JPH10264542A - 感熱転写用記録材料、感熱転写用受像材料及び画像形成方法 - Google Patents

感熱転写用記録材料、感熱転写用受像材料及び画像形成方法

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JPH10264542A
JPH10264542A JP9077273A JP7727397A JPH10264542A JP H10264542 A JPH10264542 A JP H10264542A JP 9077273 A JP9077273 A JP 9077273A JP 7727397 A JP7727397 A JP 7727397A JP H10264542 A JPH10264542 A JP H10264542A
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JP
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JP9077273A
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English (en)
Inventor
Tomoko Takeyama
朋子 竹山
Atsushi Nakajima
厚志 仲島
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Publication of JPH10264542A publication Critical patent/JPH10264542A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録材料と受像材料を高度に密着させた状態
で熱転写記録を行うに適した感熱転写記録材料、受像材
料及び、それらを用いた画像形成方法の提供。 【解決手段】 支持体の片面に少なくとも着色材層(又
は受像層)を設け、該着色剤層(又は受像層)が設けら
れた面とは反対側の面に、マット材、バインダー樹脂及
び弗素系界面活性剤を含有するバックコート層を設けた
ことを特徴とする感熱転写用記録材料(又は受像材
料)。感熱転写用記録材料が供給部から引き出され、所
定の長さに切断されて搬送手段により搬送され、先に材
料保持部上に受像面を外側にして固定された受像材料上
に着色材層面を重ね合わせ、吸引手段により吸引密着さ
れた後、該記録材料のバックコート面側から光照射する
ことにより、記録材料の着色材を受像層に転写すること
を特徴とする画像形成方法。先に記録材料が材料保持部
上に着色材層面を上にして固定された後、受像材料の受
像層面が対向するように重ね合わされる以外は上記と同
様の画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱転写用記録材
料、感熱転写用受像材料及びそれら材料を用いた画像形
成方法に関し、特に高品質な画像形成に適し、保存や周
囲環境による画質の変動が少ない感熱転写用記録材料、
感熱転写用受像材料及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写記録技術としては、熱溶融
性色材層又は熱昇華性色素を含有する色材層を基材上に
設けた熱転写記録材料と受像材料とを対向させ、サーマ
ルヘッド、通電ヘッド等の電気信号により制御される熱
源を記録材料側から圧着して、画像を転写記録する方法
がある。
【0003】熱転写記録は、無騒音、メンテナンスフリ
ー、低コスト、カラー化が容易、デジタル記録が可能な
どの特徴を有しており、各種プリンタ、レコーダ、ファ
クシミリ、コンピュータ端末等、多くの分野で利用され
ている。
【0004】サーマルヘッドを利用したプリンターの技
術的進歩は著しく、サーマルヘッドの高解像力化のみな
らず、面積階調のみで多階調記録を可能にする印字方式
として、特開平4−19163号、同5−155057
号に記載の副走査分割方式や、「電子写真学会年次大会
1992/7/6予稿集」に記載の熱集中型方式などが
提案されている。
【0005】一方、近年、医療、印刷分野等において
は、高解像度出力が要求される分野での記録方式とし
て、レーザー等の高出力光源を利用した乾式記録方法が
注目され、提案されている。この例として特開昭59−
143659号に記載の方法などが挙げられる。
【0006】本発明者らは、何れの記録方法において
も、特に大面積の高品質画像を得るためには、記録材料
と受像シ材料とを、それぞれの着色材層と受像層とが対
向する形で吸引密着させて画像形成することが有効であ
る知見を得た。この方法は、特に印刷産業で用いられる
校正用画像(プルーフ)のような、多色の重ね合せによ
り目的の画像を得るような場合に特に有効である。
【0007】記録材料と受像材料とを吸引密着させるた
めに、特開平5−169861号に、感熱転写記録材料
及び/又は受像材料にクッション性の層を設け、更にイ
ンク層(着色材層)及び/又は受像層に加圧又は加熱に
より潰れるマット剤を含有させることが記載されるが、
バックコート層については何等の示唆もない。
【0008】しかしながら、本発明者らは、吸引密着を
効果的に行うためには、記録材料及び/又は受像材料の
裏面を適当に粗面化することが着色剤層及び/又は受像
層にマット剤を含有させることより有効であることに到
達した。特に有効な粗面化をもたらすには、裏面にマッ
ト材、水溶性樹脂及び弗素系界面活性剤からなるバック
コート層を設けることが有効である。
【0009】感熱転写用材料の裏面を粗面化することに
関しては、例えば特開平7−61123号に、クッショ
ン性を有するバッキング層に高さ10μm以上の突起を
1mm2当たり10〜3000個有する方法が開示され
るが、この方法ではバッキング層のクッション性により
材料の密着性が阻害されてしまう。又、特開平8−11
444号には、染料受容層を基材上に設けて成る受像材
料裏面の樹脂層の中心線表面粗さRaを1.5〜2.5
μm、単位面積当たりの突起数を2000〜4500個
/mm2とすることが開示されている。この特許の目的
は、裏面滑り性とカール低減で、具体的には25〜45
μmの裏面層が要求される。この開示内容でも、本発明
の目的は達成されなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みて為されたものであり、本発明の目的は、感熱転写用
記録材料と感熱転写用受像材料(以下、単に「記録材
料」、「受像材料」とも称す)を高度に密着させた状態
で熱転写記録を行うに適した感熱転写記録材料、受像材
料及び、それらを用いた画像形成方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、記録材料、受像材料に、マット材、バイン
ダー樹脂及び弗素系界面活性剤を含有するバックコート
層を設けることにより、両材料の密着性を向上させ高品
質の画像が得られることを見い出し、本発明を完成し
た。即ち、本発明の上記目的は下記構成によって達成さ
れる。
【0012】(1)支持体の片面に少なくとも着色材層
を設け、該着色材層が設けられた面とは反対側の面に、
マット材、バインダー樹脂及び弗素系界面活性剤を含有
するバックコート層を設けた感熱転写用記録材料。
【0013】(2)バックコート層の乾燥重量が1g/
2以下である(1)に記載の感熱転写用記録材料。
【0014】(3)バックコート層の吸引圧が300m
mHg以上である(1)又は(2)に記載の感熱転写用
記録材料。
【0015】(4)バックコート層に含有されるマット
材の粒径分布の標準偏差σ/数平均粒径が0.3以下で
ある(1)、(2)又は(3)に記載の感熱転写用記録
材料。
【0016】(5)バックコート層に、粒径が8μm以
上のマット材が7mg/m2以上含有される(1)〜
(4)の何れか1項に記載の感熱転写用記録材料。
【0017】(6)バックコート層の表面比抵抗が2×
109Ω/m2以下である(1)〜(5)の何れか1項に
記載の感熱転写用記録材料。
【0018】(7)バックコート層がカーボンブラック
又は金属酸化物を含有する(1)〜(6)の何れか一つ
に記載の感熱転写用記録材料。
【0019】(8)着色材層が着色材を15〜45重量
%含有し、融点又は軟化点が40〜150℃の範囲にあ
る樹脂を主成分として成り、かつ膜厚が0.4〜1.0
μmである(1)〜(7)の何れか一つに記載の感熱転
写用記録材料。
【0020】(9)記録材料が、照射された光を熱に変
換する層を含有し、変換されて生じた熱により着色材が
受像材料の受像層上に転写される(1)〜(8)の何れ
か一つに記載の感熱転写用記録材料。
【0021】(10)光を熱に変換する層が着色材層と
は別に設けられ、かつTGA法による熱分解測定による
窒素気流中、昇温速度10℃/分での重量減少率が50
%となる温度が360℃以上である樹脂を全樹脂分中に
70重量%以上含有する(9)に記載の感熱転写用記録
材料。
【0022】(11)(1)〜(10)の何れか一つに
記載の感熱転写用記録材料が供給部から引き出され、所
定の長さに切断されて搬送手段により搬送され、先に材
料保持部上に受像面を外側にして固定された受像材料上
に着色材層面を重ね合わせ、吸引手段により吸引密着さ
れた後、該記録材料のバックコート面側から光照射する
ことにより、記録材料の着色材を受像層に転写する画像
形成方法。
【0023】(12)(1)〜(10)の何れか一つに
記載の感熱転写用記録材料が供給部から引き出され、所
定の長さに切断されて搬送手段により搬送され、材料保
持部上に着色材層面を上にして固定された後、受像材料
