JP3480079B2 - 紡機の始動方法及び始動制御装置 - Google Patents

紡機の始動方法及び始動制御装置

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JP3480079B2
JP3480079B2 JP25839094A JP25839094A JP3480079B2 JP 3480079 B2 JP3480079 B2 JP 3480079B2 JP 25839094 A JP25839094 A JP 25839094A JP 25839094 A JP25839094 A JP 25839094A JP 3480079 B2 JP3480079 B2 JP 3480079B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリング精紡機等の紡機の
始動方法及び始動制御装置に係り、詳しくはフロントボ
トムローラとミドルボトムローラ以降の他のドラフトロ
ーラとをそれぞれ独立の駆動源で駆動する紡機における
始動方法及び始動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リング精紡機等の紡機においては、紡出
糸の品種に対応してドラフト装置におけるドラフト率を
変更する必要がある。フロントボトムローラとミドルボ
トムローラ以降の他のドラフトローラとがそれぞれ歯車
伝達機構で同期駆動されるドラフト装置においては、チ
ェンジギヤを交換してドラフト率を変更するようになっ
ている。ところが、チェンジギヤの交換には手間がかか
り、多品種少量生産を行う場合はチェンジギヤの交換が
問題となる。
【0003】この不都合を解消するため、フロントボト
ムローラとミドルボトムローラ以降の他のドラフトロー
ラとをそれぞれ独立の駆動源(例えばサーボモータ)で
駆動する構成のドラフト装置を備えたリング精紡機が実
施されている。そして、この種のドラフト装置を備えた
紡機では、紡機の制御装置は機台の運転時、両サーボモ
ータが同時に駆動を開始するとともに、始動時から予め
設定された回転速度比となる状態で同期駆動するように
制御指令を出力する。
【0004】ところが、ミドルローラには一般にエプロ
ンが巻き掛けられており、始動時の摩擦がエプロンのな
いフロントローラやバックローラに比較して非常に大き
くなる。その結果、機台の始動時にミドルボトムローラ
の捩じれが大きくなり、特に駆動側から離れている位置
で、フロントローラに対してミドルローラの回転開始が
わずかに遅れ、フロントローラとミドルローラ間で繊維
が過度に引き延ばされて糸切れ発生の原因となってい
る。
【0005】機台の始動時における駆動側と反対側にお
けるミドルボトムローラのフロントボトムローラに対す
る回転の遅れを防止する手段として、特開昭55−12
8025号公報には、ミドルボトムローラの両側に同期
モータを設けた構成が開示されている。
【0006】又、実公平3−22279号公報には、ギ
ルを挟んで配置されるとともにそれぞれ独立のモータで
駆動されるフィードローラ及びフロントローラを備えた
練条機において、その始動時にフロントローラをフィー
ドローラに遅れることなく駆動制御する装置が開示され
ている。この装置ではフロントローラには大きな負荷が
加わり、フロントローラを駆動するモータには大きな出
力トルクを発生するモータが使用されるとともに、モー
タの回転を制動する電磁ブレーキが設けられている。そ
して、始動時には電磁ブレーキによる制動状態でモータ
に制御信号が出力され、モータに対する制御信号が所定
電圧レベルに達したときに電磁ブレーキが解除されて、
モータが所定のトルクでフロントローラを駆動するよう
になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】機台の始動時における
駆動側と反対側におけるミドルボトムローラのフロント
ボトムローラに対する回転の遅れを防止する手段とし
て、ミドルボトムローラの両側に駆動用モータを設けれ
ば前記回転遅れが防止される。しかし、駆動用モータが
余分に必要となり、コストが高くなるとともに、駆動用
モータの取り付けスペースの確保のために機台が大型化
するという問題がある。
【0008】又、実公平3−22279号公報には同様
の機構は練条機に限らず、後工程の紡機にも応用できる
旨の記載がある。しかし、この機構はボトムローラの駆
動側に対して、始動開始に急激に大きなトルクを加える
