JP3538653B2 - 記録媒体及び画像記録方法 - Google Patents

記録媒体及び画像記録方法

Info

Publication number
JP3538653B2
JP3538653B2 JP07609695A JP7609695A JP3538653B2 JP 3538653 B2 JP3538653 B2 JP 3538653B2 JP 07609695 A JP07609695 A JP 07609695A JP 7609695 A JP7609695 A JP 7609695A JP 3538653 B2 JP3538653 B2 JP 3538653B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
resin
recording medium
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07609695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08267916A (ja
Inventor
厚志 仲島
勝己 前島
晋治 松本
壮太 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP07609695A priority Critical patent/JP3538653B2/ja
Publication of JPH08267916A publication Critical patent/JPH08267916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3538653B2 publication Critical patent/JP3538653B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光を熱に変換し、その熱
でインク層を転写する光熱変換型記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録媒体は通常、加熱により熱溶
融性又は熱可塑性インク層を被転写媒体に転写するもの
であり、加熱はサーマルヘッド、レーザー、マスク光な
どにより行われる。レーザー等を用いる記録は記録密度
を高めることが可能で、近年、高出力の光源が安価で入
手できるようになったこともあり、実用化への研究開発
が盛んである。
【0003】光熱変換を利用した記録媒体として、支持
体上に光熱変換層とインク層とから成る構成が知られて
いるが、光熱変換層の耐熱性が乏しいと露光加熱時にい
わゆる飛散という現象が起こる。特に、露光照度が大き
く、露光面の到達感度が高い場合に顕著であり、記録画
像の色濁りや、発生ガスによる密着阻害など深刻な問題
を引き起こす。
【0004】この対策として、特開昭62-140884号に
は、光熱変換層として尿素-メラミン樹脂、尿素-ホルマ
リン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル
樹脂、ポリスルホン樹脂等の記載がある。又、特開平2-
252579号では、耐熱性を高めるため、Tg(ガラス転移
点)が190℃以上、熱分解温度が450℃以上の芳香族ポリ
アミド、ポリイミドなどの耐熱性樹脂支持体が開示され
ている。
【0005】一方、特開平5-286257号には、ポリビニル
アルコール(PVA)、セルロース系樹脂などの水溶性
樹脂、ゼラチン等が耐熱性の良いバインダーとしい開示
される。なお、被転写媒体との密着性を確保し感度アッ
プのため、支持体と光熱変換層との間にクッション層を
設けることが記載されている。
【0006】露光照度を大きくすることは、記録速度を
高めるため、又、記録媒体自体の見掛け感度を高めるた
めにも必要なので、耐熱性の良い樹脂を用いる必要があ
るが、上述したようなバインダーは何れも充分な特性を
有するとは言い難かった。
【0007】例えば、いわゆる高耐熱性のエンジニアリ
ングプラスチックス(機能性プラスチックス)は、たと
え耐熱性が良くても可撓性に欠けるので光熱変換層が硬
くなり、記録媒体を曲げたり耐熱保存を行うと記録面に
クラックが入るという問題が生じる。これは、特に受像
媒体との密着性を高めるため、支持体と光熱変換層間に
クッション層を設けた場合に顕著である。
【0008】又、機能性プラスチックスの内、これまで
開示されるものの多くが溶剤溶解性に欠け、汎用溶剤で
は塗布が困難であるという製造上での問題点を有した
り、実際の露光記録に際しての耐熱性に欠けるなど、具
体的な有用素材が見い出せないでいた。
【0009】その点、PVA、セルロース系樹脂などの
水溶性樹脂は機能性プラスチックスに比べて可撓性があ
り、塗布も容易であり、耐熱性も比較的大きく、インク
層の剥離適性も良く有用なバインダーである。
【0010】しかし、有用なPVA、セルロース系樹脂
でも、記録速度を上げるため更に光源を高照度化してい
くと、露光面照度が0.1MW/cm2では耐熱性が充分とは言
い切れないことが検討の結果明らかになった。特に1MW
/cm2以上でこれが顕著となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高照度露光においても充分な露光耐熱性を有し、し
