JP4625599B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶、ビン、ペットボトルまたは紙パック等に封入された飲料、或いはカップ等の所定の容器に収容された乳製品や菓子等、多様な形状及び大きさを有する商品を販売可能な自動販売機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動販売機としては、例えば特開2000−82171公報に記載されているように、前面下部に商品取出口を有する自動販売機本体と、自動販売機本体の幅方向及び上下方向に配列された複数の商品コラムと、各商品コラムの前方に自動販売機本体の幅方向及び上下方向に移動可能に配置された商品バケットと、商品バケットを自動販売機本体の幅方向及び上下方向に移動させる移動機構とを備えたものが知られている。
【0003】
この自動販売機では、商品が選択されると、移動機構によって商品バケットが選択商品に対応する商品コラムまで移動するとともに、商品コラムの商品が押出部材によって後方から押圧されて商品バケット内に搬出され、商品を受容した商品バケットが移動機構によって商品取出口まで移動し、商品バケットの商品が商品取出口に搬出されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記自動販売機では、商品コラムの商品載置面と商品バケット内の底面との間に段差を有しているため、商品コラムの商品を商品バケット内に搬出する際、前記段差の分だけ商品が商品バケット内に落下し、例えばプリンやヨーグルト等を容器に収容した商品においては、落差による姿勢の変化や転倒によって中味の損傷等を生じ、商品の品質を損なうという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、商品コラムから搬出される商品を常に安定した姿勢で商品受容体に受容することのできる自動販売機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、所定位置に商品取出口を有する自動販売機本体と、自動販売機本体の幅方向及び上下方向の少なくとも一方向に配列された複数の商品コラムと、各商品コラムにそれぞれ設けられ、商品コラム内の商品を所定方向に搬出する商品搬出機構と、各商品コラムから搬出される商品を受容可能な商品受容体と、商品受容体を各商品コラムの配列方向に移動させる移動機構とを備え、移動機構によって商品受容体を任意の商品コラムまで移動させ、商品搬出機構によって商品コラム内の商品を商品受容体内に搬出し、商品を受容した商品受容体を移動機構によって商品取出口まで移動させるようにした自動販売機において、前記各商品コラムの商品搬出機構を、各商品コラムに幅方向一対ずつ並設するとともに、それぞれ単独または同時に回動可能な無端状のベルトの上面側に商品を載置して商品受容体側に搬送するように構成し、商品受容体には、商品コラム側のベルトと同等の高さに位置する無端状のベルトからなり、商品コラム側のベルトから搬出された商品をベルトの上面側に載置して商品受容体側に移動させる商品移送機構を設け、商品受容体が任意の商品コラムまで移動すると、商品コラムの商品の搬出方向への落下を防止可能な待機位置から商品コラム側のベルトと商品受容体側のベルトとの間に移動するとともに、各ベルトと同等の高さ位置に保持されることにより、各ベルト間を通過する商品を下方から支持する商品ガードを備え、各商品コラムの商品ガードを、各商品搬出機構ごとに幅方向一対ずつ設けるとともに、それぞれ単独または同時に動作可能に構成している。
【0007】
これにより、商品を商品コラムから商品受容体に搬出する際、商品コラム側のベルトと商品受容体側のベルトが互いに同等の高さに位置することから、各ベルト間に段差を生ずることがなく、商品コラム側のベルトから商品バケット側のベルトに乗り移る商品の傾斜や転倒が防止される。また、商品を商品受容体に搬出する際、各ベルト間に商品ガードが移動し、各ベルト間を通過する商品が商品ガードによって下方から支持されることから、各ベルト間に隙間を有する場合でも、この隙間への商品の落ち込みが商品ガードによって防止される。更に、待機位置の商品ガードによって商品コラムにおける商品の搬出方向への落下が防止される。
