JP3008415B2 - サイアロン―窒化硼素系複合焼結体及びその製造方法 - Google Patents
サイアロン―窒化硼素系複合焼結体及びその製造方法Info
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- JP3008415B2 JP3008415B2 JP1291246A JP29124689A JP3008415B2 JP 3008415 B2 JP3008415 B2 JP 3008415B2 JP 1291246 A JP1291246 A JP 1291246A JP 29124689 A JP29124689 A JP 29124689A JP 3008415 B2 JP3008415 B2 JP 3008415B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高温高強度、高硬度及び高靱性を有する各
種エンジニアリングセラミックスを製造するために有用
なサイアロン−窒化硼素系複合焼結体に関する。
種エンジニアリングセラミックスを製造するために有用
なサイアロン−窒化硼素系複合焼結体に関する。
(従来技術及びその問題点) サイアロンは、Si、Al、O、Nの構成元素からなる化
合物で、窒化珪素の結晶構造に対応してα型とβ型があ
る。
合物で、窒化珪素の結晶構造に対応してα型とβ型があ
る。
β−サイアロンはβ型窒化珪素中のSi位置をAlで、N
位置をOで一部置換固溶した 式 Si6-zAlzOzN8-z 〔I〕 (式中、zは0<z≦4.2を満足する数である。)で表
される物質である。β−サイアロン焼結体は窒化珪素焼
結体に比較して、耐酸化性、溶融金属に対する耐蝕性、
高温での機械的特性が優れており、高温構造材料として
注目されている。
位置をOで一部置換固溶した 式 Si6-zAlzOzN8-z 〔I〕 (式中、zは0<z≦4.2を満足する数である。)で表
される物質である。β−サイアロン焼結体は窒化珪素焼
結体に比較して、耐酸化性、溶融金属に対する耐蝕性、
高温での機械的特性が優れており、高温構造材料として
注目されている。
一方、α−サイアロンは、α型窒化珪素のSi位置にAl
が、N位置にOが置換固溶すると同時に、他の金属原子
が侵入固溶した物質であり、 式 Mx(Si,Al)12(O,N)16 〔II〕 (式中、Mは格子間に侵入固溶する金属であり、xは0
<x≦2を満足する数である。)で表される。このα−
サイアロン焼結体は、高強度、高硬度、低熱膨張率、高
耐酸化性、高耐蝕性等の優れた特性を有している。
が、N位置にOが置換固溶すると同時に、他の金属原子
が侵入固溶した物質であり、 式 Mx(Si,Al)12(O,N)16 〔II〕 (式中、Mは格子間に侵入固溶する金属であり、xは0
<x≦2を満足する数である。)で表される。このα−
サイアロン焼結体は、高強度、高硬度、低熱膨張率、高
耐酸化性、高耐蝕性等の優れた特性を有している。
以上のようなサイアロンの有する優れた特性に六方晶
窒化硼素の有する耐熱衝撃性、切削加工性、耐蝕性等の
特性を付与したサイアロン−窒化硼素複合焼結体が開発
されている。
窒化硼素の有する耐熱衝撃性、切削加工性、耐蝕性等の
特性を付与したサイアロン−窒化硼素複合焼結体が開発
されている。
例えば、特開昭60−145963号公報、特開昭60−96575
号公報には、窒化反応焼結によって製造する方法が、特
開昭60−202869号公報にはβ−サイアロン組成となるよ
うなSi3N4、Al2O3、AlN粉末とBN粉末を混合して常圧焼
結する方法が提案されている。
号公報には、窒化反応焼結によって製造する方法が、特
開昭60−202869号公報にはβ−サイアロン組成となるよ
うなSi3N4、Al2O3、AlN粉末とBN粉末を混合して常圧焼
結する方法が提案されている。
しかし、前者の方法では高密度の焼結体が得られず、
機械的強度が不十分であった。一方、後者の方法ではサ
