JP3549330B2 - 製紙用添加剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は製紙工業において、紙力増強、濾水性向上などの効果をもたらす製紙用添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年製紙業界においては、資源有効利用の観点からの古紙のリサイクル率の上昇に代表される原料事情の悪化、排水規制の点からの白水クローズ度化率の向上などにより紙品質面および操業性の面で多くの問題が指摘されている。
【0003】
このような問題に関してさまざまなアクリルアミド系製紙用添加剤が用途に応じて使用されてきた。しかしながらその効果は必ずしもユーザーのニーズを満足させるものでなく、より高性能の製紙用添加剤の開発が待たれている現状にある。
従来より、種々ある製紙用添加剤の中でも、アニオン性アクリルアミド系ポリマーとカチオン性アクリルアミド系ポリマーを併用、特に、混合して使用すると、高い紙力増強効果および濾水効果が得られることは一般的によく知られている。
【0004】
このような混合使用の場合、使用前の混合液が特開昭58−60094に記されているように若干の緩い錯体様結合を生じる程度の良好な溶解状態であることが必要条件であり、混合液が不溶化白濁物を形成すると効果が乏しいことが知られている。そのためには混合液pHが重要で、一般には、特開昭58−60094に記されているように不溶化白濁物を形成しない様に混合液pHを予め調整する操作が必要であった。このようにカチオン性アクリルアミド系ポリマーとアニオン性アクリルアミド系ポリマーの混合液における結合状態が効果に対し重要な意味をもつことは推察されていたものの、その結合状態をカチオン性およびアニオン性ポリマーそれぞれの構造により制御し、効果を増大する試みについては従来全く行われていなかった。
【0005】
さらに、ポリマー混合液を製紙用添加剤として使用する場合、使用直前に両ポリマーを混合するのではなく、予め混合したポリマー混合液を購入、使用する方が、貯蔵、取扱いの面から大変有利であるにもかかわらず、上述のようなポリマー混合液は貯蔵安定性の面からは全く検討されておらず、例えばポリマー濃度が10%以上、特に15%以上のような高濃度の混合液で貯蔵安定性に優れ、高紙力、高ろ水性を発揮する高性能な製紙用添加剤はこれまで知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は製紙産業における紙力増強、濾水性向上などをもたらす製紙用添加剤を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、カチオン性アクリルアミド系ポリマーとアニオン性アクリルアミド系ポリマーの混合系におけるそれぞれの重合体の構造について鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する重合体を特定の割合で混合することにより、従来にはみられない高い紙力性能、濾水性能などを発揮できることを見いだし、さらには、その混合液が高濃度で安定貯蔵でき、しかも、使用前に一次希釈した際に不溶化白濁物を生じても従来とは違って高い効果を発揮できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、
(1) カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)およびアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)を含有するアクリルアミド系ポリマー混合溶液からなる製紙用添加剤であって、
その重量比が(a)/(b)=5/95〜95/5の割合であり、(a)のカチオン性モノマー単位が2〜50モル%、(b)のアニオン性モノマー単位が2〜30モル%であり、かつ(a)または(b)の少なくともいずれか一方が分岐架橋構造を有することを特徴とする前記添加剤、
(2) カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくとも何れか一方が、下記一般式(1)[化3]で表されるビニル化合物及び/またはそれらの塩類から選ばれたビニル化合物0.05〜10モル%を構成成分として含有することを特徴とする(1)記載の製紙用添加剤、
【0009】
【化3】
(式中R1 は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル基、nは1〜8の整数)
(3) カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくとも何れか一方が、架橋性ビニルモノマー0.01〜5モル%を構成成分として含有することを特徴とする(1)または(2)記載の製紙用添加剤、
(4) カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくとも何れか一方の重量平均分子量(c)が
1,500,000〜10,000,000であり、重量平均慣性半径(d)が、30〜150nmであって重量平均慣性半径(d)と重量平均分子量(c)の比(d)/(c)が0.00004以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の製紙用添加剤、
(5) アクリルアミド系ポリマー混合溶液が水溶液であって、該水溶液の濃度が10〜60%であり、かつ粘度が50,000(センチポイズ/25℃)以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の製紙用添加剤、