【0010】
また、請求項2では、請求項1記載の自動販売機において、前記商品ガードを商品コラムの一端側に設けている。
【0011】
これにより、請求項1の作用に加え、商品コラムに、商品ガードを商品落下防止用の部品とは別に専用の部品として設ける必要がない。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1乃至図22は本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態の自動販売機は、前面の一部を透明に形成された自動販売機本体10と、自動販売機本体10の幅方向及び上下方向に配列された複数の商品コラム20と、各商品コラム20にそれぞれ設けられた商品搬出機構30と、各商品コラム20から搬出される商品Aを受容可能な商品受容体としての商品バケット40と、商品バケット40を各商品コラム20の配列方向に移動させるバケット移動機構80とから構成されている。
【0013】
自動販売機本体10は前面の下部を除く部分を開口し、この開口部は透明のガラス板10aによって覆われている。自動販売機本体10の前面下部には商品取出口11が設けられ、前面の一側面側には紙幣投入口12、硬貨投入口13、金額表示部14、硬貨返却口15及び商品選択操作部16が設けられている。尚、自動販売機本体10の内部は、販売商品の種類に応じて所定の温度に冷却または加熱されるようになっていてもよいし、或いは常温のままであってもよい。また、自動販売機本体10内に、商品バケット40が当接すると、その一部が商品バケット40と共に上方に移動可能な断熱性の仕切板を設け、この仕切板の上方及び下方をそれぞれ加熱及び冷却するようにしたものであってもよい。
【0014】
各商品コラム20は前後方向に延びるコラム本体21を有し、それぞれ自動販売機本体10に前方に引き出し可能に設けられている。尚、商品コラム20の引き出し構造については詳細な説明は省略するが、例えば周知のスライドレール等を用いて構成することができる。商品コラム20はコラム本体21内を幅方向に仕切る仕切板22を備え、仕切板22はコラム本体21内の幅方向中央に設けた基板23に着脱自在に取付けられている。この場合、仕切板22は商品コラム20の幅方向任意の位置に取付けられるようになっている。また、各商品コラム20は上下方向各段ごとにそれぞれ幅方向に延びる棚24によって支持されており、各棚24は自動販売機本体10内の幅方向両側に立設した複数の支柱25によって上下方向所定位置に固定されている。
【0015】
商品搬出機構30は各商品コラム20にそれぞれ二つずつ設けられ、各商品搬出機構30はコラム本体21内に互いに幅方向に配置されている。各商品搬出機構30は、コラム本体21の前端側及び後端側にそれぞれ回動自在に取付けられた一対のプーリ31と、各プーリ31に巻き掛けられた無端状のベルト32と、前端側のプーリ31の回転軸に取付けられた歯車33とからなり、ベルト32の上面には商品Aが載置されるようになっている。即ち、各商品コラム20には、それぞれ仕切板22を間にして商品Aが二列ずつ収納されるようになっている。また、ベルト32の所定位置には商品係止板32aが立設され、図4に示すようにベルト32上には商品係止板32aを装置本体の後端側に位置させた状態で商品Aが一列に載置される。即ち、商品Aが搬出されると、商品係止板32aが商品Aと共に前方に移動するようになっている。
【0016】