構成であり、練条機のようにボトムローラが短い場合は
さほど問題はない。しかし、リング精紡機のように非常
に長いボトムローラの一端に急に大きなトルクを加える
とボトムローラに無理な捩じり応力が加わるという問題
がある。
【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はフロントボトムローラと他のド
ラフトローラとをそれぞれ独立の駆動源で駆動する紡機
において、新たな駆動手段を設けることなく始動時にお
ける糸切れを少なくすることができる紡機の始動方法及
び始動制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、フロントボトムローラ
と他のドラフトローラとをそれぞれ独立の駆動源で駆動
する紡機において、機台の始動時に先ず他のドラフトロ
ーラの駆動源を所定時間駆動した後、フロントボトムロ
ーラと他のドラフトローラとを同期した状態で駆動する
ようにした。
【0011】請求項2に記載の発明では、フロントボト
ムローラを駆動する第1の駆動源と、他のドラフトロー
ラを駆動する第2の駆動源と、紡機機台の始動時に、先
ず第2の駆動源に駆動指令を出力し、所定時間後に第1
の駆動源の駆動を開始した後、第1の駆動源と第2の駆
動源とを予め設定された回転速度比となるように同期駆
動させる駆動指令を両駆動源に出力して両駆動源を駆動
制御する制御手段とを備えた。
【0012】又、請求項3に記載の発明では、請求項2
に記載の発明において、前記他のドラフトローラには駆
動側端部と反対側端部の回転を検出する回転検出手段が
設けられ、前記制御手段は回転検出手段から回転検出信
号を入力した後、第1の駆動源と第2の駆動源とを予め
設定された回転速度比となるように駆動制御する。
【0013】請求項4に記載の発明では、フロントボト
ムローラを駆動する第1の駆動源と、他のドラフトロー
ラを駆動する第2の駆動源と、紡機機台の始動時に、先
ず第2の駆動源のみを所定時間駆動して停止した後、第
1の駆動源と第2の駆動源とを予め設定された回転速度
比となるように同期駆動させる駆動指令を両駆動源に出
力して両駆動源を駆動制御する制御手段とを備えた。
【0014】
【作用】請求項1に記載の発明では、フロントボトムロ
ーラとミドルボトムローラ以降の他のドラフトローラと
がそれぞれ独立の駆動源で駆動される。紡機機台の始動
時には、先ず他のドラフトローラの駆動源が所定時間駆
動される。その後、フロントボトムローラと他のドラフ
トローラとが同期した状態で駆動される。他のドラフト
ローラの駆動源のみが所定時間駆動されたとき、他のド
ラフトローラの駆動側と反対側の端部まで駆動源による
回転が伝達されると、全ての錘においてドラフトすべき
繊維がフロントローラ側に送り出される。この場合、フ
ロントローラとミドルローラとの間の繊維が若干弛んだ
状態となり、次にフロントボトムローラと他のドラフト
ローラとが同期した状態で駆動されたとき、フロントロ
ーラとミドルローラ間で繊維が過度に引き延ばされるこ
とがなく、糸切れの発生が防止される。又、反対側の端
部まで回転が伝達されない場合でも、駆動側でドラフト
ローラに加えられた回転が途中まで伝達された状態にあ
る。従って、フロントボトムローラと他のドラフトロー
ラとが同期した状態で駆動されるときに、ミドルボトム
ローラの駆動側と反対側の遅れが少なくなり、フロント
ローラとミドルローラ間で繊維が過度に引き延ばされる
ことがなく、糸切れの発生が防止される。
【0015】請求項2に記載の発明では、フロントボト
ムローラが第1の駆動源により駆動され、他のドラフト
ローラが第2の駆動源により駆動される。紡機機台の始
動時に、制御手段の駆動指令により先ず第2の駆動源が
駆動される。そして、所定時間後に第1の駆動源の駆動
が開始され、その後、制御手段の駆動指令により第1の
駆動源と第2の駆動源とが予め設定された回転速度比と
なるように同期駆動される。従って、請求項1に記載の
発明と同様に、フロントローラとミドルローラ間で繊維
が過度に引き延ばされることがなく、糸切れの発生が防
止される。
【0016】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、制御手段は回転検出手段からの検出
信号を入力した後、第1の駆動源と第2の駆動源とを予
め設定された回転速度比となるように駆動制御する。即
ち、ミドルボトムローラの駆動側と反対側端部が回転し
て繊維がフロントローラとの間で弛んだ状態となってか
