JP2759084B2 - 高硬度高強度セラミツクス焼結体及びその製造方法 - Google Patents

高硬度高強度セラミツクス焼結体及びその製造方法

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JP2759084B2 JP61128534A JP12853486A JP2759084B2 JP 2759084 B2 JP2759084 B2 JP 2759084B2 JP 61128534 A JP61128534 A JP 61128534A JP 12853486 A JP12853486 A JP 12853486A JP 2759084 B2 JP2759084 B2 JP 2759084B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高硬度で、室温における強度、高温におけ
る強度,及び耐熱衝撃性にすぐれたセラミックス焼結体
であり、従来の酸化物系セラミックス焼結体や非酸化物
系セラミックス焼結体の用途である耐摩耗工具,切削工
具,ハサミ又は包丁などの工具部品,耐蝕性部品,装飾
用部品並びに自動車,航空機,船舶などのエンジン部品
又はガスタービン部品などの構造用部品にと、各種の産
業分野で広範囲の領域に適用できる高硬度高強度セラミ
ックス焼結体及びその製造方法に関するものである。 (従来の技術) セラミックス焼結体は、大別するとアルミナ系セラミ
ックス焼結体やジルコニア系セラミックス焼結体に代表
される酸化物系セラミックス焼結体と窒化ケイ素系セラ
ミックス焼結体や炭化物系セラミックス焼結体に代表さ
れる非酸化物系セラミックス焼結体がある。これらのセ
ラミックス焼結体の内、アルミナ系セラミックス焼結体
は、強度が低く、耐熱衝撃性にも劣るという問題があ
り、ジルコニア系セラミックス焼結体は室温における強
度がすぐれていることからハサミや包丁などの工具部品
に利用されているが、硬度が低いこと、熱伝動率が極端
に小さいこと、割合に比重が高いこと、水及び水蒸気の
存在する環境下では疲労破壊を起すこと、約200℃〜300
℃の温度で著しい強度劣下を生じること並びに金属との
反応拡散性が著しく大きくて、例えば300℃から鉄と容
易に反応して複酸化物を形成することなどから適用領域
が制限されているという問題がある。一方、窒化ケイ素
系セラミックス焼結体や炭化ケイ素系セラミックス焼結
体は、イオン結合性の高い酸化物系セラミックス焼結体
に比べて非常に難焼結性で、しかも窒化ケイ素系セラミ
ックス焼結体は、1000℃以上の高温においては強度低下
が著しく、炭化ケイ素系セラミックス焼結体は1500℃の
高温迄強度低下が生じないけれども室温における強度が
低く、又耐熱衝撃性も劣るために適用領域が制限されて
いるという問題がある。 これらのセラミックス焼結体における問題点の内、酸
化物系セラミックスの強度を向上させることによって適
用領域を拡大させようと試みたものに特開昭58-32066号
公報があり、この特開昭58-32066号公報の強度を、さら
に高めたものに特開昭58-120571号公報がある。 (発明が解決しようとする問題点) 特開昭58-32066号公報及び特開昭58-120571号公報
は、ZrO2を主成分とする高靱性セラミックス焼結体であ
る。これらの内、特開昭58-32066号公報の高靱性ジルコ
ニアセラミックス焼結体は、室温における曲げ強度が約
120kg/mm2,1000℃における曲げ強度が約40kg/mm2と、従
来の酸化物系セラミックス焼結体に比較して、高温にお
ける強度を高めることに成功したものである。また、特
開昭58-120571号公報の高靱性ジルコニアセラミックス
焼結体は、室温における曲げ強度が約160kg/mm2,1000℃
における曲げ強度が約45kg/mm2で、特開昭58-32066号公
報よりも、さらに強度を高めることに成功したものであ
る。 しかしながら、特開昭58-32066号公報及び特開昭58-1
20571号公報の高靱性セラミックス焼結体は、非酸化物
系セラミックス焼結体、特に高温においてすぐれた強度
を有する炭化ケイ素系セラミックス焼結体に比較する
と、まだ高温における強度が低く、しかも硬度が従来の
ジルコニア系セラミックス焼結体と、同等で、低すぎる