更に、各商品コラム20の一端側(商品搬出側)には、上下方向に移動可能な商品ガード26が計2つずつ設けられ、各商品ガード26は商品コラム20の各商品搬出機構30にそれぞれ対応して配置されている。商品ガード26の一端側は商品コラム20の幅方向に延び、その上面は平面状に形成されている。また、図6に示すように商品ガード26の他端側は商品コラム20の側方まで延び、それぞれ商品コラム20の側面に設けた取付部材27に上下方向に移動自在に支持されている。この場合、取付部材27内には商品ガード26を上方へ付勢するスプリング28が設けられ、商品ガード26はスプリング28によって上方待機位置に保持されている。この場合、商品ガード26の上方待機位置は商品コラム20における商品Aの搬出方向への落下を防止可能な位置になっている。また、商品ガード26には商品バケット40側に突出する係止部26aが設けられ、後述する商品バケット40側の押下部材50によって係止部26aを下方に押圧することにより、商品ガード26が商品コラム20側のベルト32と商品バケット40側のベルト62との間に移動し、商品ガード26の上面が各ベルト32,62の上面とほぼ同等の高さに位置するようになっている。
【0017】
商品バケット40は、図7に示すように互いに左右方向に間隔をおいて配置された一対の駆動ユニット41を備え、各駆動ユニット41は左右対称に形成され、それぞれ単独で動作することができるように構成されている。各駆動ユニット41は、商品バケット40の側壁をなすユニットケース42と、各商品コラム20の商品搬出機構30を駆動する駆動歯車43と、駆動歯車43に噛み合う第1の歯車44と、第1の歯車44に噛み合う第2の歯車45と、これらの歯車43,44,45を支持するアーム46と、各歯車43,44,45及び他の複数の歯車47を介して駆動歯車43を回転させる第1のモータ48とを備えている。尚、図7では一方の駆動ユニット41の内部を現すため、ユニットケース42の一部を省略してある。また、図8では第1のモータ48及び各歯車47を省略したが、これらは図8の反対側から見ると図9に示すように配列されている。各歯車43,44,45は互いに同一の径及び同一の歯数を有し、それぞれアーム46に回動自在に取付けられている。アーム46はL字状に形成され、その一端側には駆動歯車43が配置されている。また、アーム46の他端側には第2の歯車45が配置され、第2の歯車45と駆動歯車43との間には第1の歯車44が配置されている。アーム46は他端側を支軸46aを介してユニットケース42に回動自在に取付けられ、第2の歯車45と同一の支点を中心に回動するようになっている。また、図9に示すように第2の歯車45には他方の駆動ユニット41まで延びるシャフト49の一端が連結され、シャフト49の他端は他方の駆動ユニット41の第2の歯車(図示せず)に連結されている。即ち、他方の駆動ユニット41には第1のモータ48及び一部の歯車47に相当する駆動源は設けられておらず、一方の駆動ユニット41のモータ48によって各駆動ユニット41の第2の歯車45が互いにシャフト49を介して同期して回転するようになっている。
【0018】
また、駆動ユニット41は、各商品コラム20の商品ガード26を下方に移動させる押下部材50と、押下部材50に噛み合う第1の歯車51と、アーム46及び第1の歯車51に噛み合う揺動部材52と、揺動部材52に噛み合う第2の歯車53と、第2の歯車53に噛み合う第3の歯車54と、第3の歯車54に噛み合う第4の歯車55と、第4の歯車55と一体に回転する第5の歯車56と、第5の歯車56に噛み合う第6の歯車57と、第6の歯車57に噛み合う第7の歯車58と、揺動部材52及び各歯車51、53〜58を介してアーム46及び押下部材50を駆動する第2のモータ59とを備え、第7の歯車58は第2のモータ59の回転軸に取付けられている。
【0019】
押下部材50は上端側に商品ガード26に係止可能な係止部50aを有し、係止部50aをユニットケース42の外部に突出させた状態で上下方向に移動自在に設けられている。即ち、押下部材50は一側面の上端側及び下端側にそれぞれピン50bを有し、各ピン50bはユニットケース42に設けられた第1及び第2の溝42a,42bにそれぞれ移動自在に係合している。この場合、上端側のピン50bが係合する第1の溝42aの上端側は商品コラム20の反対方向に斜め上方に延びるように形成されており、下端側のピン50bが係合する第2の溝42bは鉛直方向に延びるように形成されている。これにより、押下部材50の下方の移動範囲では係止部50aがユニットケース42から商品コラム20側に突出した状態で上下動するが、上方の移動範囲では係止部50aが上方に移動するに従ってユニットケース42側に移動し、最終的には係止部50aが商品バケット40の一端面(商品コラム側20の面)から突出しない位置まで移動するようになっている。また、押下部材50は上下方向に延びるラック50cを有し、ラック50cには第1の歯車51の外歯車51a(ピニオン)が噛み合っている。
【0020】
揺動部材52は略扇形に形成され、支軸52aを介してユニットケース42に回動自在に取付けられている。揺動部材52には支軸52aを中心に扇状に形成された第1及び第2の扇状歯車52b,52cが設けられ、第1の扇状歯車52bは第1の歯車51の内歯車51bに噛み合い、第2の扇状歯車52cは第2の歯車53の内歯車53aに噛み合っている。揺動部材52は支軸52aを中心に回動可能な可動部52dを有し、可動部52dはスプリング52eによって所定位置に保持されている。これにより、可動部52dはスプリング52eに抗する外力を受けない限り揺動部材52と一体に動作する。また、可動部52dには第3の扇状歯車52fが設けられ、第3の扇状歯車52fはアーム46の他端側に設けられた扇状歯車46bに噛み合っている。第4の歯車55は第5の歯車56と同軸状に設けられたウォームギヤからなり、第3の歯車54の内歯車54a(ウォームホイール)に噛み合っている。また、第3の歯車54の外歯車54bは第2の歯車53の外歯車53bに噛み合っている。第4及び第5の歯車55,56は上下方向に延びる回転軸55aを有し、回転軸55aの上端面はユニットケース42の上面から外部に露出している。また、回転軸55aの上端面にはネジの頭部と同様のドライバー係合用の溝55bが設けられ、例えばプラスドライバーによって外部から任意に回動できるようになっている。
【0021】
各駆動ユニット41の間には互いに幅方向に並設された計2つの商品移送機構60が配置され、各商品移送機構60は各駆動ユニット41によってそれぞれ駆動されるようになっている。商品移送機構60は、商品バケット40の前端側及び後端側にそれぞれ回動自在に取付けられた一対のプーリ61と、各プーリ61に巻き掛けられた無端状のベルト62と、一方のプーリ61の回転軸に取付けられた歯車63とからなり、ベルト62の上面には商品Aが載置されるようになっている。各駆動ユニット41は、プーリ61の歯車63に噛み合う第1の歯車64と、第1の歯車64に噛み合う第2の歯車65と、第2の歯車65に噛み合う第3の歯車66と、第3の歯車66に噛み合う第4の歯車67と、各歯車63〜67を介してプーリ61を駆動する第3のモータ68とを備え、第4の歯車67は第3のモータ68の回転軸に取付けられている。この場合、第3のモータ68の回転速度は、商品移送機構60のベルト62の搬送速度が商品コラム20側のベルト32よりも約1.5倍程度速くなるように設定されている。更に、ベルト62は、表面が商品コラム20側のベルト32よりも摩擦係数の大きい材質からなる。
【0022】
また、各駆動ユニット41は、商品バケット40に収容した商品の落下を防止する商品ガード70を備えている。商品ガード70は、一端側が商品バケット40の幅方向に延びる板状の部材からなり、駆動ユニット41に上下方向に移動自在に取付けられている。即ち、商品ガード70の他端側には互いに上下配置された計2つのピン70aが設けられ、各ピン70aはユニットケース42に設けられた長孔42cに移動自在に挿入されている。各ピン70aはユニットケース42内に配置された補助板71に連結され、補助板71によって商品ガード70が長孔42cから脱落しないようになっている。また、上方のピン70aはユニットケース42内の揺動部材52に連結され、揺動部材52の揺動によって商品ガード70が長孔42cに沿って上下動するようになっている。この場合、長孔42cの上端側及び下端側はそれぞれ鉛直方向に延びるように形成され、その中間部分は商品コラム20の反対方向に斜め上方に延びるように形成されている。
【0023】
