遊動ギア41は、前ギア24に引き寄せられて係合位置Lまで回動し、ハンチングを生ずることなく、前ギア24に確実にかみ合う。
【0036】
第1駆動機構42は、バケット本体40の左側壁51の外側に、ケース60を介して取り付けられており、図7および図8に示すように、周面に多数の歯を有するとともに、右側面に2つのカム溝(ギア用カム溝61およびドア用カム溝62)が形成されたカム円板63と、このカム円板63を減速歯車列を介して回転駆動するカムモータ64とを備えている。
【0037】
ギア用カム溝61は、遊動ギア41を回動駆動させるためのものである。具体的には、このギア用カム溝61には、所定形状の平板からなる遊動ギア回動用リンク65が、上端部に有するピン65aを介して係合している。カム円板63が、図8で時計回りに回転すると、遊動ギア回動用リンク65は、下部の支点65bを中心に反時計回りに回動し、後端部(図8、9では右端部)による上記ギア支持プレート57の係合ピン57bの下方への押し下げを解除する(図9参照)。これにより、上述した図示しないばねによって、ギア支持プレート57が回動支点57aを中心に時計回りに回動し、これに伴い、遊動ギア41が係合位置L側に回動する。逆に、カム円板63が、図9で反時計回りに回転すると、遊動ギア回動用リンク65は、支点65bを中心に時計回りに回動し、後端部でギア支持プレート57の係合ピン57bを、図示しないばねに抗して下方へ押し下げる。(図8参照)これにより、ギア支持プレート57が回動支点57aを中心に反時計回りに回動し、これに伴い、遊動ギア41が離隔位置K側に回動する。
【0038】
一方、ドア用カム溝62は、バケットドア53を開閉駆動させるためのものである。具体的には、このドア用カム溝62には、側断面が扇形で円弧部分に複数の歯を有する歯付リンク67が、後端部(図8、図10では右端部)に有するピン67aを介して係合している。カム円板63が、図8で反時計回りに回転すると、歯付リンク67は、上端部の支点67bを中心に時計回りに回動し、バケットドア53の開閉用ギア53bが反時計回りに回転する(図10参照)。これにより、バケットドア53が反時計回りに回転し、バケット33の前面を開放する。逆に、カム円板63が、図10で時計回りに回転すると、歯付リンク67は、支点67bを中心に反時計回りに回動し、開閉用ギア53bが時計回りに回転する(図8参照)。これにより、バケットドア53が時計回りに回転し、バケット33の前面を閉鎖する。
【0039】
また、カム円板63の右側面には、右方向に突出するピン68が設けられており、このピン68によって、所定形状の平板からなるトレイ駆動用リンク66を介し、シュートトレイ56が搬送位置Fから収容位置Eに回動する。すなわち、カム円板63が、図8で時計回りに回転すると、ピン68がトレイ駆動用リンク66の上端に当接しながら、これを斜め前下がりにスライドさせる(図9参照)。そうすると、トレイ駆動用リンク66は、その前端下部(図8、図9では左端下部)でシュートトレイ56の係合ピン56aに当接しながら、その係合ピン56aを下方に押し下げる。これにより、シュートトレイ56が収容位置E側に回動する。逆に、カム円板63が、図9で反時計回りに回転すると、ピン68によるトレイ駆動用リンク66の押圧が解除され、これに伴いトレイ駆動用リンク66によるシュートトレイ56の係合ピン56aの押圧も解除される(図8参照)。これにより、シュートトレイ56は、引っ張りばね59によって、搬送位置F側に自動復帰する。
【0040】
さらに、カム円板63の左側面には、左方向に突出し、カム円板63と同心の円筒状の凸リング69が形成されており、またカム円板63の左側の上端部には、図7に示すように、カム円板63の回転角度を検知するための2つの回転角度検知スイッチ70、70が左右方向に並べて設けられている。凸リング69の外周面には、半径方向で外側に突出し、側断面が三角形状の3つの三角突起69a、69b、69cが形成されている。これらの三角突起69a、69b、69cは、回転角度検知スイッチ70、70に係合し、これらをON/OFF切り替えして、カム円板63が所定の角度位置に位置することを検知するためのものである。すなわち、三角突起69aは、カム円板63がホームポジションに位置する場合の角度位置(図8のカム円板)を、三角突起69bは、遊動ギア41が係合位置Lに位置するときのカム円板63の角度位置(図9のカム円板、以下このときのカム円板の角度位置を「遊動ギア回動位置」という)を、三角突起69cは、バケットドア53が開放したときのカム円板63の角度位置(図10のカム円板、以下このときのカム円板の角度位置を「バケットドア開放位置」という)を検知するためのものである。これらの三角突起69a、69b、69cが、回転角度検知スイッチ70、70と係合して、回転角度検知スイッチをON/OFF切り替えすると、カムモータ64の作動が停止し、これにより、カム円板63の回転が停止する。