ら、各ドラフトローラが同期して駆動されるため、フロ
ントローラとミドルローラ間で繊維が過度に引き延ばさ
れることがより確実になくなり、糸切れの発生が防止さ
れる。
【0017】請求項4に記載の発明では、紡機機台の始
動時に、先ず第2の駆動源のみが所定時間駆動された
後、停止される。次に制御手段からの駆動指令により、
第1の駆動源と第2の駆動源とが予め設定された回転速
度比となるように同期駆動される。そして、請求項1に
記載の発明と同様に、フロントローラとミドルローラ間
で繊維が過度に引き延ばされることがなく、糸切れの発
生が防止される。
【0018】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明をリング精紡機に具体化した
第1実施例を図1〜図4に従って説明する。図1に示す
ように、スピンドル1はモータMにより駆動されるタン
ゼンシャルベルト2により駆動されるようになってい
る。ドラフト装置を構成するフロントボトムローラ3は
減速機構4を介して第1の駆動源としての第1サーボモ
ータ5に連結されている。他のドラフトローラとしての
ミドルボトムローラ6及びバックボトムローラ7は減速
機構8を介して第2の駆動源としての第2サーボモータ
9に連結されている。即ち、フロントボトムローラ3と
ミドルボトムローラ6以降の他のドラフトローラとは、
それぞれ独立の駆動源で駆動されるようになっている。
ミドルボトムローラ6の駆動側と反対側端部には回転検
出手段としてのロータリエンコーダ10aが接続されて
いる。又、フロントボトムローラ3の駆動側と反対側端
部には紡出長検出手段としてのロータリエンコーダ10
bが接続されている。
【0019】スピンドル駆動用のモータMはインバータ
11と電気的に接続され、インバータ11を介して変速
制御される。第1サーボモータ5はサーボアンプ(サー
ボドライバ)12と、第2サーボモータ9はサーボアン
プ(サーボドライバ)13とそれぞれ電気的に接続され
ている。両サーボモータ5,9にはロータリエンコーダ
5a,9aがそれぞれ内蔵されている。インバータ11
及び両サーボアンプ12,13は制御手段としての制御
装置14と電気的に接続されている。
【0020】制御装置14は、演算手段及び制御手段と
しての中央処理装置(以下、CPUという)15を備え
ている。制御装置14は記憶手段としてのプログラムメ
モリ16、作業用メモリ17、入力装置18、入力イン
タフェース19、出力インタフェース20、モータ駆動
回路21及びサーボモータ駆動回路22,23を備えて
いる。CPU15は出力インタフェース20及びモータ
駆動回路21を介してインバータ11に接続され、出力
インタフェース20及びサーボモータ駆動回路22,2
3を介してサーボアンプ12,13にそれぞれ接続され
ている。CPU15はプログラムメモリ16に記憶され
た所定のプログラムデータに基づいて動作する。プログ
ラムメモリ16は読出し専用メモリ(ROM)よりな
り、前記プログラムデータと、その実行に必要な各種デ
ータとが記憶されている。プログラムデータには両サー
ボモータ5,9の回転数が図2の線図に従うように制御
するためのものがある。即ち、CPU15は紡機機台の
始動時に、先ず第2サーボモータ9に駆動指令を出力
し、所定時間tF 後に第1サーボモータ5の駆動を開始
する。その後、第1サーボモータ5と第2サーボモータ
9とを予め設定された回転速度比となるように同期駆動
させる駆動指令を両サーボモータ5,9に出力して両サ
ーボモータ5,9を駆動制御するようになっている。
【0021】各種データとしては種々の繊維種、紡出糸
番手及びドラフト率等の紡出条件と、定常運転時のスピ
ンドル回転速度、第1サーボモータ5の回転数及び第2
サーボモータ9の回転数との対応データがある。又、各
種データには紡出条件に対応した始動時のモータM及び
両サーボモータ5,9の加速条件データがある。スピン
ドル回転速度は紡出条件によって異なるが、ほぼ500
0〜25000rpmである。作業用メモリ17は読出
し及び書替え可能なメモリ(RAM)よりなり、入力装
置18により入力されたデータやCPU15における演
算処理結果等を一時記憶する。作業用メモリ17はバッ
クアップ電源(図示せず)を備えている。
【0022】CPU15は入力インタフェース19を介
して各ロータリエンコーダ5a,9a,10a,10b
と接続されている。CPU15はロータリエンコーダ5
a,9aからの出力信号に基づいて両サーボモータ5,
9をフィードバック制御する。
【0023】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。機台の運転に先立ってまず、入力装置18に
より繊維種、紡出糸番手、ドラフト率、定常運転時のス
ピンドル回転数等の紡出条件データが入力される。そし
て、始動スイッチ(図示せず)が押されると、ドラフト
装置は図3のフローチャートに従って駆動される。又、
両サーボモータ5,9の回転数は図2に示す線図のよう
に変化する。なお、図2で実線が第1サーボモータ5の
回転速度の経時変化を、破線が第2サーボモータ9の回
転速度の経時変化をそれぞれ示す。
【0024】CPU15はステップS1でサーボアンプ
13を介して第2サーボモータ9に駆動指令信号を出力
する(準備駆動工程)。このときCPU15は、フロン
トボトムローラ3とミドルボトムローラ6とを同期して
駆動する際の始動初期の加速度より小さな所定の第1加
速度で第2サーボモータ9を増速するように回転数指令
信号を出力する。CPU15はステップS2でロータリ
エンコーダ10aからパルス信号が所定量出力されたか
否かを判断し、パルス信号が所定量出力された時点(t
F )でステップS3に進む。そして、ステップS3でイ
ンバータ11を介してモータMに駆動指令信号を、サー
ボアンプ12を介して第1サーボモータ5に駆動指令信
号をそれぞれ出力する。即ち、ミドルボトムローラ6の
駆動側と反対側が確実に回転を開始した後、スピンドル
1及びフロントボトムローラ3の駆動が開始される。フ
ロントボトムローラ3はスピンドル1と同期して駆動さ
れる。
【0025】次にCPU15はステップS4に進み、両
ロータリエンコーダ5a,9aからの出力信号に基づい
て各サーボモータ5,9の回転速度を演算し、ステップ
S5で両サーボモータ5,9の回転速度比が予め設定さ
れた所定値となったか否かを判断する。そして、前記回
転速度比が所定値となった時点(t1 )からCPU15
はステップS6(同期駆動開始工程)に進んでサーボア
ンプ13への回転数指令信号を、第2サーボモータ9の
回転速度がフロントボトムローラ3の回転速度と同期し
た所定の回転速度比となるように変更する。即ち、前記
t1 時点からミドルボトムローラ6は始動開始時より大
きな所定の第2加速度で増速駆動される。
【0026】次にCPU15はステップS7に進んで両
ロータリエンコーダ5a,9aからの出力信号に基づい
て各サーボモータ5,9の回転速度を演算し、ステップ
S8で両サーボモータ5,9の回転速度が予め設定され
た所定値に達したか否かを判断する。そして、所定回転
速度に達するとその時点(t2 )でステップS9に進
み、各サーボモータ5,9を当該所定回転速度で駆動す
る。
【0027】前記のように紡機機台の始動時にミドルボ
トムローラ6の駆動側と反対側端部が所定量回動された
後、フロントボトムローラ3の駆動が開始される。従っ
て、全ての錘においてドラフトすべき繊維が図4に示す
ように、フロントローラ24とミドルローラ25との間
で若干弛んだ状態となる。従って、その後、第1及び第
2のサーボモータ5,9が同期して駆動されたとき、ミ
ドルボトムローラ6の駆動側と反対側端部の回転に遅れ
が生じても、フロントローラ24とミドルローラ25間
で繊維が過度に引き延ばされることに起因する糸切れの
発生が防止される。その結果、糸継ぎ作業が減るだけで
なく、糸切れ発生時から糸継ぎされる間にニューマ装置
に吸引される無駄な紡出を減少させることができる。
【0028】フロントローラ24とミドルローラ25と
の間で若干弛んだ状態となった部分は太糸となってボビ
ン(図示せず)に巻き取られる。しかし、リング精紡機
でボビンに巻き取られた糸は後工程のワインダで巻き返
されるときに、太糸部分が公知の糸継ぎ装置により除去
された後、糸継ぎされるため支障はない。ワインダ工程
における太糸除去及び糸継ぎ作業の手間は、リング精紡
機における糸切れ修復作業に比較してずっと簡単である
ので、始動時における糸切れが防止されることにより、
太糸発生に伴うデメリットが充分補われる。
【0029】(実施例2)次に第2実施例を図5に従っ
て説明する。この実施例ではミドルボトムローラ6の回
転を確認するロータリエンコーダ10aを省略するとと
もにタイマ(図示せず)を設けた点が機械的構成として
前記実施例と異なっている。又、機台始動時に第2サー
ボモータ9を駆動制御する制御プログラムが前記実施例
と若干異なっている。
【0030】この実施例では始動スイッチが押される
と、先ず第2のサーボモータ9がタイマに設定された所