更に、各駆動ユニット41は、商品バケット40内の商品Aを検知する第1乃至第3のセンサ72,73,74を備えている。各センサ72,73,74は各駆動ユニット41の間で対向する光センサからなり、第1及び第2のセンサ72,73はそれぞれ商品バケット40の一端側(商品コラム20側)に配置され、第3のセンサ74は商品バケット40の他端側(商品コラム20の反対側)に配置されている。この場合、第1及び第3のセンサ72,74はそれぞれ商品移送機構60の上面に近接した高さ位置(例えば、ベルト62の上面から1cm程度上方)に設けられ、第2のセンサ73は第1のセンサ72よりも上方の位置(例えば、ベルト62の上面から数cm程度上方)に設けられている。
【0024】
各駆動ユニット41内には揺動部材52に接触するマイクロスイッチ75が設けられ、マイクロスイッチ75によって揺動部材52の位置を検知することにより、アーム46及び押下部材50をそれぞれ所定位置で停止させるようになっている。また、商品バケット40の上部他端側には商品バケット40の幅方向に延びる補強部材76が設けられ、補強部材76は各駆動ユニット41の上端同士を連結するように取付けられている。
【0025】
バケット移動機構80は、商品バケット40を幅方向に移動させる第1の駆動部81と、第1の駆動部81を上下方向に移動させる一対の第2の駆動部82とからなり、各第2の駆動部82は自動販売機10内の幅方向両側にそれぞれ配置されている。第1の駆動部81は商品バケット40を移動自在に支持する上下一対のガイドレール81a,81bと、商品バケット40を移動させるモータ(図示せず)とからなり、上方のガイドレール81aは商品バケット40の上端に取付けられたローラ77に接触するようになっている。また、第2の駆動部82は、第1の駆動部81を移動自在に支持するガイドレール82aと、第1の駆動部81を移動させるモータ(図示せず)とから構成されている。このバケット移動機構80では、光センサ等からなる位置検知手段またはモータのパルス検知手段等によって各商品コラム20の幅方向及び上下方向の位置を検知することにより、商品バケット40を各駆動部81,82によって任意の商品コラム20または商品取出口11まで移動させるようになっている。
【0026】
以上のように構成された自動販売機においては、金銭の投入及び商品の選択が行われると、商品バケット40がバケット移動機構80によって選択商品に対応する商品コラム20まで移動し、商品バケット40の駆動ユニット41が作動する。その際、商品バケット40が商品コラム20まで移動すると、商品バケット40側のベルト62が商品コラム20側のベルト32と同等の高さに位置する。また、商品コラム20には商品Aが幅方向二列に収納されているので、選択商品が収納されている列に対応する駆動ユニット41のみが動作する。
【0027】
ここで、駆動ユニット41の動作を説明する。まず、商品バケット40が任意の商品コラム20まで移動すると、第2のモータ59が作動し、図11に示すように駆動歯車43のアーム46、押下部材50及び商品ガード70が動作する。即ち、第2のモータ59が回転すると、歯車53〜58が回転し、揺動部材52が図中反時計回りに回動する。これにより、揺動部材52と共に商品ガード70が下方に移動するとともに、揺動部材52によって第1の歯車51が回転して押下部材50が下方に移動し、更にアーム46が図中時計回りに回動する。押下部材50が下方に移動すると、押下部材50の係止部50aが商品コラム20側の商品ガード26の係止部26aに上方から係止し、図12及び図13に示すように商品ガード26が押下部材50によって商品コラム20側のベルト32と商品バケット40側のベルト62との間まで移動する。その際、商品バケット40側の商品ガード70も各ベルト32,62の間に移動する。
【0028】
前述のようにアーム46が回動すると、駆動歯車43が商品コラム20側に突出し、商品搬出機構30の歯車33に噛み合う。その際、回転中心がアーム46と共通する第2の歯車45が停止した状態でアーム46が回動するため、第2の歯車45に噛み合う第1の歯車44及び駆動歯車43はアーム46に対して相対的な回転を生ずることになる。しかし、これらの歯車43,44,45は互いに同一径及び同一歯数に形成されているため、図14(a)(b)に示すように駆動歯車43の中心に対する各歯の位置は変化することがない(同図において駆動歯車43の歯に付した符号a,b,c参照)。これは、第2の歯車45を中心とする遊星歯車の原理によるものである。即ち、駆動歯車43は、商品コラム20側の歯車33に噛み合う際、歯車33に対して相対的な回転を生じておらず、歯車33を回転させることなく噛み合う。
