JP3508766B2 - 金属微粉末の製造方法 - Google Patents

金属微粉末の製造方法

Info

Publication number
JP3508766B2
JP3508766B2 JP2002174563A JP2002174563A JP3508766B2 JP 3508766 B2 JP3508766 B2 JP 3508766B2 JP 2002174563 A JP2002174563 A JP 2002174563A JP 2002174563 A JP2002174563 A JP 2002174563A JP 3508766 B2 JP3508766 B2 JP 3508766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
fine
ions
powder
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002174563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004018923A (ja
Inventor
信二 稲澤
正利 眞嶋
恵司 小山
佳枝 谷
Original Assignee
住友電気工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002174563A priority Critical patent/JP3508766B2/ja
Application filed by 住友電気工業株式会社 filed Critical 住友電気工業株式会社
Priority to DE60310435T priority patent/DE60310435T2/de
Priority to CN038138182A priority patent/CN1662332A/zh
Priority to PCT/JP2003/007392 priority patent/WO2003106083A1/ja
Priority to CN2011103324437A priority patent/CN102350507A/zh
Priority to KR1020047020137A priority patent/KR100917948B1/ko
Priority to US10/517,821 priority patent/US7470306B2/en
Priority to EP03736151A priority patent/EP1552896B1/en
Priority to TW092116040A priority patent/TWI247637B/zh
Publication of JP2004018923A publication Critical patent/JP2004018923A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3508766B2 publication Critical patent/JP3508766B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F9/00Making metallic powder or suspensions thereof
    • B22F9/16Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes
    • B22F9/18Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds
    • B22F9/24Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds starting from liquid metal compounds, e.g. solutions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25CPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC PRODUCTION, RECOVERY OR REFINING OF METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25C5/00Electrolytic production, recovery or refining of metal powders or porous metal masses
    • C25C5/02Electrolytic production, recovery or refining of metal powders or porous metal masses from solutions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2998/00Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2998/00Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
    • B22F2998/10Processes characterised by the sequence of their steps

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、微細な金属微粉
末を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、種々の金属や合金からなる、粒径
がサブミクロンオーダーという微小な金属微粉末が、例
えば ・ 金属や合金それ自体の導電材料としての特性と、微
小さとを活かしてコンデンサ、異方導電膜、導電ペース
ト、導電シート等に、また ・ 触媒材料としての特性と微小さとを活かしてカーボ
ンナノチューブの成長触媒やガス化学物質の反応触媒等
に、さらには ・ 磁性材料としての特性と微小さとを活かして電磁波
シールド材等に、利用され、あるいは利用が検討されて
いる。
【0003】また、かかる微小な金属微粉末を製造する
方法としては、例えば金属微粉末の製造を気相中で行う
気相法や、あるいは液中で行う液相法などの、種々の製
造方法が提案されている。例えば特開平11−8081
6号公報には、気相法による製造方法の一例として、硫
黄を含有する雰囲気中で、塩化ニッケルの蒸気を還元し
てニッケルの微粉末を製造する方法が開示されている。
【0004】また気相法による金属微粉末の製造方法と
しては、いわゆる化学的蒸着法(CVD法)なども一般
的に行われている。一方、特開平11−302709号
公報には、液相法による製造方法の一例として、ヒドラ
ジン、次亜リン酸アルカリ、または水素化ホウ素アルカ
リを還元剤として含む還元剤水溶液中に、少なくともニ
ッケルイオンを含む水溶液を滴下することで還元して、
ニッケルまたはその合金の微粉末を製造する方法が開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のうち
特開平11−80816号公報に記載の方法で製造した
金属微粉末中には、通常、500〜2000ppm程度
の硫黄が含まれる。このため金属微粉末の純度が低下
し、それに伴って導電率等の特性が低下するという問題
がある。また、上記公報に記載の製造方法やCVD法を
含めて、従来の気相法はいずれも、その実施に使用する
製造装置のイニシャルコストおよびランニングコストが
極めて高くつくという問題もある。
【0006】しかも気相法では、金属の成長速度が遅い
上、上記の製造装置がバッチ式であるため、金属微粉末
を一度に大量に生産するのが難しいという問題もある。
さらに気相法では、金属の成長速度が遅いので、反応時
間を長く設定する必要がある。それゆえ、反応初期に析
出して成長を開始した金属微粉末と、それより遅れて析
出して成長を開始した金属微粉末とでは、反応終了時の
粒径が大きく異なるため、製造された金属微粉末は、粒
度分布がブロードになる傾向にある。このため、とくに
粒径の揃った金属微粉末を得ようとすると、粒径の大き
過ぎるものや小さ過ぎるものを多量に除去しなければな
らず、収率が大幅に低下するという問題もある。
【0007】したがって気相法で製造された金属微粉末
は、製造コストが著しく高くつくため、用途が限られて
いるのが現状である。これに対し液相法は、最低限、液