の受像層面が対向するように重ね合わされ、吸引手段に
より吸引密着された後、該受像材料のバックコート面側
から光照射することにより、記録材料の着色材を受像層
に転写する画像形成方法。
【0024】(13)支持体の片面に少なくとも受像層
を設け、該受像層が設けられた面とは反対側の面に、マ
ット材、バインダー樹脂及び弗素系界面活性剤を含有す
るバックコート層を設けた感熱転写用受像材料。
【0025】(14)バックコート層の乾燥重量が1g
/m2以下である(13)に記載の感熱転写用受像材
料。
【0026】(15)バックコート層の吸引圧が300
mmHg以上である(13)又は(14)に記載の感熱
転写用受像材料。
【0027】(16)バックコート層に含有されるマッ
ト材の粒径分布の標準偏差σ/数平均粒径が0.3以下
であることを特徴とする(13)、(14)又は(1
5)に記載の感熱転写用受像材料。
【0028】(17)バックコート層に、粒径が8μm
以上のマット材が7mg/m2以上含有される(13)
〜(16)の何れか一つに記載の感熱転写用受像材料。
【0029】(18)バックコート層の表面比抵抗が2
×109Ω/m2以下である(13)〜(17)の何れか
一つに記載の感熱転写用受像材料。
【0030】(19)バックコート層がカーボンブラッ
ク又は金属酸化物を含有する(13)〜(18)の何れ
か一つに記載の感熱転写用受像材料。
【0031】(20)受像層の膜厚が0.8〜2.0μ
mである(13)〜(19)の何れか一つに記載の感熱
転写用受像材料。
【0032】(21)受像層より支持体側にクッション
性を有する層を有する(13)〜(20)の何れか一つ
に記載の感熱転写用受像材料。
【0033】(22)(9)に記載の感熱転写用記録材
料より着色材を受像層に受容するためのものである(1
3)〜(21)の何れか一つに記載の感熱転写用受像材
料。
【0034】(23)受像材料が(13)〜(22)の
何れか一つに記載の感熱転写用受像材料である(11)
に記載の画像形成方法。
【0035】(24)受像材料が(13)〜(22)の
何れか一つに記載の感熱転写用受像材料である(12)
に記載の画像形成方法。
【0036】(25)着色材の転写が溶融型熱転写であ
る(11)、(12)、(23)又は(24)の何れか
一つに記載の画像形成方法。
【0037】以下、本発明に係る記録材料、受像材料及
び画像形成方法について順次詳しく説明する。
【0038】<記録材料>本発明の記録材料は、基本的
に支持体の一方の面に着色材層、他方の面にマット材、
バインダー樹脂、弗素系界面活性剤を含有するバックコ
ート層を設けた材料である。
【0039】支持体としては、化学的及び熱的に安定で
あり、かつ撓曲性を有する物質が用いられる。具体的に
は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフイン類;ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル
類;セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハ
ン等のセルロース誘導体;ポリアミド類、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリイミド類、場合によりポリ
エチレンフイルムをラミネートした紙なども使用可能で
ある。これらの中で特に好ましいものは、寸度安定性及
び透過性において優れたものとして、2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフイルムやポリエチレンナフタレー
トフィルムが挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0040】支持体の膜厚は、材料の製造工程や供給形
態などの条件に応じて選択できるが、印刷産業で用いら
れる校正材料のような、高品質で寸法再現性に優れた材
料を得るためには25〜200μm程度の厚みが好まし
く、特に50〜150μm程度が、取り扱い性にも優れ
好適である。
【0041】バックコート層に用いられるバインダー材
料としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、
芳香族ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、弗
素樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、テフロン樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテート、
ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エステル
類、弗化ポリウレタン、ポリエーテルスルホンなど汎用
ポリマーを使用することができる。中でも水溶性バイン
ダー樹脂が有用である。
【0042】バックコート層のバインダーとして架橋可
能な水溶性バインダーを用い、架橋させることは、マッ
ト材の粉落ち防止やバックコート層の耐傷性向上に効果
がある。この架橋手段は、用いる架橋剤の特性に応じ
て、熱、活性光線、圧力の何れか一つ又は組合せなどを
特に限定なく採ることができる。場合によっては、支持
体への接着性を付与するため、支持体のバックコート層
を設ける側に任意の易接着層を設けてもよい。
【0043】バックコート層に添加されるマット材とし
ては、有機又は無機の微粒子が使用できる。有機系マッ
ト材としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエステ
ル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子などが
挙げられる。
【0044】本発明の目的に有効なバックコート層を形
成するためには、バインダー樹脂とマット材に加えて、
弗素系の界面活性剤を含有させるのが効果的であること
を発見した。
【0045】バインダー樹脂と適当なマット材だけで
も、所望の物性を有するバックコート層は形成されたも
のの、部分的なマット材の偏りが解消されず、高品質な
画像出力の際には微小な画像品質の劣化という問題を生
じた。又、従来広く用いられている炭素系の界面活性剤
は、必要とされる添加量が多く、高温や高湿の保存条件
下でバックコート層表面に浮き上がり(ブリードアウ
ト)、これがバックコート層と接触している記録材料の
着色材層や受像材料の受像層に影響し、記録感度が低下
したり、部分的な転写不良を起こすという問題が生じ
た。弗素系の界面活性剤も、高温や高湿の保存条件下で
はブリードアウトを起こすことがあるが、記録感度の低
下などの問題が殆ど起こらなかった。
【0046】本発明に用いる弗素系界面活性剤として
は、住友スリーエム社のフロラードブランド、大日本イ
ンキ化学工業社のメガファックブランド、旭ガラス社の
サーフロンブランド等の商品名で市販されている、フル
オロアルキル基を含有するような各種の素材が挙げられ
る。中でも特に、非イオン性又はカチオン性のものが効
果的であった。
【0047】バックコート層は1g/m2以下の乾燥重
量で設けられることが好ましい。更に、塗布安定性が得
られ、マット材の粉落ち等の問題を防止するためには
0.4g/m2以上の乾燥重量が好ましい。又、1g/
2を大きく超えて塗布されると、好適なマット材の粒
径が非常に大きくなり、保存時にバックコート層による
着色材層又は受像層面のエンボス化が生じ、特に薄膜の
着色剤層を転写する薄膜溶融熱転写記録では記録画像の
抜けやムラが生じ易くなる。
【0048】バックコート層の吸引圧を300mmHg
以上とすることが、材料の密着性確保の点で特に好まし
い。この吸引圧は、スムースターSM−6B(東栄電気
工業社製)を使用して測定した値である。
【0049】バックコート層に含有されるマット材とし
ては、粒径分布の標準偏差を数平均粒径で割った値σ/
n(=粒径分布の変動係数)が0.3以下となるよう
な、粒径分布の狭いものを用いることで、異常に大きい
粒径を有する粒子により発生する欠陥を改善できる上、
より少ない添加量で所望の性能が得られることが判っ
た。この変動係数は0.15以下であることが更に好ま
しい。又、マット材の中でも、8μm以上の粒径の粒子
が7mg/m2以上となるようにすることで、特に密着
性が改善される。
【0050】バックコート層の表面比抵抗を2×109
Ω/m2以下にすると、材料引出しの際にバックコート
層と着色材層との間で発生する摩擦帯電や、材料搬送の
際に搬送手段と材料との間で発生する摩擦帯電を効果的
に防止できる。
【0051】バックコート層に用いるバインダーや弗素
系界面活性剤の種類及び/又は量を選択することで、容
易にこの表面比抵抗を得ることができる場合も有るが、
バックコート層に帯電防止剤を含有することも有効であ
る。
【0052】帯電防止剤としては、カチオン系、アニオ
ン系及び非イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導
電性微粒子の他、「11290の化学商品」化学工業日
報社,875〜876頁等に記載の化合物などが広く用
いられる。
【0053】バックコート層に併用できる帯電防止剤と
しては、上記の物質の中でも、カーボンブラック、酸化
亜鉛、酸化チタン、酸化錫などの金属酸化物、有機半導
体などの導電性微粒子が好ましく用いられる。特に、導
電性微粒子を用いることは、帯電防止剤のバックコート
層からの解離がなく、環境によらず安定した帯電防止効