【0029】
また、商品バケット40の上下方向の停止位置に誤差がある場合には、揺動部材52の可動部52dによってアーム46の回動角度が調整される。即ち、図15(a) に示すように商品バケット40の停止位置が適正な場合には、可動部52dは揺動部材52に対して相対的に回動することはないが、例えば図15(b) に示すように商品バケット40が適正な停止位置よりも距離Hだけ上方に停止した場合には、駆動歯車43が商品コラム20側の歯車33に押し付けられてアーム46に反力が生ずる。この時、揺動部材52の停止位置は図15(a) の場合と変わらないが、その分、アーム46が受ける反力によって可動部52dがスプリング52eに抗して揺動部材52に対する相対的な回動を生じ、商品コラム20側の歯車33に対する駆動歯車43の噛合位置が調整される。
【0030】
次に、前述のように商品バケット40の駆動歯車43が商品コラム20の歯車33に噛み合うと、駆動ユニット41の第1のモータ48が作動し、第1のモータ48によって駆動歯車43が回転する。即ち、第1のモータ48が回転すると、歯車44,45,47が回転し、駆動歯車43が図中反時計回りに回転する。これにより、商品コラム20側の歯車33が回転して商品搬出機構30のベルト32が回動し、図16及び図17に示すようにベルト32上の商品Aが商品バケット40側に搬出される。
【0031】
また、第1のモータ48と同時に第3のモータ68が作動し、商品バケット40の商品移送機構60のベルト62が回動する。即ち、第3のモータ68が回転すると、各歯車63〜67が回転し、ベルト62が回動する。これにより、図18に示すように商品コラム20から搬出される商品Aが商品コラム20側のベルト32から商品バケット40側のベルト62に乗り移り、商品バケット40内に受容される。
【0032】
その際、商品バケット40に搬出される商品Aは商品バケット40の第1及び第2のセンサ72,73によって検知され、所定時間(例えば0.5秒)が経過すると、第3のモータ68が停止する。これにより、商品コラム20から搬出された商品Aは商品バケット40のほぼ中央に保持される。その際、商品バケット40側のベルト62の搬送速度は商品コラム20側のベルト32よりも速くなっているので、商品バケット40側のベルト62に乗り移った商品Aは後続の商品Aから速やかに引き離される。更に、商品バケット40側のベルト62は商品コラム20側のベルト32よりも摩擦係数の大きい材質からなるので、商品バケット40側のベルト62が商品Aに対して空転することがなく、商品Aが確実に商品バケット40側のベルト62に乗り移る。また、第3のモータ68が停止すると、第1のモータ48は所定時間(例えば0.2秒)だけ逆転した後に停止する。これにより、図19に示すように商品コラム20側の後続の商品Aはベルト32の先端よりも若干後退した位置まで移動する。
【0033】
次に、第2のモータ59が作動して前述とは逆方向に回転する。これにより、駆動歯車43のアーム46が図中反時計回りに回動し、駆動歯車43が商品コラム20側の歯車33から離れて商品バケット40側に移動する。また、これに連動して押下部材50及び商品バケット40側の商品ガード70が所定位置まで上昇し、押下部材50が上方へ移動すると、商品コラム20側の商品ガード26がスプリング28によって所定位置まで上昇する。
【0034】
そして、商品Aを受容した商品バケット40はバケット移動機構80によって商品取出口11まで移動する。その際、商品ガード70によって商品バケット40内の商品Aの落下が防止される。また、商品バケット40が商品取出口11まで移動すると、商品移送機構60のベルト62が回動して商品バケット40内の商品Aが商品取出口11に搬出される。その際、商品バケット40の第3のセンサ74によって商品Aが商品取出口11に搬出されたことが検知される。また、図20(a) に示すようにペットボトル等の高さ寸法の大きい商品Bは、図20(b) に示すように上端側が商品バケット40の補強部材76に当接して後方に傾倒し、常に下端側から商品取出口11に搬出される。