ことからエンジン用部品や切削工具のような苛酷な領域
にまで適用できないという問題がある。 本発明は、上述のような問題点を解決したもので、具
体的には、従来のジルコニア系セラミックス焼結体に比
較して硬度が高く、室温における強度が同等で、しかも
高温における強度が炭化ケイ素系セラミックス焼結体と
同等であるという高硬度で、室温及び高温における強度
のすぐれたセラミックス焼結体の提供を目的とするもの
である。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、ジルコニア系セラミックス焼結体の短
所である硬度及び高温における強度の両方を高める方向
について検討していた所、ZrO2にTiCを多量に添加する
に従って、両者、特にZrO2の反応分解が進行し、ガスの
発生やカーケンドールボイドを形成するために緻密な焼
結体になり難くなるのに対して、ZrO2とTiC又はTi(C,
N)とAl2O3を組合わせて、それぞれの化合物の比率を調
整することによって微細組織の緻密な焼結体を得ること
ができること、その焼結体は高硬度で、しかも炭化ケイ
素系セラミックス焼結体と同等の高温強度あるいはそれ
以上の強度になるという知見を得ることにより、本発明
を完成するに至ったものである。 すなわち、本発明の高硬度高強度セラミックスは、ジ
ルコニウムの酸化物,安定化剤を含有したジルコニウム
の酸化物,ハフニウムの酸化物,安定化剤を含有したハ
フニウムの酸化物及びこれらの相互固溶体からなる
(A)群の化合物中の少なくとも1種を30〜65重量%、
とアルミニウムの酸化物,アルミニウムの酸窒化物,シ
リコン・アルミニウムの酸化物,又はシリコン・アルミ
ニウムの酸窒化物からなる(B)群の化合物の中の少な
くとも1種を8〜38重量%と、周期律表の4a,5a,6a族金
属の炭化物,窒化物,炭酸化物,窒酸化物,ホウ化物,
ケイ化物及びケイ素の炭化物,窒化物又はこれらの相互
固溶体からなる(C)群の化合物の中の少なくとも1種
を18〜43重量%と不可避不純物とでなる焼結体であっ
て、該焼結体は、該(A)群の化合物中に該(B)群の
化合物と該(C)群の化合物との両化合物相が均一に分
散されており、かつ室温での硬度がロックウエルAスケ
ールで91.5以上であることを特徴とするものである。こ
こで記述している硬度とは、JISB7726によるロックウエ
ル硬さ試験機のAスケールを用いてJISZ2245に基づき行
なった値を示すものである。 本発明の高硬度高強度セラミックス焼結体は、(A)
群の化合物の相と(B)群の化合物の相と(C)群の化
合物の相からなる混相である。この混相の内、(A)群
の化合物の相は、(B)群の化合物と(C)群の化合物
との両相により変態を抑制され、結晶学的に相境界で結
晶格子が整合関係をなしており、しかも配列様式が原子
配列の如くに規則正しく配列されるように狙ったもので
ある。このために、(A)群の化合物の相に対する
(B)群の化合物と(C)群の化合物の両相の合計及び
(B)群の化合物の相対(C)群の化合物の相との比率
が強度を高めるための重要な役割をしており、さらに後
述する熱間静水圧(HIP)処理を施すことによって硬度
及び強度を一層高めた焼結体にしているものである。こ
の焼結体の組織構造は、500Å〜5000Åの一次粒子から
なる微細組織を主体にしたもの又はこの微細結晶粒子に
針状晶の混在したものである。 本発明の高硬度高強度セラミックス焼結体において、
(A)群の化合物が30重量%未満だと相対的に(B)群
と(C)群の両化合物の合計が70重量%を越えるために
焼結し難くなり、緻密な焼結体を得るのが困難である。
逆に、(A)群の化合物が65重量%を越えると相対的に
(B)群と(C)群の両化合物の合計が35重量%未満に
なるため、硬度低下及び高温における強度低下が著しく
なる。従って、(A)群の化合物は、30重量%以上から
65重量%以下と定めたものである。この(A)群の化合
物は、焼結工程で体積変化が生じるような変態を抑えら
れる安定化剤を含有したジルコニウムの酸化物が、特に
好ましく、その量は、(A)群の化合物対(B)群と
(C)群の両化合物との体積比が1対1近傍になるよう
にすると強度を著しく高める効果があることから、特に
45重量%以上から65重量%以下が好ましい。安定化剤と
