JP3540882B2 - 自動製氷機の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫内に設置され、氷を自動的に製造すると共に貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に製造した氷を自動的に補給する自動製氷機の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動製氷機能を備えた家庭用冷蔵庫等が知られているが、この冷蔵庫に取り付けられている自動製氷機の駆動装置として、例えば特開平6−249556号公報に開示されている製氷皿の駆動装置がある。
【0003】
この製氷皿の駆動装置では、モータの回転を複数のギヤを介してカム歯車に伝達し、当該カム歯車の軸に連結された製氷皿を回転駆動している。このカム歯車には検氷レバーを操作するカムとスイッチ作動レバーを操作するカムがそれぞれ形成されており、製氷皿の回転に連動して検氷レバー及びスイッチ作動レバーを操作している。
【0004】
カム歯車とモータとは、カム歯車の軸線方向からみて重ならないようにオフセットされて配置されている。また、検氷レバーはモータの側方に設けられたレバー軸に揺動自在に支持されており、モータやギヤ等との干渉を回避するように配置されている。モータ、検氷レバー、スイッチ作動レバー及び各ギヤ等は、ケース内に収容され、冷蔵庫内の所定位置に取り付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の製氷皿の駆動装置では、カム歯車とモータとをオフセットさせて配置しているので、また、検氷レバーを特別に設けられたレバー軸に取り付けているので、カム歯車やモータ等を収容するケースの大きさを十分に小型化することができなかった。この場合、カム歯車とモータとをオフセットさせることで、ケースの、カム歯車の軸線方向の寸法をある程度まで小さくして当該ケースを薄型にすることは可能ではあるが、冷蔵庫内に取り付けるためには、ある程度厚型であっても高さを低くして小型化されたケースの方が都合が良い。このため、冷蔵庫内に取り付けられる製氷皿の駆動装置としては、小型化の要請に対応しているとは言い難かった。
【0006】
本発明は、冷蔵庫内への取付に適するように小型化が図られた自動製氷機の駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、モータにより製氷皿を反転させて氷を落下させ、その後製氷皿を製氷位置に戻して氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、モータの回転を製氷皿に伝える歯車列と、該歯車列及びモータを収納するケースとを有し、歯車列のうち最も大きく形成した大径歯車の直径と、ケースの大径歯車の側面に平行な面の一方向長さとをほぼ同じ長さに形成し、製氷皿に回転力を伝達する連結軸を大径歯車に形成し、歯車列は、モータの出力軸上に連結されたウォームと、該ウォームの回転を減速して大径歯車に伝達する減速歯車を有し、ウォームを大径歯車の軸線方向からみて大径歯車と重なるように配置し、尚且つ連結軸を挟むようにして、大径歯車の直径とほぼ同じ長さとしたケースの上記一方向とほぼ直交する方向における一方側にモータを配設するとともに他方側に減速歯車を配設し、ケースの一側面のほぼ中央から連結軸を突出させるようにしている。したがって、ケースの大径歯車の側面に平行な面の一方向長さが短くなり、高さを低く抑えるようにしてケースが小型化される。また、連結軸に製氷皿を連結すると、ケースのほぼ中央の高さ位置に製氷皿が配置され、当該駆動装置の冷蔵庫内へのレイアウト上有利になる。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、大径歯車とモータとを、大径歯車の軸線方向からみて重なるように配置したものである。したがって、大径歯車とモータとをケース内でオフセットさせる必要がなくなり、高さを低く抑えるようにしてケースが小型化される。
【0009】
この場合、請求項3記載の発明のように、ケースを大径歯車の軸線方向に分割すると共に、モータを大径歯車の軸線方向からみて大径歯車に対して一部重ならないように配置し、この重ならない部分をケースにより狭持することが好ましい。したがって、ケース内にモータを配置した後ケースを合わせて閉じると、ケースがモータの重ならない部分を狭持してこれを固定する。
【0011】
さらに、請求項4記載の発明は、大径歯車にカムを形成すると共に、ケース内にカムによって操作される検氷レバーを設け、当該検氷レバーの支点を大径歯車を駆動する歯車と同軸上に配置するように構成している。したがって、検氷レバーを支持するための特別の軸部をケースに形成する必要がなくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2は、本発明に係る自動製氷機を示している。この自動製氷機1は冷蔵庫の製氷室内に設置されている。自動製氷機1は、図示しない貯氷容器の上方に配置された製氷皿2と、貯氷容器内の貯氷量を検知するために昇降する検氷アーム3と、製氷皿2及び検氷アーム3を連動させて駆動する駆動装置4を備えて構成されている。この駆動装置4は、検氷アーム3の先端を貯氷容器内に下降させ、その下降距離に基づいて貯氷容器内の氷の有無を検出する。そして、この駆動装置4は、氷の不足を検出した場合、製氷皿2を反転させて貯氷容器内に氷を落下させる。反転された製氷皿2は、冷蔵庫の機枠6に設けられた当接片7に当たってねじれ変形し、この変形を利用して氷を落下させる。その後、駆動装置4は製氷皿2を戻し、製氷皿2に注水して氷を製造する。
【0014】
この駆動装置4は、図3及び図4に示すように、製氷皿2に連結されてこれを反転させるカム歯車5と、このカム歯車5に操作される検氷機構10、スイッチ機構11及びブレーキ機構12を備えて構成されている。
【0015】
カム歯車5は、モータ13により回転される。モータ13の回転は、回転伝達手段14を介してカム歯車5に伝達される。この回転伝達手段14は、モータ13の出力軸13a上に連結されたウォーム(回転力伝達部材)15と、ウォーム15の回転を順次減速させる第1及び第2歯車17,18より構成されている。モータ13の出力軸13aには、図5に詳しく示すように、座金16が嵌め込まれて固定されている。この座金16は、ウォーム15内に挿入されている。座金16の形状は、ほぼ矩形状に成形されている。したがって、モータ13の出力軸13aとウォーム15との間には滑りが生じることはなく、これらは一体となって回転する。
