JP3525169B2 - 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形品 - Google Patents

耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形品

Info

Publication number
JP3525169B2
JP3525169B2 JP20132393A JP20132393A JP3525169B2 JP 3525169 B2 JP3525169 B2 JP 3525169B2 JP 20132393 A JP20132393 A JP 20132393A JP 20132393 A JP20132393 A JP 20132393A JP 3525169 B2 JP3525169 B2 JP 3525169B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
injection
impact
particle size
polystyrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20132393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0733833A (ja
Inventor
玲 山宮
昌弘 深野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP20132393A priority Critical patent/JP3525169B2/ja
Publication of JPH0733833A publication Critical patent/JPH0733833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3525169B2 publication Critical patent/JP3525169B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、すぐれた成形加工性
と、耐衝撃性を有する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を用
いた射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂は、他樹脂に比較し
て成形加工性に優れている為、家庭電化製品、玩具、日
用品、雑貨等の広範な用途に用いられている。これらの
成形品は比較的大きなマーケットを形成している為、ほ
とんどが射出成形法により賦形されている。
【0003】射出成形によって熱可塑性樹脂を溶融充
填、冷却固化し射出成形品を得る方法においては、射出
成形金型内に最初に閉じこめられている空気および熱可
塑性樹脂の熱分解によって生ずる分解ガスが原因となる
溶融樹脂の未充填現象、いわゆるショートショット、湯
ジワなどが発生し成形品の外観を著しく損なうことがた
びたび問題になる。
【0004】従来、このような現象が生じた場合には、
射出成形金型にガス抜きを設けて解決を図る場合が多
い。
【0005】一方、ゴム変性ポリスチレン系樹脂は、従
来から工業的に多く用いられるが、その分散粒子径は一
般に1.0〜5.0μm程度であり、最近は成形品外
観、光沢を向上させるためゴム粒子径の小さいものが開
発上市されているが、衝撃性と成形加工性に於いて必ず
しも満足できるものではない。衝撃強度と光沢のバラン
スを改良するため1.0μm以下の小さなゴム粒子径を
有するゴム変性ポリスチレンと大きなゴム粒子径を有す
るゴム変性ポリスチレンとのブレンド物が、特公昭46
−41467号公報、特公昭59−1519号公報、米
国特許第4146589号明細書、米国特許第4214
056号明細書、米国特許第4493922号明細書の
先行文献に述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記ショー
トショット、湯ジワなどをガス抜きで防止しようとして
も、金型設計上どうしてもガス抜きを設ける事が出来な
い精密成形品の場合には、樹脂の熱分解によって発生す
る分解ガス及び揮発性添加剤を極力低減する必要があ
る。
【0007】しかし、このような対策によって金型内の
ガスを低減しても、樹脂の充填が充分でなく良好な成形
品が得られない場合がある。特にハイサイクル成形が要
求される場合には、射速を上げると金型内のエアーの追
い出しが不十分となる。
【0008】また、前記従来のゴム変性ポリスチレンに
よって射出成形品の光沢を改良した場合には、上記射出
成形金型内充満ガスによる樹脂のショートショットが著
しくなることが分った。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を用い、しかもショ
ートショットや湯ジワなどによる外観低下の無い射出成
形品を提供するものである。
【0010】すなわち本発明は、特殊な耐衝撃性ポリス
チレン系樹脂を用いて、射出成形による溶融樹脂の充填
と冷却固化を経て射出成形品を得る方法において、射出
成形金型内に最初に閉じこめられている空気および熱可
塑性樹脂の熱分解によって生ずる分解ガスが原因となる
溶融樹脂の未充填現象、いわゆるショートショット、湯
ジワなどが発生し成形品の外観を著しく損なうという問
題に解決方法をあたえるものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1の発明
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を用いて、射出成形法
により溶融樹脂の充填と冷却過程を経て得られる耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂の成形品であって、樹脂が充填さ
れる過程で金型内の空気、ガスの影響によって成形品に
生ずる未充填部分特にショートショット及び湯ジワ
無く、かつ表面粗度が0.5μm以上1.5μm以下で
り、しかも耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が、ポリスチ
レン系樹脂中にゴム状重合体が粒子状に分散したもの
で、その分散粒子は広い粒子径分布を有し、平均粒子径
が1.8〜4.0μmであり、全ゴム状重合体分散粒子
のうち、2.0μm以上4.0μm未満の粒径を有する
分散粒子が10〜25wt%、4.0μm以上6.0μ
m未満の粒径を有する分散粒子が5〜40wt%、6.
0μm以上の粒径を有する分散粒子が1〜30wt%で
あることを特徴とする耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の
出成形品に関するものである。
【0012】また、請求項2の発明は、射出成形品中に
含有される揮発性成分の総量が1500ppm以下であ
射出成形品に関するものである。
【0013】更に請求項3の発明は、耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂100重量部当たり4〜35重量部の難燃化
剤を含有することを特徴とする射出成形品を与えるもの
である。
【0014】本発明の射出成形品は、ショートショッ
ト、湯ジワのない良好な外観を有し、工業部品として応
用の範囲は広い。
【0015】本発明の射出成形品はポリスチレン系樹脂
中にゴム状重合体が粒子状に分散しており、その分散粒
子は広い粒子径分布を有し平均粒子径が1.8〜4.0
μmであり、全ゴム状重合体分散粒子のうち、2.0μ
m以上4.0μm未満の粒径を有する分散粒子が10〜
25wt%、4.0μm以上6.0μm未満の粒径を有
する分散粒子が5〜40wt%、6.0μm以上の粒径
を有する分散粒子が1〜30%である耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂を用いることで容易に得ることができる。
【0016】分散粒子が上記範囲より小さい場合には本
発明の効果である外観の優れた成形品を得る事が困難と
なる。また分散粒子が上記範囲より大きくなった場合に
は弾性率の低下が著しく問題となる。
【0017】本発明の射出成形品の表面粗度は0.5〜
1.5μmの範囲であることが必要である。表面粗度が
0.5μm未満である場合には射出成形品の未充填部分
が発生しやすく、表面粗度が1.5μmを越えた場合に
は射出成形品の表面光沢が非常に低下し問題である。
【0018】本発明の射出成形品に含有される揮発性成
分、例えばエチルベンゼン、キシレン、プロピルベンゼ
ン、スチレンモノマー、ビスヒドロキシトルエンなど
は、これらを合わせた総量が1500ppm以下である
ことが好ましい。1500ppmを越えて含有する場合
には射出成形時に金型内に充満するガス量が多くなりや
すい。
【0019】本発明で用いる耐衝撃性ポリスチレン系樹
脂はゴム変性ポリスチレンで、ゴム状重合体の存在下に
芳香族モノビニル単量体を重合せしめる塊状重合法また
は塊状懸濁重合法で製造することができる。本発明で用
いる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は特殊なゴム変性ポリ
スチレンで、重合工程における撹はんの状態、ゴム粒子
生成時の混合状態等をコントロールすることにより製造
することができる。
【0020】芳香族モノビニル単量体としては、例えば
スチレン及びp−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核
置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−
メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレンなどが用
いられる。
【0021】ゴム状重合体としては、例えばポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン共重合体などがあり、ポリ
ブタジエンとしてはシス含量の高いハイシスポリブタジ
ェンを用いる事もできる。
【0022】本発明で用いる、ゴム粒子径分布が広い分
布を示す耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、小粒子ゴムを
含有するゴム変性ポリスチレン系樹脂と大粒子ゴムを含
有するゴム変性ポリスチレン系樹脂とを別々に重合し、
押出機などでブレンドする事により製造する事ができ
る。
【0023】耐衝撃性ポリスチレン系樹脂中のゴム状重
合体の量は、5wt%を超え、15wt%以下であるこ
とが好ましい。5wt%以下となると外観が低下しやす
く、また15wt%を超えると、射出成形品の剛性が低
下しやすくなる。
【0024】本発明に用いる耐衝撃性ポリスチレン系樹
脂は、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、例えばステアア
リン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、高級脂肪酸のアミド類、
例えばエチレンビスステアリルアミドの滑剤等を組み合
わせて添加することにより衝撃強度、射出成形加工性の
点で良い結果が得られるので、これらを添加することが
好ましい。用いる滑剤の量は0.01〜1.0重量%好
ましくは0.1〜0.5重量%である。
【0025】また本発明で用いる耐衝撃性ポリスチレン
系樹脂には、衝撃強度、射出成形加工性に考慮しなが
