JP2011094811A - 製氷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検氷動作中に貯氷容器が引き出された場合においても検氷部材が貯氷容器に衝突されるのを防止して、検氷部材が貯氷容器にひっかかることなく貯氷容器を引き出すことを可能にするとともに、衝突による検氷部材の損傷のおそれをなくした製氷装置を提供すること。
【解決手段】貯氷容器3を矢印Fの方向に引き出す動作に伴い、貯氷容器3のストッパ32と規制部材6の係止部65との間の係合が外れ、規制部材6が規制軸固定部64を中心に時計回りに回転されて検氷当接部61が上昇し、規制部材6が検氷部材4を貯氷容器3の上方に保持することにより、貯氷容器3を引き出す際に検氷部材4が貯氷容器3内に侵入するのを規制する。
【選択図】図1
【解決手段】貯氷容器3を矢印Fの方向に引き出す動作に伴い、貯氷容器3のストッパ32と規制部材6の係止部65との間の係合が外れ、規制部材6が規制軸固定部64を中心に時計回りに回転されて検氷当接部61が上昇し、規制部材6が検氷部材4を貯氷容器3の上方に保持することにより、貯氷容器3を引き出す際に検氷部材4が貯氷容器3内に侵入するのを規制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、製氷装置に関し、さらに詳しくは、冷蔵庫内に設置され、冷蔵庫内で氷を製造するとともに、製造された氷を冷蔵庫内の貯氷容器に補給する製氷装置に関するものである。
従来より、家庭用冷蔵庫等の冷蔵庫において、氷を製造するとともに、製造された氷を冷蔵庫内の氷を貯めておく貯氷容器に補給する製氷機能を備えた冷蔵庫が知られている。この種の冷蔵庫の製氷装置としては、駆動部により反転可能な製氷皿を有し、製氷後にこの製氷皿が反転されて、製造された氷が製氷皿の下方に設置された貯氷容器内に落下される構成のものがある。
製氷皿が反転される前には、貯氷容器内の氷の量が満氷であるかか否かの検知が行なわれる。貯氷容器内の氷の検知は、駆動部により駆動される検氷部材により行なわれる。検氷部材としては、例えば製氷皿の長手方向に沿って配置された検氷アームなどが知られている。検氷アームの基端は駆動部の回転軸に固定されており、検氷アームは、この基端を中心として上下方向に揺動する。検氷アームの先端には検氷部が設けられており、検氷アームの揺動により検氷部が貯氷容器内に侵入し、検氷部が氷と接触するか否かにより貯氷容器内の氷の量が満氷であるかか否かの検知が行なわれる。貯氷容器内の氷の量が満氷でない場合には、製氷皿が反転され、貯氷容器内に氷が補給される。
貯氷容器は、通常、製氷皿の下方位置から外側に引き出すことができるようになっており、貯氷容器を引き出すことにより貯氷容器内の氷を取り出すことができる。
ここで、上記検氷部材により貯氷容器内の氷の量の検知が行なわれているときに貯氷容器が引き出されると、検氷部材の検氷部が貯氷容器内に侵入しているため、検氷部と貯氷容器の壁とが衝突し、貯氷容器の引き出し動作が妨げられる。また、衝突により、検氷部あるいは貯氷容器が損傷するおそれがある。
そこで、このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、貯氷容器内に貯氷された氷の量を検氷レバーにより検知する際に貯氷容器が引き出されても検氷レバーと貯氷容器との衝突の力を和らげる製氷装置が開示されている。
具体的には、図11に示すように、駆動部81により回転される製氷皿82と、製氷皿82の下方に配置される貯氷容器内の氷の量を検知する検知レバー83と、を備え、検知レバー83の先端に、貯氷容器の出し入れ方向(図11中の矢印方向)に回動自在な検氷部84が設けられた製氷装置80が示されている。検氷部84は貯氷容器の出し入れ方向に回動自在に構成されているため、検氷レバー83を下方に回転させた状態で貯氷容器を引き出したり押し込んだりしても、貯氷容器に検氷部84が当たればその検氷部84は同じ方向に回転するので、検氷レバー83と貯氷容器との衝突の力が和らげられるようになっている。
しかしながら、特許文献1の製氷装置80では、検氷部84と貯氷容器の衝突時に検氷部84にかかる力は低減されるものの、検氷部84と貯氷容器の衝突そのものをなくすわけではない。また、例えば検氷部84の回動部に霜が付着するなどの要因で検氷部84が回動しにくくなれば、貯氷容器との衝突時において検氷部84にかかる力はさらに大きくなるおそれがある。そうすると、検氷部84の損傷を回避できないおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、検氷動作中に貯氷容器が引き出された場合においても検氷部材が貯氷容器に衝突されるのを防止して、検氷部材が貯氷容器にひっかかることなく貯氷容器を引き出すことを可能にするとともに、衝突による検氷部材の損傷のおそれをなくした製氷装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る製氷装置は、製氷皿の下方に配置された貯氷容器内に製造された氷が落下される構成の製氷装置において、前記貯氷容器の上方には、該貯氷容器の上方から下降して該貯氷容器内に侵入し、該貯氷容器内の氷の量を検知する検氷部材が設けられるとともに、前記検氷部材の下方から前記検氷部材の動作範囲内における前記貯氷容器の上方まで上昇するように付勢され、前記貯氷容器を引き出す動作に連動して該付勢力により前記貯氷容器の上方まで上昇し、前記検氷部材の前記貯氷容器内への侵入を規制する規制部材が設けられたことを要旨とするものである。