(6) カチオン性アクルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくとも何れか一方が、下記一般式(1)[化4]で表されるビニル化合物及び/またはそれらの塩類から選ばれたビニル化合物を含むモノマー混合液を連続的に滴下する半回分重合により得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製紙用添加剤、
【0010】
【化4】
(式中R1 は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル基、nは1〜8の整数)
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明におけるアクリルアミド系ポリマーとは、アクリルアミド及び/またはメタアクリルアミドから形成されるポリマー、もしくは、アクリルアミド系ポリマーを構成する全モノマー成分に対し、アクリルアミド及び/またはメタアクリルアミドを最大成分として含有する共重合体をいう。
【0012】
カチオン性アクリルアミド系ポリマーのカチオン性導入手段としてはアミド基のマンニッヒ反応によるもの、ホフマン分解反応によるもの、カチオン性モノマーをアクリルアミドに共重合するものなどのタイプに分けられるが、混合液を貯蔵、流通する場合の安定性を考えると、カチオン性モノマーの共重合が好ましい。
【0013】
共重合に使用されるカチオン性モノマーを例示すると、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミン及びそれらの塩(4級化物も含む)、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。これらモノマーは1種もしくは2種以上併用して使用することが出来る。
【0014】
上述の方法によって導入されたカチオン性アクリルアミド系ポリマーのカチオン性モノマー単位は、2〜50モル%、好ましくは2〜30モル%、さらに好ましくは2〜20モル%である。
これらカチオン性アクリルアミド系ポリマーにはカチオン性基のモル含有率を超えない範囲でアニオン性のモノマーを共重合することが好ましい。アニオン性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸及びそれらの塩、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩を例示することが出来、通常カチオン性モノマー単位の半分以下のモル含有率で、かつ1〜15モル%であることがいっそう好ましい。
【0015】
また、カチオン性アクリルアミド系ポリマーにその他共重合できるモノマーとして、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、各種のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−n−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシルメタクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。共重合に供せられるビニルモノマーの使用量は、ビニルモノマーの種類、及びそれらの組合せにより異なり、一概には言えないが、概ね0〜50モル%の範囲にある。
【0016】
アニオン性アクリルアミド系ポリマーのアニオン性導入手段としてはアルカリによるアミド基の加水分解反応によるもの、アニオン性モノマーをアクリルアミドに共重合することなどがあげられる。共重合できるアニオン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など上記カチオン性アクリルアミド系ポリマーで具体的に例示したものと同じものをを1種もしくは2種以上併用して使用でき、アクリルアミド系ポリマー中のアニオン性モノマー単位は、2〜30モル%、好ましくは2〜20モル%である。これらアニオン性アクリルアミド系ポリマーにはアニオン性基のモル含有率を超えない範囲で上記に例示したカチオン性のモノマーを使用でき、さらには同じく上記に例示したその他共重合性モノマーをも使用することができる。
【0017】
本発明においては、カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくともいずれか一方が分岐架橋構造を有していることが必要である。
分岐架橋構造とはアクリルアミド系ポリマーのポリマー鎖からビニルモノマーを構成単位とするポリマー鎖が分岐している構造およびアクリルアミド系ポリマーがポリマー分子間もしくは分子内で部分的に架橋されている構造をいう。
【0018】
分岐架橋構造は、一般式(1)で表されるビニル化合物及び/またはそれらの塩類から選ばれたビニル化合物0.05〜10モル%をアクリルアミドに共重合することによって得ることができる。一般式(1)で表されるビニル化合物及び/またはそれらの塩類から選ばれたビニル化合物を具体的に例示すると、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸あるいはそれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩等のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩等を例示することができる。これら化合物は1種もしくは、2種以上併用して使用することができる。
【0019】
一般式(1)で表されるビニル化合物及び/またはそれらの塩類から選ばれたビニル化合物はカチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくともいずれか一方のポリマー構成成分として含有すると良いが、両者に含有することが最も好ましい。
【0020】
また、分岐架橋構造は、架橋性ビニルモノマーを使用することによってもさらに好ましく得ることができる。本発明における架橋性ビニルモノマーを具体的に列記すると、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルアクリルアミドなどの2官能型架橋性モノマー、あるいは1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンアクリレート、トリアクリルホルマール、ジアクリロイルイミド等の多官能型架橋性モノマーを例示することができる。これら架橋性ビニルモノマーの量としては、アクリルアミド系ポリマーを構成する全モノマーの総量に対し、0.01〜5モル%であるが、ポリマーの分岐架橋構造の均一性の点からは0.01〜2モル%であることが好ましい。これら化合物は1種もしくは、2種以上併用して使用することができる。
【0021】
さらに本発明の分岐架橋構造は上記一般式(1)で表されるビニル化合物及び/またはそれらの塩類から選ばれたビニル化合物と上記架橋性ビニルモノマーを同時に使用することによって最も好ましく得ることが出来る。
【0022】
本発明における分岐架橋構造は重量平均分子量と分子サイズ(慣性半径など)の関係から知ることができ、一般に同一組成、同一分子量におけるポリマーの分子サイズはポリマーの分岐架橋度が大きいものほど、小さいことが知られている。したがって、アクリルアミド系ポリマーにおける重量平均分子量(c)と重量平均慣性半径(d)の範囲を規定した場合の両者の比(c)/(d)は平均分岐架橋度を示す指標として使用できる。
【0023】
本発明において、カチオン性アクルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくとも何れか一方の重量平均分子量(c)が1,500,000〜10,000,000であり、重量平均慣性半径(d)が、30〜150nmであって、重量平均慣性半径(d)と重量平均分子量(c)の比(d)/(c)が0.00004以下であると一層好ましい効果が得られる。 本発明において重量平均分子量(c)は、静的光散乱法により求めることができる。具体的には、多角度の光散乱検出装置を使用し、ジムプロット等を作成することにより値を得ることができる。あるいは、GPCに多角度光散乱検出器を接続したGPC−MALLS法により、デバイプロットを作成することにより得ることができる。
【0024】
また、重量平均慣性半径(d)も上記ジムプロットまたはデバイプロットにより得る事ができる。
一般に、光散乱法による分子量測定には、以下の光散乱の基礎式
Kc/R(θ)=1/MwP(θ)+2A2c+・・・
R(θ)=角度(θ)における散乱光(レイリー係数)の還元強度
c =サンプル濃度
Mw =重量平均分子量
A2 =第2ビリアル係数
K =光学パラメーター
P(θ)=角度散乱関数
が用いられるが、本発明でいう、重量平均分子量(c)は、GPCに低角度光散乱検出器を接続したGPC−LALLS法と同様、第2ビリアル係数である第2項以降を無視した値をいうものとする。
また、本発明でいう重量平均慣性半径(d)は重量平均の根平均自乗慣性半径(Root Mean Square Radius、一般的に<S2>1/2で示される)のことを言う。
【0025】
本発明において、以上の光散乱法によるポリマーの重量平均分子量、重量平均慣性半径等の値は、具体的にはN/10硝酸ナトリウムを含むN/15リン酸緩衝液(pH7)を溶媒(溶離液)として測定することができる。
本発明におけるカチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)もしくはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の重合方法としてはラジカル重合が好ましい。重合溶媒としては水、アルコール、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒が適用可能であるが、紙力増強剤として使用する場合は、水溶液重合であることが望ましい。水溶液重合の場合、ポリマーが析出沈降するなどして分散性を損なわない範囲でアルコール等の有機溶媒を併用使用することは可能である。
【0026】
本発明におけるカチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)もしくはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の重合方法は、全モノマーを反応容器に一括で仕込み、重合する回分(バッチ)重合でもよいが、モノマーの一部もしくは全部を反応容器中に滴下しながら重合する半回分(セミバッチ)重合法であることがより望ましい。この際、上記一般式(1)で表されるビニル化合物及び/またはそれらの塩類から選ばれたビニル化合物を滴下しながら重合することがより好ましい。半回分(セミバッチ)重合法を行うことにより、モノマー高濃度液における重合熱を除去することが容易になるだけでなく、ポリマーの分岐架橋構造の均一化が容易になる等、分子構造の制御が可能となる。半回分重合法における重合時間は、特に限定しないが概ね1〜20時間である。
