JP3514646B2 - フレキシブルプリント配線基板およびその製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント配線基板およびその製造方法

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    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/40General aspects of joining substantially flat articles, e.g. plates, sheets or web-like materials; Making flat seams in tubular or hollow articles; Joining single elements to substantially flat surfaces
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    • B29C66/05Particular design of joint configurations
    • B29C66/10Particular design of joint configurations particular design of the joint cross-sections
    • B29C66/11Joint cross-sections comprising a single joint-segment, i.e. one of the parts to be joined comprising a single joint-segment in the joint cross-section
    • B29C66/112Single lapped joints
    • B29C66/1122Single lap to lap joints, i.e. overlap joints

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フレキシブルプ
リント配線基板に関し、より詳しくは絶縁層を熱可塑性
樹脂で形成したフレキシブルプリント配線基板およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型・軽量化の要求に
応えるため、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸したプ
リプレグを用いたリジッド基板に比べ、軽量で占有容積
が小さく、自由な立体配線と配線の単純化が可能なフレ
キシブルプリント配線基板(以下、FPC基板と略記す
る。)が多用されはじめている。
【0003】このFPC基板の絶縁材料としては、ポリ
エステル樹脂やポリイミド樹脂が一般的であるが、ポリ
エステル樹脂は、ハンダ耐熱性(約260℃)に乏し
く、これを用いたFPC基板の用途は狭い分野に限定さ
れている。
【0004】ポリイミド樹脂を用いたFPC基板は、ポ
リイミドフィルムをエポキシ樹脂などの接着剤を用いて
銅箔と接着した3層タイプと、接着剤を用いない2層タ
イプとに大別される。これら3層タイプおよび2層タイ
プに共通の問題点としては、ポリイミドの材料特性によ
って耐薬品性が劣る(強塩基に弱い)点や、吸水率が高
くて寸法安定性に難点があることが挙げられる。また、
3層タイプの問題点としては、耐熱性や耐薬品性および
電気特性などの諸特性が接着剤の特性によって左右され
るので、ポリイミド樹脂本来の優れた諸特性が充分に生
かされないという問題がある。
【0005】2層タイプの製造方法の一つとしては、特
許第2724026号公報に、金属箔上にポリイミド溶
液またはポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を
直接に流延塗布することにより、FPC基板の絶縁層の
全てをポリイミドで形成することが記載されている。ま
た、上記公報にはポリイミドフィルムの片面または両面
に接着性を有するポリイミド層を形成し、これと金属箔
を重ね合わせ、加熱圧着により絶縁層が全てポリイミド
からなるFPC基板を製造する方法が記載されている。
【0006】また、2層タイプの製造方法のもう一つの
方法としては、熱可塑性のポリイミドフィルムを300
℃程度の温度で銅箔とプレスする方法が知られている。
この2層タイプFPC基板の問題点としては、エッチン
グ工程で銅箔に打痕が入りやすいといった品質上の問題
や、銅張板製造の手間からくるコスト高の問題があり、
3層タイプに比較すると、基板としての特性は良いもの
のあまり普及していないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の課
題は上記した従来のポリイミド基板材料の問題点を解決