ら、難燃剤、離型剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、染
顔料、を添加することができる。
【0026】難燃剤としては、通常ゴム変性ポリスチレ
ンに用いる有機ハロゲン系、有機リン系、金属水酸化物
などが使用できる。
【0027】該有機ハロゲン系難燃剤としては、例えば
芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロ
ゲン化ポリカーボネート樹脂、ハロゲン化芳香族ビニル
系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポ
リフェニレンエーテル、ハロゲン化ポリフェニレンチオ
エーテルなどが挙げられ、これらのうち熱安定性の点か
ら、芳香族ハロゲン化合物の使用が最も好ましい。
【0028】有機ハロゲン系難燃剤の好ましい例として
は、デカブロモジフェニレンオキシド、ブロム化ビスフ
ェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フ
ェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネ
ート樹脂、ブロム化ポリスチレン樹脂、ブロム化架橋ポ
リスチレン樹脂、ブロム化ビスフェノール系シアヌレー
ト樹脂、ブロム化ポリフェニレンエーテル、ポリブロモ
フェニレンエーテル、デカブロモジフェニレンオキシ
ド、ビスフェノール縮合物(デトラブロモビスフェノー
ルAモノマー、又はそのオリゴマー)などが挙げられ
る。
【0029】また、有機リン系難燃剤としては、例えば
トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ビス
(トリブロモネオペンチル)ジクロロプロピルホスフェ
ート、ビス(トリブロモネオペンチル)クロロプロピル
ホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)クロロ
エチルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)
メチルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)
エチルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)
フェニルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチ
ル)クレジルホスフェート、ビス(トリブロモネオペン
チル)トリブロモフェニルホスフェート、ビス(ジクロ
ロプロピル)トリブロモネオペンチルホスフェート、ビ
ス(クロロプロピル)トリブロモネオペンチルホスフェ
ート、ビス(クロロエチル)トリブロモネオペンチルホ
スフェート、ジメチルトリブロモネオペンチルホスフェ
ート、ジエチルトリブロモネオペンチルホスフェート、
ジフェニルトリブロモネオペンチルホスフェート、ジク
レジルトリブロメネオペンチルホスフェート、ビス(ト
リブロモフェニル)トリブロモネオペンチルホスフェー
トなどがある。
【0030】これらの難燃剤は、1種又は2種以上を、
通常、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂100重量部当たり
4〜35重量部、好ましくは10〜25重量部の割合で
添加される。またこれらの難燃剤の効果を向上させるた
めに、難燃助剤を併用することができる。この難燃助剤
としては、例えば、三酸化モリブデン、モリブデン酸、
アンモニウム等のモリブデン化合物、三酸化アンチモン
等のアンチモン化合物などが挙げられるが、特に好まし
いのは三酸化アンチモンである。この難燃助剤の使用量
は、通常、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂100重量部当
たり2〜10重量部の範囲で選ばれる。
【0031】本発明で用いる耐衝撃性ポリスチレン系樹
脂は、通常、組成物としては射出成形に供されるもの
で、必要に応じて用いられる各種添加成分を公知の方
法、例えばヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、
スーパーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、ロ
ール、単軸押出し機、二軸押出し機等を使用して混練す
る方法により調製することができる。この際混練温度は
180℃〜280℃の範囲が好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明は、ハイサイク性と精密な成形
部品を与える成形加工性と、耐衝撃性とを有する耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂を用いて外観に優れた射出成形品
