JP3546590B2 - 空燃比センサー - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,シート状の素子部と加熱部とを積層してなる空燃比センサーに関し,特に始動の高速性と耐久性とを合わせて実現することの出来る空燃比センサーに関する。
【0002】
【従来技術】
内燃機関の空燃比が適切でないと,車両の燃費が悪化すると共に大気汚染の原因となる。そのため,空燃比センサーを用いて内燃機関の空燃比を検出し空燃比を適切にする制御が行われている。そして,上記空燃比センサーは,車両の始動時から迅速に作動出来るものが望まれており,このような高速応答性を実現するために,固体電解質を用いたシート状の素子部とシート状の加熱部とを一体に積層してなる積層型の空燃比センサーが知られている。
【0003】
例えば,図10に示すように,積層型の空燃比センサー90は,ジルコニア系固体電解質のシートに多孔質の電極911,912を備えた酸素ポンプセル91と,同様にジルコニア系固体電解質のシートと多孔質の電極921,922とを備え環境の酸素分圧に対応して電気化学的な変化を示す酸素センシングセル92とを有し,上記酸素ポンプセル91と酸素センシングセル92との間に測定ガス室93を配置し,酸素センシングセル92の他方の側に基準ガス室94を配置する。
【0004】
上記測定ガス室93は,上記酸素ポンプセル91のガス拡散制御部913を介して被測定ガスに満ちた外部に連通し,酸素ポンプセル91によって周囲の被測定ガス雰囲気との間に酸素の汲み入れ又は汲み出しを行うものである。そして,酸素センシングセル92は,大気を導入した基準ガス室94と比較して測定ガス室93内の酸素ガス分圧を検知する。
【0005】
また,基準ガス室94の他方の側部には,センサーを迅速に立ち上げ且つ温度をほぼ一定に保持するために,抵抗素子951を備えた加熱シート95が配設されている。加熱シート95は,ヒーター電源955から抵抗素子951に電力の供給を受けて昇温し,酸素ポンプセル91及び酸素センシングセル92の電極911,912,921,922の近傍を加熱する。
【0006】
上記抵抗素子951は,Pt系合金とアルミナとのサーメットからなり,アルミナの絶縁シート952上に膜状に形成され,アルミナの絶縁シート953で覆われている。また,空燃比センサー90は,通常抵抗素子951の抵抗値の変化に基づいて素子の温度を制御する(図11参照)。図11において,Rは室温(20℃)での抵抗値を示し,Rは温度Tにおける抵抗値を示す。
【0007】
また,図10において,符号961は測定ガス室93を穿設したアルミナシート,符号962は基準ガス室94を穿設したアルミナシートである。また,符号97は検出信号を増幅するアンプ,符号971はアンプ97の入力レベルを決める基準電圧源,符号972は印加電圧のレベルを調整する分圧抵抗である。
【0008】
そして,車両の空燃比センサーは,逐次基準が強化されつつある排気ガス規制に対応するため,車両の始動後できるだけ速やかに作動することが要求されている。そのため,センサーが作動する温度まで迅速に昇温させる必要があり,ヒーターと反応部との間の熱伝導の良好な上記積層型の構造の空燃比センサー90が注目されている。
【0009】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記空燃比センサー90を高速に立ち上げるために固体電解質の素子を急速に加熱すると,昇温時に素子が割れるという不具合が発生し寿命を短くするという問題がある。
そして,近年HCに対して更に厳しい規制値の設定が予定されており,このHCはエンジン始動初期に大量に発生するので,このような基準に対応するためには,エンジン始動後5秒以内にセンサを作動させなければならず,急速に素子を加熱する必要がある為,熱応力によって生ずる素子の破壊現象に対処する必要がある。
【0010】
即ち,図10に示す積層型の空燃比センサー90において,5秒以内に室温から素子の作動開始温度である600℃近傍に急速加熱すると,絶縁シート952,953が熱応力に耐えられず破損するという不具合が発生する。
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり,急速に昇温させ作動させることが出来ると共に耐久性に優れた空燃比センサーを提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】
請求項1の発明によれば,積層型空燃比センサーを構成する加熱シートは,α−アルミナ,ステアタイト及びムライトの中の1つ又は複数を主成分とする板状の絶縁シートと,この絶縁シート上に膜状に形成した抵抗素子と,この抵抗素子を覆うα−アルミナ,ステアタイト及びムライトの中の1つ又は複数を主成分とする板状の絶縁シートとからなり,抵抗素子の抵抗温度係数は0.5×10〜2.0×10ppm/℃の範囲内にある。
