JP3438928B2 - 窒化珪素粉末の製造方法 - Google Patents
窒化珪素粉末の製造方法Info
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Description
プ特性等の高温特性に優れた焼結体を製造することがで
きる窒化珪素粉末の製造方法に関する。
耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性等に優れた材料であり、各
種産業機構部品、自動車部品等の利用が進められてい
る。更には、窒化珪素焼結体は、高温においてもその特
性の劣化が少ないので、1200℃以上での使用が要求
されるガスタービン部品等での利用が検討されている。
ため、緻密化した焼結体を得るためには、焼結助剤とし
て酸化物等を添加して焼結される。しかし、焼結助剤は
窒化珪素粉末の表面に存在するシリカ等と反応して焼結
体中に粒界ガラス相として残留し、窒化珪素焼結体の高
温特性を低下させる原因となっている。
上させる手段として、粒界ガラス相の軟化点を高めるた
めに希土類酸化物を添加する(特公昭48−7486号
公報、特公昭49−21091号公報、特公昭52−3
649号公報)、粒界ガラス相を結晶化させて軟化点を
高くする(特公昭56−388号公報)等の提案があ
る。また、HIP処理や焼結体のアニール処理によって
粒界相を結晶化させる方法もある。しかしながら、これ
らの方法であっても高温特性を十分に高めた窒化珪素焼
結体を製造することはできなかった。
としては、金属珪素直接窒化法、シリカ還元法、ハロゲ
ン化珪素法等があり、これらの製法で得られた粉末は、
それぞれ異なった粉体特性をもち、焼結性や焼結体特性
に大きく影響している。一般に、高温特性は粒界相の特
性に大きな影響を受けているので高温特性を向上させる
には高純度の窒化珪素粉末が必要となる。
粉末を原料とし、得られた窒化珪素粉末の金属不純物を
低減するために酸による精製処理が行われているが、こ
のようにして製造された高純度窒化珪素粉末であって
も、必ずしも高温特性に優れた焼結体を製造することは
できなかった。
200℃以上の高温で使用されるガスタービン部品等と
して使用可能な高温強度、高温クリープ特性等の高温特
性に優れた焼結体を製造することができる焼結性に優れ
た窒化珪素粉末を提供することである。
る。
化珪素微粉末を、水素及び/又はアンモニアの分圧が
0.2atm以上の還元性雰囲気下、温度1000〜1
500℃で30分間以上処理することを特徴とする、比
表面積10m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm以下、
全酸素量が1.5重量%以下、F及びClの合計含有量
が500ppm以下でしかもF含有量が300ppm以
下である窒化珪素粉末の製造方法(以下、第1の製造方
法という)。
化珪素微粉末を、1torr以下の減圧雰囲気下、温度
1200〜1400℃で30分間以上処理することを特
徴とする、比表面積10m 2 /g以上又は平均粒径0.
8μm以下、全酸素量が1.5重量%以下、F及びCl
の合計含有量が500ppm以下でしかもF含有量が3
00ppm以下である窒化珪素粉末の製造方法(以下、
第2の製造方法という)。
化珪素微粉末を、塩素ガス分圧が0.2atm以上の雰
囲気下、温度1000〜1500℃で30分間以上処理
した後、水素及び/又はアンモニアの分圧が0.2at
m以上の還元性雰囲気下、温度1000〜1500℃で
30分間以上処理することを特徴とする、比表面積10
m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm以下、全酸素量が
1.5重量%以下、F及びClの合計含有量が500p
pm以下でしかもF含有量が300ppm以下である窒
化珪素粉末の製造方法(以下、第3の製造方法とい
う)。
化珪素微粉末を、塩素ガス分圧が0.2atm以上の雰
囲気下、温度1000〜1500℃で30分間以上処理
した後、1torr以下の減圧雰囲気下、温度1200
〜1400℃で30分間以上処理することを特徴とす
る、比表面積10m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm
以下、全酸素量が1.5重量%以下、F及びClの合計
含有量が500ppm以下でしかもF含有量が300p
pm以下である窒化珪素粉末の製造方法(以下、第4の
製造方法という)。
0.8μm以下、全酸素量が1.5重量%以下、F及び
Clの合計含有量が500ppm以下でしかもF含有量
が300ppm以下である窒化珪素粉末を、酸素を含有
する雰囲気下で加熱処理することを特徴とする、比表面
積10m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm以下、全酸