し、ハンダ耐熱性を有する熱可塑性の絶縁層を用いたフ
レキシブルプリント配線基板(FPC基板)について、
銅箔などの導体箔に対して比較的低温での熱融着により
確実に接着一体化されたFPC基板を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、結晶融解ピーク温度260℃
以上のポリアリールケトン樹脂65〜35重量%と、非
晶性ポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからな
り、示差走査熱量測定で昇温した時に測定されるガラス
転移温度が150〜230℃、結晶融解熱量ΔHmと昇
温中の結晶化により発生する結晶化熱量ΔHcとの関係
が下記の式(I) で示される関係を満たす熱可塑性樹脂組
成物からなるフィルム状絶縁体を設け、このフィルム状
絶縁体の片面または両面に重ねて導体箔を熱融着し、前
記導体箔に導電性回路を形成してなるフレキシブルプリ
ント配線基板としたのである。 式(I): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≦0.5
【0009】また、本願の製造方法に係る発明において
は、上記課題を解決するために、結晶融解ピーク温度2
60℃以上のポリアリールケトン樹脂65〜35重量%
と、非晶性ポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%と
からなる熱可塑性樹脂組成物を成形材料として、示差走
査熱量測定で昇温した時に測定されるガラス転移温度が
150〜230℃、結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶
化により発生する結晶化熱量ΔHcとの関係が下記の式
(I) で示される関係を満たすようにフィルム状絶縁体を
成形加工し、このフィルム状絶縁体の片面または両面に
導体箔を重ねて前記熱可塑性樹脂組成物が下記の式(II)
で示される関係を満たすように熱融着した後、前記導体
箔をエッチングして導電性回路を形成することからなる
方法を採用したのである。 式(I): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≦0.5 式(II): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≧0.7 。
【0010】上記したように構成されるこの発明のフレ
キシブルプリント配線基板は、結晶性のポリアリールケ
トン樹脂と非晶性のポリエーテルイミド樹脂を所定量配
合した絶縁層を有するものであり、この絶縁層は両樹脂
の優れた諸特性により、熱融着性やハンダ耐熱性を有
し、FPC基板に通常要求される可撓性、機械的強度お
よび電気的絶縁性を有する。
【0011】このような熱可塑性樹脂組成物からなるフ
ィルム状絶縁体は、ガラス転移温度が150〜230℃
のものであり、かつ結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶
化により発生する結晶化熱量ΔHcとの関係が前記式
(I) で示される関係を満たすものであるから、加熱によ
る結晶化の進行状態が適当範囲に調整されたものであ
り、例えば250℃未満という比較的低温で熱融着性を
発揮させることができる。
【0012】この発明のFPC基板の製造方法では、上
記熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム状絶縁体の片面
または両面に導体箔を重ね、熱可塑性樹脂組成物が前記
式(II)で示される関係を満たすように加熱・加圧条件で
熱融着する。
【0013】熱融着後の熱可塑性樹脂組成物は、ポリア
リールケトン樹脂の結晶性が適当に進行しているので、
260℃に耐えるハンダ耐熱性を確実に有する絶縁層に
なり、かつ導体箔との接着強度も大きく、その後に導体
箔をエッチングして形成された導電性回路は絶縁層に強
固に接着して剥離し難い。導体箔として、表面が粗化さ
れている導体箔を使用すると、接着強度はより大きくな
る。
【0014】また、フィルム状絶縁体と導体箔の接着
は、層間にエポキシ樹脂などの接着剤を介在させないで
熱融着するので、FPC基板の耐熱性、耐薬品性、電気
特性などの諸特性は接着剤の特性に支配されることがな
く、絶縁層の優れた諸特性が充分に活かされる。また、
FPC基板の製造工程中に接着剤の塗布等の工程がない
ので、製造効率の良いFPC基板の製造方法となる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明のフレキシブルプリント
配線基板の構造およびその製造方法の実施形態を、以下
に添付図面に基づいて説明する。
【0016】図1の(e)に示すように、この発明に係
るフレキシブルプリント配線基板は、所定の熱可塑性樹
脂組成物からなるフィルム状絶縁体1の両面に重ねて銅
箔2を後述の物性を満足するように熱融着し、この銅箔
2をエッチングして導電性回路を形成したものである。
【0017】このようなフレキシブルプリント配線基板
を製造するには、まず図1(a)に示すように、ポリア
リールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂とを
配合して前記式(I) で示される所定の結晶性の熱可塑性
のフィルム状絶縁体1を調製する。そして、図1(b)
に示すように、両面に銅箔2を重ねて真空熱プレス機を
用いて熱プレスを行ない両面銅張積層板5を作製する。
この両面銅張板の要所にスルーホール形成用の孔3をレ
ーザーまたはドリルで形成し(図1(c))、これに銅
めっき4を施し(図1(d))、スルーホールめっきに
よる層間接続の手段とする。次いで、サブトラクティブ
法によって導電性回路を形成する(図1(e))。
【0018】また、層間接続に導電性ペーストを使用す
る場合には、図2(b)に示すように、フィルム状絶縁
体1の要所にホール形成用の孔3をレーザーまたはドリ
ルで形成し、これに導電性ペースト6を充填し(図2
(c))、乾燥させた後、両面に銅箔2を重ねて真空熱
プレス機を用いて熱プレスを行ない、両面銅張積層板7
を作製する(図2(d))。次いで、サブトラクティブ
法によって導電性回路を形成する(図2(e))。
【0019】フィルム状絶縁体を構成する第1の成分で
あるポリアリールケトン樹脂は、その構造単位に芳香核
結合、エーテル結合およびケトン結合を含む熱可塑性樹
脂であり、すなわち、フェニルケトンとフェニルエーテ
ルの組み合わせ構造からなる耐熱性の結晶性高分子であ
る。
【0020】ポリアリールケトン樹脂の代表例として
は、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルケトンケトンなどがあるが、この発明
においては、下記の化1の式に示されるポリエーテルエ
ーテルケトンを好適なものとして使用できる。
【0021】
【化1】
【0022】フィルム状絶縁体を構成する第2の成分で
ある非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、その構造単位に
芳香核結合、エーテル結合およびイミド結合を含む非晶
性熱可塑性樹脂であり、この発明においては、下記の化
2の式に示されるポリエーテルイミド樹脂を適用でき
る。
【0023】
【化2】
【0024】そして、この発明に用いるフィルム状絶縁
体は、上記した2種類の耐熱性樹脂を所定の割合でブレ
ンドした組成物からなり、すなわち、結晶融解ピーク温
度260℃以上のポリアリールケトン樹脂65〜35重
量%と非晶性ポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%
とからなり、示差走査熱量測定で昇温した時に測定され
るガラス転移温度が150〜230℃の熱可塑性樹脂組
成物からなるものである。
【0025】上記の配合割合を限定する理由は、ポリア
リールケトン樹脂が65重量%を越えて多量に配合され
たり、ポリエーテルイミド樹脂の配合割合が35重量%
未満の少量の配合割合では、組成物の結晶化速度が速く
なり、導体箔と熱融着性が低下するからである。また、
結晶性ポリアリルエーテルケトン樹脂が35重量%未満
であったり、非晶性ポリエーテルイミド樹脂が65重量
%を超えると、組成物の結晶化度が低くなり、たとえ結
晶融解ピーク温度が260℃以上であってもハンダ耐熱
性が低下するので、好ましくないからである。
【0026】本願の発明における重要な制御因子である
フィルム状絶縁体の熱特性は、結晶融解熱量ΔHmと昇
温中の結晶化により発生する結晶化熱量ΔHcとの関係
が下記の式(I) で示される関係を満たすことである。 式(I): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≦0.5 この熱特性は、JIS K 7121、JIS K71
22に準じた示差走査熱量測定で昇温したときのDSC
曲線に現れる2つの転移熱の測定値、結晶融解熱量ΔH
m(J/g)と結晶化熱量ΔHc(J/g)の値から上
記式によって算出される。
【0027】上記式(I)の値は、原料ポリマーの種類や
分子量、組成物の配合比率にも依存しているが、フィル
ム状絶縁体の成形・加工条件の大きく影響する。すなわ
ち、フィルム状に製膜する際に、原料ポリマーを溶融さ
せた後、速やかに冷却することにより、前記式の値を小
さくすることができる。また、これらの数値は、各工程
でかかる熱履歴を調整することにより、制御することが
できる。ここでいう熱履歴とは、フィルム状絶縁体の温
度と、その温度になっていた時間を指し、温度が高いほ
ど、この数値は大きくなる傾向がある。
【0028】前記式(I) で示される関係は、FPC基板
