JP2927149B2 - 窒化ホウ素含有無機材料の製造方法 - Google Patents
窒化ホウ素含有無機材料の製造方法Info
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Description
る無機複合材料の製造方法に関する。
絶縁性、及び優れた潤滑性を有し、鉄、銅、ニッケル、
亜鉛、珪素、ガリウム、砒素、ガラス、氷晶石などの溶
融体と反応しない化学的に安定な材料として知られてい
る。そして、空気中では950℃まで、不活性ガス又は
窒素ガス雰囲気下では2200℃まで安定である。ま
た、金属と同様に、切削及び研削などの機械加工が可能
であるという特徴を有している。このため、耐熱部品、
絶縁部品、溶融金属用ルツボ、放熱部品、セラミックス
焼結用セッター等に使用されている。
スなどの無機材料に窒化ホウ素を添加して複合化するこ
とにより、上述した窒化ホウ素の優れた特徴を付与する
ことが提案されている。
は、窒化ホウ素20〜70重量%、窒化アルミニウム1
0〜40重量%、及び黒鉛10〜30重量%を配合した
溶鋼の連続鋳造用ノズルが開示されている。これは、ノ
ズルを溶鋼に濡れ難い性質を有する材料で構成すること
により、溶鋼中の介在物がノズルに付着堆積することを
防止するものである。
の目的の、窒化ホウ素45〜90重量%、窒化珪素5〜
40重量%、及び炭素3〜15%の成分組成を有する鋳
造用耐火物が開示されている。
続鋳造設備におけるタンディッシュとモールドとを接続
する耐火物として、窒化ホウ素10〜80容量%、2ホ
ウ化チタン20〜90容量%、酸化ホウ素2容量%から
なるセラミックスを用いることが開示されている。
るため、窒化ホウ素含有無機材料も難焼結性である場合
が多く、このような場合には低融点の焼結助剤を添加し
て焼結を促進させている。例えば、特開平2−1116
64号公報には、窒化ホウ素3〜15重量%、チタン、
ジルコニウム、チタニウムのホウ化物または窒化物の1
種以上が2〜20重量%、及び窒化珪素からなる焼結体
を製造するにあたって、これらの粉末に5〜20重量%
の焼結助剤(例えばアルミナ、イットリア)の粉末を添
加している。また、特開平3−265567号公報に
は、窒化ホウ素50重量%以上、ジルコニア5重量%以
上、窒化アルミニウム、及びアルミナと酸化ホウ素との
化合物の両者またはいずれか一方を5重量%を含有する
焼結体を得るにあたり、焼結助剤として2CaO・3B
2 O3 を添加している。
有無機材料が難焼結性の場合には、従来、窒化ホウ素を
含む原料粉末に焼結助剤を添加するため、窒化ホウ素の
耐熱性、化学的安定性等の優れた特性を損なうことが避
けられない。一方、難焼結性の窒化ホウ素含有無機材料
を形成する場合に、原料粉末に焼結助剤を添加しない
と、焼結が進行しないか、又は進行しても不十分であ
り、このため十分な強度が得られないなど、所期の特性
が得られず、実用に供することができない。
のであって、焼結助剤を用いることなく所期の特性を有
する窒化ホウ素含有無機材料を得ることができる窒化ホ
ウ素含有無機材料の製造方法を提供することを目的とす
る。
課題を解決するために、周期律表II〜VI族に属する
少なくとも1種の元素のホウ化物を20重量%以上含む
無機粉末の充填体又は成形体を窒化させ、前記ホウ化物
の50重量%以上をBNと前記元素又はその窒化物とに
転化させることを特徴とする窒化ホウ素含有無機材料の
製造方法を提供する。
ては、例えば、BeB2 、BeB6 、BeB12、MgB
2 、CaB6 、SrB6 、BaB6 、周期律表III 族に
属するホウ化物としては、例えば、AlB2 、Al
B12、ScB2 、YB2 、YB6 、YB12、LnB4 、
