JP2863275B2 - 製紙用添加剤及び紙の抄造方法 - Google Patents

製紙用添加剤及び紙の抄造方法

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JP2863275B2 JP16403690A JP16403690A JP2863275B2 JP 2863275 B2 JP2863275 B2 JP 2863275B2 JP 16403690 A JP16403690 A JP 16403690A JP 16403690 A JP16403690 A JP 16403690A JP 2863275 B2 JP2863275 B2 JP 2863275B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有用なる製紙用添加剤及び該製紙用添加剤
を用いた紙の抄造方法関するものであり、更に具体的に
は、アルカリ性領域下でアクリルアミド系重合体を高
温、短時間でホフマン分解反応を行うことにより得られ
るカチオン性アクリルアミド系重合体と、アニオン性ア
クリルアミド系重合体水溶液とを混合して調製すること
を特徴とする製紙用添加剤、及び該製紙用添加剤をパル
プスラリーに添加し抄紙することを特徴とする紙の抄造
方法に関するものである。
〔従来技術とその問題点〕
紙を抄造する際、パルプ抄造時の水切れ促進、乾燥に
要するエネルギーの節減あるいは成紙の紙力強度等の向
上を目的として、パルプスラリーに各種のアクリルアミ
ド系重合体を添加して抄紙する方法は古くから行われて
いる。これらアクリルアミド系重合体としては、カチオ
ン性のものあるいはアニオン性のものが各種知られてい
る。例えば、従来より、カチオン性アクリルアミド系重
合体としてはホフマン分解ポリアクリルアミド、マンニ
ッヒ化ポリアクリルアミド、及びカチオン性単量体とア
クリルアミドとの共重合体等がある。アニオン性ポリア
クリルアミドとしてはカルボキシル基やスルホン基を有
するビニル単量体とアクリルアミドとの共重合体または
ポリアクリルアミドの部分加水分解等がある。
アニオン性ポリアクリルアミドの添加は、成紙に紙力
増強効果をもたらすものの満足のいく濾水性は得ること
が出来ない上に、硫酸バンド等の定着剤を併用しなけれ
ばその効果を発揮することが出来ず、酸性領域での利用
が不可欠となり、製紙紙質の劣化、排水処理の煩雑さ、
抄紙機の腐食等の各種問題点を有している。
このような問題に応えるかたちで、パルプへの定着に
優れたカチオン性ポリアクリルアミドが登場し、広く使
用されるに至った。それらの中でもホフマン分解ポリア
クリルアミドはマンニッヒ化ポリアクリルアミド及びカ
チオン性単量体との共重合体等にはない優れた特徴を有
していることが知られている。しかしながら、ホフマン
分解ポリアクリルアミドは水溶液中でそのカチオン性が
経時的に消失するという経時劣化の問題があり、広範に
利用されるには至っていない。
また、上記各種ポリアクリルアミドの個々の特性を活
かす様な相乗効果を狙った併用処理は、両者を混合単一
の形にしておくと、当然予想されるようにカチオン性ポ
リアクリルアミドとアニオン性ポリアクリルアミドとの
相互作用によって不溶化白濁物を形成して、製紙用内添
薬品による処理目的を達成し難い混合物となるため、上
記併用処理においては、一方の添加剤で添加処理し、更
に他方の添加剤を添加して処理する多段処理を採用せざ
るを得ず、処理工程及び処理操作が煩雑となる問題点を
有している。例えば、ポリアクリルアミドのホフマン分
解物とアニオン性ポリアクリルアミドとの併用添加(特
開昭49−26501号)においては、上記各種ポリアクリル
アミドの単独使用に比べ濾水性、成紙の紙力強度は向上
するものの多段階処理を行わなければならない上に、尚
充分な濾水性あるいは成紙に満足する紙力強度を同時に
付与することはできない現状にある。
このように、抄造時の作業性あるいは、濾水性及び成
紙の紙力強度を同時に満足しうる紙の抄造方法は未だ得
られていない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、濾水性及び成紙の紙力強度も同時に向
上させるべく、更に作業の煩雑さの軽減の面から、単一
添加処方でありながら上記欠陥を克服すべく製紙用添加
剤及び紙の抄造方法について検討を行ってきた。特にカ
チオン性ポリアクリルアミドの中でも優れた特徴を有す
るホフマン分解ポリアクリルアミドに注目し、ホフマン
分解ポリアクリルアミドの特性を活かした製紙用添加剤
及び単一添加処方による紙の抄造方法について鋭意検討
を行ってきた。
その結果、意外なことに、従来全く顧みられなかった
ホフマン分解反応を高温で行い、且つ反応時間を極めて
短時間に反応させることにより得られるカチオン性ポリ
アクリルアミドは、低温反応で製造されるホフマン分解
ポリアクリルアミドと同等以上の性質を有していること
を見いだした。更に、従来のホフマン分解ポリアクリル
アミドは経時安定性の問題からpHを4〜5の間に保つ必
要があったが、このpH領域でアニオン性ポリアクリルア
ミドと混合すると沈澱物を生じるため、アニオン性ポリ