を製造する過程において、フィルム状絶縁体の少なくと
も一面に導体箔を熱融着したFPC用素板について、熱
融着工程前の測定に基づくものである。
【0029】前記式(I) で示される値が、熱融着前に
0.5を越えると、すでに結晶性が高い状態であるか
ら、250℃以下の低温での熱融着が難しくなる。この
場合、導体箔との熱融着を高温で行なう必要があり製造
効率の面からも好ましくない。
【0030】そして、導体箔との熱融着後のフィルム状
絶縁体の熱特性は、下記式(II)の関係を満たす必要があ
る。 式(II): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≧0.7 なぜなら、上記式(II)の値が、0.7未満の低い値で
は、絶縁層の結晶化が不充分であり、ハンダ耐熱性(通
常260℃)を保てないからである。
【0031】この発明に用いるフィルム状絶縁体は、通
常25〜300μmの膜厚のものであり、その製造方法
は、例えばTダイを用いた押出キャスト法やカレンダー
法などの周知の製膜方法を採用すればよく、特に限定さ
れた製造方法を採る必要はない。なお、製膜性や安定生
産性の面からTダイを用いた押出キャスト法を採用する
ことが好ましい。押出キャスト法の成形温度は、組成物
の流動特性や製膜特性によって適宜に調節するが、概ね
組成物の融点以上、430℃以下である。
【0032】この発明に用いるフィルム状絶縁体を構成
する樹脂組成物には、この発明の効果を阻害しない程度
に、他の樹脂やその他の添加剤を配合してもよく、その
具体例としては、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
着色剤、滑剤、難燃剤、無機フィラーなどが挙げられ
る。また、フィルム状絶縁体の表面に、ハンドリング性
を改良する等のためにエンボス化工やコロナ処理などを
施してもよい。
【0033】この発明に用いる導体箔としては、例えば
銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫などのように
厚さ8〜70μm程度の金属箔が挙げられる。このう
ち、適用される金属箔としては、その表面を黒色酸化処
理などの化成処理した銅箔が特に好ましい。導体箔は、
接着効果を高めるために、フィルム状絶縁体との接触面
(重ねる面)側を予め化学的または機械的に粗化したも
のを用いることが好ましい。表面粗化処理された導体箔
の具体例としては、電解銅箔を製造する際に電気化学的
に処理された粗化銅箔などが挙げられる。
【0034】導体箔をフィルム状絶縁体の片面または両
面に重ねて加熱・加圧条件で熱融着する際には、例えば
熱プレス法もしくは熱ラミネートロール法またはこれら
を組み合わせた方法、その他の周知の加熱圧着方法を採
用することができる。
【0035】
【実施例および比較例】まず、この発明のフィルム状絶
縁体の条件を満足するフィルム状絶縁体の製造例1〜3
およびこれに対比する参考例1、2の製造方法およびこ
れらの物性について以下に説明する。
【0036】〔フィルム状絶縁体の製造例1〕ポリエー
テルエーテルケトン樹脂(ビクトレックス社製:PEE
K381G)(以下の文中または表1、2において、P
EEKと略記する。)60重量%と、ポリエーテルイミ
ド樹脂(ゼネラルエレクトリック社製:Ultem−1
000)(以下の文中または表1、2において、PEI
と略記する。)40重量%をドライブレンドした。この
混合組成物を押出成形し、厚さ25μmのフィルム状絶
縁体を製造した。
【0037】〔フィルム状絶縁体の製造例2〕製造例1
において、混合組成物の配合割合をPEEK40重量
%、PEI60重量%としたこと以外は、同様にしてフ
ィルム状絶縁体を製造した。
【0038】〔フィルム状絶縁体の製造例3〕製造例1
において、混合組成物の配合割合をPEEK30重量
%、PEI70重量%としたこと以外は、同様にしてフ
ィルム状絶縁体を製造した。
【0039】〔フィルム状絶縁体の参考例1、2〕製造
例1において、混合組成物の配合割合をPEEK100
重量%(参考例1)、またはPEI100重量%(参考
例2)としたこと以外は、同様にしてそれぞれのフィル
ム状絶縁体を製造した。
【0040】上記製造例および参考例で得られたフィル
ム状絶縁体の物性を調べるため、以下の(1) および(2)
に示す項目を測定または測定値から計算値を算出した。
これらの結果は、表1にまとめて示した。
【0041】(1) ガラス転移温度(℃)、結晶化温度
(℃)、結晶融解ピーク温度(℃) JIS K7121に準じ、試料10mgを使用し、パ
ーキンエルマー社製:DSC−7を用いて加熱速度を1
0℃/分で昇温した時の上記各温度をサーモグラムから
求めた。
【0042】(2) (ΔHm−ΔHc)/ΔHm JIS K7122に準じ、試料10mgを使用し、パ
ーキンエルマー社製:DSC−7を用いて加熱速度を1
