JPH064134B2 - 貴金属触媒の製法 - Google Patents

貴金属触媒の製法

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JPH064134B2
JPH064134B2 JP60115323A JP11532385A JPH064134B2 JP H064134 B2 JPH064134 B2 JP H064134B2 JP 60115323 A JP60115323 A JP 60115323A JP 11532385 A JP11532385 A JP 11532385A JP H064134 B2 JPH064134 B2 JP H064134B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は触媒に利用される貴金属の微粒子の製法に関
し、特に燃料電池用の電極部の触媒に適した貴金属微粒
子の製法に関する。
〔発明の背景〕
一般に貴金属触媒の活性は、貴金属の表面積が大きくな
るにつれ増大するといわれている。貴金属の表面積を増
大させるには、貴金属粒子を微粒子化すると同時に担体
上へ高度に分散担持させればよい。このような観点から
貴金属微粒子の分散液の調整法や燃料電池用の電極触媒
として、カーボン担体上へ貴金属の微粒子を担持する方
法が古くから数多く報告されている。
貴金属微粒子の分散液についてはNORO(ジャーナル
オブ コロイド ソサイアティ 1948年 第3巻
第363頁 J.Colloid.Sci, ,363′48)
や平井等(表面 1979年 第17巻 第279頁
〜)の報告にみられるごとく貴金属微粒子同士の凝集を
抑制するため非イオン系の界面活性剤を添加したコロイ
ド分散法で15Å程度の貴金属粒子を含む分散液を調製
している。一方カーボン担体上へ微細な貴金属粒子を高
分散化して担持する方法においては、白金触媒について
数多く述べられている。以下にその一例を示す。Petrow
(特開昭51−88478)は、塩化白金酸と亜硫酸塩から
亜硫酸白金錯塩を形成させ、これを過酸化水素で酸化す
ることにより15〜25Åの白金粒子をカーボン上に担
持した。又カルヴィン・ローレンス・ブッシュネル(特
開昭54−92588)は、塩化白金酸とニチオン酸ナトリ
ウム過酸化水素の存在下でカーボン上へ0.5〜2mμの
白金粒子を担持せしめた。しかし、Petrowの方法は調製
工程が複雑である欠点を有し、カルヴィンの方法は本発
明者等が試験した結果では白金塩の定量的還元が行えな
かった。
更に、両者の方法においては白金の微粒子化についての
み詳細に述べられており、電極の寿命すなわち長時間試
験後の白金微粒子のシンタリングによる電池性能低下と
の触媒調製法との関連性について何も論じられていな
い。電極触媒の調製に必要な諸条件を勘案し、平井等の
報告を参考にして本発明者等は、先にコロイド分散法に
よる電極触媒の調製法に関して出願(特開昭56−1556
45)した。
この出願による電極触媒の調製法は以下の手順による。
水−メタノール溶液中へカーボン担体、非イオン界面活
性剤及び所定量の塩化白金酸を加え70℃以上の温度で
加熱する。約4時間後には、仕込量の95%以上のpt
がカーボン上に担持される。これをロ過・水洗・乾燥す
ることにより電極触媒が得られる。カーボン担体として
アセチレンブラックを用いて得られた電極触媒の透過型
電子顕微鏡写真(以下TEM像と略記する)の一例を第
1図(A)に示す。観察倍率は138,000倍であり、以下
のTEM像も全て同じ倍率である。第1図(A)にみら
れるごとく、カーボン上のptの一次粒子径は30Å以
下と観測でき、この一次粒子が集落を形成している。前
記出願記載の範囲で調製条件を変化させても一次粒子の
大きさは、大きな変化は示さないが、集落の個数を変化
せることができる。すなわち用いるカーボン担体種、水
−メタノール混合比、非イオン界面活性剤種或いはその
量及び白金担持量によって集落の個数は、数個〜数十個
の範囲で制御できる。第1図(A)に示した電極触媒で
は、30〜50個の集落を形成していた。この電極触媒
を空気中で350℃、2h熱処理したTEM像を第1図
(B)に示す。熱履歴を受けることにより集落内のpt
粒子はシンタリングし、1個の大きな粒子に成長する様
が見られる。更に長時間或いは、熱処理温度を上げるこ
とにより集落で形成されたpt粒子は球形を呈し、この
球形を呈したpt粒子同士が融合し巨大なpt粒子となっ
て成長していくのが観察された。燃料電池に組み、それ