素量が1.5重量%以下、F及びClの合計含有量が5
00ppm以下でしかもF含有量が300ppm以下で
あり、表面酸素量が0.3重量%以上である窒化珪素粉
末の製造方法。
る。
て金属不純物量、酸素量、粒度等の異なる各種窒化珪素
粉末を試作し、種々の焼結条件で評価を行い、粉体特性
と焼結性及び焼結体特性との関係について詳細に検討を
行った。その結果、精製処理を行った高純度の窒化珪素
粉末において、Fe等の金属不純物量が同程度であって
も、精製時に使用する酸の種類や濃度によって得られた
窒化珪素粉末のF及びCl等のハロゲン不純物量が異な
り、高温強度に著しく影響を与えることを見いだした。
物は焼結後も焼結体に残留し、窒化珪素焼結体の高温特
性は粒界相の軟化温度等に支配されていること、そして
その軟化温度はそこに存在するハロゲン不純物量の増加
に伴って低下し、窒化珪素粉末のハロゲン不純物の増加
に伴って窒化珪素焼結体の高温強度、高温クリープ特性
等の高温特性が低下することがわかった。
及びClの合計含有量を500ppm未満に限定した。
また、F及びClの合計含有量が500ppm未満であ
っても、粒界相の高温特性に影響の大きいF含有量の多
少によって高温特性が変化するので、本発明において
は、F含有量を300ppm未満に限定した。すなわ
ち、窒化珪素粉末中のF及びClの合計含有量が500
ppm以上であるか又はF含有量が300以上である
と、それを用いて製造された窒化珪素焼結体の粒界相の
軟化温度が低下し、窒化珪素焼結体の高温特性が低下す
る。
ては、比表面積が10m2/g以上又は平均粒径が0.8
μm以下である。窒化珪素粉末の粒度は、焼結性や焼結
体微構造と密接に関係しており、微細な粉末ほど焼結性
が良く微細且つ均一な焼結体が得られる。特に、窒化珪
素焼結体の高温特性を向上させるためには、粒界相量を
低減しその融点を高くする必要があるので、原料となる
窒化珪素粉末には焼結性に優れたものが必要となる。そ
こで、本発明では、上記した粒度に限定したものであ
り、比表面積が10m2/g未満又は平均粒径が0.8μ
mを超えると焼結性が低下し、十分に緻密化した焼結体
を得ることが困難となる。比表面積の上限及び平均粒径
の下限については、特に制限はなく極端にカサ高となっ
て成形ができなくならなければよい。
重量%以下である。全酸素量が1.5重量%を超えると
焼結時に添加された焼結助剤と反応して生成する粒界相
の量が増加し、またその融点も低下して窒化珪素焼結体
の高温特性が低下する。
量については、Fe、Ca及びAlの合計含有量が、3
000ppm以下特に500ppm以下であることが好
ましい。このような金属不純物は焼結時に粒界相に固溶
して融点を低下させたり、粒界相中に偏析して高温特性
を低下させる。
は、比表面積10m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm
以下、全酸素量が1.5重量%以下、F及びClの合計
含有量が500ppm以下でしかもF含有量が300p
pm以下であり、表面酸素量が0.3重量%以上である
ことが好ましい。これは、比表面積10m 2 /g以上又
は平均粒径0.8μm以下、全酸素量が1.5重量%以
下、F及びClの合計含有量が500ppm以下でしか
もF含有量が300ppm以下である窒化珪素粉末を、
酸素を含有する雰囲気下で熱処理することによって製造
することができる。
法としては、上記した方法の他に特開平4−21937
4号公報等に示されているように焼結助剤とシリカを添
加する方法がある。この場合におけるシリカ量は、目標
とする粒界相組成、焼結助剤量及び窒化珪素粉末の酸素
量から決定されるが、焼結助剤と共に添加する場合は、
得られた焼結体の均一性に問題がある。本発明では、こ
の点を考慮し、窒化珪素粉末を酸素を含有する雰囲気下
で加熱処理を行いその表面に均一なシリカ相を形成させ
ることによって問題を解決したものである。
3重量%以上で全酸素量は1.5重量%以下である。表
面酸素量が0.3重量%未満では、焼結性の向上と焼結
体の均一化に対して十分な効果が得られない。表面酸素
量は、全酸素量を測定した後、温度50℃以上のフッ酸
溶液中で2時間攪拌して窒化珪素粉末表面のシリカ相を
除去してから洗浄・乾燥後、再び酸素量(内部酸素量)
を測定し、全酸素量と内部酸素量の差から算出すること
ができる。
上又は平均粒径0.8μm以下、全酸素量が1.5重量
%以下、F及びClの合計含有量が500ppm以下で
しかもF含有量が300ppm以下である窒化珪素粉末
を、酸素を含む酸化性雰囲気で加熱処理する際、その酸
化性雰囲気の酸素濃度は、酸素分圧0.02〜0.5a
tmであるこが好ましい。酸素分圧が0.02atm未
満では窒化珪素粉末の酸化速度が遅く、所望する表面酸
素を付与するためには処理時間が長くなり、一方、0.