LnB6、LnB12(Lnはランタノイド)、周期律表V
I族に属するホウ化物としては、例えば、B4 C、B13
C12、SiB4 、SiB6 、SiB12、TiB2 、Zr
B2 、HfB2 、ThB4 、ThB6 、周期律表V族に
属するホウ化物としては、例えば、VB、VB2 、Nb
B、NbB2 、TaB、TaB2 、周期律表VI族に属す
るホウ化物としては、例えば、CrB、CrB2 、Mo
B、MoB2 、WB、W2 B5 、WB4 、UB2 、UB
4 、UB12が挙げられる。
れば、窒素、アンモニア、アンモニア分解ガス等の窒化
性ガス単味、又は窒化性ガスを含む混合ガスによって、
窒化ホウ素(BN)とホウ化物を構成する元素の窒化物
又はその元素単体とに転化させることができる。ここで
重要なことはこの際の窒化反応が極めて大きな発熱を伴
うことである。
に転化させる例としては、 (3/4)MgB2 +N2 →(1/4)Mg3 N2 +
(3/2)BN+102kcal/mol (2/3)AlB2 +N2 →(2/3)AlN+(4
/3)BN+108kcal/mol (2/13)AlB12+N2 →(2/13)AlN+
(24/13)BN+114kcal/mol (2/3)TiB2 +N2 →(2/3)TiN+(4
/3)BN+83kcal/mol (2/3)ZrB2 +N2 →(2/3)ZrN+(4
/3)BN+87kcal/mol (2/3)HfB2 +N2 →(2/3)HfN+(4
/3)BN+86kcal/mol (2/3)NbB2 +N2 →(2/3)NbN+(4
/3)BN+329kcal/mol (2/3)TaB2 +N2 →(2/3)TaN+(4
/3)BN+379kcal/mol (4/3)CrB+N2 →(2/3)Cr2 N+(4
/3)BN+324kcal/mol (4/3)MoB+N2 →(2/3)Mo2 N+(4/3)BN
+276kcal/mol がある。
化させる例としては、 (1/2)B4 C+N2 → 2BN+(1/2)C+
113kcal/mol がある。
物質の温度上昇をもたらす。例えば、TiB2 の窒化の
場合、系外への熱放散を無視すれば、温度上昇は350
0℃にも達する。従って、この自己発熱により生成物質
である窒化物の焼結を促進させることができる。また、
このような窒化反応に伴って原子の再配列が生じるが、
これによって粒子同士の結合が促され、生成物質に強度
が付与される。
0℃を超える温度で発熱体の極端な消耗を引き起こすこ
となく長期に安定して操業することは困難であり、22
00℃が実用的な焼結温度の上限であると考えられる。
このため、2200℃を超える高い焼結温度を必要とす
る難焼結性の無機材料を焼結させる場合には、従来焼結
助剤の添加が不可欠であった。これに対して、本発明の
ようにホウ化物を窒化させる場合には、上述したように
その際の発熱で焼結が促進されるので、高い焼結温度を
必要とする場合であっても焼結助剤を用いることなく焼
結させることが可能となる。
%以上であることが必要であり、また、ホウ化物のうち
窒化される割合(以下窒化率という)は50重量%以上
であることが必要である。これは、ホウ化物の割合が2
0重量%未満であったり、あるいは窒化率が50重量%
未満である場合には、窒化に伴う発熱と、原子の再配列
が不十分となり、焼結が十分に進行しないからである。
一層良好な焼結性を得る観点からは、原料中に占めるホ
ウ化物の割合は50重量%以上であることが好ましい。
さらに好ましくは80重量%以上である。
いし、窒化性ガスを含む混合ガス、例えばN2 −Ar、
N2 −H2 を用いてもよい。窒化性ガスとして窒素ガス
を用いる場合には、その分圧は0.05atm 乃至10at