【0016】
第1歯車17は、図4に詳しく示すように、上ケース8と下ケース9との間に回転自在に支持されている。この第1歯車17は、ウォームホイール17a及びピニオン17bより構成され、これらは一体成形されている。ウォームホイール17aは、ウォーム15に噛み合っている。
【0017】
第2歯車18は、上ケース8と下ケース9の間に回転自在に支持されている。この第2歯車18は、ギヤ18a及びピニオン18bより構成され、これらは一体成形されている。ギヤ18aは、第1歯車17のピニオン17bに噛み合っている。また、ピニオン18bは、カム歯車5のギヤ5aに噛み合っている。したがって、モータ13の出力軸13aの回転は、回転伝達手段14により次々に減速されながらカム歯車5に伝達される。
【0018】
図6は、カム歯車5を示している。このカム歯車5には、連結軸19が一体形成されている。この連結軸19は、上ケース8に設けられた孔8aから駆動装置4の外方に突出し、製氷皿2に連結されている。したがって、カム歯車5と製氷皿2とは、一体となって回転する。
【0019】
即ち、連結軸19はカム歯車5に形成され、図1〜3からも明らかなように、上ケース8の一側面のほぼ中央から突出している。
【0020】
また、カム歯車5の、上ケース8に対向する一側面5bには、溝20が周方向に沿って形成されている。この溝20内には上ケース8の内面に形成された突起21が挿入されており、カム歯車5の回転できる角度を所定の範囲に制限している。即ち、溝20の両端面に突起21が当たる位置が、カム歯車5の回転限界位置になる。本実施例の場合には、カム歯車5は、−8度から170度の範囲で回転できる。
【0021】
一方、カム歯車5の、下ケース9に対向する他側面5cには、環状の凹部22が形成されている。この凹部22の内周面は、第1カム面23を構成し、また、外周面は第2及び第3カム面24,25を構成している。各カム面23〜25は、所定の形状に成形されている。
【0022】
このカム歯車5は、図3及び図4からも明らかなように、モータ13の回転を製氷皿2に伝える歯車列のうち、最も径が大きく形成された大径歯車である。そして、カム歯車5の直径と、上ケース8及び下ケース9のカム歯車5の側面に平行な面の一方向長さ即ち図2における高さ方向の寸法とはほぼ同じ長さに形成されている。
【0023】
このカム歯車5の軸部分には、フリクションリング42が装着されている。フリクションリング42は、カム歯車5の他側面5cと下ケース9との間に配置され、カム歯車5に対して摩擦係合している。フリクションリング42の所定位置には、突起42aが一体成形されている。この突起42aは、後述する検氷レバー26の揺動を禁止することができる。
【0024】
また、フリクションリング42の下ケース9側の端面には、図示しない切欠が設けられている。この切欠は、下ケース9に一体成形された図示しない突起体に嵌合する。この切欠は、突起体に比べて大きく形成されている。したがって、フリクションリング42は、カム歯車5の回転に連動してこの切欠の両端が突起体に度当たりするまでの範囲で回転できる。本実施例では、フリクションリング42は、図17に示す位置から図18に示す位置までの範囲で回転する。
【0025】
検氷機構10は、カム歯車5に操作される検氷レバー(伝達部材)26と、この検氷レバー26を検氷アーム3に連結するコネクタ27と、検氷レバー26を揺動させるコイルスプリング28を備えて構成されている。
【0026】
検氷レバー26は、カム歯車5と下ケース9との間に配置されて第2歯車18と同軸上に揺動自在に取り付けられている。検氷レバー26の一端部のカム歯車5に対向する面には、円柱状の凸部26aが形成されている。この凸部26aは、カム歯車5に形成された第1カム面23のカムフォロアと成っている。また、検氷レバー26の一端近傍の下ケース9に対向する面には、突片29が形成されている。この突片29は、後述するマグネットレバー33の揺動を禁止することができる。また、検氷レバー26の他端は、図7に詳しく示すように、下ケース9に向けて開口するブリッジ形状を成している。検氷レバー26の他端には、このブリッジ形状を利用してコネクタ27が連結されている。
【0027】
コネクタ27は、図8に示すように、検氷レバー26側の保護リング(第1回転体)31と、検氷アーム3側の検氷軸(第2回転体)30と、これらの間に介在されたトーションスプリング32より構成されている。検氷軸30の小径部30aは、保護リング31内に挿入される。したがって、検氷軸30と保護リング31とは、同軸上に配置される。検氷軸30と保護リング31とは、検氷軸30に一体成形された一対の係止片30b,30cと保護リング31に一体成形された一対の係止片31a,31bとが度当たりするまでの範囲で相対的に回転できる。
【0028】
トーションスプリング32の両端は、検氷軸30及び保護リング31に一体成形された各係止部30d,31cに引っかけられている。トーションスプリング32は組み付け前に予め所定の力で捻られており、検氷軸30と保護リング31との間にねじり方向の予荷重を与えてこれらの相対回動を規制している。なお、図9に検氷軸30を、図10に保護リング31をそれぞれ詳しく示す。
【0029】
また、保護リング31の外周面には、径方向外側に向けてアーム31dが形成されている。このアーム31dは、検氷レバー26の他端のブリッジ形状の開口部分に下ケース9側から挿入されている。したがって、検氷レバー26が揺動した場合、図7に示すように、検氷レバー26の他端の移動に伴ってアーム31dの先端も移動され、保護リング31が回転する。この保護リング31の回転は、トーションスプリング32を介して同軸上の検氷軸30に伝達される。この検氷軸30には、検氷アーム3が取り付けられている。即ち、検氷レバー26の揺動運動は直接コネクタ27の回転運動に変換され、検氷アーム3を昇降操作する。検氷軸30と保護リング31とは同軸上に配置されているので、コネクタ27を小型にすることができる。
【0030】
このように構成されたコネクタ27は、検氷アーム3側からの入力を吸収し、検氷レバー26及びカム歯車5を保護する安全装置として機能する。即ち、検氷アーム3に外力が作用すると、検氷軸30は検氷アーム3と一体的に回転し、いわゆる逆駆動の状態になる。しかしながら、この検氷軸30の回転は、検氷軸30と保護リング31とが相対的に回転し、また、トーションスプリング32が弾性変形することで吸収され、検氷レバー26に連結されている保護リング31を無理に回転させることはない。
