JP2000335078A - 記録材 - Google Patents

記録材

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JP2000335078A
JP2000335078A JP11149299A JP14929999A JP2000335078A JP 2000335078 A JP2000335078 A JP 2000335078A JP 11149299 A JP11149299 A JP 11149299A JP 14929999 A JP14929999 A JP 14929999A JP 2000335078 A JP2000335078 A JP 2000335078A
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Kenichi Mori
憲一 森
Kazuyuki Tsuchiiwa
和行 土岩
Katsuya Ito
勝也 伊藤
Toru Kotani
徹 小谷
Yasushi Sasaki
靖 佐々木
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、画像形成用、特に油性インクなど
を用いたインクジェット記録方式による画像形成用、さ
らに電飾看板として用いる記録材を提供する。 【解決手段】 主として水からなる溶媒に、粒子、およ
びガラス転移温度(T)が−5℃以上の非吸水性の熱可
塑性樹脂を乳化あるいは分散させた塗液を、透光性基材
の少なくとも一方の面に塗布後、溶媒を乾燥除去させて
なる多孔質構造のインク受容層を有する、全光線透過率
(JIS K7105に準拠して測定)が15%以上6
0%以下の記録材であって、前記塗液中に、沸点150
℃以上の水溶性高沸点溶剤を下記式1、式2を満たす割
合で配合することを特徴とする記録材。 S≧T−30 式1 S≦T+70 式2 (前記式中、Sは沸点150℃以上の水溶性高沸点溶剤
の熱可塑性樹脂100重量部に対する配合割合[重量
部]を、Tは熱可塑性樹脂のガラス転移温度[℃]を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成用、特に
油性インクなどを用いたインクジェット記録方式による
画像形成用、さらに電飾看板として用いる記録材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの性能向上および
コンピューターの普及とともに、ハードコピー技術が急
速に発達した。ハードコピーの記録方式としては、昇華
転写記録方式、電子写真記録方式、インクジェット記録
方式等の方式が知られている。このうち、インクジェッ
ト記録方式は、ノズルから記録材(被記録媒体)に向け
てインク液滴を高速で噴射して画像形成する方式であ
る。インクジェット記録方式は、カラー化、小型化がし
やすいこと、印字騒音が低いことから、オフィス、ホー
ム、パーソナルコンピューター等のためのプリンタ等に
近年急速に普及しつつあり、更に、銀塩写真に迫る記録
品質の向上、大型化の容易さから、大型看板、特に非画
像形成面方向から光を照射して画像形成面方向より視認
する電飾看板等の産業分野への応用が期待されている。
【0003】インクジェット記録方式に使用されるイン
クとしては、水性染料インク、すなわち水或いは水と親
水性溶剤の混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、必
要に応じて各種の添加剤を混合したものが主流である。
これは水性インクが色調の鮮やかな記録が可能であるこ
と、インクの粘度を調節しやすいこと、安全性の面で優
位である為である。しかしながら、水性染料インクは水
溶性染料を用いていることから耐水性、耐候性が劣ると
いう欠点があり、それを改善した方策が各種提案されて
いる。しかし、看板等のように野外で使用する場合、高
い耐久性が必要とされるが、水性染料インクは耐水性や
耐候性に劣るため、表面に紫外線吸収性のラミネートフ
ィルムを張るなどの処置が必要となって、コストが上昇
する問題がある。
【0004】上記のように水性染料インクの欠点を補う
為に、水性顔料インク、すなわち、有機顔料、無機顔料
を水或いは水と親水性溶剤との混合溶液に分散し、かつ
必要に応じて各種の添加剤を添加したインクが提案され
ている。水性顔料インクを用いて記録した場合には、印
刷後の記録材を十分に乾燥させれば完全な耐水性を得る
ことが可能であり、近年急激に使用されるようになりつ
つある。しかしながら、主溶剤として水を用いている
為、顔料の濃度を高くできず、発色性、更には鮮やかさ
が劣ること、ヘッドノズルの目詰まりが発生しやすいこ
となどの欠点がある。
【0005】これらの諸問題を解決する方策としては、
油性インクが提案されている。油性インクとは、油溶性
染料、有機顔料、無機顔料をパラフィン類、エーテル
類、アルコール類等の溶剤に溶解もしくは分散したイン
クであり、水性染料インク、水性顔料インクと比較する
と、染料、顔料の選択範囲が広がり耐候性、耐水性にす
ぐれた色材を選択できること、溶剤中に高濃度で溶解或
いは分散できる為、高い画像濃度を実現できる、ヘッド
の目詰まりが起こり難い、シートの吸水によるコックリ
ングが生じ難い、インクの表面張力を低くすることが可
能であり、高速にインク受容層に吸収されやすい等の利
点がある。その為、高速印刷、高画質印刷、高耐候性を
必要とする分野で水性インクに代替して有望視されてい
る。
【0006】一方、画像形成用の記録材としては、水性
染料インク及び水性顔料インクに対しては記録品質を満
足させるべく、各種のものが提案されている。例えば、
顔料と樹脂を含有した多孔質層を支持体上に設けたも
の、水溶性樹脂層を支持体上に設けたものなどがあり、
透明支持体上に不透明なインク受容層を設けて画像形成
面と反対面から視認するバックプリント方式用のもの、
更には耐水性、ニジミ等の性能向上させるための各種の
添加剤等が提案されている。
【0007】しかしながら、上記の記録材は水性染料或
いは水性顔料用に設計されたものであり、油性インクを
使用して画像形成する場合には必ずしも良好な画像が得
られるものではない。これは、水性インクは、主溶剤が
水であるため、高表面張力を有し、油性インクと異なっ
た挙動を取る。水性インクに適合する記録材のインク受
容層は、一般的に水溶性樹脂或いは吸水性樹脂が用いら
れおり、油性インクの性能を最大限に生かせる記録材は
存在していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像形成
用、特に油性インクを用いたインクジェット記録方式に
よる画像形成用に適し、形成された画像の記録濃度が高
く、発色性が優れた高画質な記録が可能であり、かつ耐
