JP2005299012A - 紙質向上剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パルプシートの強度や剛度の低下が少ない、またはパルプシートの強度や剛度を向上させながら、パルプシートの嵩を向上させる内添用紙質向上剤の提供。
【解決手段】一般式(a)で表される単量体由来の構成単位と、一般式(b)で表される単量体由来の構成単位を含む共重合体を含有する内添用紙質向上剤、及びこの内添用紙質向上剤をパルプに添加してなるパルプシート。
【化1】
Figure 2005299012

【化2】
Figure 2005299012

(式中、R1及びR2はH、又はC1-4のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、R3はH又はメチル基、R4及びR5はH又はC1-4のアルキル基、X-は陰イオンを示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、パルプシートの紙質向上に有用な内添用紙質向上剤、及びそれを添加してなるパルプシートに関する。
地球環境保護の面からパルプの使用量削減が求められ、その結果、紙の軽量化と古紙パルプの増配合が求められている。しかしながら、単に紙中のパルプ量を削減して得られる紙は、紙が薄くなることによる不透明度低下が起こり品質の劣るものとなる。また、紙中のパルプ量を低減させる軽量化では、紙の強度の低下や、板紙のように剛度を要求される紙では、剛度が低下し望ましくない。一方、古紙パルプの配合比率を高めると、古紙パルプ中の残インキ等による白色度の低下や、リサイクル過程でパルプ繊維が細くなること等により紙厚が低下し不透明度低下が起こる。従って、紙中のパルプ量を削減するとともに、古紙パルプの配合比率を高くすると、得られる紙の厚さの低下、強度や剛度の低下、不透明度及び白色度が一段と低下する。
軽量化による厚さの低下を防止することを目的として、従来から種々の嵩向上方法が試みられてきた。例えば、プレス圧を低くする製造方法は、平滑性が低下し印刷適性が劣るという問題がある。また、架橋パルプを用いる、合成繊維と混抄する、パルプ繊維間に無機物等の充填物を満たす、空隙をもたらす(特許文献1)等の方法も挙げることができるが、パルプのリサイクルが不可能であったり、紙の平滑度が損なわれたりする。また、紙用嵩高剤としては、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物(特許文献2)が知られている。更に嵩高剤として市販されている脂肪酸ポリアミドポリアミン型においては、嵩は向上するものの、紙の強度や剛度が低下し、紙性能としては十分でない。一方、不透明度、白色度を向上させるために、炭酸カルシウム、カオリン、ホワイトカーボン等の無機填量を多量(例えば5〜20重量%)添加する方法が当業界で実施されている。しかしながら、単に無機填量を多量に添加すると紙の重量増加が著しく、紙の軽量化は達成できない。
さらに、特許文献3には、紙の内添剤としてメルカプト基を有するカチオン性のポリビニルアルコールを分散剤としたエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体の重合体微粒子からなる紙用の内添剤が開示されており、特許文献4では、デンプンを糊化することなくデンプン粒子の形態を保持しつつ、(メタ)アクリルアミドを含むモノマーをグラフト共重合して得られるグラフト化デンプンを主成分とする製紙用添加剤が開示されているが、これらは剛度に関しては或る程度の改善はされるものの、嵩の向上はほとんど見られない。
特開平5−230798号公報 国際公開第98/3730号パンフレット 特開平8−199079号公報 特開平11−302992号公報
本発明の課題は、パルプシートの強度や剛度の低下が少ない、またはパルプシートの強度や剛度を向上させながら、パルプシートの嵩を向上させる内添用紙質向上剤を提供することにある。
本発明は、一般式(a)で表される単量体(以下単量体(a)という)由来の構成単位と、一般式(b)で表される単量体(以下単量体(b)という)由来の構成単位を含む共重合体を含有する内添用紙質向上剤、及びこの内添用紙質向上剤を、パルプに添加してなるパルプシートを提供する。
Figure 2005299012
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、X-は陰イオンを示す。)
Figure 2005299012
(式中、R3は水素原子又はメチル基、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
本発明の内添用紙質向上剤は、抄紙時にパルプスラリー中に添加することで、パルプシートの強度や剛度の低下を抑えながら、またはパルプシートの強度や剛度を向上させながら、パルプシートの嵩を向上させることができる。本発明のパルプシートの嵩が向上する原理については、本発明に係わる共重合体により、パルプの分散又は部分的な凝集状態が制御されることにより嵩高いパルプシートが得られるものと考えられる。通常、嵩高いパルプシートが得られた場合、パルプ間に空隙が多くなり、紙の強度は大きく低下するが、本発明に係わる共重合体の場合、繊維間に結合した共重合体が、パルプとの接着力を適度に向上させ、この結果、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度の低下が少ない、又は、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度も向上する、内添用紙質向上剤を提供することができる。
