JP3479399B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物

Info

Publication number
JP3479399B2
JP3479399B2 JP32754895A JP32754895A JP3479399B2 JP 3479399 B2 JP3479399 B2 JP 3479399B2 JP 32754895 A JP32754895 A JP 32754895A JP 32754895 A JP32754895 A JP 32754895A JP 3479399 B2 JP3479399 B2 JP 3479399B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
tread
rubber composition
weight
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32754895A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08225682A (ja
Inventor
一夫 角丸
洋一 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP32754895A priority Critical patent/JP3479399B2/ja
Publication of JPH08225682A publication Critical patent/JPH08225682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3479399B2 publication Critical patent/JP3479399B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、氷雪性能に優れた
スタッドレスタイヤに適したトレッド用ゴム組成物に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、アイスバーンの走行に適した空気
入りタイヤとして、スパイクピンによりアイスバーンを
グリップするスパイクタイヤが多用されていた。しか
し、スパイクタイヤで通常の路面を走行するばあい、ピ
ンが路面を削り、粉塵公害の原因となる。近年、スパイ
クピンを使用しなくてもアイスバーンをグリップする空
気入りタイヤとして、スタッドレスタイヤが注目されて
いる。しかし、スパイクピンにより直接アイスバーンを
グリップするスパイクタイヤと比較すると、その氷雪性
能は不充分なので、スタッドレスタイヤの氷雪性能を向
上させるために、トレッド面のアイスバーンに対する摩
擦係数を上げる種々の研究が試みられている。 【0003】しかるに、トレッドと路面との摩擦のう
ち、氷雪上での駆動力および制動力を確保するための主
な摩擦として掘り起こし摩擦と粘着摩擦があり、氷上で
のスタッドレスタイヤのグリップ性能を向上させるため
にもこれらの摩擦を増加させる必要がある。 【0004】たとえば、発泡ゴムでトレッドを構成した
スタッドレスタイヤでは、発泡孔によるエッジ部分によ
り掘り起こし摩擦を増加させることと、エッジによる水
膜の除去作用による粘着摩擦の増加を図っている。しか
し、掘り起こし摩擦と粘着摩擦の増加のためには、発泡
孔の割合、すなわち発泡率を高める必要があるが、この
ことは、トレッド全体の軟化につながり、ひいては非積
雪地での走行安定性、制御性および耐摩耗性能低下の原
因となる。 【0005】また、特開平2−167353号公報に
は、もみ殻または木紛などのセルロース物質を含有する
粉体を配合したゴム組成物でトレッドを構成した空気入
りタイヤが開示されている。かかるセルロース粉体は、
ゴム成分と化学的結合を形成しないため、トレッド表面
に表出したセルロース粉体が走行中に脱落し、脱落によ
り生じた脱落孔が、発泡孔と同様に掘り起こし摩擦およ
び粘着摩擦の増加に寄与しうる。一方、セルロース粉体
がトレッド表面に表出して脱落するまでは、ゴム中の添
加剤として存在しているため、発泡ゴムのようにトレッ
ド用ゴムの軟化を招くことはなく、非積雪地での耐久性
の低下を招くこともない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、セルロース粉
体は、その分子構造においてOH基を多数有し、親水性
を示す。このため、トレッド表面に表出して脱落するま
でのあいだ、セルロース粉体は吸水によりその硬度が低
下するため、セルロースの粉体自体によって掘り起こし
摩擦を増加させることには限界がある。 【0007】このような事情に鑑み、本発明の目的は、
非積雪地での走行安定性、制御性および耐久性を低下さ
せることなく掘り起こし摩擦および粘着摩擦の向上した
トレッド用ゴム組成物を提供することにある。 【0008】さらに本発明の目的は、良好な耐摩耗性な
どの耐久性を有し、かつアイスバーン上においても優れ
たグリップ性能を示しうるゴム組成物を提供することに
