JP2700925B2 - 繊維強化セラミックス及びその製法 - Google Patents

繊維強化セラミックス及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ウイスカー等の繊維状物質を含有するセラ
ミックスに関し、詳細には高靭性に優れた特に工具用と
して適したセラミックス及びその製法に関する。
(従来技術) Al2O3質焼結体は耐磨耗性に優れる反面、靭性に劣る
という欠点から従来から各種の提案がなされている。
その1つにSiCウイスカーに代表される繊維状物質を
配合する方法が知られている。
このような繊維あるいはウイスカー強化セラミックス
の場合、破壊靭性を向上させるためにはSiCウイスカー
等の添加量を多くすることが望ましく、また抗折強度を
向上させるためにはウイスカーのは細い方が望ましい。
しかしながら、ウイスカーの量を増したり、その直径
を細くすると焼結性は著しく低下する傾向にある。そこ
で、焼結性を高めるために焼結助剤としてMgOやY2O3
の周期律表第III a族元素酸化物を添加することが行わ
れている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の技術によれば、上記酸化物の添加によって、焼
成時に低融点の酸化アルミニウムとの複合酸化物を生成
し、これにより焼結性を向上させようというものである
が、確かに焼結性は向上するものの、靭性が未だ不十分
であり、ウイスカー添加による本来の効果が得られてい
ないのが現状であった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の問題点に対し、その原因を追求
したところ、焼成時に生成された複合酸化物が焼成後の
焼結体中に残存し、これがSiCウイスカーと反応し、ウ
イスカー自体の強度を大きく劣化させていることを突き
止めた。そこで、本発明によれば、SiCウイスカーを分
散させるマトリックスとして周期律表第III a族酸化物
を添加したアルミナを用い、これらを焼結させるに際し
還元性雰囲気で焼結させることによって焼結体中に生成
された複合酸化物を還元することによって、ボイドの残
存なく緻密化させることのできる理論密度レベルの焼結
体が得られることを知見した。
即ち、本発明は周期律表第III a族酸化物のうち少な
くとも1種を0.1乃至10重量%、残部が実質的にAl2O3
らなるマトリックス成分中に直径2μm以下、アスペク
ト比3乃至100の多結晶又は単結晶SiCを5乃至65体積%
の割合で配合した成形体を1850℃以下の還元雰囲気で焼
成することによって、前記第III a族元素のアルミニウ
ム化物を生成させることを特徴とするものである。
(作用) 上記の構成によれば、焼結過程においてAl2O3と前記
希土類酸化物の反応により一旦低融点の複合酸化物が生
成され、Al2O3に対するウイスカーの濡れ性が改善され
ることによって焼結性を向上させるが、緻密化終了後は
この複合酸化物はガラス相として焼結体中に残存し靭性
の低下を招く原因となる。そのため本発明においては複
合酸化物を還元し、第III a族元素のアルミニウム化物
を最終焼結体中に生成させることにより、靭性低下の原
因となる複合酸化物を分解し、同時に従来生じていた複
合酸化物とSiCウイスカーとの反応を抑制し、SiCウイス
カーの強度を劣化させることがなくなり、靭性の向上を
図ることができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明の繊維強化セラミックスにおいて用いられるSi
Cウイスカーとしては、その直径が2μm以下、特に0.5
乃至1.0μm以下であり、且つ長径/短径で表されるア
スペクト比が3乃至100、特に10乃至60の多結晶あるい
は単結晶質であることが望ましく、ウイスカーの直径が
2μmを越えると強度の点で満足すべき効果が得られ
ず、また切削工具として用いた際、逃げ面の境界摩耗が
大きくなる傾向にある。一方、アスペクト比が3より小
さいとウイスカーの添加効果であるプルアウト効果が発
揮されず靭性の向上が望めず、100を越えると焼結性が
低下し、高緻密体を得ることができない。
また、上記のウイスカーを分散させるマトリックス成
分としては焼結助剤として周期律表第III a族酸化物の
うち少なくとも1種を0.1乃至10重量%、特に1乃至5
重量%の割合で含有するAl2O3を用いる。上記助剤の量
が0.1重量%未満では助剤の添加効果が得られず、10重
量%を越えると硬度が低下し摩耗が大きくなる。なお周
期律表第III a族酸化物の中でもCeO2、Y2O3、Dy2O3、Er
2O3、Yb2O3、Gd2O3が特に優れた特性を示す。
また、本発明の繊維強化型セラミックスによれば周期
律表第III a族酸化物を添加することにより焼成時にAl2
O3と第III a族酸化物との複合酸化物が生成される。例
えばDy3Al5O12、Er3Al5O12、Yb3Al5O12、Y3Al5O12、Gd3
Al5O12の1種以上が生成されることによって焼結性を高
めることができるが、これら複合酸化物は緻密化終了後
も残存すると前述した通りSiCウイスカーと反応し、ウ
イスカー自体の強度を劣化させるために還元させること
が重要である。具体的には後述する方法から明らかとな
るが、最終的には第III a族元素のアルミニウム化物、
例えばErAl3、CeAl3、YbAl3、GdAl3、YAl3等に変換させ
ることが重要である。
このようなセラミックスを製造するには、まず前記Si
Cウイスカーおよび前記マトリックスを上記の割合で混
合、粉砕後に所望の成形手段、例えば金型プレス、冷間
静水圧プレス、押出し成形等により成形後焼成する。
焼成は普通焼成、ホットプレス法、熱間静水圧焼成法
等により、不活性ガスおよび還元性ガス雰囲気で行われ
る。また、焼成温度は周期律表第III a族酸化物を前述
した割合で出発原料中に含むことによって1850℃以下の
比較的低い焼成温度で緻密質な焼結体を得ることができ
るが、焼成温度が1850℃を超えると靭性や工具としての
切削性能が低下する。一方、焼成温度は生産的には低温
であることが望ましいがウイスカー含有量の下限値であ
る5体積%組成ではその焼成温度は1500℃が下限であ
り、これより低いと焼結体中にボイドが残存し切削時に
欠損する場合がある。
本発明によれば、焼成時に生成される複合酸化物を還
元することが重要である。複合酸化物に対する還元は、
具体的には焼成雰囲気中にカーボンを存在させ、高い焼
成温度に保持することによって、このカーボンによって
生成された複合酸化物が還元されて、第III a族元素の
アルミニウム化物に変換されるまで焼成を行う。なお、
このような方法によれば、第III a族元素のアルミニウ
ム化物と同時に第III a族元素の炭化物が生成される場
合もある。
このようなカーボン雰囲気は、焼成をカーボン鉢内で
行うことによって生成させることができるが、焼結助剤
が比較的多量であったり、SiC原料中に酸素が多く含ま
れる場合には出発原料中に微量(0.5%以下)のカーボ
ンブラックもしくは焼成時カーボンを生成する物質を添
加した方が良い。
以下、本発明を次の例で説明する。
(実施例) Al2O3粉末と、第1表に示す周期律表第III a族酸化物
を第1表の割合で秤量後、アトリッションミルで12時間
混合粉砕した。この混合粉末に所定量のSiCウイスカー
を添加し、ナイロンポット中にナイロンボールとともに
密封し、回転ミルで12時間混合を行った。混合後のスラ
リーを乾燥してホットプレス焼成用原料とした。
この原料をカーボン型に充填し、1750℃あるいは1850
℃で1時間、300Kg/cm2の圧力でホットプレス焼成し
て、JIS規格に基づく抗折試験片と一部の試料に対しSNG
N120408型工具を作成した。
得られた各試料を研磨してJISR1601に基づく3点曲げ
抗折強度を測定した。また鏡面状態にポリッシングして
IM法でK1c並びにビッカース硬度を測定した。さらにX
線回折法により検出される焼結体中の結晶相を同定し、
第III a族元素のアルミニウム化物の生成の有無を調べ
た。
結果は第1表に示した。
なお、第1表中、試料No.14、25、34、4の焼結体の
X線回折チャート図を第1〜4図に示した。
一方、工具試験片を用いて下記切削条件で切削性能を
評価した。評価は3分切削後および6分間切削後のフラ
ンク摩耗および逃げ面の境界摩耗幅を測定した。
被削材 インコネル718 切削速度 300m/min 切り込み 1mm 送り 0.2mm/rev 結果は第2表にそれぞれ示した。
第1表からも明らかなように添加剤として周期律表第
III a族酸化物を全く添加しなかったNo.1乃至7の試料
はいずれもホットプレス焼成では気孔が残留し、強度及
びビッカース硬度が低い。
また周期律表第III a族酸化物を添加した組成であっ
ても最終焼結体中に第III a族元素のアルミニウム化物
が生成されていない試料No.8〜10は強度が600〜700MPa
程度である。
これに対し、本発明の試料はいずれも機械的特性なら
びに切削特性のいずれにおいても他の比較例に比べ、優
れた特性を示した。
(発明の効果) 以上詳述した通り、本発明によればSiCウイスカーの
添加による効果を充分に引き出すことができ、それによ
ってセラミックスの耐摩耗性を劣化させることなく、靭
性をより高めることができ、切削工具として用いた場
合、切削性能の安定化とともに長寿命化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図はいずれも本発明品(第1表中、試料
No.14、25、34に対応)、第4図は比較品(第1表中、
試料No.4に対応)のX線回折チャート図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期律表第III a族元素酸化物のうち少な
    くとも1種を0.1乃至10重量%、残部が実質的にAl2O3
    らなるマトリックス中に直径2μm以下、アスペクト比
    3乃至100の多結晶又は単結晶SiCを5乃至65体積%の割
    合で分散含有した繊維強化セラミックスにおいて、前記
    第III a族元素のアルミニウム化物が生成されているこ
    とを特徴とする繊維強化セラミックス。
  2. 【請求項2】周期律表第III a族酸化物のうち少なくと
    も1種を0.1乃至10重量%、残部が実質的にAl2O3からな
    るマトリックス成分中に直径2μm以下、アスペクト比
    3乃至100の多結晶又は単結晶SiCを5乃至65体積%の割
    合で配合した成形体を1850℃以下の温度で焼成し、前記
    第III a族元素のアルミニウム化物を生成させたことを
    特徴とする繊維強化セラミックスの製法。
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