アクリルアミドとの混合は使用に耐えられなかった。と
ころが、高温度で短時間に製造されるホフマン分解ポリ
アクリルアミドとアニオン性ポリアクリルアミドとを混
合して得られるポリアクリルアミド混合水溶液は沈澱物
を生じることなく、しかもパルプスラリーに添加して抄
紙することにより初めて上記目的を克服しうることを見
い出した。即ち、ポリアクリルアミドを高温、短時間で
ホフマン分解して得られるカチオン性ポリアクリルアミ
ドと、アニオン性ポリアクリルアミド水溶液とを混合し
たポリアクリルアミド混合水溶液を製紙用添加剤として
製造後直ちに、パルプスラリーに添加するという混合添
加による抄造方法によれば、単一添加処方であるので作
業性を低下させることなく、またカチオン性ポリアクリ
ルアミドの安定性を損なうことなく顕著な濾水性及び成
紙の紙力強度を同時に向上発現しうることを見いだした
のである。
つまり、本発明は基本的には、アクリルアミド系重合
体をアルカリ性領域下で次亜ハロゲン酸塩と反応させる
ホフマン分解反応を、反応温度50〜110℃で、反応時間
を短時間で行うことによって得られるカチオン性アクリ
ルアミド系重合体とアニオン性アクリルアミド系重合体
水溶液とを製紙用添加剤として混合した後、該製紙用添
加剤を直ちにパルプスラリーに添加することを特徴とす
る製紙用添加剤及び紙の抄造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるアクリルアミド系重合体(ポリア
クリルアミド)とは、アクリルアミド(またはメタクリ
ルアミド)のホモポリマー、あるいはアクリルアミド
(またはメタクリルアミド)と共重合可能な一種以上の
不飽和単量体との共重合体、更にはでんぷん等の水溶性
重合体へのグラフト共重合体をいう。
共重合可能な単量体としては、親水性単量体、イオン
性単量体、親油性単量体などがあげられ、それらの一種
以上の単量体が適用できる。具体的には親水性単量体と
して、例えばジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、
N−エチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−プロピルアク
リルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリ
ロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、各種のメトキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピ
ロリドン等をあげることができる。
イオン性単量体としては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミ
ド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の酸及びそれら
の塩、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチ
ルアハノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミド等のアミン及びそれらの塩等をあげる
ことができる。
親油性単量体としては、例えばN,N−ジ−n−プロピ
ルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N
−n−ヘキシルアクリルアミド、N−n−ヘキシルメタ
クリルアミド、N−n−オクチルアクリルアミド、N−
n−オクチルメタクリルアミド、N−tert−オクチルア
クリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−n−
ドデシルメタクリルアミド等のN−アルキル(メタ)ア
クリルアミド誘導体、N,N−ジグリシジルアクリルアミ
ド、N,N−ジグリシジルメタクリルアミド、N−(4−
グリシドキシブチル)アクリルアミド、N−(4−グリ
シドキシブチル)メタクリルアミド、N−(5−グリシ
ドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシド
キシヘキシル)アクリルアミド等のN−(ω−グリシド
キシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレー
ト誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢
酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン、ジビニ
ルベンゼン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプ
レン等をあげることができる。共重合に伴せられる不飽
和単量体の使用量は、不飽和単量体の種類、及びそれら
の組合せにより異なり一概には言えないが、概ね0〜50
重量%の範囲にある。
また、上記した単量体をグラフト共重合する水溶性重
合体として、天然系及び合成系いづれのものも使用でき
