JP3255302B2 - 窒化けい素粉末の製造方法 - Google Patents

窒化けい素粉末の製造方法

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秀樹 広津留
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度、高靱性且つ高
信頼性の焼結体を製造することができる窒化けい素粉末
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化けい素焼結体は、強度、硬度、靱
性、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性、耐衝撃性に優れた材
料であることから、各種産業機構部品、自動車部品、ガ
スタービン部品等での利用が進められている。
【0003】窒化けい素粉末の製造法としては、金属け
い素直接窒化法、シリカ還元法、ハロゲン化けい素法が
工業化されている。これらの製法で得られた粉末は、そ
れぞれ異なった粉体特性を有し、焼結性や焼結体特性に
大きな影響を与えている。
【0004】従来より、結晶性の点からは高α相の窒化
けい素粉末が良いとされ、その観点にたった多くの研究
が行われている。高α相の窒化けい素粉末は、主として
ファインセラミックス用原料に使用されているが、それ
を製造するには非常に精密な窒化反応のコントロールと
長い反応時間が必要であり、β相の粉末に比べて製造コ
ストが高くなることが問題である。
【0005】これに対し、高β相含有の窒化けい素粉末
は、その焼結体の製造において微構造制御が容易である
という特徴を有しているが、物性のバラツキ、不純物量
等においてファインセラミックス用原料として使用でき
るレベルではなかった。
【0006】すなわち、従来の高β相含有の窒化けい素
粉末は、β相が90%程度であり、しかもそのバラツキも
大きかったので、残りのα相窒化けい素の影響を受け、
焼結体の製造において微構造をうまく制御することがで
きなかった。
【0007】このように、従来技術では、高β相含有窒
化けい素の特徴を十分に発揮させることのできるβ分率
98%以上の窒化けい素粉末を、工業的に安定して製造す
る技術はなく、その出現が待たれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
要望に応えたものであって、β相が98%以上をも可能と
する窒化けい素粉末を工業的に安定して製造する方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、粒
度295 μm 以下の金属シリコン粉末50重量%以上と、β
相90%以上で粒度295 μm 以下の窒化けい素粉末50重量
%以下(0 は含まず)との混合粉末により嵩密度1.5 g
/cm3 以下の成型体を成形し、それを温度1200℃以上に
維持しながら窒素及び/又はアンモニア雰囲気中で窒化
してインゴットを製造した後、それを粉砕することを特
徴とする窒化けい素粉末の製造方法である。
【0010】以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0011】本発明では、原料として、金属シリコンを
微粉砕し48メッシュ篩(295 μm )好ましくは65メッシ
ュ篩(208 μm )にて分級し全通したものに、β相が90
%以上で粒度が295 μm 以下である窒化けい素粉末(以
下、骨材という)50重量%以下(0 は含まず)、反応の
均一化及び経済性を考慮して、好ましくは10〜40重量%
を混合したものを用いる。金属シリコンと骨材はできる
だけ高純度であることが好ましいが、いずれも95重量%
程度もあれば十分である。
【0012】金属シリコンの粒度が295 μm よりも大き
いと、内部まで速やかに反応せず金属シリコンが残留す
る。一方、骨材の粒度が295 μm よりも大きかったり、
骨材を混合しないと、窒化反応時に発生する反応熱がこ
もり、融着が起こって未反応金属シリコンの残留につな
がる。骨材のβ相が90%未満では強度のばらつきを示す
ワイブル係数が小さくなる。
【0013】本発明では、上記金属シリコンと骨材との
混合粉末を嵩密度1.5 g/cm3 以下好ましくは1.4 g/
cm3 以下の成型体に成形し、それを窒素及び/又はアン
モニアを含む雰囲気中で窒化する。ここで成型体の嵩密
度が1.5 g/cm3 をこえると、成型体内部に反応ガスが
行き届かなかったり、反応熱がこもって内部に未反応の
金属シリコンが残留する。
【0014】また、成型体の多数を一度に窒化する場合
は、それらの成型体間に適当な間隔がないと、同様にし
て未反応の金属シリコンが残留したり、α相が増加した
りして目標とするβ分率が得られなくなる。未反応の金
属シリコンの存在は、窒化けい素粉末の特性を著しく損
なうので、好ましくはその量を0.3 重量%以下に抑える
ように配慮する。
【0015】そのためには、成型体一個の厚みはあまり
厚くせず、具体的には厚みが50mm程度以下の直方体とす
るのが望ましい。成型体の多数を一度に窒化する場合
は、成型体間に十分窒化ガスが流れるよう5 〜50mm程度
の間隔を設けるのがよい。
【0016】嵩密度1.5 g/cm3 以下の成型体を成形す
るには、あまり圧力をかけずに成形するか、または樹脂
バインダーを用いて成形した後脱脂することよって行う
ことができる。
【0017】本発明においては、窒化反応温度は常に12
00℃以上にする必要がある。1200℃よりも低い温度で成
型体を窒化炉に投入し窒化を開始した場合は、低温で安
定なα相窒化けい素が生成しやすくなり、目標とする高
β相含有の窒化けい素が得られなくなる。なお、成型体
を投入した際に炉内温度が若干低下するので、その補充
は外部加熱により行う。外部加熱によっても温度制御が
追いつかない場合は、1200℃よりも高温たとえば1300℃
