JP2742620B2 - 硼化物―酸化アルミニウム質焼結体およびその製造方法 - Google Patents

硼化物―酸化アルミニウム質焼結体およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属元素の硼化物および酸化アルミニウム
を主成分とするセラミックスに関し、より詳細には耐摩
耗性および靭性に優れた、特に製鉄精練関連治工具、非
鉄精練アルミニウム溶湯用治具及び切削工具用として適
したセラミックスに関する。
[従来技術及びその問題点] アルミナ(Al2O3)質焼結体をはじめとするセラミッ
ク材料は、従来から金属材料などに比較して耐摩耗性等
の機械的特性に優れていることから金属材料に代わる材
料として各種の構造用部品として使用されている。
しかしながら、最近に至ってはセラミックスに対して
さらに高い特性が要求されており、アルミナ質焼結体に
対しても他のセラミックスと複合化することにより各種
の改善が提案されている。
また、セラミックスの中でも特に耐摩耗性に優れた材
料として、硼化チタンや硼化ジルコニウムなどの硼化物
の研究開発が盛んに行われている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このような硼化物を主体とするセラミ
ックスは高い硬度を有する反面、強度や靭性が低く応用
分野が限られていた。
硼化チタンは硬度が高く、熱伝導性が良いことから切
削工具用材料として有望と考えられていたが、靭性を改
善する方法を見出すことが出来ず実用には到っていな
い。近年になり、靭性改善のため金属と混合して焼結さ
せることも試みられているが、この方法では高温での強
度が極端に低下し金属硼化物の特性を活用することがで
きないという問題があった。
また、硼化ジルコニウムは金属との反応性が低いこと
から金属溶湯用るつぼ等としての応用が期待されている
が、強度が低いことから構造材料としての応用分野は限
られている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は上記の問題点に対し検討を重ねた結果、硼
化物の結合剤として酸化アルミニウムと、適宜少量の酸
化硼素を添加すると同時に、添加する酸化アルミニウム
成分を針状粒子とすることにより靭性面での上記欠点を
解消し、室温から高温まで使用可能な高硬度、高強度、
高靭性を有する焼結体を得た。
即ち、本発明の硼化物−酸化アルミニウム質焼結体
は、周期律表第IV a、V a、VI a族金属元素から選ばれ
る少なくとも1種の硼化物30〜95体積%と、酸化アルミ
ニウム5〜70体積%と、前記金属元素、硼素、酸素から
選ばれる少なくとも2種からなる化合物20体積%以下と
からなり、アスペクト比1.5以上の酸化アルミニウムか
らなる針状粒子を全量中、5体積%以上含有することを
特徴とするものである。
また、かかる焼結体の製造方法としては、周期律表第
IV a、V a、VI a族金属元素から選ばれる少なくとも1
種の硼化物30〜95体積%と、一部あるいは全部が針状粒
子からなる酸化アルミニウムあるいは焼成によって酸化
アルミニウムを生成する物質を酸化アルミニウム換算で
5〜70体積%と、酸化硼素20体積%以下とからなる混合
物を成形後、1400〜1900℃の温度で焼成することを特徴
とするものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明の焼結体は、周期律表第IV a、V a、VI a族金
属元素から選ばれる少なくとも1種の硼化物及び酸化ア
ルミニウムに少量の酸化硼素を混合し、成形後、焼結さ
せて作成する。
前記金属元素の硼化物粉末は、平均粒径3μm以下、
望ましくは1μm以下がよい。この硼化物としては具体
的には、TiB2、ZrB2、HfB2、TaB、NbB2、CrB2、WB、Mo2
O5等が挙げられ、これらは非化学量論組成の金属元素の
硼化物であってもよく、また2種以上の混合物であって
もよい。
一方、酸化アルミニウム粉末は平均粒径3μm以下、
望ましくは1μm以下がよい。また、酸化アルミニウム
粉末の代わりに、焼成によって酸化アルミニウムを生成
する物質、例えばアルミニウム金属或いは9Al2O3・B2O3
または2Al2O3・2B2O3等で表される硼酸アルミニウムを
用いることもできる。
また、上記金属硼化物成分と酸化アルミニウム成分か
らなる主成分に対し、酸化硼素を焼結助剤として添加す
る。この酸化硼素は平均粒径5μm以下が望ましい。
これらの粉末は、周期律表第IV a、V a、VI a族金属
元素から選ばれる少なくとも1種の硼化物が30〜95体積
%、特に50〜85体積%、酸化アルミニウムあるいは焼成
のよって酸化アルミニウムを生成する物質を酸化アルミ
ニウムに換算して5〜70体積%、特に15〜50体積%、酸
化硼素が20体積%以下、特に1〜5体積%の割合で混合
される。前記金属硼化物が95体積%を越えるかまたは前
記酸化アルミニウム成分が5体積%未満では焼結が難し
く、逆に前記金属硼化物が30体積%未満かまたは酸化ア
ルミニウム成分が70体積%を越えると得られる焼結体の
硬度が低下し金属硼化物の特性が発揮できなくなるから
である。また、酸化硼素が20体積%を越えると焼結体の
特性を劣化させる。
また、本発明によれば、酸化アルミニウム成分の全部
またはその一部を針状粒子に置き換えることにより、焼
結体の靭性をさらに向上させることができる。用いられ
る針状粒子としては酸化アルミニウムウイスカーや焼結
時の加熱によりアルミナウィスカーを生成する物質、例
えば9Al2O3・2B2O3の化学式を有する硼酸アルミニウム
ウイスカー等が挙げられる。これらはその平均径(短
径)が2μm以下、特に0.2乃至0.7μmが好ましく、ま
た長径/短径で表わされるアスペクト比の平均が3〜10
0、特に10乃至30のものが好適に用いられる。この針状
粒子は、焼結体においてアスペクト比1.5以上の粒子が
全体に対し5体積%以上、特に20体積%以上になるよう
に配合することが望ましい。
平均径を上記の範囲に限定したのは、2μm以下では
焼結時の粒成長が過大にならず、高い抗折強度を維持で
きるからであり、2μmより大きいと焼結時の結晶粒子
の粒成長が著しく、粒子径のコントロールが難しくな
り、強度が低下し靭性にばらつきが生じ、また切削工具
として用いた際に逃げ面の境界摩耗が大きくなる傾向に
ある。
一方、アスペクト比の平均が3より小さいと繊維強化
の効果が少なく靭性が低下し、100より大きいと原料の
取扱が難しく、均一に分散できないために靭性が低下す
る傾向にあるが、この場合は一部を粉砕しながら混合す
れば問題なく使用できる。
上記の各原料粉末は、前述の範囲で混合した後に衆知
の成形手段、例えばプレス成形、押し出し成形、射出成
形、鋳込み成形、冷間静水圧成形等により所望の形状に
成形した後に焼成する。
焼成手段としては、普通焼成法、ホットプレス法、熱
間静水圧焼成法等が適用され、1400乃至1900℃の温度で
Ar、He等の不活性ガスもしくはカーボン等の存在する還
元性雰囲気およびそれらの加圧もしくは減圧雰囲気で0.
5乃至6.0時間行えばよく、特に高密度の焼結体を得るた
めには、普通焼成法やホットプレス法によって対理論密
度比96%以上の焼結体を作成し、さらに熱間性水圧焼成
すればよい。
上記の焼成によれば、金属硼化物および酸化アルミニ
ウムの殆どはそのまま残存し焼結するが、一部金属硼化
物が分解し、系中の酸素と反応し、前記金属の酸化物や
酸化硼素等が生成される。
一方、酸化アルミニウムに代わりにアルミニウム金属
を用いた場合は、焼結中に系中の酸素もしくは硼素と反
応しAlB2等の硼化アルミニウムもしくは酸化アルミニウ
ムを生成し、また硼酸アルミニウムを用いた場合は、硼
酸アルミニウムは1400℃付近で酸化アルミニウムと酸化
硼素に分離する。
原料中に添加される酸化硼素は、焼結過程において他
の原料から分離生成した酸化硼素とともに1500℃以上で
は蒸発するが、いずれも焼結助剤としての効果を示し焼
結体の高緻密化を促進する。しかし、酸化硼素は焼結体
中に多く含有されると焼結体の硬度や強度を低下させる
ので、その含有量は20体積%以下、望ましくは5体積%
以下にするのがよい。
上記の製造方法によって得られる焼結体は、酸化アル
ミニウム相、同期律表第IV a、V a、VI a族金属元素の
硼化物からなる相、および焼結過程において生成された
酸化硼素や前記金属酸化物等の前記金属、硼素、酸素か
ら選ばれる少なくとも2種以上からなる化合物相から構
成される。本発明によれば、酸化アルミニウムを5〜70
体積%、特に15〜50体積%、前記金属硼化物を30〜95体
積%、特に50〜85体積%ならびに前記金属、硼素、酸素
から選ばれる少なくとも2種以上からなる化合物相を20
体積%以下、特に1〜5体積%の割合で存在させること
により、優れた特性が得られる。
また、本発明によれば、原料中に酸化アルミニウム成
分として前述した針状物質を用いて焼結体中にAl2O3
ィスカー等の針状粒子を分散させた微構造の焼結体を作
成すことにより、更に焼結体の靭性を高めることができ
る。具体的には、焼結体中にアスペクト比1.5以上の酸
化アルミニウム結晶粒子が全体に対し5体積%以上、特
に20体積%以上の割合で存在させることが望ましい。
以下、本発明を次の例で説明する。
[実施例] 原料として、酸化アルミニウム粉末(平均粒径1μm
以下、純度99.9%以上)、周期律表第IV a、V a、VI a
族金属元素の硼化物(粒径200メッシュ以下)、酸化硼
素(粒径200メッシュ以下)、酸化アルミニウムウイス
カー(平均粒径0.7μm、平均アスペクト比15)および
硼酸アルミニウムウイスカー(平均粒径0.7μm、平均
アスペクト比20)を用い、第1表に示す割合に秤量後、
回転ミルで12時間混合粉砕した。混合後のスラリーを乾
燥してホットプレス用原料とした。
この原料をカーボン型に充填し、所定の温度で1時
間、300Kg/cm2の圧力でホットプレス焼成して、JISに基
づく抗折試験片を作成した。
得られた各試料を研磨してJISR1601に基づく3点曲げ
抗折強度を、また鏡面状態にポリッシングしてIM法でK
1Cおよびビッカース硬度を測定した。
さらに、電子顕微鏡写真から酸化アルミニウム粒子中
でアスペクト比1.5以上の粒子の含有率を求めた。
結果は第1表に示す。
第1表によれば、金属硼化物単体からなる試料1、
9、12、19〜23はいずれも焼結性に乏しく、特性上にも
抗折強度が35kg/mm2以下であり、靭性及びビッカース硬
度はボイドのために測定ができなかった。また、酸化硼
素の量が20体積%を越える試料No.8は特性の改善効果は
認められず、さらに酸化アルミニウム成分の量が70体積
%を越える試料No.24は硬度が低く本発明の目的は達成
されない。
また、アルミナ成分として針状粒子の比率が5体積%
に満たない試料No.2、25、26では、いずれも強度、硬度
についてはある程度の特性が得られたが靭性が低いもの
であった。
これに対して、本発明の試料はいずれも優れた特性を
示し、抗折強度55kg/mm2以上、靭性(K1c)4.5MPa・m
1/2以上、ビッカース硬度1750以上が達成された。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明によれば周期律表第IV a、
V a、VI a族金属元素の硼化物に対し、酸化アルミニウ
ムおよび酸化硼素を添加することによりその焼結性を改
善し高い硬度、強度、靭性を兼ね備えた複合焼結体を得
ることができる。
この焼結体は、その特性上から製鉄精練関連治工具、
非鉄精練アルミニウム溶湯用治具及び切削工具用として
優れた効果を発揮するが、その他各種産業用部品材料等
への応用も可能である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期律表第IV a、V a、VI a族金属元素か
    ら選ばれる少なくとも1種の硼化物30〜95体積%と、酸
    化アルミニウム5〜70体積%と、前記金属元素、硼素、
    酸素から選ばれる少なくとも1種からなる化合物20体積
    %以下とからなり、アスペクト比1.5以上の酸化アルミ
    ニウムからなる針状粒子を全量中、5体積%以上含有す
    ることを特徴とする硼化物−酸化アルミニウム質焼結
    体。
  2. 【請求項2】周期律表第IV a、V a、VI a族金属元素か
    ら選ばれる少なくとも1種の硼化物30〜95体積%と、一
    部あるいは全部が針状粒子からなる酸化アルミニウムあ
    るいは焼成によって酸化アルミニウムを生成する物質を
    酸化アルミニウム換算で5〜70体積%と、酸化硼素20体
    積%以下とからなる混合物を成形後、1400〜1900℃の温
    度で焼成することを特徴とする硼化物−酸化アルミニウ
    ム質焼結体の製造方法。
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