JP3672176B2 - 自動製氷機の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫内に設置され、氷を製造すると共に貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製造した氷を補給するための自動製氷機の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動製氷機能を備えた家庭用冷蔵庫等が知られているが、この種の冷蔵庫に取り付けられている自動製氷機の駆動装置として、例えば、特開平10−78277号公報に開示されている自動製氷装置等がある。
【0003】
図11に示したように、特開平10−78277号公報記載の自動製氷装置は、モータ101の回転力をウォーム102、蓮歯歯車103及び伝達歯車104からなる回転伝達機構で減速してカム歯車105へ伝達するようになっている。なお、これらの各部材は、2つに分割されたケースの一方(以下、ケース半体という)110内の所定位置に配置され、ケースの他方(図示省略)を被せることによりケース内に収まっている。そして、カム歯車105の回転中心に連結された製氷皿(図示省略)をモータ101の駆動力によって回転駆動すると共に、カム歯車105のカム面(図示されたカム歯車105の裏側の部分に形成されている)に検氷軸106に形成された突起(図示省略)を摺接させることにより、カム歯車105の回転角度に応じて検氷軸106を回転駆動するようになっている。
【0004】
上述したような自動製氷装置では、製氷皿の一部を図示しない枠に当て、その状態でさらに製氷皿を同方向へ回転させることにより製氷皿にひねりを与え、これによって製氷皿から離氷させるようになっている。そのため、この製氷位置方向への駆動では多大な回転トルクが要求される。上述の自動製氷装置では、製氷皿をより大きなトルクで駆動するため、モータの回転力を大きく減速して強いトルクをカム歯車105へ伝達している。すなわち、上述した自動製氷装置では、モータ101の出力軸に高い減速比を得られるウォーム102を連結し、さらにこのウォーム102に蓮歯歯車103、伝達歯車104、カム歯車105を順に連結し、モータ101の回転駆動力をこれらの回転伝達機構で十分に減速してからカム歯車105に伝達することで、多大なトルクでカム歯車105と製氷皿とを一体的に回動させる構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平10−78277号公報記載の自動製氷機では、ウォーム102は、一端がモータ101の出力軸(図示省略)に連結されている。このウォーム102は、製氷皿に過大な力が加わった際の輪列中の歯車及びモータの損傷防止等のために、モータ101の出力軸に対して連結板を介してスラスト方向に移動可能に連結されている。そのため、過大な力が加わらない場合、すなわち、正規のトルクで伝達される場合にのみモータ101の出力軸と一体的に回転するように構成されている。この結果、このような通常の回転時においても、スラスト方向のがたつきが生じてしまうのは否めない。
【0006】
一方、ウォーム102の他端は、ケース半体110に一体的に形成された軸受け部111の凹部に落とし込まれ、上からケースの他方を被せることにより両ケース半体に挟まれた空間(凹部)内で回転自在に保持される。このように軸受け部111は、ケース半体110に一体的に形成されるため、成型が困難で軸受けとしての真円度が出にくい。そのため、凹部の寸法を、どうしてもウォーム102の軸径に対して余裕のある寸法とし両者のクリアランスを大きくとる必要が生じる。
【0007】
このため、ウォーム102は、凹部内でラジアル方向及びスラスト方向にがたつき、回転時において大きなノイズが生じるという問題が生じる。加えて、がたつきによりウォーム102と軸受け側との摺動も激しいため、摩耗による耐久性の低下も問題となる。
【0008】
本発明は、モータ出力軸にスラスト方向へ移動可能に連結されたウォームを回転伝達機構中に備えることにより異常時のメカ破壊等を防止し、かつラジアル及びスラスト方向へのがたつきによるノイズ及び摩耗を低減させることが可能な自動製氷機の駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明では、貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を貯氷容器内に落下させた後、製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、モータの駆動力を製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、ケースとは別体で、かつケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、ケースを、分割された2つのケース半体から構成し、軸受けを内部に収納して2つのケース半体を一体化させることにより、軸受けを2つのケース半体で挟み込んで固定し、軸受けには、2つのケース半体で挟み込まれた際にその部分が変形すると共にウォームの先端部分を受ける軸孔の径に影響を与えない変形部を形成している。
【0010】
そのため、軸受けの孔径を精度良く成型することが可能となり、これによって、ウォームのラジアル方向へのがたつきを少なくすることが可能となる。この結果、軸受けとウォームの摺動部分から発生するノイズやこの摺動部分の摩耗を低減できる。また、軸受けがケースの材質と同等かあるいは軟らかい材質で形成されているため、より一層ノイズ及び摩耗を低減することが可能となる。さらに、モータ駆動時の軸受け自体のケースに対するがたつきも低減され、より一層ノイズ及び摩耗を抑えることが可能となる。また、ケース組立後に軸受けの孔がつぶれて変形し、孔径が変わってしまう等の問題を解消できる。この結果、軸受けの孔径の寸法管理をしやすくなり、より一層ノイズ及び摩耗を抑えることが可能となる。
【0011】
また、他の発明は、貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を貯氷容器内に落下させた後、製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、モータの駆動力を製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、ケースとは別体で、かつケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、ウォームは、先端部分が平面で形成され、かつ氷を落下させる方向(離氷位置方向)とは反対方向(製氷位置方向)へ製氷皿を回転させる際に軸受け側へ移動するように設定され、軸受けは、製氷位置方向への駆動時にウォームをスラスト受けするように構成されるようにしている。このため、軸受けの孔径を精度良く成型することが可能となり、これによって、ウォームのラジアル方向へのがたつきを少なくすることが可能となる。この結果、軸受けとウォームの摺動部分から発生するノイズやこの摺動部分の摩耗を低減できる。また、軸受けがケースの材質と同等かあるいは軟らかい材質で形成されているため、より一層ノイズ及び摩耗を低減することが可能となる。加えて、比較的小さな駆動トルクでウォームが回動される場合に、ウォームの先端が軸受け側へ押しつけられる。この結果、大きなトルクで回動される離氷位置方向への回動時に、軟らかい材質の軸受けでウォームのスラスト受けを行わないこととなり、軸受けを破壊や経時的な損傷から保護することができる。