をかく拌する装置があれば実施可能であるため、気相法
に比べて、製造装置のイニシャルコストおよびランニン
グコストを著しく低下させることができる。また気相法
に比べて金属の成長速度が速い上、装置を大型化するこ
とも容易であるため、バッチ式でも一度に大量の生産が
可能である。また、連続式でのさらに大量の生産も可能
である。
【0008】しかも成長速度が速いことから反応時間を
短く設定して、多数の金属微粉末の析出と成長をほぼ同
時に、均一に進行させることができる。このため粒度分
布がシャープで粒径の揃った金属微粉末を高収率で製造
できる。しかし、例えば前述した特開平11−3027
09号公報に記載の方法のうち、還元剤として次亜リン
酸アルカリや水素化ホウ素アルカリを用いた方法では、
金属とともにリンやホウ素が共析するため、製造される
金属微粉末の純度が低下し、それに伴って導電率等の特
性が低下するという問題がある。
【0009】一方、還元剤としてヒドラジンやヒドラジ
ン系の化合物を用いた場合は共析の問題は生じないもの
の、これらの化合物が危険物であるため、取り扱いに厳
重な安全管理が必要になるという問題がある。そこで、
これらの問題を有さない新たな還元剤を用いた、液相法
による金属微粉末の製造方法として、特許第30186
55号公報には、三塩化チタンを用いた製造方法が開示
されている。
【0010】すなわち、金属元素の水溶性の化合物を、
必要に応じて錯化剤とともに水に溶解して水溶液を作製
し、次いでこの水溶液に、pH調整剤としてアンモニア
水などを加えて液のpHを9以上に調整した状態で、還
元剤として三塩化チタンを加えることによって、3価の
チタンイオンが酸化する際の還元作用を利用して、金属
元素のイオンを還元、析出させて金属微粉末を製造して
いる。そして上記公報には、かかる製造方法によって、
不純物を含まない高純度の金属微粉末を、安全に製造で
きることが謳われている。
【0011】しかし、上記の製造方法について発明者が
検討したところ、下記の問題を有することが明らかとな
った。 (1) 上記の製造方法では、平均粒径が400nm〜1
μm程度の金属微粉末を製造することはできるが、それ
よりさらに小粒径の、平均粒径が400nm以下といっ
た微細な金属微粉末は、反応条件をどのように調整して
も製造することができない。 (2) 上記公報には記載していないが、三塩化チタンを
そのままの、濃度100%の状態で、pHが9以上の水
溶液に加えた場合には、加えた三塩化チタンのほぼ全量
が水と急激に反応して、加水分解により酸化チタンとな
って液中に析出、沈殿してしまう。また三塩化チタン
を、安定な塩酸酸性水溶液の状態で加えても、加えた三
塩化チタンのおよそ20%程度は水と反応して、加水分
解により酸化チタンとして析出、沈殿してしまう。この
ため上記公報では、三塩化チタンを1回の使いきりと考
えているようであるが、三塩化チタンは保存や取り扱い
が難しい上、高価であるため、例えば製造する金属微粉
末の単価よりも、三塩化チタンを1回の使いきりとした
上記の製造方法による製造コストの方が高くつく場合も
考えられる。それゆえ上記公報に記載の製造方法は、金
属微粉末の工業的な生産には適していない。
【0012】この発明の目的は、これまでよりもさらに
微細で、しかも粒径が揃っている上、不純物を含まない
高純度の金属微粉末を、より安価かつ大量に、しかも安
全に製造することができる、新規な金属微粉末の製造方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、金属微粉末を製造する方法であって、
4価のチタンイオンと、当該チタンイオンの4倍以上の
モル数の塩素イオンとを含む、pHが7以下の水溶液を
陰極電解処理して、4価のチタンイオンの一部を3価に
還元することで、3価のチタンイオンと4価のチタンイ
オンとが混在した還元剤水溶液を得る工程と、上記還元
剤水溶液に、金属微粉末のもとになる少なくとも1種の
金属元素の、水溶性の化合物を添加、混合して、3価の
チタンイオンが4価に酸化する際の還元作用によって金
属元素のイオンを還元、析出させて金属微粉末を得る工
程と、を含むことを特徴とする金属微粉末の製造方法で
ある。
【0014】3価のチタンイオンは、前述したように酸
化する際に、金属元素のイオンを還元、析出させて金属
微粉末を成長させる機能を有する。これに対し4価のチ
タンイオンは、発明者の検討によると、金属微粉末の成
長を抑制する成長抑制剤としての機能を有する。また3
価のチタンイオンと4価のチタンイオンとを共に含む還
元剤水溶液中では、両者は完全に独立して存在すること
ができず、3価と4価の複数個のイオンがクラスターを
構成して、全体として水和および錯体化した状態で存在
する。
【0015】このため1つのクラスター中で、3価のチ
タンイオンによる、金属元素のイオンを還元、析出させ
て金属微粉末を成長させる機能と、4価のチタンイオン
による、金属微粉末の成長を抑制する機能とが、1つの
同じ金属微粉末に作用しながら、金属微粉末が形成され
る。したがって請求項1の製造方法によれば、一方的に
金属微粉末を成長させる機能しかない従来の還元剤を用
いた液相法や、あるいは三塩化チタンを1回の使いきり
として、やはり一方的に金属微粉末を成長させるために
しか機能させていない、前記公報に記載の製造方法に比
べて、より粒径の小さい、平均粒径が400nm以下と
いった微細な金属微粉末を製造することが可能となる。
【0016】しかも請求項1の製造方法では、反応開始
時の還元剤水溶液中における、3価のチタンイオンと4
価のチタンイオンとの存在比率を調整することによっ
て、上述した、クラスター中での両イオンの、相反する
機能の割合を制御できるため、製造される金属微粉末の
平均粒径を任意に制御することも可能である。また液相
反応であって、成長速度が速いことから反応時間を短く
設定して、多数の金属微粉末の析出と成長をほぼ同時
に、均一に進行させることができる。このため粒度分布
がシャープで粒径の揃った金属微粉末を高収率で製造で
きる。
【0017】しかもチタンイオンはイオン化傾向が非常
に大きいため、金属元素のイオンを還元、析出させる際
に、金属チタンとして析出することが殆どない。このた
め製造された金属微粉末中には、実質的にチタンは含ま
れない(含まれるとしても100ppm以下である)。
よって金属微粉末は高純度であり、導電性等の特性に優
れたものとなる。またそれゆえに、液中に存在するチタ
ンイオンの総量は殆ど変化しない。前記の反応によって
金属微粉末を析出させると、チタンイオンのほぼ全量が
4価に酸化するだけである。このため反応後の液を陰極
電解処理して、4価のチタンイオンの一部を3価に還元
してやると、還元剤水溶液として何度でも再生すること
ができ、金属微粉末の製造に繰り返して使用することが
できる。
【0018】また初回の反応に際しては、4価のチタン
イオンを含む水溶液を作製する必要があるが、その主要
な原料である四塩化チタンは、前記公報に記載の製造方
法で用いている三塩化チタンよりも工業的に多用されて
おり、入手が容易で著しく安価であるという利点もあ
る。また初回の反応に際して作製する、もしくは前回の
反応後に回収した、4価のチタンイオンを含む水溶液
は、いずれもそのpHを7以下とした状態で、次の陰極
電解処理、ならびに金属微粉末の析出に用いるため安定
である。すなわち、その後の陰極電解処理時や金属微粉
末の析出時に液のpHは変動するが、上記のように出発
原料である4価のチタンイオンを含む水溶液のpHを7
以下としておけば、製造の全工程を通して、加水分解に
よる酸化チタンの生成などを生じることなしに、金属微
粉末を製造することができる。
【0019】しかも、上記4価のチタンイオンを含む水
溶液を陰極電解処理して還元剤水溶液を得る際には、そ
の電解処理の条件を制御することによって、3価のチタ
ンイオンと4価のチタンイオンの存在比率を簡単に調整
することもできる。したがって請求項1の構成によれ
ば、これまでよりもさらに微細で、しかも粒径が揃って
いる上、不純物を含まない高純度の金属微粉末を、より
安価かつ大量に、しかも安全に製造することが可能とな
る。
【0020】元剤水溶液のもとになる、4価のチタン
イオンを含む水溶液として、当該チタンイオンの、4倍
以上のモル数の塩素イオンを含む水溶液を用いるのは下
記の理由によるすなわち4価のチタンイオンは、上記
範囲より塩素イオンの少ない水中では、水酸イオン(O
)と反応してTiO2+イオンを生成しやすい。し
かもこのイオンは安定であるため、殆どの場合、陰極電