[共重合体]
本発明に係わる共重合体は、必須構成単位として、単量体(a)由来の構成単位と、単量体(b)由来の構成単位を含む。
単量体(a)において、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基を示すが、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましい。X-で示される陰イオンとしては、塩素、臭素等のハロゲンイオン、硫酸、硝酸等の無機酸イオン、メチル硫酸、ヒドロキシカルボン酸等の有機酸イオン等が挙げられ、中でも塩素イオンが好ましい。
単量体(a)の具体例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、単量体(b)において、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示すが、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましく、水素原子が更に好ましい。単量体(b)の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド等が挙げられ、アクリルアミド、メタクリルアミドが好ましく、アクリルアミドが特に好ましい。
また、本発明の共重合体には、単量体(a)及び(b)に加え、必要に応じ共重合可能な他の単量体(以下単量体(c)という)を共重合させることができる。単量体(c)としては、具体的には(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸や、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデセニル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘキサデセニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデセニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸系単量体が挙げられる。これら単量体(c)の配合量は、全単量体中30重量%以下が好ましい。
本発明の共重合体は、単量体(a)及び単量体(b)、更に必要により単量体(c)を共重合させることにより得られる。本発明の共重合体を構成する単量体(a)と単量体(b)のモル比は、目的とする嵩性能等の紙質を向上させる観点から、(a)/(b)=30/70〜95/5の範囲が好ましく、40/60〜90/10の範囲が更に好ましい。
本発明において、共重合方法は、特に限定されず、ラジカル重合でもイオン重合でも良く、また例えば重合開始剤を用いての溶液重合や塊状重合などの公知の重合方法を採用できる。重合方法は、回分式でも連続式でも行なうことができ、その際必要に応じて使用される溶媒としては、公知のものを使用でき特に限定されない。そのような溶媒としては、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族あるいは脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などが挙げられるが、単量体混合物及び得られる共重合体の溶解性からは、水および炭素数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、ニトリル系化合物、アゾ系化合物、ジアゾ系化合物、スルフィン酸系化合物等の公知のものを使用でき特に限定されない。このような重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシドなどを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、促進剤として亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物などの1種又は2種以上を併用することもできる。重合開始剤の添加量は、単量体(a)、単量体(b)及び単量体(c)の合計に対して0.1〜10重量%が好ましい。
また、共重合反応においては、連鎖移動剤を添加することができる。連鎖移動剤としては、低級アルキルメルカプタン、低級メルカプト脂肪酸、チオグリセリン、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタノール等を挙げることができる。
重合温度は、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤等により適宜定められるが、通常0〜150℃の範囲内が好ましい。
得られた共重合体は、必要に応じて、脱臭処理をすることができる。特に連鎖移動剤としてメルカプトエタノール等のチオールを用いた場合には、不快臭が重合体中に残存しやすいため、脱臭処理をすることが望ましい。
上記製造方法で得られた共重合体は、紙質向上剤としてそのままでも用いられるが、必要に応じて更に酸性物質で中和して用いても良い。このような酸性物質としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の炭素数1〜10の有機酸が挙げられ、中でも塩酸が好ましい。
本発明の共重合体の重量平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、ポリエチレングリコール換算、カラム:G4000PWXL + G2500PWXL(東ソー(株)製)、溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=7/3(体積比)、以下同様〕は、紙質向上剤として充分な分散性を得るため、10,000〜10,000,000が好ましく、20,000〜5,000,000が更に好ましい。
[内添用紙質向上剤]
本発明の内添用紙質向上剤は、上記のような本発明に係わる共重合体を含有し、更に例えば、公知の界面活性剤、着色剤、添加剤等を、本発明における所望の効果の発現が阻害されない範囲で含有することができる。本発明の内添用紙質向上剤は、前記界面活性剤、着色剤、添加剤等の成分をあらかじめ混合して調製物とすることもでき、あるいは共重合体を製造する際に混合して調製物とすることもできる。
また、本発明の内添用紙質向上剤には、本発明に係わる共重合体に加え、本発明における所望の効果の発現が阻害されない範囲内で、適宜さらに他のポリマーを含有させることもできる。
本発明の内添用紙質向上剤中の、本発明に係わる共重合体の含有量は固形分換算で、1〜100重量%が好ましく、10〜100重量%が更に好ましい。固形分濃度は赤外水分計(Kett 社製、Infrared Moisture Determination Balance, FD-240)にて、150℃、20分間の加熱条件で測定した。
[パルプシート]
本発明におけるパルプシートの製造法としては、公知の方法が用いられる。本発明の紙質向上剤を用いることにより、紙質向上剤を内添したパルプシートが得られる。本発明の内添用紙質向上剤の添加量は固形分換算で、パルプ100重量部に対し、紙質向上効果の観点から0.05重量部以上が好ましく、パルプシート本来の性能を維持する観点から20重量部以下が好ましい。より好ましくは0.1〜10重量部である。このような少量添加でも、パルプシートの嵩を向上させるとともに、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度の低下が少ない、又は嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度が向上するパルプシートを得ることができる。
本発明の内添用紙質向上剤は、抄紙工程以前の何れかにおいてパルプに添加される(内添)。その添加場所としては、パルプ原料の稀薄液が金網上を進む間に濾水されて紙層を形成する抄紙工程以前で、パルパーやリファイナー等の離解機や叩解機、マシンチェストやヘッドボックスや白水タンク等のタンク、あるいはこれらの設備と接続された配管中に添加してもよいが、リファイナー、マシンチェスト、ヘッドボックスで添加する等、均一にパルプ原料にブレンドできる場所が望ましい。
本発明におけるパルプシートの製造時において、一般の抄紙時に用いられる、サイズ剤、填料、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤等を添加してもよい。特に、本発明の紙質向上剤がその機能を発現するためには、パルプに定着することが重要であり、そのために定着を促進する剤を用いることができる。かかる剤の例としては、硫酸アルミニウム、カチオン化澱粉、アクリルアミド基を有する化合物、ポリエチレンイミン等が挙げられる。定着を促進する剤の添加量は、パルプ100重量部に対し0.001〜5重量部が好ましい。
本発明の内添用紙質向上剤を用いて得られたパルプシートは、無添加シートに比べ、嵩up率が2%以上、紙力維持率が85%以上、剛度維持率が85%以上であることが好ましい。
本発明の内添用紙質向上剤を用いて得られるパルプシートは、紙パルプ技術便覧(紙パルプ技術協会発行、455〜460頁、1992年)に記載された品目分類の中の、新聞用紙、非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、情報用紙、段ボール用紙、白板紙、包装用紙等の紙又は板紙に好適に用いられる。
以下の製造例、実施例において、%及び部は、特に記載しなければ、重量%、重量部を表す。
製造例1