【0012】
また、他の発明は、貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を貯氷容器内に落下させた後、製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、モータの駆動力を製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、ケースとは別体で、かつケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、ケースを、分割された2つのケース半体から構成し、軸受けを内部に収納して2つのケース半体を一体化させることにより、軸受けを2つのケース半体で挟み込んで固定し、ウォームは、先端部分が平面で形成され、かつ氷を落下させる方向(離氷位置方向)とは反対方向(製氷位置方向)へ製氷皿を回転させる際に軸受け側へ移動するように設定され、軸受けは、製氷位置方向への駆動時にウォームをスラスト受けするように構成されるようにしている。そのため、軸受けの孔径を精度良く成型することが可能となり、これによって、ウォームのラジアル方向へのがたつきを少なくすることが可能となる。この結果、軸受けとウォームの摺動部分から発生するノイズやこの摺動部分の摩耗を低減できる。また、軸受けがケースの材質と同等かあるいは軟らかい材質で形成されているため、より一層ノイズ及び摩耗を低減することが可能となる。さらに、モータ駆動時の軸受け自体のケースに対するがたつきも低減され、より一層ノイズ及び摩耗を抑えることが可能となる。また、比較的小さな駆動トルクでウォームが回動される場合に、ウォームの先端が軸受け側へ押しつけられる。この結果、大きなトルクで回動される離氷位置方向への回動時に、軟らかい材質の軸受けでウォームのスラスト受けを行わないこととなり、軸受けを破壊や経時的な損傷から保護することができる。
【0013】
また、他の発明は、貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を貯氷容器内に落下させた後、製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、モータの駆動力を製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、ケースとは別体で、かつケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、ケースを、分割された2つのケース半体から構成し、軸受けを内部に収納して2つのケース半体を一体化させることにより、軸受けを2つのケース半体で挟み込んで固定し、軸受けには、2つのケース半体で挟み込まれた際にその部分が変形すると共にウォームの先端部分を受ける軸孔の径に影響を与えない変形部を形成し、ウォームは、先端部分が平面で形成され、かつ氷を落下させる方向(離氷位置方向)とは反対方向(製氷位置方向)へ製氷皿を回転させる際に軸受け側へ移動するように設定され、軸受けは、製氷位置方向への駆動時にウォームをスラスト受けするように構成されるようにしている。そのため、軸受けの孔径を精度良く成型することが可能となり、これによって、ウォームのラジアル方向へのがたつきを少なくすることが可能となる。この結果、軸受けとウォームの摺動部分から発生するノイズやこの摺動部分の摩耗を低減できる。また、軸受けがケースの材質と同等かあるいは軟らかい材質で形成されているため、より一層ノイズ及び摩耗を低減することが可能となる。さらに、モータ駆動時の軸受け自体のケースに対するがたつきも低減され、より一層ノイズ及び摩耗を抑えることが可能となる。また、ケース組立後に軸受けの孔がつぶれて変形し、孔径が変わってしまう等の問題を解消できる。この結果、軸受けの孔径の寸法管理をしやすくなり、より一層ノイズ及び摩耗を抑えることが可能となる。また、比較的小さな駆動トルクでウォームが回動される場合に、ウォームの先端が軸受け側へ押しつけられる。この結果、大きなトルクで回動される離氷位置方向への回動時に、軟らかい材質の軸受けでウォームのスラスト受けを行わないこととなり、軸受けを破壊や経時的な損傷から保護することができる。
【0014】
また、他の発明は、上述の自動製氷機の駆動装置に加えて、軸受けの材質を、ポリエステルエラストマーで構成している。そのため、軸受けが軟らかすぎず、適度な硬度を備えたものとなる。この結果、軸受けの孔径の寸法管理が容易となり、より一層ノイズ及び摩耗を抑えることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係る自動製氷機の駆動装置及びこの駆動装置によって駆動される製氷機を示している。この自動製氷機1は、製氷や離氷等を自動的に行うものとなっており、冷蔵庫の製氷室内に設置され、後述の駆動方法によって動作するようになっている。
【0017】
この自動製氷機1は、図示しない貯氷容器の上方に配置された製氷皿2と、貯氷容器内の貯氷量を検知するために昇降する氷検出手段となる検氷アーム3と、製氷皿2へ水等の液体を供給するための液体供給手段(図示省略)と、製氷皿2及び検氷アーム3を連動させて駆動する駆動装置5を備えて構成されている。なお、製氷皿2の下部には製氷皿の温度を検知するサーミスタ1aが設けられている。また、この実施の形態では、液体として通常の飲用の水を使用している。
【0018】
駆動装置5は、検氷アーム3の先端を貯氷容器内に下降させ、その下降距離に基づいて貯氷容器内の氷の有無を検出する。そして、この駆動装置5は、氷の不足を検出した場合、製氷皿2を反転させて離氷位置とし貯氷容器内に氷を落下させる。すなわち、反転された製氷皿2は、その他端側の突出部2aが冷蔵庫または自動製氷機1の機枠6に設けられた当接片(図示省略)に当たってねじれ変形し、この変形を利用して氷を落下させる。その後、駆動装置5は、製氷皿2を製氷位置へ戻す。そして、この製氷位置にて製氷皿2に液体が供給され、氷の製造がなされる。
【0019】
駆動装置5は、図3および図4に示すように、製氷皿2に連結されてこれを反転させるカム歯車10と、このカム歯車10に操作され検氷アーム3を動作させる検氷機構11およびスイッチ機構12を備えて構成されている。なお、この駆動装置5の内部機構は、分割された2つのケース半体9a,9bから構成されたケース9内に配置されている。
【0020】
カム歯車10は、駆動源となるDCモータ13により回転させられる。すなわち、DCモータ13の回転は、回転伝達機構14を介してカム歯車10に伝達される。この回転伝達機構14は、DCモータ13の出力軸13aに連結板15aを介してスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結されたウォーム15と、この回転伝達機構14の最初段となるウォーム15の回転を順次減速させる第1歯車16、第2歯車17及び第3歯車18より構成されている。
【0021】