解処理をしても、上記TiO2+イオン中の4価のチタ
ンイオンの、3価への還元反応は進行せず、通電量のほ
ぼ全量が水素イオンの還元に費やされて、水素ガスが発
生するだけである。
【0021】これに対し、塩素イオンをチタンイオンの
4倍以上のモル数で含む水溶液中では、TiO2+イオ
ンの一部が塩素と置換して塩化チタン錯体〔TiCl
(xは1〜4)〕を形成する。そしてこの塩化チタン錯
体中の4価のチタンイオンは比較的自由な状態にあるた
め、陰極電解処理によって、より簡単かつ効率的に、3
価に還元させることができる。3価のチタンイオンが4
価に酸化する際の還元作用によって析出可能な金属元素
としては、Ag、Au、Bi、Co、Cu、Fe、I
n、Ir、Mn、Mo、Ni、Pb、Pd、Pt、R
e、Rh、SnおよびZnを挙げることができる。金属
元素としてこれらのうちの1種を用いれば、その金属元
素単体からなる金属微粉末を製造することができる。ま
た、上記金属元素の少なくとも2種を用いれば、それら
の金属の合金からなる金属微粉末を製造することができ
る。
【0022】したがって請求項2記載の発明は、金属微
粉末のもとになる金属元素として、Ag、Au、Bi、
Co、Cu、Fe、In、Ir、Mn、Mo、Ni、P
b、Pd、Pt、Re、Rh、SnおよびZnからなる
群より選ばれた少なくとも1種を用いることを特徴とす
る請求項1記載の金属微粉末の製造方法である。この発
明の製造方法によれば、前述したように平均粒径が40
0nm以下の、これまでは製造することができなかった
極めて微細な金属微粉末を製造することができる。
【0023】したがって請求項3記載の発明は、平均粒
径が400nm以下の金属微粉末を製造することを特徴
とする請求項1記載の金属微粉末の製造方法である。金
属微粉末を析出させた後の、4価のチタンイオンを含む
水溶液は、前述したように陰極電解処理によって還元剤
水溶液として再生して、金属微粉末の製造に繰り返し使
用することができる。このため金属微粉末の製造コスト
を著しく低減することができる。
【0024】したがって請求項4記載の発明は、金属微
粉末を析出させた後の、4価のチタンイオンを含む水溶
液を陰極電解処理によって還元剤水溶液として再生し
て、金属微粉末の製造に繰り返し使用することを特徴と
する請求項1記載の金属微粉末の製造方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、この発明を説明する。こ
の発明の金属微粉末の製造方法は、(I) 4価のチタン
イオンを含む、pHが7以下の水溶液を陰極電解処理し
て、4価のチタンイオンの一部を3価に還元すること
で、3価のチタンイオンと4価のチタンイオンとが混在
した還元剤水溶液を得る工程と、(II) 上記還元剤水溶
液に、金属微粉末のもとになる少なくとも1種の金属元
素の、水溶性の化合物を添加、混合して、3価のチタン
イオンが4価に酸化する際の還元作用によって金属元素
のイオンを還元、析出させて金属微粉末を得る工程と、
を含んでいる。
【0026】上記のうち(I)の工程で用意する、4価の
チタンイオンを含み、かつpHが7以下の所定値に調整
された水溶液としては、初回の反応に際して作製するも
のと、前回の反応後に回収したもののうちの少なくとも
一方を用いる。このうち前者の、初回の反応に際して作
製する水溶液としては、安定な、四塩化チタンの塩酸酸
性水溶液を挙げることができる。かかる水溶液は、当然
ながらpHが7以下であるため、そのままで、次工程で
ある陰極電解処理に用いてもよいし、さらにpHを調整
したのち陰極電解処理に用いてもよい。
【0027】また後者の、前回の反応後に回収した水溶
液(還元剤水溶液に、金属元素のイオンを混合した混合
液の残りゆえ、以下では「混合残液」と呼ぶ)について
も、pHが7以下の所定の値であれば、そのままで、次
工程である陰極電解処理に用いてもよいし、さらにpH
を調整したのち陰極電解処理に用いてもよい。また当然
ながら、pHが7を超える場合は、これを7以下の所定
の値に調整したのち、陰極電解処理に使用すればよい。
【0028】またとくに金属微粉末の製造を連続して、
繰り返し行う場合は、初回の水溶液のpHと、2回目以
降の混合残液のpHとを、陰極電解処理に際して、7以
下の一定の値に揃えておくのが、その後の反応条件を一
定に保つ上で望ましい。水溶液や混合残液のpHを低下
させるためには、単純に酸を添加すればよい。ただし、
次に述べる塩素イオンの補給のためや、あるいはイオン
の蓄積による影響をできるだけ小さくすることなどを考
慮すると、上記酸としては、四塩化チタンと陰イオンが
同じ塩素で、なおかつ構造がシンプルな塩酸を用いるの
が好ましい。
【0029】一方、水溶液や混合残液のpHを上昇させ
るためには、やはりアルカリを直接に投入するのが簡単
である。しかし、イオンの蓄積による影響をできるだけ
小さくすることを考慮すると、例えば陰イオン交換膜で
仕切った2槽式の電解槽の、片方の槽に水溶液や混合残
液を注入するとともに、他方の槽には水酸化ナトリウム
水溶液などのアルカリを入れ、静置して、水酸イオンの
拡散浸透によってpHを上昇させるのが好ましい。
【0030】またこの発明では、初回の反応に際して作
製する水溶液と、前回の反応後に回収した混合残液とを
併用してもよい。併用が必要になる場面としては、例え
ば金属微粉末のロ別時などに目減りした混合残液を、新
たな水溶液で補充する場合などを挙げることができる。
初回の反応に際して作製する水溶液、および前回の反応
後に回収した混合残液はともに、先に述べたように、4
価のチタンイオンの、4倍以上のモル数の塩素イオンを
含んでいる必要がある
【0031】初回の反応に際して、前記のように四塩化
チタンを出発原料として水溶液を作製した場合、当該水
溶液には、上記四塩化チタンに由来する、チタンイオン
の4倍のモル数の塩素イオンが既に含まれている。また
四塩化チタンの水溶液は、前記のように安定させるべく
塩酸酸性とされることから、水溶液中には、かかる塩酸
に由来する塩素イオンも含まれており、チタンイオンに
対する塩酸イオンの量は十分である。
【0032】このため、四塩化チタンの塩酸酸性水溶液
を初回の水溶液として用いた場合には、陰極電解処理に
より、3価のチタンイオンと4価のチタンイオンとが混
在した還元剤水溶液を簡単かつ効率的に製造できる。し
かし陰極電解処理時には、塩素イオンが陽極側に移動
し、陽極に電子を奪われて塩素ガスとなって液中から出
てゆくため、陰極電解処理を繰り返すと、塩素イオンの
量が徐々に低下する傾向を示す。
【0033】したがって、とくに前回の反応後に回収し
た混合残液には、塩素イオンのモル数がチタンイオンの
モル数の4倍未満とならないように維持するために、必
要に応じて随時、塩素イオンを補給してやるのが好まし
い。塩素イオンを補給するためには、塩素イオンを含む
水溶性の化合物を別途、液に加えてもよい。しかし、先
に述べたように液のpHを低下させるための酸として塩
酸を用いたり、あるいは後述するように、析出させる金
属元素の水溶性の化合物として塩化物を用いたりして、
これらの化合物の補充と同時に、塩素イオンを補給する
ようにするのが好ましい。
【0034】このようにすれば、塩素イオンを含む水溶
性の化合物を別途、用意したり、それを随時、液に加え
たりする手間をなくしつつ、なおかつ、液の塩素イオン
のモル数を常時、4価のチタンイオンの、4倍以上のモ
ル数の、高いレベルに維持することができる。なお塩素
イオンのモル数が、4価のチタンイオンのモル数の丁度
4倍であるとき、陰極電解処理時の通電量のどの程度
が、4価のチタンイオンを3価に還元するために利用さ
れたかを示す陰極効率は数%に過ぎないが、塩素イオン
のモル数を、4価のチタンイオンのモル数の6倍とする
と陰極効率は60%、8倍とすると95%というように
飛躍的に、陰極効率が上昇する。
【0035】つまり塩素イオンのモル数が大きければ大
きいほど、陰極効率は上昇するのであるが、塩素イオン
のモル数が4価のチタンイオンのモル数の10倍を超え
ても、それ以上の添加効果は得られない。のみならず過
剰の塩素イオンが反応に影響を及ぼすおそれもある。し
たがって、初回の反応に際して作製する水溶液や、前回
の反応後に回収した混合残液に含有させる塩素イオンの
モル数は、4価のチタンイオンのモル数の4〜10倍で
あるのがさらに好ましい。
【0036】次にこの発明では、上記の水溶液または混
合残液を陰極電解処理して、4価のチタンイオンの一部
を3価に還元することで、3価のチタンイオンと4価の
チタンイオンとが混在した還元剤水溶液を得る。その具
体的な方法としては、例えば前記pHの調整時に使用し
たのと同じ、陰イオン交換膜で仕切った2槽式の電解槽
を用意する。次に、この電解槽の片方の槽に水溶液また
は混合残液を注入するとともに、他方の槽には硫酸ナト
リウム水溶液などを入れ、なおかつ両方の液に電極を浸
漬した状態で、4価のチタンイオンを含む水溶液または
混合残液の側を陰極、硫酸ナトリウム水溶液の側を陽極
として直流電流を流す。
【0037】そうすると、4価のチタンイオンの一部が
3価に還元されて、3価のチタンイオンと4価のチタン
イオンとが混在した還元剤水溶液が製造される。先に述
べたように、3価のチタンイオンと4価のチタンイオン
の、還元剤水溶液中での存在比率を調整すると、例えば
図1に示すように、製造される金属微粉末の平均粒径を
任意に制御することができる。図は、横軸が、反応開始
時の還元剤水溶液中での、3価のチタンイオンの濃度
(%)、縦軸が、製造される金属微粉末の平均粒径(n
m)を表している。
【0038】そして、3価のチタンイオンの濃度が10
0%、すなわち還元剤水溶液中に4価のチタンイオンが
存在しないときは、形成される金属微粉末の平均粒径が
400nmを超えるが、3価のチタンイオンの濃度が低
下するにしたがって金属微粉末の平均粒径が徐々に小さ
くなって行き、3価のチタンイオンの濃度が0%、つま
り3価のチタンイオンが存在しなくなると、還元反応が
進行しないため金属微粉末が形成されない、つまり平均
粒径が0nmとなることを示している。
【0039】なお図1はあくまでも一例であって、3価
のチタンイオンの濃度と金属微粉末の平均粒径との関係
が図1のものに限定されないことは、後述する実施例の
結果などからも明らかである。例えば実施例1では、3
価のチタンイオンの濃度が60%のとき、ニッケル微粉
末の平均粒径は260nmである。また実施例2では、
3価のチタンイオンの濃度が30%のとき、ニッケル微
粉末の平均粒径は150nmである。いずれも図の例よ
り小粒径側にシフトした結果となっている。また実施例
1と、実施例3〜5の結果から、3価のチタンイオンの
濃度が60%で一定であっても、析出させる金属元素が
違えば、金属微粉末の粒径が異なった値となることもわ
かる。
【0040】3価のチタンイオンと4価のチタンイオン
の、還元剤水溶液中での存在比率を調整するためには、
水溶液のpHや電解処理の時間などの、陰極電解処理の
条件を制御すればよい。例えば陰極電解処理の時間を長
くするほど、3価のチタンイオンの存在比率を高めるこ
とができる。次に、前記(II)の工程に進んで、上記のよ
うにして作製した還元剤水溶液に、金属微粉末のもとに
なる少なくとも1種の金属元素の、水溶性の化合物を添
加、混合する。
【0041】金属元素としては、前述したようにAg、
Au、Bi、Co、Cu、Fe、In、Ir、Mn、M
o、Ni、Pb、Pd、Pt、Re、Rh、Snおよび
Zn等の1種または2種以上を挙げることができる。ま
た金属元素の水溶性の化合物としては、硫酸塩化合物や
塩化物などの、種々の水溶性の化合物を挙げることがで
きる。ただし、金属微粉末の製造を連続して繰り返し行
う際に、先に述べたように塩素イオンをも同時に補給す
ることや、あるいはイオンの蓄積による影響をできるだ
け小さくすること、さらには水に対する溶解度の大きさ
などを考慮すると、水溶性の化合物としては塩化物が好
ましい。
【0042】金属元素の水溶性の化合物は、還元剤水溶
液に直接に投入してもよいが、その場合は、投入した化
合物の周囲でまず局部的に反応が進行するため、金属微
粉末の粒径が不均一になり、粒度分布が広くなるおそれ
がある。このため金属元素の水溶性の化合物は、水に溶
かして希釈した水溶液(以下「反応液」とする)の状態
で、還元剤水溶液に添加するのが好ましい。また初回に
添加する反応液には、必要に応じて錯化剤を配合しても
よい。
【0043】錯化剤としては、従来公知の種々の錯化剤
を用いることができる。ただし粒径ができるだけ小さ
く、しかも粒度分布ができるだけシャープな金属微粉末
を製造するためには、3価のチタンイオンの酸化によっ
て金属元素のイオンを還元、析出させる際に、液中に発
生させる金属微粉末の核のサイズを大きくして、その後
の還元反応の時間をできるだけ短くすることが有効であ
る。これを実現するためには、3価のチタンイオンの酸
化反応速度と、金属元素のイオンの還元反応速度とをと
もに制御することが有効であり、そのためには3価のチ
タンイオンと金属元素のイオンとをともに錯体化するの
が重要である。
【0044】かかる機能を有する錯化剤としては、例え
ばクエン酸三ナトリウム〔Na 〕、酒石
酸ナトリウム〔Na〕、酢酸ナトリウム
〔NaCHCO〕、グルコン酸〔C
12〕、チオ硫酸ナトリウム〔Na 〕、
アンモニア〔NH〕、およびエチレンジアミン四酢酸
〔C1016〕からなる群より選ばれた少な
くとも1種を挙げることができる。
【0045】また、金属微粉末の製造を連続して繰り返
し行う際に、消耗した金属元素を補充するためには、前
回の反応後に回収した混合残液の一部を、陰極電解処理
する前にごく少量、分取しておき、それに補充分の、金
属元素の水溶性の化合物を溶かして補充の反応液を作製
し、この補充反応液を、陰極電解処理によって再生した
還元剤水溶液に添加するようにするのが好ましい。この
ようにすると、混合液の濃度を一定に維持することがで
きる。またこの際、錯化剤は消耗されず、初回の添加分
が液中に存在するので、補充の必要はない。
【0046】また特に初回の反応に際しては、還元剤水
溶液のpHを所定の範囲に調整するのが好ましい。還元
剤水溶液のpHを調整するタイミングは、当該還元剤水
溶液に反応液を添加する前であってもよいし、添加後で
あってもよい。還元剤水溶液のpHを調整するために
は、例えば炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、
水酸化ナトリウム水溶液などをpH調整剤として添加す
ればよい。ただし、還元剤水溶液のpHが始めから所定
の範囲内である場合は、pHの調整を省略できる。
【0047】また2回目以降の反応に際しては、通常の
場合、還元剤水溶液のpHが初回に調整した範囲を維持
するため、pHの調整を省略できる。よって2回目以降
は、液の組成が変化するのを防止することも考慮して、
pHが所定の範囲を外れた際にのみ、pH調整剤を添加
してpHを調整するようにするのが望ましい。還元剤水
溶液のpHは、金属の析出速度を左右し、ひいては析出
する金属微粉末の形状に影響を及ぼす。
【0048】例えば還元剤水溶液のpHが高いほど金属
の析出速度が速くなるため、反応初期の液中に、極めて
微小な金属微粉末が多量に発生し、それが成長する過程
で多数個、結合してクラスター状や鎖状などの形状にな
りやすい。とくにニッケルやその合金などの、常磁性を
有する金属の場合、反応初期に多量に発生した、未だ単
結晶構造の微小な金属微粉末が、単結晶構造ゆえに単純
に2極に分極して、多数個が互いに鎖状に繋がった状態
となりやすい。しかも反応が進むと、その上にさらに金
属や合金が析出して鎖状構造を固定するため、常磁性を
有する金属の微粉末は鎖状になる。
【0049】一方、還元剤水溶液のpHが低いほど金属
の析出速度が遅くなるため、反応初期の液中に発生する
金属微粉末の粒径が大きく、かつ数が少なくなるととも
に、その成長が、金属微粉末の表面で均一に進行する傾
向を示す。したがって金属微粉末は球形に近づく。それ
ゆえ、金属微粉末をどのような形状に形成するか(鎖状
やクラスター状か、あるいは球形か)に応じて、還元剤
水溶液のpHを、それに適した好適な範囲に調整するの
が望ましい。
【0050】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1(ニッケル微粉末の製造) 〔還元剤水溶液の初回準備〕四塩化チタンの20%塩酸
酸性水溶液を用意した。四塩化チタンの量は、当該水溶
液を次工程で陰極電解処理して得た還元剤水溶液を、次
項で述べる反応液と所定の割合で混合するとともに、p
H調整剤や、あるいは必要に応じてイオン交換水を加え
て所定量の混合液を作製した際に、当該混合液の総量に
対する、3価および4価のチタンイオンの、合計のモル
濃度が0.2Mとなるように設定した。液のpHは4で
あった。
【0051】次にこの水溶液を、旭硝子(株)製の陰イオ
ン交換膜で仕切った2槽式の電解槽の、片方の槽に注入
した。また上記電解槽の、反対側の槽にはモル濃度0.
