JP3487059B2 - 製紙用添加剤 - Google Patents

製紙用添加剤

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JP3487059B2
JP3487059B2 JP03869696A JP3869696A JP3487059B2 JP 3487059 B2 JP3487059 B2 JP 3487059B2 JP 03869696 A JP03869696 A JP 03869696A JP 3869696 A JP3869696 A JP 3869696A JP 3487059 B2 JP3487059 B2 JP 3487059B2
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勝浩 島本
晋一郎 谷本
喜守 鍋田
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用添加剤に関
する。詳しくは、高分岐構造の(メタ)アクリルアミド
系共重合体を含有してなる製紙用添加剤に関する。
【0002】
【従来技術】近年、製紙用添加剤、特に紙力増強剤が
紙、板紙の製造に際し重要視されて来ている。この背景
としては、原木供給事情の悪化に伴い良質のパルプの使
用が制限されたこと、さらには省エネルギーや省資源の
目的で古紙の再利用の必要性が一段と強まったことがあ
げられ、その結果として紙、板紙の改質剤としての製紙
用添加剤は一層不可欠なものとなっている。
【0003】一方、抄紙機の高速化に伴う生産性の向
上、あるいは紙の多様化に応じた品質向上の目的で、濾
水性向上剤および紙力増強剤への依存度とその使用範囲
はさらに広まっている。かかる状況下に製紙用添加剤と
しては、ポリアクリルアミド系が主流となっている。
【0004】しかしながら、近年、製紙用添加剤の使用
条件はますます厳しくなってきたため、従来公知の比較
的低分子量のポリアクリルアミド系製紙用添加剤では、
添加剤としての効果の点で限界にきている。そのため、
性能の向上を図るべく高分子量化の手段が採られるが、
単に高分子量化した場合には得られる共重合体の粘度が
過度に上昇するため、抄紙時の分散性が不良となる。そ
の結果、かかる共重合体を製紙用添加剤として使用した
場合には過度の凝集が生じ、成紙の地合い乱れを引き起
こしやすい。また、輸送コストの低減、生産性の向上の
面から、高濃度の製品(製紙用添加剤)が要求されてい
る。
【0005】これらの問題点を解消すべく、架橋性ビニ
ルモノマー(二重結合を少なくとも2個有するもの)を
使用することにより分岐構造を持たせ、得られる共重合
体の粘度上昇を抑えながらその分子量を増加させようと
する試みがなされている。例えば、宇尾野ら(特開昭5
3−114911号公報)は架橋剤成分としてメチレン
ビスアクリルアミド等のジビニル系モノマーを用いるこ
とを提案している。しかし、ジビニル系モノマーの添加
量を増やすとゲル化することも宇尾野らは同時に指摘し
ている。これは、フローリーが指摘したジビニル系モノ
マーを添加した系でのゲル化の理論(Principl
es of Polymer Sciense,Cor
nell University Press Ith
acaN.Y.,1953)と一致する。また、木村ら
は3官能ビニルモノマーを推奨しているが(特開平2−
61197号公報)、本発明者の認識や実験事実によれ
ば、同上のゲル化効果を増幅するだけであり、かえって
ジビニル系モノマーを使用する場合に比べて製紙用添加
剤の製造をより困難なものとする結果となった。また、
架橋剤を少量使用した場合には高分子量のポリマーを得
ることができず、製紙用添加剤としての効果は未だ十分
ではなかった。
【0006】また、アリル(メタ)アクリレート、N,
N−ジメチルアクリルアミド等の連鎖移動性置換基を有
するビニルモノマーを使用することにより分岐構造を持
たせようとする試みもなされている(特開平5−195
485号公報)。しかし、連鎖移動性置換基を有するビ
ニルモノマーを使用した場合には、ゲル化は起こりにく
いが、分子量分布が広くなり、高分子量の(メタ)アク
リルアミド系共重合体を得ることはできない。このこと
は前記フローリーによっても指摘されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゲル化を伴
うことなく高分子量化した(メタ)アクリルアミド系共
重合体を含有してなり、比較的低粘度で高濃度において
も取扱性がよく、しかも製紙用添加剤としての性能に優
れる製紙用添加剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記従来技
術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(メタ)
アクリルアミド系共重合体の構成成分として、連鎖移動
性を有するモノマーとして、以下に示す(B)炭素−炭
素二重結合として(メタ)アリル基を1つ有するモノマ
ーと(C)一般式(1)で表されるN−置換(メタ)ア
クリルアミド類を用いることにより、ゲル化を伴うこと
なく高分子量かつ高濃度で(メタ)アクリルアミド系共
重合体を比較的低粘度で得ることができることを見出し
た。本発明はかかる新たな知見に基づいて完成されたも
のである。
【0009】 すなわち、本発明は、(A)(メタ)ア
クリルアミド99.9〜80モル%、(B)炭素−炭素
二重結合として(メタ)アリル基を1つ有するモノマー
0.05〜10モル%および(C)一般式(1):CH
=C(R )−CONR (R )(式中、R
は水素原子またはメチル基、R は水素原子または炭
素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R
は炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表
す)で表されるN−置換(メタ)アクリルアミド類0.
