JP3504385B2 - ブラダー用離型剤組成物及びタイヤ成型加硫方法 - Google Patents

ブラダー用離型剤組成物及びタイヤ成型加硫方法

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JP3504385B2
JP3504385B2 JP15679395A JP15679395A JP3504385B2 JP 3504385 B2 JP3504385 B2 JP 3504385B2 JP 15679395 A JP15679395 A JP 15679395A JP 15679395 A JP15679395 A JP 15679395A JP 3504385 B2 JP3504385 B2 JP 3504385B2
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なブラダー用離型剤
組成物及びタイヤ加硫成型方法に関するものである。さ
らに詳しくいえば、本発明は、タイヤの成型加硫の際に
用いられるブラダーの離型性を向上させる目的で、ブラ
ダー表面に弾性皮膜を形成させるための離型剤組成物、
及びこの離型剤組成物を塗布したブラダーを用いてタイ
ヤを効率よく成型加硫する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤの成型加硫に際しては、ブ
ラダーあるいはエアバックと称されるゴム製の袋(以
下、ブラダーと称す)を成型加硫前のタイヤ(以下、グ
リーンタイヤと称すこともある)の内側に挿入し、この
ブラダーの内部に高温高圧の気体(例えば、約180℃
の水蒸気など)を導入することによって、グリーンタイ
ヤを金型の方に押し付けて加熱と加圧を行うことによ
り、成型加硫を行っている。このタイヤの成型加硫工程
において、ブラダーの使用は1回のみで終わるのではな
く、通常多数回繰り返して使用される。しかしながら、
前記したように、成型加硫工程では高温高圧で処理する
ために、ブラダーが成型加硫したタイヤから取り出せな
くなったり、あるいは取り出す際に、ブラダー表面が損
傷するなど、好ましくない事態を招来する。したがっ
て、このような事態を回避するために、これまで種々の
改良技術が開示されている。例えば、(1)ブラダーと
タイヤ表面とが接着しないように、インサイドペイント
といわれる水性又は溶剤系の離型剤をグリーンタイヤの
表面にその都度塗布する技術(特開昭53−42243
号公報、特開昭53−91988号公報)、(2)同一
ブラダーによる成型加硫タイヤの本数を上げるために、
グリーンタイヤとブラダーとの接着面の剥離をよくする
目的で、ブラダー表面にシリコーン系の離型剤組成物を
塗布する技術(例えば、特開昭57−111393号公
報、特開昭57−111394号公報、特開昭57−1
1992号公報、特開昭59−106948号公報、特
開昭61−215015号公報など)、が開示されてい
る。しかしながら、前記(1)のその都度インサイドペ
イントを塗布する技術においては、工程が煩雑になるの
を免れないという欠点がある。また、(2)のシリコー
ン系離型剤組成物を用いる技術において、シリコーン系
の水性エマルションから成る離型剤組成物を使用する技
術(特開昭57−111393号公報、特開昭57−1
11394号公報、特開昭57−11992号公報)に
おいては、ブラダー表面と離型剤との密着性が不十分で
離型性に劣るという欠点があるし、一方、溶剤とシリコ
ーン系の離型剤組成物を使用する技術(特開昭59−1
06948号公報)においては、密着効果の向上はある
程度認められるものの、まだ不十分であり、離型剤組成
物を使用中に何度も塗布しなければならないという欠点
がある。さらに、前記(2)の特開昭61−21501
5号公報には、シリコーン系の水性エマルションの性能
を改良する目的で、ブラダーとシリコーン系の離型剤組
成物との密着性を上げるものとしてプライマーを使用
し、さらに水性エマルションに炭酸カルシウムやクレー
などを補強剤として加える方法が記載されているが、こ
の方法によると、離型性の向上はある程度認められるも
のの、まだ十分とはいえない。ところで、シリコーンゴ
ムを離型剤組成物のベースとして使用する場合には、タ
イヤ成型加硫の繰り返し回数が多くなると、成型加硫さ
れるグリーンタイヤの内面やブラダーの素材から、ゴム
の架橋にあずからない過剰の硫黄や加硫促進剤などの硫
黄化合物が離型剤の皮膜に移行する。その結果、(1)
これらの硫黄及び硫黄化合物が離型剤の皮膜のベースで
あるシリコーンゴムのクラッキングを引き起こす、
(2)離型剤の皮膜の軟化やべたつきが生じる、(3)
離型剤の皮膜のブラダー表面に対する付着性が低下し
て、該皮膜が剥離する、などの問題が生じ、ブラダーが
使用できなくなる。一方、近年、タイヤの高性能化や軽
量化が求められており、インナーライナーやタイヤの各
部材はますます軽量で高強度が要求されるようになり、
素材が薄くなってきている。インナーライナーなどが薄
くなると、硫黄や硫黄化合物がブラダー表面に形成され
た離型剤の皮膜のベースであるシリコーンゴムへの移行
が起こりやすくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ブラダーへの付着性及び形成される皮膜
の耐久性がよく、一回の塗布で、タイヤの成型加硫に多
くの回数使用できる離型性に優れるブラダーを与えるブ
ラダー用離型剤組成物、及びこの離型剤組成物を塗布し
たブラダーを用いて、タイヤを効率よく成型加硫する方
法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のジオル
ガノポリシロキサンと特定の加水分解性シランやその部
分加水分解物と特定の変性シリコーンオイルまたは塩基
性無機充填剤をそれぞれ所定の割合で含有する組成物に
より、その目的を達成しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
及び好ましい態様は次の項目から成る。 (1)(A)一般式[1] HO−[Si(R1)2O]n−H …[1] (式中のR1は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
の炭化水素基、nは1以上の整数である)で表されるジ
オルガノポリシロキサン100重量部、(B)一般式
[2] R2 4-aSiXa …[2] (式中のR2は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
の炭化水素基、Xはアルキルアミノ基又はアルキレンジ
アミノ基、aは平均値で2〜4の数である)で表される
加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物0.2
〜60重量部、及び(C)一般式[3] R3 x4 ySiO(4-x-y)/2 …[3] (式中のR3は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
の炭化水素基、R4は置換又は非置換のアリール基、ア
ラルキル基及びポリエーテル残基から選ばれた一価の有
機基、x及びyは、0.001≦y≦1及び1.95≦x
+y≦3の関係を満たす数である)で表される平均組成
を有し、かつ温度25℃における動粘度が10センチス
トークス以上のシリコーンオイル1〜200重量部を含
有して成るブラダー用離型剤組成物。 (2)ブラダーを用いてタイヤを成型加硫するに際し、
ブラダー表面に第(1)項記載のブラダー用離型剤組成物
を塗布して皮膜を形成させ、次いで、このブラダーを成
型加硫前のタイヤの内側に挿入したのち、ブラダー内部
に高温高圧の気体を導入することを特徴とするタイヤ成
型加硫方法。 (3)(A)一般式[1] HO− [ Si ( 1 ) 2 ] n −H …[1] (式中のR 1 は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
の炭化水素基、nは1以上の整数である)で表されるジ
オルガノポリシロキサン100重量部、(B)一般式
[2] 2 4-a SiX a …[2] (式中のR 2 は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
の炭化水素基、Xはアルキルアミノ基又はアルキレンジ
アミノ基、aは平均値で2〜4の数である)で表される
加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物0 .
〜60重量部、及びコロイダル炭酸カルシウム、粉砕炭
酸カルシウム及び炭酸亜鉛の中から選ばれた少なくとも
1種を5〜300重量部を含有して成る ブラダー用離型
剤組成物。 (4)ブラダーを用いてタイヤを成型加硫するに際し、
ブラダー表面に第(3)項記載のブラダー用離型剤組成物
を塗布して皮膜を形成させ、次いで、このブラダーを成
型加硫前のタイヤの内側に挿入したのち、ブラダー内部
に高温高圧の気体を導入することを特徴とするタイヤ成
型加硫方法。 (5)(C)成分の一部の代わりに、(D)塩基性無機
充填剤を添加した第(1)項記載のブラダー用離型剤組成
物。 (6) ( ) 項又は第 ( ) 項記載のブラダー用離型剤組
成物を塗布して皮膜を形成させたブラダーであって、タ
イヤ成形加硫回数310回以上であるブラダー。 (7)(A)成分のジオルガノポリシロキサンが、25
℃における動粘度が700〜200 , 000センチスト
ークスのものである第 ( ) 項又は第 ( ) 項記載のブラダ
ー用離型剤組成物。 (8)(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部
に対し、0 . 5〜50重量部であ る第 ( ) 項又は第 ( )
記載のブラダー用離型剤組成物。 (9)(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部
に対し、5〜100重量部である第 ( ) 項記載のブラダ
ー用離型剤組成物。 (10)高温高圧の気体が、温度150〜200℃及び
圧力10〜30 kg cm 2 の水蒸気である第 ( ) 項又は第
( ) 項記載のタイヤ成型加硫方法。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明組
成物においては、(A)成分として一般式[1] HO−[Si(R1)2O]n−H …[1] (式中のR1及びnは前記と同じ意味をもつ)で表され
るジオルガノポリシロキサンが用いられる。前記一般式
[1]におけるR1は置換又は非置換の炭素数1〜1
0、好ましくは1〜8の一価の炭化水素基である。該R
1の具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、
ヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基な
どのアリール基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘ
キセニル基などのアルケニル基、シクロヘキシル基など
のシクロアルキル基、ベンジル基、2−フェニルエチル
基などのアラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部
又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した基、
例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シア
ノエチル基などが挙げられる。ケイ素原子に結合する2
つのR1は、たがいに同一であってもよいし、異なって
いてもよい。また、該一般式[1]におけるnは重合度
に相当する数で特に限定されないが、粘度や作業性など
の面から50〜2000の範囲にあるのが望ましく、ま
た、25℃における動粘度が700〜200,000セ
ンチストークスのものが好適である。この(A)成分の
ジオルガノポリシロキサンは1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。本発明組成物におい
ては、(B)成分として一般式[2] R2 4-aSiXa …[2] (式中のR2、X及びaは前記と同じ意味をもつ)で表
される加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物
が用いられ、これらは架橋剤として作用するものであ
る。前記一般式[2]におけるXはアルキルアミノ基又
はアルキレンジアミノ基であって、アルキルアミノ基と
しては、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロ
ピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などが挙げら
れる。これらのアルキルアミノ基は窒素原子が1個のケ
イ素原子と結合する。また、アルキレンジアミノ基とし
ては、例えばエチレンジアミノ基やプロピレンジアミノ
基などが挙げられ、この場合2個の窒素原子が1個のケ
イ素原子と結合する。
【0006】また、R2は置換又は非置換の炭素数1〜
10の一価の炭化水素基であって、このようなものとし
ては、前記一般式[1]のジオルガノポリシロキサンに
おけるR1の説明において例示したものと同じものを挙
げることができるが、特に合成が容易である点から、炭
素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル
基、フェニル基などが好ましい。さらに、Xが複数ある
場合、複数のXはたがいに同一であってもよいし、異な
っていてもよく、R2が複数ある場合、複数のR2はたが
いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。該一
般式[2]で表される加水分解性シランの具体例として
は、メチルトリス(ブチルアミノ)シラン、ビニルトリ
ス(ヘキシルアミノ)シラン、フェニルトリス(ジエチ
ルアミノ)シラン、メチルビニルビス(ブチルアミノ)
シランなどが挙げられる。また加水分解性シランの部分
加水分解物としては、これらのシランのアルキルアミノ
基の一部がヒドロキシル基に置換された化合物、例えば
メチルジヒドロキシ(ブチルアミノ)シラン、ビニルヒ
ドロキシビス(ヘキシルアミノ)シランなどが挙げられ
る。この(B)成分の加水分解性シランやその部分加水
分解物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。本発明組成物における(B)成分の一般
式[2]で表される加水分解性シラン及び/又はその部
分加水分解物の使用量は、前記(A)成分のジオルガノ
ポリシロキサン100重量部に対して0.2〜60重量
部の範囲にあることが必要である。この使用量が0.2
重量部未満では組成物が十分に硬化しないおそれがある
し、60重量部を超えると得られる硬化物が硬く脆くな
り、耐久性に優れた離型剤とはならない。硬化性及び耐
久性などの面から、(B)成分の好ましい使用量は、
(A)成分100重量部に対し、0.5〜50重量部の
範囲であり、特に、1.0〜45重量部の範囲が好適で
ある。
【0007】本発明組成物において、(C)成分として
用いられるシリコーンオイルは、一般式[3] R3 x4 ySiO(4-x-y)/2 …[3] (式中のR3、R4、x及びyは前記と同じ意味をもつ)
で表される平均組成を有する変性シリコーンオイルであ
る。この一般式[3]におけるR3は置換又は非置換の
炭素数1〜10の一価の炭化水素基であって、このよう
なものとしては、前記一般式[1]のジオルガノポリシ
ロキサンにおけるR1の説明において例示したものと同
じものを挙げることができる。R4は置換又は非置換の
アリール基、アラルキル基及びポリエーテル残基から選
ばれた一価の有機基であり、アリール基の例としては、
フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられ、ア
ラルキル基の例としては、ベンジル基やフェネチル基な
どが挙げられる。また、ポリエーテル残基としては、例
えば−C36O(EO)6H、−C36O(EO)10CH3
−C36O(PO)20H、−C36O(BO)13CH3、−
36O(EO)8(PO)20Hなどのポリオキシエチレン
基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、
あるいは2種以上のオキシアルキレン基を有する構造の
ものなどを挙げることができる。なお、ここで、EOは
オキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOは
オキシブチレン基を示す。また、前記一般式[3]にお
いて、x及びyは、0.001≦y≦1及び1.95≦x
+y≦3の関係を満たす数である。この(C)成分のシ
リコーンオイルは、作業性の点がら、温度25℃におけ
る動粘度が10センチストークス以上、好ましくは10
〜50,000センチストークス、より好ましくは20
〜10,000センチストークスの範囲である。このよ
うな(C)成分のシリコーンオイルは、例えば信越シリ
コーンKF−50、KF−53、KF−54、KF−5
6、KF−351、KF−352、KF−353[いず
れも信越化学工業(株)製、商品名]などの市販品として
入手することができる。この(C)成分のシリコーンオ
イルは、前記(A)成分のジオルガノポリシロキサンと
相溶性が乏しく、ブラダーの硬化表面にブリードアウト
して離型剤皮膜の耐久性を向上させるとともに、加硫す
るタイヤやブラダーから発生して、離型剤皮膜をクラッ
キングさせる成分から、該皮膜を保護する作用を有して
いる。本発明組成物においては、この(C)成分のシリ
コーンオイルは1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよく、また、その使用量は、前記(A)
成分100重量部に対して1〜200重量部の範囲にあ
ることが必要である。この使用量が1重量部未満では離
型性及び皮膜の耐久性の向上効果が十分に発揮されない
し、200重量部を越えるとブラダーへの付着性が低下
して皮膜の耐久性が悪くなる。離型性、付着性、皮膜の
耐久性などの面から、(C)成分の好ましい使用量は、
(A)成分100重量部に対し、5〜100重量部の範
囲であり、特に7〜90重量部の範囲が好適である。
【0008】本発明組成物には、前記(A)成分、
(B)成分及び(C)成分以外に、本発明の効果が損な
われない範囲で、必要に応じ、各種添加成分、例えば煙
霧状シリカなどの充填剤、ジメトキシジブチル錫などの
硬化触媒、チタンブラックなどの顔料、マイカ、タル
ク、グラファイト、無官能性シリコーンオイルなどの離
型性向上剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシランな
どの接着性向上剤などを配合することができる。さら
に、作業性を向上させる目的で、本発明組成物を種々の
溶剤で希釈してもよい。溶剤としては、例えばホワイト
スピリット(工業用ガソリン)、ゴム揮発油などの炭化
水素系溶剤、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素
系溶剤などが好ましく挙げられる。本発明の離型剤組成
物を調製する方法については特に制限はなく、例えば
(A)成分のジオルガノポリシロキサンと(C)成分の
シリコーンオイルとを混合してベースコンパウンドを調
製したのち、これに、(B)成分の加水分解性シラン及
び/又はその部分加水分解物と溶剤との混合物を添加す
る方法を用いてもよいし、(A)成分、(B)成分及び
(C)成分を一括で加えて混合する方法を用いてもよ
い。また、混合は、振とうして行ってもよく、ホモジナ
イザーなどのかきまぜ機を使用して行ってもよい。調製
時には水分の混入に留意し、不活性ガスなどを用いるの
が好ましい。本発明組成物において、(D)成分として
用いられる塩基性無機充填剤としては、例えば炭酸亜
鉛、酸化亜鉛、コロイダル炭酸カルシウム、粉砕炭酸カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄などが挙げられる
が、これらの中で、特に、コロイダル炭酸カルシウム、
粉砕炭酸カルシウム及び炭酸亜鉛が好適である。これら
の塩基性無機充填剤は単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。この(D)成分の塩基性
無機充填剤は、ブラターやグリーンタイヤより発生し、
離型剤皮膜中のシロキサン結合を切断する酸性物質、例
えばステアリン酸亜鉛分解物、ハロゲン化水素などを中
和し、該皮膜の耐久性を向上させる作用を有している。
【0009】本発明組成物における(D)成分の塩基性
無機充填剤の使用量は、前記(A)成分のジオルガノポ
リシロキサン100重量部に対して5〜300重量部の
範囲にあることが必要である。この使用量が5重量部未
満では発生する酸性物質の中和が不十分で、離型剤皮膜
の耐久性向上効果が十分に発揮されないし、300重量
部を越えると離型剤皮膜が脆くなり、耐久性が低下す
る。離型剤皮膜の耐久性の点から、(D)成分の好まし
い使用量は、(A)成分100重量部に対し、10〜2
00重量部の範囲であり、特に10〜180重量部の範
囲が好適である。本発明組成物には、前記(A)成分、
(B)成分及び(D)成分以外に、本発明の効果が損な
われない範囲で、必要に応じ、各種添加成分、例えば煙
霧状シリカなどの充填剤、ジメトキシジブチル錫などの
硬化触媒、チタンブラックなどの顔料、マイカ、タル
ク、グラファイト、無官能性シリコーンオイルなどの離
型性向上剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシランな
どの接着性向上剤などを配合することができる。さら
に、作業性を向上させる目的で、本発明組成物を種々の
溶剤で希釈してもよい。溶剤としては、例えばホワイト
スピリット(工業用ガソリン)、ゴム揮発油などの炭化
水素系溶剤、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素
系溶剤などが好ましく挙げられる。本発明の離型剤組成
物を調製する方法については特に制限はなく、例えば
(A)成分のジオルガノポリシロキサンと(D)成分の
塩基性無機充填剤とを混合してベースコンパウンドを調
製したのち、これに、(B)成分の加水分解性シラン及
び/又はその部分加水分解物と溶剤との混合物を添加す
る方法を用いてもよいし、(A)成分、(B)成分及び
(D)成分を一括で加えて混合する方法を用いてもよ
い。また、混合は、振とうして行ってもよく、ホモジナ
イザーなどのかきまぜ機を使用して行ってもよい。調製
時には水分の混入に留意し、不活性ガスなどを用いるの
が好ましい。本発明は(C)成分及び(D)成分を併用
して使用することができる。次に、本発明のタイヤ成型
加硫方法について説明する。まず、前記のようにして得
られた離型剤組成物を、スプレーコーティング、ディッ
プコーティング、刷毛塗りなどの方法によりブラダー表
面に塗布したのち、これを水分を含有する空気又は熱に
さらすことにより、ブラダー表面に強固に結合した離型
剤の弾性皮膜を形成させる。この際の空気の温度や湿度
については特に制限はなく、室温で大気中に放置してお
くと1日ないし数日で硬化して離型剤の弾性皮膜が形成
される。加熱あるいは加湿した空気と接触させると硬化
は促進される。この離型剤の弾性皮膜は、一層形成させ
てもよいし、二層以上形成させてもよい。該弾性皮膜を
二層以上形成させる場合には、前記の操作を繰り返せば
よい。次に、金型にグリーンタイヤを入れ、その内側
に、離型剤の弾性皮膜を形成させたブラダーを挿入し、
このブラダー内部に高温高圧の気体、例えば温度150
〜200℃、圧力10〜30kg/cm2程度の水蒸気など
を導入してグリーンタイヤを金型の方に押し付け、1〜
90分間程度を要してタイヤの成型加硫を行う。その
後、金型からブラダーと成型加硫されたタイヤを取り外
し、さらに再び金型にグリーンタイヤを入れ、その内側
にブラダーを挿入して同様の操作を繰り返す。
【0010】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 実施例1 25℃における動粘度が20,000センチストークス
のα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン[(A)
成分]100重量部、充填剤としてのジメチルジクロロ
シランで表面処理した平均粒径0.01μmの煙霧状シ
リカ15重量部及び25℃における動粘度が100セン
チストークスの5モル%フェニル基含有メチルフェニル
ポリシロキサンコポリマー[(C)成分]50重量部を万
能混合器に仕込み、混合してベースコンパウンドを調製
した。次いで、このベースコンパウンドにメチルトリス
(N−ブチルアミノ)シラン[(B)成分]5重量部を、
約200mmHgの減圧下、室温にて混合し、さらに溶剤の
工業用ガソリン(沸点:100〜140℃)を加えて固
形分濃度10重量%のブラダー用離型剤組成物を調製し
た。 実施例2 25℃における動粘度が20,000センチストークス
のα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン[(A)
成分]100重量部、充填剤としてのジメチルジクロロ
シランで表面処理した平均粒径0.01μmの煙霧状シ
リカ10重量部、離型性向上剤としての平均粒径5μm
のマイカ10重量部、25℃における動粘度300セン
チストークスの10モル%フェニル基含有メチルフェニ
ルポリシロキサンコポリマー[(C)成分]30重量部及
び接着性向上剤としてのγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン0.1重量部を万能混合器に仕込み、混合して
ベースコンパウンドを調製した。次いで、実施例1と同
様に、このベースコンパウンドにメチルトリス(N−ブ
チルアミノ)シラン[(B)成分]、溶剤の工業用ガソリ
ンを加えて固形分濃度10重量%のブラダー用離型剤組
成物を調製した。 実施例3 実施例1において、(A)成分として、25℃における
動粘度が100,000センチストークスのα,ω−ジヒ
ドロキシジメチルポリシロキサン100重量部を用い、
かつ(B)成分として、メチルトリス(N−ブチルアミ
ノ)シラン5重量部及びメチルビニルビス(N−ブチル
アミノ)シラン5重量部を用いた以外は実施例1と同じ
配合組成で、固形分濃度10重量%のブラダー用離型剤
組成物を調製した。 実施例4〜12、比較例1〜6 第1表に示す配合組成で、実施例1と同様にして、固形
分濃度10重量%のブラダー用離型剤組成物を調製し
た。 〈自転車用タイヤ成型加硫試験〉実施例1〜12及び比
較例1〜6の離型剤組成物をスプレーコーティング機
[KREMLINN LACKIER SYSTEME
S社製、タイプ1014]を用いて自転車用タイヤ成型
用ブラダー(塗布目標表面積1,600cm2)に140g
塗布し、気温20℃、相対湿度70%の条件で72時間
放置して硬化させたのち、170℃、20kg/cm2、3
分の条件で24インチサイズの自転車用タイヤの成型加
硫試験を行った。引き剥がせなくなるか、あるいはきれ
いに成型できなくなるまでの成型加硫回数を求め、その
結果を第1表に示した。第1表から分かるように、本発
明の離型剤組成物を用いたブラダーは、成型加硫が31
0回以上できたのに対し、比較例の離型剤組成物を用い
たブラダーは、成型加硫が164回以下しかできなかっ
た。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【表5】
【0016】[注] 1)α,ω−DHDMPS−1:25℃の動粘度が20,
000cStのα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロ
キサン 2)α,ω−DHDMPS−2:25℃の動粘度が10
0,000cStのα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシ
ロキサン 3)MTBAS:メチルトリス(N−ブチルアミノ)シ
ラン 4)MVBBAS:メチルビニルビス(N−ブチルアミ
ノ)シラン 5)MDHBAS:メチルジヒドロキシ(N−ブチルア
ミノ)シラン 6)シリコーンオイル−1:25℃の動粘度が100c
Stの5モル%フェニル基含有メチルフェニルポリシロ
キサンコポリマー 7)シリコーンオイル−2:25℃の動粘度が300c
Stの10モル%フェニル基含有メチルフェニルポリシ
ロキサンコポリマー 8)煙霧状シリカ:ジメチルジクロロシランで表面処理
した平均粒径0.01μmの煙霧状シリカ 9)マイカ:平均粒径5μm 10)グラファイト:平均粒径10μmのグラファイト
粉末 11)ジメチルポリシロキサン:25℃の動粘度が10
0cStの両末端メチル封鎖型ジメチルポリシロキサン 12)γ−APTMS:γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン 13)工業用ガソリン;沸点100〜140℃ 実施例13 225/50R16サイズの自動車用タイヤ成型用ブラ
ダー(塗布目標表面積5,000cm2)を用い、この表面
に、実施例4の離型剤組成物540gを実施例1と同様
に塗布して硬化させ、離型剤被膜を形成させた。このブ
ラダーを用いて170℃、20kg/cm2、20分の条件
で自動車用タイヤの成型加硫試験を行った。その結果を
第2表に示す。 実施例14〜17、比較例7〜9 225/50R16サイズの自動車用タイヤ成型用ブラ
ダー(塗布目標表面積5,000cm2)を用い、この表面
に、第2表の第1層に示す種類の離型剤組成物540g
を実施例1と同様に塗布して硬化させた。次いで、第2
表の第2層に示す種類の離型剤組成物180gを実施例
1と同様に塗布して硬化させ、第1層及び第2層から成
る離型剤皮膜を形成させた。このブラダーを用いて17
0℃、20kg/cm2、20分の条件で自動車用タイヤの
成型加硫試験を行った。その結果を第2表に示す。 比較例10 225/50R16サイズの自動車用タイヤ成型用ブラ
ダー(塗布目標表面積5,000cm2)を用い、この表面
に比較例5の離型剤組成物540gを実施例1と同様に
塗布して硬化させた。次いで、25℃の動粘度が100
センチストークスの両末端メチル封鎖型ジメチルポリシ
ロキサン50gを塗布して硬化させ、第1層及び第2層
から成る離型剤皮膜を形成させた。このブラダーを用い
て170℃、20kg/cm2、20分の条件で自動車用タ
イヤの成型加硫試験を行った。その結果を第2表に示
す。第2表から分かるように、本発明の離型剤組成物を
用いたブラダーは、自動車用タイヤの成型加硫が381
回以上できたが、比較例の離型剤組成物を用いたブラダ
ーは、成型加硫が177回以下しかできなかった。
【0017】
【表6】
【0018】
【表7】
【0019】[注] 1)25℃の動粘度が100cStの両末端メチル封鎖
型ジメチルポリシロキサン 実施例18 25℃における動粘度が20,000センチストークス
のα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン[(A)
成分]100重量部と表面をステアリン酸石鹸で処理し
た平均粒径0.08μmのコロイダル炭酸カルシウム
[(D)成分]100重量部とを万能混合器に仕込み、混
合してベースコンパウンドを調製した。次いで、このベ
ースコンパウンドにメチルトリス(N−ブチルアミノ)
シラン[(B)成分]5重量部を、約200mmHgの減圧
下、室温にて混合し、さらに溶剤の工業用ガソリン(沸
点:100〜140℃)を加えて固形分濃度10重量%
のブラダー用離型剤組成物を調製した。 実施例19 25℃における動粘度が20,000センチストークス
のα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン[(A)
成分]100重量部、充填剤としてのジメチルジクロロ
シランで表面処理した平均粒径0.01μmの煙霧状シ
リカ10重量部、離型性向上剤としての平均粒径5μm
のマイカ10重量部、平均粒径0.7μmの炭酸亜鉛
[(D)成分]120重量部及び接着性向上剤としてのγ
−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1重量部を万
能混合器に仕込み、混合してベースコンパウンドを調製
した。次いで、実施例18と同様に、このベースコンパ
ウンドにメチルトリス(N−ブチルアミノ)シラン
[(B)成分]、溶剤の工業用ガソリンを加えて固形分濃
度10重量%のブラダー用離型剤組成物を調製した。 実施例20 25℃における動粘度が20,000センチストークス
のα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン[(A)
成分]100重量部、表面をステアリン酸石鹸で処理し
た平均粒径0.08μmのコロイダル炭酸カルシウム
[(D)成分]50重量部及び離型性向上剤としての平均
粒径10μmのグラファイト粉末50重量部を万能混合
器に仕込み、混合してベースコンパウンドを調製した。
次いで、実施例18と同様に、このベースコンパウンド
にメチルトリス(N−ブチルアミノ)シラン[(B)成
分]、溶剤の工業用ガソリンを加えて固形分濃度10重
量%のブラダー用離型剤組成物を調製した。 実施例21〜29、比較例11〜16 第3表に示す配合組成で、実施例18と同様にして、固
形分濃度10重量%のブラダー用離型剤組成物を調製し
た。 〈自転車用タイヤ成型加硫試験〉実施例18〜29及び
比較例11〜16の離型剤組成物をスプレーコーティン
グ機[KREMLINN LACKIER SYSTE
MES社製、タイプ1014]を用いて自転車用タイヤ
成型用ブラダー(塗布目標表面積1,600cm2)に14
0g塗布し、気温20℃、相対湿度70%の条件で72
時間放置して硬化させたのち、170℃、20kg/c
m2、3分の条件で24インチサイズの自転車用タイヤの
成型加硫試験を行った。引き剥がせなくなるか、あるい
はきれいに成型できなくなるまでの成型加硫回数を求
め、その結果を第3表に示した。第3表から分かるよう
に、本発明の離型剤組成物を用いたブラダーは、成型加
硫が300回以上できたのに対し、比較例の離型剤組成
物を用いたブラダーは、成型加硫が150回以下しかで
きなかった。
【0020】
【表8】
【0021】
【表9】
【0022】
【表10】
【0023】
【表11】
【0024】
【表12】
【0025】[注] 1)α,ω−DHDMPS−1:25℃の動粘度が20,
000cStのα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロ
キサン 2)α,ω−DHDMPS−2:25℃の動粘度が10
0,000cStのα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシ
ロキサン 3)MTBAS:メチルトリス(N−ブチルアミノ)シ
ラン 4)MVBBAS:メチルビニルビス(N−ブチルアミ
ノ)シラン 5)MDHBAS:メチルジヒドロキシ(N−ブチルア
ミノ)シラン 6)コロイダル炭酸カルシウム:表面をステアリン酸石
鹸で処理した平均粒径0.08μmのコロイダル炭酸カ
ルシウム 7)炭酸亜鉛:平均粒径0.7μm 8)煙霧状シリカ:ジメチルジクロロシランで表面処理
した平均粒径0.01μmの煙霧状シリカ 9)マイカ:平均粒径5μm 10)グラファイト:平均粒径10μmのグラファイト
粉末 11)ジメチルポリシロキサン:25℃の動粘度が10
0cStの両末端メチル封鎖型ジメチルポリシロキサン 12)γ−APTMS:γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン 13)工業用ガソリン:沸点100〜140℃ 実施例30 225/50R16サイズの自動車用タイヤ成型用ブラ
ダー(塗布目標表面積5,000cm2)を用い、この表面
に、実施例20の離型剤組成物540gを実施例18と
同様に塗布して硬化させ、離型剤被膜を形成させた。こ
のブラダーを用いて170℃、20kg/cm2、20分の
条件で自動車用タイヤの成型加硫試験を行った。その結
果を第4表に示す。 実施例31〜34、比較例17〜19 225/50R16サイズの自動車用タイヤ成型用ブラ
ダー(塗布目標表面積5,000cm2)を用い、この表面
に、第4表の第1層に示す種類の離型剤組成物540g
を実施例18と同様に塗布して硬化させた。次いで、第
4表の第2層に示す種類の離型剤組成物180gを実施
例18と同様に塗布して硬化させ、第1層及び第2層か
らなる離型剤皮膜を形成させた。このブラダーを用いて
170℃、20kg/cm2、20分の条件で自動車用タイ
ヤの成型加硫試験を行った。その結果を第4表に示す。 比較例20 225/50R16サイズの自動車用タイヤ成型用ブラ
ダー(塗布目標表面積5,000cm2)を用い、この表面
に比較例15の離型剤組成物540gを実施例18と同
様に塗布して硬化させた。次いで、25℃の動粘度が1
00センチストークスの両末端メチル封鎖型ジメチルポ
リシロキサン50gを塗布して硬化させ、第1層及び第
2層から成る離型剤皮膜を形成させた。このブラダーを
用いて170℃、20kg/cm2、20分の条件で自動車