果が得られるために好ましい。
【0054】記録材料に用いられる着色材としては、例
えば無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラ
ファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウ
ム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウム
のクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ
系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェ
ンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシア
ニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)などの
顔料ならびに染料(酸性染料、直接染料、分散染料、油
溶性染料、含金属油溶性染料、昇華性色素等)を挙げる
ことができる。
【0055】例えばカラープルーフ材料とする場合、イ
エロー、マゼンタ、シアンがそれぞれ、C.I.210
95又はC.I.21090,C.I.15850:
1,C.I.74160の顔料が好ましく用いられる。
【0056】着色材層における着色材の含有率は、所望
の塗布膜厚で所望の濃度が得られるように調整すればよ
く、特に限定されないが、通常5〜70重量%の範囲内
にあり、好ましくは10〜60重量%である。特に高品
質の画像を形成するため薄膜の着色材層とする場合、着
色材は着色材層組成物の15〜45重量%とすることが
好ましい。
【0057】着色材層のバインダーとしては、熱溶融性
物質、熱軟化性物質、熱可塑性樹脂を挙げることができ
る。熱溶融性物質は、通常、柳本MJP−2型を用いて
測定した融点が40〜150℃の範囲内にある固体又は
半固体の物質である。具体的には、カルナウバ蝋、木
蝋、オウリキュリー蝋、エスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、
昆虫蝋、セラック蝋、鯨蝋等の動物蝋;パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタルワックス、ポリエチレンワッ
クス、エステルワックス、酸ワックス等の石油蝋;並び
にモンタン蝋、オゾケライト、セレシン等の鉱物蝋等の
ワックス類を挙げることができ、更にこれらのワックス
類などの他に、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリ
ン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、マル
ガニルアルコール、ミリシルアルコール、エイコサノー
ル等の高級アルコール;パルミチン酸セチル、パルミチ
ン酸ミリシル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ミリ
シル等の高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオ
ン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、アミドワックス等のアミド類;並びにステアリルア
ミン、ベヘニルアミン、パルミチルアミン等の高級アミ
ン類などが挙げられる。
【0058】又、熱可塑性樹脂としては、エチレン系共
重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ロジン系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセター
ル系樹脂、アイオノマー樹脂、石油系樹脂等の樹脂類;
天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、
クロロプレンゴム、ジエン系コポリマー等のエラストマ
ー類;エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフ
ェノール樹脂、水添ロジン等のロジン誘導体;並びにフ
ェノール樹脂、テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹
脂、芳香族系炭化水素樹脂等の高分子化合物などを挙げ
ることができる。特に、融点又は軟化点が70〜150
℃の樹脂が好ましく用いられる。
【0059】上記熱溶融性物質及び熱可塑性物質を適宜
に選択することにより、所望の熱軟化点或いは熱溶融点
を有する熱転写層を形成することができる。
【0060】顔料の粒径を揃えることで高濃度が得られ
ることは特開昭62−158092号に開示されている
が、顔料の分散性を確保し、良好な色再現を得るため
に、各種分散剤を使用することが有効である。
【0061】その他の添加剤としては、着色材層の可塑
化により感度アップを図る可塑剤の添加、着色材層の塗
布性を向上させる界面活性剤の添加、着色材層のブロッ
キングを防止するサブミクロンからミクロンオーダーの
粒子(マット材)の添加が可能である。
【0062】好ましい着色材層の厚さは0.2〜2μ
m、更に好ましくは0.4〜1.0μmである。特に、
0.8μm以下とすることで高感度が得られることが確
認されているが、使用するバインダーや着色材の種類、
その混合比などによりインクの薄膜転写性が異なるの
で、最適な膜厚範囲は感度と解像度のバランス、その他
所望の画像再現性能により選択する。
【0063】光を熱に変換させて画像形成を行う所謂ヒ
ートモード記録方式の場合、着色材層中に光熱変換物質
を添加できる場合は、特に光熱変換層を必要としない
が、光熱変換物質が実質的に透明でない場合、転写画像
の色再現性を考慮して着色材層と別に光を熱に変換する
ための光熱変換層を設けることが望ましい。光熱変換層
は着色材層に隣接して設けること効果的である。
【0064】光熱変換物質を使用する場合、光源によっ
ても異なるが、光を吸収し効率良く熱に変換する物質が
よく、例えば半導体レーザーを光源として使用する場
合、近赤外に吸収帯を有する物質が好ましく、近赤外光
吸収剤としては、例えばカーボンブラックやシアニン
系、ポリメチン系、アズレニウム系、スクワリウム系、
チオピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系
色素等の有機化合物、フタロシアニン系、アゾ系、チオ
アミド系の有機金属錯体などが好適に用いられ、具体的
には特開昭63−139191号、同64−33547
号、特開平1−160683号、同1−280750
号、同1−293342号、同2−2074号、同3−
26593号、同3−30991号、同3−34891
号、同3−36093号、同3−36094号、同3−
36095号、同3−42281号、同3−97589
号、同3−103476号等に記載の化合物が挙げられ
る。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0065】特に、カーボンブラックは、一般的に使用
できるあらゆる波長の光源に対し、ほぼ均一な光熱変換
作用を発現するので、光源を選ばない記録材料の作成に
有効である。カーボンブラックを用いた光熱変換層は、
他の色素系の光吸収剤を用いた場合に比べ、光熱変換層
の不要な転写、即ちアブレートの発生が非常に少ないこ
とが確認された。
【0066】光熱変換層は、TGA法による熱分解測定
による窒素気流中、昇温速度10℃/分での重量減少率
が50%となる温度が360℃以上である樹脂を70重
量%以上含有することが、前記アブレートの防止に有効
に役立ち、このような樹脂を用いれば、使用できる光吸
収剤の選択肢が広がった。
【0067】このような樹脂としては、ポリアルキドイ
ミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドスルホン、ポ
リフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、
ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、エチルセルロ
ース、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、アラミド等の耐熱性樹脂の他、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ナ
イロン、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキサイ
ド、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタ
アセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナト
リウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポ
リアクリル酸等の水溶性ポリマーを用いることができ
る。
【0068】特に水溶性ポリマーを用いた光熱変換層
は、インク層との剥離性も良く、又、光照射時の耐熱性
が良く、過度な加熱に対してもアブレートが少ない。水
溶性ポリマーを用いる場合には、光熱変換物質を水溶性
に変性(スルホ基の導入等により)したり、水系分散す
ることが望ましい。必要に応じ、各種界面活性剤を併用
することもできる。
【0069】記録材料が有する光熱変換層の膜厚は0.
5〜1.2μmで、より好ましくは0.6〜1.0μm
である。光熱変換層における光熱転換物質の含有量は、
画像記録に用いる光源の波長での吸光度を0.3〜3.
0、更に好ましくは0.7〜2.5になるように決める
ことができるが、照射光の強度により最適な範囲を決め
る必要がある。
【0070】光熱変換層は、薄い方が発生した熱エネル
ギーを有効にインク層に伝導し易くなるので好ましく、
その効果は1.2μm以下で飛躍的に向上する。しかし
ながら、光熱変換層を0.5μm未満にすると、有効根
光熱変換に必要な光吸収剤を添加するために、層全体の
強度が脆くなる傾向にあり、露光の局所的なムラなどに
より光熱変換層の破壊が起き易くなり、アブレートの現
象が多発する。
【0071】光熱変換層が支持体下層との接着性に劣る
場合は、光照射時或いは熱転写後に、受像材料から記録
材料を剥離する際、膜剥がれを起こし、色濁りを起こす
ことがあるので、支持体下層との間に接着層を設けるこ
とも可能である。
【0072】接着層としては、一般的にポリエステル、
ウレタン、ゼラチンなどの従来公知の接着剤が使用でき
る。又、同様な効果を得るために、接着層を設ける代わ
りにクッション層に粘着付与剤、接着剤を添加すること
もできる。
【0073】光熱変換層としては、この他にも蒸着膜を
使用することも可能であり、カーボンブラック、特開昭
52−20842号に記載の金、銀、アルミニウム、ク
ロム、ニッケル、アンチモン、テルル、ビスマス、セレ
ン等のメタルブラックの蒸着層等を挙げることができ
る。なお、光熱変換物質は着色剤層の色材そのものでも
よく、又、上記のものに限定されず、様々な物質が使用
できる。
【0074】クッション層は記録材料と受像材料との密
着を増す目的で設けられる。このクッション層は熱軟化
性又は弾性を有する層であり、加熱により十分に軟化変
形しうるもの、又は低弾性率を有する材料或いはゴム弾
性を有する材料を使用すればよい。具体的には、受像材
料のクッション層に用いられるものと同様のポリマーを
用いることができる。
【0075】クッション層は或る程度の厚さを持たせる
ために塗布或いはラミネート、フィルムの貼合せなどに
より行い、更に表面平滑性を出すために、塗布にて仕上
げることもできる。
【0076】クッション層の形成方法としては、受像材
料のクッション層の形成と同様の方法を用いることがで
きる。又、特殊なクッション層として熱軟化性或いは熱
可塑性の樹脂を発泡させたボイド構造の樹脂層を用いる
ことも可能である。表面平滑性が必須な目止めクッショ
ン層を更に形成する場合、これは各種塗布方式によって
コーティングを行うことが望ましい。好ましいクッショ
ン層の総厚は2μm以上、好ましくは4μm以上であ
る。
【0077】<受像材料>受像材料に用いられる支持体
は、記録材料と同様のものが挙げられる。画像形成方法
として受像材料の裏面より光照射する方式を採用する場
合、特に透明性が高いフィルムが好ましい。又、記録材
料から受像層に転写された着色材画像を、別の被転写体
(最終支持体)に再転写するような場合には、特に耐熱
性と熱寸法安定性に優れた素材が要求される。
【0078】受像層は、基本的に着色材受容性の高いバ
インダー樹脂で構成される。バインダーの具体例として
は、ポリ酢酸ビニルエマルジョン系接着剤、クロロプレ
ン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等の接着剤;天然ゴ
ム、クロロプレンゴム系、ブチルゴム系、ポリアクリル
酸エステル系、ニトリルゴム系、ポリサルファイド系、
シリコンゴム系、石油系樹脂などの粘着材;再生ゴム、
塩化ビニル系樹脂、SBR、ポリブタジエン樹脂、ポリ
イソプレン、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルエ
ーテル、アイオノマー樹脂、SIS、SEBS、アクリ
ル樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EV
A)、塩ビグラフトEVA樹脂、EVAグラフト塩ビ樹
脂、塩化ビニル系樹脂、各種変性オレフィン、ポリビニ
ルブチラール等が挙げられる。又、ポリエチレン、ポリ
ブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリ
エステル、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメタクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアミド、ポリビニルピリジン、ポリ
オキシメチレン、アルキド樹脂、グリプタル樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、マレイン樹脂等、又はこれらの共重
合体及びこれらのカルボキシル基やスルホン基などの変
性物等の水系エマルジョン樹脂が使用できる。特に、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポ
リエチルアクリレート等のアクリル又はメタクリル系の
ラテックスが好ましい。これらの樹脂は、単独で用いる
こともできるが、複数種を混合することも可能である。
【0079】受像層には、上記水系エマルジョン樹脂の
他に、水溶性樹脂を適宜併用することができる。このよ
うな水溶性樹脂としては、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコ
ール、カチオン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ
ル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコ
ール、水溶性ポリビニルホルマール、水溶性ポリビニル
アセタール、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニル
ピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ナイロン、ポ
リアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸エステル、水溶性
ポリウレタン、ゼラチン、カゼイン、ヒドロキシエチル
澱粉、アラビアゴム、サクロースオクタアセテート、ア
ルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビ
ニルアミン、ポリエチレンオキシド又はこれらの樹脂を
構成するモノマー成分の共重合体等が挙げられる。
【0080】これらの水溶性樹脂を併用する場合には、
受像層の主成分である水系エマルジョン樹脂に対して3
0重量%以下の範囲で用いることが好ましい。
【0081】水系エマルジョン樹脂の作成方法として
は、樹脂が水を溶媒とする溶液重合で形成したエマルジ
ョン系樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体など)の場合には、それを適宜に界面活性剤
と共に水或いは水溶液に懸濁させることができる。又、
樹脂が分散剤などを用いることにより水に分散する分散
系樹脂(エポキシ樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの
共重合体など)であれば、例えばアトライター、ボール
ミル、サンドグラインダー等の公知の分散機により水或
いは水溶液に分散させることができる。
【0082】受像層上に形成された着色材画像を最終支
持体に転写する場合、受像層の膜厚は0.8〜2.0μ
mの範囲が好ましい。膜厚を2μm以上にすると最終支
持体に転写された画像が黄色味を帯び易く、0.8μm
以下だと層自体の強度が不足し、最終支持体上に転写さ
れた後の擦れ等による画像欠落が起こり易い。
【0083】受像層には、滑り性の向上のために、着色
材の転写性を損なわない範囲でマット材や離型剤を添加
することも可能である。
【0084】又、受像材料の受像層の下層にクッション
性の層を設けることで、記録材料との密着性を向上させ
ることができる。特に、前記のような薄膜の着色材層を
利用する光熱変換型記録においては、記録材料と受像材
料との間に生じる間隙は、明確な転写抜けとなるため問
題であった。
【0085】受像材料に設けられるクッション性の層
は、25℃における弾性率が好ましくは1〜250kg
/mm2、更に好ましくは2〜150kg/mm2である
ような層が好ましい。又は、JIS K2530−19
76に規定される針入度が15〜500、更に好ましく
は30〜300であるような層が好ましい。このような
性質のクッション層を設けることにより、記録材料と受
像材料とを密着させた時の密着性が増し、結果として記
録材料と受像材料との間に不純物が混入した場合にも材
料間の浮きが低減され、転写画像の欠陥が少なくなる。
又、一方で、転写感度が上昇するという効果も得られ
る。
【0086】クッション層を形成する素材は、ガラス転
移点が低い各種ゴムや樹脂類を主成分とすることが好ま
しい。このような素材としては、天然ゴム、アクリレー
トゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプ
レンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴ
ム、弗素ゴム、ネオプレンゴム、クロロスルホン化ポリ
エチレン、エピクロルヒドリン、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、ウレタンエラストマー等のエラストマ
ー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、
ポリブテン、耐衝撃性ABS樹脂、ポリウレタン、ポリ
ノルボルネン、ABS樹脂、アセテート、セルロース、
アセテート、アミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリスチレン、エポキシ樹脂、
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポ
リイソプレン樹脂、耐衝撃性アクリル樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、可塑剤入り塩化ビニル樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン等が挙げられる。中でも、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
エチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、ポリイソプレン樹脂、スチレン−イ
ソプレン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリ
エステル、ポリウレタン、ブチルゴム、ポリノルボルネ
ン等が更に好適に用いられる。これらの中でも、一般的
にも重量平均分子量が100,000以下の低分子量の
ものが好適に用いられるが、クッション層に要求される
性質を満たすものであれば、より高い分子量のものも用
いることができる。又、各種可塑剤を併用することで樹
脂の軟化点を下げることによりクッション層として好適
な性能とすることもできる。
【0087】クッション層は溶剤塗布により設けること
ができるが、ラテックスやエマルジョンのような水系の
分散物の状態で塗布形成することも可能である。このよ
うな水系分散物に用いられる樹脂として好ましいもの
は、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリクロ
ロプレン、ポリイソプレン、ポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチルアクリ
レート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
ミド、ポリビニルピリジン、ポリオキシメチレン、アル
キド樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、マ
レイン樹脂等、又はこれらの共重合体及びこれらのカル
ボキシル基やスルホン基などの変性物が挙げられる。
【0088】この他、水溶性樹脂も使用できる。このよ
うな水溶性樹脂としては、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコ
ール、カチオン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ
ル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコ
ール;水溶性ポリビニルホルマール、水溶性ポリビニル
アセタール、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニル
ピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ナイロン、ポ
リアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸エステル、水溶性
ポリウレタン、ゼラチン、カゼイン、ヒドロキシエチル
澱粉、アラビアゴム、サクロースオクタアセテート、ア
ルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビ
ニルアミン、ポリエチレンオキシド又はこれらの樹脂を
構成するモノマー成分の共重合体等がある。これらの樹
脂は、必要によって単独又は混合して用いることができ
る。
【0089】上記以外の素材でも、各種添加剤を加える
ことによりクッション層に好ましい特性が得られる。添
加剤としては、ワックス等の低融点物質、可塑剤などが
挙げられる。具体的にはフタル酸エステル、アジピン酸
エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、燐酸
エステル、塩素化パラフィン等が挙げられる。又、例え
ば「プラスチック及びゴム用添加剤実用便覧」,化学工
業社(昭和45年発行)等に記載の各種添加剤を添加す
ることができる。これら添加剤の添加量等は、ベースと
なるクッション層素材との組合せで好ましい物性を発現
させるのに必要な量を選択すればよく、特に限定されな
いが、一般的に、クッション層素材量の10重量%以
下、更に5重量%以下が好ましい。
【0090】クッション層の好ましい膜厚は10μm以
上であり、更に好ましくは20μm以上である。又、他
の被転写体(例えばコート紙、上質紙などの紙類)に再
転写する場合には更に30μm以上の膜厚が好ましい。
クッション層の膜厚が10μm以下になると、最終被転
写体への再転写の際、抜けや欠けが発生する場合があ
る。
【0091】ヒートモード記録の露光方法には、記録材
料と受像材料を密着させた状態で、記録材料の支持体側
から露光する方法と、受像材料を介して露光する方法が
ある。記録材料の支持体側より露光する場合、記録材料
で吸収し切れなかった光を受像層及び/又はクッション
層で吸収するように、受像層及び/又はクッション層に
熱線吸収可能な色材を添加し、熱の効率的利用を行うこ
とも転写性向上に効果がある。
【0092】又、後者の場合、光源のエネルギーを無駄
なく着色材層に吸収させるために、受像材料を通しての
光源の波長に対する透過率は70%以上が好ましく、更
に好ましくは80%以上である。このためには、透明性
の良い支持体及びクッション層を使用すると共に、支持
体のバックコート面及び支持体とクッション層の界面で
の反射を少なくする必要がある。支持体とクッション層
の界面での反射を小さくする方法としては、クッション
層の屈折率を支持体のそれに対して0.1以上小さくす
ることが好ましい。
【0093】本発明の受像材料には、受像層とクッショ
ン層との間に剥離層を設けることもできる。剥離層は、
受像材料から画像を形成した受像層を最終支持体に再転
写する場合に特に有効である。
【0094】剥離層のバインダーとしては、具体的にポ
リエステル、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマ
ール、ポリパラバン酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
カーボネート、エチルセルロース、ニトロセルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレ
ン等のスチレン類及びこれら樹脂を架橋したもの、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、アラミド等のTgが65℃
以上の熱硬化性樹脂及びそれら樹脂の硬化物が挙げられ
る。硬化剤としてはイソシアナート、メラミン等の一般
的硬化剤を使用することができる。
【0095】上記物性に合わせて剥離層のバインダーを
選ぶとポリカーボネート、アセタール、エチルセルロー
スが保存性の点で好ましく、更に受像層にアクリル系樹
脂を用いるとレーザー熱転写後の画像を再転写する際に
剥離性良好となり特に好ましい。