5atmを超えると窒化珪素粉末の酸化速度が速くなり
すぎて表面酸素量の調整が難しくなる。
好ましく、500℃未満では所望する表面酸素量を付与
するためには処理時間が長くなり、また1100℃を超
えると窒化珪素粉末の酸化速度が速くなりすぎて表面酸
素量の調整が難しくなる。
素粉末の表面酸素の形態を高分解能透過型電子顕微鏡で
分析した結果、一部のサンプルにおいてはアモルファス
状態のシリカであることが確認された。
の製造方法について説明する。第1の製造方法は、金属
珪素粉末を窒化して得られた窒化珪素粉末を水素及び/
又はアンモニアの分圧が0.2atm以上の還元性雰囲
気下、温度1000〜1500℃で30分間以上処理す
るものである。
を製造する場合、酸素及び金属不純物を低減するために
製造された粉末を塩酸、フッ酸等の混酸による精製処理
が行われている。しかしながら、このような方法で製造
された高純度窒化珪素粉末には、F、Cl等のハロゲン
不純物が相当量含まれており、しかもこれらのハロゲン
不純物は窒化珪素粉末表面に非常に強固に吸着されてい
て、単に水又はアンモニア等で洗浄したり不活性雰囲気
中で加熱処理を行っても十分に除去することは困難であ
る。
窒化珪素粉末を各種雰囲気下で処理温度を変え種々検討
を加えたところ、驚くべきことに、窒化珪素粉末を水素
及び/又はアンモニアの分圧が0.2atm以上の還元
性雰囲気下、温度1000〜1500℃で30分間以上
処理することによってハロゲン不純物を著しく減少させ
ることができることを見いだしたものである。
気を水素及び/又はアンモニアを含む還元性雰囲気とし
たのは、窒化珪素粉末中のハロゲン不純物は通常の不活
性雰囲気では大半が残留するが、水素及び/又はアンモ
ニアを含む還元性雰囲気下では水素原子等と反応してH
F、HCl等となり系外に除去することができることに
もとづくものである。雰囲気中の水素及び/又はアンモ
ニアの分圧としては0.2atm以上は必要であり、
0.2atm未満ではハロゲン不純物の十分な除去がで
きなくなる。
00℃であり、1000℃未満では雰囲気と窒化珪素粉
末中のハロゲン不純物との反応性が小さくなってハロゲ
ン不純物の十分な除去ができなくなり、また1500℃
を超えると窒化珪素粉末の比表面積が低下する等、他の
粉体特性が悪化する。
30分間以上は必要であり、30分間未満ではハロゲン
不純物の十分な除去ができない。処理時間の上限につい
ては特に限定されないが、極端に長い場合は製造コスト
の増加や金属不純物等による部分的な焼結が起こる可能
性があるので、充填状態にもよるがより短い時間が好ま
しい。
と、この発明は、金属珪素粉末を窒化して得られた窒化
珪素粉末を1torr以下の減圧雰囲気下、温度120
0〜1400℃で30分間以上処理するものである。
て窒化珪素粉末に含まれるハロゲン不純物の挙動につい
て種々検討を行った結果、1torr以下の減圧雰囲気
下、温度1200〜1400℃で30分間以上処理する
ことにより、上記した還元性雰囲気下での処理と同様に
ハロゲン不純物量をかなり減少させることができること
を見いだしたものである。
圧雰囲気としているのは、窒化珪素粉末表面に強固に吸
着しているハロゲン不純物は常圧雰囲気では大半が残留
するが、減圧雰囲気下では系外に除去することができる
ことにもとづいている。
00℃であり、1200℃未満では窒化珪素粉末中のハ
ロゲン不純物の揮発量が少なくなってハロゲン不純物を
十分に除去することができず、一方、1400℃を超え
ると窒化珪素の分解が激しくなって重量減少、金属Si
の生成等の問題が生じる。
は必要であり、30分間未満ではハロゲン不純物の揮発
量が少なくその十分な除去はできない。処理時間の上限
については特に制限はないが、極端に長い場合は製造コ
ストの増加や窒化珪素の分解といった問題もあるので、
より短い時間が好ましい。
て得られた窒化珪素粉末を塩素ガス分圧が0.2atm
以上の雰囲気下、温度1000〜1500℃で30分間
以上処理(以下、一次処理という)した後、更に水素及
び/又はアンモニアの還元性雰囲気下、温度1000〜
1500℃で30分間以上処理(以下、二次処理1とい
う)するものである。
等のハロゲン不純物の挙動について詳細に検討を行った
結果、FとClではその挙動が異なりFの方がClより
も除去することが困難であることがわかった。そこで、
窒化珪素粉末のFの除去方法について更に検討を加えた
ところ、驚くべきことに、塩素ガスを含む雰囲気で処理
するとCl量は大幅に増加するがF量が極めて減少し、
しかも金属不純物量も減少することを見いだしたもので
ある。
よって窒化珪素粉末中のF含有量を低減させた後、二次
処理1によって残留するClを除去するものである。こ
の二次処理1は上記した第1の製造方法と同様な処理で
ある。
0.2atm以上であり、0.2atm未満ではFの十
分な除去ができない。また、処理温度については100
0〜1500℃であり、1000℃未満では雰囲気中の
Clと窒化珪素粉末中のFとの反応性が小さくFの十分
な除去が困難となる。一方、1500℃を超えると窒化
珪素粉末の比表面積が低下する等、他の粉体特性が悪化
する。処理時間は30分間以上は必要であり、30分間
未満ではFの十分な除去ができなくなる。
窒化珪素粉末を更に1torr以下の減圧雰囲気下、温
度1200〜1400℃で30分間以上処理(以下、二
次処理2という)するものである。この二次処理2は上
記した第2の製造方法と同様な処理である。
用される窒化珪素粉末としては、Fe、Al、Caの金
属不純物の合計が3000ppm以下で、比表面積が7
m2/g以上である高純度窒化珪素微粉末が好ましい。こ
のような高純度窒化珪素微粉末は、例えば金属珪素粉末
を比表面積1〜2m2/g程度に粉砕してカサ比重0.8
〜1.5程度の成形体に成形し、それを窒素及び/又は
アンモニアを含む雰囲気中、温度1200〜1500℃
で加熱窒化して窒化珪素インゴットを製造し、次いでそ
れを所望の粒度まで粉砕した後、塩酸、フッ酸等の混酸
で精製処理することによって製造することができる。
に本発明を説明する。
からなる温度50℃の混酸により2時間の純化処理を行
い、洗浄、乾燥後、カサ密度1.0g/cm3の成形体
を成形した。この成形体を窒素及びアンモニアを含む雰
囲気中、1100〜1450℃の温度で窒化し、α相含
有量が92%の窒化珪素インゴットを製造した。次い
で、それを粗砕・中砕して所望の粒度までボールミルで
湿式粉砕した後、上記混酸の濃度を変えて2時間の精製
処理を行い窒化珪素粉末(窒化珪素粉末A)を製造し
た。この窒化珪素粉末AのFe、Al、Caの金属不純
物の合計は360ppm以下で、比表面積は11m2/g
であった。
理を行い、また比較例8は粉砕時間を半分とし、実施例
1と同様な純化処理を行ったものである。
0mmのアルミナ管に充填し、管状炉にて表1に示す各
種条件で処理を行い窒化珪素粉末を製造した。実施例9
及び10は、金属珪素直接窒化法で製造された市販粉末
を実施例2と同様な純化処理を行ったものである。それ
らの粉体特性を表2に示す。
平均粒径1.5μmのY2 O3 粉末5重量部、平均粒径
1.2μmのYb2 O3 粉末5重量部を配合し、メタノ
ール中で4時間湿式混合した後乾燥し、それを100k
g/cm2 の圧力で金型成形後更に2700kg/cm
2 の圧力でCIP成形した。次いで、これらのCIP成
形体を窒化珪素粉末及びBN粉末からなる詰め粉と共に
カーボン製坩堝にセットし、10kg/cm2 の窒素加
圧雰囲気下、温度1900℃で2時間焼成して焼結体を
製造した。
1300℃における4点曲げ強度及び温度1250℃に
おける高温クリープ特性を測定した。それらの結果を表
3に示す。
ボン発熱体の電気炉に充填し、表4に示す雰囲気圧力、
温度及び時間で処理した。得られた窒化珪素粉末の粉体
特性を表5に示す。
折で確認できる程度量の金属Siが検出された。
50mmのアルミナ管に充填し、管状炉にて表6に示す
各種条件で一次処理を行った。次いで、実施例17〜2
2については引き続き水素分圧が0.4atmの窒素及
び水素からなる雰囲気中、温度1400℃で1時間の二
次処理1を行い、また実施例23については、一次処理
された粉末をカーボン発熱体の電気炉に充填し、0.5
torrの減圧雰囲気下、温度1300℃で1時間の二
次処理2を行った。比較例13〜16は、一次処理粉末
を窒素雰囲気中、温度1400℃で1時間の熱処理を行
い窒化珪素粉末を製造した。それらの粉体特性を表7に
示す。
平均粒径1.5μmのY2 O3 粉末6重量部を配合し、
メタノール中で4時間湿式混合した後乾燥して得られた
粉末50gを直径60mmのカーボンダイスに充填し、
窒素ガス雰囲気下、温度1800℃、圧力400kg/
cm2 で1時間のホットプレス焼結を行って焼結体を製
造し、実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を
表8に示す。
1000ppm以下である高純度金属珪素粉末(比表面
積1.5m2/g)をカサ密度1.0g/cm3の成形
体に成形し、窒素及びアンモニアを含む雰囲気中、11
00〜1450℃の温度で窒化してα相含有量が92%
の窒化珪素インゴットを製造した。次いで、それをセラ
ミックス製の粉砕機で粗砕・中砕し、所望の粒度まで窒
化珪素製のボールミルで湿式粉砕して窒化珪素粉末B
(実施例24)と窒化珪素粉末C(実施例25)を製造
した。それらの粉体特性を表9に示す。比較例17(窒
化珪素粉末D)及び比較例18(窒化珪素粉末E)は、
いずれも市販の窒化珪素粉末である。
平均粒径1.5μmのY2 O3 粉末5重量部、平均粒径
1.2μmのYb2 O3 粉末5重量部を配合し、メタノ
ール中で4時間湿式混合し乾燥後、100kg/cm2
の圧力で金型成形した後2700kg/cm2 の圧力で
CIP成形した。次いで、これらのCIP成形体を窒化
珪素粉末及びBN粉末からなる詰め粉と共にカーボン製
坩堝にセットし、10kg/cm2 の窒素加圧雰囲気
中、温度1900℃で2時間焼成して焼結体を製造し、
実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を表10
に示す。
50mmのアルミナ管に充填し管状炉にて大気中で表1
1に示す温度で30分間、加熱処理を行い表面酸素を付
与した。得られた窒化珪素粉末の全酸素量と表面酸素量
の測定結果を表11に示す。なお、他の粉体特性につい
ては窒化珪素粉末Aと同様であった。
1.2μmのYb2 O3 粉末及び平均粒径1.0μmの
SiO2 粉末を表11に示す割合で配合し、メタノール
中で4時間湿式混合し乾燥後、それを100kg/cm
2 の圧力で金型成形した後2700kg/cm2 の圧力
でCIP成形した。次いで、これらのCIP成形体を窒
化珪素粉末及びBN粉末からなる詰め粉と共にカーボン
製坩堝にセットし、10kg/cm2 の窒素加圧雰囲気
中、温度1850℃で2時間焼成して焼結体を製造し、
実施例1と同様にして相対密度と曲げ強度を測定した。
それらの結果を表12に示す。
た。 (1)全酸素量(重量%):LECO社製O/N同時分
析計「TC−136」で測定した。 (2)表面酸素量(重量%):上記方法で内部酸素量を
測定し、全酸素量との差を算出した。 (3)比表面積(m2/g):湯浅アイオニクス社製カン