本発明に係る製氷装置においては、貯氷容器を押し入れる動作に連動して規制状態が解除されることが望ましい。このとき、規制部材は、貯氷容器が押し入れられ、規制状態が解除された状態で貯氷容器に係止される係止部を有することが望ましい。そして、規制部材は、検氷部材の動作範囲外に配置されるとともに、検氷部材の貯氷容器内への侵入を規制する際には、検氷部材の動作範囲内に侵入して検氷部材を貯氷容器の上方に保持することが望ましい。また、前記貯氷容器は、前記検氷部材の移動軌跡の面と直交する方向に引き出されることが望ましい。
本発明に係る製氷装置によれば、製氷皿の下方に配置された貯氷容器内に侵入して貯氷容器内の氷の量を検知する検氷部材の貯氷容器内への侵入が、貯氷容器を引き出す動作に連動して規制部材により規制されるため、検氷動作中に貯氷容器が引き出された場合には、検氷部材は貯氷容器外に置かれ、検氷部材が貯氷容器に衝突されるのを防止できる。これにより、検氷部材が貯氷容器にひっかかることなく貯氷容器を引き出すことができるとともに、衝突による検氷部材の損傷のおそれを低減できる。
この際、規制部材が検氷部材の貯氷容器内への侵入を規制する状態に付勢されており、貯氷容器を押し入れる動作に連動してその規制状態が解除される構成であれば、貯氷容器を引き出した状態においては、付勢力により検氷部材の貯氷容器内への侵入が規制されている。そのため、引き出した貯氷容器を押し入れる際には、検氷部材が貯氷容器を押し入れる妨げにはならない。貯氷容器を押し入れたときには、その付勢は解除され、検氷部材による検氷動作が可能となる。
そして、この規制部材が、貯氷容器が押し入れられ、規制が解除された状態で貯氷容器に係止される係止部を有するときには、貯氷容器を押し入れる動作により確実に規制が解除され、確実に検氷部材による検氷動作が行なわれる。
さらに、この規制部材が、検氷部材の動作範囲外に配置されるとともに、検氷部材の貯氷容器内への侵入を規制する際には、検氷部材の動作範囲内に侵入して検氷部材を貯氷容器の上方に保持する場合には、規制部材は検氷動作を妨げることなく、確実に検氷部材による検氷動作が行なわれる。
そして、前記貯氷容器が前記検氷部材の移動軌跡の面と直交する方向に引き出される構成にしたときには、貯氷容器を引き出す動作および貯氷容器を押し入れる動作により、貯氷容器内に侵入している検氷部材を貯氷容器の外に押し出すことが困難である。したがって、このような構成においては、検氷部材と貯氷容器との衝突を防止するために、本発明の規制部材を設ける意義が大きい。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る製氷装置1は、製氷皿2と、製氷皿2の下方に配置されて製氷皿2で製造された氷を貯氷するとともに貯められた氷を取り出すために出し入れ可能に構成された貯氷容器3と、貯氷容器3の上方に配置され、貯氷容器3内の氷の量を検氷するために貯氷容器3内に侵入退出する検氷部材4と、製氷皿2および検氷部材4を連動させて駆動させる駆動部5と、貯氷容器3を引き出す動作に連動して検氷部材4の貯氷容器3内への侵入を規制する規制部材6と、を備えている。
製氷皿2は、図示しない給水部より給水され、製氷する水を貯めておくための複数の凹部21を備えており、矩形状に構成されている。製氷皿2は、長手方向に沿って回転軸22を有しており、回転軸22の一方端22aは枠体7の側壁71aに軸支され、回転軸22の他方端(図示せず)は枠体7に取り付けられた駆動部5の出力軸51(図2〜4参照)に連結され、駆動部5の回転駆動により回転軸22を中心に回転可能になっている。
製氷皿2の長手方向の一方端側には、製氷皿2にひねりを加えるためのひねり用突起23が、製氷皿2の一方端から長手方向の外側に向かって設けられている。ひねり用突起23は、回転軸22を中心とした製氷皿2の回転に伴って、回転軸22を中心として回転されるようになっている。製氷皿2は、弾性変形可能な樹脂材料等により形成されており、ひねりの力が加えられると変形可能になっている。製氷皿2の回転軸22の他方端には、駆動部5の出力軸51に嵌め合わせ可能な図示しない嵌合溝が形成されている。なお、製氷皿2の下部には、製氷皿2の温度を検知するサーミスタ24(図7参照)が取り付けられている。
枠体7は、四方を側壁71により矩形状に囲まれ、上面と下面とが開放された構造をしている。長手方向の一方端側の側壁71aには、製氷皿2の回転軸22の一方端22aを挿通して製氷皿2を軸支するための図示しない挿通孔が形成されている。この挿通孔は、製氷皿2の回転軸22の一方端22aの外径よりもやや大きめの内径を有しており、製氷皿2の回転軸22の一方端22aは、挿通孔に遊嵌されるようになっている。また、この側壁71aには、製氷皿2の長手方向の一方端側に設けられたひねり用突起23が製氷皿2の回転に伴って当接される当接部72が、側壁71aから枠体7の内側方向に向かって突設されている。枠体7の長手方向の他方端側は、上面の一部が天板73で塞がれており、この天板73に駆動部5が取り付けられている。
製氷皿2の下方に配置された貯氷容器3は、上面が開放され、周囲に側壁31が構成された角形の箱よりなる。製氷皿2よりもやや大きめに形成されており、製氷皿2の回転により落下した氷を、開放された上面より受け入れできるようになっている。貯氷容器3は、貯められた氷を取り出しできるように、製氷皿2の下方位置から短手方向(矢印F、Bの方向)に出し入れ可能に構成されている。貯氷容器3の引き出し方向(矢印Fの方向)の奥側の側壁31aには、規制部材6の係止部65と係合し、係止部65を係止するストッパ32が設けられている。ストッパ32の係止部65が係止する先端は、係止部65の先端に合わせてテーパ状にされている。