程度に保持された炉に成型体を投入する。
【0018】原料成型体の搬入と製造された窒化けい素
インゴットの搬出は、バッチ式、半連続式及び連続式の
いずれの手段でも行うことができる。窒化ガスとして
は、窒素及び/又はアンモニアを含むガスが用いられ
る。
【0019】得られた窒化けい素インゴットは、比表面
積2 m2/g以上の粉末度に粉砕することが望ましい。粉
砕機としては、ロールクラッシャー、ボールミル等が使
用される。
【0020】本発明において、窒化けい素粉末の結晶相
の割合は、α相のI102 とI201 及びβ相のI101 とI
210 の回折ピーク強度比をX線回折法により求め、次式
によって算出することができる。
【0021】β分率(%) ={(Iβ101 +Iβ210)/
(Iα102 +Iα201 +Iβ101 +Iβ210)}× 100
【0022】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。
【0023】実施例1 金属シリコンをボールミルで粉砕後、振動篩(65メッシ
ュ)にて分級し 208μm 下の金属シリコン(純度97重量
%)粉末を得た。この金属シリコン粉末60重量部と、骨
材としてβ相が95%で粒度が50μm 以下の窒化けい素粉
末40重量部(40重量%)とをV型混合機で1時間混合し
た。得られた混合粉末を底面積が100 ×100mm の金型を
用いて成型体の最も厚い部分が40mmである嵩密度1.4 g
/cm3 の成型体を成形した。
【0024】上記成型体を黒鉛製棚板の上に30mmの間隔
を設けて並べ、温度1300℃に保持された炉内に搬入し
た。炉内は、窒素雰囲気であり、原料成型体搬入の際に
空気が入らぬよう若干加圧(大気圧+100 mm H2O程度)
されている。
【0025】温度1300℃で成型体を搬入してから外部加
熱及び自己発熱により1450℃まで昇温させその温度で5
時間保持した後自然冷却した。得られたインゴットを炉
から取り出して粉砕し窒化けい素粉末を製造した。
【0026】実施例2 粒度295 μm 下(48メッシュ篩) の金属シリコン粉末を
用いたこと、及び骨材の配合量を60重量部(50重量%)
としたこと以外は、実施例1と同様にして窒化けい素粉
末を製造した。
【0027】比較例1 粒度495 μm 下(32メッシュ篩) の金属シリコン粉末を
用いたこと以外は実施例1と同様にして窒化けい素粉末
を製造した。
【0028】比較例2 粒度1mm以下の骨材を用いたこと以外は実施例1と同様
にして窒化けい素粉末を製造した。
【0029】比較例3 嵩密度1.7 g/cm3 の成型体を用いたこと以外は実施例
1と同様にして窒化けい素粉末を製造した。
【0030】比較例4 成型体搬入時の炉内温度を1100℃としたこと以外は実施
例1と同様にして窒化けい素粉末を製造した。
【0031】比較例5 骨材を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして窒
化けい素粉末を製造した。
【0032】比較例6 β分率が50%の骨材を用いたこと以外は実施例1と同様
にして窒化けい素粉末を製造した。
【0033】上記実施例1〜2と比較例1〜6における
窒化けい素粉末の製造条件及び得られた窒化けい素粉末
のβ分率と未反応のシリコン(Si)量の測定結果を表1
に示す。
【0034】なお、β分率は上記方法により、また、未
反応のSi量は、プレス成型した試料をX線回折装置によ
り測定し、2θ=27〜30°間でのSi(111)面のピーク面
積(積分強度)を求め、あらかじめ同一条件で作成され
た検量線により算出した。
【0035】
【表1】
【0036】上記で得られた窒化けい素粉末92重量%、
平均粒径1.5 μm のY23 粉末5重量%及び平均粒径
0.8 μm のAl23 粉末3 重量%を配合し、1,1,1-ト
リクロロエタン中で4 時間ボールミルで混合し乾燥した
後、100 Kg/cm2の圧力で6 ×10×60mmの成型体を成形
し、それを圧力2700Kg/cm2でCIP成形した。
【0037】このCIP成型体をカーボンルツボにセッ
トし、圧力10Kg/cm2のN2 ガス雰囲気中、温度1900℃で
4 時間焼成して焼結体を製造した。それを3 ×4 ×40mm
に研削加工後、アルキメデス法による焼結体密度と室温
における4 点曲げ強度を島津製作所社製「オートグラフ
AG−2000A」を用いて測定した。それらの結果を
表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、β相が98%以上の窒化
けい素粉末を工業的に且つ安定して製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯崎 啓 福岡県大牟田市新開町1 電気化学工業 株式会社 大牟田工場内 審査官 大工原 大二 (56)参考文献 特開 平2−225305(JP,A) 特開 平2−248308(JP,A) 特開 平2−293307(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/068 C04B 35/626

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度295 μm 以下の金属シリコン粉末50
    重量%以上と、β相90%以上で粒度295 μm 以下の窒化
    けい素粉末50重量%以下(0 は含まず)との混合粉末に
    より嵩密度1.5 g/cm3 以下の成型体を成形し、それを
    温度1200℃以上に維持しながら窒素及び/又はアンモニ
    ア雰囲気中で窒化してインゴットを製造した後、それを
    粉砕することを特徴とする窒化けい素粉末の製造方法。
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