イアロン相の生成と焼結を同時に行うため、焼結体が不
均質となり、これが強度等の特性低下の原因となってい
た。
機械的強度が不十分であった。一方、後者の方法ではサ
イアロン相の生成と焼結を同時に行うため、焼結体が不
均質となり、これが強度等の特性低下の原因となってい
た。
また、何れのサイアロン−窒化硼素複合焼結体におい
ても、溶綱に対する耐蝕性に劣り、また焼結助剤を使用
するため、高温における曲げ強度が著しく低下するとい
う欠点があった。
ても、溶綱に対する耐蝕性に劣り、また焼結助剤を使用
するため、高温における曲げ強度が著しく低下するとい
う欠点があった。
(発明の目的) 本発明の目的は、前記問題点を解決し、高強度かつ耐
熱衝撃性、耐蝕性に優れたサイアロン−窒化硼素複合焼
結体及びその製造方法を提供することである。
熱衝撃性、耐蝕性に優れたサイアロン−窒化硼素複合焼
結体及びその製造方法を提供することである。
(発明の要旨) 本発明によれば、前記式〔II〕で表されるα−サイア
ロンの結晶及び前記式〔I〕で表されるβ−サイアロン
の結晶が55〜90重量%、六方晶窒化硼素の結晶が9〜40
重量%及び金属Mを含むガラス相が0〜10重量%からな
り、かつα−サイアロンとβ−サイアロンの比が1:20〜
5:1の範囲であることを特徴とするサイアロン−窒化硼
素系複合焼結体が提供される。
ロンの結晶及び前記式〔I〕で表されるβ−サイアロン
の結晶が55〜90重量%、六方晶窒化硼素の結晶が9〜40
重量%及び金属Mを含むガラス相が0〜10重量%からな
り、かつα−サイアロンとβ−サイアロンの比が1:20〜
5:1の範囲であることを特徴とするサイアロン−窒化硼
素系複合焼結体が提供される。
また、本発明によれば、前記式〔II〕で表されるα−
サイアロンを主たる相とし、かつ前記式〔II〕で規定さ
れる理論酸素量に対して8重量%以下の過剰酸素を有す
るα−サイアロン粉末90〜55重量部、窒化硼素粉末9〜
40重量部及び金属Mの酸化物0〜10重量部を混合し、所
望の形状に成形した後、窒素含有雰囲気下に、160〜190
0℃の範囲の温度で常圧又は加圧焼結することを特徴と
する前記サイアロン−窒化硼素系複合焼結体の製造方法
が提供される。
サイアロンを主たる相とし、かつ前記式〔II〕で規定さ
れる理論酸素量に対して8重量%以下の過剰酸素を有す
るα−サイアロン粉末90〜55重量部、窒化硼素粉末9〜
40重量部及び金属Mの酸化物0〜10重量部を混合し、所
望の形状に成形した後、窒素含有雰囲気下に、160〜190
0℃の範囲の温度で常圧又は加圧焼結することを特徴と
する前記サイアロン−窒化硼素系複合焼結体の製造方法
が提供される。
(発明の具体的説明) 本発明のサイアロン−窒化硼素系複合焼結体における
各相の含有割合は、α−サイアロンとβ−サイアロンの
合計が55〜90重量%、窒化硼素が9〜40重量%、金属M
を含むガラス相が0〜10重量%であり、かつα−サイア
ロンとβ−サイアロンの比が1:20〜5:1の範囲である。
各相の含有割合は、α−サイアロンとβ−サイアロンの
合計が55〜90重量%、窒化硼素が9〜40重量%、金属M
を含むガラス相が0〜10重量%であり、かつα−サイア
ロンとβ−サイアロンの比が1:20〜5:1の範囲である。
サイアロン相の割合が55重量%未満であると嵩密度、
曲げ強度が低下する。また90重量%を越えると耐熱衝撃
性、切削加工性が低化するので好ましくない。また、サ
イアロン相中のα−サイアロンとβ−サイアロンの比が
1:20〜5:1の範囲とすることにより、溶綱に対する耐蝕
性が改善される。
曲げ強度が低下する。また90重量%を越えると耐熱衝撃
性、切削加工性が低化するので好ましくない。また、サ
イアロン相中のα−サイアロンとβ−サイアロンの比が
1:20〜5:1の範囲とすることにより、溶綱に対する耐蝕
性が改善される。
また、本発明のサイアロン−窒化硼素系複合焼結体に
おいて、α−サイアロンの結晶形状は主として粒状であ