ターソーブJr.BET1点法によった。 (4)平均粒径(μm):L&N社製粒度分布計「マイ
クロトラック−SPA」で測定した。 (5)F量、F+Cl量(ppm):バイロハイドリシ
ス蒸留、イオンクロマトグラフィー法によった。
(ppm):JIS G1322に準じて測定した。 (7)相対密度(%):アルキメデス法によった。 (8)曲げ強度(MPa):1300℃における4点曲
げ強度をJIS R1601に準じて測定した。 (9)クリープ特性:焼結体を大気中、温度1250
℃、引張り応力250MPaにおける引張り試験法によ
る200時間の高温クリープ評価を行った。
プ特性等に優れ、ガスタービン等の高温部材に適した窒
化珪素焼結体を製造することができる窒化珪素粉末が提
供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属珪素粉末を窒化して得られた高純度
窒化珪素微粉末を、水素及び/又はアンモニアの分圧が
0.2atm以上の還元性雰囲気下、温度1000〜1
500℃で30分間以上処理することを特徴とする、比
表面積10m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm以下、
全酸素量が1.5重量%以下、F及びClの合計含有量
が500ppm以下でしかもF含有量が300ppm以
下である窒化珪素粉末の製造方法。 - 【請求項2】 金属珪素粉末を窒化して得られた高純度
窒化珪素微粉末を、1torr以下の減圧雰囲気下、温
度1200〜1400℃で30分間以上処理することを
特徴とする、比表面積10m 2 /g以上又は平均粒径
0.8μm以下、全酸素量が1.5重量%以下、F及び
Clの合計含有量が500ppm以下でしかもF含有量
が300ppm以下である窒化珪素粉末の製造方法。 - 【請求項3】 金属珪素粉末を窒化して得られた高純度
窒化珪素微粉末を、塩素ガス分圧が0.2atm以上の
雰囲気下、温度1000〜1500℃で30分間以上処
理した後、水素及び/又はアンモニアの分圧が0.2a
tm以上の還元性雰囲気下、温度1000〜1500℃
で30分間以上処理することを特徴とする、比表面積1
0m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm以下、全酸素量
が1.5重量%以下、F及びClの合計含有量が500
ppm以下でしかもF含有量が300ppm以下である
窒化珪素粉末の製造方法。 - 【請求項4】 金属珪素粉末を窒化して得られた高純度
窒化珪素微粉末を、塩素ガス分圧が0.2atm以上の
雰囲気下、温度1000〜1500℃で30分間以上処
理した後、1torr以下の減圧雰囲気下、温度120
0〜1400℃で30分間以上処理することを特徴とす
る、比表面積10m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm
以下、全酸素量が1.5重量%以下、F及びClの合計
含有量が500ppm以下でしかもF含有量が300p
pm以下である窒化珪素粉末の製造方法。 - 【請求項5】 比表面積10m 2 /g以上又は平均粒径
0.8μm以下、全酸素量が1.5重量%以下、F及び
Clの合計含有量が500ppm以下でしかもF含有量
が300ppm以下である窒化珪素粉末を、酸素を含有
する雰囲気下で加熱処理することを特徴とする、比表面
積10m 2 /g以上又は平均粒径0.8μm以下、全酸
素量が1.5重量%以下、F及びClの合計含有量が5
00ppm以下でしかもF含有量が300ppm以下で
あり、表面酸素量が0.3重量%以上である窒化珪素粉
末の製造方法。
Priority Applications (1)
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