【0031】
一方、保護リング31のアーム31dの先端には、検氷軸30側に向けてシャフト31eが形成されている。このアーム31dには、スプリング28の一端が係止されている。このスプリング28の他端は、下ケース9の所定位置に係止されている。したがって、保護リング31、即ちコネクタ27は検氷アーム3を下降させる方向に予荷重が付与されており、また、検氷レバー26は揺動する方向に予荷重が付与されている。
【0032】
スイッチ機構11は、図11に示すように、カム歯車5に操作されるマグネットレバー33と、マグネットレバー33の揺動に応じて検出信号を変化させるホールIC34を備えて構成されている。
【0033】
マグネットレバー33は、検氷レバー26と下ケース9との間に配置され、下ケース9に一体成形されている軸部9aに揺動自在に取り付けられている。マグネットレバー33の一端部のカム歯車5側の面には、円柱状の凸部33aが形成されている。この凸部33aは、カム歯車5に形成された第2カム面24のカムフォロアと成っている。したがって、カム歯車5が回転した場合、凸部33aが第2カム面24に沿ってカム歯車5の径方向に移動し、マグネットレバー33が揺動する。このマグネットレバー33は、同図中二点鎖線で示す非作動位置と実線で示す揺動位置との間を揺動できる。
【0034】
また、マグネットレバー33の所定位置には突起35が形成されている。この突起35は、検氷レバー26に形成された突片29の近傍に位置している。この突起35に突片29が当たっている状態では、マグネットレバー33は揺動することができない。一方、マグネットレバー33の他端部には、ホールIC34に影響を与える永久磁石36が取り付けられている。
【0035】
ホールIC34は、下ケース9に取り付けられたプリント配線基板37上に固定され、マグネットレバー33が非作動位置に在る場合にその他端部の永久磁石33に対向するように配置されている。このホールIC34は、コントローラ39に電気的に接続されている。そして、マグネットレバー33が非作動位置に在る場合、このホールIC34は検出信号として低レベルの信号(以下、L信号と記す)をコントローラ39に出力する。一方、マグネットレバー33が揺動されている場合、このホールIC34は検出信号として高レベルの信号(以下、H信号と記す)をコントローラ39に出力する。
【0036】
ホールIC34は、カム歯車5が−8度から170度まで回転する間に3箇所の位置でH信号を出力する。即ち、マグネットレバー33を操作する第2カム面24には所定の3箇所の位置に凹み部分が形成されており、マグネットレバー33の凸部33aがこれらの凹み部分に到達してこのマグネットレバー33が揺動する度に、ホールIC34はH信号を出力する。出力されたH信号は、その発生位置の違いにより製氷位置信号、検氷位置信号(識別信号)又は離氷位置信号としてコントローラ39に認識される。コントローラ39は、これらの信号に基づいてカム歯車5の回転角θを認識する。
【0037】
また、このマグネットレバー33の一端には、引掛軸33bが一体成形されている。この引掛軸33bには、スプリング38の一端が係止されている。スプリング38は、マグネットレバー33を揺動位置に向けて常時引っ張っている。
【0038】
ブレーキ機構12は、カム歯車5に操作される制動レバー(制動部材)40と、被制動部であるフランジ41より構成されている。制動レバー40は、カム歯車5とウォーム15との間に配置され、上ケース8に一体成形された円柱と下ケース9に形成された円柱とで構成される軸43に揺動自在に取り付けられている。制動レバー40の先端にはカム歯車5に向けて突出する円柱状の凸部40aが一体成形されている。この凸部40aは、カム歯車5に形成された第3カム面25のカムフォロアと成っている。したがって、カム歯車5が回転すると、凸部40aが第3カム面25に沿ってカム歯車5の径方向内側に移動し、制動レバー40が揺動する。この制動レバー40は、図11中実線で示す非作動位置と二点鎖線で示す制動位置の間を揺動する。この制動レバー40が制動位置まで揺動されると、ウォーム15に一体成形されたフランジ41に摩擦係合してウォーム15の回転に対する制動力を発生させる。フランジ41は、ウォーム15のギヤ部分よりも大径である。
【0039】
また、制動レバー40の基端には、アーム部40bが形成されている。このアーム40bには、前述のスプリング38の他端が係止されている。したがって、制動レバー40は、スプリング38のばね力により常時非作動位置側に引き寄せられている。即ち、スプリング38は、制動レバー40とマグネットレバー33との間に掛け渡されており、マグネットレバー33を揺動位置側に、また、制動レバー40を非作動位置側にそれぞれ引きつけている。
【0040】
コントローラ39は、マイクロコンピュータを備えている。そして、図12に示すように、コントローラの39の入力側にはホールIC34が、出力側にはモータ13がそれぞれ電気的に接続されている。また、コントローラ39は、タイマ回路を有している。さらに、コントローラ39の記憶装置には、基本動作プログラム及び初期設定プログラムが記憶されている。コントローラ39は、これらの制御プログラムを繰り返し実行し、ホールIC34等から供給される検出信号に基づいてモータ13を正転又は逆転操作する。
【0041】
なお、モータ13は、図3及び図11からも明らかなように、カム歯車5の軸線方向からみて、このカム歯車5に重なるように配置されている。この場合、モータ13はカム歯車5の軸線方向からみて、このカム歯車5に対して一部重ならないように配置され、この重ならない部分をカム歯車5の軸線方向に分割されている上ケース8及び下ケース9により狭持され固定されている。
【0042】
次に、この自動製氷機の駆動装置1の作動について説明する。コントローラ39は、基本動作プログラム及び初期設定プログラムを適宜実行し、図13に示すように作動する。
【0043】
なお、基本動作プログラムを実行していない場合には、カム歯車5は製氷位置(回転角θが0度の位置)に復帰している。この状態では、製氷皿2は水平に保持されている。図17は、この状態の各カム面23〜25と、これらのカム面23〜25によって操作される検氷機構10、スイッチ機構11及びブレーキ機構12との位置関係を示している。検氷機構10を操作する第1カム面23は、凸部26aを径方向外側に移動させており、検氷レバー26を非作動位置に引き戻している。この状態では、検氷アーム3は、図2中実線で示すように、製氷皿2の側方に格納されている。一方、スイッチ機構11の凸部33aは第2カム面24に沿って径方向外側に移動し、また、ブレーキ機構12の凸部40aは第3カム面25に沿って径方向外側に移動している。したがって、スプリング38のばね力によりマグネットレバー33は揺動位置に揺動され、また、制動レバー40は、非作動位置に引き戻されている。
