JP3285621B2 - 窒化珪素粉末の製造方法 - Google Patents
窒化珪素粉末の製造方法Info
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Description
プ特性等の高温特性に優れた焼結体を製造することがで
きる窒化珪素粉末の製造方法に関する。詳しくは、F、
Fe、Al及びCaの不純物量の少ない窒化珪素粉末を
金属珪素直接窒化法によって製造する方法に関する。
耐熱性、耐蝕性、耐熱衝撃性等に優れた材料であること
から、各種産業機構部品、自動車部品、ガスタービン部
品等の利用が進められている。
素直接窒化法、シリカ還元法、ハロゲン化珪素法が工業
化されている。これらの製法で得られた粉末は、それぞ
れ異なった粉体特性を有し、焼結性や焼結体特性に大き
く影響している。一般に、高温特性は、粒界相の特性に
大きく影響されるので、それを向上させるには高純度の
窒化珪素粉末が用いられている。
粉末を原料とし、さらには得られた窒化珪素粉末のFe
等の金属不純物量を低減するために、酸による精製処理
を行って純度の向上を図っている。しかしながら、この
方法で製造された高純度窒化珪素粉末であっても、高温
特性に優れた焼結体が必ずしも得られないという問題が
あった。
性に優れ、高温強度等の高温特性に優れた焼結体を製造
することができる窒化珪素粉末、すなわちF含有量30
0ppm以下、Fe、Al及びCaの合計含有量が50
0ppm以下の窒化珪素粉末を、量産化の容易な金属珪
素直接窒化法によって製造することである。
酸で処理して金属不純物量を低減させた比表面積1〜2
m 2 /g程度の金属珪素粉末を、カサ比重0.8〜1.
5の成形体に成形した後、窒素及び/又はアンモニアを
含む雰囲気中、加熱して窒化珪素インゴットを製造し、
次いでそれを所望粒度まで粉砕してから混酸で処理して
Fe、Al及びCaの合計含有量を500ppm以下と
した後、さらに水素及び/又はアンモニアを含む雰囲気
中、温度1000〜1600℃で処理するか、又はアル
カリ性溶液中で処理してF含有量を300ppm以下す
ることを特徴とする窒化珪素粉末の製造方法である。
る。
窒化珪素粉末を用い、その不純物量と焼結性及び焼結体
特性の関係について種々検討した結果、精製処理を行っ
た高純度の窒化珪素粉末において、Fe等の金属不純物
量が同程度であっても、精製時に使用する酸の種類と濃
度によって得られた窒化珪素粉末のハロゲン不純物量が
異なり、高温強度が著しく影響されることを見いだし
た。
は、初期焼結時に焼結助剤と反応し、生成する粒界相の
粘性低下等を起こして焼結性を低下させる。また、焼結
体の粒界相中に残留したFは1200℃以上の高温では
不安定であるので高温クリープ等の高温特性を低下させ
る。
F含有量を300ppm以下好ましくは100ppm以
下に限定した。Fの含有量が300ppmをこえると、
初期焼結時にFが焼結助剤と反応して生成する液相の粘
性を低下させ、焼結性が低下して十分に緻密化できなか
ったり、焼結体密度がばらついて曲げ強度等が低下した
りする。さらには、焼結体の粒界相に残留したFは、1
200℃の高温で不安定となり、粒界相中を移動したり
揮発したりして高温強度や高温クリープ特性が低下す
る。
Fe、Al及びCaの合計を500ppm以下に限定し
た。本発明において、金属不純物成分としてFe、Al
及びCaに着目した理由は、これらの金属は、焼結時に
粒界相に固溶又は偏析して粒界相の軟化温度を低下させ
たり粒界相の結晶化を阻害させて高温特性を低下させや
すい成分であるからであり、それらの合計を500pp
m以下に限定したのも同様な理由による。Fe、Al及
びCaのそれぞれの含有量は300ppmをこえないこ
とが望ましい。
は、焼結助剤の種類によっても異なるが、3重量%以下
であることが好ましい。3重量%をこえると、焼結助剤
と反応して生成する粒界相中のSiO2 量が増加し、高
温特性を低下させる。
ては、BET法で測定された比表面積が6m2/g以上で
あることが好ましい。比表面積が6m2/g未満では焼結
性が低下し、十分に緻密化した焼結体を得ることが困難
となる。比表面積の上限については特に制限はなく極端
にカサ高となって成形ができなくならなければよい。
比表面積1〜2m2/g程度に粉砕してから塩酸とフッ
酸等の混酸で処理して金属不純物量を低減させた後、カ
サ比重0.8〜1.5程度の成形体に成形し、それを窒
素及び/又はアンモニアを含む雰囲気中、例えば温度1
300〜1500℃で加熱して窒化珪素インゴットを製
造する。次いで、それを所望の粒度まで粉砕した後、上
記混酸で処理してFe、Al及びCaの合計含有量を5
00ppm以下とした後、さらに水素及び/又はアンモ
ニアを含む雰囲気中、温度1000〜1600℃で処理
するか、又はアンモニア、NaOH等のアルカリ性溶液
中で処理してF含有量を300ppm以下に低減させる
ことによって製造することができる。
に本発明を説明する。
からなる温度50℃の混酸により2時間の純化処理を行
ってから、カサ密度1.0g/cm3 の成形体を成形し
た。それを窒素及びアンモニアを含む雰囲気中、120
0〜1450℃の温度で窒化し、α分率92%の窒化珪
素インゴットを製造し、次いで、それを粗砕・中砕及び
