JP3207065B2 - 窒化珪素質焼結体 - Google Patents

窒化珪素質焼結体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にピストン、シリン
ダー、バルブ、カムローラ、ロッカーアーム、ピストン
リング、ピストンピンなどの自動車用部品や、タービン
ロータ、タービンブレード、ノズル、コンバスタ、スク
ロール、ノズルサポート、シールリング、スプリングリ
ング、ディフューザ、ダクトなどのガスタービンエンジ
ン用部品等に好適に使用される高強度の窒化珪素質焼結
体に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、窒化珪素質焼結体は、耐熱性、
耐熱衝撃性、および耐酸化特性に優れることからエンジ
ニアリングセラミックス、特にターボローター等の熱機
関用として応用が進められている。この窒化珪素質焼結
体は、一般には窒化珪素に対してY2 3 、Al2 3
あるいはMgOなどの焼結助剤を添加することにより高
密度で高強度の特性が得られている。このような窒化珪
素質焼結体に対しては、さらにその使用条件が高温化す
るに際して、高温における強度および耐酸化特性のさら
なる改善が求められている。かかる要求に対して、これ
まで焼結助剤の検討や焼成条件等を改善する等各種の改
良が試みられている。
【0003】その中で、従来より焼結助剤として用いら
れてきたAl2 3 、MgO等の酸化物が高温特性を劣
化させるという見地から、窒化珪素に対してY2 3
の周期律表第3a族元素(RE)および酸化珪素からな
る単純な3元系(Si3 4−SiO2 −RE2 3
の組成からなる焼結体において、その焼結体の粒界にS
i−RE−O−NからなるYAM相、アパタイト相等の
結晶相を析出させることにより粒界の高融点化および安
定化を図ることが提案されている。例えば、特開昭63
−100067号では、Y、Er、Tm、Yb、Luの
うちの2種以上の希土類元素を含む焼結体で、粒界にア
パタイト構造の結晶相が形成された窒化珪素質焼結体が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、高温
高強度化を図るための上述したような焼結体は、焼結助
剤として窒化珪素や酸化珪素との共融点の高い周期律表
第3a族元素酸化物が用いられるが、このような焼結助
剤を用いて、緻密な焼結体を作製するには高い焼成温度
で焼成することが必要である。ところが、このような高
温で焼成すると、窒化珪素結晶の粒成長に伴う針状化を
促進し、場合によっては異常粒成長を来す場合もあっ
た。そのため、これらの粒成長した結晶粒子が破壊強度
の劣化の原因になっていた。
【0005】また、窒化珪素結晶の粒成長を抑制する1
つの方法として、低温で液相を生成することのできるA
2 3 やMgOなどを添加して低温で焼成する方法も
提案されているが、かかる方法では、室温強度の向上は
認められるものの、Al2 3 やMgOなどの焼結助剤
は、高温強度を大幅に劣化させる成分でもあるため、微
細組織を有し室温から高温まで高い強度を有する焼結体
が得られていないのが現状であった。
【0006】よって、本発明は、比較的低温で緻密化が
可能であり、これにより微細な結晶組織からなる室温か
ら1500℃の高温まで高い強度を有する自動車部品や
ガスタービンエンジン用等で使用される窒化珪素質焼結
体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記目
的に対して検討を重ねた結果、焼結助剤として周期律表
第3a族酸化物として、特にLuを選択しこれとその他
の周期律表第3a族酸化物と所定の比率で混合して用い
ることにより、共融点が低下し低い焼成温度での緻密化
を可能にでき、これにより窒化珪素結晶の微細化が達成
でき室温強度を向上できること、さらにLuを選択する
ことにより1500℃の高温特性を改善できることを知
見し本発明に至った。
【0008】即ち、本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化
珪素を70モル%以上、周期律表第3a族元素を酸化物
換算で1〜10モル%、不純物的酸素をSiO2 換算で