水性も良好な、特に電飾看板として用いる場合に好適な
記録材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、主として水か
らなる溶媒に、粒子、およびガラス転移温度(T)が−
5℃以上の非吸水性の熱可塑性樹脂を乳化あるいは分散
させた塗液を、透光性基材の少なくとも一方の面に塗布
後、溶媒を乾燥除去させてなる多孔質構造のインク受容
層を有する、全光線透過率(JIS K7105に準拠
して測定)が15%以上60%以下の記録材であって、
前記塗液中に、沸点150℃以上の水溶性高沸点溶剤を
下記式1、式2を満たす割合で配合することを特徴とす
る記録材である。 S≧T−30 式1 S≦T+70 式2 (前記式中、Sは沸点150℃以上の水溶性高沸点溶剤
の熱可塑性樹脂100重量部に対する配合割合[重量
部]を、Tは熱可塑性樹脂のガラス転移温度[℃]を示
す。)
【0010】なお、本発明において「フィルム」は、そ
の厚みを特に限定されず、いわゆる「シート」を含む。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する透光性基材は、特に限定されるもので
はないが、例えばポリエステルフィルム、ポリスチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロン、ポリカ
ーボネート、ノルボルネン、ビニロン、アクリル等のプ
ラスティックフィルム、ガラス、およびこれらの任意の
2種類以上のものを貼り合わせたものが挙げられるが、
好ましくは、耐熱性、柔軟性に優れる透明なポリエステ
ル系樹脂フィルムが好ましく、より好ましくは主として
ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムであるの
がよい。
【0012】本発明において、透光性基材は、全光線透
過率(JIS K7105に準拠して測定)が85%以
上であるのが好ましい。全光線透過率が85%未満であ
ると、本発明の記録材の不透明性が高くなり、非画像形
成面方向から光を照射して画像形成面方向より視認する
場合に、画像の鮮やかさが不良となる問題が発生する。
【0013】上記のポリエステル系樹脂フィルムにおい
て、ポリエステルとは、例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボ
ン酸、又はそのエステルと、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製
造されるものである。
【0014】本発明において、上記のポリエステル系樹
脂フィルムは少なくとも一軸方向に延伸してあることが
好ましい。フィルムの延伸方法としては、特に限定され
ず、チューブラ法延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延
伸法等が挙げられるが、フィルムの平面性、寸法安定
性、厚みムラ等から、逐次二軸延伸法が好ましい。逐次
二軸延伸法として具体的には、長手方向にフィルムのガ
ラス転移温度の+0〜30℃で、2.0〜5.0倍にロ
ール延伸し、引き続き、120〜150℃で倍率を1.
2〜5.0倍にテンター延伸して、さらに、延伸後に2
20℃以上で3〜8%緩和させながら熱固定を行なう方
法が挙げられる。
【0015】本発明に使用する透光性基材には、本発明
の作用を阻害しない範囲で、用途に応じて着色材、耐光
剤、蛍光剤、帯電防止剤などを適宜配合することも可能
である。
【0016】本発明に使用する透光性基材は、単層であ
っても良いし、表層および中心層を有するような2層以
上の多層を積層したいわゆる複合フィルムであってもよ
い。積層方法は特に限定されるものではないが、生産性
を考慮すると、各層の原料は別々の押出機から押出し、
1つのダイに導き未延伸シートを得た後、少なくとも1
軸に配向させるなどの、いわゆる共押出法による積層が
もっとも好ましい。
【0017】本発明に使用する透光性基材の厚みは、本
発明の作用を阻害しない範囲で特に限定されない。
【0018】本発明の記録材は、上記のような透光性基
材上に少なくとも一方の面に、インク受容層を形成する
が、本発明の作用を阻害しない範囲で、他の層を有して
いても良い。例えば、透光性基材とインク受容層との密
着性を向上させるために、透光性基材とインク受容層と
の間にアンカー層を設けても良い。
【0019】上記アンカー層を構成する樹脂としては、
特に限定されず、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラ
ミン樹など、及びそれらの混合等が適用可能である。
【0020】上記アンカー層中には、滑り性の改善、イ
ンク受容層との密着力向上を目的に各種の粒子を添加し
ても良い。そのような粒子としては、例えば、シリカ、
カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、
アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜
鉛、酸化チタン等の無機粒子、アクリル、ナイロン、ス
チレン、ポリエステル、ベンゾグアナミン・ホルマリン
縮合物等の有機粒子が挙げられる。
【0021】更に、上記アンカー層には、本発明の作用
を阻害しない範囲で、各種の目的で、界面活性剤、帯電
防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等を配合
しても良い。
【0022】またアンカー層などの他の層を設ける方法
としては、特に限定されず、通常一般に使用されるグラ
ビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプ
レイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコー
ト方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方
式などが適用できる。また、透光性基材のフィルム形成
工程でアンカー層などを設けるインラインコート方式、
フィルム形成後にアンカー層などを設けるオフラインコ
ート方式により設けることができるが、好ましくは、コ
スト的に有利であるインラインコート方式を用いるのが
よい。
【0023】本発明において、インク受容層は粒子、お
よびガラス転移温度(T)が−5℃以上の非吸水性の熱
可塑性樹脂から主として構成される多孔質構造である。
なお、本発明において多孔質構造とは、内部に多数の空
隙が存在し、表面から内部にかけて連通していることで
ある。
【0024】本発明において、インク受容層を構成する
粒子は、特に限定されないが、例えばシリカ、カオリナ
イト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブ
ラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタ
ン、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネ
シウム等の無機粒子、アクリル或いはメタアクリル系、
塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/ア
クリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/ア
クリル系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタア
クリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、
ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン
系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステ
ル系等の樹脂粒子が挙げられる。上記の粒子の中でシリ
カが好ましく、更には、表面に細孔を有する合成非晶質
シリカが好ましい。
【0025】上記シリカの特性としては、平均粒径が
0.1μm〜30μm、細孔径10〜2000オングス
トロームのものが好ましい。また、必要に応じて表面改
質されたものであっても良い。表面処理としては、有機
シラン、有機チタネートなどを用いた化学処理、パラフ
ィンワックスやグリコール化合物を表面に付着させる物
理処理などが挙げられる。
【0026】上記のようなシリカとしては、一般に市販
されているものを使用でき、例えば、水沢化学製ミズカ
シル、徳山ソーダ製トクシール、ファインシール、シオ
ノギ製薬製カープレックス、富士シリシア製サイリシ
ア、グレースデビソン製サイロイド、サイロジェット等
が挙げられる。
【0027】本発明において、インク受容層を構成する
熱可塑性樹脂は、後述のようにガラス転移温度(T)が
−5℃以上であり、非吸水性であれば、その種類は特に
限定されない。なお、本発明において、非吸水性の熱可
塑性樹脂とは、常温の水を樹脂固体に対して後述のよう
に吸水させたとき、体積比率で吸水量が10%未満の樹
脂のことであり、好ましくは吸水量が5%未満の樹脂で
あるのがよい。吸水性は、樹脂固体を水に、常温で24
時間浸漬したときの体積の変化で測定することができ
る、具体的には実質的に非吸水性の支持体、例えばアル
ミ箔、ガラス等の上に測定対象の熱可塑性樹脂からなる
層を数十μmの厚みで塗布、乾燥して形成し、18℃の
イオン交換水中に24時間浸漬した後の厚みの変化から
測定できる。
【0028】上記のような熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ
エチレンオキシド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ア
ルキッド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メチルメタアク
リレート系樹脂、セルロース系樹脂などが挙がられる。
これらは、単独であっても、2種以上を混合して使用し
ても良いが、インク受容層の基材との密着性、耐水性、
耐候性等からポリエステル系樹脂が好ましい。
【0029】上記ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸
とグリコールからなるポリエステル共重合体を主体と
し、水に乳化または分散できるポリエステル系樹脂であ
る。ポリエステル共重合体を構成するジカルボン酸とし
ては、芳香族、脂肪族、脂環族のそれぞれのジカルボン
酸が用いられる。これらのジカルボン酸は置換基を有し
ていても良い。また、これらは単独であっても、2種以
上の混合成分であってもよい。芳香族ジカルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸など等が挙げられる。
これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成分の4
0モル%以上であることが好ましい。芳香族ジカルボン
酸が40モル%未満であると、ポリエステル共重合体の
機械的強度や耐水性が低下しやすい。脂肪族、脂環族の
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、1,3−シクロベンタンジカルボン酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などがあげ
られる。これらの脂肪族、脂環族のジカルボン酸成分を
加えると接着性能が高められる場合がある。
【0030】上記ポリエステル共重合体は、ジカルボン
酸成分としてスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含
むのが好ましい。スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸
成分の含有率は、全ジカルボン酸成分の内、好ましくは
50〜0.5モル%、さらに好ましくは20〜1モル%
であるのがよい。50モル%を超えると、上記ポリエス
テル系樹脂の水に対する分散性は良くなるが、インク受
容層の耐水性が低下する。なお、ポリエステル系樹脂の
水に対する分散性は、ポリエステル共重合体の組成など
によって異なるが、上記スルホン酸金属塩基含有ジカル
ボン酸成分の含有率は、ポリエステル系樹脂の水に対す
る分散性を損なわない限り、少ない方がよい。
【0031】上記スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸と
しては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソ
フタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン
−2,7−ジカルボン酸、5[4−スルホフェノキシ]
イソフタル酸等の金属塩があげられ、特に好ましいのは
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホ
テレフタル酸である。
【0032】上記ポリエステル共重合体を構成するグリ
コール成分としては、例えば、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオールなどの炭素数2〜8個の
脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレ
ングリコールなどの6〜12個の脂環族グリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコールなどの炭
素数4個以上の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどのポリエーテルがあげられる。これらは単
独であっても、2種以上の混合成分であってもよい。
【0033】上記ポリエステル共重合体の製造方法は特
に限定されず、通常の溶融重縮合方法を使用することが
できる。具体的には、前述のジカルボン酸成分およびグ
リコール成分を直接反応させ水を留去してエステル化し
たのち重縮合を行う直接エステル化法、あるいはジカル
ボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成分を反応
させ、メチルアルコールを留去してエステル交換を行っ
たのち重縮合を行うエステル交換法が挙げられる。この
ほかに溶液重縮合法や界面重縮合法などによってもポリ
エステル共重合体を得ることができる。溶融重縮合法の
場合には、必要に応じて酸化防止剤、滑り剤、無機微粒
子、帯電防止剤を加えることができる。前述したポリエ
チレングリコールなどのポリエーテルは、溶融重縮合の
際あるいは重合後に溶融ブレンドして添加することがで
きる。
【0034】本発明において、上記ポリエステル系樹脂
としては、市販されているものも使用することができ
る。このようなポリエステル系樹脂として、例えば、東
洋紡績製バイロナール、大日本インキ製ファインテック
ス等が挙げられる。
【0035】本発明において、インク受容層を構成する
非吸水性の熱可塑性樹のガラス転移温度(T)は、−5
℃以上である必要がある。熱可塑性樹脂のガラス転移温
度が−5℃未満であるとインク受容層の表面強度の低下
が発生する。
【0036】本発明において、熱可塑性樹脂および粒子
の配合割合(熱可塑性樹脂/粒子の重量比)は、好まし
くは1/1〜1/5、さらに好ましくは1/1.2〜1
/3であるのがよい。熱可塑性樹脂/粒子の重量比が1
/5未満であるとインク受容層の表面強度が低下しやす
く、1/1を超えるとインク受容層中の空孔の量が少な
くなりインク吸収量が低下することがある。
【0037】本発明において、インク受容層は、インク
受容層形成時の塗液のレベリング性の向上、塗液の脱泡
等を目的に界面活性剤を含有していても良い。界面活性
剤はカチオン系、アニオン系、ノニオン系および非イオ
ン性などいずれのものも使用できるが、好ましくはシリ
コーン系またはフッソ系の界面活性剤がよい。シリコー
ン系界面活性剤としてはジメチルシリコン、アミノシラ
ン、アクリルシラン、ビニルベンジルシラン、ビニルベ
ンジシルアミノシラン、グリシドシラン、メルカプトシ
ラン、ジメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、ポリ
アルコキシシロキサン、ハイドロジエン変性シロキサ
ン、ビニル変性シロキサン、ヒドロキシ変性シロキサ
ン、アミノ変性シロキサン、カルボキシル変性シロキサ
ン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキシ変性シロキサ
ン、メタクリロキシ変性シロキサン、メルカプト変性シ
ロキサン、フッ素変性シロキサン、アルキル基変性シロ
キサン、フェニル変性シロキサン、アルキレンオキシド
変性シロキサンなどが挙げられる。フッ素系界面活性剤
としては、4フッ化エチレン、パーフルオロアルキルア
ンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸アミ
ド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム、パー
フルオロアルキルカリウム塩、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パー
フルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオ
ロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロア
ルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキルりん
酸エステル、パーフルオロアルキルアルキル化合物、パ
ーフルオロアルキルアルキルベタイン、パーフルオロア
ルキルハロゲン化物などが挙げられる。これらの界面活
性剤はインク受容層のインク吸収性能が極度の低下しな
い程度に添加するのが好ましい。
【0038】本発明において、インク受容層は、本発明
の作用を損なわない範囲で、各種の添加剤を、インク吸
収能力及び他の物性を損なわない程度に含有していても
良い。このような添加剤としては、例えば、蛍光染料、
蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡
剤、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。
【0039】本発明において、インク受容層は、本発明
の作用を損なわない範囲で、各種の架橋剤を含有してい
ても良い。このような架橋剤としては、例えば、尿素
系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系等が挙
げられる。
【0040】本発明において、インク受容層は、主とし
て水からなる溶媒に、前記粒子、および前記のガラス転
移温度(T)が−5℃以上の非吸水性の熱可塑性樹脂を
乳化あるいは分散させた塗液を、前記透光性基材の少な
くとも一方の面に塗布後、溶媒を乾燥除去させて形成す
る。この時、前記塗液中に、沸点150℃以上の水溶性
高沸点溶剤を下記式1、式2を満たす割合で配合するこ
とを必要とする。 S≧T−30 式1 S≦T+70 式2 (前記式中、Sは沸点150℃以上の水溶性高沸点溶剤
の熱可塑性樹脂100重量部に対する配合割合[重量
部]を、Tは熱可塑性樹脂のガラス転移温度[℃]を示
す。)
【0041】本発明において「水溶性高沸点溶剤」と
は、水に任意の割合で溶解可能な沸点150℃以上の溶
剤である。
【0042】水溶性高沸点溶剤の沸点が150℃未満で
あると、インク受容層形成時の乾燥工程において、溶媒
と一緒に蒸発してしまい、本発明の作用が得られない。
【0043】熱可塑性樹脂のガラス転移温度が高い場合
には、インク受容層形成時の乾燥工程において、熱可塑
性樹脂の流動性が低くなり、乾燥工程での造膜性が高い
ことにより、インク受容層表層での粒子を覆う樹脂量が
増え、表層でのインク吸収量が低下する。表層でのイン
ク吸収量が低下した場合には厚み方向でのインクの浸透
が著しくなり沈んだ記録画像となる欠点が発生する。従
って、熱可塑性樹脂のガラス転移温度が高い場合は、上