【0044】
始めに、図14から図16に示す基本動作プログラムをコントローラ39が実行する場合について説明する。コントローラ39は、例えば冷蔵庫の扉が開けられた後に閉められた場合であって、製氷皿2に氷ができていることを確認できた場合に、この基本動作プログラムの実行を開始する。この基本動作プログラムでは、貯氷容器内の貯氷量に応じて図13に示す貯氷量不足時の作動モード又は貯氷量充足時の作動モードを実施する。
【0045】
いま、貯氷容器内の貯氷量が不足している場合を考える。基本動作プログラムの実行を開始したコントローラ39は、図14のステップS1において、モータ13を正転させてカム歯車5を図17中矢印CW方向に回転させる。次に、コントローラ39は、ステップS2に進んでホールIC34より供給される検出信号がL信号か否かを判断し、L信号が検出されるまでこのステップS2を繰り返し実行する。L信号を検出できずにH信号(製氷位置信号)が検出されている状態では、カム歯車5はいまだ製氷位置から十分に回転するに至っていないと考えられる。
【0046】
そして、カム歯車5がCW方向に十分に回転し、図18に示すように、スイッチ機構11を操作する第2カム面24が凸部33aを径方向内側に移動させると、マグネットレバー33が揺動する。これにより、ホールIC34の検出信号がH信号からL信号に変化し、製氷位置信号がオフされる。したがって、ステップ2の判別結果が肯定(YES)になり、コントローラ39はステップ3に進んでタイマ回路に所定時間T1をセットする。
【0047】
ここで、この時間T1は、コントローラ39が貯氷容器内の貯氷量を検出するのに要する時間よりも十分長い時間である。この時間T1が経過するまでに検氷位置信号を検出できなかった場合には、貯氷容器内の貯氷量は不足していると考えることができる。本実施例では、時間T1は6秒間に設定されている。
【0048】
次に、コントローラ39は、ステップS4に進んで検出される信号がH信号であるか否かを判断する。この状態で検出されるH信号は、検氷位置信号である。そして、検氷位置信号の立ち上がりを確認できずに判別結果が否定(NO)となる場合には、コントローラ39は、ステップS5に進んでタイマのセット時間が経過したか否かを判断する。そして、コントローラ39は、タイマのセット時間T1が経過するまでステップS4,S5を繰り返し実行する。この状態では、カム歯車5は図中矢印CW方向に回転しているので、この回転角θが10度に達すると、検氷機構10の凸部26aは第1カム面23の凹み部分に到達する。
【0049】
いま、カム歯車5の矢印CW方向の回転に伴ってフリクションリング42も同方向に回転し、突片42aは検氷レバー26から離れて位置している。また、貯氷容器内の貯氷量が不足している場合には、検氷アーム3は貯氷容器内の氷に邪魔されることなく所定位置まで下降することができる。したがって、図19に示すように、凸部26aが第1カム面23の凹み部分に沿って径方向内側に移動し、検氷レバー26を揺動させる。これにより、コネクタ27が回転操作され、検氷アーム3の先端が下降し始める。
【0050】
そして、カム歯車5の回転角θが32度に達すると、検氷レバー26が揺動位置まで揺動し、この揺動レバー26に形成された突片29が、スイッチ機構11のマグネットレバー33に形成された突起35に当たる。したがって、マグネットレバー33は、この突片29に押さえつけられて揺動することができなくなる。このため、カム歯車5が矢印CW方向にさらに回転し、スイッチ機構11の凸部33aが第2カム面24の凹み部分に到達しても、凸部33aはこの第2カム面24に沿って移動することはなく、同図に示すように、第2カム面24から離れる。この状態では、永久磁石36がホールIC34に対向しており、このホールIC34はL信号をコントローラ39に供給し続ける。
【0051】
したがって、ステップS4の判別結果は否定となり、コントローラ39は、ステップS5を実行してタイマのセット時間T1が経過するまでステップS4に戻る。検氷アーム3が下降している間はマグネットレバー33は揺動できないので、コントローラ39はH信号を検出することはなく、ステップS4とS5を繰り返し実行する。
【0052】
さらに、カム歯車5が矢印CW方向に回転されると、マグネットレバー33の凸部33aが再び第2カム面24に接触して、たとえ検氷レバー26の突片29によるマグネットレバー33の押さえつけが解除された場合にも、このマグネットレバー33は揺動することはない。したがって、貯氷容器内の貯氷量が不足している場合には、検氷位置信号が出力されることはなく、いわゆるアクティブ・ローの制御方法を行っている。
【0053】
そして、カム歯車5の回転角θが58度に達すると、凸部26aが第1カム面23に沿って径方向外側に移動し始める。さらに、カム歯車5の回転角θが80度に達すると、検氷レバー26の凸部26aが第1カム面23の凹み部分を通り過ぎ、図20に示すように、検氷レバー26が非作動位置に戻る。この状態であっても、上述したように、マグネットレバー33は揺動することがなく、ホールIC34はL信号をコントローラ39に供給し続ける。したがって、コントローラ39は、ステップS4とS5を繰り返し実行する。
【0054】
この後若干の時間が経過すると、タイマにセットした時間T1が経過する。これにより、ステップS5の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS6に進む。コントローラ39は、このタイマのセット時間T1が経過する間にH信号、即ち検氷位置信号を検出できなかったことで、貯氷容器内の貯氷量が不足していることを認識する。
【0055】
ステップS6では、コントローラ39は検出信号がL信号からH信号に変化したか否かを判別する。なおもカム歯車5は矢印CW方向に回転しており、その回転角θが160度に達すると、図21に示すように、マグネットレバー33の凸部33aが第2カム面24の凹み部分に到達し、マグネットレバー33が揺動する。したがって、ホイールIC34は、L信号に変えてH信号をコントローラ39に供給する。この場合のH信号は、離氷位置信号である。この状態では、製氷皿2は当接片7に当たってねじれ変形しており、製氷皿2より氷が外れて貯氷容器内に落下する。コントローラ39は、離氷位置信号を検出することで製氷皿2の氷が貯氷容器内へ補充されたことを認識する。
【0056】
さらにカム歯車5が矢印CW方向に回転し、カム歯車5の回転角θが170度に達すると、カム歯車5に形成された溝20の端面が上ケース8の突起21に度当たりし、いわゆるメカロックの状態になって以降の矢印CW方向への回転が不可能になる。
【0057】
一方、離氷位置信号が立ち上がったことにより、ステップS6の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS7に進んでモータ13を1秒間だけ停止させる。その後、コントローラ39は図15のステップS8に進み、カム歯車5を矢印CCW方向に回転させるためにモータ13を逆転させる。これ以降、カム歯車5が戻り行程に入る。
【0058】
次に、コントローラ39はステップS9に進み、検出信号がH信号からL信号に変化したか否かを判別する。H信号が検出されている間、即ち離氷位置信号が立ち上がっている場合には、カム歯車5は離氷位置から未だ十分に離れるに至っていないと考えられる。コントローラ39は、L信号を検出して離氷位置信号がオフされたことを確認するまでステップS9を繰り返し実行する。
【0059】
そして、カム歯車5が矢印CCW方向に回転し、図22に示すように、スイッチ機構11の凸部33aが第2カム面24の凹み部分を通過すると、マグネットレバー33が非作動位置に戻される。したがって、離氷位置信号がオフされる。一方、カム歯車5が矢印CCW方向に回転することにより、このカム歯車5に摩擦係合しているフリクションリング42も同方向に回転され、突起42aが検氷レバー26の径方向内側に入り込む。
【0060】
ホールIC34の信号がL信号に変化すると、コントローラ39はステップS10に進み、検出信号がL信号からH信号に変化したか否かを判別する。そして、検出信号がH信号に変化するまで、コントローラ39はステップS10を繰り返し実行する。
【0061】
ここで、カム歯車5は図中矢印CCW方向に回転しているので、検氷機構10の凸部26aが第1カム面23の凹部に到達する。しかしながら、フリンクションリング42の突起42aが検氷レバー26の径方向内側に入り込んでいるので、検氷レバー26は揺動することができない。即ち、カム歯車5の戻り行程では、検氷アーム3が下降することはなく、検氷アーム3の保護を図ることができる。
【0062】
また、検氷レバー26が揺動しないので、突片29が突起35を押さえつけることがない。この点、前述の図19に示した状態とは相違する。したがって、図23に示すように、スイッチ機構11の凸部33aが第2カム面24の凹み部分に達すると、マグネットレバー33が揺動する。このため、ホールIC34の検出信号がL信号からH信号に変化し、識別信号が立ち上がる。即ち、カム歯車5の戻り行程では、コントローラ39は常に識別信号を検出することができ、識別信号の有無に対応して制御方法を変える必要がなく、その制御方法を単純なものにすることができる。なお、図13中において、この識別信号を二点鎖線で示す。
【0063】
これにより、ステップS10の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS11に進む。そして、このステップS11では、コントローラ39は識別信号がオフされたことを確認するために、検出信号がH信号からL信号に変化したか否かを判別する。コントローラ39は、L信号を検出するまでステップS11を繰り返し実行する。
【0064】
カム歯車5が矢印CCW方向にさらに回転し、その回転角θが41度にまで戻ると、スイッチ機構11の凸部33aが第2カム面24の凹み部分から脱出する。したがって、マグネットレバー33が非作動位置に戻り、ホールIC34の検出信号がH信号からL信号に変化する。これにより、ステップS11の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS12に進む。
【0065】
ステップS12では、コントローラ39は検出信号がL信号からH信号に変化したか否かを判別する。そして、コントローラ39はH信号を検出するまで、このステップS12を繰り返し実行する。いま、矢印CCW方向に回転しているカム歯車5が製氷位置にまで復帰すると、図17に示す状態となり、スイッチ機構11の凸部33aが第2カム面24の凹み部分に導かれて径方向外側に移動する。したがって、マグネットレバー33が揺動し、検出信号がL信号からH信号に変化する。これにより、製氷位置信号が立ち上がり、ステップS12の判別結果が肯定になってコントローラ39はステップ13に進み、モータ13の回転を停止させる。カム歯車5が製氷位置に復帰した状態では、空になった製氷皿2は水平状態に戻されている。
【0066】
次に、コントローラ39はステップS14に進み、空になった製氷皿2に注水を行った後にこのプログラムの実行を終了する。そして、前述のプログラムの実行開始条件が満たされた場合に、再度このプログラムの実行を開始する。
【0067】
一方、貯氷容器内の貯氷量が充足している場合を考える。この場合には、製氷皿2を反転させて離氷作業を行う必要はなく、直ちに製氷皿2を製氷位置に復帰させるべきである。
【0068】
貯氷容器内の貯氷量が充足している場合には、検氷アーム3は貯氷容器内の氷に当たって下降することができない。したがって、図17に示す状態から駆動装置4が始動し、カム歯車5が製氷位置から矢印CW方向に回転されて回転角θが41度に達した場合には、前述の図18の状態に続いて図24に示すように、検氷レバー26は揺動できず、検氷機構10の凸部26aが第1カム面23から離れる。このため、突片29はスイッチ機構11のマグネットレバー33に形成された突起35を押さえつけることがなく、スイッチ機構11の凸部33aは第2カム面24の凹み部分に沿って移動し、マグネットレバー33が揺動する。
【0069】
このため、図14のステップS3において、タイマにセットした時間T1の経過前にホールIC34の信号がL信号からH信号に変化する。即ち、検氷位置信号が立ち上がってステップS4の判別結果が肯定になり、コントローラ39は図16のステップS15に進み、モータ13を1秒間だけ停止させる。この後、直ちにカム歯車5の戻り行程に移行し、コントローラ39はステップS16に進み、カム歯車5を矢印CCW方向に回転させるためにモータ13を逆転させる。
【0070】
ステップS17では、コントローラ39は検氷位置信号がオフされたことを確認するために、検出信号がH信号からL信号に変化したか否かを判別する。コントローラ39はL信号を検出するまで、このステップS17を繰り返し実行する。そして、カム歯車5が矢印CCW方向に回転し始め、スイッチ機構11の凸部33aが第2カム面24の凹み部分から外れると、マグネットレバー33は非作動位置に戻り、ホールIC34の信号がH信号からL信号に変化する。これにより、ステップS17の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS18に進む。
【0071】
ステップS18では、コントローラ39は検出信号がL信号からH信号に変化したか否かを判別する。このH信号は製氷位置信号であり、コントローラ39はカム歯車5が製氷位置に復帰したことを知ることができる。そして、コントローラ39はH信号を検出するまで、このステップS18を繰り返し実行する。
【0072】
そして、カム歯車5の回転角θが0度にまで戻ってカム歯車5が製氷位置に復帰すると、スイッチ機構11の凸部33aが第2カム面24の凹み部分に到達し、マグネットレバー33が揺動して検出信号がL信号からH信号に変化する。したがって、製氷位置信号が立ち上がり、ステップS18の判別結果が肯定になるので、コントローラ39はステップ19に進んでモータの回転を停止させ、このプログラムの実行を終了する。この状態では、製氷皿2は水平状態に戻されている。そして、このプログラムの実行開始条件が満たされた場合に、再度このプログラムの実行を開始する。
【0073】
次に、図25及び図26に示す初期設定プログラムについて説明する。コントローラ39は、自動製氷機の駆動装置4の電源がオン操作された場合にこの初期設定プログラムの実行を開始する。
【0074】
自動製氷機1の作動中に停電等のトラブルで駆動装置4への電気の供給が絶たれた後に電気の供給が再開された場合、コントローラ39は、先ずこの初期設定プログラムを実行する。作動中に電気の供給が絶たれた場合、コントローラ39は製氷皿2の反転位置、即ちカム歯車の回転角θを見失ってしまう。したがって、コントローラ39は、カム歯車5の位置を検出するために、カム歯車5を製氷位置に復帰させる。
【0075】
先ず、コントローラ39は、図25のステップS21においてカム歯車5を矢印CCW方向に回転させるためにモータ13を逆転させる。次に、コントローラ39は、ステップS22に進んでホールIC34の検出信号がH信号か否かを判別する。ホールIC34がH信号を出力するのは、カム歯車5の位置が製氷位置、検氷(識別)位置及び離氷位置に在る場合のみである。コントローラ39はカム歯車5を矢印CCW方向に回転させ、カム歯車5がこれらの位置のうち何れかの位置に達するまで、即ち、H信号を検出するまでステップS22を繰り返し実行する。
【0076】
そして、H信号を検出すると、ステップS22の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS23に進む。この状態では、検出したH信号が製氷位置信号、識別信号及び離氷位置信号の何れであるか不明である。これら3種類の信号のうち識別信号と離氷位置信号は、スイッチ機構11の凸部11aが第2カム面24の凹み部分を通過することでL信号に変化する。即ち、識別信号と離氷位置信号は、立ち上がった後一定時間の経過でオフされる。したがって、現在、コントローラ39が検出しているH信号が比較的長時間継続されていれば、この信号は製氷位置信号であり、カム歯車5が製氷位置に復帰していると考えられる。
【0077】
このため、コントローラ39は、ステップS23においてタイマに所定時間T2をセットする。本実施例の場合、時間T2として3秒を設定する。本実施例では、識別信号及び離氷位置信号は3秒よりも長い時間継続されることはなく、3秒よりも長い時間継続される信号は、製氷位置信号であるといえる。
【0078】
コントローラ39はステップS24に進み、H信号が消えたか否か、即ちL信号に変化したか否かを判別する。そして、H信号が継続して出力されている場合には、ステップS24の判別結果は否定になり、コントローラ39はステップS25に進む。そして、タイマのセット時間T2が経過するまで、ステップS24に戻ってH信号のオフを検出する。
【0079】
いま、ステップS23においてタイマにセットされた時間T2の経過前に検出信号がL信号に変化し、ステップS24の判別結果が肯定になった場合には、現在立ち上がっている信号は、識別信号又は離氷位置信号であると考えられる。したがって、この場合には、コントローラ39はステップS22に戻り、再度H信号の立ち上がりを監視する。即ち、コントローラ39は時間T2にわたって継続されるH信号を検出するまで、ステップS22からステップS25を繰り返し実行し、製氷位置信号の立ち上がりを待つ。
【0080】
そして、タイマのセット時間T2が経過した後もH信号が継続されている場合には、コントローラ39は製氷位置信号を認識する。この場合、時間T2の経過を待つ間も矢印CCW方向に回転し続けていたカム歯車5は、製氷位置を通過して回転限界位置(回転角θが−8度の位置)に到達している。このとき、図27に示すように、第3カム面25はブレーキ機構12の凸部40aを径方向内側に移動させ、制動レバー40を徐々に揺動させる。したがって、制動レバー40がフランジ41に摩擦係合し始め、ウォーム15の回転抵抗となる制動力を発生させる。
【0081】
ウォーム15は、モータ13の出力軸13aに連結されている。したがって、出力軸13aの回転が各歯車17,18に伝えられることで減速されてその回転トルクが増加される前の段階で制動力を発生させることができる。このため、回転トルクが増加された後に制動力を発生させる場合に比べて、回転トルクに対して相対的に大きな制動力を得ることができ、この回転トルクに対して制動力を有効に働かせることができる。
【0082】
このため、モータ13からウォーム15に入力した回転トルクが減少し、回転伝達手段14を介してカム歯車5は比較的小さな回転トルクで回転される。そして、カム歯車5は、この小さな回転トルクで回転されながら回転限界位置に到達し、溝20の端面を上ケース8に形成された突起21に衝突させる。しかしながら、この場合の回転トルクは小さいので、この衝突により発生する衝撃は弱まる。また、カム歯車5は回転限界位置に到達した後も僅かなセット時間T2が経過するまでの間は、カム歯車5はこの回転限界位置に押し付けられているが、カム歯車5に入力する回転トルクは小さく、カム歯車5や回転伝達手段14が受けるダメージは極めて小さい。