その結果,反応部の温度上昇カーブにおける温度の変化率(dT/dt)が小さくなり(図9から図6への変化),実験データによって詳細に後述するように,始動時に素子が破損する不具合を抑制することができる。
【0012】
従来の空燃比センサー90における抵抗素子951の発熱体であるPtの抵抗温度係数は,約3.1×10ppm/℃である。そのため,自己発熱により図11に示すように抵抗値が変化し,その結果一定電圧を印加した場合にその発熱量は図8に示すように抵抗値に反比例するように変化する。そして,上記抵抗素子951によって加熱される空燃比センサー90の素子は,図9に示すように昇温する。
【0013】
図9に示すように,始動後の時間によって素子の昇温温度勾配(℃/秒)が変化し,この温度勾配に対応した熱応力が素子及び加熱シートに逐次発生する。そして,この熱応力(即ち温度勾配)が素子を構成する部材,とくに発熱部の絶縁シート952,953の強度の限界を越えると,絶縁シート952,953の破損を引き起こすこととなる。
【0014】
しかしながら,請求項1の発明では,抵抗素子の抵抗温度係数は0.5×10〜2.0×10ppm/℃の範囲内とし,従来の抵抗温度係数3.1×10ppm/℃よりも低く設定した。そのため,始動時の温度の変化率が小さくなり,α−アルミナ,ステアタイト及びムライトの中の1つ又は複数を主成分とする板状の絶縁シートを用いた場合に,始動時の熱応力による破損が生じなくなる。
しかしながら,一方では,抵抗温度係数の絶対値が小さくなり過ぎると,抵抗値の変化に基づいて素子の温度を検知することが困難となり,温度検知精度が低下するという問題が生ずる。従って,抵抗温度係数は,0.5×10ppm/℃以上であることが好ましい。
【0015】
そして,上記範囲の抵抗温度係数を容易に実現することが出来ると共に,絶縁シート上に膜状に抵抗層を形成することの出来る加工性に優れた抵抗材料として,請求項2記載のように,Pt−Rh系合金,Pt−Pd系合金又はPt−Ir系合金と,アルミナとを含むサーメットがある。
【0016】
実施形態例1
本例は,図1,図2に示すように,固体電解質からなる板状の酸素検知用の反応部(センシングセル11及びポンピングセル21)と,上記反応部を加熱する電熱式の加熱シート30とを,適宜スペーサ等を介して積層してなる空燃比センサー1である。
加熱シート30は,α−アルミナ,ステアタイト及びムライトの中の1つ又は複数を主成分とする板状の絶縁シート31と,この絶縁シート31上に膜状に形成した抵抗素子32と,抵抗素子32を覆うα−アルミナ,ステアタイト及びムライトの中の1つ又は複数を主成分とする板状の絶縁シート33とを有している。そして,抵抗素子32の抵抗温度係数は,図4の直線61,62の傾きが示すように,0.5×10〜2.0×10ppm/℃の範囲内にあり,抵抗素子32は,Pt−Pd系合金とアルミナとを含むサーメットにより構成されている。
【0017】
以下,それぞれについて説明を補足する。
センシングセル11は,図1,図2に示すように,固体電解質(ジルコニア)のシート110の両面に検出信号(酸素の濃淡起電力)を取り出す電極121,122が配置されている。そして一方の電極(測定電極)122は,図1に示すように,スルーホール125や導電体を介して他方の電極(基準電極)121の配置面に設けた端子パターン124と接続されている。そして,それぞれの電極121,122は,端子パターン123,124を経てリード線141,142と電気的に接続されている。また,リード線141,142は,セラミックシート35と固体電解質シート110によって挟持されている。
【0018】
ポンピングセル21は,同様に固体電解質(ジルコニア)のシート210の両面に酸素イオンを移動させるためのポンプ電極221,222が配置されている。そして一方のポンプ電極222は,図1に示すように,スルーホール225や導電体を介して他方のポンプ電極221の配置面に設けた端子パターン224と接続されており,それぞれのポンプ電極221,222は,端子パターン223,224を経てリード線143,144と電気的に接続されている。そして,リード線143,144は,セラミックシート36と固体電解質シート210によって挟持される。
【0019】
また,上記セラミックシート36には,測定ガス室360がを設けられ,セラミックシート35には,大気を導入する基準ガス室350が形成されている。
一方,セラミックシート35の反対側の面に配置された加熱シート30は,絶縁シート31の上に抵抗素子32が印刷されており,抵抗素子32は抵抗温度係数が2.0×10ppm/℃以下の抵抗発熱体からなる。そして,抵抗素子32は,絶縁カバー33と絶縁シート31によって挟持されるリード線34と接続されている。
【0020】
次に上記空燃比センサー1の製造工程について説明する。
始めに,センシングセル11とポンピングセル21に用いるジルコニア生シートの製造について説明する。
最初に,6モル%のイットリアと94モル%ジルコニアからなる平均粒径0.5μmのイットリア部分安定化ジルコニア100部(重量部,以下同じ),α−アルミナ1部,PVB(ポリビニルブチラール)5部,DBP(ディブチルフタレート)10部,エタノール10部,トルエン10部よりなるセラミック混合物を用意する。
【0021】
次いで,このセラミック混合物をボールミルの中で一様に混合し,そのスラリーをドクターブレード法によって,乾燥時の厚さが0.3mmとなるようにシート状に成形する。
そして,得られたシート状の成形体を5×70mmの長方形に切断し,前記測定電極122を基準電極121の側の端子パターン124に接続するために,スルーホール215を形成する。次に,白金(Pt)ペーストを用いて測定電極122,基準電極121及び端子パターン123,124をスクリーン印刷法により形成し,センシングセル11の生シートとする。
【0022】
同様に,上記シート状の成形体を5×70mmの長方形に切断し,所定の位置に0.5φの排気ガス導入用の穴215を開ける。次いで,一方のポンプ電極222を他方のポンプ電極221の側の端子パターン224に接続するために,スルーホール225を形成する。次に,白金(Pt)ペーストを用いて上記ポンプ電極222,221及び端子パターン223,224をスクリーン印刷法により形成し,ポンピングセル21の生シートとする。
【0023】
次に,セラミックシート35,36,絶縁シート31及び絶縁カバー33を形成するためのアルミナ生シートの製造について説明する。
始めに,平均粒径0.3μmのα−アルミナ98部,6モル%イットリア部分安定化ジルコニア3部,PVB(ポリビニルブチラール)10部,DBP(ディブチルフタレート)10部,エタノール30部,トルエン30部よりなるセラミック混合物を用意する。
次いで,このセラミック混合物をボールミルの中で一様に混合し,そのスラリーをドクターブレード法によって,乾燥時の厚さが0.3mmとなるようにシート状に成形する。
【0024】
そして,得られた0.3mmの厚さのシート状の成形体を5×70mmの長方形に切断し,白金(Pt)とパラジウム(Pd)が重量比で(3:1)に構成され且つ10wt%のアルミナが含まれたペースト(以下タイプAのペーストという),又は白金(Pt)とパラジウム(Pd)が重量比で(9:1)に構成され且つ10wt%のアルミナが含まれたペースト(以下タイプBのペーストという),のいずれかのペーストを用いてスクリーン印刷法により,抵抗素子32を上記長方形のシート上に印刷し加熱シート30を構成する絶縁シート31の生シートとする。
【0025】
なお,上記抵抗素子32を印刷する領域は,センシングセル11及びポンピングセル21の電極121,122,221,222を投影させた領域を完全に内側に含む領域とし,かつ抵抗素子32の端子間の抵抗値が所定の値,例えば2.0Ωとなるようにする。
そして,上記シート状の成形体を5×70mmの長方形に切断し,加熱シート30を構成する絶縁カバー33の生シートとする。
【0026】
また,センシングセル11とポンピングセル21の間に挟持されるセラミックシート36の場合には,上記0.3mmの厚さのシート状の成形体を5×70mmの長方形に切断し,測定電極121とポンプ電極221との間に空間が生ずるように,測定ガス室360用の長方形の穴を設けて生シートとする。
【0027】
一方,センシングセル11と加熱シート30の間に挟持されるセラミックシート35の場合には,上記0.3mm厚のシート状の成形体と同一の製法により製造した0.5mmの厚さの成形体を5×70mmの長方形に切断する。そして,この長方形のシートのリード線を配置する側から2×65mmの大きさの長方形の領域を切除し,コの字形の帯状の生シートを形成する。そして,上記長方形の切除部が前記基準ガス室350を形成する。
【0028】
また,リード線141〜144は,0.2φの13%Rh−Pt線を長さ7mmに切ったものを用いる。
そして,上記各生シート(所謂グリーンシート)とリード線141〜144とを,常温にて感圧接着性を有するペーストを用いて図1に示す配置に従って積層して圧着して積層体とする。次いで,この積層体を1500℃で1時間焼成して本例の空燃比センサー1の本体を製造する。