記高沸点溶剤を配合割合が多くなるよう配合して、イン
ク受容層形成時の乾燥温度での溶融粘度を調整する。
【0044】また、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度
が低い場合には、乾燥工程での流動性が高くなり、イン
ク受容層表層での粒子を覆う樹脂量が低下し、表層での
インク吸収量の増加が発生し、更に低い場合には表面強
度の低下が発生する。表層でのインク吸収量が高すぎる
場合には、インクを表層で吸収することにより画像濃度
の高い記録画像が得られやすいが、ドット径が設計値よ
りも小さくなった場合には、ベタを印刷した際にドット
間に隙間が現れるという問題が生じる。従って、熱可塑
性樹脂のガラス転移温度が低い場合は、上記高沸点溶剤
を配合割合が少なくなるよう配合して、インク受容層形
成時の乾燥温度での溶融粘度を高くする。
【0045】本発明において、インク受容層の形成時で
の熱可塑性樹脂の主として水からなる溶媒への乳化ある
いは分散方法は、例えば、熱可塑性樹脂と上記水溶性高
沸点溶剤と溶媒を加熱した状態で攪拌し続ける方法、熱
可塑性樹脂を水溶性高沸点溶剤に加熱溶解した後に溶媒
を添加して分散させる方法などが挙げられる。
【0046】本発明において、上記沸点150℃以上の
水溶性高沸点溶剤としては、グリコール系、グリコール
エーテル系、グリコールエステル系などが挙げられ、具
体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノ
エチルアセテート、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2−
メチルー1,3−プロパンジオール、N−メチルー2−
ピロリドンなどが挙げられる。これらは単独で使用して
も、2種以上を混合して使用しても良い。
【0047】上記インク受容層の形成において、インク
受容層を構成する粒子および熱可塑性樹脂等の構成成分
を溶解・分散させた塗液の基材表面への塗布方法は特に
限定されないが、グラビアコート方式、キスコート方
式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコー
ト方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、
リバースロールコート方式、バーコート方式、リップコ
ート方式など通常用いられている方法が適用できる。
【0048】上記インク受容層の厚みは特に限定されな
いが、記録材として全光線透過率(JIS K7105
に準拠して測定)が15〜60%になるようにする必要
がある。全光線透過率が60%を超えると、不透明度が
不足して電飾看板として使用した場合に発色性が不足す
る問題が発生し、全光線透過率が15%未満であると、
不透明性が高すぎるために電飾看板として使用する場合
に、未印刷の部分が黒ずみ、鮮やかな画像が得られな
い。また、インク受容層の厚みが少なすぎると、インク
吸収容量が不足する場合がある。塗液の基材表面への塗
布量としては使用する構成成分の種類や配合割合、溶剤
等により適宜設定すればよいが、 5g/m2から10
0g/m2であることが好ましい。さらに、本発明の記
録材の総厚みも、本発明の作用を阻害しない範囲で、特
に限定されない。
【0049】インク受容層を基材の一方の側に形成した
場合、インク受容層と反対側の基材表面には、必要に応
じて各種の加工を行っても構わない。そのような加工と
して例えば、帯電防止層、粘着層、筆記層等の形成が挙
げられる。
【0050】本発明の記録材は、上述のインク受容層構
成を有するために、インクジェット記録方式による画像
形成用、特に油性インクを用いたインクジェット記録方
式による画像形成用に好適に使用できる。また、本発明
の記録材に画像形成することにより、非画像形成面方向
から光を照射して画像形成面方向より視認する電飾看板
に好適に使用できる。
【0051】本発明の記録材に対し、油性インクを用い
たインクジェット記録方式によって画像形成する場合、
油性インクは如何なるものでも使用でき、下記のような
染料或いは顔料を溶剤に溶解或いは分散した油性インク
に対し、本発明の記録材を好適に使用できる。
【0052】上記油性インクに溶解或いは分散させた染
料としては、例えば、ナフトール染料、アゾ染料、金属
錯塩染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、
アントラキノン染料、キノイミン染料、インジゴ染料、
ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、
ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニ
ン染料、ペリニン染料などの油溶性染料が挙げられる。
【0053】上記油性インクに溶解或いは分散させた顔
料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉、カーボンブ
ラック、酸化チタン、酸化鉄、亜鉛華、アルミナホワイ
ト、べんがら、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、クレー、群青、黄鉛、コバルトブルー、紺
青等の無機顔料、ファストエローG、ファストエロー1
0G、ジスアゾエローAAA、ジスアゾエローAAM
X、ジスアゾエローAAOT、ジスアゾエローAAO
A、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリン
オレンジ、ジスアゾオレンジ、ジスアゾオレンジ、ジス
アゾオレンジPMP、バルカンオレンジ、トルイジンレ
ッド、塩素化パラレッド、ナフトールカーミンFB、ナ
フトールレッドM、ブリリアントファストスカーレッ
ド、ナフトールレッド23、ピラゾロンレッド、バリウ
ムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウム
レッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソールレ
ッド、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、ピ
グメントスカーレット3Bレート、レーキボルドー10
B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ロ
ーダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、ナフトールレッ
ドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレ
ーキ、キナクリドンレッドk、ジオキサジンバイオレッ