【0083】
そして、タイマのセット時間T2の経過により、ステップS25の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS25からステップS26に進み、モータ13の回転を1秒間だけ停止させる。次に、コントローラ39は、図26のステップS28に進み、このカム歯車5を矢印CW方向に回転させるべくモータ13を正転させる。カム歯車5を矢印CW方向に回転させることで、回転限界位置に押し付けられて回転伝達手段14等に発生していたストレスを解放することができる。
【0084】
その後、コントローラ39はステップS29に進み、検出信号がH信号からL信号に変化したか否かを判別する。いま、H信号が出力されている場合には、カム歯車5はその回転限界位置と製氷位置との間に位置していると考えられる。コントローラ39はL信号を検出するまで、ステップS29を繰り返し実行する。
【0085】
そして、検出信号がL信号に変化した場合、即ち製氷位置信号がオフされた場合、このカム歯車5は製氷位置に到達したと考えられる。この時点でコントローラ29は、カム歯車5が、その回転角θが0度の位置に在ることを知る。即ち、コントローラ39は、見失っていたカム歯車5の位置を知ることができる。したがって、ステップS29の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS30に進む。
【0086】
ステップS30では、コントローラ39はタイマに時間T3をセットする。本実施例では、例えば0.2秒をセットする。この後、この時間T3が経過するまで、コントローラ39はステップS31を繰り返し、カム歯車5を時間T3だけ矢印CW方向に回転させる。これにより、原点を通過して信号の位置を認識してから、信号の位置で止めることができる。
【0087】
次に、コントローラ39は、ステップS32を実行してモータ13を1秒間だけ停止させた後、ステップS33に進み、カム歯車5を矢印CCW方向に回転させるためにモータ13を逆転させる。
【0088】
そして、コントローラ39はステップS34に進んで検出信号がL信号からH信号に変化したか否か、即ち、カム歯車5が製氷位置に正確に復帰したか否かを判別する。コントローラ39は、H信号を検出するまでステップS34を繰り返し実行し、カム歯車5を回転させる。カム歯車5が製氷位置に正確に復帰してコントローラ39がH信号を検出すると、ステップS34の判別結果が肯定になり、コントローラ39はステップS35に進んでモータ13を停止させる。この後、コントローラ39は、このプログラムを終了する。そして、このプログラムの開始条件が満たされた場合に、コントローラ39は再度このプログラムを実施し、カム歯車5を製氷位置に復帰させる。
【0089】
また、モータ13の始動又は停止についても、その慣性により実際には、コントローラ39が制御を行った時点から若干ずれて始動し又は停止する。
【0090】
尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0091】
例えば、本実施例のブレーキ機構12では、被制動部としてのフランジ41をモータ13の出力軸13a上のウォーム15に一体成形しているが、被制動部を設ける位置はこの位置に限るものではなく、例えば、第1歯車17や第2歯車18に被制動部を一体形成しても良い。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の自動製氷機の駆動装置は、モータの回転を製氷皿に伝える歯車列と、該歯車列及びモータを収納するケースとを有し、歯車列のうち最も大きく形成した大径歯車の直径と、ケースの大径歯車の側面に平行な面の一方向長さとをほぼ同じ長さに形成し、製氷皿に回転力を伝達する連結軸を大径歯車に形成し、歯車列は、モータの出力軸上に連結されたウォームと、該ウォームの回転を減速して大径歯車に伝達する減速歯車を有し、ウォームを大径歯車の軸線方向からみて大径歯車と重なるように配置し、尚且つ連結軸を挟むようにして、大径歯車の直径とほぼ同じ長さとしたケースの上記一方向とほぼ直交する方向における一方側にモータを配設するとともに他方側に減速歯車を配設し、ケースの一側面のほぼ中央から連結軸を突出させているので、ケースの大径歯車の側面に平行な面の一方向長さが短くなり、高さを低く抑えるようにしてケースを小型化できる。冷蔵庫の容量を大きくするためには、自動製氷機の駆動装置の高さ方向の寸法を短くすることが必要である。この自動製氷機の駆動装置では、ケースの高さを抑えて小型化できるので、ただ単に小型化を図るのではなく、冷蔵庫内への取付に適したかたちで小型化できる。さらに、連結軸に製氷皿を連結すると、ケースのほぼ中央の高さ位置に製氷皿が配置される。このため、駆動装置を冷蔵庫内に取り付けると、製氷皿を最適のレイアウトで配置することができる。
【0093】
また、請求項2記載の自動製氷機の駆動装置は、大径歯車とモータとを、大径歯車の軸線方向からみて重なるように配置したものである。このため、大径歯車とモータとをケース内でオフセットさせる必要がなくなり、高さを低く抑えるようにしてケースを小型化することができる。
【0094】
この場合、請求項3記載の自動製氷機の駆動装置のように、ケースを大径歯車の軸線方向に分割すると共に、モータを大径歯車の軸線方向からみて大径歯車に対して一部重ならないように配置し、この重ならない部分をケースにより狭持することが好ましい。この場合には、ケース内にモータを配置した後ケースを合わせて閉じると、ケースがモータの重ならない部分を狭持してこれを固定するので、生産性を向上させることができる。
【0096】
さらに、請求項4記載の自動製氷機の駆動装置は、大径歯車にカムを形成すると共に、ケース内にカムによって操作される検氷レバーを設け、当該検氷レバーの支点を大径歯車を駆動する歯車と同軸上に配置しているので、検氷レバーを支持するための特別の軸部をケースに形成する必要がなくなる。このため、生産コストを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した駆動装置に係る自動製氷機の平面図である。
【図2】図1の自動製氷機の側面図である。
【図3】本発明を適用した自動製氷の駆動装置を示し、その一部分を破断して内部を観察可能にした正面図である。
【図4】図3の駆動装置の断面を示し、その回転伝達手段の連結関係を示す展開図である。
【図5】図3の駆動装置のウォームの断面図である。