る。天然系として各種由来のでんぷん及び酸化でんぷ
ん、カルボキシルでんぷん、ジアルデヒドでんぷん、カ
チオン化でんぷん等の変性物、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン
酸、寒天、ペクチン、カラギーナン、デキストラン、プ
ルラン、コンニャク、アラビヤゴム、カゼイン、ゼラチ
ン等があげられる。合成系としてはポリビニルアルコー
ル、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリ
エチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリマレイン酸
共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等があ
げられる。上記した水溶性重合体への前記した単量体の
添加量は水溶性重合体基準で0.1〜10.0倍の範囲であ
る。
次に上記した単量体を重合して、ポリアクリルアミド
を製造するのであるが、重合法としてはラジカル重合が
好ましく、重合溶媒としては水、アルコール、ジメチル
ホルムアミド等の極性溶媒が適用可能であるが、ホフマ
ン分解反応を水溶液中で行うので、水溶液重合が好まし
い。その時の単量体濃度は2〜30重量%好ましくは5〜
30重量%である。重合開始剤としては水溶性のものであ
れば特に制限はなく、通常単量体水溶液に溶解して使用
される。具体的には過酸化物系では、たとえば過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリ、過酸化水素、tert−ブチルパ
ーオキサイド等があげられる。この場合、単独でも使用
できるが、還元剤と組合せてレドックス系重合剤として
も使える。還元剤としては、例えば亜硫酸塩、亜硫酸水
素塩、鉄、銅、コバルトなどの低次のイオン化の塩、N,
N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン等の有機ア
ミン、更にはアルドース、ケトース等の還元糖などをあ
げることができる。
また、アゾ化合物としては、2,2′−アゾビス−2−
アミジノプロパン塩酸塩、2,2′−アゾビス−2,4−ジメ
チルバレロニトリル、4,4′−アゾビス−4−シアノバ
レイン酸及びその塩等を使用することができる。更に、
上記した重合開始剤を2種以上併用することも可能であ
る。また、水溶性重合体にグラフト重合する場合には重
合開始剤として上記した重合開始剤以外に、第2セリウ
ムイオン、第2鉄イオン等の遷移金属イオンを使用する
ことも可能であり、前記した重合開始剤と併用してもよ
い。開始剤の添加量は、単量体に対して0.01〜10重量
%、好ましくは0.02〜8重量%である。また、レドック
ス系の場合には、開始剤に対して還元剤の添加量はモル
基準で0.1〜200%、好ましくは0.2〜150%である。
重合温度は単一重合開始剤の場合には、より低く概ね
30〜90℃であり、レドックス系重合開始剤の場合にはよ
り低く概ね5〜50℃である。また、重合中同一温度に保
つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変えてよく一般に
重合の進行に伴い発生する重合熱により昇温する。その
時の重合器内の雰囲気は特に限定はないが、重合を速や
かに行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置換し
たほうがよい。重合時間は特に限定はないが、概ね1〜
20時間である。
次に、上記した方法で製造したポリアクリルアミドの
ホフマン分解反応を行う。その時、原料となるポリアク
リルアミドはその製造を水溶液で行った場合には、その
ままもしくは必要に応じ希釈して反応に伴することがで
きる。また、グラフト共重合体の場合、グラフトしない
ポリアクリルアミドも副生するが、通常それは分離しな
いでそのまま反応に供する。
ホフマン分解反応はポリアクリルアミドのアミド基に
次亜ハロゲン酸塩をアルカリ性物質の共存下に作用させ
て行うものであり、次亜ハロゲン酸としては次亜塩素
酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸があげられる。次亜塩素
酸塩としては、次亜塩素酸の金属またはアルカリ土類金
属塩があげられ、具体的には次亜塩素酸ナトリウム、次
亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸カ
ルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸バリウ
ム等がある。同様に次亜臭素酸塩及び次亜ヨウ素酸塩で
も次亜臭素酸塩及び次亜ヨウ素酸塩のアルカリ金属また
はアルカリ土類金属塩があげられる。また、アルカリ溶
液中にハロゲンガスを吹き込んで次亜ハロゲン酸塩を生
成させることも可能である。一方、アルカリ性物質とし
てはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化
物、アルカリ金属炭酸塩等があげられ、それらの中でも
アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム等があげられる。上記
した物質のポリアクリルアミドに対する添加量は次亜ハ
ロゲン酸では、アミド基に対して0.05〜2.0モル、好ま
しくは0.1〜1.5モルであり、アルカリ性物質ではアミド
基に対して0.05〜4.0モル、好ましくは0.1〜3.0モルで
ある。その時のpHは概ね11〜14の範囲にある。その時の
ポリアクリルアミドの濃度は概ね0.1〜17.5重量%であ
るが、反応濃度が高くなると撹拌が困難になることやゲ
ル化を起こし易くなる点から、通常は0.1〜10重量%の
範囲であることが好ましい。また、反応濃度が1%未満
の場合反応速度が遅くなる等の問題があるため、1〜10
重量%であることがさらに好ましい。
一方反応温度は50〜110℃の範囲であり、好ましくは6
0〜100℃の範囲である。
次に上記した温度範囲内でホフマン分解反応を短時間
に行うのであるが、反応時間は反応温度、及び反応溶液
中のポリマー濃度に依存するため一概には言えないが、
例えばポリマー濃度が1重量%の場合、50℃では十数分
以内、65℃では数分以内、80℃では数十秒以内で十分で
ある。更にポリマー濃度が高くなれば反応時間はより短
くて済む。反応時間(t)と反応温度(T)との関係は
概略下記2つの関係式で示され、反応時間(t)は下記
2つの関係式で挟まれる範囲内にあればよく、その範囲
内で反応を行えば好適な結果が得られる。
上記した条件で製造されるカチオン性ポリアクリルア
ミドはpH2でのコロイド滴定より測定されるカチオン当
量が概ね0〜10.0meq/gの範囲にあり、次亜ハロゲン酸
塩の添加量により該カチオン当量を制御することができ
る。また、反応をアルカリ性領域で行うのでアミド基が
加水分解されてカルボキシル基が副生する。その副生量
はpH10でのコロイド滴定により測定されるアニオン当量
で示され、該ね0〜10.0meq/gの範囲にある。その副生
量は添加するアルカリ性物質の量により制御可能とな
る。
次に上記した条件で反応を行った後、副反応の進行を
抑制するために反応を停止することが好ましい。ただ
し、反応後直ちに使用する場合には反応停止を行わなく
ともよい場合がある。
反応停止の方法としては、(1)還元剤を添加する、
(2)冷却する、(3)溶液のpHを酸添加により低下さ
せる、等の方法を単独あるいは組み合わせて用いること
ができる。(1)は残存する次亜ハロゲン酸塩などを還
元剤との反応により失活させる方法である。使用する還
元剤としては、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、マロン酸エチル、チオグリセロール、トリエチルア
ミンなどが挙げられる。還元剤の使用量は通常反応に使
用された次亜ハロゲン酸に対して0.005〜0.15倍モル、
好ましくは0.01〜0.10倍モルである。一般にホフマン分
解反応の反応終了時には未反応の次亜ハロゲン酸塩等の
活性塩素を有する化合物が残存している。かかる反応溶
液を紙力剤として用いると抄紙機の錆を引き起こす要因
ともなるため、通常は還元剤を用いて活性塩素を失活さ
せる。しかしながら、次亜ハロゲン酸塩はポリマーのア
クリルアミド単位モル数に対して当モル以下で反応を行
い、かつ高温度で反応を行うと反応終了時には未反応の
次亜ハロゲン酸塩はほとんど残存していない。従って、
還元剤を用いて活性塩素を失活させることなく紙力剤と
して使用することも可能である。(2)は冷却により反
応進行を抑える方法であり、その方法としては、熱交換
器を用いて冷却する、冷水で希釈する等の方法がある。
その時の温度は通常50℃以下好ましくは45℃以下、更に
好ましくは40℃以下である。(3)で、通常pH12〜13の
アルカリ性を示す反応終了時の溶液を、酸を用いてpHを
下げることによりホフマン分解反応を抑制させ、同時に
加水分解反応の進行を抑制する。その時のpHは中性以下
であればよく、好ましくはpH4〜6の範囲である。pH調
整で使用する酸としては、塩酸、硫酸、りん酸、硝酸等
の鉱酸、あるいはぎ酸、酢酸、くえん酸などの有機酸が
挙げられる。反応停止法は(1)〜(3)の中から反応
の条件により適宜選ぶことができ、またそれらの方法を
組み合わせてもよい。
次に上記した方法で停止した反応液はそのままカチオ
ン性ポリアクリルアミドの水溶液として使用できる。た
だし、(2)の方法で停止したホフマン分解反応液とア
ニオン性ポリアクリルアミドとを混合すると沈澱を生じ
るため、混合する前にpHを8以上に調整する必要があ
る。以上の方法で得られた該カチオン性ポリアクリルア
ミド水溶液をタンク中に保存しておき、必要に応じ使用
することもできる。その時保存しておく温度は水溶液の
凍結しない程度の低温であればよく、好ましくは10〜15
℃である。しかし比較的短期間のうちに使用する場合に
は常温でも保存でき、1カ月程度の保存は可能である。
本発明のカチオン性ポリアクリルアミドは、極めて短
時間で製造できるため、使用する場所(プラント)の近
くに製造装置を設置するような、オンサイト化が可能に
なる。この点が本発明の大きな特徴であり、有効な紙の
抄造方法へと最適化が可能となった点である。このと
き、次亜ハロゲン酸塩の使用量がポリアクリルアミドの
アミド基に対して下回る条件で反応を行わしめれば、溶
液中に遊離の次亜ハロゲン酸イオンが残存していないよ
うにすることが出来る。従って、この場合には反応を停
止することなく、パルプスラリーなどに添加することが
可能となる。
本発明で使用されるアニオン性アクリルアミド系重合
体(アニオン性ポリアクリルアミド)とは、アクリル
酸、メタクリル酸のようなカルボキシル基を有する不飽
和単量体、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸のようなスルホン酸基を
有する不飽和単量体のいづれか少なくとも一種以上の共
重合可能なアニオン性基を有する不飽和単量体とアクリ
ルアミド(またはメタクリルアミド)とからなる共重合
体、また該共重合体にアクリロニトリル等の共重合可能
な中性単量体を共重合させて得られる各種共重合体、あ
るいはアクリルアミド(またはメタクリルアミド)のホ
モポリマー及びこれら共重合体の加水分解物、更には、
これら共重合体或は加水分解物を少なくとも一種以上で
んぷん等の水溶性重合体へグラフトした共重合体をい
う。また、これらの共重合体は共重合体の荷電性質がア
ニオン性を示す限り、少量のカチオン性基を含有しても
よい。
ここで、これら共重合体中のアニオン性単量体及びア
クリルアミド(またはメタクリルアミド)の含有率は、
広い範囲から選択しうるが、通常アニオン性単量体が0.
3〜50mol%程度であり、且つアクリルアミド(またはメ
タクリルアミド)が20〜99.7mol%、その他の(カチオ
ン性単量体、および/または非イオン性単量体)が0.1
〜40mol%であるのがよい。
本発明により製造されるカチオン性ポリアクリルアミ
ドとアニオン性ポリアクリルアミド水溶液の混合水溶液
は通常の紙を抄造する時使用する製紙用内添薬品として
使用される。即ち、紙の製造工程の種々の分野でカチオ
ン性重合体及びアニオン性重合体は使用されるのである
が、本発明の方法により製造されるカチオン性ポリアク
リルアミドとアニオン性ポリアクリルアミド水溶液の混
合物水溶液はパルプを抄紙する工程において使用され、
抄紙時の水切れをよくするための濾水性向上及び紙の機
械的強度を増強する紙力増強などにその添加により大き
な効力がもたらされる。
本発明のカチオン性ポリアクリルアミドとアニオン性
ポリアクリルアミドの混合添加を濾水向上あるいは紙力
増強の目的で使用する方法は、従来公知の方法に従って
行えばよい。カチオン性ポリアクリルアミドとアニオン
性ポリアクリルアミドの混合方法としては、ラインミキ
サーを利用して混合する、あるいは撹拌機を備えたタン
ク中で混合する方法などがあり、何れの方法を使用して
も良い。本発明ではカチオン性ポリアクリルアミドを製
造した後は、劣化を抑えるためにパルプスラリー添加迄
の滞留時間を短くする方が良く、通常はラインミキサー
を使用する。ラインミキサーとしては、駆動部を持ち、
管内を動的に撹拌するタイプのもの、あるいは可動部の
ない、流体が管内部に固定されたエレメントを通過する
だけで流体の分割あるいは乱流によって混合が達成され
る静止型のミキサー何れも使用することができる。
本発明の方法の特徴は上記のようにアルカリ領域下で
ポリアクリルアミドと次亜ハロゲン酸塩とを高温・短時
間にホフマン分解反応を行った後、該反応混合物とアニ
オン性ポリアクリルアミド水溶液とを混合し、直ちにパ
ルプスラリーに添加するところにある。ここで言う「直
ち」にとは反応後の水溶液を配管内より取り出し、外部
に移液することなく同一配管内を輸送してアニオン性ポ
リアクリルアミドと混合し、パルプスラリーに添加する
ことを云う。より具体的には、反応後の水溶液を配管内
を通してアニオン性ポリアクリルアミドと混合後直接パ
ルプスラリーに添加しても良いし、混合後あるいは混合
前にストックタンクを設けてそこで一時滞留させた後、
添加量を調節して添加してもよい。配管内での反応液の
滞留時間は、反応後の水溶液が劣化しない範囲であれば
よい。しかし、余り長くすると液を滞留しておく装置が
大きくなってしまい、本発明の特徴が生かされない。従
って本発明を好適に実施するには、反応後混合して5時
間以内に添加することが好ましく、より好ましくは1時
間以内であり、更により好ましくは10分以内である。
また、その際反応後のカチオン性ポリアクリルアミド
とアニオン性ポリアクリルアミド水溶液の混合水溶液の
濃度に応じて水で希釈して添加してもよい。希釈度はパ
ルプの種類、抄紙のスピード等により変化し、一概には
述べられないが、添加するときのカチオン性ポリアクリ
ルアミドとアニオン性ポリアクリルアミド水溶液の混合
水溶液の濃度は概ね0.1〜10重量%であり、好ましくは
0.5〜5重量%であり、より好ましくは0.8〜2重量%で
ある。このとき、本発明のカチオン性ポリアクリルアミ
ドとアニオン性ポリアクリルアミド水溶液との混合溶液
を単独で使用することもできるが、必要に応じて硫酸バ
ンド等と併用して抄造を行うことも好ましい。これらの
薬剤の添加順序は任意の順序、あるいは同時に添加する
ことができる。