ウォーム15は、先端部分が軸受け20に回転自在に支持されている。この軸受け20は、ABS樹脂で形成されたケース半体9bとは別体で構成されており、本実施の形態では、ケース半体9bよりも軟質の樹脂、具体的には、ポリエステルエラストマーで構成されている。なお、この軸受け20の材質は、このポリエステルエラストマーに限定されるものではなく、JIS K6301に規定された硬さ試験においてA90〜A98の硬度のものであれば、特に何でも良い。
【0022】
このように、軸受け20をケース半体9bと同等かもしくはケース半体9bより軟らかい材質で構成することによって、軸受け20のケース半体9bに対するがたつきを抑えることが可能となり、ウォーム15の回転により発生するガタツキ音を低減するようになっている。この軸受け20は、ケース半体9bに形成された軸受け保持部19に嵌め込まれ、この状態でケース半体9aを被せてケース9を一体化させることにより、2つのケース半体9a,9bで挟み込まれて固定されるようになっている。
【0023】
軸受け20の構成について、図5を用いて説明する。なお、図5(A)は、図3の矢示VA方向からみた軸受け20の正面図、図5(B)は、図5(A)を矢示VB方向からみた側面図、図5(C)は、図5(A)を矢示VC方向からみた平面図である。
【0024】
軸受け20は、略長方体状の矩形形状の本体部20aと、この本体部20aから突出された嵌め込み用の突出部20bを有している。そして、突出部20bをケース半体9bの底面側に形成された凹部(図示省略)に嵌め込むことにより、軸受け20は、軸受け保持部19内に嵌め込まれる。本体部20aの側方には、ウォーム15の先端部分を挿入するための軸受け孔20cが設けられている。軸受け20は、この軸受け孔20cがDCモータ13側に対向するように軸受け保持部19内に配置される。なお、本体部20aの上面、すなわち軸受け保持部19内に配置された際に、ケース半体9a側に対向する面には、レール形状のリブ20dが形成されている。このリブ20dは、軸受け20が2つのケース半体9a,9bに挟み込まれて固定された際に、変形する変形部となっている。
【0025】
本実施の形態では、このようにケース半体9a,9bを一体化させた際に変形部としてのリブ20dを大きく変形させる構成となっている。このため、この一体化の際に、リブ20d以外の他の部分、特に軸受け孔20c等はほとんど変形せず、変形部の変形が軸受け孔20cの孔径に影響しないようになっている。この結果、本実施の形態は、軸受け孔20cの孔径の寸法管理がし易く、軸受け20とウォーム15との摺動によるノイズ及び摩耗等をさらに低減する構成となっている。
【0026】
このように構成された軸受け20の軸受け孔20c内に先端部分を挿入されたウォーム15は、製氷皿2が氷を落下させる方向(離氷位置方向)へ駆動される際には、スラスト方向においてDCモータ13側(図3において矢示C方向)に移動するようになっている。このため、ウォーム15は、大きな駆動トルクで駆動される離氷動作時には、DCモータ13の出力軸13aでスラスト受けされることとなる。この結果、本実施の形態では、上述したように軟らかい材質で形成された軸受け20には、耐久性を考慮して大きな駆動トルクが発生する離氷動作時のスラスト荷重がかからないようになっている。
【0027】
一方、この回転とは反対方向(製氷位置方向)へ駆動される際には、ウォーム15は、スラスト方向において軸受け20側(図3において矢示D方向)に移動するようになっている。そして、軸受け20の軸受け孔20cの内端面は、このウォーム15のスラスト方向への移動のスラスト受けを行うようになっている。このため、離氷動作時に比して駆動トルクの小さい製氷位置方向への駆動の際には、その軽いスラスト荷重を軸受け20で受けるようになっている。
【0028】
なお、ウォーム15の先端部分は、平面で形成されている。これは、後述するように、イニシャライズ動作において製氷位置方向へ駆動する場合に、離氷位置方向への駆動時に比して若干伝達トルクをロスすることが望ましいため、ウォーム15の端面を平面として軸受け20の孔の内底面との摩擦抵抗を大きくするためである。
【0029】
上述のウォーム15に噛合する第1歯車16は、ケース半体9bに形成された軸部21に回転自在かつ軸方向へも移動可能に配置されている。この第1歯車16の回転中心は、天板部分が塞がれたキャップ形状となっており、この塞がれた部分の内面が軸部21の先端に形成された突起21aに点接触で当接可能となっている。また、第1歯車16の歯車面の一方には、リング状の凸縁16aが形成されており、この凸縁16aが第2歯車17の歯車面の一方に形成された凸縁17aと2点で点接触(各点接触部分はそれぞれ上述の突起21a部分の点接触に比して若干接触面積が大きい)で摺接可能となっている。
【0030】
このように構成された第1歯車16は、ウォーム15の回転方向によってケース半体9a側もしくはケース半体9b側のいずれか一方に付勢されながら回転する。すなわち、第1歯車16は、製氷皿2を離氷位置側へ回動させる際には強いトルクが必要となるため、ケース半体9b側に付勢され塞がれた部分の内面が軸部21の先端の突起21aに点接触で当接しながら回転する。このため、この方向への回転時には、摩擦による伝達ロスが最小限となり、DCモータ13のトルクの伝達効率が良く、強い伝達トルクの回転力をカム歯車10へ伝達することができるようになっている。
【0031】
一方、後述するイニシャライズ時において、製氷皿2を製氷位置へ戻す側へ回動させる場合、逆に弱いトルクとなることが好ましいため、ケース半体9a側に付勢され凸縁16aが第2歯車17の凸縁17aに2点で点接触で摺接しながら回転する。このため、この方向への回転時には、接触部分が回転中心より離れているため摩擦によるトルクロスが大きくなり、DCモータ13のトルクの伝達効率が悪くなる。この結果、弱い伝達トルクによる回転力がカム歯車10へ伝達することとなる。なお、第1および第2歯車16,17を面接触させると、各歯車16,17の接触面や歯に形成されるバリ等により歯車同士が互いに干渉してしまう危険が生じるため、この実施の形態では面接触よりスムーズに回転することが可能な2点による点接触を採用している。
【0032】
上述したように構成された第1歯車16、この第1歯車16に摺接可能な凸縁17aを備えた第2歯車17、及び第3歯車18は、共に大径のギヤ部と小径のピニオン部から構成されている。そして、第1歯車16のギア部は、ウォーム15に噛み合っており、第1歯車16のピニオン部は、第2歯車部17のギア部に噛み合っている。また、第2歯車17のピニオン部は、第3歯車18のギヤ部に、第3歯車18のピニオン部はカム歯車10のギヤ10aに噛み合っている。したがって、DCモータ13の出力軸13aの回転は、回転伝達機構14により次々に減速されながらカム歯車10に伝達される。
【0033】
カム歯車10には、出力軸25が一体成形されている。この出力軸25は、一方のケース半体9aに設けられた孔から駆動装置5の外方に突出し、製氷皿2に連結されている。したがって、カム歯車10と製氷皿2とは、一体となって回転する。
【0034】
なお、出力軸25の製氷皿2に連結されていない側の端部は、筒状となっており、ケース半体9bに設けられた円形の台部7に回転自在に支持されている。また、この出力軸25の端部外周面には、筒状のフリクション部材8が遊嵌配置されている。
【0035】