【図6】図3の駆動装置のカム歯車を示し、(A)はその平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図7】図3の駆動装置の検氷レバーとコネクタとの連結状態を示す断面図である。
【図8】図3の駆動装置のコネクタの組付状態を示す分解図である。
【図9】図8のコネクタの検氷軸を示し、(A)はその端面図、(B)は(A)の矢線B−Bに沿う断面図、(C)は(A)の反対側からみた端面図である。
【図10】図8のコネクタの保護リングを示し、(A)はその端面図、(B)は(A)の矢線B−Bに沿う断面図、(C)は(A)の反対側からみた端面図である。
【図11】図3の駆動装置のスイッチ機構とブレーキ機構の位置関係を示す図である。
【図12】図3の駆動装置の制御系を示すブロック図である。
【図13】図3の駆動装置の作動状況を示す図である。
【図14】図3に示す自動製氷機の駆動装置のコントローラが実行する基本動作プログラムを示し、その前半部分のフローチャート図である。
【図15】図3に示す自動製氷機の駆動装置のコントローラが実行する基本動作プログラムを示し、その後半部分のフローチャート図である。
【図16】図3に示す自動製氷機の駆動装置のコントローラが実行する基本動作プログラムを示し、図14に続く部分のフローチャート図である。
【図17】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、製氷位置における第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図18】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、図17の状態より若干回転した位置における第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図19】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、検氷アームを下降させている状態の第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図20】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、下降させていた検氷アームを上昇させた状態の第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図21】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、離氷位置における第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図22】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、図21の状態より若干回転した位置における第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図23】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、識別信号が立ち上がっている状態における第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図24】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、検氷位置信号が立ち上がっている状態における第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係を示す図である。
【図25】図3に示す自動製氷機の駆動装置のコントローラが実行する初期設定プログラムを示し、その前半部分のフローチャート図である。
【図26】図3に示す自動製氷機の駆動装置のコントローラが実行する初期設定プログラムを示し、その後半部分のフローチャート図である。
【図27】図3の自動製氷機の駆動装置の作動状況を示し、カム歯車が回転限界位置に到達する直前位置における第1〜第3カム面と検氷機構、スイッチ機構及びブレーキ機構との位置関係図である。
【符号の説明】
1 自動製氷機
2 製氷皿
4 駆動装置
5 カム歯車(大径歯車)
8,9 ケース
10 検氷機構
11 スイッチ機構
12 ブレーキ機構
13 モータ
14 回転伝達手段
15 ウォーム
16 検氷レバー
25 カム面
40 制動レバー
40a 凸部
41 フランジ
Claims (4)
- モータにより製氷皿を反転させて氷を落下させ、その後前記製氷皿を製氷位置に戻して氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、前記モータの回転を前記製氷皿に伝える歯車列と、該歯車列及び前記モータを収納するケースとを有し、前記歯車列のうち最も大きく形成した大径歯車の直径と、前記ケースの前記大径歯車の側面に平行な面の一方向長さとをほぼ同じ長さに形成し、前記製氷皿に回転力を伝達する連結軸を前記大径歯車に形成し、前記歯車列は、前記モータの出力軸上に連結されたウォームと、該ウォームの回転を減速して前記大径歯車に伝達する減速歯車を有し、前記ウォームを前記大径歯車の軸線方向からみて前記大径歯車と重なるように配置し、尚且つ前記連結軸を挟むようにして、前記大径歯車の直径とほぼ同じ長さとした前記ケースの上記一方向とほぼ直交する方向における一方側に前記モータを配設するとともに他方側に前記減速歯車を配設し、前記ケースの一側面のほぼ中央から前記連結軸を突出させたことを特徴とする自動製氷機の駆動装置。
- 前記大径歯車と前記モータとを、前記大径歯車の軸線方向からみて重なるように配置したことを特徴とする請求項1記載の自動製氷機の駆動装置。
- 前記ケースを前記大径歯車の軸線方向に分割すると共に、前記モータを前記大径歯車の軸線方向からみて前記大径歯車に対して一部重ならないように配置し、この重ならない部分を前記ケースにより狭持することを特徴とする請求項2記載の自動製氷機の駆動装置。
- 前記大径歯車にカムを形成すると共に、前記ケース内に前記カムによって操作される検氷レバーを設け、当該検氷レバーの支点を前記大径歯車を駆動する歯車と同軸上に配置することを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の自動製氷機の駆動装置。
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