【0027】
重合開始剤の制限は特にないが、水溶性のものであれば好ましい。モノマー水溶液に一括して添加してもよいし、滴下してもよいが、半回分重合の場合は滴下するほうが好ましい。具体的な重合開始剤として、過硫酸塩系、過酸化物系では、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキサイドなどが挙げられる。この場合、単独で使用する方が望ましいが、還元剤と組み合わせてレドツクス系重合開始剤としても使用できる。還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルト塩など低次のイオン化の塩、トリエタノールアミンなどのアミン類、さらにはアルドース、ケトースなどの還元糖などを挙げる事が出来る。また、アゾ化合物も本発明において好ましい開始剤であり、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダリゾン−2−イル)−プロパン及びその塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩等を使用することができる。更に、上記した重合開始剤を2種以上併用することも可能である。重合開始剤の量は、概ねモノマーに対し0.001〜5重量%である。
【0028】
重合温度は単一重合開始剤の場合には、概ね30〜90℃であり、レドックス系重合開始剤の場合の開始温度はより低く概ね5〜50℃である。また、重合中同一温度に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変えてもよいが、一般に重合の進行に伴い発生する重合熱により昇温するため、必要に応じ冷却を加える必要が生じる場合もある。重合時の重合容器内の雰囲気は特に限定はないが、重合を速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置換したほうがよい。重合時間は回分(バッチ)重合の場合も特に限定しないが概ね1〜20時間である。
【0029】
重合pHも特に限定はないが、必要に応じpH調整して重合を行ってもよい。その場合使用可能なpH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ化剤、リン酸、硫酸、塩酸等の鉱酸、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられる。
【0030】
本発明におけるアクリルアミド系ポリマー混合溶液としては水溶液が好ましく、該水溶液の濃度は、0.1〜60%の範囲である。貯蔵、流通を考慮すると、性能/経済性、および分離など安定性の面から高い濃度の方がより好ましいが、一般に、10〜60%の範囲であり、15〜35%の範囲が好ましく、さらには22〜35%の範囲が好ましく選択される。また、10〜60%濃度の該水溶液の25℃のブルックフィールド粘度は50,000センチポイズであることが好ましく、さらに好ましくは20,000センチポイズ以下、最も好ましくは、100〜10,000センチポイズである。
【0031】
カチオン性アクリルアミド系ポリマーとアニオン性アクリルアミド系ポリマーの混合は、それぞれを重合後、目的の混合比になるよう一定量ずつ計りとって混合釜などで混合するバッチ混合でもよいし、スタティックミキサーなどを利用したインライン(連続)混合方式であってもよい。
【0032】
本発明におけるアクリルアミド系ポリマー混合水溶液は、通常、0.1〜3%濃度に希釈して使用される。この場合、カチオン性アクリルアミド系ポリマーおよびアニオン性アクリルアミド系ポリマーそれぞれを0.1〜3%濃度に希釈したのち混合使用しても良いし、希釈と混合を同時に行っても良い。
【0033】
本発明におけるポリマー濃度はポリマー水溶液の絶乾ポリマー濃度を測定することにより知ることができる。測定方法としては、熱風乾燥法、ケット法等が挙げられる。
【0034】
本発明におけるカチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)およびアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の混合液における混合比は、その重量比、即ちポリマー固形分あたり、(a)/(b)=5/95〜95/5の範囲であり、好ましくは10/90〜90/10の範囲であるが、濾水性向上の面から、最も好ましくは、50/50〜90/10の範囲である。
【0035】
本発明は、カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)およびアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の混合液のpHを特に指定することによってのみ発揮されるものではなく、通常、混合希釈液のpH範囲は3〜11である。混合希釈液に白濁沈澱物が見られても本発明の効果は発揮される。
【0036】
本発明の製紙用添加剤がいかなる理由で濾水性、紙力など抄紙性能が高く、また、ポリマー混合溶液のpHにかかわらず安定した効果を発揮するものであるかどうか現時点では不明であるが、一方のイオン性ポリマーに分岐架橋構造を持たせる事により、ポリマーの混合によるポリイオンコンプレツクスの形成が制御され従来にも増して優れた製紙用添加剤として種々の性能を発揮するものと考えられる。
また、従来にもまして、例えば10〜60%の濃度で長期保存後、高い効果を保持できるのは、混合液の分離やゲル化などの反応が生じていないからであると考えられる。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明を、実施例および応用例にて、具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また以下において、%で示したものは特に断わらない限り重量%を意味するものとする。
重量平均分子量および重量平均慣性半径の測定には、昭和電工(株)製Shodex(R)GPC SYSTEM−11にSho−dexOHpak SB80Mを接続し、検出器として示差屈折計と
WYATT TECHNOLOGY社製多角度光散乱検出器を併用した。
【0038】
混合前ベースポリマーの合成
カチオン性アクリルアミド系ポリマーC−1の合成
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ(以下、反応容器と呼ぶ)に純水600gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を80℃に調整した。
【0039】
一方、50%アクリルアミド水溶液209.0g、ジメチルアミノエチルメタクリレート7.80g、70%メタクリロイルオキシジメチルベンジルアンモニウムクロライド35.2g、80%アクリル酸7.82g、メチレンビスアクリルアミド0.268g、メタリルスルホン酸ナトリウム0.687gを混合し、98%硫酸でpHを4.0に調整した溶液、及び過硫酸カリウム0.2gを溶解した水溶液40gを調整し、それぞれ、反応容器中に、150分間かけて均等滴下した。この間、反応容器内の温度を80℃一定に保った。滴下終了後、80℃で3時間重合を続け、水を加え、冷却し反応を終了させることにより、不揮発分15.2%、pH4.0で25℃におけるブルックフィールド粘度5000cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。このポリマーをC−1とする。C−1の重量平均分子量および重量平均慣性半径を前述の方法により測定したところそれぞれ360万および82ナノメーターであり、重量平均慣性半径/重量平均分子量比は0.000023であった。
【0040】
カチオン性アクリルアミド系ポリマーC−2の合成
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ(以下、反応容器と呼ぶ)に純水350gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を80℃に調整した。
【0041】
一方、50%アクリルアミド水溶液397.8g、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド26.7g、70%メタクリロイルオキシジメチルベンジルアンモニウムクロライド68.9g、80%アクリル酸15.3g、メチレンビスアクリルアミド0.524g、メタリルスルホン酸ナトリウム13.4gを混合し98%硫酸でpHを4.0に調整した溶液、及び過硫酸カリウム0.5gを溶解した水溶液40gを調整し、それぞれ、反応容器中に、150分間かけて均等滴下した。この間、反応容器内の温度を80℃一定に保った。滴下終了後、80℃で3時間重合を続け、水を加え、冷却し反応を終了させることにより、不揮発分30.2%、pH4.0で25℃におけるブルックフィールド粘度5500cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。このポリマーをC−2とする。C−2の重量平均分子量および重量平均慣性半径を前述の方法により測定したところそれぞれ420万および60ナノメーターであり、重量平均慣性半径/重量平均分子量比は0.000014であった。
【0042】
カチオン性アクリルアミド系ポリマーC−3の合成
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに純水600g、50%アクリルアミド水溶液210.6g、ジメチルアミノエチルメタクリレート13.7g、70%メタクリロイルオキシジメチルベンジルアンモニウムクロライド35.3g、80%アクリル酸7.85gを仕込み、98%硫酸でpH4.2に調整した後、窒素ガスを吹き込みながら内温を40℃に昇温した。その後過硫酸アンモニウム0.57g、亜硫酸水素ナトリウム0.26gを加え、120分間重合した後、水を加え、冷却し重合反応を完了したところ、不揮発分15.3%、pH4.1で25℃におけるブルックフィールド粘度6350cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。このポリマーをC−3とする。C−3の重量平均分子量および重量平均慣性半径を前述の方法により測定したところそれぞれ35万および33ナノメーターであり、重量平均慣性半径/重量平均分子量比は0.000094であった。
【0043】
アニオン性アクリルアミド系ポリマーA−1の合成
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ(以下、反応容器と呼ぶ)に純水150.0gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を80℃に調整した。
一方、50%アクリルアミド水溶液256.7g、80%アクリル酸18.5g、メチレンビスアクリルアミド0.317g、メタリルスルホン酸ナトリウム6.50gを混合溶解した溶液、及び過硫酸カリウム0.2gを溶解した水溶液40gを調整し、それぞれ、反応容器中に、150分間かけて均等滴下した。この間、反応容器内の温度を80℃一定に保った。滴下終了後、80℃で3時間重合を続け、水を加え、冷却し反応を終了させることにより、不揮発分15.1%、pH3.7で25℃におけるブルックフィールド粘度170cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。このポリマーをA−1とする。A−1の重量平均分子量および重量平均慣性半径を前述の方法により測定したところそれぞれ180万および50ナノメーターであり、重量平均慣性半径/重量平均分子量比は0.000028であった。
【0044】
アニオン性アクリルアミド系ポリマーA−2の合成
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ(以下、反応容器と呼ぶ)に純水300.0gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を80℃に調整した。
一方、50%アクリルアミド水溶液513.4g、80%アクリル酸37.0g、メチレンビスアクリルアミド0.634g、メタリルスルホン酸ナトリウム13.0gを混合溶解した溶液、及び過硫酸カリウム0.4gを溶解した水溶液40gを調整し、それぞれ、反応容器中に、150分間かけて均等滴下した。この間、反応容器内の温度を80℃一定に保った。滴下終了後、80℃で3時間重合を続け、水を加え、冷却し反応を終了させることにより、不揮発分30.3%、pH3.8で25℃におけるブルックフィールド粘度2800cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。このポリマーをA−2とする。A−2の重量平均分子量および重量平均慣性半径を前述の方法により測定したところそれぞれ185万および52ナノメーターであり、重量平均慣性半径/重量平均分子量比は0.000028であった。
【0045】
アニオン性アクリルアミド系ポリマーA−3の合成
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに純水600.0g、50%アクリルアミド水溶液269.6g、80%アクリル酸 19.0gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を40℃に昇温した。その後過硫酸アンモニウム1.3g、亜硫酸水素ナトリウム0.6gを加え、120分間重合した後、水を加え、冷却し重合反応を完了したところ、不揮発分 15.0%、pH3.6で25℃におけるブルックフィールド粘度1000cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。このポリマーをA−3とする。A−3の重量平均分子量および重量平均慣性半径を前述の方法により測定したところそれぞれ11万および22ナノメーターであり、重量平均慣性半径/重量平均分子量比は0.000200であった。
以上で得られた混合前ベースポリマーの物性値をまとめて表1に示した。
【0046】
実施例1
カチオン性アクリルアミド系ポリマーC−1とアニオン性アクリルアミド系ポリマーA−1を混合比C−1/A−1=1/1となるよう混合した。
得られた混合液は、不揮発分15.2%、pH3.9、25℃におけるブルックフィールド粘度5300cpsであった。このポリマー混合溶液をM−1とする。
【0047】
実施例2〜16
ベースポリマーの種類と混合比を変更した以外は実施例1と同様の方法でポリマー混合液M−2〜M−16を得た。それら物性値を表2にまとめて示した。
【0048】
比較例1
カチオン性アクリルアミド系ポリマーC−3とアニオン性アクリルアミド系ポリマーA−3を混合比C−3/A−3=1/1となるよう混合した。
得られた混合液は、不揮発分15.1%、pH3.8、25℃におけるブルックフィールド粘度18300cpsであった。このポリマー混合溶液をCM−1とする。
【0049】
比較例2〜4
C−3/A−3の混合比を変更した以外は比較例1と同様の方法でポリマー混合液CM−2〜CM−4を得た。それら物性値を表2にまとめて示した。
【0050】
応用例1
実施例1で得られたポリマー混合液M−1を水道水で希釈し、濃度1%に調整した。希釈液のpHは4.2であった。静置すると不溶化白濁物の沈澱を生じたので、攪拌しながら保存した。
一方、カナダ標準型濾水度(CSF)が400の1%濃度の広葉樹晒硫酸塩パルプ(L−BKP)スラリーに、攪拌しながら、硫酸バンドを対パルプ1%添加し、その後スラリーpH5.5となるようNaOH水溶液で調整した。
【0051】
3分間攪拌した後、上記M−1の1%水溶液(水分散液)を不揮発分基準で対パルプ0.5%添加し、さらに3分間攪拌を続けた。しかる後、得られたパルプスラリーを用いて濾水度(JIS−P8121)の測定、及びTAPPI角型抄紙機を用いた抄紙を行った。抄紙したウェットシートは、ドラムドライヤーにて、110℃で3分間乾燥し、坪量100g/m2の手抄き紙を得た。得られた乾紙を20℃、RH65%の恒温恒湿室で24時間以上調湿した後、比破裂強度(JIS−P8112)、内部結合強さ(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.54)を測定した。実施例2〜16で得られたポリマーM−2〜M−16、比較例1〜4で得られたポリマーCM−1〜CM−4についても同様の操作を行った。それら測定結果を濃度1%に希釈した状態とともに表3に示した。
【0052】
応用例2
実施例1〜4で得られたポリマーM−1〜M−4、および比較例1〜4で得られたポリマーCM−1〜CM−4について、水道水にて1%に希釈し希釈液のpHをそれぞれ3、5、7に調整した。
pHによっては静置すると不溶化白濁物の沈澱を生じたので攪拌しながら保存した。
【0053】
一方、CSF410の1%濃度のL−BKPスラリーに、攪拌しながら、硫酸バンドを対パルプ1%添加し、その後スラリーpH5.5となるようNaOH水溶液で調整した。3分間攪拌した後、上記のpH調整したポリマーの1%水溶液(水分散液)のうちの一つを不揮発分基準で対パルプ0.5%添加し、さらに3分間攪拌を続けた。しかる後、得られたパルプスラリーを用いて濾水度(JIS−P8121)の測定、及びTAPPI角型抄紙機を用いた抄紙を行った。抄紙したウェットシートは、ドラムドライヤーにて、110℃で3分間乾燥し、坪量100g/m2の手抄き紙を得た。得られた乾紙を20℃、RH65%の恒温恒湿室で24時間以上調湿した後、比破裂強度(JIS−P8112)、内部結合強さ(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.54)を測定した。それら測定結果を濃度1%に希釈した状態とともに表4に示した。
【0054】
応用例3
実施例1〜16で得られたポリマー混合液M−1〜M−16および比較例1〜4で得られたポリマー混合液CM−1〜CM−4を30℃で30日間保存した。その後使用前に水道水で1%濃度に希釈した。
【0055】
一方、CSF400の1%濃度のL−BKPスラリーに、攪拌しながら、硫酸バンドを対パルプ1%添加し、その後スラリーpH5.5となるようNaOH水溶液で調整した。3分間攪拌した後、上記条件で保存したM−1の1%水溶液(水分散液)を不揮発分基準で対パルプ0.5%添加し、さらに3分間攪拌を続けた。しかる後、得られたパルプスラリーを用いて濾水度(JIS−P8121)の測定、及びTAPPI角型抄紙機を用いた抄紙を行った。抄紙したウェットシートは、ドラムドライヤーにて、110℃で3分間乾燥し、坪量100g/m2の手抄き紙を得た。得られた乾紙を20℃、RH65%の恒温恒湿室で24時間以上調湿した後、比破裂強度(JIS−P8112)、内部結合強さ(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.54)を測定した。ポリマーM−2〜M−16、ポリマーCM−1〜CM−4についても同様の操作を行った。それら測定結果を表5に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【発明の効果】
本発明の製紙用添加剤は応用例1の結果から、従来知られている混合ポリマーと比較して優れた濾水性、紙力増強効果を示すものであることは明らかである。また、応用例2の結果から、本発明の製紙用添加剤は水溶液pHにかかわらず優れた濾水性、紙力増強効果を示すものであることは明らかである。このことは製紙用添加剤を希釈する水の質あるいは希釈倍率などによって変化する希釈液pHに対して非常に安定な性能を発揮する事を示し、pHをわざわざ調整しなければならなかった従来技術にはない大きな効果であると言える。さらに、応用例3の結果から、本発明の製紙用添加剤は保存安定性にも優れ、長期保存後も高い性能発現能力を保持している。
Claims (6)
- カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)およびアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)を含有するアクリルアミド系ポリマー混合溶液からなる製紙用添加剤であって、
その重量比が(a)/(b)=5/95〜95/5の割合であり、(a)のカチオン性モノマー単位が2〜50モル%、(b)のアニオン性モノマー単位が2〜30モル%であり、かつ(a)または(b)の少なくともいずれか一方が分岐架橋構造を有することを特徴とする前記添加剤。 - カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくとも何れか一方が、架橋性ビニルモノマー0.01〜5モル%を構成成分として含有することを特徴とする請求項1または2記載の製紙用添加剤。
- カチオン性アクリルアミド系ポリマー(a)またはアニオン性アクリルアミド系ポリマー(b)の少なくとも何れか一方の重量平均分子量(c)が
1,500,000〜10,000,000であり、重量平均慣性半径(d)が、30〜150nmであって重量平均慣性半径(d)と重量平均分子量(c)の比(d)/(c)が0.00004以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製紙用添加剤。 - アクリルアミド系ポリマー混合溶液が水溶液であって、該水溶液の濃度が10〜60%であり、かつ粘度が50,000(センチポイズ/25℃)以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製紙用添加剤。
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