1Mの硫酸ナトリウム水溶液を入れた。そしてそれぞれ
の液にカーボンフェルト電極を浸漬して、四塩化チタン
の水溶液側を陰極、硫酸ナトリウム水溶液側を陽極とし
て、3.5Vの直流電流を、定電圧制御で通電して水溶
液を陰極電解処理することで、還元剤水溶液を準備し
た。
【0052】陰極電解処理により、還元剤水溶液中の、
4価のチタンイオンの60%が3価に還元され、液のp
Hは1となった。 〔反応液の作製〕塩化ニッケルとクエン酸三ナトリウム
とをイオン交換水に溶解して反応液を作製した。塩化ニ
ッケルの量は、前述した混合液の総量に対するモル濃度
が0.16Mとなるように設定した。またクエン酸三ナ
トリウムの量は、やはり混合液の総量に対するモル濃度
が0.3Mとなるように調整した。
【0053】〔ニッケル微粉末の製造(初回)〕前記還
元剤水溶液を反応槽に入れ、液温を50℃に維持しつ
つ、かく拌下、pH調整剤としての炭酸ナトリウムの飽
和水溶液を加えて液のpHを5.2に調整するととも
に、反応液を徐々に加えた後、さらに必要に応じてイオ
ン交換水を加えて所定量の混合液を作製した。反応液お
よびイオン交換水は、あらかじめ50℃に暖めておいた
ものを加えた。
【0054】そして混合液の液温を50℃に維持しなが
ら数分間、かく拌を続けると沈殿が析出したので、かく
拌を停止して沈殿を直ちにロ別、水洗した後、乾燥させ
て微粉末を得た。反応終了時点での混合液のpHは4.
0であった。また、混合液中のチタンイオンはほぼ全量
が4価となった。得られた微粉末の組成をICP発光分
析法によって測定したところ、純度99.94%のニッ
ケルであることが確認された。
【0055】また、上記ニッケル微粉末の外観を、走査
型電子顕微鏡写真を用いて撮影し、実際の寸法が1.8
μm×2.4μmの矩形状の範囲に入る全てのニッケル
微粉末の粒径を実測してその平均値を求めたところ26
0nmであった。また上記粒径の実測結果から、ニッケ
ル微粉末の粒径と、頻度の累積パーセントとの関係を示
す累積曲線を求め、この累積曲線から、式(1): G(%)=(d50−d10)/d50×100 (1) によって、10%粒径のニッケル微粉末の粒径d
10の、50%粒径のニッケル微粉末の粒径d50に対
する粒径差Gを求めたところ53.6%であった。
【0056】また同様に式(2): G(%)=(d90−d50)/d50×100 (2) によって、90%粒径のニッケル微粉末の粒径d
90の、50%粒径のニッケル微粉末の粒径d50に対
する粒径差Gを求めたところ116.8%であった。
そしてこれらの結果から、1回目に製造したニッケル微
粉末は粒径が著しく小さい上、粒径分布がシャープで粒
径が揃っていることが確認された。
【0057】〔還元剤水溶液の再生〕ニッケル微粉末を
ロ別した後の混合残液のごく一部を、粉末状の塩化ニッ
ケルに徐々に加えて溶解してニッケルの補充反応液を作
製した。塩化ニッケルの量は、この補充反応液を、次工
程で混合残液の残部を陰極電解処理して再生した還元剤
水溶液に加えて所定量の新たな混合液を作製した際に、
当該新たな混合液の総量に対するモル濃度が0.16M
となるように設定した。
【0058】また、上記のように混合残液の残部の全量
を、前記と同じ2槽式の電解槽の、片方の槽に注入する
とともに、反対側の槽にはモル濃度0.1Mの硫酸ナト
リウム水溶液を入れた。そしてそれぞれの液にカーボン
フェルト電極を浸漬して、混合残液側を陰極、硫酸ナト
リウム水溶液側を陽極として、3.5Vの直流電流を、
定電圧制御で通電して陰極電解処理した。
【0059】陰極電解処理は、混合残液の全量中の、4
価のチタンイオンの60%が3価に還元されるように行
い、それにより混合残液の残部を、還元剤水溶液として
再生した。また陰極では水の電気分解も並行して進行す
るため、水素イオンが消費されて、再生した還元剤水溶
液のpHは7となった。なお還元剤水溶液の再生、およ
びニッケルの補充反応液の作製に使用する混合残液のp
Hは4.0となるように調整した。すなわち、前回の反
応終了時の、混合液のpHが、前記のように4.0であ
る場合は、金属微粉末を回収後の混合残液をそのまま使
用したが、pHが4.0よりも大きい場合は、混合残液
に塩酸水溶液を加えてpHを4.0に調整した。またp
Hが4.0よりも小さい場合は、混合残液を前述した2
槽式の電解槽の、片方の槽に注入するとともに、反対側
の槽にはモル濃度0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を
入れ、静置して、水酸イオンの拡散浸透によってpHを
4.0に調整した。
【0060】〔ニッケル微粉末の製造(2回目)〕上記
で再生した還元剤水溶液を反応槽に入れ、液温を50℃
に維持しつつ、かく拌下、前述した補充反応液を加えて
所定量の新たな混合液を作製した。pHは5〜6となっ
た。補充反応液は、あらかじめ50℃に暖めておいたも
のを加えた。そして液温を50℃に維持しながら数分
間、かく拌を続けると沈殿が析出したので、かく拌を停
止して沈殿を直ちにロ別、水洗した後、乾燥させて微粉
末を得た。反応終了時点での混合液のpHは4.0であ
った。また、混合液中のチタンイオンはほぼ全量が4価
となった。
【0061】得られた微粉末の組成をICP発光分析法
によって測定したところ、純度99.94%のニッケル
であることが確認された。また、上記ニッケル微粉末の
平均粒径を、前記と同様にして実測したところ、260
nmであった。さらに上記実測結果から、前記のように
して粒径差G、Gを求めたところ、それぞれG
80%、G=78%であった。
【0062】そしてこれらの結果から、2回目に製造し
たニッケル微粉末は、1回目と平均粒径が一致する上、
粒度分布がシャープで粒径が揃っていることが確認され
た。 〔ニッケル微粉末の製造(3回目以降)〕2回目のニッ
ケル微粉末を製造した後の混合残液について、必要に応
じてpHを4.0に調整した後、前記と同様にして還元
剤水溶液の再生、およびニッケルの補充反応液の作製
と、これらの液を用いた、2回目と同条件での、3回目
以降のニッケル微粉末の製造とを繰り返し行った。
【0063】そうしたところいずれの場合も、平均粒径
が260nmで一定である上、粒径差G、Gがとも
に80%の範囲に入る、粒度分布がシャープで粒径が揃
ったニッケル微粉末を、連続して製造することができ
た。 実施例2(ニッケル微粉末の製造) 〔還元剤水溶液の再生〕上記実施例1と同様にして1回
目のニッケル微粉末を製造した後の混合残液のpHを、
必要に応じて4.0に調整した後、そのごく一部を、粉
末状の塩化ニッケルに徐々に加えて溶解してニッケルの
補充反応液を作製した。塩化ニッケルの量は、この補充
反応液を、次工程で混合残液の残部を陰極電解処理して
再生した還元剤水溶液に加えて、所定量の新たな混合液
を作製した際に、当該新たな混合液の総量に対するモル
濃度が0.08Mとなるように設定した。
【0064】また、上記のように混合残液の残部の全量
を、前記と同じ2槽式の電解槽の、片方の槽に注入する
とともに、反対側の槽にはモル濃度0.1Mの硫酸ナト
リウム水溶液を入れた。そしてそれぞれの液にカーボン
フェルト電極を浸漬して、混合残液側を陰極、硫酸ナト
リウム水溶液側を陽極として、3.5Vの直流電流を、
定電圧制御で通電して水溶液を陰極電解処理した。
【0065】陰極電解処理は、混合残液の全量中の、4
価のチタンイオンの30%が3価に還元されるように行
い、それにより混合残液の残部を、還元剤水溶液として
再生した。また陰極では水の電気分解も並行して進行す
るため、水素イオンが消費されて、再生した還元剤水溶
液のpHは6.2となった。 〔ニッケル微粉末の製造(2回目)〕上記で再生した還
元剤水溶液を反応槽に入れ、液温を50℃に維持しつ
つ、かく拌下、前述した補充反応液を加えて所定量の新
たな混合液を作製した。pHは5〜6となった。補充反
応液は、あらかじめ50℃に暖めておいたものを加え
た。
【0066】そして液温を50℃に維持しながら数分
間、かく拌を続けると沈殿が析出したので、かく拌を停
止して沈殿を直ちにロ別、水洗した後、乾燥させて微粉
末を得た。反応終了時点での混合液のpHは4.0であ
った。また、混合液中のチタンイオンはほぼ全量が4価
となった。得られた微粉末の組成をICP発光分析法に
よって測定したところ、純度99.9%のニッケルであ
ることが確認された。
【0067】また、上記ニッケル微粉末の平均粒径を、
前記と同様にして実測したところ、150nmであっ
た。さらに上記実測結果から、前記のようにして粒径差
、Gを求めたところ、それぞれG=81%、G
=79%であった。そしてこれらの結果から、実施例
2で2回目に製造したニッケル微粉末は、反応開始時の
液中における、3価のチタンイオンの存在比率を小さく
することによって、1回目よりもさらに平均粒径が小さ
くなるように制御されており、しかも粒度分布がシャー
プで粒径が揃っていることが確認された。
【0068】〔ニッケル微粉末の製造(3回目以降)〕
2回目のニッケル微粉末を製造した後の混合残液につい
て、必要に応じてpHを4.0に調整した後、前記と同
様にして還元剤水溶液の再生、およびニッケルの補充反
応液の作製と、これらの液を用いた、2回目と同条件で
の、3回目以降のニッケル微粉末の製造とを繰り返し行
った。そうしたところいずれの場合も、平均粒径が15
0nmで一定である上、粒径差G、Gがともに70
%の範囲に入る、粒度分布がシャープで粒径が揃ったニ
ッケル微粉末を、連続して製造することができた。
【0069】実施例3(銅微粉末の製造) 〔還元剤水溶液の作製〕実施例1の初回に準備したのと
同じ、4価のチタンイオンの60%が3価に還元され
た、pHが1の還元剤水溶液を作製した。 〔反応液の作製〕塩化銅とクエン酸三ナトリウムと酒石
酸ナトリウムとをイオン交換水に溶解して反応液を作製
した。塩化銅の量は、当該反応液を、上で述べた還元剤
水溶液と所定の割合で混合するとともに、pH調整剤
や、あるいは必要に応じてイオン交換水を加えて所定量
の混合液を作製した際に、当該混合液の総量に対するモ
ル濃度が0.16Mとなるように設定した。またクエン
酸三ナトリウムと酒石酸ナトリウムの量は、それぞれ混
合液の総量に対するモル濃度が0.15Mとなるように
調整した。
【0070】〔銅微粉末の製造〕前記還元剤水溶液を反
応槽に入れ、液温を50℃に維持しつつ、かく拌下、p
H調整剤としての25%アンモニア水溶液を加えて液の
pHを5.2に調整するとともに、反応液を徐々に加え
た後、さらに必要に応じてイオン交換水を加えて所定量
の混合液を作製した。反応液およびイオン交換水は、あ
らかじめ50℃に暖めておいたものを加えた。
【0071】そして混合液の液温を50℃に維持しなが
ら数分間、かく拌を続けると沈殿が析出したので、かく
拌を停止して沈殿を直ちにロ別、水洗した後、乾燥させ
て微粉末を得た。反応終了時点での混合液のpHは3.
9であった。また、混合液中のチタンイオンはほぼ全量
が4価となった。得られた微粉末の組成をICP発光分
析法によって測定したところ、純度99.9%の銅であ
ることが確認された。
【0072】また、上記銅微粉末の平均粒径を、前記と
同様にして実測したところ、300nmであった。さら
に上記実測結果から、前記のようにして粒径差G、G
を求めたところ、それぞれG=92%、G=11
0%であった。そしてこれらの結果から、実施例3で製
造した銅微粉末は粒径が著しく小さい上、粒径分布がシ
ャープで粒径が揃っていることが確認された。
【0073】実施例4(パラジウム−白金合金微粉末の
製造) 〔還元剤水溶液の作製〕実施例1の初回に準備したのと
同じ、4価のチタンイオンの60%が3価に還元され
た、pHが1の還元剤水溶液を作製した。 〔反応液の作製〕塩化パラジウム、塩化白金酸、クエン
酸三ナトリウム、および酒石酸ナトリウムをイオン交換
水に溶解して反応液を作製した。塩化パラジウムの量
は、当該反応液を、上で述べた還元剤水溶液と所定の割
合で混合するとともに、pH調整剤や、あるいは必要に
応じてイオン交換水を加えて所定量の混合液を作製した
際に、当該混合液の総量に対するモル濃度が0.06M
となるように設定した。また塩化白金酸の量も、混合液
の総量に対するモル濃度が0.06Mとなるように調整
した。さらにクエン酸三ナトリウムと酒石酸ナトリウム
の量は、いずれも混合液の総量に対するモル濃度が0.
15Mとなるように調整した。
【0074】〔合金微粉末の製造〕前記還元剤水溶液を
反応槽に入れ、液温を50℃に維持しつつ、かく拌下、
pH調整剤としての1N水酸化ナトリウム水溶液を加え
て液のpHを5.2に調整するとともに、反応液を徐々
に加えた後、さらに必要に応じてイオン交換水を加えて
所定量の混合液を作製した。反応液およびイオン交換水
は、あらかじめ50℃に暖めておいたものを加えた。
【0075】そして混合液の液温を50℃に維持しなが
ら数分間、かく拌を続けると沈殿が析出したので、かく
拌を停止して沈殿を直ちにロ別、水洗した後、乾燥させ
て微粉末を得た。反応終了時点での混合液のpHは4.