1〜20モル%の割合で含むとともに、前記周期律表第
3a族元素の酸化物換算量に対する前記不純物的酸素の
SiO2 換算量のモル比が2未満であり、前記周期律表
第3a族元素としてLuを全周期律表第3a族元素中、
20モル%以上、93モル%より小さい割合で含有する
焼結体であって、該焼結体における窒化珪素結晶粒子の
短軸方向の平均粒径が5μm以下、平均アスペクト比
(長軸径/短軸径)が10以下であり、且つ該窒化珪素
結晶の粒界相がYAMを主とする結晶質からなることを
特徴とするものである。
【0009】以下、本発明を詳述する。本発明の窒化珪
素質焼結体は、窒化珪素と、周期律表第3a族元素化合
物および不純物的酸素を主たる構成成分とするものであ
る。具体的な組成は、これらの組成は、窒化珪素を70
モル%以上、特に85〜98モル%、周期律表第3a族
元素を酸化物換算で1〜10モル%、特に1〜5モル
%、不純物的酸素をSiO2 換算で1〜20モル%、特
に1〜10モル%の割合で含むものである。
【0010】これらの成分組成を上記のように限定した
のは、窒化珪素が70モル%より少ないか、あるいは周
期律表第3a族元素の酸化物換算量が10モル%を越え
たり、不純物的酸素のSiO2 換算量が20モル%を越
えると、いずれも粒界相の体積が多くなり、高温特性が
劣化する。一方、周期律表第3a族元素の酸化物換算量
が1モル%より少ないか、あるいは不純物的酸素量のS
iO2 換算量が1モル%とより少ないと、焼結性が極端
に低下し低温での焼成で緻密化することができない。
【0011】なお、本発明における不純物的酸素とは、
焼結体中の全酸素量から添加物として周期律表第3a族
元素化合物中に化学量論的に含まれる酸素量を差し引い
た残りの酸素量であり、そのほとんどは窒化珪素原料中
の不純物や混合粉砕などの製造過程で窒化珪素の酸化反
応や吸着により取り込まれる酸素、あるいは原料として
添加される酸化珪素中の酸素であり、これらは全てSi
−Oの化学結合を含む、例えばSiO2 を形成している
と推定される。
【0012】また、本発明によれば、前記周期律表第3
a族元素の酸化物換算量に対する前記不純物的酸素のS
iO2 換算量のモル比が2未満、特に1.7以下である
ことが必要である。このモル比は窒化珪素結晶の粒界の
高温特性を決定する大きな要因であり、このモル比を2
未満に制御することにより、所望の高温強度を得ること
ができるためである。
【0013】さらに、本発明によれば、前記周期律表第
3a族元素として、Lu(ルテチウム)を全周期律表第
3a族元素中、20モル%以上、93モル%より小さい
割合、特に50〜92.5モル%の割合で含むことが、
低温焼結性を達成するとともに高温特性を改善するため
に重要である。即ち、Lu量が20モル%より少ないと
高温特性の改善が十分でなく、93モル%以上では、低
温での焼成ができずに本発明の目的である組織の微細化
が達成されないためである。Lu以外の周期律表第3a
族元素としては、Y、Yb、Er、Dy、Ho、Tb、
ScおよびTmなどが挙げられるが、これらの中でも
Y、Yb、Erから選ばれる少なくとも1種との組み合
わせが高温強度を得るために最も望ましい。
【0014】また、本発明における焼結体は、窒化珪素
結晶相を主相とするものである。一般に窒化珪素結晶相
はβ−窒化珪素からなり、柱状の結晶粒子により構成さ
れるが、本発明では、この結晶粒子の短軸方向の平均粒
径が5μm以下、特に4μm以下、さらに望ましくは3
μm以下、平均アスペクト比(長軸径/短軸径)が10
以下、特に8以下、さらに望ましくは7以下であり、且
つ該窒化珪素結晶の粒界相が、YAMを主とする結晶質
からなることが重要である。窒化珪素結晶に析出し得る
結晶としては、YAM、アパタイト、ワラストナイトな
どのSi3 4−RE2 3 (RE:周期律表第3a族
元素)−SiO2 系の結晶や、メリライトなどのSi3
4 −RE2 3 系結晶、モノシリケート、ダイシリケ
ートなどのRE2 3 −SiO2 系結晶、シリコンオキ
シナイトライドなどのSi3 4−SiO2 系結晶など
が知られているが、本発明によれば、RE4 Si2 2
O(RE:周期律表第3a族元素)で表されるYAMを
主として析出させることにより、高温強度を高めること
ができ、YAM以外の上記結晶相のいずれかが主として
析出すると所望の高温強度を得ることができない。な
お、YAM以外の析出結晶相としては、アパタイト、ワ
ラストナイトの群から選ばれる1種以上であることが望
ましい。
【0015】なお、本発明の焼結体中には、上記組成物
以外にTiN、TiC,TaC、TaN、VC、Nb
C、WC、WSi2 、Mo2 Cなどの周期律表4a、5
a、6a族金属やそれらの炭化物、窒化物、珪化物また
はSiCなどが、分散粒子やウイスカーとして本発明の
焼結体中に独立した相として存在しても特性を劣化させ
るような影響が小さいことからこれらを周知技術に基づ
き、適量添加して複合材料として特性の改善を行うこと
も当然可能である。
【0016】しかし、Al、Mg、Ca、Fe等の金属
は低融点の酸化物を形成しこれにより粒界の結晶化が阻
害されるとともに高温強度を劣化させるため、酸化物換
算量で1重量%以下、特に0.5重量%以下、さらに望
ましくは0.1重量%以下に制御することがよい。
【0017】次に、本発明の窒化珪素質焼結体を製造す
るための方法について説明する。本発明によれば、出発
原料として窒化珪素粉末を主成分とし、添加成分として
少なくともLu2 3 を含む周期律表第3a族元素酸化
物粉末、あるいは場合により酸化珪素粉末を添加してな
る。また添加形態とし周期律表第3a族元素酸化物とS
iO2 からなる化合物、または窒化珪素と周期律表第3
a族元素酸化物とSiO2 の化合物粉末を用いることも
できる。用いられる窒化珪素粉末は、α型、β型のいず
れでも使用することができ、その粒子径は0.4〜1.
2μm、陽イオン不純物量は1重量%以下、特に0.5
重量%以下、不純物酸素量が0.5〜2.0重量%が適
当であり、直接窒化法、イミド分解法などのいずれの製
法によるものであっても構わない。
【0018】本発明によれば、これらの原料粉末を用い
て、窒化珪素を70モル%以上、周期律表第3a族元素
を酸化物換算(RE2 3 )で1〜10モル%、不純物
的酸素をSiO2 換算で1〜20モル%の割合で含むと
ともに、前記周期律表第3a族元素の酸化物換算量に対
する前記不純物的酸素のSiO2 換算量のモル比(Si
2 /RE2 3 )が2未満であり、前記周期律表第3
a族元素としてLuを全周期律表第3a族元素中、20
モル%以上、93モル%より小さい割合となるように調
合する。
【0019】なお、調合に際して前述した不純物的酸素
量、SiO2 /RE2 3 比を制御する場合、窒化珪素
中に不可避的に含まれる酸素をSiO2 分あるいは製造
過程で吸着される酸素分等を考慮してLu2 3 などの
周期律表第3a族元素酸化物量を決定するが、場合によ
ってはSiO2 粉末の添加により調整すればよい。
【0020】次に、調合した粉末をを振動ミル、回転ミ
ル、バレルミルなどで十分に混合して混合物を調製した
後、この混合物を所望の成形手段、例えば、金型プレ
ス、鋳込み成形、押出成形、射出成形、冷間静水圧プレ
ス等により任意の形状に成形する。
【0021】そして、この成形体を公知の焼成方法、例
えば、ホットプレス法、常圧焼成法、窒素ガス加圧焼成
法などにより焼成し緻密化する。本発明によれば、この
焼成時の焼成温度を1600〜1850℃、特に168
0〜1820℃の比較的低温に設定することが必要であ
る。これは、焼成温度が1850℃を越えると窒化珪素
の粒成長が顕著となり組織が粗大化するために本発明の
目的である微細化組織が形成されず、室温強度の向上が
達成されず、1600℃より低いと緻密化不足となり室
温強度、高温強度が低くなるためである。この焼成時の
雰囲気は、窒化珪素が分解しない窒素圧下に制御される
ことが必要である。
【0022】また、本発明によれば、焼成温度を低くす
ることにより窒化珪素の粒成長を抑制することができる
が、焼成温度が低くても焼成時間が長いと、粗大結晶が
生成される。従って、窒化珪素結晶粒子の短軸方向の平
均粒径が5μm以下、平均アスペクト比(長軸径/短軸
径)が10以下となるように、焼成温度に応じ焼成時間
を適宜調整することが必要である。焼成時間はおよそ5
〜50時間である。
【0023】さらに、焼結体の粒界を結晶化させるため
には、上記の焼成後の冷却過程で徐冷するか、または焼
結体を1000〜1800℃で熱処理して粒界にYAM
を主体とする結晶相を析出させることができる。
【0024】また、さらには、これらの焼成後に熱間静
水圧焼成(HIP)法により500〜2000気圧の窒
素中で1500〜1950℃の温度で熱処理することに
よりさらに緻密化を図ることができる。また、その他の
方法として上記成形体または焼結体をガラスシールして
HIP法により焼成することもできる。
【0025】本発明の焼結体を高い寸法精度が要求され
る製品に適用する場合には、前述した出発原料中の窒化
珪素粉末の一部をSi粉末に置き換える以外は同様な組
成の成形体を作製し、これを窒素含有雰囲気中、800
〜1500℃で熱処理してSi粉末を窒化処理してSi
3 4 に変換して成形体密度を高めた上で、前述した焼
成条件で焼成することにより、焼成時の収縮を小さくす
ることができる。
【0026】
【作用】本発明によれば、窒化珪素への添加成分として
周期律表第3a族元素酸化物の中でもとりわけLuを選
択することにより、1500℃の高温での抗折強度を高
めることができる。これは、Luは周期律表第3a族元
素の中でも最もイオン半径が小さく、また、他の粒界成
分であるSi3 4 やSiO2 とのガラスあるいは結晶
相として高温での粘性が大幅に高くなるためである。
【0027】ところが、Lu化合物単独添加系では焼成
温度を高く設定する必要があるために、窒化珪素の粒成
長を制御することが難しく、室温強度を高めることがで
きない。そこで、本発明では、Lu以外の周期律表第3
a族元素化合物を併用し、Luを全周期律表第3a族元
素中、20モル%以上、93モル%より小さい割合で含
有させることにより、共融点が低下し、1600〜18
50℃の低い温度で緻密化が可能となるとともに、窒化
珪素の粒成長を抑制できる結果、焼結体における窒化珪
素結晶粒子の短軸方向の平均粒径が5μm以下、平均ア
スペクト比(長軸径/短軸径)が10以下の微細構造と
し、しかも窒化珪素結晶の粒界相をYAMを主とする結
晶質により構成することにより、室温から1500℃ま
での幅広い温度範囲で強度劣化が小さく、高強度の窒化
珪素質焼結体を提供できる。
【0028】かかる構成によれば、後述する実施例から
明らかなように、室温における4点曲げ抗折強度が10
00MPa以上、1500℃抗折強度が650MPa以
上が達成される。
【0029】
【実施例】原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面
積10m2 /g、α率95%、酸素量1.2重量%、陽
イオン不純物0.03重量%、イミド分解原料)と、純
度91〜99%のLu2 3 粉末(不純物のほとんどは
Yb2 3 およびEr2 3 よりなる。)および純度9
9.9%以上の酸化珪素粉末を用いて、Si3 4、L
2 3 以外のRE2 3 (周期律表第3a族元素の酸
化物換算量)、不純物的酸素のSiO2 換算量が表1の
割合になるように秤量し、イソプロピルアルコールを溶
媒としてSi3 4 ボールを用いて72時間振動ミルで
混合粉砕し、スラリーを乾燥後、直径60mm、厚み1
0mmの形状に3t/cm2 の圧力でラバープレス成形
した。
【0030】そして、かかる成形体を表1、2に示す各
種の焼成方法で焼成した。表中、GPSは、成形体を1
600℃の窒素圧1atmで10時間焼成後、さらに表
1、2の温度で窒素圧10atmで5時間焼成したもの
である。ホットプレスは、表1、2の温度で36.6M
Paの圧力下で1時間焼成したものであるが、No.25
は、1550℃で10時間焼成したものである。HIP
は、成形体をバイコールガラス中に埋め、バイコールガ
ラスが溶融する1650℃の温度でArガスを2000
atm印加した状態で1時間焼成したものである。さら
にGPS+HIPは、成形体を1550℃で窒素圧1a
tmで10時間、さらに1700℃、窒素圧10atm
で5時間GPS焼成した後、窒素圧2000atmで1
時間熱間静水圧焼成(HIP)したものである。
【0031】得られた焼結体に対して、アルキメデス法
による比重から対理論密度比を算出するとともに、3×
4×40mmのテストピース形状に切断研磨しJISR
1601に基づき室温および1500℃での4点曲げ抗
折強度試験を実施し、それぞれ10個の平均値を表1、
2に示した。
【0032】また、X線回折測定により焼結体中の粒界
相の結晶を同定した。焼結体の組成中のSiO2 量は、
焼結体を粉砕し化学分析によって全酸素量を求め、添加
した周期律表第3a族元素酸化物の酸素分を除いた酸素
量をSiO2 換算し、表1、2に示した。
【0033】さらに、焼結体の窒化珪素の平均粒径、ア
スペクト比は、鏡面加工を施した試料のSEM観察によ
り、観察される20個の窒化珪素結晶粒子の短軸径の平
均値を平均粒径として、長軸/短軸の長さ比の平均値を
平均アスペクト比とし、表1、2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1、2によれば、窒化珪素量が70モル
%より少ない試料No.1では焼結促進により粒成長が顕
著であり、平均粒径、アスペクト比が大きくなり室温強
度が低下した。SiO2 /RE2 3 比が2.0より大
きい試料No.2、26では粒界結晶相がYAM以外の結
晶となり1500℃強度が低下した。Lu2 3 の含有
量が93モル%以上の試料No.3、およびLu2 3
独添加系の試料No.21では、焼結助剤を複合化による
共融点低下の効果がなく、緻密化不足となり室温、15
00℃強度ともに低いものであった。Lu2 3 の含有
量が20モル%より少ない試料No.29、30ではLu
を複合化する効果である1500℃強度の向上がない。
【0037】また、Lu2 3 以外の周期律表第3a族
元素酸化物の2種の組み合わせの試料No.19,20で
も、Lu2 3 を複合化させた本発明品に比較して15
00℃の強度が低いものであった。さらに、平均粒径が
5μmより大きく、アスペクト比が10より大きい試料
No.23、24では、室温強度が低いものであった。
【0038】また、不純物的酸素量(SiO2 換算量)
が1モル%より少ない試料No.4、および焼成温度が1
600℃より低い試料No.25ではいずれも緻密化不足
のため室温および1500℃の強度が低い。
【0039】これらの比較例に対して、これら以外の本
発明品は、いずれも高い室温強度と1500℃強度を示
し、室温強度1000MPa以上、1500℃強度65
0MPa以上が達成された。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
低温焼結性を有するとともに微細な組織構造を有するも
のであり、室温から1500℃までの幅広い範囲におい
て高い抗折強度を有するものである。従って、窒化珪素
質焼結体のセラミックガスタービン部品やセラミックタ
ーボロータ等の熱機関用構造材料をはじめとし、各種の
室温や高温にて使用される構造材料に適用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−23921(JP,A) 特開 平6−80469(JP,A) 特開 平5−32459(JP,A) 特開 平3−131572(JP,A) 特開 昭63−100067(JP,A) 特開 平8−48565(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/584 - 35/596

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化珪素を70モル%以上、周期律表第3
    a族元素を酸化物換算で1〜10モル%、不純物的酸素
    をSiO2 換算で1〜20モル%の割合で含むととも
    に、前記周期律表第3a族元素の酸化物換算量に対する
    前記不純物的酸素のSiO2 換算量のモル比が2未満で
    あり、前記周期律表第3a族元素としてLuを全周期律
    表第3a族元素中、20モル%以上、93モル%より小
    さい割合で含有する焼結体であって、該焼結体における
    窒化珪素結晶粒子の短軸方向の平均粒径が5μm以下、
    平均アスペクト比(長軸径/短軸径)が10以下であ
    り、且つ該窒化珪素結晶の粒界相がYAMを主とする結
    晶質からなることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
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