JP3546993B2 - 油性インク用インクジェット記録材 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は油性インクを用いたインクジェット記録方式において、電飾看板として用いた場合に画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ耐水性が良好な記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターの性能向上およびコンピューターの普及とともに、ハードコピー技術が急速に発達した。ハードコピーの記録方式としては、昇華転写記録方式、電子写真方式、インクジェット方式等の方式が知られている。
【0003】
インクジェット方式によるプリンターは、ノズルから被記録紙に向けてインク液滴を高速で噴射する方式である。カラー化、小型化がしやすいこと、印字騒音が低いことから、オフィス、ホーム、パーソナルコンピューター等の端末として、近年急速に普及しつつある。更に、銀塩写真に迫る記録品質の向上、大型化の容易さから、大型看板、特に電飾看板等の産業分野への応用が期待されている。
【0004】
インクジェット方式に使用されるインクとしては、水性染料インク、すなわち水或いは水と親水性溶剤の混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、必要に応じて各種の添加剤を混合したものが主流である。これは水性インクが色調の鮮やかな記録が可能であること、インクの粘度を調節しやすいこと、安全性の面で優位である為である。しかしながら、水性染料インクは水溶性染料を用いていることから耐水性、耐候性が劣るという欠点があり、それを改善した方策が各種提案されている(特開昭55−150396号公報、特開昭56−58869号公報、特開昭56−77154号公報、特開昭59−196285号公報、特開昭62−141194号公報、特開平2−80279号公報)。しかし、野外で展示できる程のものではなく、表面に紫外線吸収性のラミネートフィルムを張る必要がある。その為、コストが上昇する問題がある。
【0005】
水性染料インクの欠点を補う為に、水性顔料インク、すなわち、有機顔料、無機顔料を水或いは水と親水性溶剤との混合溶液に分散し、かつ必要に応じて各種の添加剤を添加したインクが提案されている。水性顔料インクを用いて記録した場合には、印刷後の記録材を十分に乾燥させれば完全な耐水性を得ることが可能であり、近年急激に使用されるようになりつつある。しかしながら、主溶剤として水を用いている為、顔料の濃度を高くできず、発色性、更には鮮やかさが劣ること、ヘッドノズルの目詰まりが発生しやすいことなどの欠点がある。
【0006】
これらの諸問題を解決する方策として、油性インクが提案されている。油性インクとは、油溶性染料、有機顔料、無機顔料をパラフィン類、エーテル類、アルコール類等の溶剤に溶解もしくは分散したインクであり、水性染料インク、水性顔料インクと比較すると、染料、顔料の選択範囲が広がり耐候性、耐水性にすぐれた色材を選択できること、溶剤中に高濃度で溶解或いは分散できる為、高い画像濃度を実現できること、ヘッドの目詰まりが起こり難いこと、シートの吸水によるコックリングが生じ難いこと、インクの表面張力を低くすることが可能であり、高速に記録層に吸収されやすいこと等の利点がある。その為、高速印刷、高画質印刷、高耐候性を必要とする分野での水性インクの代替として有望視されている。
【0007】
一方、記録材としては、水性染料インク及び水性顔料インクに対して記録品質を満足させるべく、各種のものが提案されている。例えば、顔料と樹脂を含有した多孔質層を支持体上に設けたもの(特開昭55−11829号公報、特開昭56−157号公報、特開昭56−99692号公報、特開昭56−148582号公報、特開昭56−148583号公報、特開昭57−107879号公報、特開昭57−126691号公報、特開昭58−136480号公報、号公報、特開昭60−222281号公報、特開昭62−233284号公報、特開平3−56552号公報、特開平3−24905号公報、特開平2−76775号公報、特開平4−128091号公報、特開平5−221115号公報)、水溶性樹脂を支持体上に設けたもの(特開昭59−45188号公報、特開昭60−56587号公報、特開昭60−234879号公報、特開昭61−172786号公報、特開昭61−189985号公報、特開平1−190483号公報、特開平4−263984号公報、特開平4−201595号公報、特開昭63−162674号公報)、透明支持体上に不透明な受理層を設けて画像を記録した面と反対面から鑑賞するバックプリント方式(特開昭61−92885号公報、特開昭61−40181号公報、特開昭61−135786号公報、特開昭61−148091号公報、特開昭61−148092号公報、特開昭61−35275号公報、特開昭61−35276号公報、特開昭61−35986号公報、特開昭61−35988号公報、特開昭61−35989号公報、特開昭61−92886号公報、特開昭61−135787号公報、特開昭61−135788号公報、特開昭61−49884号公報、特開昭61−49885号公報、特開昭61−57378号公報、特開昭61−41587号公報、特開昭61−41588号公報、特開昭61−41589号公報、特開昭62−222885号公報、特開昭62−222887号公報)、更には耐水性号公報、ニジミ等の性能向上させるための各種の添加剤(特開昭60−83882号公報、特開昭61−47290号公報、特開昭61−74880号公報、特開昭61−89082号公報)等が提案されている。
【0008】