【0029】
次に,本例の空燃比センサー1の特性を従来装置の特性と比較した実験の結果を示す。
なお,下記に述べる実験において本例の空燃比センサー1と比較するために,比較用に製作した従来型の空燃比センサーは,抵抗素子を形成するペーストとして従来から用いられているPtと10wt%のアルミナからなるペースト(以下タイプMのペーストという)を用い,本例の空燃比センサー1と全く同様に構成されたものである。そして,その抵抗温度係数は,図4の直線991で示すような特性を有している。
【0030】
そして,上記実験に供した各空燃比センサーの抵抗素子の抵抗温度係数は下記に述べる方法で測定した。
上記抵抗温度係数を測定するために,白金(Pt)とパラジウム(Pd)が重量比で(3:1)に構成され且つ10wt%のアルミナが含まれた前記タイプAのペースト,及び白金(Pt)とパラジウム(Pd)が重量比で(9:1)に構成され且つ10wt%のアルミナが含まれた前記タイプBのペースト,そして従来から用いられているPtと10wt%のアルミナからなるタイプMのペーストの3種類のペーストを用意し,それぞれのペーストを用いて絶縁シート31に抵抗素子をスクリーン印刷し,それぞれを前記抵抗値に設定して3種類の比較用の抵抗素子シートを準備した。
【0031】
そして,上記抵抗素子の抵抗温度係数を測定するために,各サンプルにPtのリード線を取り付けた後,任意の温度に設定可能な電気炉の中にセットした。そして,図7に示すように,抵抗素子32に電源45から電圧を加え,電圧計47で抵抗素子32の端子間の電圧を測定し,電流計46で抵抗素子32に流れる電流を測定した。そして,上記電圧値と電流値とから各サンプルの抵抗値を測定した。その結果は,図4にプロットして示されており,同図において,直線991は従来の抵抗素子(ペーストM)を,直線61は本例のペーストAの抵抗素子を,そして直線62は本例のペーストBの抵抗素子を示す。
【0032】
そして,次式により抵抗温度係数を算出した。次式において,R1000は1000℃における抵抗値を,R20は20℃における抵抗値を示し,抵抗温度係数の単位はppm/℃である。
抵抗温度係数={(R1000−R20)/R20}÷(1000−20)×10
算出結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0003546590
【0034】
始めに,空燃比センサーの活性化迄の時間と素子破損との関係の実験結果を示す。
実験は,20℃,5%の酸素ガスを含む窒素ガス雰囲気に各空燃比センサーを設置し,図3に示すように,測定ガス室360から外部に酸素を汲み出し汲み入れする為にポンピングセル21の電極221,222間には直流電源41を介して1Vの直流電圧を印加する。そして,センシングセル11の電極121,122間に直流電圧計42を接続して出力電圧を測定する。
【0035】
また,抵抗素子32には,可変直流安定化電源43から任意の電圧が印加出来るようにする。
更に,図示しない熱電対温度計によって加熱シート30の温度を測定し,700℃で抵抗素子32への電圧印加を停止するようにした。これは,昇温時の熱応力とは別の要因によって素子破壊が生じないようにし,昇温による素子破壊だけが測定できるようにするためである。
【0036】
空燃比センサーが活性化したか否かの判定は,抵抗素子32とポンピングセル21とへ同時に電圧を印加し,センシングセル11の出力電圧が0.45Vになった時点をもって活性化と判定し,その間の時間を活性化の時間とした。
そして,素子破壊(割れ)の有無は,上記測定後に染材で素子を染色し,破損に伴って割れ目に発現する色彩の有無によって判定した。
表1にその実験結果を示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003546590
【0038】
表1から分かるように,従来例と標記するタイプMのペーストを用いた空燃比センサーは,5秒間にセンサーの活性化を行うと素子破損を生ずる(×印で表示)。しかしながら,抵抗素子32にタイプAのペーストを用いる本例の空燃比センサー(実施形態例1−1と表記)及びタイプBのペーストを用いる本例の空燃比センサー(実施形態例1−2と表記)は,いずれも素子破損を生じない(○印で表示)。
【0039】
表1及び表2から分かるように,5秒間に実施形態例1の構造の空燃比センサー1を活性化するためには,抵抗温度係数が2.0×10ppm以下の抵抗素子を用いればよいことが分かる。
なお,熱応力の観点だけからは,抵抗温度係数は小さい程良いことになるが,抵抗温度係数に基づいて素子の温度を測定することが必要であり,この測定感度の観点からは,抵抗温度係数は正の値で大きいほど精度を高めることが出来る。そのため,抵抗温度係数は0.5×10ppm以上であることが好ましい。