【0096】又、別に、冷却時に受像層との接着性が極
めて低くなる層を剥離層として利用することができる。
具体的には、ワックス類、バインダー等の熱溶融性化合
物や熱可塑性樹脂を主成分とする層とすることができ
る。
【0097】熱溶融性化合物としては、特開昭63−1
93886号に記載の物質等がある。特にマイクロクリ
スタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワッ
クスなどが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂として
は、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のエチレン系共重合
体、セルロース系樹脂等が好ましく用いられる。
【0098】このような剥離層には添加剤として、高級
脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド
類、高級アミン等を必要に応じて加えることができる。
【0099】剥離層の別の構成は、加熱時に溶融又は軟
化することによって、それ自体が凝集破壊することで剥
離性を持つ層である。このような剥離層には過冷却物質
を含有させることが好ましい。
【0100】過冷却物質としては、ポリ−ε−カプロラ
クトン、ポリオキシエチレン、ベンゾトリアゾール、ト
リベンジルアミン、バニリン等が挙げられる。
【0101】更に、別の構成の剥離性層では、受像層と
の接着性を低下させるような化合物を含ませる。このよ
うな化合物としては、シリコーンオイルなどのシリコン
系樹脂;テフロン、弗素含有アクリル樹脂等の弗素系樹
脂;ポリシロキサン樹脂;ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルホルマール等のアセター
ル系樹脂;ポリエチレンワックス、アミドワックス等の
固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤
等を挙げることができる。
【0102】剥離層の形成方法としては、前記素材を溶
媒に溶解又はラテックス状に分散したものをブレードコ
ーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコー
ター、グラビアコーター、等の塗布法、ホットメルトに
よる押出しラミネーション法などが適用でき、クッショ
ン層上に塗布し形成することができる。又は、仮ベース
上に前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散した
ものを、上記の方法で塗布したものとクッション層とを
貼り合わせた後に仮ベースを剥離して形成する方法があ
る。
【0103】剥離層の膜厚は0.3〜3.0μmが好ま
しい。膜厚が大きすぎるとクッション層の性能が現れ難
くなるため、剥離層の種類により調整することが必要で
ある。
【0104】ヒートモード記録の露光方法には、記録材
料と受像材料を密着させた状態で記録材料の支持体側か
ら露光する方法と、受像材料を介して露光する方法があ
る。
【0105】記録材料の支持体側より露光する場合、記
録材料で吸収しきれなかった光を受像層及び/又はクッ
ション層で吸収するように、受像層及び/又はクッショ
ン層に熱線吸収可能な色材を添加し、熱の効率的な利用
を行うことも、転写性を向上させうることに効果があ
る。又、後者の場合、光源のエネルギーを無駄なく着色
剤層に吸収させるために、受像材料を通しての光源の波
長に対する透過率は70%以上が好ましく、更に好まし
くは80%以上がよい。このためには、透明性の良い支
持体及びクッション層を使用すると共に、支持体のバッ
クコート面及び支持体とクッション層の界面での反射を
少なくする必要がある。支持体とクッション層の界面で
の反射を小さくする為の方法としては、クッション層の
屈折率を支持体のそれに対して0.1以上小さくするこ
とが好ましい。
【0106】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の態様はこれに限定されるものではない。尚、特に
断りない限り、実施例中の「部」は有効固体分の「重量
部」を表す。
【0107】実施例1 (記録材料1の作成)厚さ100μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム(ダイヤホイルヘキス
ト社製:T100G,#100)を支持体として、その
上に下記組成の塗布液をリバースロールコーターによっ
て塗布・乾燥して、乾燥膜厚6μmの中間層を形成し
た。
【0108】中間層塗布液 スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレン樹脂 (クレイトンG1657:シェル化学社製) 14部 タッキファイヤー(スーパーエステルA100:荒川化学社製) 6部 メチルエチルケトン(MEK) 10部 トルエン 80部 一方、下記組成の塗布液をワイヤーバーコーティングに
より、厚さ25μmのダイヤホイルヘキスト社製PET
(T100G,#25)上に塗布・乾燥して、波長83
0nmの透過吸収率が0.85の光熱変換層を形成し
た。この光熱変換層の付量は0.55g/m2であっ
た。
【0109】光熱変換層塗布液 ポリビニルアルコールの10wt%水溶液 (ゴーセノールEG−30:日本合成化学社製) 6.7部 カーボンブラック分散物(固形分30%) (SD−9020:大日本インキ社製) 0.9部 水 0.6部 i−プロピルアルコール 1.8部 次に光熱変換層をクッション層に合わせて、ロールタッ
チで両者を貼り合わせた後、厚さ25μmのPETを剥
離して、PET(T100G,#100)/クッション
層/光熱変換層から成る記録シートを得た。
【0110】上記シートの光熱変換層上に、下記組成の
各着色剤層塗布液を、それぞれワイヤーバーコーティン
グで塗布・乾燥し、イエロー、マゼンタ、シアン及びブ
ラックの着色剤層を設け、4種の記録材料を作成した。
【0111】着色剤層塗布液(イエロー) イエロー顔料分散物(MHIイエロー#625:御国色素社製,顔料固形分 10wt%,平均粒径0.15μm) 18.8部 スチレン/アクリル樹脂(ハイマーSBM73F:三洋化成社製) 2.4部 エチレン/酢酸ビニル樹脂(EV40Y:三井デュポンケミカル社製) 0.2部 弗素系界面活性剤(メガファックF−178K:大日本インキ化学工業社製) 0.5部 メチルエチルケトン 27.3部 シクロヘキサノン 50.8部 乾燥膜厚は0.48μmとした。
【0112】着色剤層塗布液(マゼンタ) マゼンタ顔料分散物(MHIマゼンタ#1038:御国色素社製, 顔料固形分15wt%,平均粒径0.16μm) 12部 スチレン/アクリル樹脂(ハイマーSBM73F:前出) 2.4部 エチレン/酢酸ビニル樹脂(前出:EV40Y) 0.2部 弗素系界面活性剤(メガファックF−178K:前出) 0.5部 メチルエチルケトン 34.0部 シクロヘキサノン 50.9部 乾燥膜厚は0.56μmとした。
【0113】着色剤層塗布液(シアン) シアン顔料分散物(MHIシアン#454:御国色素社製,顔料固形分 30wt%,平均粒径0.14μm) 5.1部 スチレン/アクリル樹脂 2.9部 エチレン/酢酸ビニル樹脂(EV40Y:前出) 0.2部 弗素系界面活性剤(メガファックF−178K:前出) 0.5部 メチルエチルケトン 27.4部 シクロヘキサノン 63.9部 乾燥膜厚は0.54μmとした。
【0114】着色剤層塗布液(ブラック) ブラック顔料分散物(MHIブラック#220:御国色素社製,顔料固形分 33wt%,平均粒径0.13μm) 4.9部 シアン顔料分散物(前出) 0.9部 バイオレット顔料分散物(MHIバイオレット#735:御国色素社製, 顔料固形分10wt%,平均粒径0.38μm) 1.2部 スチレン/アクリル樹脂(ハイマーSBM73F:前出) 3.9部 エチレン/酢酸ビニル樹脂(EV40Y:前出) 0.3部 弗素系界面活性剤(サーフロンS−382:旭硝子社製) 1.0部 メチルエチルケトン 57.0部 シクロヘキサノン 30.8部 乾燥膜厚は0.72μmとした。
【0115】(受像材料の作成)厚さ100μmのPE
T(前出:T−100)に、アクリル系ラテックス(カ
ネボウNSC社製:ヨドゾールAD92K)を乾燥膜厚
約30μmになるようにアプリケーターにて塗工しクッ
ション層とした。
【0116】その上に、下記組成の剥離層塗布液をワイ
ヤーバーコーティングにて塗布・乾燥して、乾燥後膜厚
が約1.7μmの剥離層を形成した。
