JP2004216654A - インクジェット受容シートおよびそれを用いた電飾看板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材の一方の面に、着色剤を含有するプライマー層およびインク受理層を順次設けてなり、必要に応じて透明基材の他方の面に、粘着剤層を設けてなることを特徴とするインクジェット受容シート、およびインクジェット方式により印刷された上記のインクジェット受容シートと、光源とを備える電飾看板。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電飾看板に好適に用いられるインクジェット受容シート、およびそれを用いた電飾看板に関する。さらに詳しくは、本発明は、カレンダー方式により成膜された軟質ポリ塩化ビニルシートを基材として用いても、基材のムラ、インク受容層の塗工ムラを目立たないインクジェット受容シート、およびそれを用いた電飾看板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、屋内外看板や広告にインクジェット受容シートが多く用いられつつある。屋外の看板に使用されるインクジェット受容シートの基材としては、看板の設置場所、目的、設置期間などによって異なるが、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)、塩化ビニル等のプラスチックフィルムが一般に使用されている。その他に、合成紙、あるいはこれらを組み合わせた複合シート等も基材として使用されている。
インクジェット受容シートが屋外の看板に使用される場合には、屋外耐候性が必要となってくるため、紫外線による高分子劣化の少ない材料が基材として使用されることが多い。さらには、シートの硬さや伸びは、看板の施工のし易さと関係があり、曲面などに施工する場合には柔らかくて伸び易い軟質塩化ビニルフィルムが使用されることが多い。
【0003】
これらのインクジェット受容シートは、屋内外看板や広告に使用される場合には、例えば電飾看板や、透明なガラスに貼り付ける等、インクジェット受容シートに裏から光を透過させるケースがある。インクジェット受容シートがこのような場面で使用される際には、インク受容層を設ける時に発生するいわゆる塗工ムラや、使用する基材のムラが目立ちやすくなる。塗工ムラとは、塗工の際に異物や泡などによって発生するムラのことで、基材のムラとは、例えば塩化ビニルをカレンダー方式で製膜する際に発生する円形状のムラ、いわゆるフィッシュアイや、流れ方向のムラ、いわゆるバンクマーク等のことである。
このような、光を裏から透過させて使用されるインクジェット受容シートの場合、ある程度の透明性のものが好ましいとされていて、例えば、全光線透過率が8〜60%である電飾看板用インクジェットプリント材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−211120号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電飾看板用インクジェットプリント材に使用されている基材は、酸化チタンを含みカレンダー方式で製膜した塩化ビニルであるため、このプリント材に光を透過した時には、製膜時のフィッシュアイやバンクマークが目立ちやすいという欠点があった。光を透過した時に欠点が目立つということは、看板としての完成度を低くすることになる。
【0006】
また、これらのムラは光を透過しない時には目立たない場合が多く、ムラが目立つかどうかは、実際に光を透過させて確認する必要がある。確認しないまま看板を施工した場合等には、光を透過して初めてムラに気がつくこともあり、この場合は、始めから看板の作り直しとなるため、時間とコストの無駄遣いになる。
そこで、本発明は、光を透過した際に見られるムラが目立たず、電飾看板に好適に用いられるインクジェット受容シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット受容シートは、透明基材の一方の面にプライマー層およびインク受容層を順次設けてなるインクジェット受容シートにおいて、プライマー層中に着色剤を含有させることにより、透明基材に見られるフィッシュアイやバンクマーク、インク受容層の塗工時のムラを目立たなくしたもの、すなわち、透明基材の一方の面に、着色剤を含有するプライマー層およびインク受容層を順次設けてなることを特徴とするインクジェット受容シートである。
また、本発明の電飾看板は、インクジェット方式により印刷された上記のインクジェット受容シートと、光源とを備える電飾看板である。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、インクジェット受容シートについて説明する。
インクジェット受容シートに使用する透明基材としては、PET、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチックシートが挙げられる。
【0009】
特に、軟質ポリ塩化ビニルシートは、看板への施工性や屋外耐候性、さらにはコストに優れるため好ましい。軟質ポリ塩化ビニルシートとは、塩化ビニル樹脂および可塑剤を含む樹脂組成物をシート状に製膜して成り、JIS K6732の農業用ポリ塩化ビニルフィルムの引張試験において、フィルムの伸びが50%〜400%のものである。
透明基材の製造法は、カレンダー方式、キャスト方式の大きく2つに分けられるが、製造コストの面からカレンダー方式が好ましい。
また、透明基材の全光線透過率は80%〜100%であることが好ましい。透明基材の全光線透過率が80%未満であると、裏から光を透過させたときに、カレンダー方式に特有のフィッシュアイやバンクマークが目立ちやすくなる。
【0010】
透明基材上には、着色剤を含有するプライマー層が設けられる。プライマー層に使用する材料に関しては特に限定はないが、透明基材として軟質ポリ塩化ビニルシートを用いる場合には、軟質ポリ塩化ビニルシートとの密着性が良好なため、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましい。
また、プライマー層は、好ましくは0.5μm〜20μm、より好ましくは1μm〜10μmの厚みになるように、種々のコーティング方式により透明基材上に塗布する。
コーティング方式としては、例えばスプレー、スピンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ディップコーター、コンマコーター等が挙げられる。
【0011】
着色剤としては、従来公知の顔料および染料が使用される。なかでも、耐光性、耐候性の高いものが好ましい。
顔料として具体的には、キナクリドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、不溶性アゾ系、ナフトール系、フラバンスロン系、アンスラピリミジン系、キノフタロン系、ピランスロン系、ピラゾロン系、チオインジゴ系、アンスアンスロン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、インダンスロン系等の有機顔料や、ニッケルジオキシンイエロー、銅アゾメチンイエロー等の金属錯体、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩、カーボンブラック、雲母などの無機顔料、アルミニウムなどの金属微粉やマイカ微粉等が挙げられる。
【0012】
染料として具体的には、アゾ系、キノリン系、スチルベン系、チアゾール系、インジゴイド系、アントラキノン系、オキサジン系等の染料が挙げられる。
着色剤は、粉体をそのまま用いても構わないし、あらかじめ樹脂溶液中に分散させて用いても構わないが、プライマー層を構成する樹脂と混ざり易くするために、あらかじめ樹脂溶液中に分散させたものを使用することが好ましい。また、プライマー層中に添加する着色剤は1種類に限定されず、2種類以上混ぜ合わせて使用しても差し支えない。
着色剤の中では、後述するインク受容層に使用される無機フィラー等の色と同じ白色の着色剤を使用することが好ましく、白色着色剤としては例えば酸化チタンが挙げられる。
また、着色剤の含有量は、プライマー層中の樹脂固形分100重量部に対して、1部〜500部の範囲が好ましく、さらに好ましくは10部〜300部の範囲である。
【0013】
さらに、プライマー層の全光線透過率は5%〜65%であることが好ましく、15〜35%であることがより好ましい。プライマー層の全光線透過率が65%よりも大きな時には、裏面からインクジェット受容シートに光を透過したときに、透明基材に見られるフィッシュアイやバンクマーク、さらにはインク受容層の塗工時のムラが比較的目立ちやすく、それとは逆に全光線透過率が5%未満の時には、裏から光を透過したときに、光が表面まで透過しないため印刷部分の鮮明な発色が得られない。
【0014】
プライマー層上に設けられるインク受容層に使用する原料としては特に限定は無く、従来公知の材料を使用することができる。ただし、透明基材とプライマー層とインク受容層の三層合計の全光線透過率は、5%〜50%であることが好ましく、15%〜40%であることがより好ましい。三層合計の全光線透過率が5%未満であると、光を裏から透過させたときに表面から見た時の画像の発色性が表の明るさに影響されやすくなる。また、全光線透過率が50%よりも大きいと、光を透過した際に透明基材のフィッシュアイやバンクマークが目立ちやすくなったり、十分な印字濃度が得られ無いこともある。
【0015】
インク受容層は、樹脂を含有し、必要に応じてフィラー、さらにブロッキング防止、カーリング防止、表面光沢の調整、耐候性の向上、インキ滴の濡れ性の改善等を目的として、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等の蛍光染料、着色剤、増粘剤、レベリング剤、クレーター防止剤、沈降防止剤、酸化防止剤、難燃剤、ワックス、熱安定剤等を含有する。
【0016】
樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等のさまざまな樹脂が使用される。
熱可塑性樹脂として具体的には、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリイソブチレン、ポリアミド、石油樹脂、ロジン、ニトロセルロース、しょ糖エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、スチレン/無水マレイン酸系共重合体等が挙げられる。熱硬化性樹脂として具体的には、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線により硬化する樹脂であり、具体的には、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ホスファゼン樹脂等が挙げられる。
【0017】
フィラーとしては、各種無機フィラー、樹脂フィラーが使用される。無機フィラーとして具体的には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ等が挙げられる。樹脂フィラーとして具体的には、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等を粒状に成型した樹脂フィラーが挙げられる。フィラーの中ではシリカが好ましく、インクジェットインクの吸収性、発色性の点からは、表面処理が施されてなく、平均粒径が1〜10μm程度のシリカが最も好ましい。シリカとしては、アルミナをドープしてなるシリカを用いることもできる。
【0018】
透明基材の他方の面(インク受容層と反対側の面)には、粘着剤層を設けることができる。
粘着剤としては、一般的な天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム等を主成分とするゴム系粘着剤や、(メタ)アクリル酸エステル(C2〜C12)を主体にアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン等の単量体を共重合した重合体を主成分とするアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤等を用いることができ、用途、被着体の材質に応じた適当な接着力を有する物を選択することができる。
また、粘着剤層中には、紫外線吸収剤や着色剤などを添加してもよい。
【0019】
粘着剤層の上(透明基材と反対側の面)には、剥離ライナーを設けることができ、例えば、PETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、上質紙、グラフト紙、グラシン紙、含浸紙等が剥離ライナーとして使用される。特に、表面の平滑性が高い剥離ライナーを使用すると、粘着剤層の表面の平滑性が上がり、光を透過した時に看板としての完成度がさらに高くなることから、表面の平滑性が高い、離型処理が施されたPETフィルムを剥離ライナーとして使用することがより好ましい。
【0020】
上記インク受容層および粘着剤層は、乾燥時の膜厚が5〜100μm、好ましくは10〜50μm程度となるように、種々のコーティング方式により透明基材上に塗布することができる。
コーティング方式としては、前述のプライマー層のコーティング方式と同様の、例えばスプレー、スピンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ディップコーター、コンマコーター等が挙げられる。
【0021】
次に、電飾看板について説明する。
電飾看板は、看板の背面に光源を備えるものであり、さらに、その看板にはアクリル板等の透明なプラスチック板が備え付けてあり、その上にインクジェット方式により印刷された本発明におけるインクジェット受容シートを貼り付けて、光源からの透過光によって映されたものを、看板の表側から見るものである。例えば、夜間に看板が目立つように屋外で使用されたり、地下鉄の駅の看板で使用されている。
光源としては蛍光灯が一般に使用されるが、その他の光源でも差し支えない。さらに、看板に備え付けられている板としては、アクリル板以外の材料でも構わない。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明のインクジェット受容シートの具体的な構成を説明するが、本発明はこれらのものに限定されるものではない。実施例中、部は重量部を意味する。
〔実施例1〕
インク受容層用塗工液の調製:ウレタン系樹脂溶液(JU1832:東洋インキ製造製)50部、カチオン性樹脂溶液(サフトマーST2000H:三菱化学製)10部、カチオン性樹脂溶液(パピオゲンP105:センカ製)5部、シリカ(ファインシールX30:トクヤマ製、平均粒子径3.2μm)20部、イソプロピルアルコール10部を混合し、ディスパーで30分間分散しインク受容層の形成に用いる塗工液を得た。
プライマー層用塗工液の調製:ウレタン系樹脂溶液(サンプレンIB465:三洋化成製)100部、メチルエチルケトン50部、イソプロピルアルコール50部、着色剤(マルチラックS161ホワイト:東洋インキ製造製)30部(プライマー層中の樹脂固形分100部に対して60部)を混合さらに攪拌し、プライマー層の形成に用いる塗工液を得た。
カレンダー方式により製膜された軟質ポリ塩化ビニルシート(厚み80μm、全光線透過率88%)上に、得られたプライマー層用塗工液を乾燥膜厚5μmになるように塗工し、さらにその上にインク受容層用塗工液を乾燥膜厚が30μmになるように塗工した。・・・▲1▼
また、片側面に離型処理が施されているPET製のフィルム(SP−PET−01−075−BU:東セロ製)の、離型処理が施されている面に、粘着剤(BPS5626:東洋インキ製造製)100部、硬化剤(BXX5627:東洋インキ製造製)2部を混合し、乾燥膜厚が30μmになるように塗工した。・・・▲2▼
上記▲1▼の軟質ポリ塩化ビニルシート面と、▲2▼の粘着剤面とを張り合わせることによりインクジェット受容シートを得た。
【0023】
〔実施例2〕
軟質ポリ塩化ビニルシートを厚み80μm、全光線透過率82%のものに変更し、プライマー層用塗工液に配合する着色剤(マルチラックS161ホワイト:東洋インキ製造製)の配合量を100部(プライマー層中の樹脂固形分100部に対して200部)に変更した以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット受容シートを得た。
〔実施例3〕
インク受容層用塗工液中のシリカの種類を、ミズカシルP78A(水澤化学製、平均粒子径33μm)25部に変更し、さらにプライマー層用塗工液に配合する着色剤(マルチラックS161ホワイト:東洋インキ製造製)の量を15部(プライマー層中の樹脂固形分100部に対して30部)に変更した以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット受容シートを得た。
【0024】
〔実施例4〕
軟質ポリ塩化ビニルシートを厚み60μm、全光線透過率93%のものに変更し、プライマー層用塗工液に配合する着色剤を東洋インキ製造製のマルチラックA700 ブルー18部(プライマー層中の樹脂固形分100部に対して15部)に変更した以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット受容シートを得た。
〔実施例5〕
プライマー層用塗工液に配合する着色剤を東洋インキ製造製のマルチラックA903 ブラック8部(プライマー層中の樹脂固形分100部に対して5部)に変更した以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット受容シートを得た。
【0025】
〔実施例6〕
ウレタン系樹脂溶液(JU1832:東洋インキ製造製)50部、カチオン性樹脂溶液(サフトマーST2000H:三菱化学製)15部、カチオン性樹脂溶液(パピオゲンP105:センカ製)5部、イソプロピルアルコール10部を混合し、ディスパーで30分間分散しインク受容層用塗工液を得た。得られた塗工液をインク受容層の形成に用いた以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット受容シートを得た。
〔比較例1〕
プライマー層用塗工液に酸化チタンを配合しない以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット受容シートを得た。
【0026】
実施例および比較例で使用した軟質ポリ塩化ビニルシート、軟質ポリ塩化ビニルシート+プライマー層+インク受容層のそれぞれについて、JIS K 7105により全光線透過率を測定した。
また、インクジェット受容シートに、インクジェットプリンター(FJ−500:Roland.社製)を用いてYellow,Magenta,Cyan,blackの各4色を印刷した。さらに、得られたそれぞれのシートを、FUJI COLOR社製の電飾ライトに貼り付けて、光を透過したときに見られるインクジェット受容シートのムラの程度、そして光を透過したときの印刷濃度を目視にて評価した。目視の評価としては、◎:非常に良い ○:使用上問題の無いレベル △:やや悪い ×:問題外 の4段階で評価を行った。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1の結果より、カレンダー方式によって製膜された透明の軟質ポリ塩化ビニルシート上にプライマー層およびインク受容層を順次設けてなるインクジェット受容シートにおいては、光を透過させて使用する場合には、プライマー層の全光線透過率は5%〜65%の範囲内にあることが好ましいことが確認できた。プライマー層が着色剤を含有せず、プライマー層の全光線透過率が65%を超える比較例1においては、光を裏から透過した際に、透明基材に見られるフィッシュアイやバンクマーク、さらにはインク受容層の塗工時のムラが目立ち易かった。
【0029】
【発明の効果】
本発明により、カレンダー方式により製膜された軟質ポリ塩化ビニルシートを基材としていても、基材のムラ、インク受容層の塗工ムラが目立たないインクジェット受容シートが得られる。
そのインクジェット受容シートは、裏から光を透過した際に、透明基材に見られるフィッシュアイやバンクマーク、さらにはインク受容層の塗工時のムラが目立たないため、電飾看板に好適に用いられる。
Claims (7)
- 透明基材の一方の面に、着色剤を含有するプライマー層およびインク受容層を順次設けてなることを特徴とするインクジェット受容シート。
- プライマー層の全光線透過率が5%〜65%であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット受容シート。
- 透明基材の全光線透過率が80%〜100%であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット受容シート。
- 透明基材とプライマー層とインク受容層の3層合計の全光線透過率が5%〜50%であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のインクジェット受容シート。
- 透明基材が、カレンダー製法により製膜された軟質ポリ塩化ビニルシートであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載のインクジェット受容シート。
- 透明基材の他方の面に、粘着剤層を設けてなることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項に記載のインクジェット受容シート。
- インクジェット方式により印刷された請求項1ないし6いずれか1項に記載のインクジェット受容シートと、光源とを備える電飾看板。
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