しては、CaO,Ya2O3,MgO及び希土類元素の酸化物の中の
少なくとも1種であればよいが、特にMgO,CaO,Y2O3,Er
2O3,Yb2O3の中の少なくとも1種の場合には安定に焼結
できることから好ましく、その量は、ジルコニウムの酸
化物中に1〜7モル%含有していることが結晶粒子を微
細にできる傾向になることから好ましい。 また、(B)群の化合物は、焼結性を高める効果及び
室温における強度を高める効果があり、その量が8重量
%未満になると焼結性を高める効果が弱く、逆に38重量
%を越えると室温における強度低下が著しくなる。従っ
て、(B)群の化合物は、8重量%以上から38重量%以
下と定めたものである。この(B)群の化合物の量は、
(C)群の化合物の量との比率によって、室温及び高温
における強度に影響を及ぼし、(B)群の化合物として
は、特にアルミニウムの酸化物が10重量%以上から28重
量%以下であることが強度を高めるために好ましいもの
である。 さらに、(C)群の化合物は、硬度を高める効果と高
温における強度を高める効果があり、その量が18重量%
未満では硬度及び高温における強度が低く、逆に43重量
%を越えて多くなると焼結し難くなって、室温及び高温
における強度も低下する。従って、(C)群の化合物
は、18重量%以上から43重量%以下と定めたものであ
る。この(C)群の化合物は、焼結の容易性と(B)群
の化合物の粒成長抑制効果と高温における強度を高める
効果から、特に周期律表の4a族金属の炭化物,窒化物,
炭酸化物,窒素化物及びこれらの相互固溶体の中の少な
くとも1種が18重量%以上から38重量%以下であること
が好ましい。以上のような組成範囲にある焼結体であっ
て、その焼結体の硬度がロックウエルAスケールで91.5
未満と低くなると、耐摩耗性の低下と、室温及び高温に
おける強度の低下も著しいことから本発明の硬度は、ロ
ックウエルAスケールで91.5以上と定めたものである。 本発明の高硬度高強度セラミックス焼結体における
(A)群の化合物は、具体的には、例えばZrO2,(Zr,
M)Ox,HfO2,(Hf,M)Oy,(Zr,Hf)O2,(Zr,Hf,M)Oz
の中の少なくとも1種からなるものである。(ただし、
Mは、Mg,Ca,Sc,Y及びランタノイド元素の中の少なくと
も1種を示し、x,y,zは各々共2以下である。)また、
(B)群の化合物は、具体的には、例えばAl2O3,Al(O
N),サイアロン,3Al2O3・2SiO2(ムライト)の中の少
なくとも1種からなるものである。さらに、(C)群の
化合物は、具体的には、例えばTiC,ZrC,HfC,TaC,VC,Nb
C,Cr3C2,WC,Mo2C,TiN,ZrN,HfN,TaN,VN,NbN,CrN,Ti(C,
O),Zr(C,O),Ta(C,O),Ti(N,O),Zr(N,O),Ta(N,
O),TiB2,TaB2,TiSi2,TaSi2,WSi2,SiC,Si3N4及び
これらの相互固溶体としての(Ti,W)C,(Ti,Ta,W)C,T
i(C,N,O),(Ti,Ta)(C,N),(Ti,Zr)(C,O),
(Ti,Zr,Ta,W)(C,N,O)などを代表例として挙げるこ
とができる。これらの化合物は、化学量論的化合物又は
非化学量論的化合物からなっている場合でもよい。 本発明の高硬度高強度セラミックス焼結体は、従来の
各種粉末冶金法で行なわれている製造方法によって焼結
体とした後、後述するようなHIP処理を施すことによっ
て作成することを特徴とするものである。 すなわち、本発明の高硬度高強度セラミックス焼結体
の製造方法は、ジルコニウムの酸化物,安定化剤を含有
したジルコニウムの酸化物,ハフニウムの酸化物,安定
化剤を含有したハフニウムの酸化物及びこれらの相互固
溶体からなる(A)群の化合物粉末の中の少なくとも1
種を30〜65重量%と、アルミニウムの酸化物,アルミニ
ウムの酸窒化物,シリコン・アルミニウムの酸化物,シ
リコン・アルミニウムの酸窒化物からなる(B)群の化
合物の粉末及び/又はウイスカーの中の少なくとも1種
を8〜38重量%と、周期律表の4a,5a,6a族金属の炭化
物,窒化物,炭酸化物,窒酸化物,ホウ化物,ケイ化物
及びケイ素の炭化物,窒化物又はこれらの相互固溶体か
らなる(C)群の化合物の粉末及び/又はウイスカーの
中の少なくとも1種を18〜43重量%との混合成形体を非
酸化性雰囲気中、1600℃以上の温度で焼結した後、窒素
ガス又は不活性ガス雰囲気中、1500気圧以上の圧力、14
00℃以上の温度でHIP処理することを特徴とするもので
ある。 さらに、本発明の高硬度高強度セラミックス焼結体の
製造方法について、具体的に述べると、まず、出発原料
粉末としては、金属又は水素化金属を各種の雰囲気中で
焼成して得ることができる酸化物,炭化物及び窒化物な
どを用いることがでる。特に(A)群の化合物は、500
Å〜5000Åの超微粒子粉末を出発原料にすると緻密な焼
結体を容易に得ることができるから好ましいことであ
る。500Å〜5000Åの超微粒子粉末は、気相法,溶液
法,固体反応法などによって得ることができる。これら
の製法の中、特に高純度,均一粒度及び低廉価で大量生
産が可能な溶液法により作製したものが好ましい。溶液
法としては、共沈法,水中アーク法,水熱酸化法,アル
コキシド法,界面更新法又は加水分解法などがあるが、
経済性と焼結性から共沈法が望ましい。また、(B)群
及び(C)群の両化合物は、従来から用いられている粉
末の内、例えば平均粒径2μm以下のできるだけ微細な
粉末及び/又はウイスカー状のものを用いることが望ま
しい。 このような出発原料を混合又は混合粉砕する場合は、
ステンレス製容器,超硬合金を内張りした容器,ウレタ
ンゴムを内張りした容器又はプラスチック製容器の中で
超硬合金製ボール,ステンレス製ボール又はセラミック
ス製ボールと出発原料を入れて、さらに必要ならばグリ
セリン,ポリエチレングリコール,ポリプチルアルコー
ル,パラフィン又はカンファーなどの成形助剤を添加し
て乾式混合する方法、もしくはアセトン,ベンゼン,ア
ルコールなどの有機溶媒を加えて湿式混合する方法があ
る。 混合粉末を混合成形体にするには、混合粉末を黒鉛モ
ールドに充填して混合成形体とし、後非酸化性雰囲気中
でホットプレス(H.P)して焼結する方法、又は成形助
剤を添加した混合粉末、さらに必要ならば混合粉末を顆
粒状に造粒して、それを金型モールドに充填した後、加
圧して混合成形体とする方法、もしくはラテックスゴム
などで混合粉末を包囲した後、静水圧加圧により外圧を
加えて混合成形体とする方法、あるいは従来から用いら
れている熱可塑性樹脂と可塑剤と潤滑剤などを混合粉末
に加えて射出成形機などで混合成形体にする方法などが
適用できる。このような混合成形体を直接焼結する方
法、又は混合成形体を焼結温度よりも低い温度で予備焼
結した後、切断,研削,切削などの加工を施してから非
酸化性雰囲気中で焼結する方法がある。 焼結温度は、無加圧焼結(減圧状態も含む大気圧以下
の圧力中での焼結条件)の場合が1650℃以上の温度で、
加圧焼結の場合が1550℃以上の温度によって焼結するこ
とができる。このようにして焼結したものを窒素ガス又
は副活性ガス雰囲気中、1500気圧以上の圧力、1400℃以
上の温度でHIP処理を施すことによって本発明の焼結体
を得ることができる。 (作用) 本発明の高硬度高強度セラミックス焼結体は、(A)
群の化合物に対する(B)群の化合物と(C)群の化合
物との合計の比率を一定の範囲にすると共に、(B)群
の化合物対(C)群の化合物の比率をも調整することに
よって(A)群の化合物相中に(B)群の化合物と
(C)群の化合物との両化合物相を均一に分散させて、
(A)群の化合物相を拘束しているものである。従っ
て、(A)群の化合物相は、(B)群の化合物相と
(C)群の化合物相とに拘束されることによって立方晶
→正方晶→斜方晶もしくは正方晶→斜方晶への変態が抑
制され、しかも粒成長も抑制されて正方晶を主体にした
微細組織を形成しているものである。このように(A)
群の化合物と(B)群の化合物と(C)群の化合物の各
々の作用によって得た焼結体を、さらにHIP処理するこ
とにより、本発明の焼結体は、室温及び高温においてす
ぐれた強度を有すると共に高硬度になっているものであ
る。 (実施例) 実施例1 平均粒径が1.0μm以下の各種の出発原料を用いて、
第1表に示した配合組成の各試料に4〜10wt%のパラフ
ィンを添加して、アセトン湿式中にてボールミル混合,
乾燥,成形及び予備焼結による脱パラフィン後、各試料
を第2表の条件で焼成した。焼結後、第2表に併記した