定時間だけ駆動され、かつ停止される。この第2サーボ
モータ9の駆動時間t1 は0.5秒以上である。又、こ
の駆動時間t1 は予め試験運転により紡出条件毎に求め
られる。次に両サーボモータ5,9がスピンドル駆動用
のモータMとともに所定の回転速度比で互いに同期した
状態で同時に駆動され、両サーボモータ5,9が所定回
転速度に達した時点t2 で加速が停止されて所定速度で
駆動が継続される。即ち、この場合両サーボモータ5,
9は速度0から同時に同期状態で駆動が開始される。
【0031】両サーボモータ5,9が同時に駆動される
際には、その前に駆動側でミドルボトムローラ6に加え
られた回転が、ミドルボトムローラ6の駆動側と反対側
の端部まで伝達された状態、あるいは途中まで伝達され
た状態となる。そして、駆動側でミドルボトムローラ6
に加えられた回転が反対側の端部まで伝達された場合
は、全ての錘においてドラフトすべき繊維がフロントロ
ーラ24とミドルローラ25との間で若干弛んだ状態と
なる。従って、フロントボトムローラ3とミドルボトム
ローラ6が同期した状態で駆動されたとき、フロントロ
ーラ24とミドルローラ25間で繊維が過度に引き延ば
されることがなく、糸切れの発生が防止される。又、反
対側の端部まで回転が伝達されない場合でも、駆動側で
ミドルボトムローラ6に加えられた回転が途中まで伝達
された状態にあるため、両ボトムローラ3,6が同期し
た状態で駆動されるときに、ミドルボトムローラ6の駆
動側と反対側端部の回転の遅れが少なくなる。その結
果、フロントローラ24とミドルローラ25間で繊維が
過度に引き延ばされることがなく、糸切れの発生が防止
される。
【0032】この実施例では第2サーボモータ9が先ず
駆動され、かつ停止した後に、両サーボモータ5,9が
スピンドル1と同期した状態で駆動されるため、制御プ
ログラムとして従来の制御プログラムの前に、第2サー
ボモータ9を所定時間駆動するプログラムを追加するだ
けで、従来のものを全部利用できる。又、ミドルボトム
ローラ6を所定定常運転速度まで加速する際、途中で加
速度を変更する必要がないため、機台にショックを与え
ることがない。
【0033】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 (1)第1実施例において、図6に示すように、第2サ
ーボモータ9を先ず所定回転速度N1 まで加速した後、
その回転速度N1 に保持し、その後、第1サーボモータ
5の駆動を開始し、両サーボモータ5,9の回転速度比
が所定値となった時点t1 から両サーボモータ5,9を
同期駆動する。所定回転速度N1 まで加速する際の加速
度は特に規制はないが、両サーボモータ5,9を同期駆
動する際の第2サーボモータ9の加速度以上が好まし
い。この場合も第1実施例と同様な効果を発揮する。
又、この場合は第1実施例に比較して第1サーボモータ
の駆動開始時期の設定が自由となる。
【0034】(2)第2実施例において第2サーボモー
タ9の停止と同時に両サーボモータ5,9の同期駆動を
開始する代わりに、第2サーボモータ9の停止後、任意
の時間経過後に両サーボモータ5,9の同期駆動を開始
してもよい。両サーボモータ5,9の同期駆動開始時期
が遅れても、ミドルボトムローラ6の駆動側と反対側端
部への捩じれの伝達が進行するだけで、なんら問題はな
い。
【0035】(3)第2実施例においてミドルボトムロ
ーラ6の駆動側と反対側にロータリエンコーダ10aを
設け、第2サーボモータ9のみを駆動する際、ロータリ
エンコーダ10aからのパルス信号を入力した後、第2
サーボモータ9の駆動を停止するようにしてもよい。こ
の場合は全錘においてフロントローラ24とミドルロー
ラ25との間で繊維が弛んだ状態で両サーボモータ5,
9の同期駆動が開始され、糸切れが防止される。
【0036】(4)第1実施例において、第2サーボモ
ータ9を第1サーボモータ5との同期状態での駆動制御
を開始する時期を両サーボモータ5,9の回転速度比が
所定値になったときとする代わりに、第1サーボモータ
5の駆動開始から所定時間後としてもよい。
【0037】(5)ミドルボトムローラ6及びバックボ
トムローラ7をそれぞれ独立のサーボモータで駆動する
構成としてもよい。この場合両サーボモータが第2の駆
動源となる。
【0038】(6)ボトムローラ駆動用のモータとして
サーボモータに代えて、誘導モータ等の汎用モータを使
用し、インバータを介して変速制御してもよい。 (7)ドラフトローラの数は3本に限らず、4本以上で
あってもよい。又、ドラフトローラ駆動用の各モータと
ボトムローラとの間に設けられる減速機構4,8等は必
ずしも必要ではなく、減速機構を省略してモータで直接
ボトムローラを駆動する構成としてもよい。
【0039】(8)フロントボトムローラ及びその他の
ドラフトローラの駆動側と反対側に設けたロータリエン
コーダからの出力信号に基づいて各サーボモータの回転
速度を確認する構成としてもよい。
【0040】(9)スピンドル1をタンゼンシャルベル
ト2で駆動する構成に代えて、ドライビングシャフトに
嵌着されたチンプーリに巻き掛けられるスピンドルテー
プで駆動する構成としてもよい。この場合フロントボト
ムローラ及びドライビングシャフトを同一モータで駆動
する構成としてもよい。
【0041】(10)リング精紡機に限らず、粗紡機等
に適用してもよい。 前記実施例及び変更例から把握できる請求項記載以外の
発明について、以下にその効果とともに記載する。
【0042】(1)請求項4に記載の発明において、ミ
ドルボトムローラの駆動側と反対側端部の回転を検出す
る回転検出手段を設け、回転検出手段からの回転検出信
号が出力された後に第2の駆動源を停止する。この場
合、予め試験運転を行わなくても糸切れがより少なくな
る。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明によれば、フロントボトムローラと他のド
ラフトローラとをそれぞれ独立の駆動源で駆動する紡機
において、新たな駆動手段を設けることなく始動時にお
ける糸切れを少なくすることができる。又、請求項3に
記載の発明では、糸切れがより少なくなる。又、請求項
4に記載の発明では、制御が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の概略構成図。
【図2】 サーボモータの回転数の時間変化を示す線
図。
【図3】 作用を説明するフローチャート。
【図4】 ミドルローラとフロントローラとの間の繊維
の状態の模式図。
【図5】 第2実施例のサーボモータの回転数の時間変
化を示す線図。
【図6】 変更例のサーボモータの回転数の時間変化を
示す線図。
【符号の説明】
3…フロントボトムローラ、5…第1の駆動源としての
第1サーボモータ、6…他のドラフトローラとしてのミ
ドルボトムローラ、9…第2の駆動源としての第2サー
ボモータ、10a…回転検出手段としてのロータリエン
コーダ、14…制御手段としての制御装置、15…制御
手段としてのCPU。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントボトムローラと他のドラフトロ
    ーラとをそれぞれ独立の駆動源で駆動する紡機におい
    て、 機台の始動時に先ず他のドラフトローラの駆動源を所定
    時間駆動した後、フロントボトムローラと他のドラフト
    ローラとを同期した状態で駆動する紡機の始動方法。
  2. 【請求項2】 フロントボトムローラを駆動する第1の
    駆動源と、 他のドラフトローラを駆動する第2の駆動源と、 紡機機台の始動時に、先ず第2の駆動源に駆動指令を出
    力し、所定時間後に第1の駆動源の駆動を開始した後、
    第1の駆動源と第2の駆動源とを予め設定された回転速
    度比となるように同期駆動させる駆動指令を両駆動源に
    出力して両駆動源を駆動制御する制御手段とを備えた紡
    機の始動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記他のドラフトローラには駆動側端部
    と反対側端部の回転を検出する回転検出手段が設けら
    れ、前記制御手段は回転検出手段から回転検出信号を入
    力した後、第1の駆動源と第2の駆動源とを予め設定さ
    れた回転速度比となるように駆動制御する請求項2に記
    載の紡機の始動制御装置。
  4. 【請求項4】 フロントボトムローラを駆動する第1の
    駆動源と、 他のドラフトローラを駆動する第2の駆動源と、 紡機機台の始動時に、先ず第2の駆動源のみを所定時間
    駆動して停止した後、第1の駆動源と第2の駆動源とを
    予め設定された回転速度比となるように同期駆動させる
    駆動指令を両駆動源に出力して両駆動源を駆動制御する
    制御手段とを備えた紡機の始動制御装置。
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