を長時間運転したのち解体し、電極触媒層中のpt粒子
の形態を観察してみるとpt粒子の成長過程は異なると
考えられるが、熱処理をしたTEM像とほとんど同じ状
態で観察できる。すなわち電池運転時には、電位による
t粒子の溶解析出のくり返しによって成長するものと
考えられるが、定性的には熱処理と同じ段階を経て成長
するものと思われる。従ってpt粒子成長による電池性
能の低下を抑制するためには、ptの一次粒子が集落を
形成しない様に高度に分散された電極触媒を調製する必
要がある。
前記出願の方法では、実用的燃料電池の電圧を得るため
に必要なpt担持量領域において、pt一次粒子の集落の
個数を数個以下にするのが困難であった。
〔発明の目的〕
そこで、本発明の目的は貴金属触媒の調製が容易で、貴
金属塩の還元が定量的に行なえ、しかも貴金属の微粒子
を導電性金属粒子例えばカーボン粒子表面に高分散に担
持できる貴金属触媒の製法を提供するもので、特に燃料
電池の触媒に利用した場合上記電池の長寿命化を実現し
得る貴金属触媒の製法を提供するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、従来から行われているptBlachの調製法(触
媒便覧、地人書館刊p556)に着目し、その特異現象
を応用して従来法の欠点を解決した貴金属触媒の製法で
ある。
即ち、本発明は水溶媒中で貴金属、特に周期律表の第8
族に属する貴金属の錯化合物を形成後、上記水溶媒を上
記貴金属イオン還元領域にし上記錯化合物を還元するこ
とにより上記貴金属の微粒子を形成する貴金属触媒の製
法である。
ptBlackの調製法の手順を以下に示す。白金塩の水溶液
とホルマリンの混合溶液を約−10℃に冷却しこれに高
濃度アルカリ溶液(50%KOH)を発熱(5℃以下)を
押えながら滴下し、滴下終了後には強アルカリ性とす
る。その後、室温まで放置したのち約60℃で熟成を行
いptBlackを得る。反応式は(1)式で示される。
Cl+HCHO+6KOH→p+6KCl
+CO+5HO……(1) 上記の調製法において、約−10℃に保つ理由は明記さ
れていないが、本発明者等が経験した範囲では還元反応
をゆっくり進行させる意味をもつように思われた。
上記の方法を参考に以下の実験を試みてみた。2.56mmol
eptを完全に還元するための反応等量に対し、1.5倍のN
aOHと24倍のHCHOに水を加えて450mlとした。これ
を約75℃に保ちながら2.56mmoleのptを含む塩化白金
酸水溶液を0.5ml/minの一定速度で滴下した。このとき
のpH変化を第2図に示した。第2図においてA点は反応
等量点である。第2図にみられるごとく、反応初期のpH
11位から滴下割合が進むにつれpH値は低下し、滴下終
了時には約4.3の値を示した。このpH変化においてはpt
塩の還元状態を観察してみるとpH9.7迄ptBlackは全く
析出しない。このpH値を過ぎるころからptBlackが析出
し始めると同時にpH値が急激に変化する。従って第2図
におけるpH値のBゾーンは、還元反応が全く起こらない
か或いは反応速度が極端に遅い領域でCゾーンは還元反
応が進行する領域と見ることができる。
一般にHCHOの還元作用は、アルカリ性で有効に働き(2)
式に示すごとくギ酸イオンとなり、その時の還元電位は
1.14Vである。
HCHO(aq)+3OH-→HCOO-(aq)+2HO+2e …(2) 一方、酸性の場合は、0.01Vと報告されている。
HCHO(aq)+HO→HCOOH(aq)+2H++2e- …(3) このことは、強アルカリ側で還元反応が進行するはずで
あるが第2図の実験結果では弱アルカリ性にて還元反応
が進行することが判明した。
もう一つの事実としては、強アルカリ側においてpt
錯イオンは水酸化物を形成する。
t(OH)2の溶解度積Ksp=1×10-35であり強アルカ
リ側における溶解度は、ほとんど0である。しかし、第
2図で求められた条件においてptの水酸化物の形成は
全くみられなかった。このことは、HCHOとptCl4 2-
が何らかの相互作用すなわち錯体を形成することによっ
て水酸化物を抑制していると考えられる。水溶液中のホ
ルマリンは、その条件によって様々な形態をとり、一般
的には、高温低濃度では1水和物を又低温高濃では高重
合水和物になるといわれている。第2図の条件では前者
に合致し(4)式の形態をとっていると考えられる。
C:O+HO→HC(OH)……(4) 前述したように強アルカリ側でptの水酸化物を生成し
ないのは、ホルマリン或いはホルマリンの1水和物であ