m が望ましい。これは、0.05atm 未満の場合には窒
化に時間がかかるばかりでなく熱放散が多くなって発熱
が焼結に十分寄与せず、10atm を超えると逆に発熱が
大きすぎて処理物の溶融、分解、揮散を引き起こすから
である。
入できるような構造のものであれば特に限定されるもの
ではない。また、窒化の際の炉温は、上述した一般的な
焼結炉と同様、2200℃以下が望ましい。2200℃
を超えると窒化発熱に伴う昇温が大きすぎるため処理物
の溶融、分解、揮発を引き起こすからである。炉温は窒
化の際の発熱の大きさによって適宜設定されるが、窒化
の際の発熱で焼結反応が進行する場合には、10〜30
℃程度の常温であってもよい。この場合、発熱抵抗部又
はアーク放電部を有する着火装置を使用して処理物を局
部加熱して着火(窒化反応を開始)させてもよい。この
際には、焼結反応は着火部から始まって窒化に伴う発熱
によって継続する。そして、反応部位が移動して反応が
全体に行き渡った後、鎮火(窒化反応が終了)する。
んだものであってもよい。HP機能を組み込むことによ
り、窒化しながら処理物に一方向の加圧操作を施すこと
ができ、結果として焼結を促進させることができる。こ
の際の加圧の圧力は5〜50Mpa程度でよく、必要と
される緻密化の程度に応じて圧力を適宜選択すればよ
い。反応の初期から加圧しても、途中から加圧してもよ
いが、圧力が高すぎると緻密化が先行してしまい、窒化
性ガスの浸透が困難となり、窒化が阻害される。従っ
て、緻密化が十分に進み、しかも窒化が阻害されない適
当な圧力を選択する必要がある。このようなHPは窒化
終了後に行ってもよいが、窒化時には焼結に寄与する自
己発熱及び活発な原子の移動が起こっているので、窒化
時にHPを行うことがより効果的である。
成された耐熱性の型に粉末を充填した充填体であっても
よいし、一軸プレス、ラバープレス、鋳込成形、射出成
形、押出成形などの公知の成形手段によって成形された
成形体であってもよい。
装入した後、窒化処理とHPとを組み合わせることが効
果的である。もちろんこの場合でも窒化処理のみを行っ
てもよい。
比しながら説明する。 (実施例1)粒径2〜3μmのCaB6 粉末を一軸プレ
スによって成形し、寸法27mm×27mm×50mm、重量
49.0gの成形体を得た。この成形体を炉内に装入
し、この成形体に10MPaのHP圧力を加えた後、炉
内を10-3Torrに達するまで真空引きし、次いでN2 1
0vol %、Ar90vol %の混合ガスを供給してガス圧
1atm とし、そのガス圧を保持しつつ、昇温速度5℃/
min で1700℃まで加熱した。そして、1700℃で
24時間保持し、その後放冷した。以上の工程によって
重量80.1gの生成物が得られた。生成物は成形体に
対して63.5%重量増加していた。この生成物のX線
回折パターンを確認したところ、CaB6sの回折ピー
クは認められず、BN及びCa3 N2 の回折ピークが認
められた。このことから、十分に窒化が進行していると
判断された。推定組成はBN24.7重量%、Ca3 N
2 75.1重量%であった。嵩密度は1.93g/cm3
であり、JISによる4点曲げ試験により92MPaの
曲げ強さが得られた。 (実施例2)粒径2〜5μmのAlB2 粉末を一軸プレ
スによって成形し、寸法27mm×27mm×50mm、重量
63.8gの成形体を得た。この成形体を炉内に装入
し、この成形体に10MPaのHP圧力を加えた後、炉
内を10-3Torrに達するまで真空引きし、次いでN2 ガ
ス(N2 100vol %)を供給してガス圧1atm とし、
そのガス圧を保持しつつ、昇温速度5℃/min で140
0℃まで加熱した。そして、1400℃で2時間保持
し、その後放冷した。以上の工程によって重量113.