を与える本発明の射出成形品は弱電機器、雑貨等の分
野において、特に複雑な形状のため樹脂の充填が十分で
ない成形品において好ましい結果を与える。例えば、フ
レームシャーシー、トナーカートリッジ、トナー容器、
プリンター、ファクシミリ等のハウジング等が特に好ま
しい。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0034】なお試験片の各物性は次に示す方法に従っ
て求めた。
【0035】(1)アイゾット衝撃強度:ASTM・D
256により、23℃でノッチ付き試験片を用いて測定
した。
【0036】(2)曲げ弾性率:ASTM・D648に
より測定した。
【0037】(3)加熱変形温度:ASTM・D648
により測定した。
【0038】(4)燃焼性:米国アンダーライターズ・
ラボラトリー・インコーポレーション(Underwr
iters Laboratories Inc.,
U.S.A.)より出版された「UL94・安全規格:
機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験」(第3版)
の7〜10項目の記載の94V−2、94V−1、94
V−0(以下「V−2」、「V−1」、「V−0」と略
する)への分類は、以下の基準によった。
【0039】(イ)94V−0と認定される材料は下記
の条件に適合しなければならない。
【0040】A.すべての試料は、毎回炎をあてた後、
10秒以上炎を出して燃焼しないこと。
【0041】B.各組5枚の試料に合計10回の接炎を
行い、炎を出して燃焼する時間の合計が50秒を超えな
いこと。
【0042】C.すべての試料は、有炎または無炎の燃
焼が支持クランプの所まで達しないこと。
【0043】D.すべての試料は、有炎の滴下物によ
り、試料の12インチ(305mm)下にある乾燥した
外科用脱脂綿を着火しないこと。
【0044】E.すべての試料は、第2回目の炎を遠ざ
けた後、30秒以上無炎の燃焼を続けないこと。
【0045】(ロ)94V−1と認定される材料は下記
の条件に適合しなければならない。
【0046】A.すべての試料は、毎回炎をあてた後、
30秒以上炎を出して燃焼しないこと。
【0047】B.各組5枚の試料に合計10回の接炎を
行い、炎を出して燃焼する時間の合計が250秒を超え
ないこと。
【0048】C.すべての試料は、有炎または無炎の燃
焼が支持クランプの所まで達しないこと。
【0049】D.すべての試料は、有炎の滴下物によ
り、試料の12インチ(305mm)下にある乾燥した
外科用脱脂綿を着火しないこと。
【0050】E.すべての試料は、第2回目炎を遠ざけ
た後、60秒以上無炎の燃焼を続けないこと。
【0051】(ハ)94V−2と認定される材料は下記
の条件に適合しなければならない。
【0052】A.すべての試料は、毎回炎をあてた後、
30秒以上炎を出して燃焼しないこと。
【0053】B.各組5枚の試料に合計10回の接炎を
行い、炎を出して燃焼する時間の合計が250秒を超え
ないこと。
【0054】C.すべての試料は、有炎または無炎の燃
焼が支持クランプの所まで達しないこと。
【0055】D.すべての試料は、有炎の滴下物によ
り、試料の12インチ(305mm)下にある乾燥した
外科用脱脂綿を着火することは許される。
【0056】E.すべての試料は、第2回目炎を遠ざけ
た後、60秒以上無炎の燃焼を続けないこと。
【0057】(5)表面粗度測定 非接触式三次元粗さ測定機(ミツトヨ:SURFTES
T・500)を用いてサンプル表面に真上からレーザー
光線を照射してZ軸方向の変位を測定する。(4mm長
さに付き4000区分の測定を3箇所実施し平均し
た。) 平均粗度計算式:Ra=Σ|f(xn)|/n (6)外観 種々のゴム変性ポリスチレンを、シリンダー温度200
℃で射出成形しその外観を目視により判定した。金型は
ガス抜きのない箱金型(成形品:50mm×120mm
×40mm)を用いた。成形機は住友重工SG−100
トンを使用し、成形条件は金型温度:60℃、射出速
度:50mm、70mm、100mm/Sで評価を行っ
た。
【0058】評価は5段階で行い、5が最も優れている
ものとした。
【0059】(7)揮発性成分 ガスクロマトグラフィー(島津製作所:GC−9A)に
より、50℃で5分間安定させた後、1分間に10℃ず
つ300℃まで昇温させ、300℃で20分間ホールド
させたときの揮発分を測定した。
【0060】(8)コールターカウンターによる分散粒
径測定法 30ミクロンのアパチャーチューブを装着したコールタ
ーカウンター(日科機:TA−IIser6417)に
おいて樹脂ペレット5〜6粒をジメチルフォルムアミド
3〜4ccに溶解する。その後ジメチルホルムアミド電
解質溶液に適度な濃度で分散させて測定する。
【0061】実施例1〜4、比較例1 ハイシス、高分子量のポリブタジエンの存在下にスチレ
ンモノマーを撹はん下で重合し、その際の撹はん力の強
さをコントロールすることによって、平均粒子径が1.