この筒状のフリクション部材8は、出力軸25に対して所定の回転範囲において摩擦力により一体的に回転可能となっている。このフリクション部材8と出力軸25との関係は、フリクション部材8がケース半体9bに形成された凸部によって回動を阻止されるまでは一体的に回動し、フリクション部材8の回動が阻止された後は、出力軸25のみが回転するようになっている。そして、このフリクション部材8の外周面には、後述する検氷軸31の回転を阻止する阻止片(図示省略)が設けられている。
【0036】
この阻止片は、カム歯車10が離氷位置側に回動する場合は検氷軸31の係合片(図示省略)と係合せず、カム歯車10が製氷位置側に回動する場合にのみ検氷軸31の係合片と係合し、検氷軸31の回動を阻止するようになっている。そして、この阻止片によって検氷軸31の回動が阻止されると、検氷軸31に形成されたスイッチ片回動阻止部31dが、タクトスイッチ42をオン/オフ切り換えするスイッチ押圧レバー41の回動範囲内に入り込めず、タクトスイッチ42が自在にオン/オフ切り換え可能となる。
【0037】
このフリクション部材8は、検氷動作において氷の不足と満氷とを識別するためオン/オフいずれかとなるタクトスイッチ42が、離氷位置から製氷位置に検氷アーム3が戻る際には必ず途中でオンとなるようにするためのものとなっている。すなわち、検氷動作において貯氷容器内で検氷アーム3が所定位置まで降下すると、氷が不足していると判断しそのままカム歯車10を離氷位置まで回転させて氷を落下させる動作を行うが、離氷位置から製氷位置に戻す際、既に先ほどの離氷により満氷状態となる場合とまだ氷が不足したままの場合とが生じる。そのため、離氷された後のタクトスイッチ42のオン/オフにバラツキが生じ、制御上好ましくない。このフリクション部材8は、このような不具合がないように、離氷位置から製氷位置への戻し動作時には必ずタクトスイッチ42がオンとなるようにするための部材となっている。
【0038】
また、カム歯車10の、一方のケース半体9aに対向する一側面10bには、図4に示すように、溝26が周方向に沿って形成されている。この溝26内には一方のケース半体9aの内面に形成された突起(図示省略)が挿入されており、カム歯車10の回転できる角度を所定の範囲に制限している。すなわち、溝26の両端面(図示省略)にケース半体9aの突起が当たる位置を、カム歯車10の回転限界位置としている。本実施の形態の場合には、カム歯車10は、−6度から168度の範囲で回転できる。なお、この回転角度は、イニシャライズの際に−6度まで回転させて機械的なロックを行う場合等を除く通常の場合は、後述するように、0度から160度の範囲で動作する。
【0039】
一方、カム歯車10の、他方のケース半体9bに対向する他側面10cには、図4及び図6に示すように、環状の凹部27が形成されている。この凹部27内には、内壁をカム面とする検氷軸用カム面28が設けられていると共に、その外側に同様に内壁をカム面とするスイッチ押圧レバー用カム面29を構成している。各カム面28,29は、カム歯車10の回転中心となる軸に対してほぼ平行に延設された延設部の側壁の内周面部分に形成されている。
【0040】
そして、検氷軸用カム面28は、検氷非動作位置部28aと、検氷降下動作部28bと、氷不足検出位置部28cと、検氷復帰動作部28dとを有している。検氷非動作位置部28aは、検氷アーム3を下降させない状態で維持させる区間となっており、カム歯車10の初期位置において検氷軸31と当接している位置を0度とした場合、−6度〜11度及び79度〜168度の区間に形成されている。また、検氷降下動作部28bは、氷が不足している場合に検氷アーム3を徐々に下降させるための区間となっており、11度〜35度の区間に形成されている。また、氷不足検出位置部28cは、氷が不足している場合に検氷アーム3を最下降させた状態で維持させる区間となっており、35度〜55度の区間に形成されている。また、検氷復帰動作部28dは、下降した検氷アーム3を上昇させるための区間となっており、55度〜79度の区間に形成されている。
【0041】
一方、スイッチ押圧レバー用カム面29は、製氷位置(0度)を含む−6度〜5度において信号を出力させるための第1の信号発生用カム部29aと、検氷位置(42度)を含む42度〜48度において信号を出力させるための第2の信号発生用カム部29bと、離氷位置(160度)を含む160度〜168度において信号を出力させるための第3の信号発生用カム部29cとを有している。この構成により、カム歯車10の回転角度が、製氷位置、検氷位置及び離氷位置にある場合に、タクトスイッチ42を押圧する方向にスイッチ押圧レバー41を回動させるようになっている。
【0042】
なお、製氷位置において発生する信号を原位置信号と呼ぶこととし、第1の信号発生用カム部29aは、その形状上、−19度〜5度の範囲で信号を発生できるようになっている。また、検氷位置において発生する信号を検氷位置信号と呼ぶこととする。さらに、離氷位置において発生する信号を離氷信号と呼ぶこととし、第3の信号発生用カム部29cは、その形状上、160度〜179.5度の範囲で信号を発生できるようになっている。
【0043】
検氷機構11は、貯氷容器内の氷の量が、満氷であるのか不足しているのかを識別するための機構となっており、検氷アーム3を貯氷容器内に下降させ、所定レベル位置より下降した際に氷が不足していると判断するようになっている。なお、検氷機構11は、カム歯車10に操作されると共に検氷アーム3を動作させる検氷軸31と、検氷軸31の係合凸部(図示省略)をカム歯車10の検氷軸用カム面28側に押し付ける方向に回動するように付勢するコイルスプリング32から構成されている。そして、本実施の形態の自動製氷機の駆動装置1では、検氷アーム3が30度以上回動した場合、これを氷不足と判断するようになっている。
【0044】
検氷軸31は、カム歯車10によって操作され、最大35度まで回動可能となっている。この検氷軸31は、カム歯車10とケース半体9bとの間に配置されている。検氷軸31は、検氷軸用カム面28に対して当接可能なカムフォロアーとなる係合凸部(図示省略)と、上述したフリクション部材8の阻止片と係合可能な係合片(図示省略)と、コイルスプリング32に係合するバネ係合部31cと、スイッチ片回動阻止部31dと、検氷軸31のスラスト方向への抜けを防止するスラスト抜け防止突堤31eと、アーム連結部31fと、ガイド片31hを有している。そして、この検氷軸31は、一方の端部がケース半体9bに形成された受け孔(図示省略)に回動自在に支持され、他方の端部に形成されているアーム連結部31fがケース9の外部に突出されるようにケース9の側面に支持されており、このアーム連結部31fに検氷アーム3の支点部が嵌め込まれる。このように構成された検氷軸31は、コイルスプリング32によって図3において矢示A方向に付勢されている。すなわち、検氷軸31は、カムフォロアーとなる係合凸部がカム歯車10の検氷軸用カム面28に押しつけられる方向に回動するように付勢されている。
【0045】
なお、スイッチ片回動阻止部31dは、タクトスイッチ42のオン/オフを行うスイッチ押圧レバー41の回動を阻止することが可能となっている。このスイッチ片回動阻止部31dは、検氷軸31が検氷アーム3を下降させるように回動した際に、具体的には検氷軸31が30度以上回動した際、スイッチ押圧レバー41に当接しスイッチ押圧レバー41の回動を阻止するようになっている。これによって、スイッチ片回動阻止部31dは、検氷軸31が30度以上回動した際には、タクトスイッチ42をオンさせないように働く。