ト、ビクトリアピュアブルーBOレーキ、ベーシックブ
ルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、フタロ
シアンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルー
Gトーナー、アルカリブルーRトーナー、ピーコックブ
ルーレーキ、レフレックスブルー2G、レフレックスブ
ルーR、ブリリアントグリーンレーキ、ダイヤモンドグ
リーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーン
G、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、ア
ニリンブラック、ボーンブラック、昼光蛍光顔料、パー
ル顔料等が挙げられる。
【0054】上記油性インクに染料或いは顔料を溶解或
いは分散させる溶剤としては、インクジェット記録方式
のヘッドノズルの特性への適合性、安全性、乾燥性の観
点から種々の溶剤が選択され、必要に応じて複数の溶剤
を混合して用いる。このような溶剤としては、n−ヘキ
サン、n−ペプタン、ゴム揮発油、ミネラルスピリッツ
等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン、ソルベント
ナフサ1号、ソルベントナフサ2号、ソルベントナフサ
3号、ソルベッソ100、ソルベッソ150、テトラリ
ン等の芳香族炭化水素、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、
シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシル
アルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、グリセリン等のグリコール、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチレンエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールブチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルア
セテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、
ジエチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレ
ングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノブチルアセテート等のグリコールエーテル類、
酢酸エチル、酢酸イソプロピレン、酢酸n−ブチル等の
エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジア
セトンアルコール等のケトン類、等が挙げられる。
【0055】上記油性インクは、保存安定性、耐擦過性
等を挙げる目的で、例えば、ポリアクリル酸エステル、
アマニ油変性アルキッド樹脂、ポリスチレン、ロジン系
樹脂、テンペンフェノール系樹脂、アルキルフェノール
変性キシレン系樹脂などの樹脂を含有したり、可塑剤、
ワックス、ドライヤー、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、チ
キソトロピー付与剤、消泡剤、抑泡剤、沈降防止剤、皮
張り防止剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、平滑剤、防カビ
剤、紫外線吸収剤、つや消し剤、帯電防止剤、安定剤、
難燃剤、表面張力調節剤、界面活性剤、粘度調節剤など
の添加剤を含有していても良い。
【0056】以下、試験例およい実施例を挙げて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定さ
れるものではない。また、実施例において「部」又は
「%」は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示
す。 試験例 1.試験方法 (1)記録材における記録品位1(油性インクにより形
成した画像) 実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1の記録材に
対し、解像度720dpi、インク量は単色(黒、シア
ン、マゼンタ、イエロー)を最大で約24ml/m2
二次色(赤、青、緑)で最大約48ml/m2になるよ
うに調節したピエゾ型オンデマンド方式のインクジェッ
トプリンターを用いて、オリンパス光学工業(株)製イ
ンクジェットプリンターIJP−3600用油性顔料イ
ンクを噴射して、記録画像として写真調の画像とイラス
トを印刷し、コクヨトレース台上で記録材の非記録面か
ら光を照射して透過光により画像を下記の基準に基づい
て目視で観察した。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れる。 ○:鮮やかで、発色性に優れる。 △:若干発色性が劣るが問題無いレベルである。 ×:くすみがある、或いは、発色性が乏しい。
【0057】(2)記録材における記録品位2(水性顔
料インクにより形成した画像) 実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1の記録材に
対し、ミマキエンジニアリング製JV2−130及びそ
の純正インクを用いて上記試験方法(1)と同様に記録
画像として写真調の画像とイラストを印刷し、コクヨト
レース台上で記録材の非記録面から光を照射して透過光
により画像を下記の基準に基づいて目視で観察した。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れる。 ○:鮮やかで、発色性に優れる。 △:若干発色性が劣るが問題無いレベルである。 ×:くすみがある記録、或いは、発色性が乏しい。
【0058】(3)記録材における記録品位3(水性染
料インクにより形成した画像) 実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1の記録材に
対し、エプソン製PM−700C及びその純正インクを
用いて、上記試験方法(1)と同様に記録画像として写
真調の画像とイラストを印刷し、コクヨトレース台上で
記録材の非記録面から光を照射して透過光により画像を
下記の基準に基づいて目視で観察した。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れる。 ○:鮮やかで、発色性に優れる。 △:若干発色性が劣るが問題無いレベルである。 ×:くすみがある記録、或いは、発色性が乏しい。
