JP3452189B2 - 油性インク用インクジェット記録材 - Google Patents

油性インク用インクジェット記録材

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JP3452189B2
JP3452189B2 JP15009599A JP15009599A JP3452189B2 JP 3452189 B2 JP3452189 B2 JP 3452189B2 JP 15009599 A JP15009599 A JP 15009599A JP 15009599 A JP15009599 A JP 15009599A JP 3452189 B2 JP3452189 B2 JP 3452189B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油性インクを用い
たインクジェット記録方式において、画像濃度が高く、
発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ耐水性
が良好な記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの性能向上および
コンピューターの普及とともに、ハードコピー技術が急
速に発達した。ハードコピーの記録方式としては、昇華
転写記録方式、電子写真方式、インクジェット方式等の
方式が知られている。
【0003】インクジェット方式によるプリンターは、
ノズルから被記録紙に向けてインク液滴を高速で噴射す
る方式である。カラー化、小型化がしやすいこと、印字
騒音が低いことから、オフィス、ホーム、パーソナルコ
ンピューター等の端末として、近年急速に普及しつつあ
る。更に、銀塩写真に迫る記録品質の向上、大型化の容
易さから、大型看板等の産業分野への応用が期待されて
いる。
【0004】インクジェット方式に使用されるインクと
しては、水性染料インク、すなわち水或いは水と親水性
溶剤の混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解し、必要に
応じて各種の添加剤を混合したものが主流である。これ
は水性インクが色調の鮮やかな記録が可能であること、
インクの粘度を調節しやすいこと、安全性の面で優位で
ある為である。しかしながら、水性染料インクは水溶性
染料を用いていることから耐水性、耐候性が劣るという
欠点があり、それを改善した方策が各種提案されている
(特開昭55−150396号公報、特開昭56−58
869号公報、特開昭56−77154号公報、特開昭
59−196285号公報、特開昭62−141194
号公報、特開平2−80279号公報)。しかし、野外
で展示できる程のものではなく、表面に紫外線吸収性の
ラミネートフィルムを張る必要がある。その為、コスト
が上昇する問題がある。
【0005】水性染料インクの欠点を補う為に、水性顔
料インク、すなわち、有機顔料、無機顔料を水或いは水
と親水性溶剤との混合溶液に分散し、かつ必要に応じて
各種の添加剤を添加したインクが提案されている。水性
顔料インクを用いて記録した場合には、印刷後の記録材
を十分に乾燥させれば完全な耐水性を得ることが可能で
あり、近年急激に使用されるようになりつつある。しか
しながら、主溶剤として水を用いている為、顔料の濃度
を高くできず、発色性、更には鮮やかさが劣ること、ヘ
ッドノズルの目詰まりが発生しやすいことなどの欠点が
ある。
【0006】これらの諸問題を解決する方策として、油
性インクが提案されている。油性インクとは、油溶性染
料、有機顔料、無機顔料をパラフィン類、エーテル類、
アルコール類等の溶剤に溶解もしくは分散したインクで
あり、水性染料インク、水性顔料インクと比較すると、
染料、顔料の選択範囲が広がり耐候性、耐水性にすぐれ
た色材を選択できること、溶剤中に高濃度で溶解或いは
分散できる為、高い画像濃度を実現できること、ヘッド
の目詰まりが起こり難いこと、シートの吸水によるコッ
クリングが生じ難いこと、インクの表面張力を低くする
ことが可能であり、高速に記録層に吸収されやすいこと
等の利点がある。その為、高速印刷、高画質印刷、高耐
候性を必要とする分野での水性インクの代替として有望
視されている。
【0007】一方、記録材としては、水性染料インク及
び水性顔料インクに対して記録品質を満足させるべく、
各種のものが提案されている。例えば、顔料と樹脂を含
有した多孔質層を支持体上に設けたもの(特開昭55−
11829号公報、特開昭56−157号公報、特開昭
56−99692号公報、特開昭56−148582号
公報、特開昭56−148583号公報、特開昭57−
107879号公報、特開昭57−126691号公
報、特開昭58−136480号公報、号公報、特開昭
60−222281号公報、特開昭62−233284
号公報、特開平3−56552号公報、特開平3−24
905号公報、特開平2−76775号公報、特開平4
−128091号公報、特開平5−221115号公
報)、水溶性樹脂を支持体上に設けたもの(特開昭59
−45188号公報、特開昭60−56587号公報、
特開昭60−234879号公報、特開昭61−172
786号公報、特開昭61−189985号公報、特開
平1−190483号公報、特開平4−263984号
公報、特開平4−201595号公報、特開昭63−1
62674号公報)、透明支持体上に不透明な受理層を
設けて画像を記録した面と反対面から鑑賞するバックプ
リント方式(特開昭61−92885号公報、特開昭6
1−40181号公報、特開昭61−135786号公
報、特開昭61−148091号公報、特開昭61−1
48092号公報、特開昭61−35275号公報、特
開昭61−35276号公報、特開昭61−35986
号公報、特開昭61−35988号公報、特開昭61−
35989号公報、特開昭61−92886号公報、特
開昭61−135787号公報、特開昭61−1357
88号公報、特開昭61−49884号公報、特開昭6
1−49885号公報、特開昭61−57378号公
報、特開昭61−41587号公報、特開昭61−41
588号公報、特開昭61−41589号公報、特開昭
62−222885号公報、特開昭62−222887
号公報)、更には耐水性、ニジミ等の性能向上させるた
めの各種の添加剤(特開昭60−83882号公報、特
開昭61−47290号公報、特開昭61−74880
号公報、特開昭61−89082号公報)等が提案され
ている。
【0008】しかしながら、上記の記録材は水性染料或
いは水性顔料用に設計されたものであり、油性インクで
の記録で用いた場合には必ずしも良好な記録が得られる
ものではない。これは、水性インクに適合する記録材の
受像層が一般的に水溶性樹脂或いは吸水性樹脂が用いら
れていること、インク中の染料或いは顔料が電荷を有し
ていること、主溶剤が水であることに起因する高表面張
力、等の差により油性インクと異なった挙動を取るため
である。従って、油性インクの性能を最大限に生かせる
記録材は存在していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、油性
インクを用いたインクジェット記録方式において、画像
濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録が可能であ
り、かつ耐水性が良好な記録材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、油性インク
の性能を最大限に活かすべく鋭利検討した結果、不透明
基材上にインク受容層を設けた油性インク用インクジェ
ット記録材であって、前記インク受容層は、表面に細孔
を有する合成非晶性シリカ粒子(A)と非吸水性のスル
ホン酸金属塩基含有熱可塑性ポリエステル樹脂(B)
ら主に構成される多孔質層であり、前記多孔質層は水ま
たは水と親水性溶剤との混合液中に粒子(A)と非吸水
性の熱可塑性樹脂(B)を分散させた塗液を基材上に塗
布、乾燥して形成され、かつ粒子(A)と熱可塑性樹脂
(B)の重量比率(A/B)及び非吸水性の熱可塑性樹
脂のTg(T:℃)の関係が下式(1)〜(4)を満足
させることにより油性インクを用いたインクジェット
記録方式で画像濃度が高く、発色性に優れた高画質記録
が可能であり、かつ、耐水性の良好な記録物が得られる
ことを見出した。A/B≧1.2 …(1) −5≦T≦100 …(2) A/B≧T/100+0.8 …(3) A/B≦T/100+1.9 …(4) すなわち、非水溶性のスルホン酸金属塩基含有熱可塑性
ポリエステル樹脂を用いることにより耐水性を良好に
し、更には、非水溶性のスルホン酸金属塩基含有熱可塑
ポリエステル樹脂のガラス転移温度をある一定範囲と
することにより油性インクに対して良好な記録品質が得
られる最適な多孔質構造を形成できることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】 以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、基材は特に限定されるものではない
が、例えばポリエステルフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ナイロン、ポリカーボネ
ート、ノルボルネン、ビニロン、アクリル等のプラステ
ィックフィルム又はシートやこれらの材料に無機顔料、
発泡剤を混合した不透明樹脂フィルム、ポリエステル系
布、ポリエステル/綿混合布、綿布、不織布、パルプ、
樹脂含浸紙、キャストコート紙、レジンコート紙、ガラ
スおよびこれらの任意の2種類以上のものを貼り合わせ
たものが挙げられるが、好ましくは、耐熱性、柔軟性に
優れる不透明なポリエステル系合成紙が好ましい。好ま
しい不透明度は、全光線透過率で60%以下である。不
透明性が不良の場合は、壁等に貼り付けた際に裏地が見
える問題が発生する。
【0012】ポリエステル系合成紙とは、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳
香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、14−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合
させて製造されるポリエステル中に空洞を含有する不透
明なフィルムである。
【0013】空洞を発現させる方法は、特に限定される
ものではないが、好ましくは以下にのべるポリエステル
に非相溶の熱可塑性樹脂を混合、溶融、押し出しした未
延伸シートを少なくとも1軸方向に延伸することによ
り、内部に微細な空洞を多数含有する方法である。
【0014】ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂と
しては、具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げ
られる。特にポリスチレン系樹脂、ポリメチルペンテ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ま
しい。
【0015】ポリエステルとポリエステルに非相溶性の
熱可塑性樹脂を混合させた未延伸シートは、たとえば、
各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融混練した後、押
出して固化することによって得られる方法や、あらかじ
め混練機によって両樹脂を混練したものを更に押出機よ
り溶融押出して固化する方法や、ポリエステルの重合工
程においてポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を添
加し、かくはん分散して得たチップを溶融押出して固化
する方法などによっても得られる。固化して得られた未
延伸シートは通常、無配向もちくは弱い配向状態のもの
である。また、ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂
はポリエステル中に、球状もしくは楕円球状、もしくは
糸状など様々な形状で分散した形態をとって存在する。
【0016】ポリエステルに混合されるポリエステルに
非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、目的とする空洞の量に
よって異なるが、混合物全体に対して3重量%〜39重
量%が好ましく、特に6〜35重量%が好ましい。3重
量%未満では、空洞の生成量を多くすることに限界があ
り、目的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆
に、40重量%以上では、ポリエステルフィルムの持つ
耐熱性や強度、特に腰の強さが著しく損なわれる。
【0017】フィルムには、必要に応じて隠ぺい性や描
画性を向上させるため無機粒子を含有することができ
る。このための無機粒子としは二酸化チタン、二酸化珪
素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウ
ム、カオリン、タルクなどが挙げられるが特に限定され
るものではない。
【0018】重合体混合物には、用途に応じて着色材、
紫外線吸収、蛍光剤、帯電防止剤、減粘剤、酸化防止
剤などを添加することも可能である。
【0019】本発明においては、表層と中心層を積層し
たいわゆる複合フィルムとすることとしてもよい。その
方法は特に限定されるものではない。しかし生産性を考
慮すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出
し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なく
とも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層が
もっとも好ましい。
【0020】本発明の空洞含有フィルムは、単層フィル
ムであっても、2層以上の複合フィルムであってもかま
わない。
【0021】延伸方法としては、チューブラ法延伸、同
時二軸延伸、逐次二軸延伸等が挙げられが、平面性、寸
法安定性、厚みムラ等から逐次二軸延伸が好ましい。逐
次二軸による延伸の具体例としては、長手方向にポリエ
ステルのガラス転移温度の+0〜30℃で、2.0〜
5.0倍にロール延伸し、引き続き、120〜150℃
で倍率を1.2〜5.0倍にテンター延伸する。さら
に、延伸後に220℃以上で3〜8%緩和させながら熱
固定を行なう方法が挙げられる。
【0022】基材としては、白色であることが好まし
く、好ましい範囲はL≧80、−5≦a≦5、−5≦b
≦5である。
【0023】本発明において、このような基材上にイン
ク受容層を設けることにより記録材が得られるが、基材
とインク受容層の間にアンカー層を設けても良い。
【0024】アンカー層としては、基材とインク受容層
の密着性を向上させる為の層である。層を構成する樹脂
としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹
種などの化合物及びそれらの混合等が適用可能である。
【0025】アンカー層中には、滑り性の改善、インク
受容層との密着力向上を目的に各種の粒子を添加しても
良い。例えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カ
ルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カー
ボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、等の無機粒子、
アクリル、ナイロン、スチレン、ポリエステル、ベンゾ
グアナミン・ホルマリン縮合物、等の有機粒子が挙げら
れる。
【0026】更に、アンカー層には各種の目的で、界面
活性剤、帯電防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸
収剤等を添加しても良い。
【0027】また塗布層を設ける方法としては、グラビ
アコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレ
イコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート
方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式
など通常用いられている方法が適用でき、フィルムの成
膜工程でアンカー層を設けるインラインコート方式、成
膜後にアンカー層を設けるオフラインコート方式により
設けることができる。好ましくは、コスト的に有利であ
るインラインコート方式である。
【0028】本発明では、基材上に直接或いはアンカー
層を介してインク受容層を設ける必要がある。
【0029】インク受容層としては、粒子と非水溶性の
熱可塑性樹脂からなる多孔質構造を形成する必要があ
る。
【0030】多孔質層を形成する方法は特に限定される
訳ではないが、水又は水と親水性溶剤との混合液中に粒
子と樹脂を含有する塗液を基材上に塗布し乾燥する方
法、有機溶剤中に粒子と樹脂を含有する塗液を塗布し乾
燥する方法などが挙げられる。好ましくは、主溶剤が水
である方法で、水又は水と親水性溶剤との混合液中に粒
子、樹脂を分散した塗液を塗布することが好ましい。
【0031】前記粒子としては表面に細孔を有する合
成非晶質シリカを用いる。
【0032】 シリカの特性としては、平均粒径が0.1
μm〜30μ、細孔径10〜2000オングストロー
ムのものが好ましい。
【0033】 また、必要に応じて表面改質されたもので
も良い。表面処理としては、有機シラン、有機チタネー
トなどを用いた化学処理、パラフィンワックスやグリコ
ール系を表面に付着させる物理処理などがある。
【0034】このようなシリカとしては、市販物を好適
に選択できる。例えば、水沢化学製ミズカシル、徳山ソ
ーダ製トクシール、ファインシール、シオノギ製薬製カ
ープレックス、富士シリシア製サイリシア、グレースデ
ビソン製サイロイド、サイロジェット等が挙げられる。
【0035】粒子を結合する結着材としては、非吸水性
の熱可塑性樹脂であり、ガラス転移温度が−5℃〜10
0℃である必要がある。ガラス転移温度が高い場合には
乾燥過程での流動性が不良となり、特に乾燥が先に行わ
れる表面で造膜しやすく、表面でのインク吸収性が不良
となる。逆にガラス転移温度が低すぎる場合には、乾燥
工程での流動性が良すぎる為に、基材側に樹脂が集まり
易く、表層での粒子を結着する樹脂が低下して表面強
度が低下する問題が発生する。
【0036】 本発明で非吸水性樹脂とは、常温の水に対
して溶解せずかつ、常温の水を樹脂固体に対して10%
以上吸水しない樹脂のことであり、より好ましくは5%
以上吸収しない樹脂のことである。吸水性の評価として
は、樹脂の固体を常温で24時間浸漬したときの体積の
変化で測定することができる、具体的には実質的に非吸
水性の支持体、例えばアルミ箔、ガラス等の上に樹脂層
を数十μの厚みで塗布、乾燥し、18℃のイオン交換
水中に24時間浸漬した後の厚みの変化から測定でき
る。
【0037】 熱可塑性樹脂としては基材との密着性、
耐水性、耐候性等からポリエステル系樹脂を用いる
記ポリエステル系樹脂は、二塩基酸とグリコールからな
り、水に可溶、乳化または分散できるポリエステル樹脂
であり二塩基酸が、全ジカルボン酸の50〜05モ
ル%がスルホン酸金属塩基含有のジカルボン酸とスルホ
ン酸金属塩基を含まないジカルボン酸から構成され、こ
れら2種のジカルボン酸成分とグリコール成分とが共重
合されたスルホン酸金属塩含有熱可塑性ポリエステル樹
である。
【0038】 上記スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸と
しては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、5[4−スルホフエノキシ]イソフ
タル酸等の金属塩があげられ、特に好ましいのは5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフ
タル酸である。
【0039】これらのスルホン酸金属塩含有ジカルボン
酸は、全ジカルボン酸成分に対して50〜0.5モル
%、好ましくは20〜1モル%であり、50モル%を越
えると水に対する分散性は良くなるとしても共重合体の
耐水性が低下する。ポリエステル共重合体の水の中に対
する分散性は、共重合組成、水溶性有機化合物の種類及
び量などによって異なるが、上記スルホン酸金属塩基含
有ジカルボン酸成分の量は水に対する分散性を損なわな
い限り、少ない方がよい。
【0040】スルホン酸金属塩基を含まなジカルボン
酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のそれぞれのジカ
ルボン酸が用いられる。芳香族ジカルボン酸としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸などをあげることができる。
これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成分の4
0モル%以上であることが好ましく、40モル%未満で
あるとポリエステル共重合体の機械的強度や耐水性が低
下する。脂肪族、脂環族のジカルボン酸としては、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,3−シクロベンタ
ンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,3−シクロジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸などがあげられる。これら芳香族ジ
カルボン酸成分を加えると接着性能が高められる場合も
あるが、一般にはポリエステル共重合体の強度や耐水性
は悪くなる。
【0041】上記ジカルボン酸混合物に反応させるグリ
コール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコー
ル、および6〜12個の脂環族グリコール、および両者
の混合物であり、エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
ブタンジオール、ネオベンルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、p −キシレング
リコールなどがあげられる。炭素数4個以上の脂肪族ジ
オールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコールなどがあげられ、またポリエーテルとしては
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。
【0042】ポリエステル共重合体は、通常の溶融重縮
合によって得られる。すなわち前述のジカルボン酸成分
およびグリコール成分を直接反応させ水を留去してエス
テル化したのち重縮合を行う直接エステル化法、あるい
はジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成
分を反応させ、メチルアルコールを留去してエステル交
換を行ったのち重縮合を行うエステル交換法によって得
られる。このほかに溶液重縮合や界面重縮合などによっ
ても重合体が得られ、この発明は上記いずれかの方法に
限定されるものではない。溶融重縮合の際には、必要に
応じて酸化防止剤、滑り剤、無機微粒子、帯電防止剤を
加えることができる。前述したポリエチレングリコール
などのポリエーテルは、溶融重縮合の際あるいは重合後
に溶融ブレンドして添加することができる。
【0043】樹脂を塗液中に含有させるためには、樹脂
水に分散させる必要がある。樹脂を水に分散、乳化す
る方法としては、樹脂と樹脂を溶解できる溶剤と水を加
熱した状態で攪拌し続ける方法、樹脂を有機溶剤に加熱
溶解した後に水を投入して分散させる方法が挙げられ
る。
【0044】上記のポリエステル系樹脂としては市販の
ものが好適に選択できる。例えば、東洋紡績製バイロナ
ール、大日本インキ製ファインテックス等が挙げられ
る。
【0045】粒子と熱可塑性樹脂の比率は、表面強度、
印刷特性との兼ね合いからある範囲にすることが好まし
く、かつ、選択する熱可塑性樹脂のガラス転移温度に合
わせて調節することが好ましい。
【0046】具体的には、粒子(A)と熱可塑性樹脂(B)の
重量比率(A/B)及び熱可塑性樹脂のTg(T)の関係が
下式であることが必要である。 A/B≧1.2 A/B≧T/100+0.8 A/B≦T/100+1.9
【0047】粒子と樹脂の重量比率が1.2より小さい
と粒子の表面を覆う樹脂量が多くなり、インク受容層中
の多孔質量が低下してインク吸収性が不良と成り易い。
【0048】ガラス転移温度が高い場合には、乾燥工程
での造膜性が高いことにより、表層での粒子を覆う樹脂
量が増え、表層でのインク吸収量が低下する。表層での
インク吸収量が低下した場合には厚み方向でのインクの
透が著しくなり沈んだ記録画像となる欠点が発生す
る。その為、ガラス転移温度が高い場合にはそれに合わ
せて粒子と樹脂の比率を調節することが良好な記録画像
を得るために好ましい。
【0049】一方、ガラス転移温度が低い場合には、乾
燥工程での流動性が高いことにより、表層での粒子を覆
う樹脂量が低下し、表層でのインク吸収量の増加が発生
し、更に低い場合には表面強度の低下が発生する。表層
でのインク吸収量が高すぎる場合には、インクを表層で
吸収することにより画像濃度の高い記録画像が得られや
すいが、ドット径が設計値よりも小さくなった場合に
は、ベタを印刷した際にドット間に隙間が現れるという
問題が生じる。その為、ガラス転移温度が低い場合に
は、粒子と樹脂の比率を低く調節することが良好な記録
画像を得るために好ましい。
【0050】本発明において多孔質とは内部に多数の空
隙が存在し、表面から内部にかけて連通していることで
ある。
【0051】インク受容層にはコート時のレベリング性
の向上、コート液の脱泡、滲み低減等を目的に界面活性
剤を添加することもできる。界面活性剤はカチオン系、
アニオン系、ノニオン系および非イオン性などいずれの
ものでも構わない。しかし、好ましくはシリコン系また
はフッソ系界面活性剤が好ましい。シリコン系界面活性
剤としてはジメチルシリコン、アミノシラン、アクリル
シラン、ビニルベンジルシラン、ビニルベンジシルアミ
ノシラン、グリシドシラン、メルカプトシラン、ジメチ
ルシラン、ポリジメチルシロキサン、ポリアルコキシシ
ロキサン、ハイドロジエン変性シロキサン、ビニル変性
シロキサン、ビトロキシ変性シロキサン、アミノ変性シ
ロキサン、カルボキシル変性シロキサン、ハロゲン化変
性シロキサン、エポキシ変性シロキサン、メタクリロキ
シ変性シロキサン、メルカプト変性シロキサン、フッ素
変性シロキサン、アルキル基変性シロキサン、フェニル
変性シロキサン、アルキレンオキシド変性シロキサンな
どが挙げられる。
【0052】フッ素系界面活性剤としては、4フッ化エ
チレン、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウ
ム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレ
ンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルア
ンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸
塩、パーフルオロアルキルりん酸エステル、パーフルオ
ロアルキルアルキル化合物、パーフルオロアルキルアル
キルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物など
が挙げられる。これらの界面活性剤はインク受容層のイ
ンク吸収性能が極度の低下しない程度に添加するのが好
ましい。
【0053】インク受容層には各種の添加剤をインク吸
収能力及び他の物性を損なわない程度に加えても構わな
い。例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸
収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、等が挙げ
られる。
【0054】インク受容層には各種の架橋剤を本発明の
目的を阻害しない範囲で添加しても良い。架橋剤として
は、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート
系等が挙げられる。
【0055】インク受容層を設ける方法は特に限定され
る物ではないが、グラビアコート方式、キスコート方
式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコー
ト方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、
リバースロールコート方式、バーコート方式、リップコ
ート方式など通常用いられている方法が適用できる。コ
ート量は特に限定されないが5g/m2から100g/
2であることが好ましい。コート量が少なすぎる場合
にはインク吸収容量が不足となり、インク多量部でニジ
ミ等の問題が発生する。逆にコート量が多い場合にはコ
スト的に不利になるばかりか、表面強度の低下、柔軟
性、カット性の不良が発生する場合がある。
【0056】インク受容層を設けた反対面には必要に応
じて各種の加工を行っても構わない。帯電防止層、粘着
層、筆記層等が挙げられる。
【0057】本発明の記録材に対して使用されるインク
は油性インクであれば如何なるものでも良く、染料或い
は顔料を溶剤に溶解或いは分散したものが好適に使用で
きる。
【0058】油性インクに使用させる染料としては、ナ
フトール染料、アゾ染料、金属錯塩染料、シアニン染
料、キノリン染料、ニトロ染料、アントラキノン染料、
キノイミン染料、インジゴ染料、ニトロソ染料、ベンゾ
キノン染料、カーボニウム染料、ナフトキノン染料、ナ
フタルイミド染料、フタロシアニン染料、ペリニン染料
などの油溶性染料が挙げられる。
【0059】油性インクに使用される顔料としては、ア
ルミニウム粉、ブロンズ粉、カーボンブラック、酸化チ
タン、酸化鉄、亜鉛華、アルミナホワイト、べんがら、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ク
レー、群青、黄鉛、コバルトブルー、紺青等の無機顔
料、ファストエローG、ファストエロー10G、ジスア
ゾエローAAA、ジスアゾエローAAMX、ジスアゾエ
ローAAOT、ジスアゾエローAAOA、オルトニトロ
アニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、ジスア
ゾオレンジ、ジスアゾオレンジ、ジスアゾオレンジPM
P、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラ
レッド、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッド
M、ブリリアントファストスカーレッド、ナフトールレ
ッド23、ピラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カ
ルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マン
ガンレッド2B、バリウムリソールレッド、レーキレッ
ドC、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレ
ット3Bレート、レーキボルドー10B、アンソシン3
Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレー
キ、エオシンレーキ、ナフトールレッドFGR、ローダ
ミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、キナクリド
ンレッドk、ジオキサジンバイオレット、ビクトリアピ
ュアブルーBOレーキ、ベーシックブルー5Bレーキ、
ベーシックブルー6Gレーキ、フタロシアンブルー、フ
ァストスカイブルー、アルカリブルーGトーナー、アル
カリブルーRトーナー、ピーコックブルーレーキ、レフ
レックスブルー2G、レフレックスブルーR、ブリリア
ントグリーンレーキ、ダイヤモンドグリーンチオフラビ
ンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴール
ド、フタロシアニングリーンY、アニリンブラック、ボ
ーンブラック、昼光蛍光顔料、パール顔料等が挙げられ
る。
【0060】油性インクで使用される溶剤としては、ヘ
ッドノズルの特性への適合性、安全性、乾燥性の観点か
ら種々の溶剤が選択され、必要に応じて複数の溶剤を混
合して用いる。このような溶剤としては、n−ヘキサ
ン、n−ペプタン、ゴム揮発油、ミネラルスピリッツ等
の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン、ソルベントナ
フサ1号、ソルベントナフサ2号、ソルベントナフサ3
号、ソルベッソ100、ソルベッソ150、テトラリン
等の芳香族炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、トリデシルアルコール、シ
クロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルア
ルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、グリセリン等のグリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チレンエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセ
テート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジ
エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレン
グリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコー
ルモノブチルアセテート等のグリコールエーテル類、酢
酸エチル、酢酸イソプロピレン、酢酸n−ブチル等のエ
ステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセ
トンアルコール等のケトン類、等が挙げられる。
【0061】油性インクには、保存安定性、耐擦過性等
を挙げる目的で、例えば、ポリアクリル酸エステル、ア
マニ油変性アルキッド樹脂、ポリスチレン、ロジン系樹
脂、テンペンフェノール系樹脂、アルキルフェノール変
性キシレン系樹脂などの樹脂を添加したり、可塑剤、ワ
ックス、ドライヤー、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、チキ
ソトロピー付与剤、消泡剤、抑泡剤、沈降防止剤、皮張
り防止剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、平滑剤、防カビ
剤、紫外線吸収剤、つや消し剤、帯電防止剤、安定剤、
難燃剤、表面張力調節剤、界面活性剤、粘度調節剤など
の添加剤を添加することもできる。
【0062】かくして得られた記録材は、油性インクを
用いたインクジェット記録方式において、画像濃度が高
く、発色性に優れた高画質な記録が可能であり、かつ耐
水性が良好なものである。
【0063】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものでは無い。また、
実施例において「部」又は「%」は、特に明示しない限
り重量部及び重量%を示す。
【0064】<評価方法> 以下に挙げた実施例及び比較例で作製した記録材は、次
ぎの方法で評価を行った。
【0065】(1)記録品位1(油性インク) 解像度720dpi、インク量は単色(黒、シアン、マ
ゼンタ、イエロー)を最大で約24ml/m2、二次色
(赤、青、緑)で最大約48ml/m2になるように調
節したピエゾ型オンデマンド方式のインクジェットプリ
ンターを用いて、オリンパス光学工業製インクジェット
プリンターIJP−3600用油性顔料インクを噴射し
て、写真調の画像とイラストを出力して目視で評価し
た。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れた記録である ○:鮮やかで、発色性に優れた記録である △:若干発色性が劣るが問題無いレベルの記録である ×:くすみのある記録、或いは、発色性の乏しい記録
【0066】(2)印刷品位2(水性顔料インク) ミマキエンジニアリング製JV2−130及びその純正
インクを用いて上記(1)と同様に写真調画像、イラス
トを印刷し、目視で評価を行った。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れた記録である。 ○:鮮やかで、発色性に優れた記録である。 △:若干発色性が劣るが問題無いレベルの記録である。 ×:くすみのある記録、或いは、発色性の乏しい記録
【0067】()印刷品位3(水性染料インク) エプソン製PM−700C及びその純正インクを用い
て、上記(1)と同様に写真調画像、イラストを印刷
し、目視で評価を行った。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れた記録である。 ○:鮮やかで、発色性に優れた記録である。 △:若干発色性が劣るが問題無いレベルの記録である。 ×:くすみのある記録、或いは、発色性の乏しい記録
【0068】(4)全光線透過率 JIS K−7105に準じて測定した。
【0069】(5)耐水性 記録材を23℃の水中に24時間浸漬した後、指で数回
擦り、23℃の環境下で24時間自然乾燥させた後に、
水中浸漬していないものと目視で比較した。○:差がな
い △:若干の変化あるが、問題ないレベル ×:明白に差がある
【0070】(6)表面強度 ニチバン製セロテープをインク受容層に貼り、23℃の
環境下で1時間放置した後に緩やかに剥がした場合に、
セロテープ側に受容層が付着していないものを○、セロ
テープ側に若干のインク受容層が付着しているものを
△、セロテープ一面にインク受容層が付着してるもの
を×とした。
【0071】実施例 基材準備 固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂8
4重量%にポリスチレン(三井東圧製T570−57
U)を5重量%、ポリプロピレン(三井東圧化学(株)
製、ノ−ブレンFO−50F)を7重量%、酸化チタン
(富士チタン(株)製TA−300)を4重量%を原料と
し、2軸スクリュ−押出機に投入し、T−ダイスよる2
90℃で溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロ−ルに密
着固化し、重合体混合物の未延伸シ−トを得た。引き続
き該未延伸シ−トをロ−ル延伸機で90℃に加熱して
3.5倍縦延伸を行い、引き続きテンタ−で140℃に
加熱して3.7倍横延伸したあと、235℃で4%緩和
させながら熱処理してフィルムを得た。得られたフィル
ムは厚み100μ、比重1.1、全光線透過率12%
の内部に多数の空洞を含有するポリエステル系フィルム
であった。尚、走査型電子顕微鏡で表面観察した結果、
表面に空洞は観察されず、非多孔質であった。
【0072】樹脂準備 温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中に、テレフタ
ル酸35重量部、イソフタル酸35重量部、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸9重量部、エチレングリコール
27重量部、ネオペンチルグリコール46重量部、テト
ラブトキシチタネート0.1重量部、を仕込み180〜
230℃で120分間加熱してエステル交換反応を行っ
た。次いで反応系を250℃まで昇温し、系の圧力1〜
10mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合
ポリエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリ
エステル樹脂(A1)は還元粘度0.40dl/g、ガ
ラス転移温度61℃、組成はNMR分析の結果、酸成分
として、テレフタル酸47.0mol%、イソフタル酸
46.0mol%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
7.0mol%アルコール成分として、エチレングリコ
ール50.0mol%ネオペンチルグリコール50.0
mol%であった。さらに表1に示すようにして同様
に、(A2)〜(A)を得た。それらの特性値は表1
に示した通りである。次ぎに、樹脂(A1)に対して5
0%のエチレングリコールモノブチルエーテルを加えて
130℃まで昇温して溶解した後に80℃まで降温し、
攪拌しながら温水を固形分濃度が30%に成るように添
加して水分散体(P1)を得た。同様にして、樹脂(A
2)〜(A5)に対して水分散体(P2)〜(P5)を
得た。これら水分散体(P1)〜(P5)をスライドガ
ラス上に乾燥厚約30μに塗工し、これを18℃のイ
オン交換水に24時間浸漬した。浸漬前後の厚み変化よ
り樹脂(A1)〜(A5)の水に対する膨潤率は1%以
下であった。
【0073】
【表1】
【0074】塗液準備 粒子(富士シリシア製サイリシア450)を固形分濃度
が20重量%になるように水を添加し、ホモジナイザー
を用いて5000rpmで30分間分散して粒子分散液
を作成した。界面活性剤(大日本インキ製メガファック
F−142D)をイソプロピルアルコールで同量希釈
し、更に水で5倍に希釈して固形分濃度10重量%の界
面活性剤希釈液を作成した。
【0075】塗液の作成 以下の重量混合比で塗液を作成した。 イオン交換水 10.55部 粒子分散液 68.34部 樹脂(P2) 20.71部 蛍光増白剤 0.09部 (チバスペシャリティー・ケミカルズ製UvitexEBF250%) 界面活性剤希釈液 0.31部
【0076】記録材の作成 上記基材上に、上記塗液を#60のワイヤーバーで塗布
し、160℃に保ったオーブンで3分間乾燥して記録材
を得た。
【0077】実施例2〜9 表2に記載の樹脂種、粒子と樹脂の重量比にしたこと以
外は、実施例1と同様に記録材を得た。
【0078】実施例10〜12 粒子をシリカ(グレースデビソン製サイロイドW90
0)にし、かつ、表2に記載の樹脂と粒子の重量比率に
したこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。
【0079】比較例1〜6、9 樹脂種、粒子及び樹脂と粒子の重量比率を表2に記載の
ものにしたこと以外は実施例1と同様に記録材を得た。
【0080】比較例7〜8 表2に記載の樹脂と粒子の重量比率に変更したこと以外
は実施例10と同様に記録材を得た。
【0081】比較例10 樹脂を部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレ製PV
A−217)にしたこと以外は実施例1と同様に記録材
を得た。
【0082】比較例11 基材として全光線透過率が91%の透明ポリエステルフ
ィルム(東洋紡績(株)製A4100−100μ)を用
いたこと以外は実施例1と同様にして記録材を得た。印
刷特性、表面強度は実施例1と同等評価であったが、壁
に貼り付けて掲示した場合に壁紙の模様が見えて印刷品
位が低下する欠点が発生した。
【0083】上記の結果はまとめて表2に記載した。
【表2】
【0084】
【発明の効果】本発明の油性インク用インクジェット記
録材は、画像濃度が高く、発色性に優れた高画質な記録
が可能であり、かつ耐水性が良好ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 靖 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平11−138983(JP,A) 特開 平11−268402(JP,A) 特開 平12−335096(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明基材上にインク受容層を設けた油
    性インク用インクジェット記録材であって、前記インク
    受容層は、表面に細孔を有する合成非晶性シリカ粒子
    (A)と非吸水性のスルホン酸金属塩基含有熱可塑性
    リエステル樹脂(B)から主に構成される多孔質層であ
    り、前記多孔質層は水または水と親水性溶剤との混合液
    中に粒子(A)と非吸水性の熱可塑性樹脂(B)を分散
    させた塗液を基材上に塗布、乾燥して形成され、かつ粒
    子(A)と熱可塑性樹脂(B)の重量比率(A/B)及
    び非吸水性の熱可塑性樹脂のTg(T:℃)の関係が下
    式(1)〜(4)を満足することを特徴とする油性イン
    ク用インクジェット記録材A/B≧1.2 …(1) −5≦T≦100 …(2) A/B≧T/100+0.8 …(3) A/B≦T/100+1.9 …(4)
  2. 【請求項2】 不透明基材が非多孔質であることを特徴
    とする請求項記載の油性インク用インクジェット記録
  3. 【請求項3】 不透明基材がポリエステル系樹脂シート
    であることを特徴とする請求項1または2記載の油性イ
    ンク用インクジェット記録材
  4. 【請求項4】 不透明基材が微細な空洞を含有するポリ
    エステル系合成紙であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の油性インク用インクジェット記録
  5. 【請求項5】 不透明基材の光線透過率が60%以下で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    油性インク用インクジェット記録材
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