【0046】
また、ガイド片31hは、検氷軸31の軸方向中央よりややアーム連結部31f側に近い位置に形成されている。このガイド片31hは、ケース半体9aの天板の裏側部分に形成されたガイド溝(図示省略)内に入り込み、このガイド溝に沿って移動するようになっている。このため、検氷軸31は、ガイド片31hによってケース半体9aに対して案内され、このガイド溝内でガイド片31hが移動可能な範囲で回動できるようになっている。なお、この検氷軸31の回動範囲は、約35度程度となっている。
【0047】
このように構成された検氷機構11は、検氷軸用カム面28に沿って動作する検氷軸31の動きを検氷アーム3に伝える。すなわち、検氷アーム3が満氷によってその動きを停止すると、検氷軸31は、検氷アーム3と共にその回転を停止する。また、検氷機構11は、検氷動作時に氷が不足し検氷アーム3が所定角度以上回動している場合、スイッチ押圧レバー用カム面29によるスイッチ押圧レバー41の動作を規制するようになっている。このため、検氷動作時に氷が不足している場合は、スイッチ押圧レバー41が回動せず、タクトスイッチ42を押圧しないようになっている。
【0048】
なお、コイルスプリング32は、ケース半体9bに設けられたバネボックス52内に収縮した状態で一旦収められ、この状態で一端が上述の検氷軸31のバネ係合部31cに引っ掛けられるようになっている。すなわち、バネボックス52は、上方が開放され、1つの側壁がケース半体9bの側壁で構成され、他の3つの側壁がケース半体9bの底面から立設される形状となっている。バネボックス52の後端(ケース9bの中央側)の側壁には、スリット(図示省略)が設けられており、このスリットからバネ係合部31cをバネボックス52内に侵入させ、コイルスプリング32をケース半体9bの側壁で形成される側壁側にさらに収縮させることにより検氷軸31とコイルスプリング32とが係合するようになっている。
【0049】
なお、検氷軸31は、このように組み立てた際、コイルスプリング32の付勢力によりバネ係合部31cの後端部分がスリット内に形成された凸部(図示省略)側に押圧され、この凸部に当接するようになっている。そして、この状態でカム歯車10を装填し、カム歯車10が検氷状態の位置、すなわちカム歯車10の検氷軸用カム面28の氷不足検出位置部28cと当接する位置に係合凸部31aがくるように組み込むと、カム歯車10はコイルスプリング32のバネ力を受けないで容易に組み込むことができる。
【0050】
このようにコイルスプリング32は、検氷アーム3を常時検氷位置側(図3において矢示A方向)へ付勢するようになっている。すなわち、検氷軸用カム面28に対し、検氷軸31の係合凸部31aを当接させる方向に付勢力を与えている。この力は、カム歯車10の中心から外周に向かうものであるが、カム歯車10を組み込むときの妨げとならない力となるように組み込まれる。このため、カム歯車10がコイルスプリング32の力によって傾いたり浮き上がってしまうことがない。カム歯車10を組み込んだ後、最後にケース半体9aを組み付けることによって、検氷軸31のガイド片31hがケース9のガイド溝(図示省略)に導入され、検氷軸31は正規の回動範囲の限界となる35度回転した状態となる。このように検氷位置で35度回転した状態で組み込まれた後、駆動回路で駆動し製氷位置とした後に出荷される。
【0051】
スイッチ機構12は、製氷皿2の駆動に連動して接点の係合及び離脱がなされることによりオン/オフ切り換えがなされるようになっている。このスイッチ機構12は、カム歯車10に操作されるスイッチ押圧レバー41と、スイッチ押圧レバー41の揺動によってオン/オフされるタクトスイッチ42と、スイッチ押圧レバー41の揺動を禁止するように働くスイッチ片回動阻止部31dと、スイッチ押圧レバー41を揺動させるための力を与えるコイルスプリング44とを備えて構成されている。なお、本発明の実施の形態の自動製氷機の駆動装置1は、スイッチとして接点を接触/離脱させることによりオン/オフ切り換えがなされる安価なタクトスイッチ42が用いられているため、低コストで製造することが可能となる。
【0052】
スイッチ押圧レバー41は、一方のケース半体9bの底面に立設された2つの端板53の上端縁部分に設けられた各U字状溝53a内に回動自在に支持されている。スイッチ押圧レバー41は、図7に示すように、側面から見ると「ト」の字の形状を有している。そして、上端部分には、カム歯車10のスイッチ押圧レバー用カム面29に当接するカムフォロアーとなるカム当接部41aが設けられている。したがって、カム歯車10が回転した場合、カム当接部41aがスイッチ押圧レバー用カム面29に沿ってカム歯車10の径方向に移動し、スイッチ押圧レバー41が揺動する。
【0053】
また、スイッチ押圧レバー41の所定位置には、コイルスプリング44に付勢される被押圧部となる突起腕41bが形成されている。この突起腕41bは、検氷軸31に設けられたスイッチ片回動阻止部31dの近傍に位置している。この突起腕41bにスイッチ片回動阻止部31dが当たっている状態では、スイッチ押圧レバー41は揺動することができない。
【0054】
一方、突起腕41bと対向する位置には、タクトスイッチ42のボタン42aが配置されている。また、スイッチ押圧レバー41の突起腕41bのタクトスイッチ42と対向しない側の面には山形状の突部41cが設けられ、コイルスプリング44の一端内に入り込んでいる。なお、コイルスプリング44の他端は、ケース半体9aに設けられた係合筒21c内に入れられ、係合筒21c内の軸(図示省略)がその端部内に入り込んでいる。
【0055】
また、スイッチ押圧レバー41の中心部は、揺動を支える回動支持部41dとなっており、この回動支持部41dの両端が各U字状溝53a内に入り、この回動支持部41dを中心として揺動する。さらに、このスイッチ押圧レバー41には、揺動規制部41eが設けられており、この揺動規制部41eはケース半体9bに備えられた規制用ボックス内に装填される。そのため、スイッチ押圧レバー41は、回動支持部41dの片方がU字状溝53aの底部から浮き上がって傾くことがなく、揺動中心がずれずに正確にスイッチ押圧レバー用カム面29に沿って動作するようになっている。
【0056】
タクトスイッチ42は、ケース半体9bに固定され、DCモータ13の後端に連結されたプリント配線基板51に接続されている。このタクトスイッチ42は、スイッチ押圧レバー41が非作動状態、すなわちカム歯車10が0度位置にあり駆動停止状態で氷の製造がなされている場合や、検氷動作時に満氷であった場合や、離氷動作が終了する場合にコイルスプリング44の付勢力を受けたスイッチ押圧レバー41によって押圧されるように配置されている。この押圧によって原位置信号、検氷信号、離氷信号が発生する。なお、製氷皿2がこれら以外の位置となっている場合、スイッチ押圧レバー41がタクトスイッチ42を押圧せず、タクトスイッチ42はオフとなる。
【0057】