貯氷容器3の上方に配置された検氷部材4は、駆動部5の検氷軸541に固定された検氷軸固定部41から製氷皿2の長手方向に延出された検氷アーム42を備えている。検氷部材4は、駆動部5の検氷軸541より回転駆動が伝達されて、検氷軸541を軸として検氷アーム42が昇降可能になっており、検氷部材4の下方に配置された貯氷容器3内に検氷アーム42が侵入退出可能になっている。検氷アーム42は、下降動作により貯氷容器3内に侵入した際に貯氷容器3内の氷に接触される氷接触面42aが水平になるように、先端方向に向かう途中部分で上側に折れ曲っている。氷接触面42aよりも先端側には、上側に向かって傾斜される傾斜面42bを有している。検氷部材4の動作に伴い、氷接触面42aは上下方向に移動する。この氷接触面42aの移動軌跡により形成される面が、検氷部材4の移動軌跡の面となる。
駆動部5は、図2、3に示すように、製氷皿2に連結されてこれを反転させるカムとなるカム歯車53(図4に拡大図を示す。なおこの拡大図は、図2に示したカム歯車53の反対側(検氷軸541およびスイッチ押圧レバー551と係合する面)の面を示している。)と、このカム歯車53に操作され介在部材の一部を構成する検氷機構54およびスイッチ機構55を備える。なお、この駆動装置5の内部機構は、2つのケースからなるケース56内に配置されている。
カム歯車53は、駆動源となるDCモータ57により回転させられる。すなわち、DCモータ57の回転は、回転伝達手段を介してカム歯車53に伝達される。この回転伝達手段は、DCモータ57のロータ出力軸に設けられたウォーム歯車581と、ウォーム歯車581の回転を順次減速させる第1歯車582、第2歯車583、第3歯車584より構成されている。したがって、DCモータ57のロータ出力軸の回転は、回転伝達手段により次々に減速されながらカム歯車53に伝達される。なお、このカム歯車53は、本実施形態では、製氷皿2が水平な位置、すなわち製氷が行なわれる位置(製氷位置)を0度とした場合、−6度から168度の範囲で回転することが可能である。
このカム歯車53には、出力軸51が一体成形されている。その出力軸51は、ケース56の一方に設けられた孔から駆動装置5の外方に突出し、製氷皿2に連結されている。したがって、カム歯車53と製氷皿2とは、一体となって回転する。
一方、図4に示すように、カム歯車53には、環状の凹部531が形成されている。この凹部531の回転中心側の面は、検氷軸用カム面532を構成し、また、外周側の面はスイッチ押圧レバー用カム面533を構成している。各カム面532、533は、カム歯車53の回転中心となる軸に対してほぼ平行に延設された延設部の側壁部分に形成されている。
具体的には、検氷軸用カム面532は、検氷機構54の検氷軸541と係合するカム面であり、検氷非動作位置部532aと、検氷降下動作部532bと、氷不足検出位置部532cと、検氷復帰動作部532dとを有する。検氷非動作位置部532aは、検氷アーム42を下降させない状態(原位置)で維持させる区間となっており、−6度〜11度及び79度〜168度の区間に形成されている。また、検氷降下動作部532bは、貯氷容器3内の氷が不足している場合に検氷アーム42を徐々に下降させるための区間となっており、11度〜35度の区間に形成されている。また、氷不足検出位置部532cは、貯氷容器3内の氷が不足している場合に検氷アーム42を最下降させた状態で維持させる区間となっており、35度〜55度の区間に形成されている。また、検氷復帰動作部532dは、下降した検氷アーム42を上昇させるための区間となっており、55度〜79度の区間に形成されている。
一方、スイッチ押圧レバー用カム面533は、スイッチ機構55のスイッチ押圧レバー551と係合するカム面であり、製氷位置(0度)おいて信号を出力させるための第1の信号発生用カム部533aと、貯氷容器3内の氷の量を量る(氷の量が十分であるのか不十分であるのかを量る)検氷位置(42度)において信号を出力させるための第2の信号発生用カム部533bと、製氷した氷を離氷させる離氷位置(160度)において信号を出力させるための第3の信号発生用カム部533cとを有している。これらのカム部は、カム歯車53の回転角度が、製氷位置(0度)、検氷位置(42度)及び離氷位置(160度)にある場合に、タクトスイッチ552をオンとする方向にスイッチ押圧レバー551を回転させるための構成である。
なお、検氷軸用カム面532は、検氷軸541と係合するカム面であり、スイッチ押圧レバー用カム面533は、検氷軸541とは異なる位置に配設されるスイッチ押圧レバー551と係合するカム面であるから、カム歯車53における両カム面の原点位置(0度)は異なる。検氷軸カム面532の場合、原点位置は図4に示すS1の位置であり、スイッチ押圧レバー用カム面533の場合、原点位置は図4に示すS2の位置である。
検氷機構54は、カム歯車53に操作されるとともに検氷アーム42を動作させる検氷軸541(図5に拡大図を示す。)と、検氷軸541を揺動させるための力を与えるコイルバネ542とを備える。
検氷軸541は、凸部541aと、係合片541bと、バネ係合部541cと、スイッチ片回転阻止部541dと、スラスト抜け防止突堤541eと、アーム連結部541fと、ケース受け部541gと、ガイド片541hとを備える。