ある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明のタイヤトレッド
用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100重量部に対
し、平均粒径100μm以下のエボナイト粉末を3〜3
0重量部およびシリル化剤を0.1〜3重量部配合する
ことを特徴とする。 【0010】エボナイト粉末をトレッド用ゴムに配合す
ることによって、該トレッド用ゴムの掘り起こし摩擦お
よび粘着摩擦を向上させて氷上性能を高めると共に該ト
レッド用ゴムの耐久性の低下を最小限に抑えることがで
き、さらにシリル化剤を配合することにより一層粘着摩
擦を向上させることができる。 【0011】本発明のゴム組成物は、タイヤトレッド用
として適しており、優れた耐久性および雪上だけではな
く氷上においても向上したグリップ性能を有するスタッ
ドレスタイヤを提供し、アイスバーン上で優れた加速お
よび制動特性を示す。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物のゴム成分は
ジエン系ゴムであり、その種類はとくに限定しないが、
一般に低温特性に優れたジエン系ゴム、たとえば、天然
ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴ
ム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)など
が用いられる。 【0013】エボナイトとは、天然ゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、ニトリルゴムなどの原料ゴムに多量の硫
黄を加え、長時間加熱してえられる硬質ゴムであって、
たとえば、ゴム100重量部に対して硫黄を30〜50
重量部配合したものを長時間加熱することによってえら
れる。エボナイトは撥水性である。また、あらゆる原料
ゴムから調製されるエボナイト粉末を本発明で用いるこ
とができる。 【0014】エボナイト粉末は、セルロース粉体と同程
度またはそれ以上の硬度をもち、トレッド表面に表出し
て凍結路面にて掘り起こし摩擦を発揮できる。また、そ
の撥水性は、凍結路面ではトレッド面と路面とのあいだ
に存在する水膜を除去しやすくし、エボナイト粉末の脱
落前にも粘着摩擦の向上に寄与する。さらに、エボナイ
トは、硫黄によりほぼ完全に二重結合が飽和されている
ことから、ゴム組成物の加硫によっても母体ゴム成分と
化学的結合を形成せず、トレッド表面に表出しているエ
ボナイト粉末は、走行中に脱落することができる。脱落
後は、その脱落孔が、発泡ゴムの発泡孔と同様に作用し
て掘り起こし摩擦および粘着摩擦の増加に寄与しうる。
しかもエボナイト粉末をグリップ性能向上のための必要
充分量配合しても、トレッド表面に表出して脱落するま
ではトレッドの軟化および耐久性に影響をおよぼすこと
なく添加剤としてゴム中に存在する。 【0015】本発明に用いられるエボナイト粉末の平均
粒径は100μm以下である。100μmを超えると、
エボナイト粉末のような硬質物質では、トレッド表面の
局部的な硬度差が大きくなり粘着摩擦を低下させてしま
う。また、脱落孔が大きくなりすぎるため、耐摩耗性の
低下を招く。さらに一般路面走行時のグリップ性能が低
下するとともにトレッド用ゴムのカケの原因となりやす
くなる。通常、30〜90μmの平均粒径を有するエボ
ナイト粉末が好ましい。 【0016】また、エボナイト粉末の含有量は、ジエン
系ゴム100重量部あたり3〜30重量部、好ましくは
5〜30重量部、より好ましくは7〜15重量部であ
る。3重量部未満では配合効果が充分現れず、30重量
部を超えるとトレッド面に表出する割合、ひいては脱落
孔の増加により耐摩耗性能が低下するからである。 【0017】ゴム組成物中へのシリル化剤の配合は、タ
イヤトレッドの粘着摩擦の向上に効果的である。シリル
化剤は、ゴム組成物中に存在するOH基、NHR基、C
OOH基、CONH基またはSH基などの活性水素を有
する化合物と容易に反応し、該活性水素が−SiR3
などのようなシリル基で置換される。したがって、トレ
ッド用ゴム組成物中の親水基が減少して疎水性に変わ
り、トレッド用ゴムに撥水性が付与される。そして、ト
レッド用ゴム表面への水または水膜の付着が防止され、
またトレッド用ゴム表面に付着している水滴が容易に取
り除かれる。 【0018】本発明においては、有機または無機化合物
のシリル化に用いられてきた公知のシリル化剤、すなわ
ち活性水素を有する有機または無機化合物中に該活性水
素との反応によってシリル基を導入することができる有
機ケイ素化合物を用いることができる。シリル化剤とし
ては、たとえば、クロロシラン化合物、とくに式:R1
4-nSiCln(式中、R1はアルキル基またはフェニル
基、nは1、2または3)を有するクロロシラン化合
物;アルコキシシラン、とくに式:(R2O)m−Si−
3 (4-m)(式中、R3はアルキル基またはフェニル基、
mは1、2または3)を有するアルコキシシラン;およ
びジシラザン化合物、とくにヘキサアルキルジシラザン
化合物などがあげられる。シリル化剤の代表例として
は、たとえばt−ブチルジメチルクロロシラン、フェニ
ルトリクロロシランまたはジフェニルジクロロシランな
どのクロロシラン化合物、ジクロロシラン化合物または
トリクロロシラン化合物;ジフェニルジメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシランまたはイソブチルトリ
メトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、および
ヘキサメチレンジシラザンなどのシラザン化合物があげ
られる。N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミ
ドおよびN,N′−ビス(トリメチルシリル)ウレアな
どの他のシリル化剤も本発明において適用されうる。こ
れらのシリル化剤は単独または混合して用いてもよい。 【0019】トレッド用ゴム組成物100重量部に対
し、シリル化剤を0.1〜3重量部、好ましくは0.5
〜2重量部配合することが好ましい。 【0020】本発明のトレッドゴム組成物には、タイヤ
の製造に用いられるゴム用の添加剤、たとえば硫黄など
の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、カーボンブラッ
ク、軟化剤、酸化亜鉛またはステアリン酸などの添加剤
などを含んでもよい。 【0021】本発明のゴム組成物は通常の方法で調製お
よび加硫されてもよい。 【0022】 【実施例】以下に、本発明を実施例にもとづいて説明す
る。 【0023】表1に示す組成を有するゴム組成物1〜1
1を配合調製した。なお、表1中の配合量の単位は重量
部である。また、オイル量は、各ゴム組成物の硬度が同
じになるように選択された量である。エボナイト粉末と
しては、いずれも平均粒径が80μmのものを用い、カ
ーボンブラックはN220を用い、シリル化剤としては
信越化学(株)製のフェニルトリエトキシシラン(KB
E103)を用い、セルロース粉体としては住金物産
(株)製の平均粒径120μmのもみ殻であるスミセル
コ(商品名)を用いた。 【0024】組成物1にはエボナイト粉末は配合せず、
組成物2にはエボナイト粉末のかわりにセルロース粉体
を配合した。 【0025】ゴム組成物1〜11でトレッドを構成した
空気入りタイヤを製造し、製造したタイヤ(185/7
0R14サイズ)について、つぎの評価方法にもとづい
て氷上性能および耐摩耗性を評価した。結果を表1に示
す。 【0026】氷上性能 スケートリンク上を15km/hで走行し、ブレーキを
かけたときの制動停止距離を測定した。測定した制動停
止距離の逆数を、ゴム組成物2(セルロース粉末配合)
の結果を100としたときの指数で表した。指数が大き
いほど、氷上制動性能に優れている。 【0027】耐摩耗性能 ランボーン試験機を用いて摩耗量を測定し、ゴム組成物
2(セルロース粉末配合)の摩耗量を100としたとき
の指数で表した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れてい
るが、78以上であれば許容範囲である。 【0028】 【表1】【0029】表1からわかるように、エボナイト粉末配
合ゴム組成物3〜11は、いずれもゴム組成物1および
2、とくに従来技術にしたがってセルロース粉体を含む
ゴム組成物2と比べて氷上性能が優れており、その効果
はエボナイト粉末の配合量に比例して大きくなる。一
方、耐摩耗性は、エボナイト粉末の配合量の増大にとも
ない低下しているが、エボナイト粉末の配合量がゴム組
成物100重量部に対して多くとも30重量部であるか
ぎり、許容範囲に止まった。 【0030】また、ゴム組成物3〜6と7〜10の結果
を比較すると、シリル化剤の配合により氷上性能が増大
することがわかる。したがって、エボナイト粉末とシリ
ル化剤とを併用することにより、エボナイト粉末の配合
量を抑制し、言い換えると耐摩耗性の低下を抑制しつ
つ、氷上性能の増大を図ることができる。 【0031】実施例で用いた成分に加えて、明細書中に
示した他の成分を用いて実質的に同様の結果をうること
ができる。 【0032】 【発明の効果】本発明のトレッドゴム組成物は、掘り起
こし摩擦および粘着摩擦の増大に寄与するので、これを
用いてトレッドを構成することにより、優れた氷雪性能
を発揮できる空気入りタイヤを製造できる。 【0033】また、エボナイト粉末とシリル化剤とを併
用することにより、耐摩耗性の低下を抑制しつつ、優れ
た氷雪性能を発揮できるトレッドをうることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 9/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ジエン系ゴム成分100重量部に対し、
    平均粒径100μm以下のエボナイト粉末を3〜30重
    量部およびシリル化剤を0.1〜3重量部配合してなる
    タイヤトレッド用ゴム組成物。
JP32754895A 1994-12-19 1995-12-15 タイヤトレッド用ゴム組成物 Expired - Fee Related JP3479399B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32754895A JP3479399B2 (ja) 1994-12-19 1995-12-15 タイヤトレッド用ゴム組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31518694 1994-12-19
JP6-315186 1994-12-19
JP32754895A JP3479399B2 (ja) 1994-12-19 1995-12-15 タイヤトレッド用ゴム組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08225682A JPH08225682A (ja) 1996-09-03
JP3479399B2 true JP3479399B2 (ja) 2003-12-15

Family

ID=26568219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32754895A Expired - Fee Related JP3479399B2 (ja) 1994-12-19 1995-12-15 タイヤトレッド用ゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3479399B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6006624B2 (ja) * 2012-11-26 2016-10-12 国立大学法人群馬大学 硫黄がドープされた蓄電デバイス用活性炭及びその製造方法
EP3547801B1 (en) 2018-03-29 2022-06-08 NXP USA, Inc. Defrosting apparatus and methods of operation thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08225682A (ja) 1996-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2865577B2 (ja) トレッドゴム組成物
EP0678549B1 (en) Rubber composition for tyre tread
JP3485388B2 (ja) スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物
JP3244841B2 (ja) トレッド用ゴム組成物
JP3485380B2 (ja) スタッドレスタイヤ並びにタイヤトレッド用ゴム組成物
JP3507218B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JPH11255966A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP4386504B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2006077097A (ja) 空気入りタイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP3479399B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP3717260B2 (ja) スタッドレスタイヤ用ゴム組成物
EP0641824B1 (en) Rubber composition for tyre treads
JPH10168234A (ja) トレッドゴム組成物
JP4555011B2 (ja) スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ
JP3459311B2 (ja) トレッドゴム組成物
JP3483673B2 (ja) スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物
JPH1160816A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP4587534B2 (ja) スタッドレスタイヤ用のトレッドゴム組成物
EP0718358B1 (en) Rubber composition for treads of studless tyres
JP3382322B2 (ja) 車両用タイヤ
JP3201877B2 (ja) トレッド用ゴム組成物
JP2675256B2 (ja) タイヤトレッドゴム組成物
JP2000211315A (ja) トレッド用ゴム組成物
JPH1060175A (ja) タイヤ用トレッドゴム組成物
JP3552816B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees