JP3515361B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JP3515361B2
JP3515361B2 JP05077498A JP5077498A JP3515361B2 JP 3515361 B2 JP3515361 B2 JP 3515361B2 JP 05077498 A JP05077498 A JP 05077498A JP 5077498 A JP5077498 A JP 5077498A JP 3515361 B2 JP3515361 B2 JP 3515361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子に
係わり、特に短波長の光が発光可能なGaN系やZnS
e系において高効率の発光を可能にする半導体発光素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイや次世代DVDへの
応用を目指した青色光源として、ZnSe系やGaN系
の半導体発光素子の開発が盛んである。特に、GaN系
の半導体レーザは紫外光までの短波長化が可能であるた
め、DVDの高密度書き込み,読み出し用光源として期
待されている。
【0003】しかしながら、この種の材料系では次のよ
うな問題があった。即ち、ZnSeやGaN等の材料系
では、正孔のみならず電子の有効質量も大きく、レーザ
動作に必要なキャリアの反転分布が生じにくい。このた
め、発振しきい値が、GaAsやInP等の材料系を使
った、より長波長でのレーザに比べ本質的に高いという
問題があった。また、PLピーク波長付近では光損失が
極めて大きく、半導体レーザの発振しきい値は高かっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、Zn
SeやのGaN等の材料系は、正孔,電子の有効質量が
大きく、反転分布が生じにくいため、発振しきい値が従
来の材料系に比べ本質的に高いという問題があった。さ
らに、PLピーク波長付近では光損失が大きく、発振し
きい値が高いという問題があった.本発明は、上記の事
情を考慮して成されたもので、その目的とするところ
は、ZnSeやGaN等の材料系を用いても低しきい値
でのレーザ発振を得ることのできる半導体発光素子を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(構成)上記課題を解決するために本発明は、次のよう
な構成を採用している。即ち本発明は、活性層の少なく
とも一部にキャリアの量子閉じ込め構造を有する半導体
発光素子において、前記量子閉じ込め構造中の励起子の
結合エネルギー若しくは不純物の束縛エネルギーを、L
Oフォノンエネルギーの正の整数倍に概略一致させてな
ることを特徴とする。
【0006】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x N(0<x≦
1)を量子井戸層に有し、Iny Ga1-y N(0≦y<
x)を障壁層に有するものであり、量子井戸層の厚さを
1.5nm以下に設定したこと。 (2) 量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x N(0<x≦
1)を量子井戸層に有し、Aly Ga1-y N(0<y≦
1)を障壁層に有するものであり、量子井戸層の厚さを
2.5nm以下に設定したこと。
【0007】(3) 量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x
N(0<x≦1)とIny Ga1-yN(0≦y<x)と
の組み合わせで量子箱を構成したものであり、この量子
箱の大きさを10nm以下に設定したこと。 (4) 量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x N(0<x≦
1)とAly Ga1-yN(0<y≦1)との組み合わせ
で量子箱を構成したものであり、この量子箱の大きさを
15nm以下に設定したこと。
【0008】また本発明は、基板上にInx Gay Al
1-x-y N(0<x,y≦1)結晶系からなる層を少なく
とも含む多層構造を形成した半導体発光素子において、
前記多層構造の内部に回折格子を配置すると共に、発振
波長がPLピーク波長よりも長波長側となるように該回
折格子の周期を設定してなることを特徴とする。
【0009】さらに本発明は、基板上にInx Gay