かも汎用溶剤による塗布が可能で、クラックが入らず、
インク剥離性にも優れる光熱変換層を有する記録媒体を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0013】(1)支持体上に光熱変換層とインク層を有
する記録媒体において、該光熱変換層に用いられる主た
るバインダーが、TGA法による熱分解測定による、窒
素気流中、昇温速度10℃/分の条件での重量減少率が50
%となる温度が360℃以上であるポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド及びポリアルキレンオキサイド
から選ばれる水溶性バインダーである記録媒体。
【0014】
【0015】
【0016】()(1)記載の記録媒体を用い、1MW/cm
2以上の光により記録を行う画像記録方法。
【0017】以下、本発明をより詳細に説明する。
【0018】本発明の記録媒体は、基本的に支持体上に
像様に照射される光を熱に変換する光熱変換層及び熱溶
融性のインク層を積層した構成を有するが、必要に応じ
て支持体とインク層の間に中間層(剥離層、バリヤー
層、クッション層等)を設けてもよい。本発明において
はクッション層を設けることが好ましい。
【0019】以下、各構成について述べる。
【0020】支持体としては、寸法安定性が良く、画像
形成の際の熱に耐えるものならば何でもよく、具体的に
は特開昭63-193886号(2)頁左下欄12〜18行に記載のフィ
ルム又はシートを使用することができる。像様露光用の
レーザー光を記録媒体側から照射して画像を形成するの
であれば、支持体は透明であることが望ましい。又、レ
ーザー光を受像媒体側から照射して画像を形成するので
あれば、記録媒体の支持体は透明である必要はない。
【0021】支持体の厚さは特に制約はないが、通常2
〜300μm、好ましくは5〜200μmである。
【0022】クッション層は、記録媒体と受像媒体との
密着を増す目的で設けられるが、前記支持体自体にクッ
ション性が付与されていてもよい。
【0023】クッション性を付与するには、低弾性率を
有する材料、ゴム弾性を有する材料又は加熱により容易
に軟化し密着性が向上する熱可塑性材料を使用すればよ
い。具体的には、天然ゴム、アクリレートゴム、ブチル
ゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウ
レタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、弗素ゴ
ム、ネオプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、
エピクロルヒドリン、EPDM(エチレン・プロピレン
・ジエンゴム)、ウレタンエラストマー等のエラストマ
ー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、
ポリブテン、耐衝撃性ABS樹脂、ポリウレタン、AB
S樹脂、アセテート、セルロースアセテート、アミド樹
脂、ポリテトラフルオロエチレン、ニトロセルロース、
ポリスチレン、エポキシ樹脂、フェノール-ホルムアル
デヒド樹脂、ポリエステル、耐衝撃性アクリル樹脂、ス
チレン-ブタジエン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重
合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、塩化ビ
ニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、可塑剤入
り塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等の内、弾性率の小さな樹脂が
挙げられる。
【0024】又、クッション層として使用可能な形状記
憶樹脂として、ポリノルボルネンやポリブタジエンユニ
ットとポリスチレンユニットとが複合化されたスチレン
系ハイブリッドポリマー等を挙げることができる。
【0025】クッション層の厚みは、使用する樹脂又は
エラストマーの種類、記録媒体・受像媒体密着時の吸引
力、マット材の粒径、マット材の使用量など、様々の因
子により異なるので一概には決められないが、通常10〜
100μmの範囲である。
【0026】クッション層の形成方法としては、前記素
材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものを、ブ
レードコーター、ロールコーター、バーコーター、カー
テンコーター、グラビアコーター等による塗布法、ホッ
トメルトでの押出しラミネーション法、クッション層フ
ィルムの貼合せ法などを適用できる。
【0027】光熱変換層は主に光熱変換材とバインダー
とから構成される。
【0028】光熱変換材としては、光源によっても異な
るが、光を吸収し効率良く熱に変換する物質がよく、例
えば半導体レーザーを光源として使用する場合、近赤外
に吸収体を有する物質が好ましい。例えばカーボンブラ
ック、グラファイト、コロイド銀、フタロシアニン系色