【0041】
また、三角突起69aは、凸リング69の高さ(図7の左右方向の長さ)と同程度の連続した厚み(図7の左右方向の長さ)を有するが、他の2つの三角突起69b、69cは、その厚み方向のカム円板63側の半部または外側の半部が、互いに異なるように切り欠かれている。つまり、カム円板63が回転し、三角突起69b、69cが回転角度検知スイッチ70、70に係合すると、一方の回転角度検知スイッチ70がON状態となり、他方がOFF状態となる。したがって、3つの三角突起69a、69b、69cと、2つの回転角度検知スイッチ70、70とによって、カム円板63がホームポジションから遊動ギア回動位置またはバケットドア開放位置まで回転したことを容易に検知することができる。
【0042】
三角ドラム43は、左右方向に水平に延び、商品収容開口54の下縁部を構成している。この三角ドラム43は、上述したように、側断面が三角形状に形成され、周面が非滑性の材料、例えばゴムなどのように、摩擦の大きい樹脂などで構成されており、商品との滑りが小さくなるようにしている。また、図7に示すように、三角ドラム43の回転軸71の左右両端部には、それぞれギア72a、72bが固定されている。したがって、右側のギア72bが第2駆動機構44によって回転駆動されると、三角ドラム43が矢印方向に回転するとともに、左側のギア72aも回転し、これにより、ギア72aにかみ合う中間ギア58を介して遊動ギア41が回転駆動される。
【0043】
上述したように、三角ドラム43は、商品Sの払い出しの際に所定方向、すなわち商品Sを前方の収容部55側に移動させる方向に回転する。この場合、商品Sは、その底面が三角ドラム43の3つの頂角部分で、前方に繰返し掻き出されるようにして、前方の収容部55に送り出される。また、三角ドラム43の回転速度は、商品Sを収容部55側に移動させる速度が商品払い出し装置21による商品Sの前方への送り出し速度よりも速くなるように設定されている。したがって、商品Sの払い出しの際に、最前商品S1が三角ドラム43に達すると、次販商品S2から次第に離隔し、効率良く収容部55に収容される。
【0044】
なお、本実施形態では、上記のような側断面が三角形状のドラムを使用して、最前商品S1を収容部55側に送り出しているが、側断面が三角ドラム43よりも頂角の数が多い多角形のものを使用してもよい。この場合には、三角ドラム43に比べて、商品Sとの滑りが若干大きくなるものの、ドラム1回転当たり多数の頻度で、商品を前方に効率良く掻き出すことができる。
【0045】
第2駆動機構44は、バケット本体40の右側壁52を構成する内壁部52aと外壁部52bの間に配置されており、三角ドラム43および遊動ギア41を回転駆動する駆動モータ81(駆動源)と、この駆動モータ81の回転を三角ドラム43に伝達するための減速歯車列82とを備えている。したがって、駆動モータ81が作動することにより、三角ドラム43を回転駆動するとともに、中間ギア58を介して遊動ギア41も回転駆動する。そして、遊動ギア41にかみ合う前ギア24が駆動され、商品ラック13内の商品Sが前方のバケット33側に払い出される。
【0046】
商品検知センサ45は、発光素子91および受光素子92からなる1組の光センサと、受光素子92が光を受光したときに電気信号を出力する信号出力回路(図示せず)とにより構成されている。発光素子91および受光素子92は、三角ドラム43よりも若干上側で、それぞれバケット本体40の左側壁51および右側壁52の後端部に相互に対向するように取り付けられ、発光素子91からの光が受光素子92に受光される。そして、受光素子92が光を受光すると、信号出力回路から出力された電気信号が上記制御回路に伝達される。
