JP3529053B2 - 窒化珪素焼結体の製造方法 - Google Patents
窒化珪素焼結体の製造方法Info
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Description
プ特性等の高温特性に優れた窒化珪素焼結体の製造方法
に関する。
耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性等に優れた材料であり、各
種産業機構部品、自動車部品等等の利用が進められてい
る。更には、窒化珪素焼結体は高温においてもその特性
の劣化が少ないので1200℃以上での使用が要求され
るガスタービン部品等の利用が検討されている。
ため、緻密化した焼結体を得るためには酸化物等の焼結
助剤を添加して焼結される。しかし、焼結助剤は窒化珪
素粉末の表面に存在するシリカ等と反応して焼結体中に
粒界相として残留し、窒化珪素焼結体の高温特性を低下
させる原因となっている。
上させる手段として、粒界ガラス相の軟化点を高めるた
めに希土類酸化物を添加する(特公昭48−7486号
公報、特公昭49−21091号公報、特公昭52−3
649号公報等)、粒界ガラス相を結晶化させて軟化点
を高くする(特公昭56−388公報)等の提案があ
る。また、HIP処理や焼結体のアニール処理によって
粒界相を結晶化させる方法もある。しかしながら、これ
らの方法であっても高温特性を十分に高めた窒化珪素焼
結体を製造することはできなかった。
ても、高温特性を向上させるために高純度品が要求さ
れ、最も汎用的な金属珪素直接窒化法の場合には、高純
度のSi粉末を窒化し、得られた窒化珪素粉末を酸によ
る精製処理を行って純度が高められている。しかしなが
ら、このようにして得られた高純度窒化珪素粉末であっ
ても高温特性に優れた焼結体を必ずしも製造することは
できなかった。
200℃以上の高温で使用されるガスタービン部品等と
して使用可能な高温強度、高温クリープ特性等の高温特
性に優れた窒化珪素焼結体の製造方法を提供することに
ある。
量の異なる種々の窒化珪素粉末を用い、焼結助剤、焼結
方法、アニール条件等を変えて焼結体を試作し、その高
温特性を評価すると共に、焼結体の組織を詳細に解析し
た。その結果、焼結体の粒界相組成が高温での粒界相の
軟化すなわち焼結体の高温特性の低下に大きく寄与して
おり、とりわけ粒界相に存在する微量のF、Cl等のハ
ロゲン不純物特にFが高温における粒界相の軟化温度の
低下に著しく寄与していることを突き止めた。そして、
このような粒界相におけるF、Cl等のハロゲン不純物
の含有量が制御された窒化珪素焼結体は、焼結助剤を含
む窒化珪素粉末を成形後、窒素とアンモニアを含む還元
窒化性雰囲気下で熱処理した後、加圧された窒素雰囲気
中、特定条件で焼結すればよいことを見いだし、本発明
を完成させたものである。
珪素粉末を成形後、窒素とアンモニアを含みしかもアン
モニアの分圧が0.2atm以上である還元窒化性雰囲
気下、温度1000〜1500℃で1時間以上保持した
後、窒素加圧雰囲気下、1600℃以上の温度で焼結す
ることを特徴とする、酸素量に対してF及びClの合計
含有量が20000ppm未満でしかもF含有量が10
000ppm未満である、窒化珪素焼結体の製造方法で
ある。この場合において、アンモニアの一部を水素に置
換することによって、窒化珪素焼結体の相対密度を更に
高めることができる。
る。
結体の高温特性は粒界相の特性に大きく依存しており、
ハロゲン不純物の影響についても焼結体に含まれるハロ
ゲン不純物よりも粒界相におけるその濃度特にFの影響
を強く受けている。そのため、焼結体中のハロゲン不純
物量が同じであっても粒界相量が異なる場合、粒界相に
おけるその濃度が変わり焼結体の高温特性も異なってく
る、すなわち粒界相におけるハロゲン不純物の濃度が増
加するに従って粒界相の軟化温度も下がり高温特性が低
下することを見出したものである。
ン不純物の濃度は、粒界相を形成する原子数に対するハ
ロゲン不純物の原子数で規定するのが適切である。窒化
珪素焼結体の粒界相は、焼結助剤として添加された酸化
物と原料窒化珪素粉末の表面に存在するシリカとの反応
によって形成されているので粒界相の原子数は酸素量に
比例している。このため、本発明では、粒界相における
ハロゲン不純物の濃度を窒化珪素焼結体中の酸素量に対
するハロゲン不純物量として規定した。
素焼結体は、窒化珪素焼結体中の酸素量に対して、F及
びClの合計含有量が20000ppm未満好ましくは
10000ppm未満のものである。また、F及びCl
の合計含有量が20000ppm未満であっても、粒界
相の高温特性に影響の大きいF含有量の多少によって高
温特性が変化するので、本発明においては、F含有量を
10000ppm未満好ましくは5000ppm未満で
あるものを対象としている。すなわち、窒化珪素焼結体
中の酸素量に対してF及びClの合計含有量が2000
0ppmを超えるか又はF含有量が10000ppmを
超えると粒界相の軟化温度が低下し高温特性が低下す
る。
外の金属不純物量については、粒界相に固溶して融点を
低下させたり、粒界相中に偏析して高温特性を低下させ
ることがあるので焼結助剤成分以外の金属不純物量は3
000ppm以下特に500ppm以下であることが好
ましい。
e、Al、Caの金属不純物の合計が3000ppm以
下で、比表面積が7m2/g以上の高純度微粉末である
ことが好ましい。また焼結助剤については、焼結手法及
び焼成条件等の関係から一概に規定することはできない
が、窒化珪素粉末中のシリカ等と反応して高融点の粒界
相を形成し得るものが好ましい。その例をあげれば、Y
2 O3 、Yb2 O3 、Er2 O3 、Sc2 O
3 、Dy2 O3 等である。焼結助剤の使用量は、窒
化珪素粉末100重量部に対し2〜15重量部が適切で
あり、この混合粉末原料を成形し焼結体製造用原料とす
る。成形体の成形方法としては、プレス成形、射出成
形、押し出し成形、鋳込み成形等を採用することがで
き、その形状については厚みが100mmをこすような
極端な肉厚でなければ特に制約はない。
素とアンモニアを含みしかもアンモニアの分圧が0.2
atm以上である還元窒化性雰囲気としたのは、この初
期段階の工程(以下、還元窒化処理工程ともいう。)で
F、Cl等のハロゲン不純物を除去するためである。す
なわち、窒化珪素粉末に含まれているハロゲン不純物は
比較的不安定な状態で存在しているので通常の焼成雰囲
気である窒素雰囲気等では大半が焼結体中に残留する
が、本発明の還元窒化性雰囲気下で熱処理を行うと、そ
のアンモニアの水素原子と反応してHF、HCl等とな
って系外に除去され、しかもアンモニアの窒素原子と還
元窒化性雰囲気の窒素分とによって予備焼結され、続く
窒素加圧雰囲気下の焼結が容易となるからである。
含みしかもアンモニアの分圧が0.2atm以上であ
る。アンモニア分圧が0.2atm未満では初期段階に
おける還元反応が不十分となってハロゲン不純物を十分
に除去することができなくなる。このアンモニアの一部
を水素に置換することもでき、これによって窒化珪素焼
結体の相対密度が向上する。
00℃であり、1000℃未満では雰囲気のアンモニア
と窒化珪素粉末中のハロゲン不純物との反応性が小さく
なってハロゲン不純物を十分に除去することができず、
また1500℃を超えると窒化珪素の液相焼結が始ま
り、ハロゲン不純物が液相中に固溶して還元窒化性雰囲
気による処理を施してもそれを容易に除去することがで
きなくなる。
間は必要であるが、その上限については特に限定されな
い。しかし、極端に長い場合、製造コストの増加や焼結
体に変質をきたす恐れがあるので、例えば直径50mm
の円柱の場合には10時間以内が好ましい。
いて焼結される。その条件は、窒素加圧雰囲気下、温度
1600℃以上である。窒素加圧雰囲気下の条件として
は、焼結時に窒化珪素の分解を抑制することができる圧
力であれば特に問題はなく、焼結温度にもよるが2〜1
0Kg/cm2 の窒素加圧雰囲気が好ましい。窒素加
圧雰囲気が10Kg/cm2 を超えても焼結体の物性
には影響を与えないが特殊な焼結設備が必要となるので
コスト高となる。
記した還元窒化性雰囲気を達成することができ、温度1
600℃以上の窒素加圧雰囲気中に耐えるものであれば
特に制約はない。具体的には、還元窒化性雰囲気で使用
する場合はモリブデン、タングステン等を発熱体とした
電気炉である。
に本発明を説明する。
部、平均粒径1.5μmのY2 O3 粉末5重量部、平
均粒径1.2μmのYb2 O3 粉末5重量部を配合
し、メタノール中で4時間湿式混合した後乾燥し、それ
を100kg/cm2 の圧力で金型成形した後更に2
700kg/cm2 の圧力でCIP成形した。これら
のCIP成形体をモリブデン発熱体の電気炉に入れ、表
1に示す還元窒化性雰囲気、圧力及び温度で所定の時間
処理した後、10kg/cm2 の窒素ガス雰囲気下、
温度1900℃で2時間焼成して焼結体を製造した。
(アルキメデス法)と1300℃における4点曲げ強度
(島津製作所社製商品名「オートグラフAG−2000
A」)を測定した。また、大気中、温度1250℃、引
張り応力250MPaにおける200時間の引張り試験
法による高温クリープ評価を行った。更には、窒化珪素
焼結体を窒化珪素製乳鉢で比表面積1m2 /g程度に
粉砕し、酸素量を測定(機器:LECO社製商品名「T
C−136」)すると共に、その5gを電気炉に入れて
温度1200℃で1時間蒸留した後、イオンクロマト法
によるF及びCl量を測定した。それらの結果を表2及
び表3に示す。
プ特性等に優れ、ガスタービン等の高温部材として適し
た窒化珪素焼結体の製造方法が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 焼結助剤を含む窒化珪素粉末を成形後、
窒素とアンモニアを含みしかもアンモニアの分圧が0.
2atm以上である還元窒化性雰囲気下、温度1000
〜1500℃で1時間以上保持した後、窒素加圧雰囲気
下、1600℃以上の温度で焼結することを特徴とす
る、酸素量に対してF及びClの合計含有量が2000
0ppm未満でしかもF含有量が10000ppm未満
である、窒化珪素焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 アンモニアの一部を水素に置換してなる
ことを特徴とする請求項1記載の窒化珪素焼結体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00171494A JP3529053B2 (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | 窒化珪素焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00171494A JP3529053B2 (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | 窒化珪素焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07206528A JPH07206528A (ja) | 1995-08-08 |
JP3529053B2 true JP3529053B2 (ja) | 2004-05-24 |
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JP00171494A Expired - Fee Related JP3529053B2 (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | 窒化珪素焼結体の製造方法 |
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JP (1) | JP3529053B2 (ja) |
-
1994
- 1994-01-12 JP JP00171494A patent/JP3529053B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07206528A (ja) | 1995-08-08 |
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