8〜3.6μmで、樹脂中のポリブタジエン成分の含有
量が12重量%である4種の耐衝撃性ポリスチレンを得
た。
【0062】ゴム変性ポリスチレンを射出成形し、試験
片を作成した。得られた試験片の諸性質を先に述べた方
法に従って測定評価した。
【0063】結果を表1に示す。
【0064】実施例5〜6、比較例2 上記実施例2,4、比較例1の耐衝撃性ポリスチレン1
00部に対し、一般的に用いられている難燃剤であるデ
カブロモジフェニルオキサイド(DBDPO)15部、
テトラブロモビフェノールA(TBBA)を15部添加
し、2軸押出し機で溶融混練(シリンダー設定温度22
0℃)したのち、射出成形し、試験片を作成した。得ら
れた試験片の諸性質を先に述べた方法に従って測定評価
した。
【0065】結果を表2に示す。
【0066】実施例7及び8 ポリブタジエンの含有率が10wt%の耐衝撃性ポリス
チレンと、この耐衝撃性ポリスチレン50重量部とポリ
スチレン50重量部の混合物とから試験片を作成し、こ
の試験片の諸性質を先に述べた方法によって測定評価し
た。
【0067】結果を表3に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−38437(JP,A) 特開 平1−247446(JP,A) 特開 平3−70746(JP,A) 特開 昭62−257956(JP,A) 特開 平1−261444(JP,A) 特開 平5−222125(JP,A) 特開 平6−25432(JP,A) 特表 昭61−500443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 C08F 279/02 C08L 25/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を用いて、
    射出成形法により溶融樹脂の充填と冷却過程を経て得ら
    れる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の成形品であって、樹
    脂が充填される過程で金型内の空気、ガスの影響によっ
    て成形品に生ずるショートショット及び湯ジワが無く
    かつ表面粗度が0.5μm以上1.5μm以下であり、
    しかも耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン系
    樹脂中にゴム状重合体が粒子状に分散したもので、その
    分散粒子は広い粒子径分布を有し、平均粒子径が1.8
    〜4.0μmであり、全ゴム状重合体分散粒子のうち、
    2.0μm以上4.0μm未満の粒径を有する分散粒子
    が10〜25wt%、4.0μm以上6.0μm未満の
    粒径を有する分散粒子が5〜40wt%、6.0μm以
    上の粒径を有する分散粒子が1〜30wt%であること
    を特徴とする耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形
    品。
  2. 【請求項2】 射出成形品中に含有される揮発性成分の
    総量が1500ppm以下であることを特徴とする請求
    項1の射出成形品。
  3. 【請求項3】 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂100重量
    部当たり4〜35重量部の難燃化剤を含有することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の射出成形品。
JP20132393A 1993-07-22 1993-07-22 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形品 Expired - Lifetime JP3525169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20132393A JP3525169B2 (ja) 1993-07-22 1993-07-22 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20132393A JP3525169B2 (ja) 1993-07-22 1993-07-22 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0733833A JPH0733833A (ja) 1995-02-03
JP3525169B2 true JP3525169B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=16439111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20132393A Expired - Lifetime JP3525169B2 (ja) 1993-07-22 1993-07-22 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3525169B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61161188U (ja) * 1985-03-29 1986-10-06
JPH0788195B2 (ja) * 1985-11-25 1995-09-27 ヤマハ発動機株式会社 自動二輪車のリヤア−ム
FR2602185B1 (fr) * 1986-08-01 1990-08-10 Elf France Dispositif de support oscillant pour la roue motrice d'un vehicule
JP2779821B2 (ja) * 1989-01-20 1998-07-23 スズキ株式会社 オートバイのスイングアーム
JP2883349B2 (ja) * 1989-03-30 1999-04-19 ヤマハ発動機株式会社 自動二輪車のリヤアーム枢支部構造
JP2003002274A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Yamaha Motor Co Ltd 車両用リヤアーム及びアーム部製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0733833A (ja) 1995-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002179903A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JPH07278318A (ja) 難燃性cd−rom帰属部品
JP2001040204A (ja) 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物
JP2010090392A (ja) 難燃性スチレン系樹脂組成物
KR101132689B1 (ko) 내스크래치성, 난연성 및 광택 특성이 우수한 수지 조성물
JP3255309B2 (ja) 熱安定性と金型耐腐食特性に優れた樹脂組成物
JP3525169B2 (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の射出成形品
US5741854A (en) Vinyl aromatic resin compositions containing a fluoro olefin polymer and a metal salt or ester or a fatty acid
US5539036A (en) Flame retarded vinyl aromatic polymer composition
JP3632307B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JPH0284457A (ja) 難燃性樹脂組成物
EP0352875B1 (en) A polystyrene resin composition having improved stiffness
JPH08208972A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH03182548A (ja) ホスホン酸塩を含有する難燃性ポリマー組成物
JP4159121B2 (ja) トナーカートリッジ容器
JP3646414B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2008208286A (ja) 低発煙性樹脂組成物
JPH11140270A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
US5229446A (en) Polystyrene resin composition having improved stiffness
KR102639840B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
JPH06172607A (ja) 難燃性ポリスチレン樹脂組成物
JPS60192761A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3217924B2 (ja) 難燃性ゴム変性ポリスチレン系樹脂組成物
JP3590140B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP3098262B2 (ja) 自己消炎性スチレン樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20031125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031125

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20031125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040115

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term