【0047】
ここで、図8〜図10を参照しながら、販売時における商品搬出装置3の動作について説明する。購入者によって所望の商品Sの商品番号が入力されると、まず、X方向駆動機構32が作動してYモジュール部31が左右方向に移動するとともに、これと並行してYモジュール部31のY方向駆動機構が作動してバケット33が上下方向に移動する。そして、バケット33が、図8に示すように、選択された商品Sを収納する商品ラック13の前に停止する。バケット33の停止直後、発光素子91から受光素子92に向けて光が照射される。
【0048】
次いで、カムモータ64が作動し、図8のホームポジションに位置するカム円板63が時計回りに約160度程度回転し、遊動ギア回動位置で停止する(図9参照)。この場合、離隔位置Kに位置していた遊動ギア41は、係合位置L側に回動し、商品払い出し装置21の前ギア24に歯先同士が係合するとともに、搬送位置Fに位置していたシュートトレイ56は、収容位置Eまで回動する。
【0049】
その後、駆動モータ81が作動し、三角ドラム43および遊動ギア41が回転する。この遊動ギア41の回転に伴い、図9に示すように、遊動ギア41が係合位置Lに位置して前ギア24にかみ合い、商品払い出し装置21が駆動される。これにより、商品ラック13内の商品S全体がプッシャ27によって後方から押され前方に移動し、最前商品S1が前方のバケット33側に次第に送り出される。
【0050】
最前商品Sが三角ドラム43の位置まで達すると、その商品Sは三角ドラム43によって前方に押され、次販商品Sから離隔するように前方に移動する。この場合、発光素子91からの光は、最前商品Sによって一旦遮断され、最前商品Sが更に前方に移動すると、再度受光素子92に受光される。そして、一旦遮断された光が再度受光素子92に受光された時に、商品検知センサ45の信号出力回路から、上記制御回路に電気信号が伝達され、更にその制御回路から、駆動モータ81の停止命令の電気信号が出力され、これにより、駆動モータ81の作動が停止する。つまり、商品ラック13から払い出された商品Sの背面が、発光素子91と受光素子92の間を通過したときに、駆動モータ81が停止する。これにより、三角ドラム43および遊動ギア41の回転が停止し、商品払い出し装置21の動作も停止する。その結果、次販商品S2は商品ラック13に確実に留まる。
【0051】
またこの場合、商品検知センサ45からの電気信号が制御回路に伝達されたときに、制御回路が駆動モータ81の停止命令の電気信号を出力するまでの間に、商品Sに応じた所定時間のタイムラグを設けるようにしてもよい。つまり、最前商品S1が払い出され、バケット33に受け渡された後であっても、所定時間が経過するまで駆動モータ81の作動を継続させる。これにより、商品Sの上記通過後に駆動モータ81を直ちに停止させた場合に、次販商品S2が商品ラック13の前端部よりも後方の位置で停止するのを回避でき、次販商品S2を商品ラック13の前端部の所定位置に統一して停止させることができる。
【0052】
バケット33に受け渡された商品Sは、シュートトレイ56に案内されながら、収容部55の前側に移動して収容される。そして、カム円板63が、反時計回りに回転してホームポジションに戻り、これにより、遊動ギア41が前ギア24から離れて離隔位置Kまで回動し、一方、シュートトレイ56が搬送位置Fまで回動する。商品Sの収容後に、シュートトレイ56が搬送位置F側へ回動すると、シュートトレイ56と、バケットドア53とによって、その商品Sを前後方向から挟み付けた状態となる。
【0053】
以上のようにして、商品Sがバケット33に収容されると、X方向駆動機構32およびY方向駆動機構が作動して、バケット33が商品取出口5の後側に移動する。この場合、シュートトレイ56は、搬送位置Fに保たれた状態でバケット33が移動する。このため、商品Sは、横倒しや上下反転などを生じることなく、商品取出口5に搬送される。
【0054】
そして、商品取出口5を閉鎖していた閉鎖プレート5aが下方にスライドして、商品取出口5を開放する。その後、カムモータ64が作動し、カム円板63が反時計回りに約160度回転する。これにより、図10に示すように、ドア用カム溝62に係合する歯付リンク67が時計回りに回動し、バケットドア53が反時計回りに回動して、バケット33の前面を開放する。
【0055】
そして、購入者が商品取出口5からバケット33内に手をのばし、商品Sを取り出す。この場合、自動販売機1の正面からバケット33の内部が見えるが、シュートトレイ56が搬送位置Fに位置することにより、三角ドラム43などの機構部分を覆い隠すため、バケット33内の美観を損なうことがないとともに、機構部分を保護することができる。また、例えば、購入者などのいたずらによって、シュートトレイ56を無理やり収容位置E側に回動させようとしても、シュートトレイ56の後端部がバケットドア53の湾曲部40bの先端に当接して支持されるため、搬送位置Fからそれ以上ほとんど回動することはない。さらに、バケット33から商品Sを直接取り出すため、仮に商品Sがバケット33の収容部55でひっかかっていても、その商品Sを支障なく取り出すことが可能である。
【0056】
購入者が商品Sを取り出した後、カム円板63が再度ホームポジションに戻り、バケットドア53によってバケット33の前面が閉鎖されるとともに、閉鎖プレート5aによって商品取出口5が閉鎖される。これにより、商品Sの販売が完了する。
【0057】
次に、図11〜図26を参照して、種々の商品を搬出する際の商品Sの姿勢並びにバケット内の動作、特にシュートトレイ56およびバケットドア53の動作について、商品ごとに簡単に説明する。
【0058】
図11〜図14は、通常の缶飲料の商品(例えば350ml缶)を搬出する場合の動作を順に示す。これらの図に示すように、バケット33が商品ラック13の前方に停止した後(図11参照)、シュートトレイ56が収容位置Eに回動し、商品Sがシュートトレイ56に案内され滑りながら収容部55の前側に移動する(図12参照)。商品Sが収容部55に収容されると、シュートトレイ56は、搬送位置Fまで回動する(図13参照)。これにより、商品Sは、その下部の前後でバケットドア53およびシュートトレイ56に挟まれ、収納時の姿勢が保持される。そして、バケット33が商品取出口5に移動した後、バケットドア53が開放し、商品Sがバケットドア33の前面部40aの背面上に寝かされた状態で搬出される(図14参照)。
【0059】
このように、缶飲料の商品Sは、前上がりに傾斜し、かつ、上部がバケット33から前方に突出した状態で商品取出口5に搬出されるため、購入者がバケット33の奥まで手を入れなくても、商品Sの上部を掴んで容易に取り出すことができる。
【0060】
図15〜図18は、背の高い商品(例えばペットボトル)を搬出する場合の動作を順に示す。これらの図に示すように、バケット33が商品ラック13の前方に停止した後(図15参照)、シュートトレイ56が収容位置Eに回動し、商品Sがシュートトレイ56に案内され滑りながら収容部55に収容される。この際、商品Sは、その上部がバケット33の商品収容開口54の上縁部54aに当接し、その当接した位置を中心に、図16で時計回りに回動しながら、後方に倒れ込むように収容部55に収容される(図16参照)。商品Sが収容部55に収容されると、シュートトレイ56は、商品Sの背面を支持しながら、その商品Sを起こすように搬送位置Fまで回動する(図17参照)。そして、バケット33が商品取出口5に移動した後、バケットドア53が開放し、商品Sがバケットドア33の前面部40aの背面上に載った状態で搬出される(図18参照)。
【0061】
このように、背の高い商品Sであって、上図のように上部が細く形成されているものの場合は、上述した缶飲料の商品と異なり、上部よりも胴体部分を掴む方が商品を取り出しやすい。したがって、図18に示すように、商品Sが後方に若干傾斜した状態で商品取出口5に搬出されることにより、商品を、胴体部分が掴みやすく、かつ、取り出しやすい状態で搬出することができる。
【0062】
図19〜図22は、デザートなどのカップ型の商品を搬出する場合の動作を、順に示す。これらの図に示すように、バケット33が商品ラック13の前方に停止した後(図19参照)、シュートトレイ56が収容位置Eに回動し、商品Sがシュートトレイ56に案内され滑りながら収容部55の前側に移動する(図20参照)。商品Sが収容部55に収容されると、シュートトレイ56は、搬送位置Fまで回動する(図21参照)。これにより、商品Sは、その下部の前後でバケットドア53およびシュートトレイ56に挟まれ、収納時の姿勢が保持される。そして、バケット33が商品取出口5に移動した後、バケットドア53が開放し、商品Sがバケットドア33の前面部40aの背面上に寝かされた状態で搬出される(図22参照)。
【0063】
このように、カップ型の商品Sは、商品取出口5で横倒しに近い状態で搬出されるものの、商品ラック13に適正な姿勢で収納された状態から、商品取出口5に搬出されるまで、上下が反転したり横倒しとなることがない。このため、中身を崩すことなく商品Sを販売することができる。
【0064】
図23〜図26は、複数(2、4または6本など)の缶飲料を1パックとしたパックものの商品を搬出する場合の動作を、順に示す。これらの図に示すように、バケット33が商品ラック13の前方に停止した後(図23参照)、シュートトレイ56が収容位置Eに回動し、商品Sがシュートトレイ56に案内され滑りながら収容部55の前側に移動する(図24参照)。商品Sが収容部55に収容されると、シュートトレイ56は、本来であれば起き上がるように搬送位置Fまで回動するものの、この商品Sは奥行き寸法が長く、シュートトレイ56の後部に載っているため、収容位置Eからほとんど回動しない(図25参照)。そして、バケット33が商品取出口5に移動した後、バケットドア53が開放し、商品Sがバケットドア53の前面部40aの背面上に寝かされた状態で搬出される(図26参照)。
【0065】
このように、パックものの商品Sは、その上面が斜め上向きとなる状態で搬出されるため、購入者は、商品Sの上面に、通常、形成されている把手部分を掴み、商品Sを簡単に取り出すことができる。
【0066】
以上、図11〜図26を参照して説明したように、商品搬出装置3によって各種の商品Sを搬出する場合、購入者にとって、商品取出口5で商品Sが取り出しやすい状態で、しかも中身を崩さずに、商品Sを搬出することができる。
【0067】
以上詳述したように、本実施形態の商品搬出装置1によれば、駆動モータ81によって回転駆動される遊動ギア41を、前ギア24にかみ合わせて商品払い出し装置21を駆動するので、駆動モータ81の動力を商品払い出し装置21に直接的に、かつ、確実に伝達することができる。これにより、商品ラック13からの商品Sの払い出しおよび受け渡しを確実に行うことができる。また、遊動ギア41を回動させて前ギア24に係合させるため、商品搬出装置3の動作制御、特に商品Sの払い出しおよび受け渡しの動作制御に、高い精度が不要であるので、商品搬出装置3を低コストで製造することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動販売機の商品搬出装置は、商品ラックからの商品の払い出しおよび受け渡しを確実に行うことができるとともに、低コストで製造することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の商品搬出装置を備えた自動販売機であり、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図2】前記自動販売機の前面を開放した状態であり、(a)は正面図、(b)は左側面断面図の一部(前部)を示す。
【図3】商品収納プレート上に配置された商品払い出し装置を示す斜視図である。
【図4】商品払い出し装置を示す斜視図である。
【図5】商品払い出し装置を示す側面断面図である。
【図6】バケットの外観を示す斜視図である。
【図7】バケットの内部構造を示す斜視図である。
【図8】商品ラックの前方に停止した直後のバケットを示す内部構造図である。
【図9】商品を払い出す際のバケットを示す内部構造図である。
【図10】商品を購入者に受け渡す場合のバケットを示す内部構造図である。
【図11】缶飲料の商品を搬出する場合を示す説明図であり、バケットが商品ラックの前方に停止した直後の状態を示す。
【図12】図11と同様の説明図であり、バケットが商品を受け取る状態を示す。
【図13】図11と同様の説明図であり、シュートトレイが搬送位置に位置する状態を示す。
【図14】図11と同様の説明図であり、商品取出口で商品を購入者に受け渡す状態を示す。