り、β−サイアロンの結晶形状は主として柱状である。
おいて、α−サイアロンの結晶形状は主として粒状であ
り、β−サイアロンの結晶形状は主として柱状である。
また、本発明においては、金属Mを含むガラス相は含
有されていなくてもよいが、金属Mを含むガラス相が10
重量%以下の割合で含有されることにより、焼結体がよ
り緻密なものとなる。
有されていなくてもよいが、金属Mを含むガラス相が10
重量%以下の割合で含有されることにより、焼結体がよ
り緻密なものとなる。
本発明の前記式〔II〕で表されるα−サイアロン中の
MはLi、Mg、Ca、Y及びランタニド系金属元素等であ
る。
MはLi、Mg、Ca、Y及びランタニド系金属元素等であ
る。
本発明のサイアロン−窒化硼素系複合焼結体は、前記
式〔II〕で表されるα−サイアロンを主たる相とし、か
つ前記式〔II〕で規定される理論酸素量に対して8重量
%以下の過剰酸素を有するα−サイアロン粉末90〜55重
量部、窒化硼素粉末9〜40重量部及び金属Mの酸化物0
〜10重量部を混合し、所望の形状に成形した後、窒素含
有雰囲気下に、1600〜1900℃の範囲の温度で常圧又は加
圧焼結することにより得られる。
式〔II〕で表されるα−サイアロンを主たる相とし、か
つ前記式〔II〕で規定される理論酸素量に対して8重量
%以下の過剰酸素を有するα−サイアロン粉末90〜55重
量部、窒化硼素粉末9〜40重量部及び金属Mの酸化物0
〜10重量部を混合し、所望の形状に成形した後、窒素含
有雰囲気下に、1600〜1900℃の範囲の温度で常圧又は加
圧焼結することにより得られる。
α−サイアロン粉末としては、式〔II〕で表されるα
−サイアロンを主たる相とする粉末であればいかなる粉
末でも良いが、本出願人の一人が先に提案した特開昭62
−233009号の発明に従って調製した粉末が好適である。
この提案の方法は、(a)非晶質窒化珪素粉末、 (b)金属アルミニウム又は窒化アルミニウム、 (c)α−サイアロンの格子間に侵入固溶する金属の酸
化物を生成する金属塩類、及び必要に応じて、 (d)アルミニウム又は珪素の酸素含有化合物を所望の
α−サイアロン組成になるように混合し、混合物を窒素
含有雰囲気下で1300〜1900℃の範囲の温度に加熱するこ
とにより、α−サイアロン粉末を製造する方法である。
この方法で得られるα−サイアロン粉末は、一次粒子の
大きさが0.2〜2μmの微細かつ均一粒度の粉末であっ
て、遊離炭素及び金属不純物を殆ど含有しないので、気
孔及び異常粒成長のない焼結体を与えることができる。
−サイアロンを主たる相とする粉末であればいかなる粉
末でも良いが、本出願人の一人が先に提案した特開昭62
−233009号の発明に従って調製した粉末が好適である。
この提案の方法は、(a)非晶質窒化珪素粉末、 (b)金属アルミニウム又は窒化アルミニウム、 (c)α−サイアロンの格子間に侵入固溶する金属の酸
化物を生成する金属塩類、及び必要に応じて、 (d)アルミニウム又は珪素の酸素含有化合物を所望の
α−サイアロン組成になるように混合し、混合物を窒素
含有雰囲気下で1300〜1900℃の範囲の温度に加熱するこ
とにより、α−サイアロン粉末を製造する方法である。
この方法で得られるα−サイアロン粉末は、一次粒子の
大きさが0.2〜2μmの微細かつ均一粒度の粉末であっ
て、遊離炭素及び金属不純物を殆ど含有しないので、気
孔及び異常粒成長のない焼結体を与えることができる。
α−サイアロン粉末の焼結体を高めると同時に高強度
のサイアロン基焼結体を得るためには、焼結原料のα−
サイアロン粉末が式〔II〕で規定される理論酸素量に対
して8重量%以下の過剰酸素を含有していることが必要
である。
のサイアロン基焼結体を得るためには、焼結原料のα−
サイアロン粉末が式〔II〕で規定される理論酸素量に対
して8重量%以下の過剰酸素を含有していることが必要
である。
α−サイアロン粉末に過剰の酸素を含有させる方法と
しては、例えば、α−サイアロン粉末の調製段階で非晶
質窒化珪素に珪素又はアルミニウムの酸素含有化合物を
過剰量添加する方法、α−サイアロン粉末を酸素含有雰
囲気中で加熱する方法が採用される。後者の一例として
は、α−サイアロン粉末を酸素含有雰囲気中で800〜120
0℃の範囲の温度に加熱して、理論量より過剰の酸素を
α−サイアロン粉末に含有させる方法が挙げられる。加
熱時間は通常0.5〜5時間である。この処理は、例えば
α−サイアロン粉末を保持板上に薄く乗せて酸素含有雰
囲気中に放置する方法、α−サイアロン粉末を酸素含有
雰囲気中で流動化させる方法によって行うことができ
る。
しては、例えば、α−サイアロン粉末の調製段階で非晶
質窒化珪素に珪素又はアルミニウムの酸素含有化合物を
過剰量添加する方法、α−サイアロン粉末を酸素含有雰
囲気中で加熱する方法が採用される。後者の一例として
は、α−サイアロン粉末を酸素含有雰囲気中で800〜120
0℃の範囲の温度に加熱して、理論量より過剰の酸素を
α−サイアロン粉末に含有させる方法が挙げられる。加
熱時間は通常0.5〜5時間である。この処理は、例えば
α−サイアロン粉末を保持板上に薄く乗せて酸素含有雰
囲気中に放置する方法、α−サイアロン粉末を酸素含有
雰囲気中で流動化させる方法によって行うことができ
る。
過剰酸素量は8重量%以下、好ましくは1〜6.5重量
%、特に好ましくは2〜4重量%である。過剰酸素量が
過度に多いと焼結体中に融点の低い相が多く残留し、温
度での機械的特性が損なわれるようになる。
%、特に好ましくは2〜4重量%である。過剰酸素量が
過度に多いと焼結体中に融点の低い相が多く残留し、温
度での機械的特性が損なわれるようになる。
また、本発明で用いられる六方晶窒化硼素粉末は、一
次粒子径が1μm以下のものが好ましい。一次粒子径が
1μmよりも大きいと焼結体のサイアロンマトリックス
中に窒化硼素粉末が均一に分散できないため、焼結体組
織が不均一になり、高密度、高強度のものが得られな
い。
次粒子径が1μm以下のものが好ましい。一次粒子径が
1μmよりも大きいと焼結体のサイアロンマトリックス
中に窒化硼素粉末が均一に分散できないため、焼結体組
織が不均一になり、高密度、高強度のものが得られな
い。
また、本発明においては、金属Mの酸化物粉末は使用
しなくてもよいが、金属Mの酸化物粉末を10重量部以下
の割合で混合することにより、焼結体の緻密化を促進す
ることができる。
しなくてもよいが、金属Mの酸化物粉末を10重量部以下
の割合で混合することにより、焼結体の緻密化を促進す
ることができる。
α−サイアロン粉末、窒化硼素粉末及び金属Mの酸化
物粉末の混合物中の窒化硼素粉末の配合割合は9〜40重
量%、好ましくは10〜30重量%である。
物粉末の混合物中の窒化硼素粉末の配合割合は9〜40重
量%、好ましくは10〜30重量%である。
上記範囲内において窒化硼素粉末の配合割合を高める
に従って生成サイアロン基焼結体中のβ−サイアロン相
の割合が増大する。窒化硼素粉末の配合割合が40重量%
を超えると、α−サイアロンとβ−サイアロンの比率が
1/20以下となり、溶鋼に対する耐蝕性が劣ってくる。ま
た窒化硼素の割合が増大することにより強度が低下す
る。
に従って生成サイアロン基焼結体中のβ−サイアロン相
の割合が増大する。窒化硼素粉末の配合割合が40重量%
を超えると、α−サイアロンとβ−サイアロンの比率が
1/20以下となり、溶鋼に対する耐蝕性が劣ってくる。ま
た窒化硼素の割合が増大することにより強度が低下す
る。
α−サイアロン粉末、窒化硼素粉末及び金属Mの酸化
物粉末の混合方法については特に制限はなく、それ自体
公知の方法、例えば、両者を乾式混合する方法、溶媒中
で両者を湿式混合した後、溶媒を除去する方法等を適宜
採用することができる。混合装置としてはV型混合機、
ボールミル等が便利に使用される。
物粉末の混合方法については特に制限はなく、それ自体
公知の方法、例えば、両者を乾式混合する方法、溶媒中
で両者を湿式混合した後、溶媒を除去する方法等を適宜
採用することができる。混合装置としてはV型混合機、
ボールミル等が便利に使用される。
混合粉末の加熱焼結は、例えば、混合粉末をそのまま
乾式あるいは湿式で所定の形状に成形し、湿式で成形し
た場合は乾燥処理を行った後に、常圧又は加圧した窒素
含有ガス雰囲気下で焼結する方法、原料粉末を所定の形
状のダイスに充填し、ホットプレスする方法等を採用す
ることができる。また上記方法で得られた焼結体をさら
に熱間静水圧プレスすることにより、焼結体の物理的特
性を一層高めることもできる。
乾式あるいは湿式で所定の形状に成形し、湿式で成形し
た場合は乾燥処理を行った後に、常圧又は加圧した窒素
含有ガス雰囲気下で焼結する方法、原料粉末を所定の形
状のダイスに充填し、ホットプレスする方法等を採用す
ることができる。また上記方法で得られた焼結体をさら
に熱間静水圧プレスすることにより、焼結体の物理的特
性を一層高めることもできる。
常圧又は加圧焼結に先立つ混合粉末の成形は公知の方
法、例えばラバープレス法、一軸成形法、鋳込成形法、
射出成形法、爆発圧縮成形法等によって行うことができ
る。
法、例えばラバープレス法、一軸成形法、鋳込成形法、
射出成形法、爆発圧縮成形法等によって行うことができ
る。
焼結温度は通常1600〜1900℃であり、焼結時間は通常
0.5〜10時間である。焼結温度が過度に低いと焼結が進
行せず、また焼結温度が過度に高いと焼結体に熱分解に
よる組成変化が生じるようになる。
0.5〜10時間である。焼結温度が過度に低いと焼結が進
行せず、また焼結温度が過度に高いと焼結体に熱分解に
よる組成変化が生じるようになる。
本発明のサイアロン−窒化硼素系複合焼結体は、原料
粉末として異常粒成長のないα−サイアロン粉末を用い
ることと、焼結時に窒素硼素中の含有酸素が作用してサ
イアロン相がα−サイアロン単相から、主として粒状の
α−サイアロン相及び主として柱状のβ−サイアロン相
からなる複合相に転移することにより、α−サイアロ
ン、β−サイアロン及び六方晶窒化硼素の3相の微細粒
子が均一に分散し、曲げ強度、耐熱衝撃性、切削加工性
に優れた材料となったものと思われる。
粉末として異常粒成長のないα−サイアロン粉末を用い
ることと、焼結時に窒素硼素中の含有酸素が作用してサ
イアロン相がα−サイアロン単相から、主として粒状の
α−サイアロン相及び主として柱状のβ−サイアロン相
からなる複合相に転移することにより、α−サイアロ
ン、β−サイアロン及び六方晶窒化硼素の3相の微細粒
子が均一に分散し、曲げ強度、耐熱衝撃性、切削加工性
に優れた材料となったものと思われる。
(発明の効果) 本発明で得られるサイアロン−窒化硼素系複合焼結体
は、従来のサイアロン−窒化硼素系複合焼結体及び窒化
珪素−窒化硼素系複合焼結体に比較して、組織が微細で
均一であり、室温及び高温曲げ強度、耐熱衝撃性、及び
切削加工性に優れているので、高温耐蝕部材、鋳造部品
等に好適に使用することができる。
は、従来のサイアロン−窒化硼素系複合焼結体及び窒化
珪素−窒化硼素系複合焼結体に比較して、組織が微細で
均一であり、室温及び高温曲げ強度、耐熱衝撃性、及び
切削加工性に優れているので、高温耐蝕部材、鋳造部品
等に好適に使用することができる。
(実施例) 以下に実施例及び比較例を示す。
実施例1〜4及び比較例1〜3 シリコンジイミドを1200℃で熱処理して得られた非晶
質窒化珪素粉末500g、金属Al粉末65.7g及びY2O3粉末62.
0gを窒素ガス雰囲気下に振動ミルで1時間混合した。こ
の混合粉末をカーボン製ルツボに充填して高周波誘導炉
にセットし、窒素ガス雰囲気下、室温から1200℃迄を4
時間、1200℃から1400℃迄を4時間、さらに1400℃から
1600℃迄を2時間の昇温スケジュールで加熱することに
より結晶化させ、Y系α−サイアロン粉末を得た。得ら
れたα−サイアロン粉末の特性を以下に示す。
質窒化珪素粉末500g、金属Al粉末65.7g及びY2O3粉末62.
0gを窒素ガス雰囲気下に振動ミルで1時間混合した。こ
の混合粉末をカーボン製ルツボに充填して高周波誘導炉
にセットし、窒素ガス雰囲気下、室温から1200℃迄を4
時間、1200℃から1400℃迄を4時間、さらに1400℃から
1600℃迄を2時間の昇温スケジュールで加熱することに
より結晶化させ、Y系α−サイアロン粉末を得た。得ら
れたα−サイアロン粉末の特性を以下に示す。
理論組成 Y0.5Si9.75Al2.25O0.75N15.25 比表面積 2.0m2/g 粒 形 等軸結晶 生成相 α相≧90% 生成物組成(wt%) Y:7.2 Si:44.0 Al:9.8 O:5.1 N:33.9 過剰酸素量 3.1重量% 上記α−サイアロン粉末及び六方晶窒化硼素粉末(一
次粒子径:0.2μm、比表面積:45m2/g)を第1表に示す
割合で、媒体としてエタノールを用い48時間湿式ミリン
グした後、80℃で真空乾燥した。得られた原料粉末40g
を金型にて150kg/cm2の圧力で一軸プレスした後、圧力
1.5ton/cm2でラバープレスした。得られた成形品を黒鉛
ルツボに入れ、高周波誘導炉にセットし、窒素ガス雰囲
気下に1750℃で4時間保持した。
次粒子径:0.2μm、比表面積:45m2/g)を第1表に示す
割合で、媒体としてエタノールを用い48時間湿式ミリン
グした後、80℃で真空乾燥した。得られた原料粉末40g
を金型にて150kg/cm2の圧力で一軸プレスした後、圧力
1.5ton/cm2でラバープレスした。得られた成形品を黒鉛
ルツボに入れ、高周波誘導炉にセットし、窒素ガス雰囲
気下に1750℃で4時間保持した。
得られたサイアロン−窒化硼素系複合焼結体の特性を
測定した結果を第1表に示す。
測定した結果を第1表に示す。
尚、第1表において各物性値は次の方法により測定し
た。
た。
(1)相対密度:焼結体嵩密度をアルキメデス法により
求め次式により算出した。
求め次式により算出した。
(2)生成相の割合:焼結体のX線回折ピーク強度によ
り算出した。
り算出した。
(3)曲げ強度:JIS R−1601に規定された測定法により
測定した。
測定した。
(4)切削加工性:超硬バイトを使用し、旋盤加工によ
り測定した。
り測定した。
(5)耐熱衝撃性:焼結体を3×4×40mmに加工し所定
の温度で15分保持後25℃の水中で急冷した。急冷後のサ
ンプルの3点曲げ強度を測定し、室温強度の劣化し始め
る臨界温度差を耐熱衝撃値ΔTとした。
の温度で15分保持後25℃の水中で急冷した。急冷後のサ
ンプルの3点曲げ強度を測定し、室温強度の劣化し始め
る臨界温度差を耐熱衝撃値ΔTとした。
Claims (2)
- 【請求項1】式 Mx(Si,Al)12(O,N)16(式中、Mは
格子間に侵入固溶する金属であり、xは0<x≦2を満
足する数である。)で表されるα−サイアロンの結晶及
び 式 Si6-ZAlZOZN8-Z(式中、zは0<z≦4.2を満足す
る数である。)で表されるβ−サイアロンの結晶が55〜
90重量%、六方晶窒化硼素の結晶が9〜40重量%及び金
属Mを含むガラス相が0〜10重量%からなり、かつα−
サイアロンとβ−サイアロンの比が1:20〜5:1の範囲で
あって、切削加工性を有することを特徴とするサイアロ
ン−窒化硼素系複合焼結体。 - 【請求項2】式 Mx(Si,Al)12(O,N)16(式中、Mは
格子間に侵入固溶する金属であり、xは0<x≦2を満
足する数である。)で表されるα−サイアロンを主たる
相とし、かつ上記式で規定される理論酸素量に対して8
重量%以下の過剰酸素を有するα−サイアロン粉末90〜
55重量部、窒化硼素粉末9〜40重量部及び金属Mの酸化
物0〜10重量部を混合し、所望の形状に成型した後、窒
素含有雰囲気下に、1600〜1900℃の範囲の温度で常圧又
は加圧焼結することを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載のサイアロン−窒化硼素系複合焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1291246A JP3008415B2 (ja) | 1989-11-10 | 1989-11-10 | サイアロン―窒化硼素系複合焼結体及びその製造方法 |
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JP1291246A JP3008415B2 (ja) | 1989-11-10 | 1989-11-10 | サイアロン―窒化硼素系複合焼結体及びその製造方法 |
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