用タイヤの成型加硫試験を行った。その結果を第4表に
示す。第4表から分かるように、本発明の離型剤組成物
を用いたブラダーは、自動車用タイヤの成型加硫が35
0回以上できたが、比較例の離型剤組成物を用いたブラ
ダーは、成型加硫が160回以下しかできなかった。
【0026】
【表13】
【0027】
【表14】
【0028】[注]1)25℃の動粘度が100cStの
両末端メチル封鎖型ジメチルポリシロキサン
【0029】
【発明の効果】本発明の離型剤組成物は、変性シリコー
ンオイルまたは塩基性無機充填剤を含有するため、離型
剤皮膜のクラッキングが抑制され、タイヤ加硫を繰り返
しても離型剤皮膜の軟化やべたつき、付着性低下が抑え
られる。したがって、離型剤皮膜のブラダーに対する付
着性が向上するとともに、離型性が向上し、ブラダーへ
の1回の塗布でタイヤ成型加硫の回数を大幅に増加させ
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 30:00 B29L 30:00 (56)参考文献 特開 平2−277607(JP,A) 特開 昭59−106948(JP,A) 特開 昭61−100417(JP,A) 特開 平5−301229(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/56 - 33/68 B29D 30/00 - 30/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式[1] HO−[Si(R1)2O]n−H …[1] (式中のR1は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
    の炭化水素基、nは1以上の整数である)で表されるジ
    オルガノポリシロキサン100重量部、(B)一般式
    [2] R2 4-aSiXa …[2] (式中のR2は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
    の炭化水素基、Xはアルキルアミノ基又はアルキレンジ
    アミノ基、aは平均値で2〜4の数である)で表される
    加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物0.2
    〜60重量部、及び(C)一般式[3] R3 x4 ySiO(4-x-y)/2 …[3] (式中のR3は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
    の炭化水素基、R4は置換又は非置換のアリール基、ア
    ラルキル基及びポリエーテル残基から選ばれた一価の有
    機基、x及びyは、0.001≦y≦1及び1.95≦x
    +y≦3の関係を満たす数である)で表される平均組成
    を有し、かつ温度25℃における動粘度が10センチス
    トークス以上のシリコーンオイル1〜200重量部を含
    有して成るブラダー用離型剤組成物。
  2. 【請求項2】ブラダーを用いてタイヤを成型加硫するに
    際し、ブラダー表面に請求項1記載のブラダー用離型剤
    組成物を塗布して皮膜を形成させ、次いで、このブラダ
    ーを成型加硫前のタイヤの内側に挿入したのち、ブラダ
    ー内部に高温高圧の気体を導入することを特徴とするタ
    イヤ成型加硫方法。
  3. 【請求項3】(A)一般式[1] HO−[Si(R1)2O]n−H …[1] (式中のR1は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
    の炭化水素基、nは1以上の整数である)で表されるジ
    オルガノポリシロキサン100重量部、(B)一般式
    [2] R2 4-aSiXa …[2] (式中のR2は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価
    の炭化水素基、Xはアルキルアミノ基又はアルキレンジ
    アミノ基、aは平均値で2〜4の数である)で表される
    加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解物0.2
    〜60重量部、及びコロイダル炭酸カルシウム、粉砕炭
    酸カルシウム及び炭酸亜鉛の中から選ばれた少なくとも
    1種を5〜300重量部を含有して成るブラダー用離型
    剤組成物。
  4. 【請求項4】ブラダーを用いてタイヤを成型加硫するに
    際し、ブラダー表面に請求項3記載のブラダー用離型剤
    組成物を塗布して皮膜を形成させ、次いで、このブラダ
    ーを成型加硫前のタイヤの内側に挿入したのち、ブラダ
    ー内部に高温高圧の気体を導入することを特徴とするタ
    イヤ成型加硫方法。
  5. 【請求項5】(C)成分の一部の代わりに、(D)塩基
    性無機充填剤を添加した請求項1記載のブラダー用離型
    剤組成物。
  6. 【請求項6】請求項1又は請求項3記載のブラダー用離
    型剤組成物を塗布して皮膜を形成させたブラダーであっ
    て、タイヤ成形加硫回数310回以上であるブラダー。
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