しかしながら、上記の記録材は水性染料或いは水性顔料用に設計されたものであり、油性インクでの記録で用いた場合には必ずしも良好な記録が得られるものではない。これは、水性インクに適合する記録材の受像層が一般的に水溶性樹脂或いは吸水性樹脂が用いられていること、インク中の染料或いは顔料が電荷を有していること、主溶剤が水であることに起因する高表面張力、等の差により油性インクと異なった挙動を取るためである。従って、油性インクの性能を最大限に生かせる記録材は存在していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、油性インクを用いたインクジェット記録方式において、電飾看板として使用した場合に画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ耐水性が良好な記録材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、油性インクの性能を最大限に活かすべく鋭利検討した結果、全光線透過率が85%以上のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透光性基材上に粒子と非吸水性の熱可塑性樹脂から主に構成される多孔質層を設けた油性インク用インクジェット記録材であって前記多孔質層が、水または水と親水性溶剤との混合液中に前記粒子と前記の非吸水性の熱可塑性樹脂を分散させた塗液を基材上に塗布、乾燥して形成され、前記の非吸水性の熱可塑性樹脂が全ジカルボン酸成分に対してスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸を50〜0.5モル%含有するポリエステル共重合体であり、かつ粒子(A)と非吸水性の熱可塑性樹脂(B)の重量比率(A/B)及び非吸水性の熱可塑性樹脂のTg(T:℃)の関係が下式(1)〜(4)を満足し、さらに記録材の全光線透過率が15%以上60%以下にすることにより油性インクを用いたインクジェット記録方式で画像濃度が高く、発色性に優れた高画質記録が可能であり、かつ、耐水性の良好な記録物が得られることを見出した。
A/B≧1.2 …(1)
−5≦T≦100 …(2)
A/B≧T/100+0.8 …(3)
A/B≦T/100+1.9 …(4)
すなわち、非水溶性のスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸を50〜0.5モル%含有するポリエステル共重合体からなる熱可塑性樹脂を用いることにより耐水性を良好にし、更には、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をある一定範囲とすることにより油性インクに対して良好な記録品質が得られる最適な多孔質構造を形成できることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、透光性基材としては、耐熱性、柔軟性、非印刷面から光を照射した場合に鮮やかさの点から、全光線透過率が85%以上のポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
ポリエチレンテレフタレートフィルムは少なくとも一軸に延伸されていることが好ましい。延伸方法としては、チューブラ法延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸等が挙げられが、平面性、寸法安定性、厚みムラ等から逐次二軸延伸が好ましい。逐次二軸による延伸の具体例としては、長手方向にポリエステルのガラス転移温度の+0〜30℃で、2.0〜5.0倍にロール延伸し、引き続き、120〜150℃で倍率を1.2〜5.0倍にテンター延伸する。さらに、延伸後に220℃以上で3〜8%緩和させながら熱固定を行なう方法が挙げられる。
【0016】
フィルムには、用途に応じて着色材、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも可能である。
【0017】
本発明においては、表層と中心層を積層したいわゆる複合フィルムとすることとしてもよい。その方法は特に限定されるものではない。しかし生産性を考慮すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なくとも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層がもっとも好ましい。 基材は、単層フィルムであっても、2層以上の複合フィルムであってもかまわない。
【0018】
本発明において、このような基材上にインク受容層を設けることにより記録材が得られるが、基材とインク受容層の間にアンカー層を設けても良い。
【0019】
アンカー層としては、基材とインク受容層の密着性を向上させる為の層である。層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹種などの化合物及びそれらの混合等が適用可能である。
【0020】
アンカー層中には、滑り性の改善、インク受容層との密着力向上を目的に各種の粒子を添加しても良い。例えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、等の無機粒子、アクリル、ナイロン、スチレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物、等の有機粒子が挙げられる。
【0021】
更に、アンカー層には各種の目的で、界面活性剤、帯電防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等を添加しても良い。
【0022】
また塗布層を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式など通常用いられている方法が適用でき、フィルムの成膜工程でアンカー層を設けるインラインコート方式、成膜後にアンカー層を設けるオフラインコート方式により設けることができる。好ましくは、コスト的に有利であるインラインコート方式である。
【0023】
本発明では、基材上に直接或いはアンカー層を介してインク受容層を設ける必要がある。
【0024】
インク受容層としては、粒子と非水溶性の熱可塑性樹脂からなる多孔質構造を形成する必要がある。
【0025】
多孔質層は、水又は水と親水性溶剤との混合液中に粒子と樹脂を含有する塗液を基材上に塗布し乾燥する方法好ましくは、主溶剤が水である方法で形成する
【0026】
粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、アクリル或いはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の樹脂粒子が挙げられる。
【0027】
上記の粒子の中でシリカが好ましく、更には、表面に細孔を有する合成非晶質シリカが好ましい。
【0028】
シリカの特性としては、平均粒径が0.1μm〜30μ、細孔径10〜2000オングストロームのものが好ましい。また、必要に応じて表面改質されたものでも良い。表面処理としては、有機シラン、有機チタネートなどを用いた化学処理、パラフィンワックスやグリコール系を表面に付着させる物理処理などがある。
【0029】
このようなシリカとしては、市販物を好適に選択できる。例えば、水沢化学製ミズカシル、徳山ソーダ製トクシール、ファインシール、シオノギ製薬製カープレックス、富士シリシア製サイリシア、グレースデビソン製サイロイド、サイロジェット等が挙げられる。
【0030】
粒子を結合する結着材としては、非吸水性の熱可塑性樹脂であり、ガラス転移温度が−5℃〜100℃である必要がある。ガラス転移温度が高い場合には乾燥過程での流動性が不良となり、特に乾燥が先に行われる表面で造膜しやすく、表面でのインク吸収性が不良となる。逆にガラス転移温度が低すぎる場合には、乾燥工程での流動性が良すぎる為に、基材側に樹脂が集まり易く、表層での粒子を結着する樹脂が低下して表面強度が低下する問題が発生する。
【0031】
本発明で非吸水性樹脂とは、常温の水に対して溶解せずにかつ、常温の水を樹脂固体に対して10%以上吸水しない樹脂のことであり、より好ましくは5%以上吸収しない樹脂のことである。吸水性の評価としては、樹脂の固体を常温で24時間浸漬したときの体積の変化で測定することができる、具体的には実質的に非吸水性の支持体、例えばアルミ箔、ガラス等の上に樹脂層を数十μの厚みで塗布、乾燥し、18℃のイオン交換水中に24時間浸漬した後の厚みの変化から測定できる。
【0032】
非吸水性の熱可塑性樹脂としては、基材との密着性、耐水性、耐候性等から、全ジカルボン酸成分に対してスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸を50〜0.5モル%含有するポリエステル共重合体を使用する。前記ポリエステル共重合体は、二塩基酸とグリコールからなり、水に可溶、乳化または分散できるポリエステル樹脂であり二塩基酸は全ジカルボン酸の50〜05モル%がスルホン酸金属塩基含有のジカルボン酸とスルホン酸金属塩基を含有しないジカルボン酸であり、これら2種のジカルボン酸成分とグリコール成分とが共重合されたポリエステル共重合体である。
【0033】
上記スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5[4−スルホフエノキシ]イソフタル酸等の金属塩があげられ、特に好ましいのは5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸である。
【0034】
これらのスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸は、全ジカルボン酸成分に対して50〜0.5モル%、好ましくは20〜1モル%であり、50モル%を越えると水に対する分散性は良くなるとしても共重合体の耐水性が低下する。ポリエステル共重合体の水の中に対する分散性は、共重合組成、水溶性有機化合物の種類及び量などによって異なるが、上記スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分の量は水に対する分散性を損なわない限り、少ない方がよい。スルホン酸金属塩基を含まなジカルボン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のそれぞれのジカルボン酸が用いられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などをあげることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成分の40モル%以上であることが好ましく、40モル%未満であるとポリエステル共重合体の機械的強度や耐水性が低下する。
【0035】
脂肪族、脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,3−シクロベンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などがあげられる。これら芳香族ジカルボン酸成分を加えると接着性能が高められる場合もあるが、一般にはポリエステル共重合体の強度や耐水性は悪くなる。上記ジカルボン酸混合物に反応させるグリコール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコール、および6〜12個の脂環族グリコール、および両者の混合物であり、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオベンルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレングリコールなどがあげられる。炭素数4個以上の脂肪族ジオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどがあげられ、またポリエーテルとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。
【0036】
ポリエステル共重合体は、通常の溶融重縮合によって得られる。すなわち前述のジカルボン酸成分およびグリコール成分を直接反応させ水を留去してエステル化したのち重縮合を行う直接エステル化法、あるいはジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成分を反応させ、メチルアルコールを留去してエステル交換を行ったのち重縮合を行うエステル交換法によって得られる。このほかに溶液重縮合や界面重縮合などによっても重合体が得られ、この発明は上記いずれかの方法に限定されるものではない。溶融重縮合の際には、必要に応じて酸化防止剤、滑り剤、無機微粒子、帯電防止剤を加えることができる。前述したポリエチレングリコールなどのポリエーテルは、溶融重縮合の際あるいは重合後に溶融ブレンドして添加することができる。
【0037】
樹脂を塗液中に含有させるためには、樹脂水に分散させる必要がある。樹脂を水に分散、乳化する方法としては、樹脂と樹脂を溶解できる溶剤と水を加熱した状態で攪拌し続ける方法、樹脂を有機溶剤に加熱溶解した後に水を投入して分散させる方法が挙げられる。
【0038】
上記のポリエステル系樹脂としては市販のものが好適に選択できる。例えば、東洋紡績製バイロナール、大日本インキ製ファインテックス等が挙げられる。
【0039】
粒子と非吸水性の熱可塑性樹脂の比率は、表面強度、印刷特性との兼ね合いからある範囲に、かつ、非吸水性の熱可塑性樹脂として使用する全ジカルボン酸成分に対してスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸を50〜0.5モル%含有するポリエステル共重合体のガラス転移温度に合わせて調節することが必要である
【0040】
具体的には、粒子(A)と非吸水性の熱可塑性樹脂(B)の重量比率(A/B)及び熱可塑性樹脂のTg(T)の関係が下式(1)〜(4)を満足することが必要である
A/B≧1.2 …(1)
−5≦T≦100 …(2)
A/B≧T/100+0.8 …(3)
A/B≦T/100+1.9 …(4)
粒子と樹脂の重量比率が1.2より小さいと粒子の表面を覆う樹脂量が多くなり、インク受容層中の多孔質量が低下してインク吸収性が不良と成り易い。
【0041】
ガラス転移温度が高い場合には、乾燥工程での造膜性が高いことにより、表層での粒子を覆う樹脂量が増え、表層でのインク吸収量が低下する。表層でのインク吸収量が低下した場合には厚み方向でのインクの透が著しくなり沈んだ記録画像となる欠点が発生する。その為、ガラス転移温度が高い場合にはそれに合わせて粒子と樹脂の比率を調節することが良好な記録画像を得るために好ましい。
【0042】
一方、ガラス転移温度が低い場合には、乾燥工程での流動性が高いことにより、表層での粒子を覆う樹脂量が低下し、表層でのインク吸収量の増加が発生し、更に低い場合には表面強度の低下が発生する。表層でのインク吸収量が高すぎる場合には、インクを表層で吸収することにより画像濃度の高い記録画像が得られやすいが、ドット径が設計値よりも小さくなった場合には、ベタを印刷した際にドット間に隙間が現れるという問題が生じる。その為、ガラス転移温度が低い場合には、粒子と樹脂の比率を低く調節することが良好な記録画像を得るために好ましい。
【0043】
本発明において多孔質とは内部に多数の空隙が存在し、表面から内部にかけて連通していることである。
【0044】
インク受容層にはコート時のレベリング性の向上、コート液の脱泡、滲み低減等を目的に界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤はカチオン系、アニオン系、ノニオン系および非イオン性などいずれのものでも構わない。しかし、好ましくはシリコン系またはフッソ系界面活性剤が好ましい。シリコン系界面活性剤としてはジメチルシリコン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジルシラン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシラン、メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジエン変性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキシ変性シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アルキレンオキシド変性シロキサンなどが挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、4フッ化エチレン、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキルりん酸エステル、パーフルオロアルキルアルキル化合物、パーフルオロアルキルアルキルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物などが挙げられる。これらの界面活性剤はインク受容層のインク吸収性能が極度の低下しない程度に添加するのが好ましい。
【0045】
インク受容層には各種の添加剤をインク吸収能力及び他の物性を損なわない程度に加えても構わない。例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、等が挙げられる。
【0046】
インク受容層には各種の架橋剤を本発明の目的を阻害しない範囲で添加しても良い。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系等が挙げられる。
【0047】
インク受容層を設ける方法は特に限定される物ではないが、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式、バーコート方式、リップコート方式など通常用いられている方法が適用できる。コート量は特に限定されないが5g/mから100g/mであることが好ましいが、記録材として全光線透過率が15〜60%になるように塗工量を調節する必要がある。塗工量は少なすぎる場合には不透明度が不足して電飾看板として使用した場合に発色性が不足する問題が発生し、更に少ない場合にはインク吸収容量が不足する場合がある。逆に塗工量が多すぎる場合には不透明性が向上しすぎるために電飾看板として使用すると未印刷の部分が黒ずみ、鮮やかな画像が得られない。
【0048】
インク受容層を設けた反対面には必要に応じて各種の加工を行っても構わない。帯電防止層、粘着層、筆記層等が挙げられる。
【0049】
本発明の記録材に対して使用されるインクは油性インクであれば如何なるものでも良く、染料或いは顔料を溶剤に溶解或いは分散したものが好適に使用できる。
【0050】
油性インクに使用さる染料としては、ナフトール染料、アゾ染料、金属錯塩染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、アントラキノン染料、キノイミン染料、インジゴ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニン染料、ペリニン染料などの油溶性染料が挙げられる。
【0051】
油性インクに使用される顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、亜鉛華、アルミナホワイト、べんがら、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、群青、黄鉛、コバルトブルー、紺青等の無機顔料、ファストエローG、ファストエロー10G、ジスアゾエローAAA、ジスアゾエローAAMX、ジスアゾエローAAOT、ジスアゾエローAAOA、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、ジスアゾオレンジ、ジスアゾオレンジ、ジスアゾオレンジPMP、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッドM、ブリリアントファストスカーレッド、ナフトールレッド23、ピラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソールレッド、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3Bレート、レーキボルドー10B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、ナフトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、キナクリドンレッドk、ジオキサジンバイオレット、ビクトリアピュアブルーBOレーキ、ベーシックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、フタロシアンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルーGトーナー、アルカリブルーRトーナー、ピーコックブルーレーキ、レフレックスブルー2G、レフレックスブルーR、ブリリアントグリーンレーキ、ダイヤモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、アニリンブラック、ボーンブラック、昼光蛍光顔料、パール顔料等が挙げられる。
【0052】
油性インクで使用される溶剤としては、ヘッドノズルの特性への適合性、安全性、乾燥性の観点から種々の溶剤が選択され、必要に応じて複数の溶剤を混合して用いる。このような溶剤としては、n−ヘキサン、n−ペプタン、ゴム揮発油、ミネラルスピリッツ等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ1号、ソルベントナフサ2号、ソルベントナフサ3号、ソルベッソ100、ソルベッソ150、テトラリン等の芳香族炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチレンエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピレン、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール等のケトン類、等が挙げられる。
【0053】
油性インクには、保存安定性、耐擦過性等を挙げる目的で、例えば、ポリアクリル酸エステル、アマニ油変性アルキッド樹脂、ポリスチレン、ロジン系樹脂、テンペンフェノール系樹脂、アルキルフェノール変性キシレン系樹脂などの樹脂を添加したり、可塑剤、ワックス、ドライヤー、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、チキソトロピー付与剤、消泡剤、抑泡剤、沈降防止剤、皮張り防止剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、平滑剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、つや消し剤、帯電防止剤、安定剤、難燃剤、表面張力調節剤、界面活性剤、粘度調節剤などの添加剤を添加することもできる。
【0054】
かくして得られた記録材は、油性インクを用いたインクジェット記録方式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ耐水性が良好なものである。
【0055】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは無い。また、実施例において「部」又は「%」は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0056】
<評価方法>
以下に挙げた実施例及び比較例で作製した記録材は、次の方法で評価を行った。
【0057】
(1)記録品位1(油性インク)
解像度720dpi、インク量は単色(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)を最大で約24ml/m、二次色(赤、青、緑)で最大約48ml/mになるように調節したピエゾ型オンデマンド方式のインクジェットプリンターを用いて、オリンパス光学工業製インクジェットプリンターIJP−3600用油性顔料インクを噴射して、写真調の画像とイラストを印刷し、コクヨトレース台上で非印刷面から光を照射して目視で観察した。
◎:鮮やかで、発色性に非常に優れた記録である
○:鮮やかで、発色性に優れた記録である
△:若干発色性が劣るが問題無いレベルの記録である
×:くすみのある記録、或いは、発色性の乏しい記録
【0058】
(2)印刷品位2(水性顔料インク)
ミマキエンジニアリング製JV2−130及びその純正インクを用いて上記(1)と同様に写真調画像、イラストを印刷し、コクヨトレース台上で非印刷面から光を照射して目視で観察した。
◎:鮮やかで、発色性に非常に優れた記録である。
○:鮮やかで、発色性に優れた記録である。
△:若干発色性が劣るが問題無いレベルの記録である。
×:くすみのある記録、或いは、発色性の乏しい記録
【0059】
(3)印刷品位3(水性染料インク)
エプソン製PM−700C及びその純正インクを用いて、上記(1)と同様に写真調画像、イラストを印刷し、コクヨトレース台上で非印刷面から光を照射して目視で観察した。
◎:鮮やかで、発色性に非常に優れた記録である。
○:鮮やかで、発色性に優れた記録である。
△:若干発色性が劣るが問題無いレベルの記録である。
×:くすみのある記録、或いは、発色性の乏しい記録
【0060】
(4)全光線透過率
JIS K−7105に準じて測定した。
【0061】
(5)耐水性
記録材を23℃の水中に24時間浸漬した後、指で数回擦り、23℃の環境下で24時間自然乾燥させた後に、水中浸漬していないものと目視で比較した。
○:差がない
△:若干の変化あるが、問題ないレベル
×:明白に差がある
【0062】
(6)表面強度
ニチバン製セロテープをインク受容層に貼り、23℃の環境下で1時間放置した後に緩やかに剥がした場合に、セロテープ側に受容層が付着していないものを○、セロテープ側に若干のインク受容層が付着しているものを△、セロテープ一面にインク受容層が付着してるものを×とした。
【0063】
実施例1
(透光性基材の作成)
固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を2軸スクリュ−押出機に投入し、T−ダイスよる290℃で溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロ−ルに密着固化し、重合体混合物の未延伸シ−トを得た。引き続き該未延伸シ−トをロ−ル延伸機で90℃に加熱して3.5倍縦延伸を行い、引き続きテンタ−で140℃に加熱して3.7倍横延伸したあと、235℃で4%緩和させながら熱処理して、厚み100μm、全光線透過率90%のフィルムを得た。
【0064】
(非吸水性の熱可塑性樹脂の作成)
温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中に、テレフタル酸35重量部、イソフタル酸35重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸9重量部、エチレングリコール27重量部、ネオペンチルグリコール46重量部、テトラブトキシチタネート0.1重量部、を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステル交換反応を行った。次いで反応系を250℃まで昇温し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合ポリエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)は還元粘度0.40dl/g、ガラス転移温度61℃、組成はNMR分析の結果、酸成分として、テレフタル酸47.0mol%、イソフタル酸46.0mol%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸7.0mol%アルコール成分として、エチレングリコール50.0mol%ネオペンチルグリコール50.0mol%であった。さらに表1に示すようにして同様に、(A2)〜(A)を得た。それらの特性値は表1に示した通りである。次ぎに、樹脂(A1)に対して50%のエチレングリコールモノブチルエーテルを加えて130℃まで昇温して溶解した後に80℃まで降温し、攪拌しながら温水を固形分濃度が30%に成るように添加して水分散体(P1)を得た。同様にして、樹脂(A2)〜(A5)に対して水分散体(P2)〜(P5)を得た。これら水分散体(P1)〜(P5)をスライドガラス上に乾燥厚約30μに塗工し、これを18℃のイオン交換水に24時間浸漬した。浸漬前後の厚み変化より樹脂(A1)〜(A5)の水に対する膨潤率は1%以下であった。
【0065】
【表1】
Figure 0003546993
【0066】
(塗液の準備)
粒子(富士シリシア製サイリシア450)を固形分濃度が20重量%になるように水を添加し、ホモジナイザーを用いて5000rpmで30分間分散して粒子分散液を作成した。界面活性剤(大日本インキ製メガファックF−142D)をイソプロピルアルコールで同量希釈し、更に水で5倍に希釈して固形分濃度10重量%の界面活性剤希釈液を作成した。
【0067】
(塗液の作成)
以下の重量混合比で塗液を作成した。
イオン交換水 10.55部
粒子分散液 68.34部
樹脂(P2) 20.71部
蛍光増白剤 0.09部
(チバスペシャリティー・ケミカルズ製UvitexEBF250%)
界面活性剤希釈液 0.31部
【0068】
(記録材の作成)
上記基材上に、上記塗液を#60のワイヤーバーで塗布し、160℃に保ったオーブンで3分間乾燥して記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は35.1%であった。
【0069】
実施例2
#30で塗工したこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は52.0%であった。
【0070】
実施例3
#75で塗工したこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は21.4%であった。
【0071】
実施例4〜11
表2に記載の樹脂種、粒子と樹脂の重量比にしたこと以外は、実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は28.1〜47.5%の間であった。
【0072】
実施例12,13
粒子をシリカ(グレースデビソン製サイロイドW900)にし、かつ、表2に記載の樹脂と粒子の重量比率にしたこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率はそれぞれ32.1%、33.2%であった。
【0073】
比較例1〜6、9
樹脂種、粒子及び樹脂と粒子の重量比率を表2に記載のものにしたこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は29.5〜42.1%であった。
【0074】
比較例7、8
表2に記載の樹脂種、樹脂と粒子の重量比率に変更したこと以外は実施例10と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率はそれぞれ40.8、41.2%であった。
【0075】
比較例10
#20、#75の2回塗工したこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は12%であった。
【0076】
比較例11
#14で塗工したこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は65%であった。
【0077】
比較例12
基材として全光線透過率が15%のポリエステル系合成紙(東洋紡績(株)製G2323−100μ)を用いたこと以外は実施例1と同様にして記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は10.1%であった。
【0078】
比較例13
樹脂を部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−217)にしたこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。得られた記録材の全光線透過率は42%であった。
【0079】
これらの評価結果はまとめて表2に示す。
【0080】
【表2】
Figure 0003546993
【0081】
【発明の効果】
本発明の記録材は、油性インクを用いたインクジェット記録方式において、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ耐水性が良好 ある。

Claims (5)

  1. 全光線透過率が85%以上のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透光性基材上に粒子と非吸水性の熱可塑性樹脂から主に構成される多孔質層を設けた油性インク用インクジェット記録材であって、前記多孔質層、水または水と親水性溶剤との混合液中に前記粒子と前記の非吸水性の熱可塑性樹脂を分散させた塗液を基材上に塗布、乾燥して形成され、前記の非吸水性の熱可塑性樹脂が全ジカルボン酸成分に対してスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸を50〜0.5モル%含有するポリエステル共重合体であり、かつ粒子(A)と非吸水性の熱可塑性樹脂(B)の重量比率(A/B)及び非吸水性の熱可塑性樹脂のTg(T:℃)の関係が下式(1)〜(4)を満足し、さらに記録材の全光線透過率が15%以上60%以下であることを特徴とする油性インク用インクジェット記録材。
    A/B≧1.2 …(1)
    −5≦T≦100 …(2)
    A/B≧T/100+0.8 …(3)
    A/B≦T/100+1.9 …(4)
  2. 前記のスルホン酸金属塩含有ジカルボン酸が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸またはナトリウムスルホテレフタル酸であることを特徴とする請求項1記載の油性インク用インクジェット記録材。
  3. 粒子がシリカであることを特徴とする請求項1又は2記載の油性インク用インクジェット記録材。
  4. 前記のポリエチレンテレフタレートフィルムが少なくとも1軸に延伸されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油性インク用インクジェット記録材。
  5. 非印刷面から光を照射して鑑賞する電飾看板に使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油性インク用インクジェット記録材。
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