JP2794122B2 - 繊維強化セラミックス - Google Patents

繊維強化セラミックス

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ウイスカー等の繊維状物質を含有するセラ
ミックスに関し、より詳細には高靭性に優れた特に工具
用として適したセラミックスに関する。
(従来技術及びその問題点) アルミナ(Al2O3)質焼結体は耐摩耗性に優れる反
面、靭性に劣るという欠点から従来から各種の提案がな
されている。
その1つにSiCウイスカーに代表される繊維状物質を
配合することにより靭性を改善することが特開昭61−28
6271号や特開昭62−41776号等により従来より行われて
いる。
これらはいずれもアルミナを主体とし、SiCウイスカ
ーを添加し、ホットプレス等により焼成したものであ
る。
このようなSiCウイスカーを含有する繊維強化セラミ
ックスはSiC自体の硬度が高く、熱伝導性が良いため、
切削工具として用いた場合、一部の超耐熱合金の切削
(インコネル718の荒切削)では優れた切削特性を示
す。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、SiCは鉄、特に酸化鉄と容易に反応す
るため、Al2O3−SiCウイスカー系工具は多くの場合、他
のAl2O3を主体とする工具に比較して摩耗量が多くなる
傾向にある。例えばSUS304を切削した場合、従来のAl2O
3系工具であれば、十分切削可能な条件であってもSiCウ
イスカーを含有する工具では急激に摩耗が進展し、切削
不可能となる。
また鋳鉄の切削においてもAl2O3系工具よりも摩耗量
が大きいことが確認されている。
このように、Al2O3−SiCウイスカー系工具では被削材
によってその切削性能が大きく変化するという問題を有
している。
このことは、工具ユーザーの立場からは、鋼材の変化
によって性能が著しく変化する、いわゆる安定性のない
工具と受け止められ、敬遠されているのが現状である。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は上記の問題点に対し、検討を重ねた結果、
Al2O3に配合する繊維状物質として炭化チタン(TiC)ウ
イスカーを用いることによって上記問題を解決し得るこ
とを知見した。
TiCは本来、鉄に対する反応性の面でSiCより優れてい
るため、Al2O3中に適度の量で分散させることにより、
非常に優れた耐摩耗性を付与することができる。しか
し、TiCはSiCよりもヤング率がわずかに低く、理論強度
はSiCよりも低いという性質を持つ。
そこで、本発明者等はTiCウイスカーを含有するAl2O3
質セラミックスにおいて、最適な焼結助剤を見出すこと
によって靭性面での上記欠点を解消し、SiCウイスカー
添加系より優れた靭性を有する材料を得た。
即ち、本発明は周期律表第III a族酸化物のうち少な
くとも1種を0.3乃至8重量%、残部が実質的にアルミ
ナからなるマトリックス中に平均径0.2〜0.7μmの炭化
チタンウイスカーを10乃至50体積%の割合で分散含有す
ることを特徴とするものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明において用いられるTiCウイスカーはそれ自
体、単結晶あるいは多結晶質からなるもので、その平均
径が0.2〜0.7μm、また長径/短径で表わされるアスペ
クト比の平均が3〜100、特に10乃至30のものが用いら
れる。
平均径を上記の範囲に限定したのは、0.2〜0.7μmで
はAl2O3との熱膨張差による応力が過度にならず、高い
抗折強度を維持できるからであり、0.7μmより大きい
と均一に分散することが難しくなり、強度および靭性と
もばらつきが生じる。また切削工具として用いた際に逃
げ面の境界摩耗が大きくなる傾向にある。
一方、アスペクト比の平均が3より小さいと繊維強化
の効果が少なくなり靭性が低下し、100より大きいと原
料の取扱が難しく、均一に分散できないために靭性が低
下する傾向にある。
上記のウイスカーを分散するマトリックスとしては、
焼結助剤として希土類元素の酸化物のうち少なくとも1
種を0.3乃至8重量%、特に1乃至5重量%の割合で含
有するAl2O3を用いることが重要で、上記助剤の量が0.3
重量%未満では焼結性が悪く緻密な材料が得られず、Ti
Cウイスカー添加系における靭性の改善がされない。8
重量%を越えても焼結体中にボイドが発生し望ましくな
い。なお、希土類酸化物としては特にYb、Nd、Er、Ce、
Sm、Y、Gd、DyおよびLaが挙げられる。
本発明によれば上記のマトリックス中に前記ウイスカ
ーを10〜60体積%、特に30乃至50体積%の割合で分散さ
せる。ウイスカーの分散量が10体積%を下回るとウイス
カー添加効果が不十分であり、60体積%を超えると焼結
性が低下する。
このようなセラミックスを製造するには、まず前記Ti
Cウイスカーおよび前記マトリックスを上記の割合で混
合、粉砕後に所望の成形手段、例えば金型プレス、冷間
静水圧プレス、押出し成形等により成形後焼成する。
焼成は普通焼成、ホットプレス法、熱間静水圧焼成法
等が適用される。焼成は1650乃至1850℃の温度でAr、He
等の不活性ガスもしくはカーボン等の存在する還元性雰
囲気およびそれらの加圧もしくは減圧雰囲気で2.0乃至
6.0時間行えばよく、特に高密度の焼結体を得るため
に、普通焼成、ホットプレス法によって対理論密度比96
%以上の焼結体を作成し、さらに熱間静水圧焼成すれば
よい。
以下、本発明を次の例で説明する。
(実施例1) 平均粒径1μm以下、純度99.9%以上のAl2O3粉末
と、希土類酸化物粉末を秤量後、アトリッションミルで
12時間混合粉砕した。この混合粉末にアスペクト比が10
乃至30のTiCウイスカーを所定量添加し、ナイロンポッ
ト中にナイロンボールとともに密封し、回転ミルで12時
間混合を行った。混合後のスラリーを乾燥してホットプ
レス用原料とした。
この原料をカーボン型に充填し、所定の温度で1時
間、300Kg/cm2の圧力でホットプレス焼成して、JISに基
づく抗折試験片を作成した。
得られた各試料を研磨してJIS1601に基づく3点曲げ
抗折強度を、また鏡面状態にポリッシングしてIM法でK1
cを測定した。
結果は第1表に示す。
第1表によれば、用いるTiCウイスカーの平均径が0.7
μmよりも大きいNo.1は抗折強度、靭性ともその特性値
にバラツキが生じ、分散性においてもムラが生じ、No.
2、3では抗折強度が低くなった。TiCウイスカーの添加
量が10体積%を下回るNo.6は抗折強度および靭性の点で
改善が見られなかった。
また、ウイスカーの量が60体積%を超えるNo.13、マ
トリックス中に希土類酸化物を含まないNo.14や希土類
酸化物を含んでもその量が0.3重量%未満のNo.15は、い
ずれも焼結が不十分で焼結体中にボイドが残存し、また
希土類酸化物を過多に含有するNo.20においてもボイド
が確認された。
さらにマトリックス中の助剤として従来から用いられ
ているMgO、SiO2、CaOを用いたNo.29、30、31では焼結
が不十分でボイドが確認され、特性値も満足しうるもの
でなかった。
これらの比較例に対し、本発明品はいずれも優れた抗
折強度と靭性を有し、具体的には抗折強度55Kg/mm2
上、靭性5.5MPam1/2以上のボイドのない緻密なセラミッ
クスであった。
(実施例2) 第1表中、No.9の組成と、比較用として実施例1にお
いてTiCウイスカーの代わりに直径0.7μm、アスペクト
比30のSiCウイスカーを用いて実施例1の方法に従い、R
NGN1204形状の工具を作成した。
これらの工具試験片を用いてインコネル718(溶体化
処理品)を切り込み2mm、送り0.3mm/rev、切削速度300m
/minで5分間切削したところ、No.9の工具は比較品より
わずかに優れた耐摩耗性を示した。
同じく、SNGN120412形状の工具を作成しSUS304を切り
込み2mm、送り0.3mm/rev、切削速度300m/minで切削した
ところ、比較品は急激に摩耗が進展し欠損したのに対
し、No.9の工具は10分以上の切削が可能であった。
(発明の効果) 以上詳述した通り、本発明によれば、アルミナセラミ
ックス中に含有させる繊維状物質としてTiCウイスカー
を用いることにより、従来から用いられていたSiCウイ
スカーに比較して酸化鉄との反応性を低減し優れた耐摩
耗性と強度が得られ、あらゆる被削材に対応しうる工具
用材料として、あるいはその他の機械部品用として繊維
強化セラミックスの用途を拡大することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期律表第III a族酸化物のうち少なくと
    も1種を0.3乃至8重量%、残部が実質的にアルミナか
    らなるマトリックス中に平均径0.2〜0.7μmの炭化チタ
    ンウイスカーを10乃至60体積%の割合で分散含有したこ
    とを特徴とする繊維強化セラミックス。
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