【0040】
実施形態例2
本例は,実施形態例1の空燃比センサー1において,抵抗素子32のペーストに更にRh,Pd,Irを第二成分として添加したもう一つの実施形態例である。
本例の実験に供した抵抗素子32は,Ptの他に表3の左欄に示すRh,Pd,Irのいずれかを第二成分として加え,Ptと第二成分との比率を表3の左から2番目の欄に示すように調整したペーストによって形成した。
【0041】
そして,実施形態例1と同一の方法で活性化時間と素子割れの有無の関係を
測定し,またそれぞれのサンプルの抵抗温度係数を測定した。
表3の右欄は活性化時間と素子割れの有無の関係の測定結果を示すものであり,表4は抵抗温度係数の値を示す。
【0042】
【表3】
Figure 0003546590
【0043】
【表4】
Figure 0003546590
【0044】
表3が示すように,5秒でセンサーの活性化を行う基準には,PtとIrとの比率が3:2の場合を除いて表3の各サンプル共基準に合格する。そして,表4によって,この基準を満足するためには抵抗温度係数が2.0×10ppm以下であればよいことが分かる。
【0045】
更に,Rh,Pd,Irとを比較するならば,Irには昇華という現象が生ずる問題があるから,耐久性の点からPd,Rhがより好ましい。
また,今回の実験の対象から除外したPt族元素のRu,Osについても第二成分として用いる可能性を有している。
また,絶縁シートの材料は,実施形態例で示したものの他にα−アルミナ,ステアタイト及びムライトと同様の値の熱膨張係数を有するセラミックを用いることが出来ると思われる。
【0046】
なお,本例では,アルミナ絶縁シートの原材料としてα−アルミナを採用しているが,特にこれに限定されるものでなくγ−アルミナでもよい。即ち,焼成によって得られた最終物においてα−アルミナであればよく,原材料がα−アルミナに限定されるものではない。
また,本願では,抵抗素子32の抵抗温度係数により,自動的に図5に示すように発熱量が調整される構成を提示したが,図5に示すのと同様の発熱量の変化となるように,従来の抵抗素子に印加する電圧(電流)を制御することによっても素子の破損を防止することが出来る。しかしながら,この方法によれば,電圧(電流)の制御手段が必要となり,より構成が複雑となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の空燃比センサーの分解斜視図。
【図2】実施形態例1の空燃比センサーの横断面図。
【図3】実施形態例1の空燃比センサーの昇温の立ち上がりの特性を測定する回路を示す図。
【図4】実施形態例1の空燃比センサーの抵抗値の変化を示す図。
【図5】実施形態例1のペーストAのタイプの抵抗素子を用いた空燃比センサーの発熱量の変化を示す図。
【図6】実施形態例1のペーストAのタイプの抵抗素子を用いた空燃比センサーの素子の温度変化を示す図。
【図7】実施形態例1の抵抗素子の抵抗値を測定する回路を示す図。
【図8】従来の空燃比センサーの発熱量の変化を示す図。
【図9】従来の空燃比センサーの素子の温度変化を示す図。
【図10】従来の空燃比センサーの横断面図。
【図11】従来の空燃比センサーの抵抗素子の温度による抵抗値の変化を示す図。
【符号の説明】
1...空燃比センサー,
11...センシングセル,
21...ポンピングセル,
30...加熱シート,
31,33...絶縁シート,
32...抵抗素子,

Claims (2)

  1. 固体電解質からなる板状の酸素検知用の反応部と,上記反応部を加熱する電熱式の加熱シートとを,適宜スペーサ等を介して積層してなる空燃比センサーであって,
    上記加熱シートは,α−アルミナ,ステアタイト及びムライトの中の1つ又は複数を主成分とする板状の絶縁シートと,この絶縁シート上に膜状に形成した抵抗素子と,この抵抗素子を覆うα−アルミナ,ステアタイト及びムライトの中の1つ又は複数を主成分とする板状の絶縁シートとを有しており,
    上記抵抗素子の抵抗温度係数は0.5×10〜2.0×10ppm/℃の範囲内にあることを特徴とする空燃比センサー。
  2. 請求項1において,前記抵抗素子は,Pt−Rh系合金,Pt−Pd系合金又はPt−Ir系合金と,アルミナとを含むサーメットにより構成されていることを特徴とする空燃比センサー。
JP11582596A 1996-04-12 1996-04-12 空燃比センサー Expired - Lifetime JP3546590B2 (ja)

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