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管、及び還流冷却管を備えたガラス製反応器に水1480部を仕込み、攪拌下に反応器内を窒素置換した。窒素雰囲気下で、65%ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(和光純薬工業(株)製)〕174.1部、アクリルアミド21.3部(和光純薬工業(株)製)を加え、溶解した後、あらかじめ水10部にV−50(和光純薬工業(株)製、重合開始剤)1.35部を溶解せしめ、添加した。70℃で4時間反応後、再度あらかじめ水10部にV−50 0.27部添加し、80℃で1時間維持した。水冷後、固形分濃度10%の共重合体(1)を得た。共重合体(1)の重量平均分子量は50万であった。
実施例1〜3及び比較例1〜7
<パルプ原料>
パルプ原料として、LBKP(広葉樹晒パルプ)を、25℃で叩解機にて離解、叩解して1%のLBKPスラリーとしたヴァージンパルプを用いた。このもののカナダ標準濾水度(JIS P 8121)は450mlであった。
<抄紙方法>
ヴァージンパルプスラリーを抄紙後のパルプシートのパルプ坪量が70g/m2±1g/m2になるように量り取り、硫酸アルミニウムでpH4.5に調整した(実施例3及び比較例1〜7は硫酸アルミニウム無添加)。次いで表1及び表2に示すように、本発明の内添用紙質向上剤(共重合体(1))あるいは比較の添加剤をパルプ100部当たり固形分で0.5〜1部内添し、必要に応じ定着剤(cato308)を、表1に示す量内添し、角型タッピ抄紙機にて80メッシュワイヤー(面積625cm2)で抄紙し、湿潤シートを得た。湿潤シートの上に坪量320g/m2のろ紙(270mm角)2枚を重ね、更にその上にコーチングプレートを重ねコーチングした後、湿潤シートを取り出した。次いで湿潤シートを前記ろ紙2枚で上下に挟み、55g/cm2で5分間プレスした。プレス後、鏡面ドライヤーを用い105℃で2分間乾燥した。乾燥されたパルプシートを23℃、湿度50%の条件で1日間調湿してから、紙の嵩up率、紙力、剛度を以下の方法で測定した。抄紙は各5枚、測定値は10回/紙1枚の平均値である。結果を表1及び表2に示す。
<嵩up率>
JIS P8118により緊度を求め、下式にて嵩up率を算出する。緊度は小さいほど嵩が高く、また緊度の0.02の差は有意差として十分に認識されるものである。嵩up率は大きいほど嵩が高く、また嵩up率2%の差は有意差として十分に認識されるものである。
嵩up率(%)=[(1/剤を内添した紙の緊度−1/剤無添加紙の緊度)/(1/剤無添加紙の緊度)]×100
<紙力維持率>
破裂強度(JIS P8112法)を求め、下式にて算出する。紙力維持率は大きいほど紙力が高く、また紙力維持率5%の差は有意差として十分に認識されるものである。
紙力維持率(%)=(剤を内添した紙の破裂強度/剤無添加紙の破裂強度)×100
<剛度維持率>
クラークこわさ(JIS P8143法による)を求め、下式にて算出する。剛度維持率は大きいほど剛度が高く、また剛度維持率5%の差は有意差として十分に認識されるものである。
剛度維持率(%)=(剤を内添した紙のクラークこわさ/剤無添加紙のクラークこわさ)×100
Figure 2005299012
Figure 2005299012
*1:パルプ100部当たりの固形分量
*2:添加剤
・cato308:カチオン化澱粉、日澱化学(株)製
・AKD:アルキルケテンダイマー、サイリーンS−94、花王(株)製
・ポリアクリルアミド:ポリストロン356、荒川化学(株)製
・PVA(GL−05):ポリビニルアルコール、部分ケン化、重合度500、日本合成化学(株)製
・CMC(FT−3):カルボキシメチルセルロース、日本製紙ケミカル(株)製
・ラウリルアルコールエチレンオキサイド6モル付加物:エマルゲン106、花王(株)製
表1及び表2の結果から、本発明の共重合体を含む内添用紙質向上剤を、抄紙時にパルプスラリー中に内添することにより、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度の低下が少ない、又は嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度も向上するパルプシートが得られることが判明した。

Claims (4)

  1. 一般式(a)で表される単量体(以下単量体(a)という)由来の構成単位と、一般式(b)で表される単量体(以下単量体(b)という)由来の構成単位を含む共重合体を含有する内添用紙質向上剤。
    Figure 2005299012
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、X-は陰イオンを示す。)
    Figure 2005299012
    (式中、R3は水素原子又はメチル基、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  2. 共重合体を構成する単量体(a)と単量体(b)のモル比(a)/(b)が、30/70〜95/5の範囲である、請求項1記載の内添用紙質向上剤。
  3. パルプに、請求項1又は2記載の内添用紙質向上剤を添加してなるパルプシート。
  4. 内添用紙質向上剤の添加量が、パルプ100重量部に対し、固形分換算で0.05〜20重量部である、請求項3記載のパルプシート。
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