0℃/分で昇温した時のサーモグラムから結晶融解熱量
ΔHm(J/g)と結晶化熱量ΔHc(J/g)を求
め、上記式の値を算出した。
【0043】
【表1】
【0044】〔実施例1〕製造例1で得られた厚さ25
μmのフィルム状絶縁体の両面に、厚さ12μmの電気
化学的に表面を粗面化した電解銅箔を重ねて、真空雰囲
気下760mmHg、プレス温度220℃、プレス圧力
30kg/cm2 、プレス時間20分の条件で熱融着
し、両面銅張積層板を作製した。
【0045】作製した両面銅張積層板のフィルム状絶縁
体に対し、前記 (2)(ΔHm−ΔHc)/ΔHmの測定
試験を前記同じ方法で行ない、式値を表2に示した。
【0046】また、上記得られた両面銅張積層板に対し
て、後述する(3) の方法で接着強度を調べ、この結果を
表2中に併記した。
【0047】次に、上記得られた両面銅張積層板にサブ
トラクティブ法によって回路パターンを形成し、導電性
回路をエッチングにより形成したFPC基板を製造し
た。
【0048】得られたFPC基板のハンダ耐熱性を下記
の(4) の試験方法で調べ、この結果を表2中に併記し
た。
【0049】また、得られたFPC基板の層間剥離の有
無を下記の(5) の方法で調べ、この結果を表2中に併記
した。
【0050】(3) 接着強度 JIS C6481の常態の引き剥がし強さに準拠し
て、FPC素板の銅箔の引き剥がし強さを測定し、その
平均値をkgf/10cmで示した。
【0051】(4) ハンダ耐熱性 JIS C6481の常態のハンダ耐熱性に準拠し、2
60℃のハンダ浴に試験片のFPC素板の銅箔側がハン
ダ浴に接触する状態で10秒間浮かべた後、浴から取り
出して室温まで放冷し、その膨れや剥がれ箇所の有無を
目視観察し、その良否を評価した。
【0052】(5) FPC基板をエポキシ樹脂に包埋
し、精密切断機で断面観察用サンプルを作製し、走査型
電子顕微鏡(SEM)で切断面を観察し、フィルム状絶
縁体と銅箔製の導電性回路との層間剥離の有無を評価し
た。
【0053】
【表2】
【0054】〔実施例2〕実施例1において、フィルム
状絶縁体として製造例2を使用し、両面銅張積層板を作
製する際のプレス温度を240℃、プレス時間を30分
に変更したこと以外は実施例1と同様にしてFPC基板
を作製し、試験(3) 〜(5) の評価を表2中に併記した。
【0055】〔比較例1〕実施例2において、両面銅張
積層板を作製する際のプレス温度を230℃、プレス時
間を10分に変更したこと以外は実施例2と同様にして
FPC基板を作製し、試験(3) 〜(5) の評価を表2中に
併記した。
【0056】〔比較例2〕実施例1において、フィルム
状絶縁体として製造例3を使用し、両面銅張積層板を作
製する際のプレス温度を240℃、プレス時間を20分
に変更したこと以外は実施例1と同様にしてFPC基板
を作製し、試験(3) 〜(5) の評価を表2中に併記した。
【0057】表2の結果からも明らかなように、実施例
1の両面銅張積層板の接着強度は、1.5kgf/10
cmという良好な値であり、ハンダ耐熱性試験の結果は
基板に膨れや剥がれが一切観察されず、また導電性回路
形成後のFPC基板に対するSEM観察でも層間剥離は
全く観察されなかった。
【0058】実施例2の両面銅張積層板の接着強度も
1.3kgf/10cmという良好な値であり、ハンダ
耐熱性試験の結果も良好であり、またエッチングによる
導電性回路形成後のFPC基板に対するSEM観察でも
層間剥離は全く観察されなかった。
【0059】これに対して、比較例1のFPC基板に対
するSEM観察では層間の密着性があって一応は良好で
あったが、ハンダ耐熱性については、基板に膨れや剥が
れが観察されて不良という結果であった。
【0060】また、比較例2のFPC基板は、両面銅張
積層板の接着強度が0.2kgf/10cmという不良
な値であり、エッチングによる導電性回路形成後に回路
部分の銅箔が剥離した。
【0061】
【発明の効果】この発明のフレキシブルプリント配線基
板は、以上説明したように、所定のポリアリールケトン
樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂とを所定量配合
し、所定の熱的特性が所定の関係を満たす熱可塑性樹脂
組成物からなるフィルム状絶縁体を絶縁層とし、それに
重ねて導電性回路を形成した導体箔を設けたので、この
種の基板に通常要求される可撓性、機械的強度および充
分なハンダ耐熱性を有し、かつ銅箔等の導体箔と絶縁層
とが比較的低温の熱融着により積層一体化されており、
優れた接着強度を有するという利点がある。
【0062】また、フレキシブルプリント配線基板の製
造方法に係る発明は、接着剤の塗布等の工程が省略され
ているので、上記の利点を有するフレキシブルプリント
配線基板を効率よく製造できる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレキシブルプリント配線基板の製造工程を示