カチオン性ポリアクリルアミドと水溶性アニオン性ア
クリルアミド系重合体の添加比率は任意に選ぶことがで
き、固形分重量の比で95:5〜5:95の範囲にある。
本製紙用添加剤を濾水向上を主な目的として使用する
場合には、従来公知の方法に従って行えばよい。その添
加量はパルプの乾燥固形分重量に対してそれぞれ0.005
〜3重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。
添加場所は湿潤シートが形成される以前であればどこで
もよく、通常は抄紙ワイヤー部に近い場所で添加する方
がよい。以上のごとく本発明においてはホフマン分解反
応直後の溶液を反応停止を行う、あるいは反応停止を行
うことなくアニオン性ポリアクリルアミド水溶液と混合
した後、直ちにパルプスラリーに添加することができ
る。いずれの場合にも、溶液を希釈することなく添加で
きるが、必要に応じてポリマー固形分0.1〜10%に水で
希釈した後に添加する方が好ましい。
また、本製紙用添加剤を紙力増強を主な目的で使用す
る場合は、従来公知の方法に従って行えばよい。その添
加量はパルプの乾燥固形分重量に対してそれぞれ0.01〜
5重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。添加場所
は湿潤シートが形成される以前に添加することもできる
が、湿潤シートが形成された後でも、特に抄き合わせ紙
を製造する場合には、スプレー塗布やロールコーター塗
布により添加することも可能である。
また、本発明ではポリアクリルアミドを高温、短時間
でホフマン分解反応を行って得られたカチオン性ポリア
クリルアミドにアニオン性ポリアクリルアミド水溶液を
混合し、直ちにパルプスラリーに添加する抄造方法であ
るが、驚くべきことに、同様のカチオン性ポリアクリル
アミドとアニオン性ポリアクリルアミドの併用処方に比
べ優れた紙力能を示す。この理由は必ずしも明らかとは
なっていないが、特にカチオン性ポリアクリルアミドの
製造の際に反応停止操作を行うことなく、アニオン性ポ
リアクリルアミドと混合した場合に効果が顕著であった
点などから、反応中間体であるN−クロロ基や、その他
の高温度ゆえに生じる官能基が直接、あるいは間接的
に、アニオン性ポリアクリルアミドと混合することによ
り、紙力発現に寄与しているものと考えられる。従っ
て、反応停止操作を行うことなく混合することが更に望
ましいが、反応停止を行わないと経時的に劣化を生じる
ため、反応後直ちに混合する必要がある。ここで言う直
ちにとは反応後の水溶液を配管内より取り出し、外部に
移液することなく同一配管内を輸送してアニオン性ポリ
アクリルアミドと混合することをさす。より具体的には
反応後の水溶液を配管内を通して直接アニオン性ポリア
クリルアミドと混合しても良いし、その間にストックタ
ンクを設けてそこで一時滞留させた後、混合量を調節し
て混合してもよい。配管内での反応液の滞留時間は、反
応後の水溶液が劣化しない範囲であればよい。しかし、
余り長くすると液を滞留しておく装置が大きくなってし
まい、本発明の特徴が生かされない。従って本発明を好
適に実施するには、反応後5時間以内に混合しパルプス
ラリーに添加することが好ましく、より好ましくは1時
間以内であり、更により好ましくは10分以内である。
上記のような方法で製造した紙は、紙力強度、具体的
には破裂強度、Z軸強度、圧縮強度等に優れている。従
って、本発明の方法を適用すれば、段ボールや新聞紙等
のような原料に古紙の占める割合の高いものに使用する
と非常に効果が大きく、紙力強度の高い紙の製造が可能
になる。また、段ボール紙や新聞紙に限らず、強度が求
められる紙に本発明を適用することにより、優れた紙力
強度をもつ紙を製造することが可能になる。
紙の抄造には、成紙の用途によりサイズ剤、填料、そ
の他種々の添加物が用いられることが多いが本発明の工
程が可能な限り全ての場合において、本発明は支障なく
適用できるものである。
[発明の効果] 本発明請求範囲に基づいた製紙用添加剤及び本発明請
求範囲に基づいた条件で紙を抄造することにより、驚く
べきことに、作業性を何ら低下させることなく、濾水性
及び成紙の紙力強度、即ち比破裂強度、比圧縮強度、Z
軸強度等の性能が同時に著しく向上するという格別顕著
な効果が発現される。また、これにともない従来方法に
比較して濾水剤及び紙力増強剤の使用量を大幅に低減で
きるという利点が得られる。また、濾水性が改善される
と抄紙系が汚れ易くなる点が従来より指摘されてきた
が、意外なことに、本発明を適用することにより濾水性
が向上するものの、カチオン性ポリアクリルアミドの単
独使用に比べて抄紙系の汚れの問題が顕在化しなかっ
た。
[実施例] つぎに本発明を実施例により説明するが、本発明は以
下の実施例に必ずしも限定されるものではない。なお%
とあるものは特に限定のない場合はすべて重量%であ
る。
製造例1 撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備え
た4つ口フラスコに40%アクリルアミド水溶液149.58g
(80mol%)、アクリル酸15.17g(20mol%)、および水