05〜10モル%を共重合して得られる(メタ)アクリ
ルアミド系共重合体を含有してなる製紙用添加剤、さら
には(A)(メタ)アクリルアミド99.9〜55モル
%、(B)炭素−炭素二重結合として(メタ)アリル基
を1つ有するモノマー0.05〜10モル%および
(C)一般式(1):CH=C(R )−CONR
(R )(式中、R は水素原子またはメチル
基、R は水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしく
は分岐鎖のアルキル基、R は炭素数1〜4の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基を表す)で表されるN−置換
(メタ)アクリルアミド類0.05〜10モル%ならび
に(D)前記(A)〜(C)成分を除くアニオン性ビニ
ルモノマー、カチオン性ビニルモノマーおよびノニオン
性ビニルモノマーから選ばれる少なくとも1種40モル
%以下を共重合して得られる(メタ)アクリルアミド系
共重合体を含有してなる製紙用添加剤に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、(A)(メタ)
アクリルアミドとは、アクリルアミドまたはメタクリル
アミドのことをいい、これらは単独使用または併用でき
る。経済性の面からはアクリルアミドを単独使用するの
がよい。なお、以下本発明において(メタ)とは同様の
意味である。
【0011】(B)炭素−炭素二重結合として(メタ)
アリル基を1つ有するモノマーとは、分子中に(メタ)
アリル基を1つのみ有し、(メタ)アリル基の他には炭
素−炭素二重結合を有しないモノマーをいう。(メタ)
アリル基は、一般的に連鎖移動性を有する官能基であ
り、本発明においては、連鎖移動剤と架橋剤の両方の機
能を合わせ持つと考えられる。なお、分子中に(メタ)
アリル基が2つ以上ある場合には、ゲル化したり、分子
量分布が広くなるため好ましくない。また、(メタ)ア
リル基と異なる他の炭素−炭素二重結合、たとえば、ア
クリロイル基等を有する場合についても同様である。こ
のような(B)炭素−炭素二重結合として(メタ)アリ
ル基を1つ有するモノマーとしては、(メタ)アリルス
ルホン酸、(メタ)アリルカルボン酸およびこれらの塩
ならびに(メタ)アリルアルコールから選ばれる少なく
とも1種を使用できる。これら(B)成分のなかでも、
得られる(メタ)アクリルアミド系共重合体が高分子量
化する点で(メタ)アリルスルホン酸またはその塩が好
ましく、特にモノマーの安定性からメタアリルスルホン
酸またはその塩がより好ましい。なお、塩としては、ナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩等があげられる。
【0012】(C)一般式(1):CH2 =C(R1
−CONR2 (R3 )(R1 は水素原子またはメチル
基、R2 は水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは
分岐鎖のアルキル基、R3 は炭素数1〜4の直鎖または
分岐鎖のアルキル基)で表されるN−置換(メタ)アク
リルアミド類は、N−アルキル基中のメチル基またはメ
チレン基が連鎖移動点として作用することを利用して、
これにより得られる共重合体に多くの分岐構造を導入し
ようとするものである。この手法を用いればゲル化を伴
わない分岐ポリマーを得ることができる。前記一般式
(1)中のR2 またはR3 における炭素数1〜4の直鎖
または分岐鎖のアルキル基とは、たとえば、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等があげられ
る。(C)成分の具体例としては、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N
−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミドおよびN−t−ブチル(メタ)
アクリルアミドがあげられ、これらから選ばれる少なく
とも1種を使用できる。これら(C)成分のなかでも共
重合性、連鎖移動性の点でジメチルアクリルアミドが好
ましい。
【0013】前記(C)成分は連鎖移動による分岐反応
に寄与するが、(C)成分だけでは分子量分布が広くな
り分子量を十分に上げることはできない。本発明は、分
岐反応する(C)成分に加え、架橋剤としても作用しか
つ連鎖移動効果のある前記特定の(B)成分を組み合わ
せることにより、分子量分布が狭い高分子量の(メタ)
アクリルアミド系共重合体を収得することができたもの
である。したがって、(B)成分に代えて、一般に知ら
