JP5197951B2 - 離型剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム、プラスチックなどの成型物の成形型に用いられる離型剤組成物に関する。
従来、ゴム、プラスチック、これらの複合材料からなる成形品を加熱加圧成形もしくは加硫成形する際には、成形品の金型や樹脂からの取り出しを容易にするため、離型剤を金型や樹脂型の内面もしくは加硫前の成形品表面にあらかじめ塗布することが行われている。上記離型剤としては、シリコーンエマルジョンや、シリコーンエマルジョンにマイカ、タルクなどの滑性の大きい無機化合物の粉体を添加したものなど、エマルジョン系の離型剤が知られており、使い易い上に安全性も高いことから、広く用いられている(例えば特許文献1、2参照)。
しかしながら、このような従来のエマルジョン系離型剤は、離型効果が長続きせず、1回乃至数回程度の成形の繰り返しで、その効果が失われてしまうという問題があった。このため、通常、1回の成形毎、少ない場合でも2,3回の成形毎に離型剤を塗布しているのが実状で、効率が悪いばかりでなく、製品のコストアップの要因にもなっている。
このような問題を解決するために、硬化性のシリコーンを用いて成形型の内面に離型皮膜を成形する方法が提案されている(例えば特許文献3、4参照)。しかしながら、その効果が十分出ないうえ、皮膜の硬化に時間がかかり、さらに、離型効果が失われた場合の追加処理が困難であるという問題があった。また、皮膜形成タイプは成形型とくに材質がゴムである場合、ゴム製の型との接着が乏しく、繰り返して離型を重ねると離型層がゴム性の型から剥離脱落し、成形品の表面に付着するなど成形品の外観を損ねる問題がおき易い。さらにオイルの潤滑効果が十分でいため、未加硫ゴムが規定位置に入らない問題もあった。
また、コロイダルシリカを含む溶液に硬化性シリコーンエマルジョンを併用して皮膜を作る組成物(例えば特許文献5参照)、硬化性シリコーンとアミノシランとエポキシシランを併用したタイプした組成物(例えば特許文献6、7参照)、硬化性シリコーンと無水マレイン酸・アクリル変性ポリオレフィンとメルカプトシランを併用したタイプした組成物(例えば特許文献8)では、初期の皮膜の潤滑性が悪い点、ゴム加硫条件において硬化皮膜、特にシリコーン皮膜が繰り返し成形を行うと劣化の進行が進み皮膜が脱落する問題および劣化に伴う表面の滑り性低下などの問題で繰り返し離型をおこなう用途には適さないものであった。
とくに硬化性シリコーンと無水マレイン酸・アクリル変性ポリオレフィンとメルカプトシランを併用したタイプした組成物(例えば特許文献8)は、Si-HとSi-OHの反応を利用して硬化させる機構であるので、配合液中でも硬化反応が進みポットライフは1日程度で長期保存ができない問題があった。このため、2成分あるいはそれ以上の成分を使用直前に混ぜて使用しなくてはならない問題。さらに、離型効果が低下した時に行う離型剤の再塗布に関しては、再塗布後、新たに硬化工程を設けなければならないという問題があった。
これらの問題を解決するためにシリコーンエマルジョンにウレタン樹脂エマルジョンおよびメタクリロキシシランなどを併用した物が考案されているが(例えば特許文献9参照)、得られた離型皮膜がシリコーン成分との混合により本来のウレタン樹脂皮膜の強度が大きく低下するため、結果として離型皮膜の消耗が激しくなったり、離型性の低下が起きたりしてその効果は十分でなかった。さらに成形品の材質やゴム型剤の種類、成型条件によっても、その効果は十分でない場合があった。
特開昭51-88579号公報 特開2002-248631号公報 特開昭62-3908号公報 特開平2-277607号公報 特開昭58-101153号公報 特開2004-323716号公報 特開2002-38015号公報 特開2005-281468号公報 特開2005-125656号公報
本発明は上記従来の事情に対処してなされたもので、保存安定に優れた1液型のエマルジョンで、かつ、1回の処理で繰り返し成型できる回数を大幅に増大させることができ、しかも、1回の処理が容易で短時間行うことができるとともに、追加処理の可能な離型剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、接着バインダーとして知られる水系非塩素化ポリオレフィンと呼ばれる樹脂骨格を持つオレフィンエマルジョンに接着性向上剤としてのシラン水溶液を配合することで、耐久性を持つとともに成形型に対し優れた接着性をもつ皮膜を形成する溶液を得た。この溶液にシリコーンオイルエマルジョンを配合することで離型性を付与するとともにヒュームドシリカの配合によりヒュームドシリカ中にシリコーンオイルを保持させ皮膜の強度を維持するとともにオイルの移行性を低下させた。これらの手法により、前記の問題点を解決した、優れた性能を有する水系の離型剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)アミノシラン化合物