素、スクアリウム系色素、ニトロソ化合物及びその金属
錯塩、ポリメチン系色素、チオールニッケル塩、トリア
リールメタン系色素、、インモニウム系色素、ナフトキ
ノン系色素、アントラセン系色素等を用いることができ
る。又、特開昭63-139191号、特開平3-103476号等に記
載の化合物が挙げられる。これらの光熱変換材も後述の
バインダーと同様に、耐熱性の高いものが好ましく、コ
ロイド銀、カーボンブラック、グラファイト等が特に好
ましい。
【0029】光熱変換材とバインダーとの比率は7:3
〜1:9、好ましくは5:5〜2:8である。
【0030】光熱変換層の膜厚は0.1〜1μmが好まし
く、光熱変換層における光熱転換材の含有量は、通常、
画像記録に用いる光源の波長での吸光度が0.3〜3.0にな
るように決められる。
【0031】光熱変換層におけるバインダーとしては、
TGA(熱重量分析)法による熱分解測定による、窒素
気流中、昇温速度10℃/分の条件での重量減少率が50%
となる温度(以下、TGA 50 熱分解温度と称す)が360℃以
上であるポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及
びポリアルキレンオキサイドから選ばれる水溶性バイン
ダーを用いる。
【0032】
【0033】光熱変換層は、単位膜厚当たりの吸収が大
きく、しかも出来るだけ薄膜であることが感度の面で好
ましいが、半面、単位膜厚当たりの吸収が大きすぎると
露光時における到達温度が局部的に高くなり、光熱変換
層の耐熱性は劣化してしまうので、この設定は重要な意
味を持つ。到達温度が最も高くなる部分は光熱変換層の
光入射面であり、耐熱性が乏しい場合、この光入射界面
から所謂アブレーションが発生する。支持体側から露光
した場合、完全にアブレーションが発生してしまうと、
これは最悪の場合であるが、光熱変換層とインク層が同
時に転写してしまう。又、明確にアブレーションが起こ
らずとも、熱分解ガスの発生により、インク面と被転写
体との密着が阻害され転写ムラが生じる。このため、露
光照度にもよるが、露光波長における吸光度/1μmは
3.0以下が好ましく、更に好ましくは1.5以下である。
【0034】このように感度と耐熱性のジレンマが生じ
ることを回避するため、例えば記録光の入射面に単位膜
厚当たりの吸収が小さい光熱変換層を別途設けることが
好ましい。即ち、光入射面は吸光度/μmが1.5以下
の光熱変換層を配置し、更に吸光度/μmを1.5以上
にした第2の光熱変換層をインク層との間に設けること
により、より高感度で耐熱性の高い記録媒体を作成する
ことができる。光熱変換層の単位膜厚当たりの吸光度、
隣接する層又は受像媒体との密着の有無などにもよる
が、ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス・ア
ンド・テクノロジィ(Journal of Imaging Science and
Technology )36巻,2(1992)180頁に記載されるよ
うに、600℃以上もの温度に達する。この様に、ヒート
モードレーザー記録の場合、光熱変換層の到達温度が著
しく高く、しかも短時間の変化であるため、バインダー
を選択するに当たって一般的に言われている耐熱性を尺
度とすることが適切ではないことが我々の検討の結果明
らかとなってきた。即ち、具体的には露光時は減圧密着
下であること、到達温度が高くても極めて僅かの時間で
昇温/降温することなどである。我々は、バインダーの
耐熱性に関して種々の測定方法及びこれに対応した記録
特性を検討し、TGA 50 熱分解温度を測定することで、実
用上、適切な耐熱性を判断できることを見い出した。
【0035】光熱変換層には、塗布性向上のための界面
活性剤、インク層との界面剥離を助長する離型剤等を添
加することができる。特に、離型剤としてシリコーン化
合物、弗素系化合物、ワックス等のオレフィン系化合物
や長鎖アルキル系化合物を添加することが好ましい。
【0036】好ましいシリコーン化合物としては、ポリ
ジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル
変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変
性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性
シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変
性シリコーン等のオイルや樹脂、又はこの硬化物等が挙
げられる。
【0037】好ましい弗素系化合物としては、弗素化化
オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げ
られる。
【0038】好ましいオレフィン系化合物としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレン
イミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げ
られる。
【0039】これら離型剤の内、溶解性に乏しいものは
分散するなどして用いることができる。又、シリコーン
化合物と同様に他のポリマーに付加させることも可能で
ある。又、バインダーを架橋するために各種の架橋剤を
添加することも可能である。これら光熱変換層に添加す
る添加剤の量は、光熱変換材とバインダーの総量の0.01
〜20重量%が好ましい。
【0040】インク層は主として色材インクとバインダ
ーから成る。
【0041】色材インクとしては、無機又は有機の顔
料、染料が用いられ、単色、2色混合、3色混合;例え
ばイエロー、マゼンタ、シアンの顔料系化合物で構成さ
れる。無機顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラ
ック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、
酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのク
ロム酸塩などが挙げられる。
【0042】有機顔料としては、アゾ系、チオインジゴ
系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェ
ンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシア
ニン顔料(銅フタロシアニン及びその誘導体)、キナク
リドン顔料などが挙げられる。又、有機染料としては、
酸性染料、直接染料、分散染料などが挙げられる。
【0043】バインダーとしては、ポリエステル、ポリ
酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、スチレン樹脂、スチ
レン共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリアク
リル酸、アクリル酸共重合体等のビニル系樹脂、ゴム系
樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系樹脂、ロジン系
樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース
系樹脂等が挙げられる。
【0044】又、バインダー以外に、タッキファイヤー
としてロジン又はロジン誘導体、テルペン系樹脂、石油
系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等を添加す
ることができる。
【0045】バインダーとインクとの重量比は1:10〜
10:1が好ましく、3:7〜8:2が特に好ましい。
【0046】以上の各層は、公知の溶剤塗布法、例えば
エアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー
法、ナイフコータ法、ディップコータ法や、リバースロ
ールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティン
グ法、カーテンコータ法、押出しコータ法等を用いるこ
とができる。用いる溶剤としては、水、アルコール類
(メタノール、エタノール、プロパノール等)、セロソ
ルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、芳
香族類(トルエン、キシレン、クロルベンゼン等)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル系溶剤
(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等)、塩素系溶剤(クロロホル
ム、トリクロルエチレン等)、アミド系溶剤(ジメチル
ホルムアミド、N-メチルピロリドン等)、ジメチルスル
ホキシド等が挙げられる。
【0047】これらの溶剤は、その溶解物又は分散物に
合わせて1種又は2種以上混合したものを用いる。具体
的な構成方法は特願平5-1237号及び同7-8994号に詳細な
記載がある。後述の実施例においては、この方法により
作成しているが、勿論、これに限定されるものではな
い。
【0048】画像記録用レーザー光源としては、半導体
レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、ヘリウム
ネオンレーザーなどが挙げられる。半導体レーザーの中
では、光学効率を大幅に低下させることなく焦点におい
て1/e2直径が数〜数十μmに絞り込み易いものとし
て、所謂シングルモードレーザーダイオードを用いるこ
とが好ましい。
【0049】レーザー以外の光源としては、発光ダイオ
ード (LED)が挙げられる。複数の発光素子を集積したア
レイとして使用し易いものは、LED及び半導体レーザー
である。
【0050】レーザーの走査方法としては、円筒外面走
査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査
では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させな
がらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査とし、
レーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、
ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内
側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させること
により円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部
をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向
に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガル
バノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の
主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円
筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め
易く、高密度記録には適している。
【0051】複数の発光素子を同時に使用する、所謂マ
ルチチャンネル露光の場合、円筒外面走査が最も適して
いる。又、露光出力の大きいYAGレーザーなどを用いる
場合、円筒外面走査ではドラムの回転数を大幅にアップ
することが難しいので、円筒内面走査が適している。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、実施
例における各成分の組成比は、固形分重量比を表す。
【0053】実施例1 (記録媒体の作成) 1−1)仮支持体の作成 下記組成の離型層を水に希釈、乾燥付量が0.3g/m2
なるように25μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム(ダイヤホイルヘキスト製:T-100)に塗
布・乾燥後、120℃で1分熱処理を行った後、更に60℃
・36時間のキュアーを行った。
【0054】 ポリビニルアルコール(日本合成化学製:EG-30) 85部 架橋剤(住友化学:スミレーズレジン-613) 9部 架橋促進剤(住友化学製:ACX-P) 1部 弗素系化合物(住友化学製:FP-150) 5部 1−2)インク層の形成 1で作成した仮支持体の離型層上に、下記組成のインク
層をメチルエチルケトン:シクロヘキサノン=8:2の
混合溶剤に希釈、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布し
た。
【0055】 マゼンタ顔料分散物(御国色素製:MHI-527) 40部 スチレンアクリル樹脂(三洋化成製:SBM-73F) 54部 エチレン-酢酸ビニル樹脂(三井デュポンポリケミカル製:EV-40Y) 5部 界面活性剤(旭硝子製:S-382) 1部 1−3)光熱変換層の形成 2で作成したインク層上に、下記組成の光熱変換層を
水:イソプロピルアルコール=8:2の混合溶剤に希
釈、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布した。この時、
830nm、1064nmにおける吸光度は、それぞれ0.75、0.61
であった。
【0056】 カーボンブラック分散物(大日本インキ製:SD-9020) 30部 ポリビニルアルコール 70部 (日本合成化学製:EG-30,PVATGA50熱分解温度376℃) 1−4)支持体バックコート層の作成 下記組成を水に希釈、乾燥付量が0.3g/m2になるよう
に100μmのPETフィルム(前出T-100)に塗布・乾燥
後、120℃で1分熱処理を行った後、更に60℃・36時間
のキュアーを行った。
【0057】 ポリビニルアルコール(前出EG-30) 85部 架橋剤(前出スミレーズレジン-613) 9部 架橋促進剤(前出ACX-P) 1部 弗素系化合物(前出FP-150) 5部 マット剤(3μmシリカ粒子) 5部 1−5)クッション層の形成 4で作成したバックコート層の裏面上に、下記組成のク
ッション層をメチルエチルケトン:トルエン=1:4の混
合溶剤に溶解、乾燥膜厚が7μmになるように塗布し
た。
【0058】 スチレン系ゴム(シェル製:クレイトンG1657) 70部 タッキファイヤー(荒川化学製:スーパーエステルA100) 70部 1−6)クッション層と光熱変換層の接着 5で形成したクッション層面と、3で形成した光熱変換
層面を25℃・2kg/cmの線圧でラミネートした。
【0059】1−7)仮支持体の除去 6で形成したラミネートシートを図1に示すような剥離
条件にて仮支持体を剥離除去し、最終的にバックコート
層/支持体/クッション層/光熱変換層/インク層から
成る記録媒体を得た。
【0060】(受像媒体の作成) 2−1)仮支持体の作成 下記組成を水に希釈、乾燥付量1g/m2になるように25
μmのPETフィルム(前出T-100)に剥離層を塗布し
た。
【0061】 メチルセルロース(信越化学製:SM-15) 85部 アクリル樹脂(日本純薬製:ジュリマーAT-613) 15部 2−2)支持体バックコート層の作成 記録媒体の支持体と同一のバックコート層(1−4)を作
成した。
【0062】2−3)クッション層の形成 2で作成した支持体のバックコート層の裏面上に、下記