れている、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤を
(C)成分と組み合わせても本発明の分子量分布が狭い
高分子量の(メタ)アクリルアミド系共重合体を収得す
ることはできない。なお、(C)成分に代えて、従来の
架橋性ビニルモノマー(二重結合を少なくとも2個有す
るもの)を使用した場合には、前述したように(メタ)
アクリルアミド系共重合体がゲル化し易く、高濃度での
製紙用添加剤の製造が困難である。
【0014】本発明では、(メタ)アクリルアミド系共
重合体の構成成分として、前記(A)成分、(B)成分
および(C)成分に加えて、さらに、(D)成分として
前記(A)〜(C)成分を除くアニオン性ビニルモノマ
ー、カチオン性ビニルモノマーおよびノニオン性ビニル
モノマーから選ばれる少なくとも1種を使用することが
できる。すなわち、得られる共重合体にアニオン性を付
与する場合にはアニオン性ビニルモノマーを使用すれば
よく、得られる共重合体にカチオン性を付与する場合に
はカチオン性ビニルモノマーを使用すればよい。得られ
る共重合体にアニオン性とカチオン性を付与して両性に
する場合にはアニオン性ビニルモノマーとカチオン性ビ
ニルモノマーの両者を使用すればよい。また、ノニオン
性ビニルモノマーは、ポリマーに疎水性を付与するため
に使用され、単独で前記(A)〜(C)成分と併用でき
る他、前記イオン性ビニルモノマーと組み合わせて併用
することもできる。
【0015】前記(D)成分のなかのアニオン性ビニル
モノマーとしては、たとえば(メタ)アクリル酸、クロ
トン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマール酸、
イタコン酸、ムコン酸等のジカルボン酸;ビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸などの有機スルホン酸;また
はこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩等があげられる。
【0016】(D)成分のなかのカチオン性ビニルモノ
マーとしては、たとえばジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドな
どの第三級アミノ基を有するビニルモノマーまたはそれ
らの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩
類、または該第三級アミノ基含有ビニルモノマーとメチ
ルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エ
ピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応によって得ら
れる第四級アンモニウム塩を含有するビニルモノマー等
があげられる。
【0017】(D)成分のなかのノニオン性ビニルモノ
マーとしては、前記アニオン性ビニルモノマーのアルキ
ルエステル(アルキル基の炭素数1〜8)、アクリロニ
トリル、スチレン類、酢酸ビニル、メチルビニルエーテ
ルなどがあげられる。その他に、従来の架橋性ビニルモ
ノマーを本発明の製紙用添加剤の性能を逸脱しない範囲
内で少量使用することもできる。
【0018】本発明において、(A)〜(C)成分から
なる共重合体の各成分の各使用量は、得られる共重合体
の製紙用添加剤としての性能を十分考慮して決定しなけ
ればならない。すなわち、(A)成分は(A)〜(C)
成分の総モル和に対し、通常、99.9〜80モル%程
度、好ましくは99.2〜80モル%、より好ましくは
99.2〜90モル%である。一方、(D)成分を使用
する場合には、(A)成分は(A)〜(D)成分の総モ
ル和に対し、通常、99.9〜55モル%程度、好まし
くは99.2〜70モル%である。なお、(A)成分が
55モル%に満たない場合には、製紙用添加剤としての
十分な紙力効果等を得難い。
【0019】(B)成分も同様に、(A)〜(C)成分
の総モル和、または(A)〜(D)成分の総モル和に対
し、通常、0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜
5モル%である。(B)成分が0.05モル%に満たな
い場合には連鎖移動の効果が小さく、また分岐点の生成
も少ないために分岐構造が不十分である。10モル%を
越える場合には連鎖移動の効果が強すぎるためにポリマ
ー鎖が短くなり高分子量ポリマーを生成しにくくなる。
【0020】(C)成分も同様に、前記総モル和に対
し、通常、0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜
5モル%である。(C)成分が0.05モル%に満たな
い場合には分岐点の生成が少ないために分岐構造が不十
分である。10モル%を越える場合には、連鎖移動によ
る分岐反応が多くなりゲル化を起こす傾向がある。
【0021】また、(D)成分を使用する場合には、
(A)〜(D)成分の総モル和に対し、通常40モル%
程度以下、好ましくは30モル%以下で使用する。
(D)成分が40モル%を越える場合には十分な紙力効
果を得難い。なお、(D)成分として、共重合体にアニ
オン性を付与する場合には、前記総モル和に対し、通
常、アニオン性ビニルモノマーを1〜20モル%、好ま
しくは2〜15モル%使用する。共重合体にカチオン性
を付与する場合には、総モル和に対し、通常、カチオン
性ビニルモノマーを1〜20モル%、好ましくは2〜1
5モル%使用する。また、共重合体に両性を付与する場
合には総モル和に対し、通常、アニオン性ビニルモノマ
ーを1〜15モル%、好ましくは2〜10モル%、カチ
オン性ビニルモノマーを1〜15モル%、好ましくは2
〜10モル%使用する。
【0022】本発明に用いられる共重合体の合成は、従
来公知の各種方法により行うことができる。例えば、所
定の反応容器に前記各種モノマー((A)〜(C)成
分、または(A)〜(D)成分)および水を仕込み、ラ
ジカル重合開始剤を加え、撹拌下、加温することにより
目的とする水溶性の(メタ)アクリルアミド系共重合体
を得ることができる。反応温度は、通常50〜100℃
程度、反応時間は1〜5時間程度である。反応濃度(モ
ノマー濃度)は、通常10〜40重量%程度で行うこと
ができ、高濃度においても重合できる。また、得られた
共重合体の水溶液は、高濃度の場合にも希釈することな
く使用、保存できる。その他、モノマーの仕込み方法は
同時重合、連続滴下重合等の従来公知の各種方法により
行うことができる。ラジカル重合開始剤としては、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、または
これらと亜硫酸水素ナトリウムのごとき還元剤とを組み
合わせた形のレドックス系重合開始剤等の通常のラジカ
ル重合開始剤を使用できる。また、前記ラジカル重合開
始剤には、アゾ系開始剤を併用してもよい。ラジカル重
合開始剤の使用量は、モノマーの総重量和の0.05〜
2.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%であ
る。0.05重量%では重合自体が十分に進行せず、他
方2.0重量%を越える場合には高分子量ポリマーを得
ることが困難である。
【0023】かくして得られた(メタ)アクリルアミド
系共重合体は、重量平均分子量が通常、50万〜600
万程度であり、濾水性向上剤、紙力増強剤等の内添薬
品、表面紙力増強剤等の外添薬品、抄き合わせ紙の層間
接着剤等の各種の製紙用添加剤として使用できる。な
お、濾水性向上剤、紙力増強剤等の内添薬品、抄き合わ
せ紙の層間接着剤等として用いる場合には、重量平均分
子量が200万以上であるのが好ましい。また、粘度
は、取扱性の点から、通常、10000cps程度(2
5℃)以下の性状で使用するのがよい。なお、本発明の
製紙用添加剤は、固形分濃度10〜40重量%に調整さ
れるが、固形分濃度を40重量%の場合においても、粘
度を10000cps程度(25℃)以下に調整でき
る。このように本発明の(メタ)アクリルアミド系共重
合体を含有してなる製紙用添加剤は、高分子量であるに
もかかわらず、低粘度であり、高固形分濃度で使用でき
る。
【0024】
【発明の効果】本発明の製紙用添加剤は、(1)高分子
量の(メタ)アクリルアミド系共重合体を含有している
にもかかわらず、比較的低粘度であり作業性にも優れ
る。また、製品濃度の高濃度化が可能であり、生産性を
向上できるとともに輸送コストを大幅に削減することが
できる。また、(2)得られる(メタ)アクリルアミド
系共重合体は高分岐構造であると推察でき、パルプ繊維
間での接点が多く紙力増強効果等の製紙用添加剤として
の種々の特徴ある性能を示す。その結果として、近時の
厳しい抄紙条件下でも、濾水性向上剤、紙力増強剤等の
内添薬品、表面紙力増強剤等の外添薬品、抄き合わせ紙
の層間接着剤等の各種の製紙用添加剤として優れた諸効
果を奏する。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。なお、部および%はいずれも特
記ない限り重量基準による。
【0026】実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、アクリルアミド234.6部
(モノマーの総モル和に対し、95モル%、以下同
様)、メタアリルスルホン酸ソーダ16.5部(3モル
%)、ジメチルアクリルアミド6.9部(2モル%)お
よびイオン交換水960部(モノマー濃度21%)を仕
込み、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。系
内を40℃にし撹拌下に重合開始剤として過硫酸アンモ
ニウム0.25部および亜硫酸水素ナトリウム0.15
部を投入した。90℃まで昇温した後、2時間保温し
た。重合終了後、イオン交換水70部(固形分濃度20
%に調整)を投入し、pH4.5、固形分20.2%、
粘度(25℃)が9800cps、重量平均分子量が2
90万の共重合体水溶液を得た。また、ゲル量を測定し
たところ0%であった。なお、ゲル量とは試料を0.4
5μmのメンブランフィルターで濾過したときの該フィ
ルターを通過しないものの含有量(重量%)をいう。
【0027】実施例2〜11および比較例1〜5 実施例1において、(A)〜(D)成分の種類またはそ
の使用割合のうちいずれか少なくとも1種を表1のよう
に変えたほかは、実施例1と同様の操作を行い各種共重
合体水溶液を得た。得られた各種共重合体水溶液の性状
値を表2に示す。なお、実施例10においては、モノマ
ー濃度41%で重合を行い、重合終了後、固形分濃度4
0%になるようにイオン交換水を投入した。また、比較
例4、5では、イソプロピルアルコールを添加して行っ
た。
【0028】
【表1】
【0029】表中、AM:アクリルアミド、SMAS:
メタアリルスルホン酸ソーダ、SAS:アリルスルホン
酸ソーダ、DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、IPAA:N−イソプロピルアクリルアミド、A
A:アクリル酸、IA:イタコン酸、DM:ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、AMA:アリルメタクリレ
ート、TAIC:トリアリルイソシアヌレート、N−M
AA:N−メトキシアクリルアミド、IPA:イソプロ
ピルアルコールを表す。
【0030】
【表2】
【0031】(性能評価方法1)段ボール古紙をナイア
ガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダー
ド・フリーネス(C.S.F)420mlに調整したパ
ルプに硫酸バンドを1.6%添加してpH5.5とし、
ついで実施例1〜11または比較例1〜5で得られた各
共重合体水溶液を紙力増強剤として対パルプ0.6%を
添加し、撹拌した後、パルプスラリー濃度を0.1%に
なるように希釈し、タッピ・シートマシンにて坪量15
0g/m2 となるよう抄紙し、5Kg/cm2 で2分プ
レス脱水した。次いで回転型乾燥機で105℃において
3分間乾燥し、20℃、65%R.H.の条件下に24
時間調湿したのちJIS P 8112に準じて、比破
裂強度を測定した。結果を表3に示す。
【0032】(性能評価方法2)N−BKPをナイアガ
ラ式ビーターにて叩解し、(C.S.F)550mlに
調整したパルプ(pH6.8)に、上記各実施例および
比較例で得られた各共重合体水溶液を上記と同様に添加
し、上記と同様の操作を行い、比破裂強度を測定した。
結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3の結果より、本発明で得られるアクリ
ルアミド系共重合体を用いた製紙用添加剤は、優れた紙
力増強効果を発現すると認められる。
【0035】実施例12〜17および比較例6 実施例1において、(A)〜(D)成分の種類またはそ
の使用割合のうちいずれか少なくとも1種を表4のよう
に変えたほかは、実施例1と同様の操作を行い各種共重
合体水溶液を得た。得られた各種共重合体水溶液の性状
値を表5に示す。なお、各実施例および比較例において
は、モノマー濃度21%、31%または41%で重合を
行い、重合終了後、イオン交換水を投入し、表5に示す
固形分濃度(20%、30%または40%程度)になる
ように調製した。
【0036】
【表4】
【0037】表中、AM:アクリルアミド、SMAS:
メタアリルスルホン酸ソーダ、DMAA:N,N−ジメ
チルアクリルアミド、IA:イタコン酸、AA:アクリ
ル酸、DM:ジメチルアミノエチルメタクリレート、A
N:アクリロニトリル、AMA:アリルメタクリレート
を表す。
【0038】
【表5】
【0039】(性能評価方法3)上質酸性紙(坪量60
g/m2 )にラボサイズプレス塗工装置(熊谷理機製)
を用い、実施例10〜16または比較例5〜6で得られ
た各共重合体水溶液を紙力増強剤として、塗工(塗工濃
度2%、ニップ圧15kg/cm、塗工速度40m/
分)した後、回転ドライヤーを用いて105℃で1分間
乾燥した。乾燥後、20℃、65%R.H.の条件下に
24時間調湿した後、表面強度試験を、RI印刷試験機
(明製作所製)により、ニップ圧4mm、SMXインキ
(東洋インキ製造(株)製、タック20)を用いて行
い、印刷後の紙むけ状態を肉眼で観察した。5を良と
し、1を悪として、5段階評価とした。結果を表6に示
す。
【0040】(性能評価方法4)性能評価方法3と同様
に調湿した後、内部強度(Kgf・cm)を、J.TA
PPI No.54に準じて測定した。結果を表6に示
す。
【0041】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 国博 大阪市城東区今福南3丁目4番33号荒川 化学工業株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 平8−176991(JP,A) 特開 平5−302298(JP,A) 特開 平7−188349(JP,A) 特開 平3−227482(JP,A) 特開 平3−227489(JP,A) 特開 平6−199965(JP,A) 特開 昭62−89714(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 C08L 33/00 - 33/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(メタ)アクリルアミド99.9
    〜80モル%、(B)炭素−炭素二重結合として(メ
    タ)アリル基を1つ有するモノマー0.05〜10モル
    および(C)一般式(1):CH =C(R )−
    CONR (R )(式中、R は水素原子または
    メチル基、R は水素原子または炭素数1〜4の直鎖
    もしくは分岐鎖のアルキル基、R は炭素数1〜4の
    直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す)で表されるN−
    置換(メタ)アクリルアミド類0.05〜10モル%
    共重合して得られる(メタ)アクリルアミド系共重合体
    を含有してなる製紙用添加剤。
  2. 【請求項2】 (A)(メタ)アクリルアミド99.9
    〜55モル%、(B)炭素−炭素二重結合として(メ
    タ)アリル基を1つ有するモノマー0.05〜10モル
    および(C)一般式(1):CH =C(R )−
    CONR (R )(式中、R は水素原子または
    メチル基、R は水素原子または炭素数1〜4の直鎖
    もしくは分岐鎖のアルキル基、R は炭素数1〜4の
    直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す)で表されるN−
    置換(メタ)アクリルアミド類0.05〜10モル%
    らびに(D)前記(A)〜(C)成分を除くアニオン性
    ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマーおよびノニ
    オン性ビニルモノマーから選ばれる少なくとも1種40
    モル%以下を共重合して得られる(メタ)アクリルアミ
    ド系共重合体を含有してなる製紙用添加剤。
  3. 【請求項3】 (B)炭素−炭素二重結合として(メ
    タ)アリル基を1つ有するモノマーが、(メタ)アリル
    カルボン酸、(メタ)アリルスルホン酸およびこれらの
    塩ならびに(メタ)アリルアルコールから選ばれる少な
    くとも1種である請求項1または2に記載の製紙用添加
    剤。
  4. 【請求項4】 (C)N−置換(メタ)アクリルアミド
    類が、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−
    メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)ア
    クリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
    ドおよびN−t−ブチル(メタ)アクリルアミドから選
    ばれる少なくとも1種である請求項1〜のいずれかに
    記載の製紙用添加剤。
  5. 【請求項5】 (D)成分として、全モノマーの総モル
    和に対し、アニオン性ビニルモノマーを1〜15モル%
    およびカチオン性ビニルモノマーを1〜15モル%使用
    してなる請求項2に記載の製紙用添加剤。
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