ボールミルで湿式粉砕した後、上記混酸の濃度を変えて
2時間の精製処理を行った。
の異なる窒化珪素粉末の100gを直径50mmのアル
ミナ管に充填し、菅状炉にて窒素及び水素の混合雰囲気
中で窒素分圧を変え、温度1300℃、1時間の熱処理
を行い、F含有量の異なる窒化珪素粉末を製造した。そ
れらの粉体特性を表1に示す。
1.5μmのY2 O3 粉末6重量部とを配合し、1,
1,1−トリクロロエタン中で4時間ボールミルで湿式
混合し、乾燥した後、粉末の50gを直径60mmのカ
ーボンダイスに充填し、窒素雰囲気中、温度1800
℃、圧力400kg/cm2 で2時間のホットプレス焼
結を行った。
加工後、相対密度(アルキメデス法)と温度1200℃
及び1300℃における4点曲げ強度(島津製作所社製
「オートグラフAG−200A」)を測定した。また、
大気中、温度1250℃、引っ張り応力250MPaに
おける1000時間の高温クリープ評価を行った。それ
らの結果を表2に示す。
定は、以下の方法によった。 (1)Fe、Al及びCaの金属不純物量(ppm):
JIS G 1322に準じる。 (2)F量(ppm):パイロハイドリシス蒸留、イオ
ンクロマトグラフィ−法による。 (3)酸素量(重量%):LECO社製O/N同時分析
計「TC−136」による。 (4)比表面積(m2/g):湯浅アイオニクス社製、カ
ンターソーブJr.BET1点法による。
珪素粉末100g、直径15mmの窒化珪素製ボール1
000g及びpHを9〜14に調整したアンモニア水1
リットルを2リットルのボールミルに充填し、2時間湿
式混合した。得られたスラリーをろ過器にて純水で十分
洗浄した後、乾燥・解砕してFe、Al及びCaの合計
含有量が同じでF含有量の異なる窒化珪素粉末を製造し
た。それらの粉体特性を表3に示す。次いで、これらの
窒化珪素粉末を用いて実施例1と同様の手法にて焼結体
を製造し、焼結体特性を評価した。それらの結果を表4
に示す。
度と高温クリープ特性に優れた窒化珪素焼結体を製造す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 混酸で処理して金属不純物量を低減させ
た比表面積1〜2m 2 /gの金属珪素粉末を、カサ比重
0.8〜1.5の成形体に成形した後、窒素及び/又は
アンモニアを含む雰囲気中、加熱して窒化珪素インゴッ
トを製造し、次いでそれを所望粒度まで粉砕してから混
酸で処理してFe、Al及びCaの合計含有量を500
ppm以下とした後、さらに水素及び/又はアンモニア
を含む雰囲気中、温度1000〜1600℃で処理する
か、又はアルカリ性溶液中で処理してF含有量を300
ppm以下することを特徴とする窒化珪素粉末の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28877392A JP3285621B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 窒化珪素粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28877392A JP3285621B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 窒化珪素粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06135706A JPH06135706A (ja) | 1994-05-17 |
JP3285621B2 true JP3285621B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=17734534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28877392A Expired - Fee Related JP3285621B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 窒化珪素粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (3)
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EP3950583B1 (en) * | 2019-03-29 | 2024-04-17 | Denka Company Limited | Silicon nitride powder and method for producing same, and method for producing silicon nitride sintered body |
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-
1992
- 1992-10-27 JP JP28877392A patent/JP3285621B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06135706A (ja) | 1994-05-17 |
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