【0059】(4)基材の全光線透過率 実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1の記録材に
用いた基材について、JIS K−7105に準拠して
全光線透過率を測定した。
【0060】(5)記録材の全光線透過率 実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1の記録材に
ついて、JIS K−7105に準拠して全光線透過率
を測定した。
【0061】(6)記録材の耐水性 実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1の記録材に
ついて、23℃の水中に24時間浸漬した後、指で数回
擦り、23℃の環境下で24時間自然乾燥させた後に、
水中浸漬してしていないものと下記の基準に基づいて目
視で比較した。 ○:差がない。 △:若干の変化あるが、問題ないレベルである。 ×:明白に差がある。
【0062】(7)記録材の表面強度(インク受容層) 実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1の記録材に
ついて、ニチバン製セロテープをインク受容層表面に貼
り、23℃の環境下で1時間放置した後に緩やかに剥が
し、セロテープを目視で観察して下記の基準に基づいて
評価した。 ○ :セロテープ側に記録材のインク受容層が付着して
いない。 △ :セロテープ側に若干のインク受容層が付着してい
る。 ×:セロテープ全面にインク受容層が付着している。
【0063】(8)インク受容層に使用する熱可塑性樹
脂のガラス転移温度(T) 示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−2
型)を用い、実施例1〜16、比較例1〜12の記録材
に使用した熱可塑性樹脂5mgを溶解、急冷した後、室
温より20℃/分の昇温速度で昇温してガラス転移温度
(T)を測定した。
【0064】2.試験結果 上記試験(1)〜(3)、(6)、(7)の結果を表
3、表4に、上記試験(8)の結果を表1に示す。ま
た、上記試験(4)、(5)の結果は、実施例中に示
す。
【0065】
【実施例】[基材の製造](実施例1〜15、比較例1
〜11、参考例1) 固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を
2軸スクリュ−押出機に投入し、T−ダイによって29
0℃で溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロ−ルに密着
固化して未延伸シ−トを得た。引き続き、該未延伸シ−
トをロ−ル延伸機で90℃に加熱して3.5倍縦延伸を
行い、さらにテンタ−で140℃に加熱して3.7倍横
延伸したあと、235℃で4%緩和させながら熱処理し
て、厚み100μm、全光線透過率90%のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを得、これを基材とした。
【0066】[インク受容層用熱可塑性樹脂の製造]
(実施例1〜15、比較例1〜10、12、参考例1) 温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中に、テレフタ
ル酸 35重量部、イソフタル酸 35重量部、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸 9重量部、エチレングリコ
ール 27重量部、ネオペンチルグリコール 46重量
部、テトラブトキシチタネート 0.1重量部を仕込
み、180〜230℃で120分間加熱してエステル交
換反応を行った。次いで反応系を250℃まで昇温し、
系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続けた
結果、共重合ポリエステル樹脂(A1)を得た。得られ
た共重合ポリエステル樹脂(A1)は、表1に示すよう
に還元粘度0.40dl/g、ガラス転移温度61℃、
組成はNMR分析の結果、酸成分として、テレフタル酸
47.0mol% 、イソフタル酸 46.0mol
%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸 7.0mol
% 、ジオール成分として、エチレングリコール 50.
0mol% 、ネオペンチルグリコール 50.0mol
% であった。同様にして、表1に示すような共重合ポ
リエステル樹脂(A2〜A4)を製造した。
【0067】[インク受容層用熱可塑性樹脂の水分散体
作成](実施例1〜15、比較例1〜12、参考例1) 表1に示す共重合ポリエステル樹脂(A1)100重量
部に対して、表2に示すように50重量部のエチレング
リコールモノブチルエーテル(沸点171℃)を加え、
130℃まで昇温して溶解した後に80℃まで降温し、
攪拌しながら温水を固形分濃度が30%に成るように添
加して共重合ポリエステル樹脂(A1)の水分散体(P
1)を得た。同様にして、表2に示すように溶剤を配合
して共重合ポリエステル樹脂(A1〜A4)の水分散体
(P2〜P22)を得た。。
【0068】実施例1 [インク受容層形成用の塗液の作成]粒子(富士シリシ
ア(株)製サイリシア450)に固形分濃度が20重量
%になるように水を添加し、ホモジナイザーを用いて5
000rpmで30分間分散して粒子分散液を作成し
た。また、界面活性剤(大日本インキ(株)製メガファ
ックF−142D)をイソプロピルアルコールで同量希
釈し、更に水で5倍に希釈して固形分濃度10重量%の
界面活性剤希釈液を作成した。この粒子分散液、界面活
性剤希釈液、前述のインク受容層用熱可塑性樹脂(A
1)の水分散体、蛍光増白剤(チバスペシャリティー・
ケミカルズ製UvitexEBF250%)を用い、下
記の配合割合で配合してインク受容層形成用の塗液を作
成した。 イオン交換水 3.73部 粒子分散液 68.78部 インク受容層用熱可塑性樹脂(A1)の水分散体(P1) 26.97部 界面活性剤希釈液 0.41部 蛍光増白剤 0.11部
【0069】[インク受容層の形成]前述の基材上に、
上記インク受容層形成用の塗液を#60のワイヤーバー
で塗布し、160℃に保ったオーブン中で3分間加熱
し、溶媒を乾燥除去して記録材を得た。この記録材の全
光線透過率は30.3%であった。
【0070】実施例2〜13、参考例1 インク受容層用熱可塑性樹脂の水分散体を表3に示すよ
うにした以外は、実施例1と同様にして記録材を得た。
これらの記録材の全光線透過率は30.2〜41.1%
の範囲であった。
【0071】実施例14、15 インク受容層形成用塗液を、それぞれ#30、#75の
ワイヤーバーで塗布した以外は、実施例9と同様にして
記録材を得た。この記録材の全光線透過率は52.0
%、21.8%であった。
【0072】比較例1〜8 インク受容層用熱可塑性樹脂の水分散体を表4に示すよ
うにした以外は、実施例1と同様にして記録材を得た。
これらの記録材の全光線透過率は29.8〜38.9%
の範囲であった。
【0073】比較例9 インク受容層形成用塗液を#20および#75のワイヤ
ーバーで2回塗布した以外は、実施例9と同様にして記
録材を得た。この記録材の全光線透過率は16%であっ
た。この記録材の全光線透過率は14%であった。
【0074】比較例10 インク受容層形成用塗液を#14のワイヤーバーで塗布
した以外は、実施例9と同様にして記録材を得た。この
記録材の全光線透過率は62%であった。
【0075】比較例11 インク受容層形成用熱可塑性樹脂として部分ケン化ポリ
ビニルアルコール(クラレ(株)製PVA−217)を
用いた以外は、実施例1と同様にして記録材を得た。こ
の記録材の全光線透過率は34.5%であった。
【0076】比較例12 基材として、厚み100μm、全光線透過率が15%の
ポリエステル系合成紙(東洋紡績(株)製G2323)を
用いた以外は,実施例1と同様にして記録材を得た。こ
の記録材の全光線透過率は11.5%であった。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【発明の効果】本発明の記録材は、上述の構成を有する
ために、形成された画像の記録濃度が高く、発色性が優
れた高画質な記録が可能であり、かつ耐水性も良好であ
る。特に、非画像形成面方向から光を照射して画像形成
面方向より視認する場合の画像濃度が高く、発色性に優
れる。従って、特に油性インクを用いたインクジェット
記録方式による画像形成用に適し、さらに電飾看板とし
て画像を形成する場合に好適である。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 勝也 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小谷 徹 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐々木 靖 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H086 BA15 BA19 BA32 BA36 BA41 4F100 AA20A AH02A AK01A AK41A AK41B AK42B BA02 CC00A DE01A DJ00A EH46A EJ37B EJ86A GB90 JA05A JB05A JB07 JB08A JB16A JD14A JD15A JN01 JN01B YY00 YY00A 5C096 AA01 AA29 CA02 EA01 EA04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として水からなる溶媒に、粒子、およ
    びガラス転移温度(T)が−5℃以上の非吸水性の熱可
    塑性樹脂を乳化あるいは分散させた塗液を、透光性基材
    の少なくとも一方の面に塗布後、溶媒を乾燥除去させて
    なる多孔質構造のインク受容層を有する、全光線透過率
    (JIS K7105に準拠して測定)が15%以上6
    0%以下の記録材であって、前記塗液中に、沸点150
    ℃以上の水溶性高沸点溶剤を下記式1、式2を満たす割
    合で配合することを特徴とする記録材。 S≧T−30 式1 S≦T+70 式2 (前記式中、Sは沸点150℃以上の水溶性高沸点溶剤
    の熱可塑性樹脂100重量部に対する配合割合[重量
    部]を、Tは熱可塑性樹脂のガラス転移温度[℃]を示
    す。)
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1記載の記録材。
  3. 【請求項3】 粒子がシリカであることを特徴とする請
    求項1または2に記載の記録材。
  4. 【請求項4】 水溶性高沸点溶剤がグリコールエーテル
    系溶剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か一項に記載の記録材。
  5. 【請求項5】 透光性基材の全光線透過率(JIS K
    7105に準拠して測定)が85%以上であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の記録
    材。
  6. 【請求項6】 透光性基材がポリエステル系樹脂フィル
    ムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一
    項にに記載の記録材。
  7. 【請求項7】 透光性基材が少なくとも1軸方向に延伸
    されたポリエステル系樹脂フィルムであることを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の記録材。
  8. 【請求項8】 透光性基材が主としてポリエチレンテレ
    フタレートからなるフィルムであることを特徴とする請
    求項1乃至7のいずれか一項に記載の記録材。
  9. 【請求項9】 インクジェット記録方式による画像形成
    用に使用することを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    か一項に記載の記録材。
  10. 【請求項10】 油性インクを用いたインクジェット記
    録方式による画像形成用に使用することを特徴とする請
    求項1乃至9のいずれか一項に記載の記録材。
  11. 【請求項11】 非画像形成面方向から光を照射して画
    像形成面方向より視認する電飾看板に使用することを特
    徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の記録
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004216654A (ja) * 2003-01-14 2004-08-05 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェット受容シートおよびそれを用いた電飾看板

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JP2004216654A (ja) * 2003-01-14 2004-08-05 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェット受容シートおよびそれを用いた電飾看板

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