2であった。また、混合液中のチタンイオンはほぼ全量
が4価となった。得られた微粉末の組成をICP発光分
析法によって測定したところ、50Pd−50Pt合金
であることが確認された。また、その純度は99.9%
であった。
【0076】また、上記合金微粉末の平均粒径を、前記
と同様にして実測したところ、8nmであった。さらに
上記実測結果から、前記のようにして粒径差G、G
を求めたところ、それぞれG=40%、G=90%
であった。そしてこれらの結果から、実施例4で製造し
たパラジウム−白金合金微粉末は粒径が著しく小さい
上、粒径分布がシャープで粒径が揃っていることが確認
された。
【0077】実施例5(銀微粉末の製造) 〔還元剤水溶液の作製〕実施例1の初回に準備したのと
同じ、4価のチタンイオンの60%が3価に還元され
た、pHが1の還元剤水溶液を作製した。 〔反応液の作製〕塩化銀、25%アンモニア水溶液、ク
エン酸三ナトリウム、および酒石酸ナトリウムをイオン
交換水に溶解して反応液を作製した。塩化銀の量は、当
該反応液を、上で述べた還元剤水溶液と所定の割合で混
合するとともに、必要に応じてイオン交換水を加えて所
定量の混合液を作製した際に、当該混合液の総量に対す
るモル濃度が0.24Mとなるように設定した。またア
ンモニア水溶液の量は、混合液の総量に対するアンモニ
アのモル濃度が1.2Mとなるように調整した。さらに
クエン酸三ナトリウムと酒石酸ナトリウムの量は、いず
れも混合液の総量に対するモル濃度が0.15Mとなる
ように調整した。
【0078】〔銀微粉末の製造〕前記還元剤水溶液を反
応槽に入れ、液温を50℃に維持しつつ、かく拌下、反
応液を徐々に加えた後、必要に応じてイオン交換水を加
えて所定量の混合液を作製した。反応液およびイオン交
換水は、あらかじめ50℃に温めておいたものを加え
た。そして混合液の液温を50℃に維持しながら数分
間、かく拌を続けると沈殿が析出したので、かく拌を停
止して沈殿を直ちにロ別、水洗した後、乾燥させて微粉
末を得た。反応終了時点での混合液のpHは6.8であ
った。また、混合液中のチタンイオンはほぼ全量が4価
となった。
【0079】得られた微粉末の組成をICP発光分析法
によって測定したところ、純度99.9%の銀であるこ
とが確認された。また、上記銀微粉末の平均粒径を、前
記と同様にして実測したところ、100nmであった。
さらに上記実測結果から、前記のようにして粒径差
、Gを求めたところ、それぞれG=80%、G
=190%であった。
【0080】そしてこれらの結果から、実施例5で製造
した銀微粉末は粒径が著しく小さい上、粒径分布がシャ
ープで粒径が揃っていることが確認された。次に、前述
した特許第3018655号公報記載の発明を検証すべ
く、下記比較例1において、当該公報の実施例5の追試
を試みた。 比較例1(ニッケル微粉末の製造) まず塩化ニッケルと、ニトリロトリ酢酸三ナトリウム
と、クエン酸三ナトリウムとをイオン交換水に溶解して
水溶液を作製した。
【0081】次にこの水溶液に、25%アンモニア水溶
液を加えてpHを10.0に調整した後、液温を50℃
に維持したかく拌下、窒素気流中で、三塩化チタンを、
外気に触れないように注射器を用いて注入して所定量の
混合液を作製した。各成分の、混合液の総量に対するモ
ル濃度は、塩化ニッケルが0.04M、ニトリロトリ酢
酸三ナトリウムが0.1M、クエン酸三ナトリウムが
0.1M、三塩化チタンが0.04Mとした。
【0082】三塩化チタンを注入した瞬間、液の一部が
白く濁ったが、数分後にこの白濁が収まると、白色沈殿
と、その上に堆積した黒色沈殿の2色の沈殿が得られ
た。そこでこの2色の沈殿を別々に採取し、それぞれ水
洗、乾燥させて、白色および黒色の2色の微粉末を得
た。このうち白色の微粉末の組成をICP発光分析法に
よって測定したところ酸化チタンであり、その量を秤量
したところ、液に加えたチタンイオンのほぼ全量が、酸
化チタンになって析出してしまっていることが確認され
た。
【0083】一方、黒色の微粉末は純度76%のニッケ
ルであることが確認された。このニッケル微粉末の平均
粒径を、前記と同様にして実測したところ、1μmであ
った。そしてこれらの結果から、比較例1では、三塩化
チタンを1回の使いきりとしてしか使用できない上、4
00nm以下といった平均粒径の小さいニッケル微粉末
を製造できないことが確認された。
【0084】そこで比較例1の改良を試みるべく、次の
比較例2を行った。 比較例2 まず塩化ニッケルと、ニトリロトリ酢酸三ナトリウム
と、クエン酸三ナトリウムとをイオン交換水に溶解して
水溶液を作製した。次にこの水溶液に、25%アンモニ
ア水溶液を加えてpHを10.5に調整した後、液温を
50℃に維持したかく拌下、窒素気流中で、三塩化チタ
ンの20%塩酸酸性水溶液を、外気に触れないように注
射器を用いて注入して所定量の混合液を作製した。
【0085】各成分の、混合液の総量に対するモル濃度
は、塩化ニッケルが0.04M、ニトリロトリ酢酸三ナ
トリウムが0.1M、クエン酸三ナトリウムが0.1
M、三塩化チタンが0.04Mとした。三塩化チタンの
水溶液を注入した瞬間、液の一部が白く濁ったが、数分
後にこの白濁が収まると、白色沈殿と、その上に堆積し
た黒色沈殿の2色の沈殿が得られた。また液のpHは
2.0まで上昇した。
【0086】そこでこの2色の沈殿を別々に採取し、そ
れぞれ水洗、乾燥させて、白色および黒色の2色の微粉
末を得た。このうち白色の微粉末の組成をICP発光分
析法によって測定したところ酸化チタンであり、その量
を秤量したところ、液に加えたチタンイオンの約20%
が、酸化チタンになって析出してしまっていることが確
認された。一方、黒色の微粉末は純度92%のニッケル
であることが確認された。
【0087】このニッケル微粉末の平均粒径を、前記と
同様にして実測したところ、0.8μmであった。そし
てこれらの結果から、比較例2でも、三塩化チタンを1
回の使いきりとしてしか使用できない上、400nm以
下といった平均粒径の小さいニッケル微粉末を製造でき
ないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】3価のチタンイオンと4価のチタンイオンとを
含む還元剤水溶液を用いて、金属元素のイオンを還元す
ることで、金属微粉末を析出させた際に、3価のチタン
イオンのイオン濃度が、金属微粉末の平均粒径に及ぼす
影響を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 谷 佳枝 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友 電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開2001−200305(JP,A) 特開 平5−78716(JP,A) 特開 平4−88104(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 9/24 C25C 5/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属微粉末を製造する方法であって、 4価のチタンイオンと、当該チタンイオンの4倍以上の
    モル数の塩素イオンとを含む、pHが7以下の水溶液を
    陰極電解処理して、4価のチタンイオンの一部を3価に
    還元することで、3価のチタンイオンと4価のチタンイ
    オンとが混在した還元剤水溶液を得る工程と、 上記還元剤水溶液に、金属微粉末のもとになる少なくと
    も1種の金属元素の、水溶性の化合物を添加、混合し
    て、3価のチタンイオンが4価に酸化する際の還元作用
    によって金属元素のイオンを還元、析出させて金属微粉
    末を得る工程と、 を含むことを特徴とする金属微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】金属微粉末のもとになる金属元素として、
    Ag、Au、Bi、Co、Cu、Fe、In、Ir、M
    n、Mo、Ni、Pb、Pd、Pt、Re、Rh、Sn
    およびZnからなる群より選ばれた少なくとも1種を用
    いることを特徴とする請求項1記載の金属微粉末の製造
    方法。
  3. 【請求項3】平均粒径が400nm以下の金属微粉末を
    製造することを特徴とする請求項1記載の金属微粉末の
    製造方法。
  4. 【請求項4】金属微粉末を析出させた後の、4価のチタ
    ンイオンを含む水溶液を陰極電解処理によって還元剤水
    溶液として再生して、金属微粉末の製造に繰り返し使用
    することを特徴とする請求項1記載の金属微粉末の製造
    方法。
JP2002174563A 2002-06-14 2002-06-14 金属微粉末の製造方法 Expired - Lifetime JP3508766B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002174563A JP3508766B2 (ja) 2002-06-14 2002-06-14 金属微粉末の製造方法
CN038138182A CN1662332A (zh) 2002-06-14 2003-06-11 金属微细粉末的制备方法
PCT/JP2003/007392 WO2003106083A1 (ja) 2002-06-14 2003-06-11 金属微粉末の製造方法
CN2011103324437A CN102350507A (zh) 2002-06-14 2003-06-11 金属微细粉末的制备方法
DE60310435T DE60310435T2 (de) 2002-06-14 2003-06-11 Verfahren zur herstellung von feinem metallpulver
KR1020047020137A KR100917948B1 (ko) 2002-06-14 2003-06-11 금속미분말의 제조방법
US10/517,821 US7470306B2 (en) 2002-06-14 2003-06-11 Method for producing fine metal powder
EP03736151A EP1552896B1 (en) 2002-06-14 2003-06-11 Method for producing fine metal powder
TW092116040A TWI247637B (en) 2002-06-14 2003-06-13 Process for producing metal fine powder

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002174563A JP3508766B2 (ja) 2002-06-14 2002-06-14 金属微粉末の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004018923A JP2004018923A (ja) 2004-01-22
JP3508766B2 true JP3508766B2 (ja) 2004-03-22

Family

ID=29727977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002174563A Expired - Lifetime JP3508766B2 (ja) 2002-06-14 2002-06-14 金属微粉末の製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7470306B2 (ja)
EP (1) EP1552896B1 (ja)
JP (1) JP3508766B2 (ja)