検氷軸541は、ケース受け部541gがケース56に形成された受け孔(図示せず)に係合されることにより回転自在に支持される。一方、この検氷軸541の他方の端部に形成されているアーム連結部541fは、ケース56の外部に突出されていると共に、このアーム連結部541fに検氷アーム42の支点部が嵌め込まれる。
凸部541aは、検氷軸541の外周面から径方向外側に突出され途中位置から湾曲された形状となっており、検氷軸541の軸線を回転中心として回転可能となっている。この凸部541aは、カム歯車53に形成された検氷軸用カム面532に当接するカムフォロアーである。
係合片541bは、フリクション部材52と係合する部材である。フリクション部材52は、図3に示すように、出力軸51の外周面に配設された筒状の部材であり、摩擦力によって出力軸51と一体的に回転する。その外周面には、図示しない阻止片が設けられている。かかる阻止片は、後述の動作説明において説明するように、カム歯車53が離氷位置側向かって回転(DCモータ57がCW方向に回転)する際には検氷軸541の係合片541bと係合せず、カム歯車53が製氷位置側向かって回転(DCモータ57がCCW方向に回転)する際にのみ検氷軸541の係合片541bと係合する。阻止片が係合片541bに係合した状態にあるとき、検氷軸541は回転不能となる。
スイッチ片回転阻止部541dは、検氷アーム42が下降することにより、検氷軸541が所定角度(本実施形態では30度)まで回転した際、スイッチ押圧レバー551の突起腕551bに当接するように設けられている。スイッチ片回転阻止部541dが突起腕551bに当接すると、スイッチ押圧レバー551は回転不能となる。
スラスト抜け防止突堤541eは、検氷軸541の軸方向におけるスイッチ片回転阻止部541dとアーム連結部541fとの間に全周に渡って形成されている。このため、検氷軸541は、スラスト方向において所定の範囲のみ移動することができる。
ガイド片541hは、検氷軸541の軸方向中央よりややアーム連結部541f側に近い位置に形成されている。このガイド片541hは、ケース56の天板の裏側部分に形成されたガイド溝(図示せず)内に係合されている。このため、検氷軸541は、ガイド片541hによってケース56に対して案内され、このガイド溝内でガイド片541hが移動可能な範囲で回転できる。
コイルバネ542は、検氷アーム42を常時検氷位置側へ付勢するための部材である。具体的には、コイルばね542の一端がケース56内に設けた中地板(図示せず)に設けたバネ掛け突起部に引っ掛けられ、他端が検氷軸541のバネ係合部541cに係止される。これにより、検氷軸541は、圧縮されたコイルバネ542の戻り力によって凸部541aをカム歯車53の検氷軸用カム面532側に押し付ける方向(図2の矢示X方向)に回転するように付勢される。この力は、カム歯車53の中心から外周に向かうもので、ケース56の両ケースを組み込むときの妨げとならない。このため、カム歯車53がコイルバネ542の力によって浮き上がってしまうことがなく、カム歯車53の組み込みや両ケースの一体化が簡単に行え、組み立て易いものとなる。
このように構成された検氷機構54は、検氷軸用カム面532に沿って動作する凸部541aの動きを検氷アーム42に伝えると共に、検氷アーム42の動きをスイッチ片回転阻止部541dを介してスイッチ機構55に伝えるものとなっている。
スイッチ機構55は、製氷皿2の駆動に連動して接点の係合及び離脱がなされることによりタクトスイッチ552のオン/オフを切り換える構成を備える。このスイッチ機構55は、カム歯車53に操作されるスイッチ押圧レバー551と、スイッチ押圧レバー551の揺動によってオン/オフされるタクトスイッチ552と、スイッチ押圧レバー551の揺動を禁止する機能を有する上述のスイッチ片回転阻止部541dと、スイッチ押圧レバー551を揺動させるための力を与えるコイルバネ554とを備える。
スイッチ押圧レバー551は、ケース56の一方の底面に立設された2つの端板561の上端縁部分に設けられた各U字状溝561a内に揺動自在に支持されている。具体的には、スイッチ押圧レバー551の中心に設けられた回転支持部551dが各U字状溝561a内に係合されている。そして、スイッチ押圧レバー551の上端部分には、カム歯車53のスイッチ押圧レバー用カム面533に当接するカムフォロアーとなるカム当接部551aが設けられている。したがって、カム歯車53が回転した場合、カム当接部551aがスイッチ押圧レバー用カム面533に沿ってカム歯車53の径方向に移動し、スイッチ押圧レバー551が揺動する。
また、スイッチ押圧レバー551の所定位置には、突起腕551bが形成されている。この突起腕551bは、検氷軸541に設けられたスイッチ片回転阻止部541dの近傍に位置している。検氷軸541が所定角度まで回転すると、この突起腕551bにスイッチ片回転阻止部541dが当接する。両者が当接している状態では、スイッチ押圧レバー551は揺動することができない。
一方、突起腕551bと対向する位置には、タクトスイッチ552のボタン552aが配置されている。また、スイッチ押圧レバー551の突起腕551bのタクトスイッチ552と対向しない側の面には山形状の突部551cが設けられ、コイルバネ554の一端内に入り込んでいる。なお、コイルバネ554の他端は、ケース56の一方に設けられた係合筒561b内に入れられ、係合筒561b内の軸(図示省略)がその端部内に入り込んでいる。
タクトスイッチ552は、ケース56の一方に固定され、DCモータ57の後端に連結されたプリント配線基板59に接続されている。上記スイッチ押圧レバー551は、そのカム当接部551aがスイッチ押圧レバー用カム面533の第1〜第3の信号発生用カム部533a〜533cに係合しており、突起腕551bにスイッチ片回転阻止部541dが当接していない状態であれば、コイルばね554の付勢力によってタクトスイッチ552の方向に回転する。スイッチ押圧レバー551が回転すると、タクトスイッチ552はオンとなる。
これに対し、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが第1〜第3の信号発生用カム部533a〜533cに係合していないとき(スイッチ押圧レバー用カム面533のA区間(第1の信号発生用カム部533aと第2の信号発生用カム部533bとの間)またはB区間(第2の信号発生用カム部533bと第3の信号発生用カム部533との間)と当接しているとき)や、係合していても突起腕551bにスイッチ片回転阻止部541dが当接している状態であれば、スイッチ押圧レバー551がタクトスイッチ552の方向に回転することはなく、タクトスイッチ552はオフとなる。
規制部材6は、貯氷容器3の引き出し方向の手前側に配置された検氷部材4の下方に配置され、規制動作時には検氷部材4に当接される検氷当接部61を備えるとともに、この検氷当接部61から、検氷部材4の検氷アーム42が延出される貯氷容器3の引き出し方向(矢印Fの方向)に直交する製氷皿2の長手方向に沿って枠体7の外側まで延びた後、貯氷容器3の引き出し方向(矢印Fの方向)の奥に向かって曲折されてその奥まで延びる連結部62を備え、さらに、枠体7の長手方向側面71bの外側で貯氷容器3の引き出し方向の奥に軸支された規制軸63に固定されるとともに、この連結部62を介して検氷当接部61に連結されている規制軸固定部64とを備えている。
規制軸固定部64の鉛直方向下側には、貯氷容器3を押し入れたときに貯氷容器3の引き出し方向奥側の側壁31aの上側に設けられたストッパ32に係止される係止部65が延設されている。係止部65の先端はテーパ状になっている。
規制部材6は、規制軸63を中心に回転可能に構成されている。図6に示すように、規制部材6の規制軸固定部64と枠体7との間にはコイルバネ66が介装されており、このコイルバネ66によって規制軸63が時計回りに回転されるように付勢されている。この規制軸63に連結されている検氷当接部61は、規制軸63の時計回りの方向への回転に伴って上昇される。したがって、貯氷容器3が押し入れられていない状態では、検氷当接部61は上がった状態になり、係止部65は規制軸固定部64の垂直方向に配置される。規制軸63が反時計回りに回転されると、検氷当接部61は下降し、検氷部材4の下方に配置される。
次に、製氷装置1の動作について説明する。
コントローラは、基本動作プログラムおよび初期設定プログラムを適宜実行する。この製氷装置1は、電源がオンされると、初期設定プログラムが動作し、基本動作プログラムが開始される。
基本動作プログラムでは、まず、製氷皿2で製氷が行なわれる。具体的には、水平に配置(製氷位置、すなわちカム歯車が0度の位置)された製氷皿2に、図示しない給水部より給水され、製氷皿2の上方に設置された図示しない冷却部により、製氷皿2内に供給された水が冷却される。製氷が完了したか否かは、製氷皿2の下部に取り付けられたサーミスタ24により、所定温度以下となったか否かで判断される。
製氷が完了すると、以下に示す順序で検氷部材4により、製氷皿2の下方に設置された貯氷容器3内の氷の量の検知(検氷動作)が行なわれる。まず、コントローラは、DCモータ57をCW方向へ回転させる。そして、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが、スイッチ押圧レバー用カム面533のA区間と当接する位置までカム歯車53が回転すると、タクトスイッチ552がオフとなる。そして、タクトスイッチ552がオフとなったら、タイマー(図示せず)を所定時間(カム歯車53が42度以上(160度以下)まで回転する時間に設定する。本実施形態では7秒)にセットし、この時間内でタクトスイッチ552がオンとなるか否かを確認する。貯氷容器3内の氷が不足していれば、当該時間内でタクトスイッチ522がオンとなることはなく、貯氷容器3内の氷が満氷であれば、当該時間内でタクトスイッチ522がオンとなる。以下、この点について場合を分けて説明する。
貯氷容器3内の氷が不足している状態にある場合、タイマーでカウントされる所定時間内においてタクトスイッチ552のオフ状態が維持される。具体的には、カム歯車53が42度回転すると、検氷軸541の凸部541aは検氷軸用カム面532の検氷降下動作部532bに係合するため、検氷軸541が所定角度まで回転し、検氷アーム42が所定量降下する。この検氷軸541の回転により、スイッチ片回転阻止部541dが突起腕551bに当接してスイッチ押圧レバー551が回転不能の状態となる。したがって、カム歯車53が42度回転し、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが第2の信号発生用カム部533bに係合しても、タクトスイッチ552はオンとならない。つまり、このような氷が不足した状況の場合は、所定時間内にタクトスイッチ552がオンとならず信号が出力されない。