【0117】剥離層塗布液 エチルセルロース(ダウ・ケミカル社製:エトセル10) 10部 i−プロピルアルコール 80部 メチルエチルケトン 10部 次に、下記組成の受像層塗布液を剥離層上にワイヤーバ
ーコーティングにて塗布し、厚さ1.5μmの受像層を
形成し、受像材料を作成した。
【0118】受像層塗布液 ポリアクリル酸ラテックス(ヨドゾールA5805:カネボウNSC社製) 25部 マット材の30wt%水分散物(MX−40S*:綜研化学社製) 1.8部 弗素樹脂(スミレーズレジンFP−150:住友化学社製) 4.2部 i−プロピルアルコール 9部 水 60部 *SEM観察による平均粒径が4.1μmのPMMA粒子。
【0119】(バックコート層の作成)上記方法で作成
した記録材料及び受像材料の裏面に、下記各処方のバッ
クコート層を、それぞれ乾燥重量が0.7g/m2とな
るように塗布して各種記録材料及び受像材料を得た。
【0120】 バックコート層1(比較例) ポリビニルアルコールの10wt%水溶液(ゴーセノールEG−30:前出) 8.0部 メラミン樹脂(スミレーズレジン613:住友化学社製) 0.8部 アミン塩(スミレーズレジンACX−P:住友化学社製) 0.1部 弗素樹脂(スミレーズレジンFP−150:前出) 0.5部 マット材の10wt%分散物(合成PMMA粒子*) 3.6部 i−プロピルアルコール 10部 水 78部 *合成PMMA粒子は、コールターカウンター法による平均粒径が5.6μmで 、8μm以上の粒子を20%含有する合成ポリメチルメタクリレート、σ/rn =0.65。
【0121】塗布後、100℃の恒温槽中で10分間乾
燥し、架橋させた。
【0122】バックコート層2(実施例) バックコート層1の塗布液に表−1に示す活性剤を、そ
れぞれ活性剤成分が塗布液の0.3重量%となるように
添加し、同様に塗布・乾燥架橋を行った。
【0123】 バックコート層3(比較例) ポリビニルアルコールの10wt%水溶液 (ゴーセノールEG−05:日本合成化学社製) 55.0部 マット材分散物(前記バックコート層1と同じ) 5.5部 弗素系界面活性剤(メガファックF−142D:大日本インキ化学工業社製) 0.2部 水 39.3部 乾燥膜厚を0.6μmとした。バックコート中の8μm以上の粒子付量は0m g/m2であった。
【0124】 バックコート層4(比較例) ポリビニルアルコールの10wt%水溶液(ゴーセノールEG−05:前出) 56.4部 マット材分散物(前記バックコート層1と同じ) 3.6部 弗素系界面活性剤(フロラードFC−170C:住友スリーエム社製) 0.5部 水 39.5部 乾燥膜厚を1.5μmとした。
【0125】 バックコート層5(実施例) ポリビニルアルコールの10wt%水溶液(ゴーセノールEG−30:前出) 56.4部 マット材の10wt%水分散物(MX−1000:綜研化学社製) 3.6部 カーボンブラック水分散物(CB5264:御国色素社製) 2.5部 弗素系界面活性剤(サーフロンS−145:旭硝子社製) 0.5部 水 37.0部 乾燥膜厚を0.5μmとした。
【0126】
【表1】
【0127】これらの記録材料及び受像材料を用いて以
下のような評価を行った。
【0128】記録材料の評価 (レーザー熱転写による画像形成)図1〜3に示す構造
の実験試作機を用いて画像形成を行った。
【0129】吸引孔2を有するドラム表面に、記録材料
4をバックコート面がドラムに接するように巻き付けた
後、着色材層と受像材料3の受像層が接するように受像
材料を巻き付け、ドラム表面の吸引孔及び吸引溝より両
材料を吸引することで密着させ、受像材料の裏面から半
導体レーザー光を照射して受像層上に着色材画像を形成
した。この時、受像材料としてはバックコート層が無い
ものを用いた。
【0130】(ラミネーターによる画像転写)画像転写
された受像材料の受像層を印刷用紙(三菱製紙社製:特
菱アート)に重ね合わせ、圧力2Kg、ロール温度15
0℃、ロール周速20mm/秒で加圧・加熱転写した。
【0131】記録材料の吸引圧及び転写された画像につ
いて、以下の評価方法に基づいて評価した。結果を表2
に示す。
【0132】《吸引圧》各材料のバックコート面の吸引
圧は、試料を25℃・55%RHで2時間調湿した後
に、東栄電気工業社製スムースターSM−6Bにより測
定した。
【0133】《ベタ印字濃度ムラ》50cm×63cm
サイズのベタ露光を行い、画面内の転写画像の濃度ムラ
を3段階で評価した。濃度計はGretag D−18
6を用いた。
【0134】 ○:最大濃度と最小濃度の差が0.05以内 △:最大濃度と最小濃度の差が0.05〜0.1 ×:最大濃度と最小濃度の差が0.1を超える 《50%網点ムラ》50cm×63cmサイズの50%
網点露光を行い、画面内のムラを目視で4段階評価し
た。
【0135】 ○:ムラが判らない △:若干のムラを感じるが、ほぼ問題ない △×:ムラが問題になるか、ならないかの境目 ×:ムラが気になる。
【0136】《異物対応(材料間)》50cm×63c
mサイズのベタ露光を行う際に、記録材料と受像材料と
の間に20μm径の繊維を異物として混入させ、異物周
辺の転写性を目視で4段階評価した。
【0137】 ○:異物の形状に抜けは生じるが、周辺への影響は殆ど
ない △:異物周辺に若干抜けが広がり、0.3mm程度の幅
となる △×:異物周辺の抜けが、1mm程度まで広がる ×:異物周辺の抜けが1mm以上となる。
【0138】《異物対応(裏面)》50cm×63cm
サイズのベタ露光を行う際に、記録材料とドラムとの間
に厚み40μmで1mm四方にカットしたテープを異物
として混入させ、異物周辺の転写性を目視で4段階評価
した。
【0139】 ○:異物の場所が確定できない △:異物の辺縁が若干かぶり気味になる △×:異物周辺の白抜けが、1mm程度まで広がる ×:異物周辺の抜けが1mm以上となる。
【0140】《保存性》記録材料をシート状にカット
し、バックコート層面と着色材層が接触するように重
ね、50g/cm2の荷重をかけ、55℃・20%RH
の環境下に70時間保存した。画像形成の相手の受像材
料は、保存をしていないものを用いた。以下の3項目に
ついて評価した。
【0141】 a)表面性状:保存後の着色材層の状況を目視で評価 b)感度変動:保存前後での感度の変動を求めた c)画像抜け:バックコート層の押付けによる微小な着
色材層の陥没で生じる転写画像の抜けを3段階評価し
た。
【0142】 ○:抜けが確認できない △×:抜けが一応確認できる ×:全面に抜けが多数発生する。
【0143】
【表2】
【0144】受像材料の評価 (レーザー熱転写による画像形成)図1〜3に示す構造
の実験試作機を用いて画像形成を行った。
【0145】吸引孔2を有するドラム表面に、受像材料
4をバックコート層面がドラムに接するように巻き付け
た後、受像層と記録材料3の着色材層が接するように記
録材料を巻き付け、ドラム表面の吸引孔及び吸引溝より
両材料を吸引することで密着させ、記録材料の裏面から
半導体レーザー光を照射して受像層上に着色材画像を形
成した。この時、記録材料としてはバックコート層が無
いものを用いた。
【0146】(ラミネーターによる画像転写)記録材料
の評価と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0147】吸引圧、ベタ印字ムラ、50%網点ムラ、
異物対応(材料間及び裏面)についての評価は記録材料
と全く同様である。
【0148】《保存性》受像材料をシート状にカット
し、バックコート層面と受像層が接触するように重ね、
50g/cm2の荷重をかけて、55℃・20%RHの
環境下に70時間保存した。画像形成の相手の記録材料
は保存をしていないものを用いた。
【0149】 a)表面性状:保存後の受像層の状況を目視で評価 b)感度変動:保存前後での感度の変動を求めた c)画像抜け:バックコート層の押付けによる微小な受
像層の陥没で生じる転写画像の抜けを3段階評価した ○:抜けが確認できない △×:抜けが一応確認できる ×:全面に抜けが多数発生する。
【0150】
【表3】
【0151】次に、帯電防止機能について評価した。
【0152】受像材料1、6、7及び8について、受像
層側をNBRゴムローラー、フェノール樹脂ローラー、
シリコンゴムローラーで、それぞれ10往復転がし帯電
させ、埃付着の代用評価法として知られている煙草灰試
験(「帯電防止剤−高分子の表面改質−」丸茂秀雄著:
昭和47年3月25日発行増補版150頁による)を行
い、煙草の灰が飛び上がる距離を測定した。
【0153】評価は、23℃・23RH%の条件下に各
受像材料及び評価に用いるローラー、煙草灰を静置した
後、同環境下で行った。下記の3段階で評価した。