組成のクッション層をメチルエチルケトン:トルエン=
1:4の混合溶剤に溶解、乾燥膜厚が30μmになるよう
に塗布した。
【0063】エチレン-酢酸ビニル樹脂(三井デュポン
ポリケミカル製:EV-40Y)100部 2−4)クッション層と剥離層の接着 3で形成したクッション層面と、1で形成した仮支持体
の剥離層面を25℃・2kg/cmの線圧でラミネートした。
【0064】2−5)仮支持体の除去 4で形成したラミネートシートから、記録媒体の剥離条
件(1−7)にて仮支持体を剥離除去し、バックコート層
/支持体/クッション層/剥離層から成るシートを得
た。
【0065】2−6)受像層の形成 5で作成したシートの剥離層上に、下記組成の受像層を
メチルエチルケトン:メチル-イソブチルケトン:イソ
プロピルアルコール=4:3:3の混合溶剤に希釈し、
乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、受像媒体を得
た。この時、受像層と剥離層との接着力は300g/cmで
あった。
【0066】 アクリル樹脂(三菱レーヨン製:BR-113) 95部 マット剤(東芝シリコーン製:T-130,3μm粒子) 5部 (画像の形成)記録媒体のインク層面と受像媒体の受像
層面とを対面させ、吸引可能なドラム上に減圧密着(大
気圧から200mmHg減圧)し、回転させ、発振波長830nmの
レーザーダイオードで副走査方向にインクシートの背面
から露光記録を行った。
【0067】露光照度は0.15MW/cm2、露光ビーム径は6
μmとした。
【0068】その結果、記録密度は330mJ/cm2におい
て、175線の網点形状が2〜98%まで鮮明に再現するこ
とができ、又、色濁りや転写抜けも見られなかった。
【0069】実施例2 実施例1における光熱変換層のバインダー(ポリビニル
アルコール,日本合成化学製:EG-30)を、TGA50熱分解
温度を異にする他の様々なバインダーに変え、光源を発
振波長830nmのレーザーダイオード、露光照度は0.15MW
/cm2とした時の露光エネルギーが330mJ/cm2における
色濁りの評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】なお、TG測定機器は精工電子製SSC-220、
測定条件は昇温速度10℃/min、昇温開始温度30℃、窒
素気流100cc/min、サンプル量5〜10mgで行った。
【0071】
【表1】
【0072】TGA50熱分解温度≧360℃のバインダーを含
有する光熱変換層を有する記録媒体を用いた転写は何れ
も良好であった。
【0073】実施例3 次に光源を発振波長1064nmのYAGレーザーに変えた以外
は実施例2と同様にして転写を行った。この時の露光照
度は5MW/cm2である。
【0074】全て露光エネルギー120mJ/cm2で十分な感
度を有しており、この露光エネルギーにて転写評価を行
った。ただし露光方法は内面走査型とした。
【0075】
【表2】
【0076】本実施例でも本発明の効果は明らかであ
る。なお、ポリビニルアルコールの内、EG-05及び224C
は熱分解ガスがインク層と受像層との間に溜まり、密着
阻害を起こしたものと考えられる。
【0077】
【発明の効果】本発明により、充分な露光耐熱性を有
し、汎用溶剤による塗布が可能で、転写時にクラックが
入らず、インク剥離性にも優れる光熱変換層を有する記
録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体を貼合・剥離で作成する際の
剥離条件を示す断面図。
【符号の説明】
1 支持体 2 バックコート層 3 クッション層 4 光熱変換層 5 インク層 6 離型層 7 仮支持体 8 ローラ
フロントページの続き (72)発明者 川上 壮太 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式 会社内 (56)参考文献 特開 平5−286257(JP,A) 特開 平4−161384(JP,A) 特開 平2−252579(JP,A) 特開 平3−146394(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に光熱変換層とインク層を有す
    る記録媒体において、該光熱変換層に用いられる主たる
    バインダーが、TGA法による熱分解測定による、窒素
    気流中、昇温速度10℃/分の条件での重量減少率が50%
    となる温度が360℃以上であるポリビニルアルコール、
    ポリアクリルアミド及びポリアルキレンオキサイドから
    選ばれる水溶性バインダーであることを特徴とする記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録媒体を用い、1MW/
    cm 2 以上の光により記録を行うことを特徴とする画像記
    録方法。
JP07609695A 1995-03-31 1995-03-31 記録媒体及び画像記録方法 Expired - Fee Related JP3538653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07609695A JP3538653B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 記録媒体及び画像記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07609695A JP3538653B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 記録媒体及び画像記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08267916A JPH08267916A (ja) 1996-10-15
JP3538653B2 true JP3538653B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=13595333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07609695A Expired - Fee Related JP3538653B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 記録媒体及び画像記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3538653B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3757654B2 (ja) 1998-12-18 2006-03-22 コニカミノルタホールディングス株式会社 レーザー熱転写用インクシートおよびレーザー熱転写記録方法
JP2002283749A (ja) 2000-10-26 2002-10-03 Fuji Photo Film Co Ltd 熱転写シート
WO2003086773A1 (fr) 2002-04-01 2003-10-23 Fuji Photo Film Co., Ltd. Materiau de formation d'image multicolore
US11929284B2 (en) * 2018-11-15 2024-03-12 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Protective film forming agent for plasma dicing and method for manufacturing semiconductor chip

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08267916A (ja) 1996-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3538653B2 (ja) 記録媒体及び画像記録方法
JPH1016395A (ja) 光熱変換型記録材料及び受像材料から成る画像形成材料、並びに画像形成方法
JP2001341397A (ja) レーザー溶融熱転写記録媒体のスリッティング方法
JP3978866B2 (ja) レーザー溶融熱転写記録方法
JP2002052845A (ja) 中間転写受像シート
JP2000135862A (ja) 光熱変換型ヒートモード記録材料及び該記録材料の形成方法
JP3225365B2 (ja) 感熱転写記録方法
JP2000127635A (ja) 熱転写用中間転写媒体を用いた画像記録方法
JPH09220865A (ja) 記録材料及び光熱変換層用カーボンブラックインク
JPH06122280A (ja) 光熱変換型ヒートモード記録材料、光熱変換型ヒートモード受像材料及び光熱変換型ヒートモード記録方法
JPH06115264A (ja) 光熱変換型ヒートモード記録材料
JP2000158833A (ja) 光熱変換型ヒートモード記録材料
JP2000037956A (ja) レーザー熱転写記録方法
JP2005119154A (ja) 受像シート及び画像形成方法
JP3252234B2 (ja) 光熱変換型ヒートモード記録材料
JPH10264542A (ja) 感熱転写用記録材料、感熱転写用受像材料及び画像形成方法
JP2000168252A (ja) レーザー熱転写記録方法
JP2005349679A (ja) 熱転写用受像シート及び画像形成方法
JPH06115265A (ja) 光熱変換型ヒートモード記録材料および受像材料
JP2000127636A (ja) 熱転写用中間転写媒体を用いた画像記録方法
JPH06312583A (ja) 再転写可能な熱転写記録材料及び熱転写受像材料
JP2001010094A (ja) レーザー熱転写記録方法
JPH05278336A (ja) 感熱転写記録方法
JP2001130142A (ja) 熱転写記録用インクシートおよびその製造方法、ならびに画像形成方法
JP2000141890A (ja) レーザー熱転写記録方法及びこの方法に用いるインクシートや受像シートの包材

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees