JP3485380B2 - スタッドレスタイヤ並びにタイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

スタッドレスタイヤ並びにタイヤトレッド用ゴム組成物

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷雪性能に優れたスタ
ッドレスタイヤに適したトレッド用ゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アイスバーンの走行に適した空気
入りタイヤとして、スパイクピンによりアイスバーンを
グリップするスパイクタイヤが多用されていた。しか
し、スパイクタイヤで通常の路面を走行する場合、ピン
が路面を削り、粉塵公害の原因となる。近年、スパイク
ピンを使用しなくてもアイスバーンをグリップする空気
入りタイヤとして、スタッドレスタイヤが注目されてい
る。しかし、スパイクピンにより直接アイスバーンをグ
リップするスパイクタイヤと比較すると、その氷上性能
は不十分なので、スタッドレスタイヤの氷上性能を向上
させるために、トレッド面のアイスバーンに対する摩擦
係数を上げる種々の研究が試みられている。
【0003】しかるに、トレッドと路面との摩擦のう
ち、氷雪上での駆動力、制動力を確保するための主な摩
擦として、掘り起こし摩擦と粘着摩擦がありこれらの摩
擦を増加させる必要がある。例えば、発泡ゴムでトレッ
ドを構成したスタッドレスタイヤでは、発泡孔によるエ
ッジ成分により堀り起こし摩擦を増加させることと、エ
ッジによる水膜の除去作用による粘着摩擦の増加を図っ
ている。しかし、掘り起こし摩擦と粘着摩擦の増加のた
めには、発泡孔の割合、すなわち発泡率を高める必要が
あるが、このことは、トレッド全体の軟化につながり、
ひいては非積雪地での運動性能、耐摩耗性能低下の原因
となる。
【0004】また、特開平2−167353号公報に
は、セルロース物質を含有する粉体加工品を配合したゴ
ム組成物でトレッドを構成した空気入りタイヤが開示さ
れている。かかるセルロース粉体は、ゴム成分と化学的
結合を形成しないため、トレッド表面に表出したセルロ
ース粉体が走行中に脱落し、脱落により生じた脱落孔
が、発泡孔と同様に掘り起こし摩擦、粘着摩擦の増加に
寄与し得る。一方、セルロース粉体がトレッド表面に表
出して脱落するまでは、ゴム中の添加剤として存在して
いるため、発泡ゴムのようにトレッドゴムの軟化を招く
ことはなく、非積雪地での耐久性の低下を招くこともな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記セルロー
ス粉体加工品としては、一般に粒径100〜150μm
のものが用いられるため、表面全体の硬度を下げるとい
うよりも脱落孔付近とその他の部分で硬度差が生じ、粘
着摩擦による制動効果を十分に期待できないのが現状で
あった。また、セルロース粉体加工品は、その分子構造
においてOH基を多数有し、親水性を示す。このため、
トレッド表面に表出して脱落するまでの間、セルロース
粉体加工品は吸水により硬度が低下するため、セルロー
スの粉体加工品によって掘り起こし摩擦を増加させるこ
とは限界がある。従って、堀り起こし摩擦を更に高める
には吸水による硬度低下を招来しない添加剤を用いるこ
とが必要になる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、耐久性を低下
させることなく堀り起こし摩擦及び粘着摩擦の向上を図
ったトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のタイヤトレッド
用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100重量部に対
し、平均粒径1〜10μmの無機充填剤を5〜30重量
部配合したことを特徴とする。本発明のゴム組成物のゴ
ム成分はジエン系ゴムであり、その種類は特に限定しな
いが、一般に低温特性に優れたジエン系ゴム、例えば、
天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレ
ンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)
等が用いられる。
【0008】本発明に用いられる無機充填剤としては、
ゴムとの反応性がない又は低い無機物で、例えば、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム等の無機金属塩;クレー等の
天然無機粘土鉱物;ゼオライト等の合成無機物;ウォラ
スナイトなどが挙げられる。これらの無機物質は、いず
れもゴム組成物の加硫によっても母体ゴム成分と化学的
結合を形成せず、トレッド表面に表出した無機充填剤は
走行中に脱落することができる。脱落後は、その脱落孔
が、発泡ゴムの発泡孔と同様に作用して掘り起こし摩擦
及び粘着摩擦の増加に寄与できる。さらにまた、トレッ
ド表面に表出して脱落するまでは、セルロース粉体と同
様に、添加剤としてゴム中に存在するので、グリップ力
向上のための必要十分量を配合しても、トレッドの軟
化、耐久性に影響を及ぼさずに済む。
【0009】また、これらの無機充填剤のうち、除水効
果を高めるために、疎水性を有することが好ましい。疎
水性を有する無機充填剤としては、クレーが代表的であ
り、特に600〜800℃で焼成して結晶水をとばした
焼成クレーは、除水効果が大きいので好ましい。本発明
に用いられる無機充填剤の大きさは、1〜10μmであ
る。10μmを越えると、脱落孔が大きくなりすぎて、
脱落孔付近とその他の部分で硬度差が生じ、粘着摩擦を
充分に発揮することができない。また、脱落孔が大きく
なるため耐摩耗性の低下を招来する原因となる。一方、
10μm以下の脱落孔は、脱落孔周辺の硬度の極端な低
下をもたらすことはなく、表面硬度の均質化が図れ、ゴ
ムの有する粘着摩擦を発揮できる。1μm未満の粒径で
は工程内での飛散の問題があり、また、脱落孔径が不足
し、柔軟化が不十分だからである。
【0010】無機充填剤の含有量は、ジエン系ゴム10
0重量部あたり5〜30重量部、好ましくは10〜20
重量部である。5重量部未満では接地面内のゴムの柔軟
化が不充分で、配合効果が十分表れず、30重量部を越
えるとトレッド面に表出する割合、ひいては脱落孔の増
加により耐摩耗性能が低下するからである。本発明のト
レッドゴム組成物には、さらに撥水性を高めるために、
シリル化剤を0.1〜3重量部、好ましくは0.5〜2
重量部を含有することが好ましい。シリル化剤は、ゴム
組成物中の活性水素をシリル基(−SiR3 )に置換す
る化合物で、例えば、フェニルトリエトキシシランなど
が用いられる。シリル化剤は、トレッド表面に表出する
親水基を減少させて、トレッド面全体に撥水性を付与す
ることもできる。
【0011】本発明のトレッドゴム組成物には、上記化
合物の他、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、カーボンブ
ラック等の種々の添加剤が含有され得る。
【0012】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。表1に示す組成を有するゴム組成物No.1〜6を
配合した。ゴム組成物No.1は、クレーを含んでおら
ず、比較例に該当する。尚、表1中の配合量の単位は重
量部である。また、オイル量は、各ゴム組成物の硬度が
同じになるように選択された量である。クレーとして
は、いずれも平均粒径が5μmのものを用い、カーボン
ブラックはN220を用い、シリル化剤としては信越化
学製のフェニルトリエトキシシラン(KBE103)を
用いた。
【0013】 ゴム組成物No.1〜でトレッドを構
成した空気入りタイヤを製造し、製造したタイヤ(18
5/70R14サイズ)について、下記評価方法に基づ
いて氷上性能及び耐摩耗性を評価した。結果を表1に示
す。 〔評価方法〕I. 氷上性能 スケートリンク上を15km/hで走行し、ブレーキを
かけたときの制動停止距離を測定した。測定した制動停
止距離の逆数を、ゴム組成物No.1の結果を100と
したときの指数で表した。指数が大きい程、氷上制動性
能に優れている。II 耐摩耗性能 ランボーン試験機を用いて摩耗量を測定し、ゴム組成物
No.1の摩耗量を100としたときの指数で表した。
指数が大きい程、耐摩耗性に優れているが、78以上で
あれば許容範囲である。
【0014】
【表1】
【0015】 表1からわかるように、クレー配合ゴム
組成物(No.2〜)は、いずれもクレーを配合して
いないゴム組成物(No.1)と比べて氷上性能が優れ
ており、その効果は、配合量に比例して大きくなる。一
方、耐摩耗性は、クレーの配合量の増大に伴い低下して
いるが、配合量が本発明の範囲内であれば、許容範囲に
止まった。
【0016】 また、ゴム組成物No.とNo.
の比較から、シリル化剤の配合により氷上性能が増大す
ることがわかる。従って、クレーとシリル化剤とを併用
することにより、クレーの配合量を抑制し、換言すると
耐摩耗性の低下を抑制しつつ、氷上性能の増大を図る
とができる。
【0017】
【発明の効果】本発明のトレッドゴム組成物は、堀り起
こし摩擦及び粘着摩擦の増大に寄与するので、これを用
いてトレッドを構成することにより、優れた氷雪性能を
発揮できる空気入りタイヤを製造できる。また、クレー
とシリル化剤とを併用することにより、耐摩耗性の低下
を抑制しつつ、優れた氷雪性能を発揮できるトレッドを
得ることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 9/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム成分100重量部に対し、
    平均粒径1〜10μmの無機充填剤として、600〜8
    00℃で焼成したクレーを5〜30重量部配合したこと
    を特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ジエン系ゴム成分100重量部に対し、
    シリル化剤を0.1〜3重量部配合したことを特徴とす
    る請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のタイヤトレ
    ッド用ゴム組成物からなるトレッドで構成されたことを
    特徴とするスタッドレスタイヤ。
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