条件で各試料をHIP処理して得た本発明品1〜9の焼結
体の諸特性値を測定し、第2表及び第3表に示した。比
較として、第1表に併記した配合組成の各試料を混合及
び乾燥後、黒鉛モールドに充填して、窒素ガス雰囲気
中、圧力200kg/cm2、温度1800℃、保持時間1時間でホ
ットプレスにより焼結して比較品1〜5とした。こうし
て得た比較品1〜5も本発明品と同様に諸特性値を測定
し、その結果を第2表及び第3表に併記した。 第2表及び第3表の結果、本発明品1〜9は、本発明
の組成から外れて、しかもホットプレスで焼結して得た
比較品1〜5に比べて、硬度がロックウエルAスケール
で約2.0〜7.0高く、室温及び1400℃の高温における曲げ
強度(JISB4104の抗折力試験方法に基づく)が約2倍〜
3倍他高い傾向を示し、破壊靱性値もすぐれているもの
であった。 これらの各試料の内、本発明品2と比較品3について
は、各温度における曲げ強度を測定し、その結果を第1
図に示した。尚、参考として、従来の代表的な炭化ケイ
素系セラミックス焼結体について測定されている各温度
における曲げ強度の関係も併記した。 実施例2 実施例1の各試料の内、本発明品2,6,9と比較品3,5及
び市販のAl2O3‐TiC系セラミックス焼結体を比較品6と
して、下記の条件により切削試験を行った。 切削試験条件 旋削試験 被削材 S48C(HB 240) 切削速度 300 m/min 切り込み量 1.5 mm 送り速度 0.3 mm/rev 工具形状 SNP 432 切削方式 湿式 この切削試験の結果を第4表に示した。第4表の結
果、本発明品は、比較品3,5及び6に比べて約2倍〜10
倍の寿命向上がみられた。 実施例3 平均粒径が1.0μm以下の各種の出発原料を用いて、
第5表に示した配合組成の各試料を実施例1と同様にし
て焼結した。このときの焼結条件及びHIP条件を第6表
に併記した。このようにして焼結して得た本発明品10〜
15の焼結体の諸特性値を実施例1と同様にして求め、そ
の結果を第6表及び第7表に示した。 第6表及び第7表の結果、本発明品10〜15は、硬度,
破壊靱性値並びに室温及び1400℃における強度が著しく
高いことが確認できた。 また、本発明品10〜15を用いて、実施例2で行った条
件により切削試験を行い、その結果を第8表に示した。 (発明の効果) 以上の結果、本発明の高硬度高強度セラミックス焼結
体は、本発明から外れた組成成分の比較品に対比して高
硬度,高破壊靱性を有して、室温及び高温での強度も高
く、しかも耐摩耗性,耐欠損性及び耐熱性にすぐれてお
り、特に高含有酸化ジルコニウム組成成分の比較品に対
比して、上述の諸特性がより一層すぐれているものであ
る。このために、本発明の焼成体は、例えば高硬度及び
高温での高強度を利用して、旋削工具部品又は回転工具
部品などの切削工具部品に有効であり、高硬度,耐摩耗
性及び高強度を利用して磁気テープスリッターに代表さ
れる各種のスリッターナイフ,裁断刃,ボールベアリン
グに代表される各種のボール,ハサミ,包丁,ダイス並
びにセラミックス焼結体の有している耐蝕性及び高硬
度,耐摩耗性を利用して、メカニカルシール,ノズルな
どの各種の耐摩耗性工具部品に有効である。また、本発
明の焼結体は、耐蝕性,耐スクラッチ性及び黒色系の色
調を利用して、時計用ケース,ネクタイピン,ブローチ
及びカフスボタンなどの装飾用部品にも有効である。さ
らに、本発明の焼結体は、高硬度,高温での高強度性及
び耐酸化性を利用して各種のエンジン部品,ガスタービ
ン部品などの構造用部品から各種のエレクトロニクス部
品にと各種の産業分野で有用な材料である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例1で得た本発明品2と比較品3と従来
の炭化ケイ素系セラミックス焼結体の温度と曲げ強度と
の関係を示す図である。 第1図で縦軸は、曲げ強度を表わし、横軸は、測定時の
温度を表わす。図中、1の線は、本発明品2の測定結果
を表わし、2の線は、比較品3の測定結果を表わし、3
の線は、従来の炭化ケイ素系セラミックス焼結体の結果
を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 後谷 陽一 (56)参考文献 特開 昭62−46959(JP,A) 特開 昭61−97163(JP,A) 特開 昭60−103078(JP,A) 特開 昭60−66404(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.下記(A)群の化合物の少なくとも1種を30〜65重
    量%と(B)群の化合物の少なくとも1種を8〜38重量
    %と(C)群の化合物の少なくとも1種を18〜43重量%
    と不可避不純物からなる焼結体であって、該焼結体は、
    該(A)群の化合物中に該(B)群の化合物と該(C)
    群の化合物との両化合物相が均一に分散されており、か
    つ室温での硬度がロックウエルAスケールで91.5以上で
    あることを特徴とする高硬度高強度セラミックス焼結
    体。 (A)群、ジルコニウムの酸化物,安定化剤を含有した
    ジルコニウムの酸化物,ハフニウムの酸化物,安定化剤
    を含有したハフニウムの酸化物及びこれらの相互固溶
    体、 (B)群、アルミニウムの酸化物,アルミニウムの酸窒
    化物,シリコン・アルミニウムの酸化物又はシリコン・
    アルミニウムの酸窒化物、 (C)群、周期律表の4a,5a,6a族金属の炭化物,窒化
    物,炭酸化物,窒酸化物,ホウ化物,ケイ化物及びケイ
    素の炭化物,窒化物又はこれらの相互固溶体、 2.上記(A)群の化合物は、MgO,CaO,Y2O3,Er2O3,Y
    b2O3の中の少なくとも1種の安定化剤を1〜7モル%含
    有したジルコニウムの酸化物が45〜65重量%からなるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の高硬度高強
    度セラミックス焼結体。 3.上記(B)群の化合物は、アルミニウムの酸化物が
    10〜28重量%からなることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載の高硬度高強度セラミックス焼結
    体。 4.上記(C)群の化合物は、周期律表の4a族金属の炭
    化物,窒化物,炭酸化物,窒酸化物及びこれらの相互固
    溶体の中の少なくとも1種が18〜38重量%からなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項,第2項又は第3項
    記載の高硬度高強度セラミックス焼結体。 5.上記焼結体は、1400℃における曲げ強度が50kg/mm2
    以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項,第
    2項,第3項又は第4項記載の高硬度高強度セラミック
    ス焼結体。 6.下記(A)群の化合物粉末の少なくとも1種を30〜
    65重量%と(B)群の化合物粉末及び/又は(B)群の
    化合物ウイスカーの少なくとも1種を8〜38重量%と
    (C)群の化合物粉末及び/又は(C)群の化合物ウイ
    スカーの少なくとも1種を18〜43重量%からなる混合成
    形体を非酸化性雰囲気中、1600℃以上の温度で焼結した
    後、窒素ガス又は不活性ガス雰囲気中、1500気圧以上の
    圧力、1400℃以上の温度で熱間静水圧処理することを特
    徴とする高硬度高強度セラミックス焼結体の製造方法。 (A)群、ジルコニウムの酸化物,安定化剤を含有した
    ジルコニウムの酸化物,ハフニウムの酸化物,安定化剤
    を含有したハフニウムの酸化物及びこれらの相互固溶
    体、 (B)群、アルミニウムの酸化物,アルミニウムの酸窒
    化物,シリコーン・アルミニウムの酸化物,シリコーン
    ・アルミニウムの酸窒化物、 (C)群、周期律表の4a,5a,6a族金属の炭化物,窒化
    物,炭酸化物,窒酸化物,ホウ化物,ケイ化物及びケイ
    素の炭化物,窒化物又はこれらの相互固溶体、 7.上記(A)群の化合物粉末は、粉末の粒径が500Å
    〜5000Åであることを特徴とする特許請求の範囲第6項
    記載の高硬度高強度セラミックス焼結体の製造方法。
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