1-x-y N(0<x,y≦1)結晶系からなる層を少な
くとも含む多層構造を形成し、活性層の少なくとも一部
にキャリアの量子閉じ込め構造を有する半導体発光素子
において、前記量子閉じ込め構造中の励起子の結合エネ
ルギー若しくは不純物の束縛エネルギーを、LOフォノ
ンエネルギーの正の整数倍に概略一致させ、かつ前記多
層構造の内部に回折格子を配置すると共に、発振波長が
PLピーク波長よりも長波長側となるように該回折格子
の周期を設定してなることを特徴とする。
【0010】ここで、望ましくは、発振波長とPLピー
ク波長との波長差を、エネルギー換算でLOフォノンエ
ネルギーの正の整数倍に概略一致させたことを特徴とす
る。 (作用)本発明によれば、量子閉じ込め構造を活性層に
有する半導体発光素子において、量子閉じ込め構造中の
励起子の結合エネルギーをLOフォノンのエネルギーの
整数倍に概略一致させるが、このことは重要な意味を持
つ。これを、以下に説明する。
【0011】従来のGaN系LEDやレーザでは、図7
に示すように、励起子の結合エネルギーがLOフォノン
のエネルギーより小さい関係にあった。そのため、量子
井戸中にキャリアを注入すると、基底準位間での発光が
まずメインに生じる。さらに注入キャリアの数を増して
いくと、キャリアはバンドに詰まってくるためフェルミ
準位が上昇していく。そして、やがてキャリアは大きな
エネルギーを持つためLOフォノンを放出して励起子準
位に入れるようになる。
【0012】励起子準位に入ったキャリアは発光再結合
するが、励起子準位のエネルギー広がりは少ないため効
果的に発光し、非常に大きなレーザゲインが得られる。
そして、共振器の損失にゲインが上回り発振に至る。こ
のように従来の構成では最初に注入したキャリアは殆ど
無駄になっていたわけである。
【0013】このような状況を反映して発光スペクトル
の電流注入による変化は、図8に示すようになる。低電
流注入の領域では、405nm付近にピークを有する発
光(PLピーク波長)が見られている。さらに電流注入
すると、417nm付近にピークが現れるが、これはL
Oフォノンを放出して励起子準位に落ち込んだキャリア
の発光によるものである。そして、このピークが成長し
発振に至る。つまり、405nm付近の発光は発振には
寄与しない無駄なものである。
【0014】そこで本発明のように、量子閉じ込め構造
を活性層に有する半導体発光素子において、量子閉じ込
め構造中の励起子の結合エネルギーをLOフォノンのエ
ネルギーの整数倍に概略一致させておくことが、大きな
意味を持つ。
【0015】このような本発明の構成では、図1に示す
ように、最初から注入されたキャリアがLOフォノンを
放出して励起子準位に入れる。励起子準位に入ったキャ
リアは効果的に発光し、直ぐに非常に大きなレーザゲイ
ンが得られ、発振させることが可能となる。
【0016】ここで、量子閉じ込め構造中の励起子の結
合エネルギーをLOフォノンのエネルギーの整数倍に概
略一致させるとは、室温のエネルギーkT程度の違いが
あつても十分な効果が得られることを意味している。こ
のため、発光スペクトルも図5に示すように単峰性のス
ペクトルであり、これが成長して発振に至る。
【0017】実際にこのような構成にするには、様々な
方法が考えられるが、量子井戸の幅を狭くして励起子の
結合エネルギーを増加させることが簡便である。図6に
示すように、理想的には励起子のボーア半径に比べて量
子井戸幅が非常に狭くなると、最大でバルクの時の4倍
まで励起子結合エネルギーが大きくなることが知られて
いる。このことをGaN系に適用すると、図6に示すよ
うに、障壁層がInGaNの場合には量子井戸の幅を
1.5nm以下にすれば良い。AlGaNにした場合
は、量子井戸の幅を2.5nm以下にすれば良い。
【0018】また、InGaNの量子箱を利用しても同
様の効果が得られる。この場合は、InGaN障壁の場
合、箱の大きさが10nm以下であれば良く、AlGa
N障壁の場合は箱の大きさが15nm以下であれば良
い。
【0019】また本発明は、回折格子を設けると共にそ
の周期をPLピーク波長の長波長側で発振するように設
定したが、このことは重要な意味を持つ。本発明者らの
鋭意研究によれば、PLピーク波長においては光損失が
非常に大きく、これが発振を妨げている原因となってい
ることが分かった。そのため、最初から光損失の少ない
PLピーク波長の長波長側で発振するように回折格子の
周期を設定した分布帰還型或いは分布ブラッグ反射型レ
ーザの構成にすることにより、しきい値を著しく低減す
ることが可能である。さらにこの場合、低しきい値で単
一縦モードが容易に得られるため情報処理に応用する場
合には、色収差が小さくビームを絞り込むことが容易と
いった効果もある。
【0020】また、量子閉じ込め構造中の励起子の結合
エネルギーをLOフォノンのエネルギーの整数倍に概略
一致させる構成と、回折格子を設けると共にその周期を
PLピーク波長の長波長側で発振するように設定する構
成とを組み合わせて使用する場合には、これらの相乗効
果によって、より低しきい値での発振が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。 (第1の実施形態)図2は、本発明の第1の実施形態に
係わる半導体レーザの素子構造を示す断面図である。
【0022】図中21はサファイア基板であり、この基
板21上に、アンドープGaNバッファ層22,n型G
aNコンタクト層23,n型Al0.15Ga0.85Nクラッ
ド層24,アンドープのGaN光ガイド層25,活性層
26,p型GaN光ガイド層27,p型Al0.15Ga
0.85Nクラッド層28,及びp型GaNコンタクト層2
9が、MOCVD法で成長形成されている。ここで、活
性層26は、In0.15Ga0.85N(量子井戸)261と
In0.05Ga0.95N(障壁)262を交互に複数層積層
してなる量子井戸構造を有しており、In0.15Ga0.85
N量子井戸261の厚さは1nm程度、In0.05Ga
0.95N(障壁)262の厚さは5nm程度となるように
した。
【0023】コンタクト層29からクラッド層24まで
一部エッチングされ、コンタクト層23の表面の一部が
露出している。そして、露出したコンタクト層23の表
面にn側電極211が形成され、コンタクト層29の上
にはp側電極212が形成されている。p側電極212
は10μm幅のストライプ状に形成され、これにより電
流を狭窄している。
【0024】このように構成された半導体レーザのしき
い電流密度を調べたところ2kA/cm2 であり、従来
の20kA/cm2 以上に比べて格段に減少しているこ
とが分った。これは、励起子のボーア半径(約3nm)
に比べ井戸幅が十分薄くなり(1nm)、励起子エネル
ギーがバルク中でのそれ(約30meV)よりも2倍以
上大きくなり、LOフォノンエネルギー(約90me
V)に近くなったために効率的な発光が生じたためと考
えられる。
【0025】このように本実施形態によれば、活性層の
量子井戸構造における量子井戸幅を1nmと狭くして励
起子の結合エネルギーをLOフォノンエネルギーと同程
度まで大きくしている。このため、注入されたキャリア
が最初からLOフォノンを放出して励起子準位に入るこ
とになるので、最初に注入したキャリアが無駄になるこ
ともなく、これによりGaN系を用いた半導体レーザの
低しきい値発振を可能にすることができる。
【0026】(第2の実施形態)図3は、本発明の第2
の実施形態に係わる半導体レーザの素子構造を示す断面
図である。なお、図2と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0027】本実施形態が先に説明した第1の実施形態
と異なる点は、活性層36の構成にある。即ち、本実施
形態の活性層36は、In0.15Ga0.85N(量子井戸)
361とAl0.1 Ga0.9 N(障壁)362を交互に複
数層積層した量子井戸構造となっている。活性層36の
In0.15Ga0.85N量子井戸361の厚さは1.5nm
程度、Al0.1 Ga0.9 N(障壁)262の厚さは5n
m程度となるようにした。これ以外の各層21〜29及
び電極211,212は、第1の実施形態と同様であ
る。
【0028】本実施形態の半導体レーザのしきい電流密
度は3kA/cm2 であり、従来の20kA/cm2
上に比べて格段に減少していることが分った。この場合
も第1の実施形態と同様に、活性層36の量子井戸構造
における井戸幅を十分薄くしていることから、バルク中
での励起子エネルギーがLOフォノンエネルギーに近く
なったために効率的な発光が生じたためと考えられる。
【0029】(第3の実施形態)図4は、本発明の第3
の実施形態に係わる半導体レーザの素子構造を示す断面
図である。なお、図2と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0030】本実施形態が先に説明した第1の実施形態