335.25gを仕込み、次いで20%水酸化ナトリウム水溶液
にてpH4.5に調整した。しかる後窒素ガスを吹き込みな
がら、内温を35℃に昇温させた。撹拌しながら、10%過
硫酸アンモニウム水溶液および10%亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液を投入して重合を開始した。その後85℃で保温
し、3時間重合させて、アニオン性ポリアクリルアミド
水溶液を調製した。得られたアニオン性ポリアクリルア
ミド水溶液の不揮発分は15.4%、25℃におけるブルック
フィールド粘度は7,200cps、pHは4.1及びアニオン当量
はポリマー純分当り2.8meq/gであった。
製造例2 10%のポリアクリルアミド水溶液(25℃におけるブル
ックフィールド粘度:5,800cp)30.0gを500mlのビーカー
にとり、蒸留水30.0gで希釈した後この溶液を撹拌下80
℃に加熱して、次亜塩素酸ソーダとNaOHの混合溶液(次
亜塩素酸ソーダ濃度:1.0mol/kg、NaOH濃度:2.0mol/kg)
を12.7g添加して20秒後に5℃の冷水227.3gを加えて反
応を停止して、1%のアクリルアミド系重合体を得た
(ホフマンPAN(A))。製造例2と同様にカチオン価
を求めたところ、3.5meq./gであった。以下の試験にお
いてホフマンPAM(A)は製造後直ちに使用した。
製造例3 10%のポリアクリルアミド水溶液(25℃におけるブル
ックフィールド粘度:5,800cp)30.0gを500mlのビーカー
にとり、蒸留水30.0gで希釈した後この溶液を撹拌下20
℃において、次亜塩素酸ソーダとNaOHの混合溶液(次亜
塩素酸ソーダ濃度:1.0mol/kg、NaOH濃度:2.0mol/kg)を
12.7g添加して2時間後に0.001%亜硫酸ナトリウム水溶
液を227.3g加えて反応を停止して、1%のアクリルアミ
ド系重合体を得た(オフマンPAM(B))。反応生成物
の一部をpH2の水溶液に取り、指示薬としてトルイジン
ブルーを用いて1/400N−ポリビニルスルホン酸カリウム
水溶液によるコロイド滴定を行ったところ、カチオン価
は3.6meq./gであった。
実施例1 段ボール古紙から得られた叩解度(カナディアンスタ
ンダード・フリーネス、以下C.S.Fと記す)380mlなる濃
度1.0%のパルプスラリーに市販のロジンエマルジョン
サイズ剤を乾燥重量基準でパルプに対して0.15%添加し
て2分間撹拌した。次いで硫酸アルミニウムを乾燥重量
基準で1.0%添加しさらに1分間撹拌した。このときの
パルプスラリーのpHは、5.1であった。ついで製造例1
で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを乾燥重量基
準でパルプに対して0.30%、製造例2で得られたホフマ
ンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプに対して0.10%と
なるよう混合して、パルプスラリーに添加した。撹拌を
1分間継続した後得られたパルプスラリーの一部をと
り、JIS−P−8121に準じて、C.S.F.を測定し、残りはT
APPI角型シートマシンで抄紙した。次いで110℃の送風
型乾燥機で2時間乾燥し、坪量が125±3g/m2の手抄き紙
を得た。この手抄き紙はJIS−P−8126に準じて「比圧
縮強さを」、JIS−P−8112に準じて「比破裂強さ」と
熊谷理機工業製インターナルボンドテスターを用いて
「Z軸強度」を測定した。結果は表1に示した。
実施例2 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを
乾燥重量基準でパルプに対して0.25%と製造例2で得ら
れたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプに対し
て0.15%混合添加する以外には実施例1と同様の方法で
手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
実施例3 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを
乾燥重量基準でパルプに対して0.20%と製造例2で得ら
れたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプに対し
て0.20%混合添加する以外には実施例1と同様の方法で
手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
実施例4 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを
乾燥重量基準でパルプに対して0.15%と製造例2で得ら
れたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプに対し
て0.25%混合添加する以外には実施例1と同様の方法で
手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
実施例5 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを
乾燥重量基準でパルプに対して0.10%と製造例2で得ら
れたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプに対し
て0.30%混合添加する以外には実施例1と同様の方法で
手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
比較例1 段ボール古紙から得られた叩解度(カナディアンスタ
ンダード・フリーネス、以下C.S.Fと記す)380mlなる濃
度1.0%のパルプスラリーに市販のロジンエマルジョン
サイズ剤を乾燥重量基準でパルプに対して0.15%添加し
て2分間撹拌した。次いで硫酸アルミニウムを乾燥重量
基準で1.0%添加しさらに1分間撹拌した。このときの
パルプスラリーのpHは、5.1であった。ついで製造例1
で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを乾燥重量基
準でパルプに対して0.30%添加し、1分間撹拌後製造例
2で得られたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパル
プに対して0.10%添加した。撹拌を更に1分間継続した
後得られたパルプスラリーの一部をとり、JIS−P−812
1に準じて、C.S.F.を測定し、残りはTAPPI角型シートマ
シンで抄紙した。次いで110℃の送風型乾燥機で2時間
乾燥し、坪量が125±3g/m2の手抄き紙を得た。この手抄
き紙はJIS−P−8126に準じて「比圧縮強さを」、JIS−
P−8112に準じて「比破裂強さ」と熊谷理機工業製イン
ターナルボンドテスターを用いて「Z軸強度」を測定し
た。結果は表1に示した。
比較例2 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを
乾燥重量基準でパルプに対して0.20%添加し、製造例2
で得られたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプ
に対して0.20%添加する以外には比較例1と同様の方法
で手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
比較例3 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを
乾燥重量基準でパルプに対して0.10%添加し、製造例2
で得られたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプ
に対して0.30%添加する以外には比較例1と同様の方法
で手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
比較例4 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルアミドを
乾燥重量基準でパルプに対して0.39%と製造例2で得ら
れたホフマンPAM(A)を乾燥重量基準でパルプに対し
て0.01%混合添加する以外には実施例1と同様の方法で
手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
比較例5,6,7 実施例1,3,5で使用したホフマンPAM(A)はホフマン
PAM(B)に代えた以外には実施例1,3,5と同様の方法で
手抄き試験を行った。結果は表1に示した。
比較例8 製造例1で得られたアニオン性ポリアクリルイミドを
0.40%添加し、製造例2で得られたホフマンPAM(A)
を添加しないことを除いて、実施例1と同様の試験を行
った。結果は表1に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 17/37

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ性領域下でアクリルアミド系重合
    体と次亜ハロゲン酸塩とを、50〜110℃の温度範囲で、
    短時間に反応を行って得られるカチオン性アクリルアミ
    ド系重合体と、アニオン性アクリルアミド系重合体水溶
    液とを、重合体の重量比で10:90〜99:1となるように、
    該カチオン性アクリルアミド系重合体の製造後直ちに混
    合して調製することを特徴とする製紙用添加剤。
  2. 【請求項2】アルカリ性領域下でアクリルアミド系重合
    体と次亜ハロゲン酸塩とを、50〜110℃の温度範囲で、
    短時間に反応を行って得られるカチオン性アクリルアミ
    ド系重合体と、アニオン性アクリルアミド系重合体水溶
    液とを、重合体の重量比で10:90〜99:1となるように、
    該カチオン性アクリルアミド系重合体の製造後直ちに混
    合して調製した製紙用添加剤をパルプスラリーに添加す
    ることを特徴とする紙の抄造方法。
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