4gの生成物が得られた。生成物は成形体に対して7
7.7%重量増加していた。この生成物のX線回折パタ
ーンを確認したところ、AlB2 の回折ピークは認めら
れず、BN及びAlNの回折ピークが認められた。この
ことから、十分に窒化が進行していると判断された。推
定組成はBN54.8重量%、AlN45.2重量%で
あった。嵩密度は2.17g/cm3 であり、JISによ
る4点曲げ試験により100MPaの曲げ強さが得られ
た。 (実施例3)粒径2〜7μmのAlB12粉末を、横断面
30mm×50mm、高さ50mmのキャビティを有する黒鉛
型に46.9g充填し、これを炉内に装入した。これに
30MPaのHP圧力を加えた後、炉内を10-3Torrに
達するまで真空引きし、次いでN2 ガス(N2 100vo
l %)を供給してガス圧1atm とし、そのガス圧を保持
しつつ、昇温速度5℃/min で1400℃まで加熱し
た。そして、1400℃で2時間保持し、その後放冷し
た。以上の工程によって重量95.9gの生成物が得ら
れた。生成物は成形体に対して104.5%重量増加し
ていた。この生成物のX線回折パターンを確認したとこ
ろ、AlB12の回折ピークは認められず、BN及びAl
Nの回折ピークが認められた。このことから、十分に窒
化が進行していると判断された。推定組成はBN87.
9重量%、AlN12.1重量%であった。嵩密度は
1.93g/cm3 であり、JISによる4点曲げ試験に
より95MPaの曲げ強さが得られた。 (実施例4)粒径3〜4μmのB4 C粉末を、横断面3
0mm×50mm、高さ50mmのキャビティを有する黒鉛型
に50.7g充填し、これを炉内に装入した。これに3
0MPaのHP圧力を加えた後、炉内を10-3Torrに達
するまで真空引きし、次いでN2 ガス(N2 100vol
%)を供給してガス圧1atm とし、そのガス圧を保持し
つつ、昇温速度5℃/min で2100℃まで加熱した。
そして、2100℃で2時間保持し、その後放冷した。
以上の工程によって重量96.9gの生成物が得られ
た。生成物は成形体に対して91.1%重量増加してい
た。この生成物のX線回折パターンを確認したところ、
B4 Cの回折ピークは認められず、BN及びCの回折ピ
ークが認められた。このことから、十分に窒化が進行し
ていると判断された。推定組成はBN89.2重量%、
C10.8重量%であった。嵩密度は1.87g/cm3
であり、JISによる4点曲げ試験により90MPaの
曲げ強さが得られた。 (実施例5)粒径7〜11μmのTiB2 粉末を一軸プ
レスによって成形し、寸法27mm×27mm×50mm、重
量90.4gの成形体を得た。この成形体を炉内に装入
し、炉内を10-3Torrに達するまで真空引きし、次いで
N2 ガス(N2 100vol %)を供給してガス圧1atm
とし、そのガス圧を保持しつつ、昇温速度5℃/minで
1800℃まで加熱した。そして、1800℃で2時間
保持し、その後放冷した。以上の工程によって重量14
5.1gの生成物が得られた。生成物は成形体に対して
60.5%重量増加していた。この生成物のX線回折パ
ターンを確認したところ、TiB2 の回折ピークは認め
られず、BN及びTiNの回折ピークが認められた。こ
のことから、十分に窒化が進行していると判断された。
推定組成はBN44.5重量%、TiN55.5重量%
であった。嵩密度は1.89g/cm3 であり、JISに
よる4点曲げ試験により61MPaの曲げ強さが得られ
た。 (実施例6)粒径7〜11μmのZrB2 粉末を一軸プ
レスによって成形し、寸法27mm×27mm×50mm、重
量123.4gの成形体を得た。この成形体を炉内に装
入し、この成形体に10MPaのHP圧力を加えた後、
炉内を10-3Torrに達するまで真空引きし、次いでN2
ガス(N2 100vol %)を供給してガス圧1atm と
し、そのガス圧を保持しつつ、昇温速度5℃/min で1
800℃まで加熱した。そして、1800℃で2時間保
持し、その後放冷した。以上の工程によって重量16
9.3gの生成物が得られた。生成物は成形体に対して
37.2%重量増加していた。この生成物のX線回折パ
ターンを確認したところ、ZrB2 の回折ピークは認め
られず、BN及びZrNの回折ピークが認められた。こ
のことから、十分に窒化が進行していると判断された。
推定組成はBN32.0重量%、ZrN 68.0重量
%であった。嵩密度は3.74g/cm3 であり、JIS
による4点曲げ試験により100MPaの曲げ強さが得
られた。 (実施例7)粒径2〜5μmのNbB2 粉末を一軸プレ
スによって成形し、寸法27mm×27mm×50mm、重量
140.0gの成形体を得た。この成形体を炉内に装入
し、この成形体に10MPaのHP圧力を加えた後、炉
内を10-3Torrに達するまで真空引きし、次いでN2 ガ
ス(N2 100vol %)を供給してガス圧1atm とし、
そのガス圧を保持しつつ、昇温速度5℃/min で180
0℃まで加熱した。そして、1800℃で2時間保持
し、その後放冷した。以上の工程によって重量186.