す模式図
【図2】フレキシブルプリント配線基板の製造工程を示
す模式図
【符号の説明】
1 フィルム状絶縁体 2 銅箔 3 孔 4 銅めっき 5、7 両面銅張積層板 6 導電性ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 71/10 C08L 71/10 73/00 73/00 79/08 79/08 B H05K 3/00 H05K 3/00 R 3/38 3/38 B // B29K 73:00 B29K 73:00 79:00 79:00 B29L 9:00 B29L 9:00 31:34 31:34 (72)発明者 谷口 浩一郎 滋賀県長浜市三ッ矢町5番8号 三菱樹 脂株式会社長浜工場内 (72)発明者 桑村 信吾 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 野本 薫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 昭63−304690(JP,A) 特開 平2−269765(JP,A) 特開 平5−310951(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/03 H05K 1/05 H05K 3/00 H05K 3/22 H05K 3/28 H05K 3/44 H05K 3/46 C08J 5/18 C08L 71/10 C08L 73/00 C08L 79/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶融解ピーク温度260℃以上のポリ
    アリールケトン樹脂65〜35重量%と、非晶性ポリエ
    ーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなり、示差走
    査熱量測定で昇温した時に測定されるガラス転移温度が
    150〜230℃、結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶
    化により発生する結晶化熱量ΔHcとの関係が下記の式
    (I) で示される関係を満たす熱可塑性樹脂組成物からな
    るフィルム状絶縁体を設け、このフィルム状絶縁体の片
    面または両面に重ねて導体箔を熱融着し、この導体箔に
    導電性回路を形成してなるフレキシブルプリント配線基
    板。 式(I): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≦0.5
  2. 【請求項2】 導体箔が、表面粗化されている導体箔で
    ある請求項1記載のフレキシブルプリント配線基板。
  3. 【請求項3】 ポリアリールケトン樹脂が、ポリエーテ
    ルエーテルケトン樹脂である請求項1または2に記載の
    フレキシブルプリント配線基板。
  4. 【請求項4】 結晶融解ピーク温度260℃以上のポリ
    アリールケトン樹脂65〜35重量%と、非晶性ポリエ
    ーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる熱可塑性
    樹脂組成物を成形材料として、示差走査熱量測定で昇温
    した時に測定されるガラス転移温度が150〜230
    ℃、結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生す
    る結晶化熱量ΔHcとの関係が下記の式(I) で示される
    関係を満たすようにフィルム状絶縁体を成形加工し、こ
    のフィルム状絶縁体の片面または両面に導体箔を重ねて
    前記熱可塑性樹脂組成物が下記の式(II)で示される関係
    を満たすように熱融着した後、前記導体箔をエッチング
    して導電性回路を形成することからなるフレキシブルプ
    リント配線基板の製造方法。 式(I): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≦0.5 式(II): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≧0.7
  5. 【請求項5】 フィルム状絶縁体の片面または両面に重
    ねる導体箔が、表面粗化されている導体箔である請求項
    4記載のフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアリールケトン樹脂が、ポリエーテ
    ルエーテルケトン樹脂である請求項4または5に記載の
    フレキシブルプリント配線基板の製造方法。
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