と異なる点は、活性層46の構成にある。即ち、本実施
形態の活性層46は、In0.15Ga0.85N(量子箱)4
61,InGaN(中間組成)462,及びIn0.1
0.9 N(障壁)463からなる量子箱構造となってい
る。In0.15Ga0.85N量子箱461の大きさは10n
m程度となるようにした。これ以外の各層21〜29及
び電極211,212は、第1の実施形態と同様であ
る。
【0031】本実施形態の半導体レーザのしきい電流密
度は5kA/cm2 であり、従来の20kA/cm2
上に比べて格段に減少していることが分った。また、図
には示していないが、In0.15Ga0.85N/Al0.1
0.9 Nからなる量子箱でIn0.15Ga0.85N量子箱の
大きさを15nm程度とした場合も、レーザのしきい電
流密度は5kA/cm2 であり、従来の20kA/cm
2 以上に比べて格段に減少していることが分った。
【0032】(第4の実施形態)図9は、本発明の第4
の実施形態に係わる半導体レーザの素子構造を示す斜視
図である。なお、図9中の51〜59及び511,51
2は図2の21〜29及び211,212に相当してい
る。
【0033】図中51はサファイア基板であり、この基
板51上に、アンドープGaNバッファ層52、n型G
aNコンタクト層53、n型Al0.15Ga0.85Nクラッ
ド層54、アンドープのGaN光ガイド層55、In
0.15Ga0.85N(量子井戸)/In0.05Ga0.95N(障
壁)からなる量子井戸活性層56、p型GaN光ガイド
層57、p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層58、及び
p型GaNコンタクト層59が、MOCVD法で成長形
成されている。なお、活性層56のIn0.15Ga0.85
量子井戸の幅は1nm程度となるようにした。
【0034】ここで、本実施形態が今までの実施形態と
異なるのはp型AlGaNクラッド層58の表面に回折
格子600が設けてある点である。この回折格子600
は、例えば次のようにして形成される。
【0035】p型AlGaNクラッド層58の表面にホ
トレジスト溶液をスピン塗布し、60nmの厚さのホト
レジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、電子ビー
ム直接描画法により、周期が77nmの一次の回折格子
を描画する。ホトレジスト膜を現像後、この回折格子の
ホトレジストパターンをウェットエッチングにより半導
体表面に転写する。そして、形成された回折格子300
上に、再びMOCVD法によりp型GaNコンタクト層
59を成長させる。
【0036】上記のように形成された半導体積層構造体
は、コンタクト層59からクラッド層55まで一部エッ
チングされ、コンタクト層53の表面の一部が露出さ
れ、この露出した部分にn側電極511がストライプ状
に形成されている。そして、コンタクト層59上にはp
側電極512が10μm幅のストライプ状に形成され、
これにより電流を狭窄している。
【0037】こうして得られた分布帰還型半導体レーザ
の発振波長は410nm、しきい値電流は8mAで、安
定に縦単一モードで発振した。回折格子として2次或い
はより高次のものを用いることも可能であった。また、
回折格子に位相シフト或いは等価位相シフトを導入する
ことにより、単一縦モードの歩留まりを改善することも
可能であった。
【0038】また本実施形態では、先の第1の実施形態
と同様に活性層の量子井戸構造における量子井戸の幅を
1nmと狭くしているので、励起子の結合エネルギーは
LOフォノンエネルギーと同程度まで大きくなり、これ
により第1の実施形態と同様の効果も得られる。
【0039】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。量子閉じ込め構造における量子井
戸,量子箱,及び障壁の材料は仕様に応じて適宜変更可
能である。例えば、量子井戸又は量子箱はInx Ga
1-x N(0<x≦1)で、障壁はIny Ga1-y N(0
≦y<x)又はAly Ga1-y N(0<y≦1)とすれ
ばよい。
【0040】量子閉じ込め構造における量子井戸の幅や
量子箱の大きさも、仕様に応じて適宜変更可能である。
量子井戸の幅は障壁層がInGaNの場合には1.5n
m以下、障壁層がAlGaNの場合は2.5nm以下に
すれば前述したしきい値低下の十分な効果が得られる。
さらに、量子箱の大きさは、障壁層がInGaN場合は