るメチレングリコールとptCl4 2-の相互作用によるもの
と思われるが今のところ分っていない。
従来pt塩の湿式還元においては、ptの水酸化の生成を
考慮してpH4以下の条件下で行っていた。しかし本発
明に到った高温ホルマリン還元においては、pH領域好ま
しくはpH4〜10の範囲において反応を進めることがで
きる特徴を有する。従ってカーボン担体にpt粒子を担
持させるにおいて、 (イ)カーボン担体やpt粒子は液のpHや塩濃度によってそ
のζ電位が変化するのでこのζ電位を任意の範囲でコン
トロールすることによりカーボン担体とpt粒子の相互
作用を強めることができる, (ロ)反応速度を定量的に制御し析出するpt粒子とカーボ
ン担体との衝突の頻度を高めることを制御できる, ことから、当初目的としたカーボン担体上へ微細なpt
粒子を高度に分散させた電極触媒の製造が可能となる。
〔発明の実施例〕
以下には、本発明の実施例について述べるが、本発明は
以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1 本実施例では、ファーネスブラックであるVulcan XC-7
2R(キャボット社)担体へptを15wt%担持させる
触媒の調製法について述べる。
(イ)XC−72R42.5gへ市販の37%HCHO50mlと50wt%NaO
H10mlを加え蒸留水で1800mlとする。
(ロ)XC−72R42.5gへ市販の37%HCHO50mlと50wt%NaO
H50mlを加え蒸留水で1800mlとする。
(ハ)XC−72R42.5gへ市販の37%HCHO50mlと50wt%NaO
H100mlを加え蒸留水で1800mlとする。
(イ),(ロ)及び(ハ)の還流器付容器を恒温水槽中にセット
トし約75℃に加熱する。その後強かく拌状態の中へ7.
5gのptを含H2ptCl6水溶液200mlが1ml/minの速度
で注入添加される。滴下終了後約1時間、加熱・かく拌
し反応が終了する。
上述の液組成のおいてpt:HCOH:NaOHの(1)式
に示した反応等量に対する比は、それぞれ(イ)1:3
2:0.54,(ロ)1:32:2.7及び(ハ)は1:32:5.
4モル等量である。反応終了後において上澄液のpHは、
(ハ)において中性、(イ)においては弱酸性を示した。反応
終了後の懸濁液をロ過・水洗した後60℃恒温槽中で恒
量になるまで乾燥し電極触媒を得た。電極触媒のpt
析の結果、いずれも14.5wt%以上のptが担持され
ており、仕込み量の95%以上がカーボン上へ沈着して
いた。
得られた電極触媒のTEM像を第3図(A),(B),(C)に
示す。(A)−(イ),(B)−(ロ),(C)−(ハ)がそれぞれ対応す
る。写真にみられるごとくNaOH/ptのモル比が大きくな
るにつれpt粒子の凝塊は大きくなり且つ編在している
のがわかる。逆にNaOH/pt=0.54で調製した電
極触媒の場合、平均的pt粒子径は約25Åと観測され
カーボン担体上に均一に分散している。このようにNaOH
/ptモル比によってpt粒子の凝塊又分散度に違いがでる
のは、第2図に示した結果と照らし合せると良く理解で
きる。すなわち本条件下で還元反応が速やかに進行する
のは、第2図の結果からpH9.7以下においてである。そ
のためアルカリ比が高い場合と低い場合では、反応が始
まるまでに滴下されて反応系に蓄積されるptの絶対量
に違いが出てくる。ちなみにNaOH/p=0.54
とNaOH/p=5.4を単純比較すると還元反応が
進行するpH領域まで下がるのに後者では約10倍のpt
が滴下されることになる。従って還元反応が起こると
き、少ないptがカーボン担体上へ沈着する法が高度に
分散担持でき逆に多量のptがある場合には液相での衝
突による凝集が起こると同時に沈着するカーボン担体上
の分散も悪くなることが予想される。
実施例2 実施例1において、反応速度をH2ptCl6水溶液の滴下速
度でコントロールしようとしたが、反応pH領域が9.7以
下であることから実質的コントロールができなかった。
そこで本実施例では、還元反応が進行するpH9に値を設
定しH2ptCl6水溶液が滴下されても常にpH9を維持する
ようにpHスタットを用いて還元反応を行わしめた。以下
に調製法を示す。
XC−72R42.5gを還流器付フラスコへ計りとり市販
の37%HCHO50mlと50wt%NaOH10mlを加え蒸留水で180
0mlとした。その後2NHClを用いてpH9に調節した。こ
れを恒温水槽中にセットし75℃に加熱した。次いで強
かく拌状態の中へ7.5gptを含むH2ptCl6水溶液200mlを0.
5ml/minの滴下速度で注入した。このとき反応容器中へ
は、pHメータと連動したpHスタットを用いて、H2ptCl6
水溶液の添加によってpH値が下るのをpHスタットからの
NaOH滴下で常にpH9付近に保てるようにした。7時間後
懸濁液をロ過・水洗し60℃恒温槽中で恒量になるまで
乾燥し電極触媒を得た。得られた電極触媒中のpt量は
分析の結果14.7wt%であった。この電極触媒のTE
M像を第4図に示す。写真の結果は、第4図(A)のT
EM像にみられるよりpt粒子の分散度は改善され、平
均粒子径も20Å程度と観測された。第3図(A)及び
本実施例で得られた電極触媒のpt粒子は集落を全く形
成せず、良好な分散状態を示した。
実施例1及び2では、pH4〜9.7の範囲でカーボン上へ
t粒子を沈着した。そこで比較の意味で酸性側で沈着
を行ってみた。試験は還元剤としてメタノールとホルマ
リン2種を用いて行った。(ニ)XC-72R42.5gを還流器付
容器に計りとり、(1:1)vol比のメタノール・水を
加え1800mlとした。
(ホ)XC-72R42.5gを還流器付容器に計りとり、市販の37
%HCHO50ml加え、蒸留水で1800mlとした。
(ニ)及び(ホ)の容器を恒温水槽にセットし、約75℃に加
熱した。これを強かく拌しながら7.5gのptを含有する
2ptCl6水溶液200mlを0.5ml/minの速度で注入
した。約7時間後還元反応は終了する。このときの懸濁
液の上澄液をみると(イ)は透明であり、(ホ)は若干H2ptC
l6のよう黄色を呈していた。又反応終了後の溶液のpHは
(イ)の場合、約2.7であり、(ホ)は約3であった。この懸
濁液をロ過・水洗し、恒温槽中60℃で恒量になるまで
乾燥し電極触媒を得た。得られた電極触媒のpt量を分
析したところ(ニ)では14.6wt%、(ホ)で12.3wt%であ
った。又それぞれの電極触媒のTEM像を第5図の
(A)及び(B)に示す。(A)−(ニ)、(B)−(ホ)が
それぞれ対応する。本比較例で調製した電極触媒のpt
は、いずれも巨大な集落を形成し、分散も極端に悪い状
態を示した。この原因としては、溶液のpH或いは溶媒
の極性等によるカーボン粒子又はpt粒子のζ電位の変
化に基づくものと思われるが、今のところはつきりわか
っていない。
実施例3 本実施例では、実施例1,2及び上記した比較例で調製
した電極触媒を用いて空気極を作製し、メタノール燃料
電池用空気極としての性能評価を行った。
電極の作製は、以下の手順で行った。電極触媒0.45gに
水とポリフロンデイスパージョン(ダイキン工業社製)
を加え混練し、これを導電性多孔質基板であるカーボン
ペーパーに100cm2に塗布し、風乾後空気中140℃
−2hと300℃−0.5h焼成を行って空気極とした。
触媒層のPTFE量は50wt%、白金量は0.67mg/cm2
である。この空気極を単極測定装置にセットし、60℃−
3mol/lH2SO4電解液中での電流密度−電位特性を測定し
性能評価を行った。その結果を第6図に示す。図中の符
号は、電極触媒製造番号と一致している。図にみられる
ごとくpt粒子の分散度の悪いものほど高電流密度側で
電位の低下が大きい。(イ)及び実施例2の電極触媒を用
いた電極性能が最も良く、120mA/cm2の電流密度
において0.79VsvNHEの電位を示した。又各触媒につ
いて反応速度を表わす一つ指標である一定電位(例えば
0.80VvsNHE)で取り出し得る電流密度で整理すると
表1のごとくになる。
表1の結果から、同じ白金量を用いてもその電極触媒の
t粒子の違いにより、活性は1.5〜3倍向上し、電極触
媒の製造が電池性能向上に重要な役割をもっていること
がわかる。
実施例4 前実施例までファーネスブラックであるXC−72Rを
用いてきたが更に撥水性の強いアセチレンブラック(電
気化学工業社製)を用いて本発明法を試みてみた。一般
にアセチレンブラック担体上に微細なpt粒子を均一に
分散担持するのは難しく集塊を形成しやすい。筆者らが
唯一経験しているのは、既出願済みのコロイド分散法に
よるのみである。
アセチレンブラック45gを還流器付容器にはかりと
り、市販の37%HCHO50ml、CH3OH50ml及び50wt%NaO
H18.5mlを加え、蒸留水にて4800mlとした。こ
の容器を恒温水槽にセットし、75℃以上に加熱した
後、強かく拌しながら5gのptを含むH2ptCl5水溶液2
00mlを1ml/minで滴下注入した。滴下終了後、約
1時間加熱・かく拌を行い還元反応を終了させた。その
後、ロ過・水洗を行い60℃で恒量になるまで乾燥を行
い電極触媒を得た。この電極触媒のpt量は9.5wt%であ
った。なお反応等量に対するpt:HCHO:NaOHモル比は
1:24:1.5である。又反応組成液にCH3OHを添加する
のは、アセチレンブラックが液に十分なじまず浮遊する
のを防止するために加えたものである。
ここで得られた電極触媒のTEM像を第7図に示す。第
7図にみられるごとく、pt一次粒子の集落は認められ
ず良い分散を示し。撥水性の強い担体に対しても本発明
法が有効であることが確認された。しかし部分的にpt
の大粒子(60〜80Å)が認められる。これはNaOH/
t=1.5で行ったためと考えられ、pt微粒子の均一化
を図るためには、実施例2のpHコントロール法を適用
する必要がある。
実施例5 実施例4の電極触媒を用いてメタノール燃料電池の空気
極として性能評価した。
電極触媒0.45gと水及びポリフロンデイスパージョ
ンを混練し、これをカーボンペーパー100cm2に塗布
し風乾後、空気中140℃,2hと300℃,0.5h焼
成して空気極を得た。触媒層のPTFE量は50wt%
であり,pt量は0.45mgpt/cm2である。この空気極は60
℃−3mol/lH2SO4電解液中で電流密度−電位特性が測
られた。その結果を第8図に示す。図にみられるごと
く、120mA/cm2の電流密度において0.73VvsNHEの
電位を示した。実施例1の(イ)の触媒と比較したとき、
t使用量が0.67mg/cm2から0.45mg/cm2と減少している
ことを考え合せると、電極触媒の活性としては、ほぼ同
等であるといえる。
実施例6 実施例4で得た電極触媒を、リン酸型燃料電池に適用し
た例について述べる。
空気極及び水素極は下記の手順で作製した。電極触媒0.
45gと水及びポリフロンデイスパージョンを混練し、こ
れをリブ付多孔質カーボンに塗布した。風乾後、空気中
140℃,2h乾燥を行い、空気極は、350℃,30
min、水素極は340℃、30min焼成を行って電極を得
た。それぞれの電極の触媒層のPTFE量は40wt
%、pt量は0.45mg/cm2である。
この電極を用いてリン酸マトリックスを組合せて単電池
を構成し、電池の寿命試験を行った。電極の有効面積は
2cm2である。測定温度は190℃である。電流密度220
mA/cm2一定放電における電圧変化を第9図に示す。運
転初期0.61Vの電圧を示した電池は、1000h運転後
において0.60Vと電池電圧の低下は無視できるほど小さ
く良好な運転状態を示した。1000h運転後の電池を
解体し、空気及び水素極のX線分析におけるpt粒子径
の変化を表2に示す。表2には、従来使用されてきたコ
ロイド分散法による電極触媒の結果も合わせて示す。
表2にみられるごとく、微細なpt粒子を集落を形成し
ないように工夫して調製した電極触媒は、長時間の電池
運転においてpt粒子のシンタリング速度は遅く、高い
電池性能を長時間維持できることが確認された。
〔発明の効果〕
本発明によれば高精度で貴金属の微粒子を粒径25Å以
下に、集落を形成させずに高分散化することができる。
これを燃料電池の触媒に使用した場合には空気極の初期
性能を向上させると同時に貴金属粒子のシンタリング速
度を抑制することができるので電池の長寿命化が達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)はコロイド分散法によって調製し
た電極触媒のTEM像写真で、(A)はコロイド分散法
で調製した電極触媒の粒子構造のTEM像写真、(B)
は(A)に熱履歴を与えた後の粒子構造のTEM像写
真、第2図はH2ptCl6溶液のホルマリン還元におけるp
H変化曲線を示す図、第3図(A),(B),(C)
は、アルカリ−ホルマリン還元法によって調製した電極
触媒の粒子構造のTEM像写真を示し、(A)はアルカ
リ−ホルマリン還元法においてNaOH/pt=0.5
4で調製した電極触媒の粒子構造のTEM像写真、
(B)はNaOH/pt=2.5で調製した電極触媒の
粒子構造のTEM像写真、(C)はNaOH/pt=
5.4で調製した電極触媒の粒子構造のTEM像写真、
第4図は、アルカリ−ホルマリン還元法においてpHコ
ントロールした電極触媒の粒子構造のTEM像写真、第
5図(A),(B)は、酸性−メタノール及びホルマリ
ン還元法によって調製した電極触媒の粒子構造のTEM
像写真を示し、(A)は酸性−メタノール還元で調製し
た電極触媒の粒子構造のTEM像写真、(B)は酸性−
ホルマリン還元法で調製した電極触媒の粒子構造のTE
M像写真、第6図は、本発明の実施例1,2及び従来例
で調製した電極触媒を用いて作製した空気極のメタノー
ル燃料電池としての性能を示す図、第7図はアセチレン
グラック担体に本発明でpt粒子を沈着させた電極触媒の
粒子構造のTEM像写真、第8図は、実施例4で調製し
た電極触媒を用いて作製した空気極のメタノール燃料電
池としての性能を示す図、第9図は、実施例4で調製し
た電極触媒を用いて作製した空気及び水素極を作製し、
これとリン酸マトリックスを組合せた単電池のリン酸型
燃料電池としての寿命試験結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 弘毅 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−124447(JP,A) 特開 昭56−155645(JP,A) 触媒学会編「触媒工学講座10元素別触媒 便覧」P.556−557地人書館(昭42−2− 25)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】pH9.7〜4.3の範囲にある水溶媒中で
    貴金属錯化合物を溶解し錯イオンを形成させて該錯イオ
    ンを還元させ、前記水溶媒中に混合した導電性担体粒子
    表面に貴金属微粒子を析出させることを特徴とする貴金
    属触媒の製法。
  2. 【請求項2】導電性の担体粒子と還元剤を含むpH10以
    下のアルカリ水溶媒中に貴金属化合物水溶液を滴下して
    貴金属の錯化合物イオンを形成すると共に該貴金属錯化
    合物イオンを還元し、還元が進むにつれて低下する前記
    pHの値を4.3以上にし、前記導電性の担体粒子の表面
    に貴金属微粒子を析出させることを特徴とする貴金属触
    媒の製法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項において、前記還元
    中は前記水溶媒中にアルカリ物質を添加してpHの値を常
    に9に保持することを特徴とする貴金属触媒の製法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第2項において、還元剤と
    して、貴金属と錯体を形成しうるホルマリン,パラホル
    ムアルデヒド、アセトアルデヒドのいずれかを用いるこ
    とを特徴とする貴金属触媒の製法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第2項において、貴金属は
    周期率表第8属の貴金属であることを特徴とする貴金属
    触媒の製法。
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