そして、DCモータ57がさらに回転し、製氷皿2のひねり用突起23と枠体7の当接部72が当接することで製氷皿2にひねりが加えられ、離氷動作が行なわれる。このときカム歯車53は少なくとも160度まで回転しているから、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが第3の信号発生用カム部533cに係合した状態にある。また、検氷軸541の凸部541aは検氷軸用カム面532の検氷非動作位置部532aと係合しているから、検氷軸541は所定角度回転しておらず、スイッチ片回転阻止部541dと突起腕551bとは離間した状態にある。よって、スイッチ押圧レバー551の回転は規制されず、タクトスイッチ552はオンとなる。
つまり、タイマーにてカウントされる所定時間内にタクトスイッチ552がオンとならず、当該所定時間経過後にタクトスイッチ552がオンとなった場合は、製氷完了時に氷が不足していたこと、及びこの氷の不足に基づき離氷動作を行なったことを意味する。
そして、かかる所定時間経過後のオン信号を得て、離氷動作が完了したことを検知したコントローラは、次のように原点復帰動作を行なう。コントローラは、当該オン信号を得た後、DCモータ57を1秒間停止させてから、DCモータ57をCCW方向へ回転させる。すると、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aがスイッチ押圧レバー用カム面533のB区間に当接するから、タクトスイッチ522がオフとなる。その後、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが、第2の信号発生用カム部533bに係合するから、一旦タクトスイッチ552がオンとなる。その後、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aがスイッチ押圧レバー用カム面533のA区間に当接するから、タクトスイッチ552がオフとなる。そしてさらに回転させると、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが第1の信号発生用カム部533aに係合するから、タクトスイッチ522がオンとなる。このようにDCモータ57をCCW方向に回転させてから、2度のオン信号を得ることで、コントローラは、カム歯車53(製氷皿2)が原位置(0度)に戻ったと判断する。この後、製氷皿2に給水を行ない、再びサーミスタ24からの製氷完了信号を待つ。
なお、この一連の原点復帰動作において、カム歯車53が42度まで回転した際、貯氷容器3内の氷が不足した状態にあっても(すなわち、検氷軸541が所定角度以上回転する状態であっても)、スイッチ押圧レバー551によりタクトスイッチ552のボタン552aが押圧される。これは、カム歯車53が製氷位置に戻る方向に回転(DCモータ57がCCW方向に回転)する際には、検氷軸541が上述したフリクション部材52の阻止片に規制されて回転できず、スイッチ片回転阻止部541dが機能しないからである。したがって、貯氷容器3内の氷が不足した状態にあっても、カム歯車53が42度まで回転した際、スイッチ押圧レバー551がタクトスイッチ552を押圧し、一度目のオン信号が得られる。
貯氷容器3内が満氷の場合は次のように動作する。カム歯車53が42度回転すると、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが第2の信号発生用カム部533bに係合する。一方、貯氷容器3は満氷状態にあることから、検氷アーム42が所定量以上降下せず、検氷軸541は所定角度まで回転しない。したがって、スイッチ片回転阻止部541dが突起腕551bに作用することはなく、スイッチ押圧レバー551の回転は規制されない。よって、カム歯車53が42度回転したとき、タクトスイッチ552はオンとなる。すなわち、タイマーでカウントされる上記所定時間内にカム歯車53は42度まで回転するから、当該所定時間内にタクトスイッチ552はオンとなる。
コントローラは、このように所定時間内にオン信号を検出したことをもって貯氷容器3が満氷であると判断する。その後、次のように原点復帰動作を行なう。上記オン信号を得た後、DCモータ57を1秒間停止させてから、DCモータ57をCCW方向へ回転させる。そうすると、タクトスイッチ552は、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aがスイッチ押圧レバー用カム面533のA区間に当接することで一旦オフとなった後、スイッチ押圧レバー551のカム当接部551aが第1の信号発生用カム部533aに係合することで再びオンとなる。かかるオン信号を得て、コントローラは、カム歯車53(製氷皿2)が原位置(0度)に戻ったと判断する。この後は、製氷皿2に氷が存在している状態なので給水は行なわず待機状態となる。これによって、満氷時の検氷動作が終了する。
ここで、検氷動作時に貯氷容器3内の氷を取り出す動作が行なわれる場合について説明する。貯氷容器3内の氷を取り出す際には、貯氷容器3は矢印F方向に引き出される。貯氷容器3の引き出される方向は貯氷容器3の短手方向であり、検氷部材4の検氷アーム42の延びる方向に直交する方向である。また、貯氷容器3の引き出される方向は、検氷部材4の動作に伴って氷接触面42aが移動することにより形成される検氷部材4の移動軌跡の面と直交する方向である。
図7、8に示すように、貯氷容器3が引き出される前の状態では、貯氷容器3の側壁31aに設けられたストッパ32に規制部材6の係止部65が係止しており、規制部材6の規制軸63はコイルバネ66の付勢力に逆らって反時計回りに回転され、規制部材6の検氷当接部61は検氷部材4の下方に配置されている。検氷当接部61は、規制動作時以外のときに検氷部材4による検氷動作を妨げないように、検氷部材4の下方における検氷部材4の動作範囲外に配置されている。
検氷動作時には、検氷部材4は下降して貯氷容器3内に進入する。したがって、引き出される貯氷容器3の引き出し方向奥側の側壁31aの移動経路上には検氷部材4が侵入している。このままの状態で貯氷容器3が引き出されると、貯氷容器3の引き出し方向奥側の側壁31aと検氷部材4とが衝突する。これにより、検氷部材4は、検氷部材4の侵入方向と直交する方向に力を受ける。
図9、10に示すように、貯氷容器3が矢印Fの方向に引き出されると、貯氷容器3の側壁31aに設けられたストッパ32と規制部材6の係止部65の係合が外れ、コイルバネ66により付勢されている規制部材6は規制軸63を中心として時計回りに回転される。この回転に伴い、規制部材6の検氷当接部61は、点線で示した位置から実線で示した位置まで上昇し、検氷部材4の動作範囲内に侵入する。検氷当接部61は検氷部材4の検氷アーム42に当接して、検氷アーム42を貯氷容器3の上方に持ち上げる。これにより、検氷部材4は、貯氷容器3の引き出し方向奥側の側壁31aの移動経路外(貯氷容器3の上方)に移動される。
検氷アーム42を持ち上げる際には、検氷軸541を回転させるように付勢しているコイルバネ542の付勢力に逆らうので、規制部材6を付勢しているコイルバネ66の付勢力が、コイルバネ542による付勢力よりも大きくなるように構成される。このとき、コイルバネ66の付勢力により検氷軸541がコイルバネ542の付勢方向とは反対の方向に回転されるが、検氷軸541の凸部541aがカム歯車53の検氷軸用カム面532から径方向内側に離れるだけで、カム歯車53がDCモータ57の回転に逆らって逆回転されるわけではない。
貯氷容器3が引き出された状態では、図10に示すように、コイルバネ66の付勢力によって規制部材6は貯氷容器3が配置される位置の上方に上がったままであるため、氷を取り出した後、貯氷容器3を押し入れる動作時にも、検氷部材4は貯氷容器3の引き出し方向奥側の側壁31aの移動経路外にある。
貯氷容器3を引き出し方向の奥まで押し入れると、引き出し方向奥側の側壁31aにより、実線で示した位置から点線で示した位置まで規制部材6の係止部65が右側に押され、規制部材6は規制軸63を中心に反時計回りに回転され、検氷当接部61は検氷部材4から離れてその下方に配置される。これに伴い、係止部65は規制軸固定部64の鉛直方向やや斜め下方に配置されるとともに、ストッパ32に係止される。これにより、規制部材6の回転が抑えられ、検氷当接部61は下がった状態で保持される。この状態では、検氷部材4は規制部材6による規制が解除されており、検氷動作が可能になる。
一方、検氷動作を行なっていないときに貯氷容器3内の氷を取り出す動作が行なわれる場合について説明する。この場合、検氷部材4は、図9に示すように、貯氷容器3の上方に配置され、貯氷容器3の引き出し方向奥側の側壁31aの移動経路外にある。この状態で貯氷容器3が引き出されると、貯氷容器3の側壁31aに設けられたストッパ32と規制部材6の係止部65の係合が外れ、コイルバネ66の付勢力により規制部材6は規制軸63を中心に時計回りに回転される。この回転に伴って規制部材6の検氷当接部61は、検氷部材4の貯氷容器3内への侵入を規制する位置まで(図10の点線で示した位置から実線で示した位置まで)上昇する。貯氷容器3が引き出された状態では、コイルバネ66の付勢力によって規制部材6は上がったままであるため、検氷部材4は貯氷容器3の引き出し方向奥側の側壁31aの移動経路外(貯氷容器3の上方)に保持される。この状態で仮に検氷部材4の検氷動作が開始されても、規制部材6により検氷部材4の貯氷容器3内への侵入が規制され、前述の貯氷容器3内が満氷である場合と同様に動作する。
引き出した貯氷容器3を引き出し方向の奥まで押し入れると、引き出し方向奥側の側壁31aが規制部材6の係止部65を右方向に押し、規制部材6は規制軸63を中心に反時計回りに回転され、再び検氷当接部61は検氷部材4の下方に配置される。これにより、検氷部材4は規制部材6による規制が解除され、検氷動作が可能になる。
したがって、製氷装置1によれば、製氷皿2の下方に配置された貯氷容器3内に侵入して貯氷容器3内の氷の量を検知する検氷部材4の貯氷容器3内への侵入が、貯氷容器3を引き出す動作に連動して規制部材6により規制されるため、検氷動作中に貯氷容器3が引き出された場合には、検氷部材4は貯氷容器3外に置かれ、検氷部材4が貯氷容器3に衝突されるのを防止できる。これにより、検氷部材4が貯氷容器3にひっかかることなく貯氷容器3を引き出すことができるとともに、衝突による検氷部材4の損傷のおそれを低減できる。
規制部材6は、コイルバネ66によって検氷部材4を貯氷容器3の上方に保持して検氷部材4の貯氷容器3内への侵入を規制する状態に付勢されており、貯氷容器3を押し入れる動作に連動して規制状態が解除されるようにされているため、貯氷容器3を引き出したときには、その付勢力により検氷部材4が貯氷容器3の上方に保持される。そのため、引き出した貯氷容器3を押し入れる際に、検氷部材4が貯氷容器3を押し入れる妨げにはならない。
この規制部材6は、貯氷容器3が押し入れられ、規制状態が解除された状態で貯氷容器3に係止される係止部65を有するので、貯氷容器3を押し入れる動作により確実に規制が解除され、確実に検氷部材4による検氷動作が行なわれる。
さらに、この規制部材6は、検氷部材4の動作範囲外に配置されるとともに、検氷部材4の貯氷容器3内への侵入を規制する際には、検氷部材4の動作範囲内に侵入して検氷部材4を貯氷容器3の上方に保持するので、規制部材6は検氷動作を妨げることなく、確実に検氷部材4による検氷動作が行なわれる。
また、さらに、貯氷容器3は、検氷部材4の移動軌跡の面と直交する方向に引き出される構成である。このような構成においては、貯氷容器3を引き出す動作および貯氷容器3を押し入れる動作により、貯氷容器3内に侵入している検氷部材4を貯氷容器3の外に押し出すことが困難である。したがって、特に、検氷部材4と貯氷容器3との衝突を防止するために、本発明の規制部材6を設ける意義が大きいと云える。
また、このような構成においては、さらに、次のような効果も期待できる。すなわち、例えば、製氷装置1を冷蔵庫のドアに取り付ける場合には、ドアの厚みを増大させないようにするためには、ドアの面に沿って製氷装置1の長手方向を配置するのが良い。このとき、長手方向に貯氷容器3を引き出す構成にすると、冷蔵庫の周囲に貯氷容器3を引き出すためのスペースを設ける必要がある。これに対し、本実施形態の構成のように、短手方向に貯氷容器3を引き出す構成にすれば、貯氷容器3をドアの面に直交する方向に引き出すことができる。そうすると、ドアを閉じた状態のまま、ドアの外側から貯氷容器3を引き出し、氷を取り出した後、貯氷容器3を押し入れることが可能となる。また、貯氷容器3を引き出しても、ドアを開閉する際のドアと冷蔵庫本体との接触部分に貯氷容器3は突出していないので、貯氷容器3を引き出した状態のままでも、ドアの開閉を妨げない。
また、例えば、製氷装置1を冷蔵庫のドアではなく、冷蔵庫本体に取り付ける場合には、駆動する部分が手前にないので、使用者が手を挟むおそれもなくなる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態においては、貯氷容器3の引き出し方向が短手方向に設定されているが、貯氷容器3の引き出し方向は長手方向(製氷皿2の長手方向と同方向)に設定されていても良い。この場合には、規制部材6において、貯氷容器3の短手方向の側壁31aのストッパ32に係止する係止部65を有する構成に代えて、貯氷容器3の長手方向の側壁31に係止する係止部を有する構成にすれば良い。
また、上記実施形態では、検氷アーム42と検氷軸541とは別体で形成されていたが、両者が一体に形成されていても良い。
さらに、駆動源としてはDCモータ57を使用せず、ステッピングモータを使用しても良い。また、製氷皿2の角度を直接検出するポテンショメータ等の角度検出器とDCモータ等の小型モータとを組み合わせるようにしても良い。また、ACモータやコンデンサモータを使用し、カム歯車53の回転角度をステップ数ではなく時間で制御するようにしても良い。また、貯氷容器3内の氷が出来上がったか否かを検知する手段としては、サーミスタ24の他に形状記憶合金等を利用したバイメタルとしても良い。
また、上記実施形態では、検氷部材4は検氷軸541より回転駆動される構成であるが、検氷部材4は直線駆動によって貯氷容器3内に検氷アーム42が侵入退出可能な構成とされても良い。なお、上記実施形態以外の検氷部材の構成においても、検氷部材の移動軌跡の面は、氷接触面の移動軌跡の面により形成されるとすれば良い。
1 製氷装置
2 製氷皿
3 貯氷容器
4 検氷部材
5 駆動部
6 規制部材
42 検氷アーム
51 出力軸
53 カム歯車
54 検氷機構
55 スイッチ機構
61 検氷当接部
63 規制軸
65 係止部
66 コイルバネ
2 製氷皿
3 貯氷容器
4 検氷部材
5 駆動部
6 規制部材
42 検氷アーム
51 出力軸
53 カム歯車
54 検氷機構
55 スイッチ機構
61 検氷当接部
63 規制軸
65 係止部
66 コイルバネ
Claims (5)
- 製氷皿の下方に配置された貯氷容器内に製造された氷が落下される構成の製氷装置において、
前記貯氷容器の上方には、該貯氷容器の上方から下降して該貯氷容器内に侵入し、該貯氷容器内の氷の量を検知する検氷部材が設けられるとともに、
前記検氷部材の下方から前記検氷部材の動作範囲内における前記貯氷容器の上方まで上昇するように付勢され、前記貯氷容器を引き出す動作に連動して該付勢力により前記検氷部材の下方から前記貯氷容器の上方まで上昇し、前記検氷部材の前記貯氷容器内への侵入を規制する規制部材が設けられたことを特徴とする製氷装置。 - 前記規制部材は、前記貯氷容器を押し入れる動作に連動して前記規制状態が解除されることを特徴とする請求項1に記載の製氷装置。
- 前記規制部材は、前記貯氷容器が押し入れられ、前記規制状態が解除された状態で該貯氷容器に係止される係止部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の製氷装置。
- 前記規制部材は、前記検氷部材の動作範囲外に配置されるとともに、前記検氷部材の前記貯氷容器内への侵入を規制する際には、前記検氷部材の動作範囲内に侵入して前記検氷部材を前記貯氷容器の上方に保持することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製氷装置。
- 前記貯氷容器は、前記検氷部材の移動軌跡の面と直交する方向に引き出されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の製氷装置。
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- 2009-10-27 JP JP2009246075A patent/JP2011094811A/ja active Pending
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