KR (1) KR100917948B1 (ja)
CN (2) CN1662332A (ja)
DE (1) DE60310435T2 (ja)
TW (1) TWI247637B (ja)
WO (1) WO2003106083A1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004244485A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 熱媒体
JP2004244484A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 熱媒体
JP4254313B2 (ja) * 2003-04-09 2009-04-15 住友電気工業株式会社 導電性インク及びその製造方法
JP4320447B2 (ja) * 2004-02-03 2009-08-26 Dowaエレクトロニクス株式会社 銀粉およびその製造方法
EP2216113A1 (en) * 2004-04-30 2010-08-11 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Process for production of chain metal poweders, chain metal powders produced thereby, and anisotropic conductive film formed by using the powders
US7242573B2 (en) * 2004-10-19 2007-07-10 E. I. Du Pont De Nemours And Company Electroconductive paste composition
FI120438B (fi) * 2006-08-11 2009-10-30 Outotec Oyj Menetelmä metallipulverin muodostamiseksi
JP2009079239A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Sumitomo Electric Ind Ltd ニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末およびその製造方法、導電性ペースト、並びに積層セラミックコンデンサ
JP5407495B2 (ja) * 2009-04-02 2014-02-05 住友電気工業株式会社 金属粉末および金属粉末製造方法、導電性ペースト、並びに積層セラミックコンデンサ
KR20120003458A (ko) * 2009-04-24 2012-01-10 스미토모 덴키 고교 가부시키가이샤 프린트 배선판용 기판, 프린트 배선판, 및 그들의 제조방법
FI124812B (fi) * 2010-01-29 2015-01-30 Outotec Oyj Menetelmä ja laitteisto metallipulverin valmistamiseksi
JP5590212B2 (ja) * 2011-02-25 2014-09-17 株式会社村田製作所 ニッケル粉末の製造方法
US20140183047A1 (en) * 2013-01-01 2014-07-03 Panisolar Inc. Regeneration System for Metal Electrodes
CN105050757B (zh) * 2013-04-05 2018-04-13 株式会社村田制作所 金属粉末及其制造方法、使用该金属粉末的导电性糊膏以及层叠陶瓷电子部件
CN106134299B (zh) 2014-03-20 2018-10-23 住友电气工业株式会社 印刷线路板用基板、印刷线路板以及制造印刷线路板用基板的方法
WO2015147219A1 (ja) 2014-03-27 2015-10-01 住友電気工業株式会社 プリント配線板用基板、プリント配線板及びプリント配線板用基板の製造方法
CN104131317B (zh) * 2014-08-01 2016-08-24 昆明理工大学 一种电沉积制备细铅粉的方法
JP6675989B2 (ja) * 2014-12-25 2020-04-08 住友電気工業株式会社 プリント配線板用基板、プリント配線板及びプリント配線板用基板の製造方法
JPWO2016117575A1 (ja) 2015-01-22 2017-10-26 住友電気工業株式会社 プリント配線板用基材、プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
US20190357723A1 (en) * 2016-09-12 2019-11-28 Lucky Iron Fish, Inc. Electrolytic iron cooking implement
CN107059064A (zh) * 2016-12-08 2017-08-18 汤恭年 铅酸蓄电池专用纳米铅粉的电生长制粉法
CN106757174B (zh) * 2017-02-23 2020-08-21 黄芃 一种电沉积制备金属粉末的方法
CN107955952A (zh) * 2017-11-02 2018-04-24 马鞍山市宝奕金属制品工贸有限公司 一种利用铁渣生产高纯铁粉的方法
CN112719286B (zh) * 2020-12-22 2023-05-30 任沁锋 一种铜纳米颗粒的制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4230542A (en) * 1978-10-13 1980-10-28 Oronzio De Nora Impianti Elettrochimici S.P.A. Electrolytic process for treating ilmenite leach solution
DE3300865A1 (de) * 1982-01-16 1983-07-21 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von waessrigen ti(iii)-clorid-loesungen
JP2622019B2 (ja) * 1990-07-31 1997-06-18 福田金属箔粉工業株式会社 粒状銅微粉末の製造方法
JP3018655B2 (ja) * 1991-09-20 2000-03-13 株式会社村田製作所 微粉末の製造方法
US5435830A (en) * 1991-09-20 1995-07-25 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method of producing fine powders
US5246553A (en) * 1992-03-05 1993-09-21 Hydro-Quebec Tetravalent titanium electrolyte and trivalent titanium reducing agent obtained thereby
JPH1180816A (ja) 1997-09-10 1999-03-26 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 導電ペースト用ニッケル粉末とその製造方法
JP3921805B2 (ja) 1998-04-24 2007-05-30 株式会社村田製作所 ニッケル微粉末の製造方法
JP3597098B2 (ja) * 2000-01-21 2004-12-02 住友電気工業株式会社 合金微粉末とその製造方法、それを用いた成型用材料、スラリーおよび電磁波シールド材料

Also Published As

Publication number Publication date
DE60310435T2 (de) 2007-09-27
TW200413120A (en) 2004-08-01
EP1552896B1 (en) 2006-12-13
WO2003106083A1 (ja) 2003-12-24
TWI247637B (en) 2006-01-21
CN1662332A (zh) 2005-08-31
US20050217425A1 (en) 2005-10-06
EP1552896A4 (en) 2005-09-21
US7470306B2 (en) 2008-12-30
EP1552896A1 (en) 2005-07-13
CN102350507A (zh) 2012-02-15
DE60310435D1 (de) 2007-01-25
KR100917948B1 (ko) 2009-09-21
KR20050007608A (ko) 2005-01-19
JP2004018923A (ja) 2004-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3508766B2 (ja) 金属微粉末の製造方法
EP3466570B1 (en) Method for manufacturing silver-coated copper nanowire having core-shell structure by using chemical reduction method
CN114105229B (zh) 一种高纯度三氯化铱的制备方法
JP7517685B2 (ja) 含ビスマスルテニウムパイロクロア金属酸化物の製造方法および酸素電極触媒の製造方法
JP2020007633A (ja) ニッケル連結粒子およびその製造方法
JP2002544382A (ja) ニッケル水酸化物の製法
JP4148078B2 (ja) 金属粉末の製造方法
US3983018A (en) Purification of nickel electrolyte by electrolytic oxidation
US5514202A (en) Method for producing fine silver-palladium alloy powder
JPH07278619A (ja) ニッケル粉末の製造方法
JPS6397232A (ja) 高分散白金・ルテニウム二元クラスタ−触媒の製造方法
JPH11229172A (ja) 高純度銅の製造方法及び製造装置
JP5566794B2 (ja) 金属微粒子の製造方法
JP2622019B2 (ja) 粒状銅微粉末の製造方法
RU2283208C2 (ru) Способ получения порошка серебра
JP2013001984A (ja) 電解再生液を用いた金属微粒子の製造方法
JP2002363618A (ja) 銅超微粒子とその製造方法
JPH0593214A (ja) 銅微粉の製造方法
KR101815999B1 (ko) 갈바닉 치환반응을 이용한 휘스커 촉매 제조방법 및 휘스커 촉매
CN116079046A (zh) 一种Ru-Ir-M三元合金空心纳米晶体及其合成方法和应用
JPH064134B2 (ja) 貴金属触媒の製法
JP2015203147A (ja) 金属微粉末製造方法
JP2000336495A (ja) マグネタイト超微粒子の製造方法
JP2020002444A (ja) 金属粒子分散液の製造方法、金属粒子分散液、及び被膜付基材の製造方法
JPH04311596A (ja) ニッケル亜鉛系メッキ液中への金属亜鉛の溶解方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3508766

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100109

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term