このように製氷位置で常時オンとなっているタクトスイッチ42は、検氷動作をし貯氷容器内の氷が不足の場合、カム歯車10が製氷位置(0度)から離氷位置(160度)まで回転するまでオンとならない。すなわち、このタクトスイッチ42は、カム歯車10が5度回転するとカム歯車10によりスイッチ押圧レバー41がスプリングコイル44の付勢力に抗してタクトスイッチ42のボタン42aから離され、一旦タクトスイッチ42はオフとなる。
【0058】
そして、カム歯車10が42度回転した際に、カム歯車10及びスプリングコイル44のバネ力によりスイッチ押圧レバー41を揺動させようとするが、このとき検氷軸31のスイッチ片回動阻止部31dが働いて、このスイッチ押圧レバー41の揺動を阻止する。この結果、氷不足状態で検氷軸31が所定角度(ここでは30度)以上回動している場合は、この検氷信号が発生すべき位置、すなわちカム歯車10の回動角度が42度〜48度ではタクトスイッチ42がオンとならず、検知信号が出力されないようになっている。そのため、タクトスイッチ42は、カム歯車10が160度回転した離氷位置となるまでオンとならない。
【0059】
一方、タクトスイッチ42は、検氷動作をし貯氷容器内の満氷の場合、カム歯車10が製氷位置(0度)から検氷位置(42度)まで回転するとオンとなる。すなわち、タクトスイッチ42は、上述したようにカム歯車10が5度回転すると一旦オフとなるが、カム歯車10が42度回転した際に、カム歯車10及びスプリングコイル44のバネ力により、再びスイッチ押圧レバー41を揺動させようとする。
【0060】
このとき、検氷アーム3は貯氷容器内が満氷のため容器内で所定位置まで降下しない。そのため、検氷軸31が所定角度以上回転せず、検氷軸31のスイッチ片回動阻止部31dが働かない。この結果、スイッチ押圧レバー41は、揺動してタクトスイッチ42のボタン42aを押圧しオンとなる。
【0061】
なお、本実施の形態の自動製氷機の駆動装置は、検氷動作を開始した後の最初の信号出力及び駆動時間に基づいてカム歯車10を逆回転させる制御を行っている。そのため、満氷時にはカム歯車10を42度回転させた時点、氷が不足していた時にはカム歯車10を160度回転させた時点でDCモータ13を停止させ、その後逆回転させる制御を行っている。
【0062】
なお、カム歯車10を42度回転させた際の最初の信号出力でDCモータ13を停止させた場合は、その駆動時間が短いことをモニターし、これに基づいて逆回転後の最初の信号出力に基づいてDCモータ13の駆動を停止する。これによって、カム歯車10は原位置(0度=製氷位置)またはその周辺位置にて停止する。
【0063】
一方、カム歯車10を160度回転させた際の最初の信号出力でDCモータ13を停止させた場合は、その駆動時間が長いことをモニターし、これに基づいて逆回転後の2度目の信号出力に基づいてDCモータ13の駆動を停止する。すなわち、最初の信号出力はカム歯車10が48度〜42度の位置まで戻されたことを示す信号(復帰時の確定信号)で、2度目の信号がカム歯車10として5度となる位置まで戻されたことを示す信号であるため、2度目の信号に基づいて、DCモータ13を停止させる。これによって、カム歯車10は原位置(0度=製氷位置)またはその周辺位置にて停止する。なお、戻り行程におけるカム歯車10が48度〜42度となった際の信号出力は、フリクション部材8によって氷が不足していても充足していても、いずれの場合にも発生するようにされている。
【0064】
なお、上述したスイッチ押圧レバー用カム面29には、3ヶ所の位置に凹み部分が設けられている。この3つの凹みが、上述した第1、第2及び第3の信号発生用カム部29a,29b,29cとなっており、スイッチ押圧レバー41のカム当接部41aがこれらの凹み部分に嵌まり込むたびにスイッチ押圧レバー41はタクトスイッチ42側に揺動しようとする。この揺動時に、検氷軸31のスイッチ片回動阻止部31dが働かないと、タクトスイッチ42はオンとなるようになっている。
【0065】
次に、この自動製氷機1の動作について説明する。コントローラ(図示省略)は、基本動作プログラムおよび初期設定プログラムを適宜実行し、図8に示すように動作する。なお、初期設定プログラムや基本動作プログラムを実行するためにコントローラを制御駆動する制御回路は、自動製氷機1が取り付けられた冷蔵庫本体(図示省略)に備えられたものと共用となっていてもよいし、自動製氷機1専用のものとなっていてもよい。
【0066】
まず、電源オンまたは初期化する旨の信号のいずれかがコントローラに入力されると、初期設定プログラム(イニシャライズの動作のモード)が開始される。この初期設定プログラムは、この自動製氷機1単体での動作確認、冷蔵庫に取り付けたときの動作確認、冷蔵庫を移動したときの初期動作の際等に実行するもので、製氷皿2の位置を確認し、水平位置状態とするものである。
【0067】
電源がオンされると初期設定プルグラムが立ち上がり、まずDCモータ13をCCW方向、すなわちカム歯車10を製氷位置(原点位置=0度)へ戻す方向へ回転させる。そして、タクトスイッチ42がオンとなったら、タイマーを3秒にセットし、スイッチオン状態のままタイマー動作が終了したら、DCモータ13を停止させる。
【0068】
この動作により、カム歯車10はメカロック位置(−6度)で停止する。すなわち、初期設定動作において、DCモータ13をCCW方向へ回転させた際、最初にスイッチがオンとなって出力される信号が検氷信号なのか原位置信号なのかを認識するために、最初の信号出力後、タイマーを3秒にセットする。そして、スイッチがオン状態のまま3秒が経過する場合を、原位置信号として認識し、3秒経過する前にスイッチがオフとなって信号出力が途絶える場合を検氷出力として認識するようにする。これにより、確実にカム歯車10がロック位置(−6度)で停止する。
【0069】
次に、DCモータ13をCW方向、すなわちカム歯車10を検氷位置及び離氷位置方向へ回転させる。そして、タクトスイッチ42がオフとなったらDCモータ13を停止させる。この後、逆にDCモータ13をCCW方向へ回転させる。そして、タクトスイッチ42がオンとなったらDCモータ13を停止させる。これによって、DCモータ13は、この初期設定動作においてカム歯車10が製氷位置(0度=原位置)近傍となった位置で停止する。これによって、自動製氷機1の初期設定プログラム実行時(イニシャライズ)の動作が終了する。このイニシャライズ終了後は、基本動作プログラムに移行する。
【0070】
基本動作プログラムは、例えば、扉が開かれていない状態であることおよび製氷皿2の下に置かれるサーミスタ1aによって製氷完了を検知した後、一定時間経過することというAND条件が満たされたとき、待機終了の旨の信号がコントローラに入力し実行するようにされる。なお、初期設定からスタートした場合は、製氷皿2内に氷が無い状態であるが、サーミスタ1aは、氷の有無にかかわらず庫内温度を感知するので、氷製造が終了したと判断するように設定されている。
【0071】
このように氷製造が終了したと判断すると、貯氷容器内の氷の量を検知しに行く。そして、貯氷容器内が氷不足状態となっている場合は、製氷皿2を反転させ氷を貯氷容器へ供給する離氷を行う。次に、原点位置(0度=水平位置)まで逆方向に回転させ給水を行い、再び製氷がなされる。なお、検氷した際、満氷状態であれば、氷を追加する必要がないため製氷皿2を反転させずに原点(=水平位置)に戻り、検氷のため所定時間待機して製氷確認動作に戻っていく。
【0072】
次に、検氷動作について説明する。製氷完了後、まず、DCモータ13をCW方向へ回転させる。そして、タクトスイッチ42がオフとなったら、タイマーを7秒にセットする。なお、この7秒は、DCモータ13の駆動力によって、カム歯車10が5度の位置から100度の位置まで回転可能な時間となっており、この7秒間で検氷信号が発生するか否かを確認している。
【0073】
この検氷動作時を含む7秒間の間、スイッチオフ状態が維持され、かつ7秒が経過してタイマーの動作が終了した後において、タクトスイッチ42がオンとなった場合は、離氷信号が発生したこととなり、DCモータ13を停止させる。なお、このような動作が行われた場合は、検氷動作において氷が不足していたこと及びこの氷の不足に基づき離氷動作を行ったことを意味する。
【0074】
すなわち、氷が不足している場合には、カム歯車10が所定角度(42〜48度)回転した際に、検氷軸31も所定量降下した状態となっており、これによってスイッチ片回動阻止部31dが働いてスイッチ押圧レバー41がタクトスイッチ42を押圧しない。したがって、このような状況の場合は、タクトスイッチ42がオンとならず信号が出力されないからである。
【0075】
上述したようにDCモータ13を停止させた後、今度はDCモータ13をCCW方向へ回転させる。そして、タクトスイッチ42がオフとなることで離氷信号がオフし、次にタクトスイッチ42がオンとなることで復帰時の確定信号がオンする。さらに、タクトスイッチ42がオフとなることで検氷信号がオフし、次にタクトスイッチ42がオンとなったら、原位置信号と判断し、DCモータ13を停止させる。これによって、カム歯車10は、原位置(0度)近傍で停止することとなる。この後、製氷皿2に給水を行い、一連の検氷動作及び離氷動作が終了する。
【0076】
このようにタクトスイッチ42の2度目のオンに基づいてDCモータ13を停止させるのは、この2度目のオンがカム歯車10が5度の位置に戻ってきたことを示すからである。すなわち、離氷動作をした後、カム歯車10が所定位置(42〜48度)まで回転した際に、検氷軸31はフリクション部材8の阻止片に阻止されて回動できず、これによってスイッチ片回動阻止部31dが働けずにスイッチ押圧レバー41がタクトスイッチ42を押圧する。したがって、このような状況の場合は、タクトスイッチ42がオンとなり1度目のオン信号が出力されるからである。
【0077】
なお、上述の検氷動作、すなわち7秒間のタイマー動作中にタクトスイッチ42がオンとなった場合(42度〜48度の位置でオンする)は、スイッチオンの直後にDCモータ13を停止させる。このように検氷動作時にタクトスイッチ42がオンとなる場合は、貯氷容器内に氷が所定量以上入っており、氷の追加が必要ないことを意味している。すなわち、満氷を検知したこととなる。
【0078】
そして、DCモータ13を停止させた後、今度はDCモータ13を逆にCCW方向へ回転させる。そして、タクトスイッチ42がオフとなることで検氷信号がオフし、次にタクトスイッチ42がオンとなったら、原位置信号と判断して、DCモータ13を停止させる。これによって、カム歯車10は、原位置(0度)近傍で停止することとなる。この後は、製氷皿2に氷がある状態なので給水は行わず待機状態となる。これによって、満氷時の検氷動作が終了する。
【0079】
なお、上述の実施の形態は本発明の好適な実施の例ではあるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、ウォーム15の先端部分を受ける軸受け20を、図5に示すような構成、具体的には、矩形状の本体部20aの底面に嵌め込み用の突出部20bを設け、側面に軸受け孔20cを設け、上面にレール状のリブ20dを設けて、このリブ20dをケース9の組み込み時の変形部としたが、軸受け20は、図9及び図10に示すような構成としても良い。
【0080】
図9に示した軸受け60は、外観形状が略長方体形状となっている。そして、軸受け保持部19に嵌め込まれた際にケース半体9aと対向する側の面近傍の内部に、略長方体形状の空間部60dを備え、さらにこの空間部60dよりケース半体9bの底面側の内部に軸受け孔60cを備えている。このため、軸受け60は、ケース半体9bの軸受け保持部19に嵌め込まれた後、ケース半体9aを被せて両ケース半体9a,9bで挟みつけられると、空間部60dのみが矢示E方向へ大きく変形する。すなわち、空間部60dが、ケース組み込み時の変形部となっている。この結果、軸受け孔60cは、ケース組み込み後も変形せず、孔径の管理が容易で、摺動ノイズ及び摩耗を低減させることが可能な軸受け60となっている。
【0081】
図10に示した軸受け70は、軸受け孔70cが形成された側面側からみると、T字形状となっており、略長方体形状の本体部70aの上端部分から側方に突出した鍔部70d,70dを有している。この軸受け70は、ケース半体9bの軸受け保持部19に嵌め込まれた後、ケース半体9aを被せて両ケース半体9a,9bで挟みつけられると、両鍔部70d,70dのみが矢示F方向へ大きく変形する。すなわち、両鍔部70d,70dが、ケース組み込み時の変形部となっている。この結果、軸受け孔70cは、ケース組み込み後も変形せず、孔径の管理が容易で、摺動ノイズ及び摩耗を低減させることが可能な軸受け70となっている。
【0082】
このように、本実施の形態は、ウォーム15の先端部分を受ける軸受けを、ケース組み込み時に変形する変形部を備えた軟質の部材で構成したが、特に変形部を設けなくても、ケース組み込み時に軸受け孔に変形が起こらない場合は、上述の各変形部はなくてもよい。
【0083】
また、上述の実施の形態では、検氷位置等を検出するスイッチをタクトスイッチ42で構成したが、接点の係合/離脱によりオン/オフ切り換えがなされるリーフスイッチ等を用いてもよい。
【0084】
また、上述の実施の形態では、出力軸25をカム歯車10と一体的に設けたが、一体的に設けず別体としても良い。その際、それらを別の駆動源で駆動するようにしても良い。また、カムフォロアーとなる検氷軸31の係合凸部31aや、スイッチ押圧レバー41のカム当接部41aをカム歯車10の内周面に当接させるのではなく、外周面に当接させるようにしても良い。
【0085】
さらに、上述の実施の形態では、検氷信号を満氷の場合のみ発生するようにしたが、満氷のときは発生させず不足状態のときに信号を発生させるようにしても良い。
【0086】
さらに、駆動源をDCモータ13ではなく、ACモータやコンデンサモータとしてもよい。さらに、DCモータ13のように、時間制御がある程度必要なモータを使用するのではなく、ステッピングモータを使用してカム歯車10の回転角度をステップ数で制御するようにしても良い。さらには、ソレノイド等モータ以外の駆動源を採用しても良い。また、氷化する液体としては、水の他にジュース等の飲み物や検査試薬等の非飲料等を採用することができる。また、貯氷容器内の氷が出来上がったか否かを検知する手段としては、サーミスタ1aの他に形状記憶合金等を利用したバイメタルとしても良い。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動製氷機の駆動装置は、モータの駆動力を製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームの先端部分を受ける軸受けを、ケースとは別体で、かつケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成している。そのため、軸受けの孔径を精度良く成型することが可能となり、ウォームのラジアル方向へのがたつきを少なくすることが可能となる。この結果、軸受けとウォームの摺動部分から発生するノイズやこの摺動部分の摩耗を低減できる。また、軸受けがケースの材質と同等かあるいは軟らかい材質で形成されているため、より一層ノイズ及び摩耗を低減することが可能となる。
【0088】
また、ケース組み込み時に他の部分に比して大きく変形する変形部を設けると、組み込み後の軸受けの孔径の変形を防止することが可能となり、軸受けの孔径の寸法管理をしやすくなる。このため、より一層ノイズ及び摩耗を抑えることが可能となる。
【0089】
さらに、大きな駆動トルクが発生する離氷位置方向への駆動時にウォームが軸受けから離れる方向へ移動するように設定すると、軟質材で構成された軸受けに大きなスラスト力が伝達されず、軸受けの破壊や経時的な損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の自動製氷機の要部平面図である。
【図2】図1の自動製氷機の側面図である。
【図3】図1の自動製氷機の駆動装置を示し、一方のケースを取り外して内部を観察可能にした正面図である。
【図4】図3の駆動装置の回転伝達機構の連結関係を示す断面展開図である。
【図5】(A)は、図3の駆動装置の軸受けのみを矢示VA方向からみた正面図、(B)は、(A)を矢示VB方向からみた側面図、(C)は(A)を矢示VC方向からみた平面図である。
【図6】図4の駆動装置のカム歯車を図4の矢示VI方向から見た底面図である。
【図7】図3の駆動装置のスイッチ押圧レバーを矢示VII方向から見た底面図である。
【図8】図1の自動製氷機の動作状況を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の自動製氷機の駆動装置の軸受けの変形例を示した模式図である。
【図10】本発明の実施の形態の自動製氷機の駆動装置の軸受けの他の変形例を示した模式図である。
【図11】従来の自動製氷装置をケースの蓋を外した状態で内部機構が見えるように示した平面図である。
【符号の説明】
1 自動製氷機
2 製氷皿
3 検氷アーム
5 駆動装置
9 ケース
9a,9b ケース半体
10 カム歯車
11 検氷機構
12 スイッチ機構
13 DCモータ
13a 出力軸
14 回転伝達機構
15 ウォーム
20 軸受け
20d リブ(変形部)
Claims (5)
- 貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を上記貯氷容器内に落下させた後、上記製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、上記モータの駆動力を上記製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、上記ケースとは別体で、かつ上記ケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、上記ケースは、分割された2つのケース半体から構成され、上記軸受けを内部に収納して上記2つのケース半体を一体化させることにより、上記軸受けが上記2つのケース半体で挟み込まれて固定され、上記軸受けには、上記2つのケース半体で挟み込まれた際にその部分が変形すると共に上記ウォームの先端部分を受ける軸孔の径に影響を与えない変形部が形成されていることを特徴とする自動製氷機の駆動装置。
- 貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を上記貯氷容器内に落下させた後、上記製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、上記モータの駆動力を上記製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、上記ケースとは別体で、かつ上記ケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、上記ウォームは、先端部分が平面で形成され、かつ氷を落下させる方向(離氷位置方向)とは反対方向(製氷位置方向)へ上記製氷皿を回転させる際に上記軸受け側へ移動するように設定され、上記軸受けは、製氷位置方向への駆動時に上記ウォームをスラスト受けするように構成されていることを特徴とする自動製氷機の駆動装置。
- 貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を上記貯氷容器内に落下させた後、上記製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、上記モータの駆動力を上記製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、上記ケースとは別体で、かつ上記ケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、上記ケースは、分割された2つのケース半体から構成され、上記軸受けを内部に収納して上記2つのケース半体を一体化させることにより、上記軸受けが上記2つのケース半体で挟み込まれて固定され、上記ウォームは、先端部分が平面で形成され、かつ氷を落下させる方向(離氷位置方向)とは反対方向(製氷位置方向)へ上記製氷皿を回転させる際に上記軸受け側へ移動するように設定され、上記軸受けは、製氷位置方向への駆動時に上記ウォームをスラスト受けするように構成されていることを特徴とする自動製氷機の駆動装置。
- 貯氷容器内の氷の不足を検出した場合に、製氷皿を反転させて氷を上記貯氷容器内に落下させた後、上記製氷皿を元の位置に戻し氷を製造する自動製氷機の駆動装置において、ケース内に収納されたモータの出力軸にスラスト方向へ移動可能でかつラジアル方向へ一体的に回転するように連結され、上記モータの駆動力を上記製氷皿に伝達する回転伝達機構の最初段となるウォームを備えると共に、このウォームの先端部分を受ける軸受けを、上記ケースとは別体で、かつ上記ケースの材質と同質かもしくは軟質の樹脂を用いて構成し、上記ケースは、分割された2つのケース半体から構成され、上記軸受けを内部に収納して上記2つのケース半体を一体化させることにより、上記軸受けが上記2つのケース半体で挟み込まれて固定され、上記軸受けには、上記2つのケース半体で挟み込まれた際にその部分が変形すると共に上記ウォームの先端部分を受ける軸孔の径に影響を与えない変形部が形成され、上記ウォームは、先端部分が平面で形成され、かつ氷を落下させる方向(離氷位置方向)とは反対方向(製氷位置方向)へ上記製氷皿を回転させる際に上記軸受け側へ移動するように設定され、上記軸受けは、製氷位置方向への駆動時に上記ウォームをスラスト受けするように構成されていることを特徴とする請求項1記載の自動製氷機の駆動装置。
- 前記軸受けの材質を、ポリエステルエラストマーで構成したことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の自動製氷機の駆動装置。
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