10nm以下、障壁層がAlGaN障壁の場合は15n
m以下にすれば前述したしきい値低下の十分な効果が得
られる。
【0041】また、実施形態では材料系としてGaN系
を用いたが、ZnSe系を用いても同様の効果が得られ
る。さらに、励起子準位に相当するエネルギー準位を有
する不純物や欠陥を量子閉じ込め構造中に導入したり、
不純物に束縛された励起子を利用しても同様の効果が得
られる。また、同一基板上に複数の光素子や電子素子を
集積化した光電子集積回路にすることも可能である。そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施することができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、量
子閉じ込め構造を活性層に有する半導体発光素子におい
て、量子閉じ込め構造中の励起子の結合エネルギーをL
Oフォノンのエネルギーの整数倍に概略一致させること
により、ZnSeやGaN等の材料系を用いても低しき
い値でのレーザ発振を得ることができ、従来得られなか
った低しきい値の短波長帯レーザを簡便な方法で実現す
ることができる。その結果、表示装置や光情報処理シス
テムで用いる光素子を低コストで得られるのみならず、
その信頼性は高く、本発明の有用性は大である。
【0043】また、回折格子を設けると共にその周期を
PLピーク波長の長波長側で発振するように設定するこ
とにより、最初から光損失の少ない波長領域で発振させ
ることができ、これによってもしきい値を低減すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザの原理を説明するた
めの図。
【図2】第1の実施形態に係わる半導体レーザの素子構
造を示す断面図。
【図3】第2の実施形態に係わる半導体レーザの素子構
造を示す断面図。
【図4】第3の実施形態に係わる半導体レーザの素子構
造を示す断面図。
【図5】第1の実施形態による半導体レーザの発光スペ
クトルを示す図。
【図6】励起子結合エネルギーの井戸層厚依存性を示す
図。
【図7】従来の半導体レーザの動作原理を説明するため
の図。
【図8】従来の半導体レーザの発光スペクトルを示す
図。
【図9】第4の実施形態に係わる半導体レーザの素子構
造を示す斜視図。
【符号の説明】
21,51…サファイア基板 22,52…アンドープGaNバッファ層 23,53…n型GaNコンタクト層 24,54…n型Al0.15Ga0.85Nクラッド層 25,55…アンドープのGaN光ガイド層 26,56…InGaN/InGaNからなる量子井戸
層 27,57…p型GaN光ガイド層 28,58…p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層 29,59…p型GaNコンタクト層 36…InGaN/AlGaNからなる量子井戸層 56…InGaN/InGaNからなる量子箱構造 211,511…n側電極 212,512…p側電極 261…In0.15Ga0.85N(量子井戸) 262…In0.05Ga0.95N(障壁) 361…In0.15Ga0.85N(量子井戸) 362…Al0.1 Ga0.9 N(障壁) 461…In0.15Ga0.85N(量子箱) 462…InGaN(中間組成) 463…In0.1 Ga0.9 N(障壁) 600…回折格子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−45904(JP,A) 特開 平7−202318(JP,A) 特開 平8−298352(JP,A) 特開 平9−36430(JP,A) 特開 平6−97506(JP,A) 特開 平8−56055(JP,A) 特開 平7−38194(JP,A) 特開 平8−195530(JP,A) 特開 平2−246292(JP,A) 特開 平8−248364(JP,A) 特開 平7−221370(JP,A) 特開 平10−229217(JP,A) 特開 平9−252163(JP,A) 特開 平9−331116(JP,A) 特開 平10−126006(JP,A) 特開 平10−145000(JP,A) 特開 平8−64909(JP,A) 特開 平6−53547(JP,A) 特開 平3−183183(JP,A) 特開 平2−211686(JP,A) 国際公開96/003776(WO,A1) Applied Physics L etters,1996年,Vol.69 N