【0154】 ○:1cm以下まで近づけても引き付けなかった △:3cm以下まで近づけると灰が飛び上がった ×:10cm程度で灰が飛び上がり始めた。
【0155】又、表面比抵抗は、各受像材料を23℃・
23RH%の条件下に2時間調湿した後、受像層面及び
バックコート層面の両方について測定した。結果を併せ
て表4に示す。
【0156】
【表4】
【0157】
【発明の効果】本発明によれば、記録材料と受像材料と
を高度に密着させた状態で熱転写することができ、しか
も帯電防止性も付与された高品質の転写画像を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱転写用記録材料を受像材料と重ね
てドラム状減圧器に巻き付けることを示す斜視図。
【図2】ドラム状減圧器の基本的構成を示す断面図。
【図3】ドラム状減圧器及び減圧器の周辺を示す全体構
成図。
【符号の説明】
1 圧力ロール 2 吸引孔(2−1は開いた状態、2−2は閉じた状態
を示す) 3 感熱転写用記録材料(3−1はイエロー、3−2は
マゼンタ、3−3はシアン、3−4はブラック記録材料
を示す) 4 感熱転写用受像材料 5 感熱転写用記録材料補給手段 6 感熱転写用受像材料補給手段 7 減圧器保持部分 8 光学的書込み手段 9 筐体 10 減圧孔弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/26 L

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に少なくとも着色材層を設
    け、該着色材層が設けられた面とは反対側の面に、マッ
    ト材、バインダー樹脂及び弗素系界面活性剤を含有する
    バックコート層を設けたことを特徴とする感熱転写用記
    録材料。
  2. 【請求項2】 バックコート層の乾燥重量が1g/m2
    以下であることを特徴とする請求項1記載の感熱転写用
    記録材料。
  3. 【請求項3】 バックコート層の吸引圧が300mmH
    g以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の感
    熱転写用記録材料。
  4. 【請求項4】 バックコート層に含有されるマット材の
    粒径分布の標準偏差σ/数平均粒径が0.3以下である
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の感熱転写用
    記録材料。
  5. 【請求項5】 バックコート層に、粒径が8μm以上の
    マット材が7mg/m2以上含有されることを特徴とす
    る請求項1〜4の何れか1項に記載の感熱転写用記録材
    料。
  6. 【請求項6】 バックコート層の表面比抵抗が2×10
    9Ω/m2以下であることを特徴とする請求項1〜5の何
    れか1項に記載の感熱転写用記録材料。
  7. 【請求項7】 バックコート層がカーボンブラック又は
    金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1〜6の
    何れか1項に記載の感熱転写用記録材料。
  8. 【請求項8】 着色材層が着色材を15〜45重量%含
    有し、融点又は軟化点が40〜150℃の範囲にある樹
    脂を主成分として成り、かつ膜厚が0.4〜1.0μm
    であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記
    載の感熱転写用記録材料。
  9. 【請求項9】 記録材料が、照射された光を熱に変換す
    る層を含有し、変換されて生じた熱により着色材が受像
    材料の受像層上に転写されることを特徴とする請求項1
    〜8の何れか1項に記載の感熱転写用記録材料。
  10. 【請求項10】 光を熱に変換する層が着色材層とは別
    に設けられ、かつTGA法による熱分解測定による窒素
    気流中、昇温速度10℃/分での重量減少率が50%と
    なる温度が360℃以上である樹脂を全樹脂分中に70
    重量%以上含有することを特徴とする請求項9記載の感
    熱転写用記録材料。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れか1項に記載の
    感熱転写用記録材料が供給部から引き出され、所定の長
    さに切断されて搬送手段により搬送され、先に材料保持
    部上に受像面を外側にして固定された受像材料上に着色
    材層面を重ね合わせ、吸引手段により吸引密着された
    後、該記録材料のバックコート面側から光照射すること
    により、記録材料の着色材を受像層に転写することを特
    徴とする画像形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10の何れか1項に記載の
    感熱転写用記録材料が供給部から引き出され、所定の長
    さに切断されて搬送手段により搬送され、材料保持部上
    に着色材層面を上にして固定された後、受像材料の受像
    層面が対向するように重ね合わされ、吸引手段により吸
    引密着された後、該受像材料のバックコート面側から光
    照射することにより、記録材料の着色材を受像層に転写
    することを特徴とする画像形成方法。
  13. 【請求項13】 支持体の片面に少なくとも受像層を設
    け、該受像層が設けられた面とは反対側の面に、マット
    材、バインダー樹脂及び弗素系界面活性剤を含有するバ
    ックコート層を設けたことを特徴とする感熱転写用受像
    材料。
  14. 【請求項14】 バックコート層の乾燥重量が1g/m
    2以下であることを特徴とする請求項13記載の感熱転
    写用受像材料。
  15. 【請求項15】 バックコート層の吸引圧が300mm
    Hg以上であることを特徴とする請求項13又は14記
    載の感熱転写用受像材料。
  16. 【請求項16】 バックコート層に含有されるマット材
    の粒径分布の標準偏差σ/数平均粒径が0.3以下であ
    ることを特徴とする請求項13、14又は15記載の感
    熱転写用受像材料。
  17. 【請求項17】 バックコート層に、粒径が8μm以上
    のマット材が7mg/m2以上含有されることを特徴と
    する請求項13〜16の何れか1項に記載の感熱転写用
    受像材料。
  18. 【請求項18】 バックコート層の表面比抵抗が2×1
    9Ω/m2以下であることを特徴とする請求項13〜1
    7の何れか1項に記載の感熱転写用受像材料。
  19. 【請求項19】 バックコート層がカーボンブラック又
    は金属酸化物を含有することを特徴とする請求項13〜
    18の何れか1項に記載の感熱転写用受像材料。
  20. 【請求項20】 受像層の膜厚が0.8〜2.0μmで
    あることを特徴とする請求項13〜19の何れか1項に
    記載の感熱転写用受像材料。
  21. 【請求項21】 受像層より支持体側にクッション性を
    有する層を有することを特徴とする請求項13〜20の
    何れか1項に記載の感熱転写用受像材料。
  22. 【請求項22】 請求項9記載の感熱転写用記録材料よ
    り着色材を受像層に受容するためのものであることを特
    徴とする請求項13〜21の何れか1項に記載の感熱転
    写用受像材料。
  23. 【請求項23】 受像材料が請求項13〜22の何れか
    1項に記載の感熱転写用受像材料であることを特徴とす
    る請求項11記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 受像材料が請求項13〜22の何れか
    1項に記載の感熱転写用受像材料であることを特徴とす
    る請求項12記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 着色材の転写が溶融型熱転写であるこ
    とを特徴とする請求項11、12、23又は24の何れ
    か1項に記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008087278A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 感熱転写受像シートおよびその製造方法
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