【図15】背の高い商品(ペットボトル)を搬出する場合を示す説明図であり、バケットが商品ラックの前方に停止した直後の状態を示す。
【図16】図15と同様の説明図であり、バケットが商品を受け取る状態を示す。
【図17】図15と同様の説明図であり、シュートトレイが搬送位置に位置する状態を示す。
【図18】図15と同様の説明図であり、商品取出口で商品を購入者に受け渡す状態を示す。
【図19】デザートなどのカップ型の商品を搬出する場合を示す説明図であり、バケットが商品ラックの前方に停止した直後の状態を示す。
【図20】図19と同様の説明図であり、バケットが商品を受け取る状態を示す。
【図21】図19と同様の説明図であり、シュートトレイが搬送位置に位置する状態を示す。
【図22】図19と同様の説明図であり、商品取出口で商品を購入者に受け渡す状態を示す。
【図23】複数の缶飲料を1パックとしたパックものの商品を搬出する場合を示す説明図であり、バケットが商品ラックの前方に停止した直後の状態を示す。
【図24】図23と同様の説明図であり、バケットが商品を受け取る状態を示す。
【図25】図23と同様の説明図であり、商品の受け取り後、遊動ギアが退避した状態を示す。
【図26】図23と同様の説明図であり、商品取出口で商品を購入者に受け渡す状態を示す。
【符号の説明】
1 自動販売機
3 商品搬出装置
5 商品取出口
13 商品ラック
13a 払い出し口
21 商品払い出し装置(商品払い出し手段)
22 商品搬送装置(商品搬送手段)
24 前ギア(払い出しギア)
33 バケット
41 遊動ギア
43 三角ドラム(ドラム)
57 ギア支持プレート(アーム)
57a 回動支点(支点)
81 駆動モータ(駆動源)
K 離隔位置
L 係合位置
S 商品
Claims (6)
- 水平に延びる商品ラックに収納された商品を、販売時に商品払い出し手段によって当該商品ラックの一端の払い出し口から外方に払い出し、払い出された商品を商品搬送手段によって受け取り商品取出口に搬送するための自動販売機の商品搬出装置であって、
前記商品払い出し手段は、回転することにより商品を払い出すための払い出しギアを有し、
支点を中心に回動自在のアームと、
このアームに回転自在に支持されるとともに、前記アームの回動により、前記払い出しギアから離隔する離隔位置と、前記払い出しギアに係合する係合位置との間で回動可能な遊動ギアと、
この遊動ギアを回転駆動する駆動源と、
を備え、
前記商品搬送手段は、前記払い出し口の外方で、かつ、これに対向した位置で、払い出された商品を受け取るように構成されており、
商品の払い出しの際に、商品を下側から支持するとともに、前記遊動ギアを介して前記駆動源で前記払い出しギアが回転駆動されている間、当該駆動源により、当該商品を前記商品搬送手段側に移動させる方向に回転駆動されるドラムを、更に備えることを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。 - 前記払い出しギア、前記アームおよび前記遊動ギアは、前記遊動ギアが前記係合位置に位置するときに、前記支点および前記遊動ギアの回転中心を結ぶ直線と、前記払い出しギアおよび前記遊動ギアの回転中心同士を結ぶ直線とが鈍角を為すように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品搬出装置。
- 前記ドラムは、商品の払い出し方向に対しほぼ直交する方向に水平に延び、前記払い出し方向に沿う断面が多角形であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機の商品搬出装置。
- 前記多角形は、三角形であることを特徴とする請求項3に記載の自動販売機の商品搬出装置。
- 前記ドラムは、その外周面が非滑性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動販売機の商品搬出装置。
- 前記ドラムの回転速度は、商品を前記商品搬送手段側に移動させる速度が前記商品払い出し手段による商品の送り出し速度よりも速くなるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の自動販売機の商品搬出装置。
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