o.17,p.2453−2455 Applied Physics L etters,1997年,Vol.70 N o.21,p.2882−2884 23rd International Conference,The Ph ysics of Semicondu ctors,1996年,Vol.1,p. 545−548 Semiconductor Sci ence and Technolog y,1997年,Vol.12 No.11, p.1396−1403 山口大学工学部研究報告,1997年,V ol.48 No.1,p.89−93 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 H01L 33/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性層の少なくとも一部にキャリアの量子
    閉じ込め構造を有する半導体発光素子において、 前記量子閉じ込め構造中の励起子の結合エネルギー若し
    くは不純物の束縛エネルギーを、LOフォノンエネルギ
    ーの正の整数倍に概略一致させてなることを特徴とする
    半導体発光素子。
  2. 【請求項2】前記量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x
    N(0<x≦1)を量子井戸層に有し、Iny Ga1-y
    N(0≦y<x)を障壁層に有するものであり、量子井
    戸層の厚さを1.5nm以下に設定したことを特徴とす
    る請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】前記量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x
    N(0<x≦1)を量子井戸層に有し、Aly Ga1-y
    N(0<y≦1)を障壁層に有するものであり、量子井
    戸層の厚さを2.5nm以下に設定したことを特徴とす
    る請求項1記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】前記量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x
    N(0<x≦1)とIny Ga1-yN(0≦y<x)と
    の組み合わせで量子箱を構成したものであり、この量子
    箱の大きさを10nm以下に設定したことを特徴とする
    請求項1記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】前記量子閉じ込め構造は、Inx Ga1-x
    N(0<x≦1)とAly Ga1-yN(0<y≦1)と
    の組み合わせで量子箱を構成したものであり、この量子
    箱の大きさを15nm以下に設定したことを特徴とする
    請求項1記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】基板上にInx Gay Al1-x-y N(0<
    x,y≦1)結晶系からなる層を少なくとも含む多層構
    造を形成した半導体発光素子において、 前記多層構造の内部に回折格子を配置すると共に、発振
    波長がPLピーク波長よりも長波長側となるように該回
    折格子の周期を設定してなることを特徴とする半導体発
    光素子。
  7. 【請求項7】基板上にInx Gay Al1-x-y N(0<
    x,y≦1)結晶系からなる層を少なくとも含む多層構
    造を形成し、活性層の少なくとも一部にキャリアの量子
    閉じ込め構造を有する半導体発光素子において、 前記量子閉じ込め構造中の励起子の結合エネルギー若し
    くは不純物の束縛エネルギーを、LOフォノンエネルギ
    ーの正の整数倍に概略一致させ、かつ前記多層構造の内
    部に回折格子を配置すると共に、発振波長がPLピーク
    波長よりも長波長側となるように該回折格子の周期を設
    定してなることを特徴とする半導体発光素子。
  8. 【請求項8】前記発振波長とPLピーク波長との波長差
    を、エネルギー換算でLOフォノンエネルギーの正の整
    数倍に概略一致させたことを特徴とする請求項6又は7
    記載の半導体発光素子。
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