2gの生成物が得られた。生成物は成形体に対して3
3.0%重量増加していた。この生成物のX線回折パタ
ーンを確認したところ、NbB2 の回折ピークは認めら
れず、BN及びNbNの回折ピークが認められた。この
ことから、十分に窒化が進行していると判断された。推
定組成はBN31.7重量%、NbN68.3重量%で
あった。嵩密度は4.73g/cm3 であり、JISによ
る4点曲げ試験により86MPaの曲げ強さが得られ
た。 (実施例8)粒径7〜11μmのCrB粉末を一軸プレ
スによって成形し、寸法27mm×27mm×50mm、重量
111.7gの成形体を得た。この成形体を炉内に装入
し、この成形体に10MPaのHP圧力を加えた後、炉
内を10-3Torrに達するまで真空引きし、次いでN2 ガ
ス(N2 100vol %)を供給してガス圧1atm とし、
そのガス圧を保持しつつ、昇温速度5℃/min で140
0℃まで加熱した。そして、1400℃で2時間保持
し、その後放冷した。以上の工程によって重量145.
3gの生成物が得られた。生成物は成形体に対して3
0.1%重量増加していた。この生成物のX線回折パタ
ーンを確認したところ、CrBの回折ピークは認められ
ず、BN及びCr2 Nの回折ピークが認められた。この
ことから、十分に窒化が進行していると判断された。推
定組成はBN29.6重量%、Cr2N70.4重量%
であった。嵩密度は3.47g/cm3 であり、JISに
よる4点曲げ試験により88MPaの曲げ強さが得られ
た。 (実施例9)粒径3〜6μmのCrB2 粉末を一軸プレ
スによって成形し、寸法27mm×27mm×50mm、重量
111.9gの成形体を得た。この成形体を炉内に装入
し、この成形体に10MPaのHP圧力を加えた後、炉
内を10-3Torrに達するまで真空引きし、次いでN2 ガ
ス(N2 100vol %)を供給してガス圧1atm とし、
そのガス圧を保持しつつ、昇温速度5℃/min で140
0℃まで加熱した。そして、1400℃で2時間保持
し、その後放冷した。以上の工程によって重量159.