(B)水溶性アミノ基含有ポリオルガノシロキサン
(C)エポキシシラン化合物
(D)カルボン酸
を含有する水溶液に
(E)25℃における粘度が500〜10,000,000cStのポリジオルガノシロキサンを含有するシリコーンエマルジョン
(F)無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィンを含有するオレフィンエマルジョン
(G)フュームドシリカ
を混合分散してなる離型剤組成物である。
本発明の離型剤組成物は、タイヤをはじめ各種ゴム製品やプラスチック製品の離型剤として、高い離型性、離型持続性をもつ離型層を形成するとともに、その溶液は安定性に優れるので非常に有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で用いられる(A)〜(D)成分を含む水溶液は、本発明の組成物が成形型特に有機ゴムからなる型に、優れた接着性を付与するとともに、フュームドシリカとシリコーンオイルおよび(E)成分のオレフィン樹脂とに親和性のある一体皮膜を形成する成分である。
(A)、(B)、(C)、(D)成分は、(A)、(B)、(C)、(D)成分をそれぞれ単独で用いても良いし、あらかじめ(A)、(B)、(C)、(D)の4成分を水に配合した溶液としてから用いても良い。また(A)アミノシラン化合物と(C)エポキシシラン化合物とを予め反応させた反応生成物として系に配合してもよい。
本発明で用いられる(A)成分のアミノシラン化合物とは、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基を有するアルコキシシランおよびその部分加水分解物であり、置換又は非置換アミノ基としては、アミノメチル基、β−アミノエチル基、γ−アミノプロピル基、δ−アミノブチル基、γ−(メチルアミノ)プロピル基、γ−(エチルアミノ)プロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基、N−(β−ジメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピル基などが例示される。
該アミノシランは、かかる置換または非置換アミノ基を含む基を1分子中に少なくとも1個有するものであるが、さらに、基材への密着性を増すために、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有する。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが例示されるが、合成のしやすさから、メトキシ基およびエトキシ基が一般的である。このようなアルコキシ基は、良好な密着性を得るためには、1分子中に少なくとも2個存在することが好ましい。他の残りのケイ素原子に結合する基は炭素数が1〜6個の1価のアルキル基である。
(A)成分の配合量は、(E)成分のシリコーンエマルジョンのシリコーン分100重量部あたり、1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部である。1重量部未満ではゴムに対する接着性がなく30重量部を超えると被膜が脆くなってしまうからである。
(B) 成分の水溶性アミノ基含有ポリオルガノシロキサンとは、平均組成式
Figure 0005197951
(式中、R1は同一又は異種の置換または非置換1価炭化水素、Xは、水酸基、アルコキシ基又はR1と同一、R2は、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基。mは4以上の整数、nは0以上の整数である。)で示されるポリオルガノシロキサンである。上式中R1は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基のようなアルキル基:ビニル基、プロペニル基のようなアルケニル基;フェニル基のようなアリール基;フェネチル基のようなアラルキル基;およびこれらの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示されるが、合成のしやすさ、硬化後の皮膜の物性とのかね合いなどから、メチル基が好ましい。Xは、水酸基、アルコキシ基又はR1と同一の基である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例示される。R2は、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基で、アミノ基としてはアミノメチル基、β−アミノエチル基、γ−アミノプロピル基、δ−アミノブチル基、γ−(メチルアミノ)プロピル基、γ−(エチルアミノ)プロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基、N−(β−ジメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピル基などが例示される。mは、4以上nは0以上の整数で好ましい範囲は、mは、4〜5,000の整数、nは、ポリマーが水溶性を損なわない量であれば良い。mが4未満の場合ゴムに対する接着がなく5,000以上は製造が著しく困難であるとともに粘度が上昇して取扱が不便である。このポリシロキサンは、直鎖状のポリシロキサンであることが好ましいが、部分的に分岐や網構造があっても差し支えない。
(B)成分は、接着性をより高める為の任意成分で、(B)成分を除いた本組成物が成形型に対し接着性の悪い場合適宜添加するものである。
(B)成分の配合量は(E)成分のシリコーンエマルジョンのシリコーン分100重量部あたり、0〜30重量部、好ましくは5〜25重量部である。30重量部を超えると被膜にべたつきを与えてしまうからである。

本発明で用いられる(C)成分のエポキシシラン化合物とは、ケイ素原子に結合したエポキシ基含有基で置換された1価の炭化水素基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するアルコキシシランおよびその部分加水分解物である。エポキシ基含有基としては、グリシドキシ基、エポキシシクロヘキシル基などが例示される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが例示されるが、合成のしやすさから、メトキシ基およびエトキシ基が一般的である。このようなアルコキシ基は、良好な密着性を得るためには、1分子中に少なくとも2個存在することが好ましい。他の残りのケイ素原子に結合する基は炭素数が1〜6個の1価のアルキル基である。
(C)成分の配合量は、(E)成分のシリコーンエマルジョンのシリコーン分100重量部あたり、1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部である。1重量部未満ではゴムに対する接着性がなく30重量部を超えると被膜が脆くなってしまうからである。
(D)成分のカルボン酸は本組成物の安定性とくにアミノシラン化合物および水溶性アミノシリコーンオイルとエポキシシラン化合物の反応性を抑制するもので、本発明組成物のpHが4〜10好ましくは5〜9の範囲になる量を配合すれば良い。あらかじめ(A)、(B)、(C)、(D)4成分配合の水溶液を作る場合も同様のpHになるよう配合すれば良い。(D)成分のカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸などの炭素環式カルボン酸、グリコール酸、乳酸などのヒドロキシ酸、無水酢酸、無水マレイン酸などの酸無水物などが例示され、中でもシランなどの分散性が良くなることから炭素数が10以下、特に5以下のものが好ましい。また、組成物の安定性が良好なことから、脂肪族カルボン酸およびその酸無水物が好ましく、特に飽和脂肪族カルボン酸が好ましい。
(E)成分のシリコーンエマルジョンは、離型作用を与える成分であり、適当な乳化剤を用い機械乳化や乳化重合により製造される。含有するシリコーン成分としては、離型効果やエマルジョンの安定性などの点から、25℃における粘度が500〜10,000,000cStのポリジオルガノシロキサンが好ましく、25℃における粘度が1,000〜5,000,000cStのポリジオルガノシロキサンがより好ましい。すなわち、25℃における粘度が500cSt未満では離型効果が不十分となり、逆に10,000,000を超えると安定したエマルジョン組成が得られない。乳化剤の種類としては、(A)〜(D)成分のアミノ基を含む水溶液との安定性を考えと、ノニオン系の界面活性剤あるいはノニオン系の乳化剤を主体とする界面活性剤の混合物からなる乳化剤であることが好ましい。
使用するポリシロキサンは、25℃における粘度が上記範囲内であればよくその1種を単独で用いても2種以上混合して用いても良い。さらにこのポリシロキサンは、直鎖状のポリシロキサンであることが好ましいが、部分的に分岐や網構造があっても差し支えない。
ポリジオルガノシロキサンの末端の官能基は、特に制限はないが、メチル基、水酸基、メトキシ基などが例示され、特に水酸基、メトキシ基を持つものはその一部が反応して持続性を向上させることことから望ましい。
ポリジオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合した有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基のようなアルキル基:ビニル基、プロペニル基のようなアルケニル基;フェニル基のようなアリール基;フェネチル基のようなアラルキル基;およびこれらの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示されるが、合成のしやすさ、硬化後の皮膜の物性とのかね合いなどから、メチル基が好ましい。
(F)成分は、(A)〜(D)成分からなる水溶液と併用することで、本組成物のコーティング被膜に、成形型、特にゴム型に対し優れた密着性および耐摩耗性を付与する成分である。また、(F)成分は、乾燥時シリコーンとの親和性が高く、均一な皮膜を形成することができるので離型性が長く持続するという効果も有する。
(F)成分の無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィンエマルジョンについては無水マレイン酸変性量、アクリル変性量やベースとなっているポリオレフィンの分子量などに制限はないが、無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィンエマルジョンとしては、分子量10,000〜200,000で、アクリル基含有量が5〜35重量%、無水マレイン酸基含有量が0.5〜25重量%のものを乳化したものが好ましい。
このような(F)成分のエマルジョンにおいて、無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィンの含有量は、5〜60重量%であることが好ましい。5重量%未満では製造効率が悪すぎるとともに60重量%を超えるとエマルジョンの製造が困難である。
(F)成分の無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィンエマルジョンの製造方法は、例えば、特開平7−173347号公報や特開平11−269206号公報などに例示されており、また、日本製紙ケミカル株式会社のアウローレンS-6008や東洋化成品工業株式会社のハードレンNA-100などとして入手可能である。
(F)成分の添加量は、(E)成分のシリコーンエマルジョンのシリコーン量100重量部に対し(F)成分のオレフィンエマルジョンのオレフィン分30〜300重量部であることが好ましく、さらに好ましくは50〜200重量部である。少ないと接着性および皮膜形成性、離型持続性がなく、多すぎると離型性の低下とともに離型皮膜が脆くなり脱落し易くなってしまうからである。
(G)成分のヒュームドシリカは、乾燥後にシリコーンオイルを吸油することで皮膜の可塑化を防止するとともに、シリコーンオイルを保持し離型持続性を持たせる成分である。
ヒュームドシリカは、乾式および湿式法により製造される一般的なシリカで疎水処理がされていない、水に分散するタイプのものである。また、配合においては、水ないし水溶液に添加しシリコーンオイルと予備混合等の撥水化処理をしない。これは、シリコーン処理あるいはシリコーンオイルと混合したものは、(F)成分のオレフィン樹脂との親和性が低下し、皮膜強度が低下するためである。
(G)成分の用いるヒュームドシリカの粒子径は特に限定しないが、1次粒子径として60nm以下の粒子のものを用いることができる。また、配合後の分散性、塗布後の表面状態を容易に均一状態とするため、2次粒子径を10μm以下、好ましくは5μm以下のものが好ましい。
(G)成分には、コロイダルシリカと呼ばれるコロイド状シリカ溶液は、(A)〜(D)成分を含む溶液に配合した際、凝集沈降するとともに、形成した皮膜はオレンジ肌状の不均一状態となるため使用に適さない。
(G)成分の添加量は、前記(E)成分のシリコーンエマルジョンのシリコーン分100重量部あたり、1〜10重量部である。1重量部未満では、皮膜が可塑化するとともに離型持続性が悪くなる。また、10重量部を超えると、離型効果が悪くなるとともに、皮膜が脆くなり、離型の際、脱落等の消耗で離型持続性が低下する。
本組成物は、塗布効率や塗布性から成分濃度が3〜50%になるよう水で調整することが好ましい。
本発明の水系コーティング剤のコーティング方法としては、まず、ゴム、金属などからなる基材にディップコート、スプレーコート、刷毛ぬり、ナイフコート、ロールコートなどの方法によって塗布し、
次いで室温で数時間放置するか、基材の耐熱性の度合いに応じて適宜加熱を行って硬化させる。
本組成物は加熱することにより離型持続性が向上する。加熱条件としては、温度80〜180℃で5〜30分間が好ましい。
また、本発明の組成物の離型持続性をさらに延長させるため、10〜50回毎に本発明の組成物の足し塗り、あるいは、数回毎にジメチルシリコーンあるいはジメチルシリコーンエマルジョンを足し塗りすることにより離型回数を大幅に上げることも可能である。
また本発明において、離型剤組成物の基材への濡れ性を向上、特に弾きをなくす目的で各種界面活性剤を、添加することが可能である。なかでも、ラウリルアミンオキサイドやラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性は少量の添加で弾きを抑えるため有効である。
また本発明において、上記組成物の基材との接着性を向上させるために各種シランカップリング剤を単体あるいは混合物をそのまま或いは部分縮合させて添加しても良い。
また、本発明において、上記組成物に滑り性を向上する目的で平均粒径0.01〜100μm程度のポリアルキルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリオレフィンやポリカーボネート樹脂等の有機フィラーあるいは無機フィラー、着色する目的での無機顔料等を本発明の趣旨を変えない範囲で添加して用いることができる。また必要に応じて増粘剤、消泡剤、防腐剤を適宜配合することは任意である。
次に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」は全て「重量部」を示すものとする。
実施例1〜4,比較例1〜7、
表1に示された組成の本発明の離型剤組成物(実施例1〜4)および比較組成物(比較例1〜7)を、表に記載した成分を上から順に配合し調製した。
得られた離型剤組成物についての安定性を配合直後および実施例においては40℃で1ヶ月経時後の状態を調べた。
評価基準は以下の通りである。
○:塗布に適する均一な溶液
×:オイル浮きや成分の凝集分離などで塗布に適しない溶液
さらに下記に示す方法で離型性を評価した。
すなわち、離型剤組成物をスフ゜レーにて加硫ブチルゴムシート(5cm×5cm×1cm)の主面上に塗布量5g/mで均一に塗布した。風乾後、150℃で10分間加熱し、離型層被覆ゴムシートを得た。そして、塗布面に未加硫のブチルゴムシートを(5cm×5cm×0.5cm)を重ね、20kgの荷重1分をかけ加硫ゴムと未加硫ゴムを圧着、その後、荷重を2kgに下げた状態で、190℃で20分加熱圧着して、未加硫のブチルゴムシートを加硫させた。この後、2枚のゴムシートを1kgスケールのプッシュプルケージを用いて、剥がす時の剥離力を測定し、初回の剥離力を測定した。ついで、離型処理した加硫ブチルゴムシート新しい未加硫チルゴムシート(5cm×5cm×1cm)を重ね、1枚目の場合と同様に加硫させ。剥離力を測定した。この操作を最大50回または剥離力が0.5kgf/5cmを超えるまで実施した。
1回、3回、11回、21回、31回加硫後の剥離力の測定結果および溶液安定性の結果を表1に示す。
Figure 0005197951
表1からも明らかなように、実施例の離型剤組成物は、配合後の安定性もよく1液タイプの離型剤として有効である。また、その離型特性も比較例に比べ、低離型剥離力に優れており、特に10回までの低剥離力に優れるものである。
また、実施例1〜4の離型層被覆したゴムをトルエンで洗浄したところ、オイルブリード性のない被覆層が残りシリコーンオイルが流失した。このことから、本発明の組成物は、未反応のシリコーンオイルとゴム基材に接着性を有するオレフィン樹脂からなることが確認された。

Claims (2)

  1. (A)アミノシラン化合物
    (B)水溶性アミノ基含有ポリオルガノシロキサン
    (C)エポキシシラン化合物
    (D)カルボン酸
    を含有する水溶液に
    (E)25℃における粘度が500〜10,000,000cStのポリジオルガノシロキサンを含有するシリコーンエマルジョン
    (F)無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィンを含有するオレフィンエマルジョン
    (G)フュームドシリカ
    を混合分散してなる離型剤組成物。
  2. 前記(E)成分のシリコーンエマルジョンのシリコーン分100重量部あたり、前記(F)成分のオレフィンエマルジョンのオレフィン分30〜300重量部、(G)成分1〜10重量部、(A)成分のアミノシラン化合物1〜30重量部、(B)成分の水溶性アミノ基含有ポリオルガノシロキサン0〜30重量部、(C)成分のエポキシシラン化合物1〜30重量部および(D)成分のカルボン酸[(A)〜(D)の水溶液のpHが4〜10となる量]をそれぞれ含有することを特徴とする請求項1の離型剤組成物。
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