【0035】
以上、商品コラム20の一方の列に収納された商品Aのみを搬出する場合について説明したが、前記自動販売機では各駆動ユニット41を同時に作動することにより、商品コラム20内の商品Aを二列同時に搬出することができる。この場合、各駆動ユニット41の動作は前述と同様であるが、各駆動ユニット41の駆動歯車43は一方の駆動ユニット41の第1のモータ48によってそれぞれ駆動される。即ち、一方の駆動ユニット41の第1のモータ48が回転すると、一方の駆動ユニット41の第2の歯車45及び第1の歯車44が回転して駆動歯車43が回転するが、一方の駆動ユニット41の第2の歯車45はシャフト49を介して他方の駆動ユニット41の第2の歯車45に連結されているため、各駆動ユニット41の駆動歯車43が互いに同方向に同時に回転する。これにより、商品コラム20の各ベルト32が同時に同速度で回動し、各ベルト32上の商品Aがそれぞれ商品バケット40の各ベルト62に乗り移り、共に商品バケット40に受容される。
【0036】
更に、前記自動販売機では、商品コラム20の仕切板22を取外すことにより、図21に示すように商品コラム20に幅の広い商品Cを収納することができる。即ち、商品Cは商品コラム20の両方のベルト32に亘って載置され、前述と同様、各駆動ユニット41を同時に作動することにより、商品コラム20内の商品Cが搬出される。
【0037】
また、前記自動販売機では、例えば非通電状態においてメンテナンスや修理等を行う際、アーム46、押下部材50及び商品ガード70の駆動系を第2のモータ59を作動させることなく手動で動作させたい場合がある。しかし、この駆動系の第4の歯車55はウォームギヤからなるため、アーム46等を直接外力を加えて動かすことはできない。この場合、図22に示すようにユニットケース42の上面に露出する第4の歯車55の回転軸55aの溝55bにドライバーDの先端を係合することにより、第4の歯車55をドライバーDによって回転させることができる。これにより、第2のモータ59の駆動力を用いずにアーム46、押下部材50及び商品ガード70を任意に動作させることができる。
【0038】
このように、本実施形態の自動販売機によれば、商品Aを商品コラム20から商品バケット40に搬出する際、商品コラム20側のベルト32と商品バケット40側のベルト62とを互いに同等の高さに位置させるようにしたので、各ベルト32,62間に段差を生ずることがなく、商品コラム20側のベルト32から商品バケット40側のベルト62に乗り移る商品Aの傾斜や転倒を確実に防止することができる。従って、商品Aを常に安定した姿勢で商品バケット40側に受容することができ、例えばプリンやヨーグルト等を容器に収容した商品のように、姿勢の変化によって中味の損傷を生じ易い商品を販売する場合に極めて有利である。
【0039】
また、商品Aを商品バケット40に搬出する際、各ベルト32,62間に商品コラム20側の商品ガード26を移動させ、各ベルト32,62間を通過する商品Aを商品ガード26の上面で下方から支持するようにしたので、各ベルト32,62間に接触防止用の隙間を設ける場合でも、この隙間への商品Aの落ち込みを商品ガード26で防止することができ、商品Aの乗り移りをより安定して行うことができる。この場合、商品コラム20からの商品落下防止用の商品ガード26を前述のように各ベルト32,62間の商品支持用の部材に利用するようにしたので、商品ガード26を商品落下防止用の部品とは別に専用の部品として設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の自動販売機によれば、商品を商品コラムから商品受容体に搬出する際、商品コラム側のベルトと商品受容体側のベルトとの間に段差を生ずることがないので、商品コラム側のベルトから商品受容体側のベルトに乗り移る商品の傾斜や転倒を確実に防止することができ、商品を常に安定した姿勢で商品バケット側に受容することができる。従って、例えばプリンやヨーグルト等を容器に収容した商品のように、姿勢の変化によって中味の損傷を生じ易い商品を販売する場合に極めて有利である。
【0041】
また、商品を商品受容体に搬出する際、各ベルトの隙間への商品の落ち込みを確実に防止することができるので、商品の乗り移りをより安定して行うことができる。
【0042】
また、請求項2の自動販売機によれば、請求項1の効果に加え、各ベルト間の商品支持用の商品ガードを商品落下防止用の部品とは別に専用の部品として設ける必要がないので、部品点数を少なくすることができ、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動販売機の正面図
【図2】自動販売機の正面断面図
【図3】自動販売機の側面断面図
【図4】商品コラムの側面断面図
【図5】商品コラムの正面図
【図6】商品ガードを示す側面図
【図7】商品バケットの一部省略斜視図
【図8】駆動ユニットの内部を示す側面図
【図9】駆動ユニット内の一部を示す側面図
【図10】各駆動ユニットの駆動歯車及びその連動機構を示す斜視図
【図11】駆動ユニットの動作を示す側面図
【図12】商品ガードの動作を示す斜視図
【図13】商品ガードの動作を示す斜視図
【図14】駆動歯車の動作を示す側面図
【図15】揺動部材の可動部の動作を示す側面図
【図16】商品コラムから商品バケットへの搬出動作を示す部分側面図
【図17】商品コラムから商品バケットへの搬出動作を示す部分側面図
【図18】商品コラムから商品バケットへの搬出動作を示す部分側面図
【図19】商品コラムから商品バケットへの搬出動作を示す部分側面図
【図20】高さ寸法の大きい商品における商品バケットから商品取出口への搬出動作を示す部分側面図
【図21】幅寸法の大きい商品を収納した場合の商品コラムの正面図
【図22】ドライバーを用いた作動方法を示す駆動ユニットの部分斜視図
【符号の説明】
10…自動販売機本体、11…商品取出口、20…商品コラム、26…商品ガード、30…商品搬出機構、32…ベルト、40…商品バケット、60…商品移送機構、62…ベルト、A,B,C…商品。
Claims (2)
- 所定位置に商品取出口を有する自動販売機本体と、自動販売機本体の幅方向及び上下方向の少なくとも一方向に配列された複数の商品コラムと、各商品コラムにそれぞれ設けられ、商品コラム内の商品を所定方向に搬出する商品搬出機構と、各商品コラムから搬出される商品を受容可能な商品受容体と、商品受容体を各商品コラムの配列方向に移動させる移動機構とを備え、移動機構によって商品受容体を任意の商品コラムまで移動させ、商品搬出機構によって商品コラム内の商品を商品受容体内に搬出し、商品を受容した商品受容体を移動機構によって商品取出口まで移動させるようにした自動販売機において、
前記各商品コラムの商品搬出機構を、各商品コラムに幅方向一対ずつ並設するとともに、それぞれ単独または同時に回動可能な無端状のベルトの上面側に商品を載置して商品受容体側に搬送するように構成し、
商品受容体には、商品コラム側のベルトと同等の高さに位置する無端状のベルトからなり、商品コラム側のベルトから搬出された商品をベルトの上面側に載置して商品受容体側に移動させる商品移送機構を設け、
商品受容体が任意の商品コラムまで移動すると、商品コラムの商品の搬出方向への落下を防止可能な待機位置から商品コラム側のベルトと商品受容体側のベルトとの間に移動するとともに、各ベルトと同等の高さ位置に保持されることにより、各ベルト間を通過する商品を下方から支持する商品ガードを備え、
各商品コラムの商品ガードを、各商品搬出機構ごとに幅方向一対ずつ設けるとともに、それぞれ単独または同時に動作可能に構成した
ことを特徴とする自動販売機。 - 前記商品ガードを商品コラムの一端側に設けた
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
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