8gの生成物が得られた。生成物は成形体に対して4
2.8%重量増加していた。この生成物のX線回折パタ
ーンを確認したところ、CrB2 の回折ピークは認めら
れず、BN及びCr2 Nの回折ピークが認められた。こ
のことから、十分に窒化が進行していると判断された。
推定組成はBN45.7重量%、Cr2 N54.3重量
%であった。嵩密度は2.94g/cm3 であり、JIS
による4点曲げ試験により80MPaの曲げ強さが得ら
れた。 (実施例10)粒径2〜5μmのAlB2 粉末と粒径2
〜3μmのAl2 O3 粉末とを夫々80重量%及び20
重量%の割合で混合し、一軸プレスによって成形し、寸
法27mm×27mm×50mm、重量66.2gの成形体を
得た。この成形体を炉内に装入し、この成形体に10M
PaのHP圧力を加えた後、炉内を10-3Torrに達する
まで真空引きし、次いでN2 ガス(N2 100vol %)
を供給してガス圧1atmとし、そのガス圧を保持しつ
つ、昇温速度5℃/min で1400℃まで加熱した。そ
して、1400℃で2時間保持し、その後放冷した。以
上の工程によって重量107.3gの生成物が得られ
た。生成物は成形体に対して62.1%重量増加してい
た。この生成物のX線回折パターンを確認したところ、
AlB2 及びAl2 O3 の回折ピークは認められず、B
N及びAlONの回折ピークが認められた。このことか
ら、十分に窒化が進行していると判断された。推定組成
はBN47.7重量%、AlON52.3重量%であっ
た。嵩密度は2.39g/cm3 であり、JISによる4
点曲げ試験により160MPaの曲げ強さが得られた。 (実施例11)粒径7〜11μmのTiB2 粉末と粒径
1〜3μmのTiN粉末とを夫々30重量%及び70重
量%の割合で混合し、一軸プレスによって成形し、寸法
27mm×27mm×50mm、重量99.7gの成形体を得
た。この成形体を炉内に装入し、炉内を10-3Torrに達
するまで真空引きし、次いでN2 ガス(N2 100vol
%)を供給してガス圧1atm とし、そのガス圧を保持し
つつ、昇温速度5℃/min で1800℃まで加熱した。
そして、1800℃で2時間保持し、その後放冷した。
以上の工程によって重量116.0gの生成物が得られ
た。生成物は成形体に対して16.3%重量増加してい
た。この生成物のX線回折パターンを確認したところ、
TiB2 の回折ピークは認められず、BN及びTiNの
回折ピークが認められた。このことから、十分に窒化が
進行していると判断された。推定組成はBN18.1重
量%、TIN81.9重量%であった。嵩密度は2.5
1g/cm3 であり、JISによる4点曲げ試験により4
6MPaの曲げ強さが得られた。 (実施例12)粒径7〜11μmのTiB2 粉末と粒径
7〜11μmのZrB2 粉末とを夫々50重量%ずつの
割合で混合し、一軸プレスによって成形し、寸法27mm
×27mm×50mm、重量106.9gの成形体を得た。
この成形体を炉内に装入し、この成形体に10MPaの
HP圧力を加えた後、炉内を10-3Torrに達するまで真
空引きし、次いでN2 ガス(N2 100vol %)を供給
してガス圧1atm とし、そのガス圧を保持しつつ、昇温
速度5℃/min で1800℃まで加熱した。そして、1
800℃で2時間保持し、その後放冷した。以上の工程
によって重量156.0gの生成物が得られた。生成物
は成形体に対して45.9%重量増加していた。この生
成物のX線回折パターンを確認したところ、TiB2 及
びZrB2の回折ピークは認められず、BN、TiN及
びZrNの回折ピークが認められた。このことから、十
分に窒化が進行していると判断された。推定組成はBN
38.0重量%、TIN27.8重量%、ZrN34.
2重量%であった。嵩密度は3.36g/cm3 であり、
JISによる4点曲げ試験により102MPaの曲げ強
さが得られた。 (比較例1)ここでは、実施例5で得られたBN44.
5重量%、TiN55.5%の複合材料と同じ組成の複
合材料をBN及びTiNを出発原料として作製した。
mのTiN粉末を夫々44.5重量%及び55.5重量
%の割合で混合し、一軸プレスによって成形し、寸法2
7mm×27mm×50mm、重量67.3gの成形体を得
た。この成形体を炉内に装入し、炉内を10-3Torrに達
するまで真空引きし、次いでN2 ガス(N2 100vol
%)を供給してガス圧1atm とし、そのガス圧を保持し
つつ、昇温速度5℃/min で1800℃まで加熱した。
そして、1800℃で2時間保持し、その後放冷した。
以上の工程によって重量67.0gの生成物が得られ、
若干の重量減少が見られた。この生成物のX線回折パタ
ーンを確認したところ、BN及びTiNの回折ピークが
確認された。嵩密度は2.19g/cm3 であり、JIS
による4点曲げ試験では曲げ強さが8MPaであって、
実施例5の61MPaに比較して著しく低い値となっ
た。このことから焼結が不十分であることが確認され
た。 (比較例2)ここでは、実施例6で得られたBN32.
0重量%、ZrN68.0%の複合材料と同じ組成の複
合材料をBN及びZrNを出発原料として作製した。
mのZrN粉末を夫々32.0重量%及び68.0重量
%の割合で混合し、一軸プレスによって成形し、寸法2
7mm×27mm×50mm、重量85.1gの成形体を得
た。この成形体を炉内に装入し、この成形体に10MP
aのHP圧力を加えた後、炉内を10-3Torrに達するま
で真空引きし、次いでN2 ガス(N2 100vol %)を
供給してガス圧1atm とし、そのガス圧を保持しつつ、
昇温速度5℃/min で1800℃まで加熱した。そし
て、1800℃で2時間保持し、その後放冷した。以上
の工程によって重量84.7gの生成物が得られ、若干
の重量減少が見られた。この生成物のX線回折パターン
を確認したところ、BN及びZrNの回折ピークが確認
された。嵩密度は2.34g/cm3 であり、JISによ
る4点曲げ試験では曲げ強さが13MPaであって、実
施例6の100MPaに比較して著しく低い値となっ
た。このことから焼結が不十分であることが確認され
た。以上の実施例1〜12の製造条件及び特性を表1及
び表2に、比較例1及び2の製造条件及び特性を表3に
まとめて示す。
化物を主原料として用い、これを窒化させて窒化ホウ素
含有無機材料を製造するにあたり、窒化に伴う発熱によ
り焼結を促進させるので、特別に焼結助剤を添加するこ
となく所期の特性を有する窒化ホウ素含有無機材料を製
造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 周期律表II〜VI族に属する少なくとも1
種の元素のホウ化物を20重量%以上含む無機粉末の充
填体又は成形体を窒化させ、前記ホウ化物の50重量%
以上をBNと前記元素又はその窒化物とに転化させるこ
とを特徴とする窒化ホウ素含有無機材料の製造方法。 - 【請求項2】 CaB6 、AlB2 、AlB12、TiB
2 、ZrB2 、NbB2 、CrB、CrB2 の中から選
択された少なくとも1種のホウ化物を20重量%以上含
む無機粉末の充填体又は成形体を窒化させ、前記ホウ化
物の50重量%以上をBNと前記ホウ化物の構成元素の
窒化物とに転化させることを特徴とする窒化ホウ素含有
無機材料の製造方法。 - 【請求項3】 B4 Cを20重量%以上含む無機粉末の
充填体又は成形体を窒化させ、B4 Cの50重量%以上
をBNとCとに転化させることを特徴とする窒化ホウ素
含有無機材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5194801A JP2927149B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 窒化ホウ素含有無機材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5194801A JP2927149B2 (ja) | 1993-08-05 | 1993-08-05 | 窒化ホウ素含有無機材料の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748105A JPH0748105A (ja) | 1995-02-21 |
JP2927149B2 true JP2927149B2 (ja) | 1999-07-28 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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---|---|---|---|---|
JP3175483B2 (ja) * | 1994-06-30 | 2001-06-11 | 日本鋼管株式会社 | 窒化ホウ素含有材料およびその製造方法 |
KR101412774B1 (ko) | 2012-07-27 | 2014-07-02 | 서울대학교산학협력단 | 다공성 질화붕소 및 이의 제조방법 |
-
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- 1993-08-05 JP JP5194801A patent/JP2927149B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0748105A (ja) | 1995-02-21 |
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